モバP「皆さんこんにちは! 346プロダクションでアイドルプロデューサーをやっているモバPです」
ちひろ「同じく、事務員をやっている千川ちひろです」
ちひろ「……って、プロデューサーさん? どうして私たち、こんな白衣を着て事務員の一室にいるんですか?」
モバP「決まってるでしょ! アイドルたちのメンタルに関する悩みを解決するためですよ!」
ちひろ「え、メンタルの悩み? それってたとえば仕事とか他のアイドルとの人間関係ですか?」
モバP「ノォォォォーーーーーーーーンンン!!! たしかに仕事の悩みや人間関係から心の状態を悪くする人もいます。しかし私はよりディープに、かつより幅広くアイドルの悩みを解決したいのです!」
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ちひろ「はぁ……それは良いんですけど、ならプロのカウンセラーの方にお願いした方が良い気がしますけど」
モバP「たとえば心理士に相談することも大切ですけど、アイドルとよりディープな関係でいるプロデューサーに相談した方が解決しやすいこともあるはずです。それにこのカウンセリングルームですが、アイドルの顔は見えないようになっています。伝わるのは音声だけで、相談するアイドルも匿名性です。だから恥ずかしい相談でも気軽に話せる環境となっています」
ちひろ「それでプロデューサーさんがアイドルのメンタルに関する悩みを聞き、私はそのアシスタントを?」
モバP「その通りです。では、さっそく最初の相談者を招きましょう」
相談者:Sさん
Sさん「あの、よろしくお願いします。実は私……好きな人がいるんです。でもその人は私よりも年上で、私はまだ小学生です。同じお仕事をする人には美人でスタイルも良い大人の人も多くて、でもその人のことが本当に好きなんです! どうしたらいいですか……」
ちひろ「なるほど、恋する乙女の悩みですね。可愛らしい内容ですけど、いきなり重たい話がきましたね」
モバP「なるほど、年上の男の人を好きになってしまったわけか……Sさん、聞こえますか?」
Sさん「はい、私は一体どうすれば……」
モバP「Sさん、その大人の女性とはどんな感じの人ですか?」
Sさん「はい。お酒が好きで面白くないダジャレを言うけど美人でスタイルが良い人や、あと未亡人みたいな雰囲気があるけど優しくて綺麗な人がいます」
ちひろ「名前言ってないけど誰のことだかわかりますね……プロデューサーさん、なんてアドバイスするんですか?」
モバP「うーん……」
Sさん「やっぱり私、まだ子どもだから……大人の魅力には勝てないんでしょうか……」
モバP「……Sさん、まず言えることですか……たしかにあなたはその大人たちには勝てないですね」
Sさん「えっ!」
ちひろ「ちょ、プロデューサーさん!? 悩み相談なのになんてことを言うんですか!」
モバP「冷静に考えてみてください。Sさんが好きな人は話を聞くと、大人の男性なんですよね。同い年かそれほど年が離れていない美人な女性からアプローチされれば、男性としては当然嬉しく思うでしょう」
ちひろ「まあ、そうかもしれませんけどね」
モバP「もちろん小学生くらいの可愛らしい女の子に好きと言われても、それはそれで嬉しいと思います。いわゆるロリコンではない男性であっても、相手のことを可愛く思うのではないでしょうか」
ちひろ「なら、Sさんもアプローチして良いのでは?」
モバP「そう思うでしょ? でも現実的に考えてみてください。その男性がSさんに好きと言われたとしても、おそらく自分の娘に『パパ大好きー!』と言われて嬉しく感じるくらいの意識だと思います。相手はあくまで小学生ですし」
ちひろ「た、たしかに……」
モバP「ちなみに精神医学ではロリコンではなく【ペドフェリア】と言います。ですがSさんの話を聞いたところ、この男性がペドフェリアと言えるだけの情報はありません。おそらくSさんが本気でアプローチしても、ペドフェリアではない限り本気で相手にされない可能性の方が高いです」
Sさん「うぅぅ……やっぱり私なんか、あの人に相手にされないんじゃ……」
ちひろ「ちょっ、プロデューサーさん! Sさん落ち込んでますよ!」
モバP「いえSさん、諦める必要はありません。あなたがその大人の女性たちに勝てないのなら、その女性たちと無理に戦わなければ良いんです!」
Sさん「え、それってどういうことですか……」
モバP「その男性はペドフェリアではない可能性があると言いましたが、実際男性は年上の女性よりも年下の女性の方が好きという傾向にあると思います」
ちひろ「え、そんなものなんですか?」
モバP「もちろん断言するつもりはありません。ただ、30代や40代の男性でも10代や20代の女性から好意を持たれて親しくなれれば、実際のところ嬉しいでしょう」
ちひろ「あー、なんとなくわかるかも……」
モバP「Sさんの周囲にいる大人の女性たちが美人でスタイルも良いなら、30代や40代になってもおそらく美人でスタイルも良いままで、魅力的な女性でいるとは思います。でもその女性が35か36歳くらいになっても、Sさんはまだ20代ですよ。つまり今は小学生で相手にされなくても、結婚も可能でお酒も飲める20代になったのなら、30代の大人の女性に引け劣らない可能性が十分にあるんです!」
Sさん「!? そ、そうなんですね……!」
ちひろ「でもプロデューサーさん、Sさんが大人になるまでにその男性が大人の女性と付き合って結婚したら、どうすれば良いんですか?」
モバP「簡単な話です。婚約してください」
ちひろ「えっ!?」
Sさん「こ、婚約……」
モバP「日本の法律では女性は16歳(改正により18歳になる)以上でないと結婚できないです。でも、婚約するだけならこの限りではありません。たとえ相手が小学生であっても互いに本気であり、そして婚約の証拠となる書類などがあれば法的にも効力を持つんじゃないんですかね」
ちひろ「でもそれこそ小さな女の子がお父さんに向かって『大きくなったらパパと結婚するー!』って言ってるようなもんじゃありませんか?」
モバP「それが心配なら音声データでも録っておきましょう。あとこっそり映像でも撮影して動画サイトにでも流してください。SNSで話題になったりまとめサイトに掲載されれば、相手は言い逃れできないです。身を固めるしかありません!」
ちひろ「それはその男性にとっては良いんですかね!?」
Sさん「なるほど……まだ子どもの私にも、チャンスがあるってことですね」
ちひろ「なんか悩みが解決したっぽいですね。でも、これで良いのかな……」
モバP「メンタルヘルスでは相談者が納得できることが大切ですからね。Sさんの中で悩みが消化されれば、それに越したことはないですよ」
Sさん「ありがとうございました、私……ヤってみます!」
こうしてSさんの悩みは解決されたのだった……
その次の日、
モバP「さーて、お仕事頑張るぞい!」
千枝「プロデューサーさん、ちょっといいですか」
モバP「千枝か、どうかした……って、ファッ!?」
千枝「プロデューサーさん、この格好……///」
モバP「は、裸エプロン……だとっ!?」
千枝「うふふっ……///」
数年後、二人は日本国内を出て式を挙げたのだった。
終わり
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