無職「伝説にでもなるか」【安価・コンマ】 (258)
・色々思うところがあって6年ぶりくらいにss書きます。
・安価・コンマも久しぶりだからgdgdしたらごめんね。
では早速プロローグです。
無職「うーむ、それそろ伝説にでもなるか」
無職「まぁ、まだなんの伝説かは考えていないが……」
――この男は無職である。さて、彼はどうして無職なのかな?
1~30 就活に失敗
31~60 既に定年
61~90 労働する身分ではない
91~00 社会に属していない
↓2【コンマ】
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1632830520
……彼は学生時代、就活に失敗してしまったんだね。
まぁ、今の日本では珍しいことではないけどね。
なぁに取り返しのつかないことではないさ。彼の年齢にもよるけど、やり直すことはできるだろうさ。
――大丈夫だよね……?
1~30 20代+【コンマ下2一桁】
31~60 30代+【コンマ下2一桁】
61~90 40代+【コンマ下2一桁】
91~99 50代+【コンマ下2一桁】
00 まさか10代
↓2【コンマ】
あー……ハイハイ。
まぁ人間としては決して若い方ではないけどさ。
それこそ、早い奴なら孫だって生まれているだろうけど……。
そんな53歳の男が無職なんて、よっぽどの事情がない限り世間様の目は冷たいぜ?
――彼には何があったんだい?
1~30 こじらせた子供部屋おじさん
31~60 体を壊したベテランアルバイター
61~90 世間ずれした芸術家
91~99 流浪人
00 まさかの宝くじ当選から早期ドロップアウト
ごめんなさい。間違えた。
↓2【コンマ】
はい
はい
>>10 ありがとう。
あんまり進まないときは自分でkskするから許してね。
――――――――――――――――――――――――――――――――
……彼は芸術家なんだ。もっともそれはほとんど自称だけどね。
彼にはパトロンもいないし、自分の作品を売ることもない。
世間から冷たい目で見られようとも、歯牙にもかけないで自分の作品を創りつづける人間さ。
――ちなみに……どんなジャンルの芸術家なんだい?
↓3【安価】
やっぱりオリジナルだとあんまり伸びないかな。
kskするよ。
しばらくは連取りとかもok。久しぶりだし気楽にやります。
文芸家は可ですか?
無理なら風景画
>>14 全然アリです。芸術ですね。採用。
――――――――――――――――――――
ほう……てっきり絵とか、彫刻とか思ってたけど彼は文章で人生を紡ぐのか。
彼にとって文字とは呼吸と変わりないレベルで生活に染みついているんだねぇ。
ただ文壇に上がろうとかそんな野心は一切ない。他人のために書かない。
自らの満足――それだけのためにある種狂気じみた才能を発揮している。
なかなかお目にかかれないタイプの人間かもね。
彼のプロフィールはこんな感じか。
男 53歳
・学生時代就活に失敗して以来、自称文芸家として創作に取り組む。
じゃあ最後に2つ――とっても重要なことだ。
――彼の名前は?
そして――どうしてこんな狂人じみた男がいままで生きていられたのか?
君たちに教えてほしい。
【名前】 ↓2【安価】
【略歴】 1~30 不定期な仕事(つまりほぼ無職)
31~60 非合法の仕事(社会的には無職)
61~90 自給自足
91~00 犯罪者
↓1【コンマ】
……なるほど、霧崎壮一か。
不定期な仕事をこなしながら、金がなくなればしばらく生きる分だけ稼ぐその日暮らし。
世間とは極力かかわらず、己がためだけに物語を紡ぎ続ける異端者。
だがそんな暮らしを30年以上続けられるのは、よほど運がいいのか。あるいは無欲のなせる業だったのか……。
【名前】霧崎壮一
【年齢】53
【性別】男
・現在無職
・自らの物語に人生をささげている。
――うん、面白い男じゃないか。
履歴書の欄は追々書き足していってくれ。彼が書き続けるようにね。
彼の人生にお邪魔して観測し続けるのが、君たちの役目だ。
導くのも、追い込むのも自由さ。ただ最後まで見届けるんだ。務めを全うしてくれよ。
それじゃボクはこの辺で。君たちの報告を楽しみに待っているからねぇ。
…………………
…………
……
今日はここまで。
やっぱり久しぶりだとなかなか書けないね。
できれば毎日やりたいけど、そこらへんは未定です。
感想、批判大歓迎。荒らしはちょっとだけ勘弁な。ありがとうございました。
最後に。
霧崎が自分のためにどんな物語を書いているのか。
安価ではないですが書き込んでいただけると参考になります。
なろう系
22:30からぼちぼちと再開。
プロローグと言いつつ、実質キャラメイクで終わったので今回が本当のプロローグです。
>>22-26
安価ではないけど全部採用しました。
――私はおおよそ幸福ではないのだろう。
その名前とは裏腹に孤独とは群れをなしてやって来る。
歩みを止めるのをゆっくりと待っているのだ。私が1人倒れ、くたばるのを待っている。
そしてこの狼どもはもはや待ちきれぬ様子で、今にも私の喉元に噛みつき、四肢を引き裂き、バラバラに食い荒らそうとしているのだ。
そうはさせん。そうはさせんさ。
この物語の結末こそが私の終わりだ。
書くまでは死なん。死ぬときが書き終わるときなのだ。
………………
…………
……
―――――――――――――――――――――――
履歴書追加項目
霧崎壮一の作品
ジャンル 長編伝奇小説
概要
霧崎壮一が学生時代の終わりから、書き続けている小説。
作品は自伝的な日記を除けば、シリーズとして後にも先にもこれ1つである。
あらすじ
かつて教会を破門された過去を持つ殺し屋の主人公が、
妖怪との出会いをきっかけに妖怪陣営に立ち、
神の教えではなく自らの善によって
人間社会の悪、時には妖怪とも戦っていく
勧善懲悪伝奇俺TUEEEEE物。
―――――――――――――――――――――――――
作品名↓3「安価」
ペンネーム ↓2「コンマ」
01~80 本名とおなじ
81~00 さらに安価で決定
ペンネームは本名と同じ。
作品名もお願いします。
タイトル ↓1【安価】
―――――――――――――――――――――――
履歴書追加項目
霧崎壮一の作品
『妖怪と人怪』
ジャンル 長編伝奇小説
概要
霧崎壮一が学生時代の終わりから、書き続けている小説。
作品は自伝的な日記を除けば、シリーズとして後にも先にもこれ1つである。
あらすじ
かつて教会を破門された過去を持つ殺し屋の主人公が、
妖怪との出会いをきっかけに妖怪陣営に立ち、
神の教えではなく自らの善によって
人間社会の悪、時には妖怪とも戦っていく
勧善懲悪伝奇俺TUEEEEE物。
―――――――――――――――――――――――――
もうひとつ安価取ります。
これから霧崎が出会う人間です。
人物名が好ましいですが、なにかのキャラクター名でも問題はありません。
とある人物の名前 ↓2【安価】
……
…………
………………
チュンチュン
霧崎「……朝か」
1日中、各地の怪異や伝説にまつわる資料を読み漁ればこうもなろう。
気が付かない内に意識をなくして朝に至る。
忌々しいことに、老いはどんどん私の体を蝕んでいた。
50代は働き盛りという人間もいるのだろうか?
最近では徹夜することもままならない。
体の軋みを確かめつつ、どこも痛めていないことに安堵する。
それがなくても調子の良い体ではないのだから。
本来であれば軽く茶漬けでもかきこんでから物語の続きを書きたいところだが……。
電源の抜けた冷蔵庫を開けてみる。
中には腐りかけの葉物とわずかばかりの味噌のみ。
米などとっくに尽きていた。
それを買う金もすでに底が見えている。
――あぁ、そうだ。
そこまで来てようやく私は気づいた。
今日は午前中に森宮緑と会わなければならない。
他人と会うとき、私はたいてい陰鬱な気持ちになるが、森宮に対してはあまりそういう方向に傾かない。
限りなく怪しいが、信頼のおける人物であることは私の中では確かだった。
なにしろ私の住むアパートを紹介してくれたのは森宮である。
食い扶持の紹介もほとんどが森宮からだった。もはや森宮に生かされていると言っても過言ではないだろう。
今日も仕事を紹介してもらう予定だ。
私は可食できそうなものをなんとか鍋にぶち込み、味噌汁にして食った。
そして採点減の身支度を整えるといつもの待ち合わせ場所へと出かけた。
………………
…………
……
――森宮緑とはどんな人物?
【性別】 ↓3まで多数決
【年齢】 01~30 20代+【コンマ下2一桁】
31~60 30代+【コンマ下2一桁】
61~90 40代+【コンマ下2一桁】
91~99 50代+【コンマ下2一桁】
00 まさかの10代
↓2【コンマ】
いつもの喫茶店で待ち合わせ。
というよりも彼女に対して御用聞きをするというのが正しい物の見方か。
いつもの喫茶店を経営しているのが、件の森宮緑なのだから。
森宮「いらっしゃい……ではありませんでしたね。お久しぶりです。霧崎さん」
霧崎「うん」
森宮「さぁさカウンターにお掛けになってください。今、飲み物をお持ちしますからね」
森宮という女は不思議な女だった。
子供のような愛嬌があるかと思えば、年上の私に世話を焼いてみる。
まるで姉のようにふるまうこともあるのだ。嫌悪する前に辟易してしまう。
しばらくしないうちにカウンターにグラスがおかれた。中身は透明。ただの水だ。
私に金がないことを知っているのだ。いつものことなので私は手を付けない。
世話を焼くが甘やかしはしないのが他人に対するこの女の常だった。
霧崎「それで……仕事のことなんだが」
森宮「えぇ、えぇ。存じております。ありますよ、ぴったりの仕事が」
森宮に頼んだ仕事の条件は2つ。
①他人と積極的に話さなくてよいこと。
②長くても2か月程度の短期であること。
この条件の時点で仕事はかなり限られてしまうのだが、そこを森宮は上手く見つけてくる。
求人情報よりもよほど頼りになるのだ。
森宮「↓1【安価】なんてどうでしょう?」
森宮「簡単に言えば夜の神社の見回りです」
霧崎「それは……またずいぶんと……キナ臭いな」
森宮「興味はあるでしょう? 詳しいことは神主から直接聞いてくださいな」
森宮には小説のことは話していない。(無論誰にも話すつもりはないが)
しかし私の資料集めやら節々の雑談から、そういうものが好きだという認識があるらしい。
その神社は小さいながらも縁結びや悪縁を絶つご利益があるという神社だ。
実際に興味を惹かれることは確かだ。そしてそういった数多の伝承や伝説が私の創作に活かされていることも確かだ。
この依頼を断れば面倒だろう。また仕事探しから始めなければならない。悠長に構えている時間も金もない。
あらゆる理由が私の中で正当化されていく。
ちなみに報酬は……
01~30 3日程度なら生きられる
31~60 1週間は大丈夫
61~90 かなり切り詰めれば1か月は大丈夫だろう
91~00 1年…?
↓2 【コンマ】
提示された金額なら1週間は食べていけるだろう。
21時から0時まで3時間の見回り、たった1日の報酬としては高すぎるのが気にかかるが。
結局、私は森宮の提案を呑み、この仕事を受けることにした。
しかし特別なものが必要ないとはいえ、仕事はなんと今日の夜に現地集合だという。
私は嘆息したが、森宮に形式的な礼だけ言い。自宅へ戻った。
そして神社へ出発するまでの間、ひたすら文字を走らせたのだ。
この物語は続いていく。今ここで死ぬわけにはいかない。
………………
…………
……
うーん、書くスピードを早くしていかなくては……。
霧崎の目的がはっきりしてきましたのでこれがお話の軸になります。
つまり【道半ばで死なずに作品を完結させる】ことが目的です。
どういうことかというと、おそらく彼はこの後神社で死にかけるということです。
それも安価とコンマ次第ですが伝奇物の文芸家自らが伝奇に巻き込まれていきそうですね。
本日はここまでです。ありがとうございました。
――日も沈み、あたりがすっかり暗くなった頃。私は約束の場所へ時間通りに到着していた。
暗く、車通りの少ないところで、それに比例して人通りも少なくなっている。
霧崎 (森宮の話では階段の下で待っていればいいはずだが……)
??? 「失礼、あなたは……」
霧崎「ん?」
1~60 「森宮さんの紹介でいらっしゃった方ですか?」
61~90 「縁切りに興味がお有りで?」
91~00 「『ニンゲン』かな?」
↓1【コンマ】
神主「森宮さんの紹介でいらっしゃった方ですか?」
霧崎「あぁ……はい。霧崎です」
霧崎(若いな……二十歳そこそこに見えるぞ)
神主「今回は引き受けて下さってありがとうございます」
霧崎「いえ……仕事ですから」
神主「では早速境内を回りながら説明させていただきますのでついてきてください」
そういうと神主の男はスタスタと階段を昇っていく。私も遅れぬよう後を追った。
神主「この神社は基本的には24時間、境内の出入りは自由になっています」
この神社には縁結びや悪縁を絶つ等、縁にちなんだご利益がある。
しかし神主の説明ではここ最近、夜中にこっそりと縁切りの儀式を行うものが後を絶たないようだ。
いわゆる『丑の刻参り』である。
神主「私としては例え神聖な場所であろうとも、人が行うことなどに興味はありませんし何も言いますまい」
極端な話、野球をしようが、賽銭を盗もうが至極どうでもいいことだと神主はのたまう。
ただこの男はどうも草木が好きらしく、儀式のために草木へいたずらに釘などを撃ち込まれるのは我慢ならないらしい。
神主「本来であれば警備会社などに依頼するのが筋なのでしょうがそれも難しく……」
霧崎「何が難しいんだ?」
神主「主神の機嫌が悪くなるのです。……半分は冗談ですよ?」
神主は笑ったが、半分は真実らしい。
以前警備会社に依頼したところ、極端な頻度で監視カメラが故障し見回りの警備員の事故が相次いだ。
それ以来、警備会社には頼みづらくなっているという。
神主「制服が好きではないんですかねぇ」
神主は随分とのん気だ。境内で何をしようと興味はないなどとのたまう方がよほど罰当たりにも思えるが。
その後、各ポイントを回って鳥居の前まで戻ってきた。
あとはここからしばらく見回りを続けて、引継ぎの人間と交代すればいいらしい。
神主「この時間だけどうしても都合がつかなかったんです。助かりますよ」
霧崎「念のために伺いたいのだが、見回りの際本当に丑の刻参りをしている奴を見つけたらどうする? 捕まえるのか?」
神主「そこまでしなくて結構です。暗がりから大声でも出せば驚いて逃げ出すでしょう。そもそも見つかってはいけない儀式ですから神経過敏になっているでしょうし」
神主「見回りを始めてからそういう人たちも、うんと少なくなりましたからね。しばらく続ければまた前のように静かな神社に戻るでしょう」
最後に『ではよろしくお願いします』と言って神主は去っていった。
私の手には懐中電灯が1本。ただの見回りなら十分な明るさを保っている。
それに静かでひんやりとした空気は物事を考えるのによさそうだ。話の展開を決めるにはうってつけの夜ではないか。
私は再び神主と歩いたルートを周り始めた……。
………………
…………
……
毎度短いけど本日ここまで。ありがとうございました。
最後に安価取りつつ終了です。
出揃ったら全てを選択肢にしてコンマで展開を決定します。
――この後、霧崎に何が起こるか? ↓【再開するまで】
あんまりにも現実味のない雰囲気の少女と遭遇する
>>60-65まで
6等分して余りは全部乗せ
01~16 あんまりにも現実味のない雰囲気の少女と遭遇する
17~32 錆びた質感のザリガニのようなサソリのような「両手がハサミ」のものが、ゆっくり空を飛んでいるのを見る
33~48 自身の写真が貼られた藁人形が木に打ち付けられているのを発見してしまう
49~64 首吊り死体を見つけ、その死体に話しかけられる
65~80 正気を失った様子の男に追われている女性が助けを求めてくる
81~96 腹痛に襲われてとてもトイレに行きたくなる
97~00 全部
↓2【コンマ】
――長い時間ではなかった。それこそ神主と別れて20分も経っていないはずだ。
霧崎(誰かいる……)
私は念のためにライトを消し、獲物を待つハンターのように身をかがめた。
――思えば、そう思うこと自体が既におかしかった。
私が神主に聞いたように、仮に丑の刻参りをしている人間が実際にいたとしても己の存在を隠す必要などどこにもない。
あえてそうしたのは無意識の危機感からか、もしくは見えざるものの力に引き寄せられていたからなのか。
程なくして私は己の直感が正しかったことを認識する。確かに人はいたのだ。
霧崎(…………っ)
それは少女だった。ライトはつけていない。少女が光源を持っているわけでもない。
他に明かりはなかった。ただはっきりとそれは少女とわかった。
……厳密には少女が光源を持っていないというのには語弊がある。
なぜなら――目の当たりにしている少女それ自体が光っていたのだ。
うすぼんやりと、儚い蛍のように少女は光っていた。
息を?む。目を奪われる。
そしてうかつだったのは小枝か何かを踏んづけて音を鳴らしてしまったことに今の今まで気づかなかったことだ。
少女「!」
霧崎(気づかれた!)
――少女の行動。もしくはどんな言葉を発したか?
↓2 【安価】
少女「あ……うぁ……」
霧崎(あれは……怯えているのだろうか?)
心なしか光量も小さくなったような気がする。
霧崎(どうする……?)
1.声をかける
2.逃げる
3.追い払う
↓3まで多数決 同数でコンマ判定
寝落ちしたので更新はまた次回。
今日は更新ありません。気長にお待ちください。
―――――――――――――――
霧崎(声をかけてみるか……?)
霧崎「↓10まで【安価の後コンマ】」
私はただの見回りだ。何もするつもりは無い
>>78-80
似たような系統の発言なので全採用。
――――――――――――――――
霧崎「君はここで何をしているんだ?」
私にできたののは余りにも常識的すぎる対応だった。
むしろ社会経験などろくに持たない私にはそれ以外の方法がなかったともいえる。
少女「……ぁ」
霧崎「私はただの見回りだ。何もするつもりはないし、少なくとも君に危害を加えるつもりはない」
霧崎「もちろん君がおとなしく立ち去ってくれればの話だが」
私は冷静を装っていたが、完全に我を失っていた。無理に決まっている。
どこに体を発光させながら街を歩ける人間がいる?
いないからこの少女はこの人目につきにくい場所に隠れるようにいたのではないのか。
だがそれを考える余裕は今の私にはなかった。
そもそも目の前にいる少女が本当に人間なのかも怪しいところだ。
夜の神社にはよくないものも集まってくる。
目の前にいるのが妖の類であるならば私はなす術もなく喰われてしまうのではないだろうか。
怯えているように見えるが、そう油断をさせておいて隙を見せたら猛然とこちらに襲い掛かってくる可能性もある。
そんなどうにもならない無益な考察のみが私の中で反芻される。
この時点ですでに受け身の態勢だった。
結局、私は逃げ出すことも追い出すこともできずに少女の反応を待つばかりとなってしまった。
少女→霧崎への好感度判定と行動
01が最低値、00が最高値。
↓1【コンマ】 好感度
↓2【コンマ】行動
01~25 襲い掛かってくる
26~50 逃げ出す
51~75 近づいてくる
76~95 しゃべりだす
96~00 「やっと……会えた」
帰ってきたらすごいことになってた。
少女→霧崎への好感度 92
――――――――――――――――
少女「やっと……会えた……」ドサッ
少女はフラフラとおぼつかない足取りでこちらに2,3歩寄ってきたかと思うとそのまま地面に倒れこんだ。
霧崎「おい!」
先ほどまであれほど逡巡してたにもかかわらず、私は迷いなくライトを点けて少女に駆け寄った。
私が特別お人よしというわけではない。例えば往来激しい街中で誰かが倒れたならほとんどの人間は何もしないだろう。
ただ自分以外に人がいない状況でこうなれば、ほとんどの人間がこうするに違いない。
つまりこれは人間に刻まれた本能的な行動でしかない。きっとそうなのだ。
少女の発光はその命と同期しているように一層弱々しいものになっていた。
ただ息はしている。脈や鼓動も感じられる。
病気やけがではなく、疲れ果てて衰弱しているというのが素人目の判断だ。
霧崎(さて、この娘……一体どうするか)
霧崎(引継ぎの時間まではまだまだある)
霧崎(かといってこのまま放置するのも得策とは言えない……)
霧崎(しかしこの針の穴にも劣るちっぽけな罪悪感のみで食い扶持を潰すわけにもいかん)
救急車を呼ぼうにも携帯電話などは持っていない。そもそもこの神社にだって何も持たずに歩いてきたのだ。
霧崎(全く厄介なことになったぞ……)
一体どうすればいいのか皆目見当もつかない。
なにか妙案を思いつければいいのだが……。
↓3まで【安価】の後【コンマ】判定
神頼みというのも馬鹿らしいが、発光している存在を自力でどうにかする方法も予想つかないし、境内に背負っていく
本日21:00より再開予定。
霧崎の行動からスタート。選択肢は>>92-94。
構想上、それぞれの選択はこんな感じに影響していきます。ご期待ください。
①神頼みというのも馬鹿らしいが、発光している存在を自力でどうにかする方法も予想つかないし、境内に背負っていく 【危険度:中】
②自分の血を飲ませてみる 【危険度:低】
③神主なら何か知っているかもしれないので神主に見てもらう 【危険度:高】
霧崎(どうする……?)
安価を3等分。余りはクリティカル扱いで。
01~33 神頼みというのも馬鹿らしいが、発光している存在を自力でどうにかする方法も予想つかないし、境内に背負っていく 【危険度:中】
34~67 自分の血を飲ませてみる 【危険度:低】
68~99 神主なら何か知っているかもしれないので神主に見てもらう 【危険度:高】
00 神『そこの男……聞こえているか?』
↓1【コンマ】
霧崎「仕方あるまい……」
結局どちらも捨てきれずに私は少女を背負って巡回を続けることにした。
少し時間を置けば、やはり先ほどの見立ては正しかったようで疲れ果てて眠っていただけのようだ。
背負うのには難儀したが少女が無意識に手をまわしてくれたおかげで何とか背負えることができた。
あぁ、体の節々が痛い。
さすがに2時間背負うことはできないだろうが、休み休みいこう。
誰に見られるわけでもない仕事だ。何周かすれば問題もあるまい。
↓1【コンマ】
何か良くないことが起き……
01~70 る
71~00 ない
霧崎「はぁ……ひぃ……」
実に情けないことだ。嘆かわしい。己の老いがこれほど憎いことはない。
肉体労働をしてこなかったわけではないが、人一人背負って歩き続けるのがこれほど辛いものだったとは。
使う筋肉が違うのだろうか? 肉体への疲労度が全く違う。
体力など最初の30分で尽き果てた。
あとは全て気力――執筆の参考になる良い経験だと半ば慰めのような鼓舞しかできなかったが。
そもそも少女を背負った時点で、この後交代の人員と引き継がなければいけないのを失念していた。
仮に少女の意識が戻ったとして、この状況をどう説明すればいいのだろうか?
交代の人間に救急車でも呼んでもらおうか?
どうなるにせよ、面倒なことになるのは間違いない。
本来ならため息の1つでも出るところだが、そんな余裕はない。
ひどく荒い呼吸に紛れ、夜の闇に消えていった。
ガサッ……
霧崎「!」
霧崎(おい……なんだ……?)
霧崎(これ以上の面倒は勘弁してくれ……)
何とか少女を地面に横たわらせ、ライトを構えなおす。
息が整うまでにはまだしばらくかかりそうだ。
――そしてそれは茂みを掻きわけるようにやってきた。
それ ↓2【コンマ】
01~25 様子のおかしい野良犬
26~50 様子のおかしい人間
51~75 様子のおかしい神主
76~95 異形のモノ
96~00 「やっと……見つけた」
女「ウゥ……」
ライトを当て、茂みから出てきたのは女だった。
ただ明らかに様子がおかしい。ライトに照らされているにもかかわらず、その目の焦点は虚空を見つめていた。
霧崎「また女か……」
思わず独りごつ。
疲れて余計な思考ができなかったからか。
それとも少女との邂逅ですでに現実感を喪失していたのか。
――女の手に握られた大きな杭とカナヅチに対して私は大して動揺もしなかった。
推測しなくても丑の刻参りにやってきたお客さんだろう。
精神を患っているのか、それとも儀式に失敗した代償か。
ゾンビのようにふらふらと。手には凶器を携えてこちらに向かってくる。
この時、私に多少の油断があったことは否めない。
向かってくる女の線は細いし、疲労困憊とはいえ場合によっては逃げることも
いや、襲われるということさえわかっていれば戦っても負けはしないという算段だった
――だから隙を突かれた。
私が女と相対し、何があってもいいように早く息を整えようと深く息を吸おうとした瞬間
女「……シッ!」
女はそれまでの動きは演技だったといわんばかりの素早さでカナヅチを投擲してきた!
霧崎「うおッ!?」
私の頭をめがけて正確に飛来するカナヅチ。とっさに右手でカナヅチを払う。
持っていた懐中電灯に当たったのは幸運でもあり不幸でもあった。
直撃していれば右手はしばらく使い物にならなかったかもしれない。
しかし引き換えに光を失った。当然ながら懐中電灯が割れてしまったのだ。
女はその一瞬で私との間合いを詰めると、全体重を乗せて私に飛びかかってきた!
霧崎「うっ!?」
避けること叶わず、私は地面に押し倒された。
女は間髪入れずに両手へと持ち直したバカでかい杭を私の喉元めがけて振り降ろす!
私も必死に女の腕をつかんで抵抗する!
火事場の馬鹿力という言葉があるが、老いの前には嘘っぱちのようだ。
というよりもこの女の力が尋常ではないのか……!
ジリジリと喉元に杭が迫ってくる。
霧崎(どうにもならないのかっ……!?)
女と霧崎の対抗コンマ
計算後、数字の大きい方が勝利
↓1【コンマ】 女の数値
↓2【コンマ】-20 霧崎の数値
あ
女 62
霧崎 83-20→63
霧崎の勝利
――――――――――
それは紙一重の攻防だった。
少女「ぅ……」
女「!」
偶然にも少女の喉からでた声に女が一瞬だけ反応したのだ。
そちらに意識がとられた、そのわずかな一瞬を今度はこちらが見逃さなかった。
先ほどはないと思っていた火事場の馬鹿力を今こそ使うとき!
霧崎「うおおおおおおおっ!」
咆哮を上げ女を力任せにひっくり返す!
――ここで私が書く小説の主人公であれば華麗に反撃もできただろうが、もはやそこまでの体力は私に残されていない。
女をひっくり返したのはいいものの、とにかくそこから距離をとって呼吸を整えなおすので精一杯だった。
女はさきほどのゆっくりとした動きに戻り、私の方を睨んでいる。
境内はもはや光の届かぬ空間だが気配でわかる。死の淵に経つと夜目も聞くようになるらしい。
女は私の弱り具合を観察するようにジッと動かない。
私は何もないよりはマシかとさらに息を整えながら足元にある砂を握りこんだ。
――しかし突然女は踵を返した。
霧崎(……?)
突然の出来事に戸惑うが、女の向かう先には少女がいる。
そして女は再び杭を力強く握りしめた。
女の意図はわからないが、この後どうなるかはわかる……!
霧崎「待て!」
私は女に砂を投げつけるが女は意にも介さない。
霧崎「クソッ!」
「うおおおおおおおおおおおおおああああああぁぁぁ!!!!!」
……
…………
………………
――その後の記憶は曖昧だ。
女ともみ合った気もするし、案外あっさりと決着がついた気もする。
無我夢中で自分でもどんなことをしたのか……。
確かなことはあの一瞬。私の学生時代から今に至るまでの時間に比べれば一瞬だろう。
あの女との闘いの最中、私は初めて自分の小説について考えるのを忘れていたのだ。
そして自分の小説を完成させるよりも、少女をかばうことを選んだのだ。
『守る』ではなく『かばう』だ。
残念ながらかばうことで精一杯だった。
最後はせめて少女が傷つけられないように、その可能性をわずかでも減らすために私は少女に覆いかぶさった。
それだけははっきりしている。
そして背中に経験したことのない熱さを感じながら、私の意識は途絶えていった……。
………………
…………
……
―――――――――――――――――――――――
履歴書追加項目
霧崎壮一
△△年 ●月×日
神社の警備中、身元不明の女性に襲われ【死亡】。
―――――――――――――――――――――――
……
…………
………………
チュンチュン
霧崎「……朝か」
また意識をなくしてしまっていたらしい。
最近では徹夜をすることもままならない。
調子の良い体ではないのだから養生しなければとは思いつつ起き上がる。
妙なことだがいつもなら体の軋みがあるのにそれがない。
もっとも、老いが進みすぎてそれすら感じないのかもしれないが。
軽く自嘲してしまう。
体が正常なことに異常を感じてしまうとはなんとも皮肉な話だ。
しかしそれだけにはとどまらない。次に異常を感じたのは視覚、次いで嗅覚だった。
はて、私の部屋はこんなにこざっぱりしていただろうか?
この畳の感じや寝具の心地は間違いなく自分の部屋のものだ。
ただ散らかしっぱなしにしていた資料などが見当たらない。ごみどころか塵1つ見つかりそうにない。
それに鼻は懐かしくも芳しい、美味そうな匂いが漂っている。
匂いのする方へ目を向けると台所に人が立っていた。どうやら飯の支度をしているらしい。
支度をしているのは少女だった。さらにいうなればそれは私がかばった少女だった。
――そこまでいくとようやく記憶が次々と蘇ってくる。
助かったのか? なぜここにいる? 給料はどうなった?
私は混乱の極地だった。
すると少女はこちらに気づいたようだ。そして笑顔で世迷言をのたまった。
少女「あっ! おはようお父さん! 今、朝ごはんができますからねっ」
霧崎「……なんだと?」
少女「朝ごはんができますぅ~……できましたっ! 用意しちゃいますから待ってて下さい」
霧崎「そうではなく。誰が父親だと?」
少女「お父さんはお父さんです! ほら、お話しは食べながらしましょう?」
テキパキと準備を進める少女。
机に並べられたるはパックの白飯にパックのサバの味噌煮。
そして――わかめと豆腐が入った手作りの味噌汁。
疑問は尽きないが、とりあえず目の前の飯を平らげてからでも遅くはないのかもしれない。
霧崎「いや……待て待て!」
最後の理性で正気に戻る。
霧崎「一体、何者なんだお前は!」
ただ口から出る言葉は正義のヒーローに初めて遭遇した小悪党のようで。
こんなか弱い文字の羅列がもちろん目の前の狂人に通じるはずもなく。
少女「だから何度もお父さんっていっているじゃあないですか! 私は……あなたの娘です!」
そう高らかに少女は言い放ち、そして宣言するのであった。
少女「これからお父さんの面倒は全部私がみます。だから助けてください! 私はそのために1人でここまで来たんです!」
――孤独は群れでやってくる。しかし孤独を終わらせるにはたった1人いればいい。
――この日、私に娘ができた。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
履歴書追加項目
霧崎壮一
△△年 ●月×日
神社の警備中、身元不明の女性に襲われ【死亡】。
備考:その後、観測不明の力により【復活】。娘を名乗る少女と共同生活が始まる。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
お疲れ様です。プロローグ終了といったところでしょうか。
本当であれば少女との関係性は安価やコンマで決めるつもりでしたが、
好感度があれだけ高くて意味深な台詞が出てきたら、もう私の頭ではこうするのが限界でした。
>>109-110のコンマはすごかったですね。
あそこでいったん話を区切る予定もありましたが、しっかり少女を守れたので霧崎にボーナスを追加します。
少女→霧崎の好感度 【92】+↓1【コンマ】/10 端数切捨て
次の再開までに少女の名前と霧崎の小説の主人公の名前を決めようと思います。
【少女】●● 【主人公】●● のように書いていただければそれをコンマの選択肢にさせていただきます。
本日はお付き合いいただきありがとうございました。次回の更新をお待ちください。
100超えちゃった……。
少女→霧崎の好感度【101】
ちなみに少女の名前は霧崎姓である必要はありません。
また今後の展開がどうなるのかを書き込んでいただくのも大歓迎です。
保証はできませんが、展開に詰まったらコンマで決定するなどもあるかもしれません。
ここからどう伝説になっていくんだ……?
では改めてありがとうございました。皆様おやすみなさい。
やべえ、この名前では霧崎さんが主人公に自分を投影するイタイ人になってしまう
【主人公】紫雲 鏡史郎(しうん きょうしろう)
に訂正って有り?
【少女の名前】美華咲(みかさ)
【主人公の名前】豪龍寺 神門(ごうりゅうじ みかど)
少女 亡空(なきあ)
主人公 十干十色(じっかん といろ)
本日更新なし。
【少女の名前と主人公の名前】
>>127-131でコンマ判定です。
01~20 【少女】炎羅(えんら) 【主人公】紫雲 鏡史郎(しうん きょうしろう)
21~40 【少女】美華咲(みかさ) 【主人公】豪龍寺 神門(ごうりゅうじ みかど)
41~60 【少女】亡空(なきあ) 【主人公】十干十色(じっかん といろ)
61~80 【少女】陣内 露縁(じんない ろえん) 【主人公】宵中 朝日(よいなか あさひ)
81~00 【少女】蛍(ほたる) 【主人公】狭間 大地(はざま だいち)
↓1【コンマ】 少女の名前
↓2【コンマ】 主人公の名前
【少女】美華咲
【主人公】紫雲鏡史郎
ストーリーを進める前に色々決めたい安価とコンマのお時間です。
――――――――――――――――――――――――――――――
……
…………
………………
……フゥン? 『一度死んで蘇った』かぁ。そして謎の少女ねぇ……。
ここまでならボーイミーツガールにぴったりの導入じゃないかぁ!
うん。ボクぁそういうの好きだよ? まぁ、壮一クンはボーイじゃなくてオールドマンだけどねぇ。
……それで? まさか報告がこれだけってのはないよねぇ?
――ついてるんだろ? この女の子の正体。その目星は。
さっさと教えておくれよ。ボクはミステリーでも古畑任三郎やコロンボが好きなんだ。
01~20 記憶を操作された霧崎(忘れられた本当の娘)
21~40 霧崎には存在しない記憶(とある夢魔との間に生まれた半妖)
41~60 霧崎には存在しない記憶(娘を名乗る不審者)
61~80 霧崎には存在しない記憶(未来からやってきた娘)
80~99 安価に託す
00 霧崎(あの人に……似ている……) 【いきなりの過去編】
↓1【コンマ】少女の正体
え……?
あの男結婚するのかい?
で、あの美華咲って子が未来の娘で、『お父さんのお世話をします?』……。
いやそんな、ドラえもんじゃないんだから……。
というより誰だい……!? あの男の妻になる女というのはっ……。
00~25 人間の科学者(タイムマシン要素)
26~50 妖怪や妖精の類(受け継いだ能力要素)
51~75 『組織』の人間(陰謀に巻き込まれ要素)
76~99 一般人(安価の余地あり)
00 神主『この神社には言い伝えがありましてね』
↓1【コンマ】霧崎の妻
へぇ……妻はごく普通の人間。
つまりあの娘は突然能力に目覚めたとか?
それとも彼女も一般市民だったけど何かの陰謀に巻き込まれた。
あるいは未来の社会では一般人の定義が変わってしまうほどの何かがあったか……。
……おい! 何をしている! 早く次の資料をよこさないか!
まったく……君たちはどうして資料を細切れに持ってくるんだ。
22:45まで
↓【安価】少女はどのようにして過去へ飛んだか。安価の後、『突然能力に目覚めた』を選択肢に加えてコンマ判定。
片道切符のタイムマシン
>>141-145に『突然能力に目覚めた』を追加して判定
01~19 片道切符のタイムマシン
20~38 両親が亡くなってしまい社会的に孤立した時に(両親に会いたい)と神頼みしてたらいつの間にか
39~57 戦争に巻き込まれて死んだらタイムスリップした
58~76 古びた神社に死んだ父と母に会いたいと願ったら
77~95 なんかノリで
96~00 突然能力に目覚めた
↓1【コンマ】
HAHAHA! おい、ある意味伝説的におバカだよ! この美華咲という少女は!
ノリで時間跳躍など過去に例がない!
そしてどういうわけか知らんが、そこでたまたま自分の父親に邂逅だと!?
偶然にしてはできすぎているねぇ……!
こちらの娘の方がよっぽど鑑賞に値すると思うが、いやしかし……。
…………。
……君たち。君たちに重要な質問だ。君たちはこう報告したな? 『霧崎壮一は死亡した後、観測不明の力によって復活した』と。
これも美華咲チャンの力だというのかい……?
1~49 はい
50 答えかねる
51~99 いいえ
00 答えられない
↓1【コンマ】
…………。
……そうか、なるほどねぇ。やっぱりそうか。
壮一クンがあそこで自分の娘と出会ったせいで、あの女に殺されたのならパラドックスに陥る。
親殺しのパラドックスの変化形だね。
しかし現に美華咲チャンは消えたりしていないのだから、パラドックスには陥っていないと考えるべきだ。
つまりこの世界においてはあの日あの場所で、壮一クンが殺されることこそ収束された運命だったってことか。
そして、どうあれその後に彼は生き返り、結婚し、子供を授かる。
その根本にあるのは霧崎壮一を復活せしめた『観測不能の力』。
……ん? 『不能』ではなく『不明』だと? 観測はできるが何なのかはよくわからない?
へぇ……じゃあそれは後回しだ。大きな謎は最後までとっておくものだからねぇ。ボクは好きなものを最後までとっておくタイプなんだ。
……ボクたちは万能だが全能ではない。わかるね?
そしてボクたちにもわからないこと。その『死角領域』を司るのはいつだってカレらだ。
もちろん向こうもボクらと敵対するつもりはないに違いない。
ボクたちは――わかるけど知らない。
向こうからすれば――知っているけどわからない。
カレらも悶々としているんじゃないかなぁ?
――我々にできることとは、究極的には観測することだけなのだから。
さて、壮一クンと美華咲チャンはこれからどうなるかなぁ。また資料が集まったら報告頼むよぉ。
あ、最後に――
01~25 呪いの反動を受けた一般通過狂人だった(コメディ寄り)
26~50 妖によって操られた犠牲者だった(伝奇寄り)
51~75 未来からきた演技の上手い工作員だった(SF寄り)
76~00 『死角領域』からの刺客(上手い)
↓1【コンマ】あの女の正体は?
……妖怪のしわざだったのかー。
妖怪も数が多いからね。細かく分類すれば、それこそ動物と変わらないくらいの種類になるはずさ。
ただ、そこに姿がなくとも君たちなら『観測』はできる。
その妖怪の正体と女がどうなったのかなんかも備考に書いておいてくれよ?
殺し、殺されるほどの縁だ。またどこかでめぐり合うかもしれないからねぇ。
あぁ、後は名前もしっかり記すこと。
ただ……最近は登場人物が増えると名前を覚えきれなくって……やんなるねぇ。
いや、なんでもないんだ。それじゃまた業務に戻ってくれたまえ。
ボクはひと眠りするよ。
おやすみ~。
………………
…………
……
本日はここまで。紆余曲折ありましたが小説とシンクロした伝奇物に落ち着きそうです……!(しばらくは)
本日もありがとうございました。
ただ謎は深まるばかり。ノリで時間跳躍して何がしたいんでしょうねこの娘は……?
――――――――――――――――――――――――――――――――
やれやれ……とんだことになっちまった。
簡単な仕事だったハズだが、結果は御覧の有様だ。
どうしてこの俺がこんな奇妙な女と生活しなければいけないのか。
この世界で何者にも依らないのが――紫雲鏡史郎の唯一の善ではなかったのか?
妖怪も人間も腐るほど見てきた。しかし神はどこにもいなかった。
それを俺はこう考える。
――『決別せよ』。これが俺がかつて信じた神の最後の教えだ。
愛は与えるものでも受け取るものでもなく、篝火のようにただそばにあるものだ。
この女が自ら篝火の薪になりたいというなら止めはしまい。
火の勢いが強ければ強いほど、俺は離れるだけなのだから。
――――――――――――――――――――――――――――――――
『妖怪と人妖』 →【コンマ】章 →【コンマ】-50節 (0より小さいなら1)
――『妖怪と人妖』 5章 1節より
………………
…………
……
状況を整理しよう。
……としたがあまりにも荒唐無稽すぎる。この美華咲とかいう少女の話はメチャクチャである。
未来の話、過去へ来た経緯、これからの目的、そして血縁関係――。
ひと通りは聞いた(というよりも朝食が終わると機関銃のごとくしゃべり始めた)。
その全てを聞いた。小説を書く身分から言わせてもらえれば、少女の話す内容には確かにリアリティがあった。
設定の方向性は全く見えないが、まとめれば面白い小説が書けるだろうと思わせるほどに。
小説を売ることに興味はないが、売れる小説というのは案外こういうものだったりするのかもしれない。
そして考える時間はそれこそ腐るほどあった。
あの神社の出来事、私にある死の実感、そしてあの日の給料――。
予兆のない病気のように突然、世界が変わる感覚を諸兄姉ならば多少なりともわかるだろう。
そして私はそれら全てを総合して考えた――。
――『これは小説に使えるぞ』と。
私は早速、執筆に取り掛かった。
美華咲は最初こそ構ってほしそうに私の周りをうろついていたが、しばらくすると退屈したように外へ出ていった。
自分の話をしている時はあれほどうるさかったのに、私が執筆を始めるとウロチョロこそすれ話しかけてはこない。
未来の私も今と変わらずそうだったのかもしれないな。
そう思うと少しの安堵と少なからぬ落胆が私の胸にぶら下がる。
このまま何も変わらないのか、私は
だが私は変わらなくとも私を取り巻く環境はずいぶんと変わるらしい。
私にとって伴侶の存在とは、娘を名乗る不審者よりもはるかに荒唐無稽なものだった。
聞きたくなかったわけではないがその話をされたとき、私はその話題をすぐ切り替えさせた。
つまるとこ想像できなさすぎて恐ろしかったのだ。
それも含めて、どうにも飲み込むにはまだ時間のかかりそうな情報ばかりだ。
だから全て小説の糧になる資料として、あくまで客観的に、私はこの情報を私と切り離した。
そうすれば全てを忘れて執筆に没頭できる。何かあればこれだ。何もなくともこれなのだ。
少なくともこうしている間は全てを忘れられる。
……それでも、美華咲が何気なく言った一言が安堵と落胆に混ざって私の胸をさらに重くする。
あれは過去に飛んできた目的を聞いていた時だ。
美華咲は『いやぁ、ノリで』とふざけたことを抜かしていたがその後にこう言った。
『あ! でもでも! こうしてお父さんに会えたということは小説の続き! 過去なのに続き? まぁいいや。……が読めるということですよね!』
『私、お父さんの小説が最後まで読みたいんです!』
……文字通りに受け取ればただ小説を読みたい娘のわがままということになる。
だが人様に見せるものではないというのが、学生時代からの一貫した私の考えだ。
それは私が執筆をしている時に見せた美華咲の態度を見ても――つまり未来でも私は大して変わっていないように思う。
私が仮に結婚したとして、妻や娘にそれを読ませるだろうか?
そしてこんなことは考えたくないが……美華咲があの年頃になる頃、私はすでに死んでいる可能性もある。
それはいい。死ぬことは摂理だ。仕方がないとも思える。
最も恐ろしいのは私が途中で筆を折ったか、あるいは道半ばで小説を完成させずに逝ってしまったかもしれないということだ。
それだけは認められない。今の私が、これまでの私が認めない。
――私ははやる気持ちを抑えるように筆を進めた。
………………
…………
……
――――――――――――――――――――
――ワタシ達、どちらを観測しましょう?
1.霧崎壮一(夜、執筆が一段落ついたところから)
2.美華咲 (昼、外出しているところから)
――――――――――――――――――――
↓【多数決】20:00ごろまで
――――――――――――――――――――
――対象は霧崎美華咲。観測、継続。
――――――――――――――――――――
お父さん――霧崎壮一は執筆活動に励みだしてしまいました!
ゆえに私は外で時間を潰すのがいいだろうという結論に思い至りました! 賢い!
若い(家族比)お父さんでもお父さんはお父さんのままでした。ずっと変わっていない、私の大好きなお父さん。
会えた時はあんなシチュエーションだったので、びっくら仰天の心臓バクバクで思わず気を失ってしまったのが不覚です。
あの時のことは――
01~50 おぼろげに覚えている
51~00 覚えていない
↓1【コンマ】
まっっっっっっったく覚えていません!
気がついたらお父さんと一緒にあの部屋で寝ていました!
朝食の後のお話だとどうやら気を失った私を背負ってくれていたらしいです。
子供のころ、いくらねだっても腰が痛いとおぶってくれなかったお父さんが!
あぁ……どうしてあのとき気を失ってしまったのでしょう。
美華咲、一生の不覚です。
それにしても――
01~24 温かくなってきましたね(春)
25~48 暑くなってきましたね(夏)
49~72 涼しくなってきましたね(秋)
73~96 寒くなってきましたね(冬)
97~00 異常気象
↓1【コンマ】
涼しいですね。風が気持ちいいです。
意識はしてませんでしたが、なるほど。散歩にちょうど良い日だったのかもしれません!
…………。
……心穏やかに外を歩くのはいつ以来でしょう。
この時代に来てから――
00~20 3日
21~40 1週間
41~60 2週間
61~80 3週間
81~99 1か月
00 1年
↓1【コンマ】
1週間……短いようで長い7日でした!
そもそもこの時代へ来るのになんの準備もなしにきてしまったので……。
お金も持たず、裸一貫。あ、比喩です。比喩。ただこの一張羅で1週間。
女子的にはなかなかに辛いものがありました……。
そもそも私がやってきたのは↓1【コンマ】で今は↓2【コンマ】です! 我ながらよく頑張りました!
01~94 都道府県コード参照 (01が北海道 47が沖縄 48からまた北海道)
95~99 安価
00 諸外国(↓1【コンマ】のみ、↓2【コンマ】の場合は安価)
――――――――――――
54→福島 69→静岡
――――――――――――
かなり中途半端ですが眠気が限界なので今日はここまでです。
静岡とか福島の妖怪を調べてきます。何か情報がありましたらぜひ書き込んでください。
ありがとうございました。
この後、美華咲に起こるイベント
↓5まで 【安価】の後【コンマ】判定
この後、美華咲に起こるイベント
01~20 ナンパされる
21~40 母らしき人物を見かけて追いかける
41~60 交通事故に遭う
61~80 近所のおばあちゃんが畑で採れた野菜を分けてくれる
81~00 カラスに懐かれる
↓2【コンマ】
福島から静岡まで、なんと長い道のりだったことか……。
無一文ながらよくここまでたどり着いたものです。
心地よい風に身を任せながら1週間の旅を振り返ります。
うーん。我ながら笑いあり、涙ありの珍道中です。
そんなことを思い出しながら、私も旅のエッセイでも書いてみようかなと思ったところでした。
美華咲(おや……?)
ふと目に留まった道の角を曲がる女の人。その顔に見覚えがありました。
美華咲「お母さん……!?」
思わず口に出ます。
他人の空似かもしれませんが、色々な偶然が重なってお父さんに出会えたことを考えるとこれもまた必然に思えてくるのです。
つまりあれが本当にお母さんだった場合――私がお父さんとお母さんを引き合わせる運命(さだめ)にあると!
バックトゥーザフューチャーのごときシチュに私、高鳴る気持ちを抑えきれません!
待っててください、お母さん! そしてお父さん!
朝食を食べた私は元気満タン。曲がり角に向かって勢いよく走り出しました。
ぜひ、夕食までに家族団らんの場を整えなければ!
超短いですが今日はもう更新ありません。
あとは関係してくるかもしれないし、関係せずに終わるかもしれないコンマでお茶を濁します。
次回更新までに埋まらなければ勝手に埋めちゃいます。それでは。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
霧崎美華咲 学生(仮)
テストの点数
国語 ↓1【コンマ】+20 (霧崎壮一補正)
数学 ↓2【コンマ】
英語 ↓3【コンマ】
社会 ↓4【コンマ】+10 (霧崎壮一補正)
理科 ↓5【コンマ】
美術 ↓6【コンマ】
音楽 ↓7【コンマ】
体育(実技) ↓8【コンマ】
国語 【76】(霧崎壮一補正)
数学 【11】
英語 【13】
社会 【16】(霧崎壮一補正)
理科 【4】
美術 【10】
音楽 【6】
体育(実技) 【30】
なんだこの娘……
色々ありましたが、私は元気です。
展開を決めるコンマだけこの時間に。深夜更新予定。
―――――――――――――――――――――
追いかけた人は……
01~25 若かりし本物の母親
26~75 他人の空似
76~95 妖怪の罠
96~00 「あら、美華咲」
↓2【コンマ】
16:30も深夜ですよ。多分
――――――――――――――
美華咲「あのっ、ずびばぜんっ……!!!」
空似さん「ひっ……」
あぁ……実に情けない。嘆かわしいです。
元気が満タンだろうと、容量が少なければあっさりガス欠。
私は持久走でも最初の1週をトップで走り切った後、最下位になるタイプなのです。
もうお母さんに追いつくころにはヘロヘロで……。
ていうかよく見るとお母さんと違うし……。
まぁ……他人の空似でもいいかぁ……。
「ぜぇ、あの……ひぃ、家族団らんに、ふぅ、興味はないでしょうか……?」
空似さん「???」
困惑させてしまいました。
勉強の苦手な私ですが国語だけは得意です。漢字を書くのが苦手だから満点には縁遠いですが。
登場人物の気持ちを答えなさいという問題を外したことはありません。
だから私、わかります。目の前の他人の空似さんをかなり困惑させてしまいました。
お父さんにも『脈絡がなさすぎる』と評された私の才能が空似さんとの間に齟齬を生み出してしまったようです。
私は思わず頭を抱えました。なんたること……一生の不覚です……!(2回目)
空似さん「…………」
空似さん「↓5まで【安価】後【コンマ】」
と、とりあえず1回休んでゆっくり話そう?
この更新ペースで安価取れる確率が5分の1とか、何かしら手を打たないとあっという間に参加者減りそう
>>216 間違いないです。
ただすぐ更新できない場合は長めに安価とって最終的にコンマの判定にしています。
私としてはせっかく安価取ったのになかなか更新されない方がイヤかなという考えでした。
これは完全に私の都合なので、気長に待ってもらえればうれしいです。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
>>211-215まで
空似さん
00~20 と、とりあえず1回休んでゆっくり話そう?
21~40 貴様には死んでもらう
41~60 この反応は……原始ノ壱(プライマル・ワン)……!!!!
61~80 (´・ω・)つ旦
81~00 ごめんなさい、養子を取れるような余裕は無いの。児童相談ダイヤルとかにかけてみて
↓1【コンマ】
空似さん「……貴様には死んでもらう」
美華咲「!?」
なんと……! どうやら齟齬が発生したわけではなかったようです。
この脈絡のなさ……空似さんもどうやら『こちら側』の人間!
美華咲「ふっ……」
空似さん「ん……」
固い握手を交わします。お母さんでなくとも、空似さんとはもはや同志。
美華咲「ウチ……来ますか?」
空似さんは静かに力強く、頷きました。
………………
…………
……
……
…………
………………
――夜――
美華咲「と、いうわけで家族団らんです!」
空似さん パチパチパチ……
霧崎「待て……」
もはやどこから聞けばいいのかわからない。
ここまで元気になったのならもはや追い出してもいいのではないだろうか?
しかしあーだこーだと言っても、この美華咲という娘は支離滅裂な論理でここに居座る。
生まれ変わった(はずの)この身なれど、追い出せるほどの気力はまだなかった。
そうだ、いっそのこと無視してしまおう。
家に壊れたラジオがおかれていると考えればいい。
身の回りの世話も――必要はないが、損にはならないだろう。
あとはもう1人増えたこの娘のことだが……。
後ろ姿が母親に似ているという理由だけで、ここまで連れてきたらしい。
ついてくる方も大概な気もするが。
この娘もよほど私の生活の邪魔にならなければ無視するのが適切かもしれない。
そうと決まればまずはコミュニケーションだ。
私の執筆活動の脅威になりさえしなければ、端的に話を聞いて、淡々と、つつがなく終わらせよう。
霧崎「で、君は誰だ?」
空似さん「…………↓1【セリフ・安価】」
空似さん「……貴様という存在はこの地に災いをもたらすだろう」
霧崎「!?」
この脈絡のなさ……もしかして少しはまともな会話ができるやも知れないと思ったが……。
やはりこの娘も『あちら側』の人間らしい。
空似さん→霧崎 好感度↓1【コンマ】
空似さん→美華咲 好感度↓2【コンマ】+30(同志補正)
空似さん→霧崎 好感度【8】 苦手、嫌いの部類
空似さん→美華咲 好感度【14】+30→【44】 フラットな感情
――――――――――――――――――――――――
美華咲「今のは空似さんの挨拶です! ちなみに私も言われました! ね? 空似さん?」
空似さん「…………」
空似さんと言われた娘は美華咲の言葉に反応して頷くのみ。
どうやらこちらとコミュニケーションをとる気は皆無らしい。
まぁ、むしろそちらの方が余計な気を遣わずに済んでよい。
その後は壊れたラジオのように場を盛り上げ続ける美華咲。
それをほぼ無言の2人が聞き続けるシュールな食卓の絵面が約30分に渡り続いた。
家族団らんが聞いてあきれる。
ただ。倍、うるさくなるよりは遥かにマシである。
美華咲は全員の食事が終わったことを確認するといそいそと食器の片づけに入った。
ちなみにこの朝食、夕食。さらには3人分の食器は美華咲が来るまで、我が家に存在していない代物である。
どこから金を手に入れたとこの食事前に聞いてみれば、今朝、封筒に『賃金』とだけかかれた封筒が机に置いてあったらしい。
つまりあの日の食い扶持はしっかりと払われていたワケである。
中身も森宮の話に聞いていた額と同じだった(そしてそれは一晩にしてきえたわけだが)。
あの若い神主か、もしくは森宮が置いていったのか?
どちらにせよ、意識のない我々をどうやってここまで運んだのか。
このことは事件になっていないのか。あるいは神聖な場所であるから内密に処理したのか。
謎は深まるばかりであった。
しかしそのような謎は執筆自体には関係のないこと。
幾ばくか興味をそそられる話題であるのには違いないのだから、後々調べるのもいいかもしれない。
そうやって問題を整理していくと、目下、2つの問題にまで話が整理された。
①この娘たちをいかににして遠ざけるか
②明日の食い扶持
この2つである。
①にかんしては美華咲のことのみ考えていれば問題ないだろう。
空似はこちらのことをあからさまに嫌っているようだし夕食が終われば出ていくだろう。
美華咲自身も執筆中は私に話しかけようとはしないから、邪魔されることはない。
1日であそこからこれほど元気になったバイタリティあふれる娘だ。
頭は少々足りないようだが、ここに来た経緯を聞く限り、追い出しても元気に過ごしていけるに違いない。
筆が乗って気力が湧いてくれば、適当な理由をつけて上手く追い出すこともできるはずだ。
重大な問題は②である。
体のいいバイトにはやはり裏があるらしい。
しかし多少なりとも先立つものは必要だ。それをまた明日すぐに稼がなければならないのは憂鬱だった。
あぁ、誰かが代わりに働いて食い扶持を繋いでくれないものか。
――そう考えた時、私の心の中の悪魔が耳元でささやくのを確かに聞いた気がした。
……待てよ? この際、美華咲に働かせるというのはどうだろうか。
本物の娘かどうかなんぞ知らないが、どうやら向こうはこちらのことを好いてくれているようだし問題にはならないのではないだろうか?
実際に働くのにはいくつかのハードルをクリアしなければならないが、上手くいけば目下の問題を両得で解決できる可能性がある。
霧崎(どうする……?)
①美華咲を働かせてみる。
②あくまで美華咲を遠ざける方向で動く(自分で働く)
↓21:00ごろまで【多数決】
①美華咲を働かせてみるに決定。一時中断します。
――――――――――――――――――――――――――――
……働かせてみるか。
無理やり追い出そうにもいずれ帰ってきそうな気がする。
ならばある程度、目の届かない所で放し飼いにする方が精神衛生上いいだろう。
この空似とかいう娘が帰ったら提案してみよう。
私の仕事も見つけられるくらいだ。森宮ならば身元不明の娘の働き口も見つけてくれる。
そんな考えをまとめていると、これまで黙っていた空似が急に立ち上がった。
空似「ごちそうさまでした」
相変わらず私には見向きもしない。作ったのは美華咲だから当然だが。
美華咲「えー帰っちゃうんですか!? 今日は泊まっていってくれてもいいんですよ! 家族団らんパート2ですよ!?」
それを決めるのはお前ではない。
空似「我々は家族ではない。同志よ」
それを今言うのか。
空似「帰る。また来る」
美華咲「うーん名残惜しいですが仕方ありませんね。さようなら空似さん!」
軽く挨拶を交わすと、空似はスタスタ部屋を出ていった。
不穏な言葉が聞こえたが、聞こえないふりをした。
後は美華咲を上手く誘導すればいい。
以前のようにはいかないが、これで少しは静かな暮らしが取り戻せる。
――そう静かな暮らしだ。あと少しの辛抱なのだ。
そうだと思っていた。代り映えのない、灰色の暮らし。
幸せではないが平穏に最も近い。
世の中の不平、不満、生きづらさ。そんなことを感じながらそういう生活が嫌いにはなれなかった。
そして今夜、知ることになる。
もうそんな暮らしは取り戻せないのだと。
それも美華咲、空似の馬鹿みたいな邂逅によって。
――今夜、霧崎家に何が起こるのか?
↓1【安価】
【安価】赤ん坊の泣き声が聞こえ続ける。
そろそろ伝奇物らしく妖怪でも登場させたいところですが、
あいにく妖怪の知識が乏しく、自分で多くを考えるのも大変です。
もしよろしければこの場で皆さんの知恵をお借りしたく存じます。
伝承、オリジナル。なんでもござれです。
【名前】
【特徴】
【能力】
を簡単に書いてもらえるとありがたいです。
今後の展開次第ですが積極的に登場させたいと思います。
次回更新は23日深夜の予定です。
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【名前】網切(あみきり)
【特徴】人間のような目がついて髪を生やした、空飛ぶエビ。クチバシも生えてる。両手はハサミ
【能力】細長い形状ならなんでも切れる。耐荷重16トンの極太ワイヤーだろうが、人と人との『縁』だろうが
Wikipediaに画像あり。原典でも何をするのかよくわかっていない妖怪なので縁切り設定を付け加えた
>>243-244 ありがとうございます。面白いですね。
本日更新予定でしたが延期です。待ってくれる人がいれば気長にお待ちください。
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このSSまとめへのコメント
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