元ネタはルーンファクトリーフロンティアです。ミスト様にカブを献上する農奴ことラグナさんのお話
ラグナ「毎日毎日畑を耕しカブの世話をして……」
ラグナ「ミストさんは畑の前で毎日僕を監視する日々……」
ラグナ「よし、決めた!今日はサボろう!」
ラグナ「幸いまだ朝の6時……クジラ島にでも逃げよう」
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1554638709
家の前
ラグナ「よし、じゃあ早速しゅっぱ……」
ミスト「あら?一体どこに行くのですかラグナさん」
ラグナ「ミストさん!?なんでこの時間から僕の家の前に……」
ミスト「さぁ……でも、なんとなくラグナさんがどこかに行ってしまう気がして……それでわざわざ早起きしてきたんです」
ラグナ(ひっ……この人察しが良すぎるよ)
ラグナ「ちょっとね……クジラ島にでも行こうかと……」
ミスト「そうなんですか、じゃあ行く前に畑仕事をしてからの方がいいですよ?そうでもないとカブはダメになってしまいます」
ラグナ「はい……」
ミスト「あっ、それともう一つ。クジラ島に行くならあそこにもカブの種を植えるべきですよ?はい、これをあげます」
ラグナ「」
ザクッザクッ
ラグナ「や、やっと水やり終わった……やっぱり畑一面にカブがあるのは疲れる……」
ラグナ「ここからクジラ島行くのは流石に……いやいや、ミストさんに頼まれてしまったからには仕方がない」
ラグナ(というかあの人にごまかしは通用しないし……)
ラグナ「そうだ!どうせならエリスさんに会いに行こう!今ならまだ起きてる時間だからね」
…………
午前8時 休息の塔
エリス「あら、ラグナさんではないですか。わざわざ来てくださったんですか?」
ラグナ「はい!どうしても会いたかったので……」
エリス「そ、そんな///面と向かって言わないでください///」
ラグナ(かわいい)
エリス「でもラグナさんには申し訳ありませんが……私はそろそろ寝る時間ですよ?」
ラグナ「ああ、大丈夫ですよ。もともとカブを植えに来るのが目的でしたから」
ラグナ「あっ、それともう一つ。今日もトマトジュースを持ってきましたよ」ゴソゴソ
エリス「まあ!いつも本当にありがとうございます!私の大好きなトマトジュース……」ゴクゴク
ラグナ「あはは、喜んでもらえれば嬉しいですよ。ではまた今度」
エリス「今度といわず、今日の夜にでも来てもらって構いませんよ。そ、その……ラグナさんがよければの話ですが……」
ラグナ「ダメな訳ないじゃないですか。じゃあお言葉に甘えて、今日の夜もまた来ますよ」
エリス「本当ですか!?ありがとうございます!」
ミスト「…………」
3時
ラグナ「ふぅ……遺跡で日課のモンスター狩りも終わったし、お風呂にでも行こう」
アレックスの湯
メロディ「いらっしゃーい!今日はなんの用事かな?」
ラグナ「お風呂に入りたいな」
メロディ「あーっ……そ、その……今はというか今日はお風呂が空いてなくて……」
ローランド「ふー、今日もいいお湯だったよ」
ラグナ「え?ローランドさんは入ってるじゃないか」
メロディ「あっ、それは……とにかく!今日はあなたは入っちゃダメなの!ほら、出て!」ズリズリ
ラグナ「えっ、ちょっ、どうしたのさ!?」
ミスト「…………うふふっ」
ラグナ「どうしよう……このままだとロクに体力が回復できないじゃないか。持ち合わせの料理は無いし、寝るにはまだ早いし……」
ミスト「あら?ラグナさん、大丈夫ですか?なんだか元気がないようですが……」
ラグナ「ミストさん……大丈夫ですよ、ちょっと疲れちゃっただけです」
ラグナ(ミストさんに心配かける訳には行かないからこれでいいよね?)
ミスト「それなら丁度良かったです!ちょっと来てもらえますか?」グイッ
ラグナ「えっ?どうしたんですかそんなに急いで」
一応ルンファクのゲームシステムを補足すると、HPとMPのゲージがあって武器や農具を使うとMPが下がります。MPが無くなるとHPを消費してしまうので結果的に耕作中に行き倒れるハメになったり……
ミスト家前の畑
ラグナ「な、なんじゃこれ!?」
ラグナ(わかくさの遺跡からモンスターが出てきてる……)
ミスト「そうなんです!このままだと村に何体か入ってきてしまう事になって……ラグナさんのお力を貸してもらえませんか?」
ラグナ「勿論です!僕が倒しますよ」
ラグナ(体力的にギリギリだけど……つるくさの遺跡で鍛えてる僕なら行けるはず!)
ラグナ「おりゃあああ!!!」
結果的に全てのモンスターを倒したラグナ
ラグナ「はあっ、はあっ……これでもう出てこないかな……?」
ラグナ(体力が……限界だ……)
ミスト「ラグナさん!大丈夫ですか?今すぐ私の家で介抱しますよ」
ラグナ「う、うん……お願い……」
ラグナ「はぁー助かった……もう少しモンスターが多かったら危なかったかも……」
ミスト「お疲れ様ですラグナさん、はい、飲み物ですよ」
ラグナ「ありがとうございます!」ゴクゴク
ミスト「……」ニヤッ
ラグナ「ふぅ……生き返りましたよ、ミストさん」
ミスト「それなら良かったです。もう一杯いかがですか?」
ラグナ「じゃあもう一杯……あれ?なんだか眠くなってきたような……」
ミスト「きっと疲れてるんですよ、しばらくそのままで居て下さい。ラグナさん?」ニッコリ
ラグナ「あ、あぁ……」トローン
ミスト「うふふふふ……もうすっかり上の空ですね」
ラグナ「……」ポヤー
ミスト「と言うわけでじゃあ本題に入りましょう……なんで朝、エリスさんの所に行ったんですか?」
ラグナ「んぅ……それは……」
ミスト「だいじょうぶですよ、怒ったりなんてしません。ただ本当の事を伝えて欲しいだけなんです。ほら……私の事なんて気にせず、ただ質問に答えてくれればいいんですよ……」
ラグナ「……エリスさんとお話ししたかったから……それに顔も可愛いし、できれば会いたかったから……」
ミスト「…………そうですか、分かりました」ギリィッ
ミスト「ラグナさん……私は悲しいんですよ?」
ラグナ「最初は私の事ばかり考えていたはずなのに、いつしか色んな女の子たちがきて、次第に目移りするようになっていった事。気がつけば私に会いにこなくなってしまう事もザラでした」
ミスト「だからカブ栽培をあなたにさせたんです、カブなら成長も早いし育った物をすぐに私の元に持ってこれる……その分ラグナさんと出会える回数が増えるって事です」
ミスト「私の話はこんなものでいいでしょう。さて、エリスさんの所に行く予定があるようですが……残念ながらラグナさん、あなたは行けませんよ」
ラグナ「…………」グゥ
ミスト「さっきの飲み物は飲んだ人をウトウトさせるだけで眠らせるものではありません。だから、体力の回復にもならないんです」
ミスト「だからもう一度あなたを起こしたのち……そうですね、今度は2体ほどモンスターを当てましょうか」
ミスト「ふふふっ……」
5分後……
ラグナ「……あれ?僕は一体……」
ラグナ(おかしいな、寝てたはずなのに全然疲れが取れない……)
キャアアアアア!!
ラグナ「この声は!?ミストさん!」バンッ
ミスト「ら、ラグナさん!まだモンスターが居て……」
ラグナ「ミストさんから離れろ!」ザシュッ
キェェェェ……
ラグナ「よし!これでもう大丈夫……うっ!」
ドサッ
ラグナ(ダメだ……身体がもう限界で……力が入らない……)
ミスト「…………」
ミスト(これも計算通りだけど……ラグナさんが身を呈して私を守ってくれるなんて///)
ミスト「医務室に連れて行くか行かないか……答えはノーですね、ラピスさんに引き渡したらしばらく会えなくなってしまいますから」
ミスト「と言うわけでラグナさん、今度こそは本当に私が責任持って、じっくりとお世話してあげますから……」ニッコリ
PM7時
ミスト「はい、ラグナさん、カブを使ったシチューですよ。熱いですから気をつけて食べて下さい」
ラグナ「うん、ありがとう……あっ、このカブ美味しいですね!」
ミスト「勿論です。だっていつもあなたが渡してくれるカブですよ?美味しくないわけがないですよ」
ラグナ「そ、そんな事ないですよ……///」
ミスト「うふふふふっ……ラグナさんたら相変わらずですね……」ニコニコ
ロゼッタ「<●><●>」
PM10時
ラグナ「グゥ……」
ミスト「さて、この時を待っていたんです。今こそ忠実なカブ奴隷兼パートナーにしなくてはなりません」
ミスト「その為なら一晩中でも私は耳元で囁き続けますよ。ほら、鍬を持ち、ミスト様と共にカブを愛でる日々……」
ラグナ「う、うぅ……うーん……」
ミスト「こーら、そんなにくすぐったそうにしないで下さい。それとも、耳元でぽしょぽしょと喋られるの、好きですか?」コソッ
ラグナ「……っ」ピクッ
ミスト「あぁ、可愛らしいですね……このぐらいの音量で、耳のちょっと下辺りに触れるかどうかの位置で耳打ちされるのが好きなのですか。よく分かりました」コソッ
ミスト「では続けますよ、カブ様とミスト様は……」
コケコッコー
寝落ちしてしまいました。今日の夜から再開します。それでは
翌日
ラグナ「……」ゴソゴソ
ガチャッ
アネット「あっ、おはよう!今日も一日……って聞いてる?」
ラグナ「…………カブ……」
アネット「へ?」
ラグナ「カブカブカブカブカブカブカブカブ」
アネット「ひいっ!?」
ラグナ「……ん?どうかしたの?アネットさん」
アネット「え?い、いや、別になんでも……」
ラグナ「今日も一日カブを育てるぞ!そしてミスト様に献上するんだ!」
アネット(様……?いきなりどうしたんだろう)
AM8:00
ラグナ「よし、畑の水やりも終わったし、クジラ島の方に植えたカブの世話もしなくちゃね」
ラグナ「……ってそういえば、エリスさんの所に行くのをすっかり忘れてた!」
ラグナ「どうしよう……約束破っちゃったから怒ってるかもなぁ……」
ラグナ「……まあいいか、僕にはカブの世話という重要な使命があるんだからね」
ラグナ(あれ?カブってそんな重要な物だっけ……)
休息の塔前の畑
ラグナ「さて、こっちの畑のカブにも水やりし終えたけど……」
ゴゴゴゴゴゴ
ラグナ「塔から異様な雰囲気が漂ってるような気が……」
ラグナ「ってそんな事はないか……流石にエリスさんだって謝れば許してくれるは」ガチャッ
エリス「<●><●>」
ラグナ「ごめんなさいすぐ帰ります」パタン
エリス「はぁ……まあ許してあげますけど、次からは気をつけて下さいね?」
ラグナ「は、はい……」
ラグナ(なんとか許して貰えたけどエリスさん怖すぎるよ……)
エリス「さて、こちらのカブ畑ですが……昨日のうちに収穫しておきましたよ」
ラグナ「本当ですか!?ありがとうございます!」
エリス「……で、全部カブの酢漬けにしておきました」
ラグナ「」
ミスト家
ミスト「カブの酢漬けはしまつして下さい」ニッコリ
ラグナ「やっぱりこうなった……」
ミスト「そもそもカブというものはですね……」ペラペラ
ラグナ(……ってあれ?僕は何か重要な事を忘れてる気が……)
ラグナ「そうだ!思い出した!」
ミスト「何をですか?」
ラグナ「僕の使命はカブをつくる事、それも酢漬けなんかじゃない、純粋な美味しいカブを自分の手で作ること!それをすっかり忘れてました!」
ミスト「その通りです!ラグナさんはカブをつくる為に生まれてきた、生粋のカブ職人ですよ!」
ラグナ「ええ!そうと決まれば早速他の畑を耕してきます!」ガチャッ
ミスト「……はい、頑張ってくださいね」
PM5:00
ロゼッタ「今日も回収に来たわよ。これがないとあんたもあたしも収入なくなっちゃうからね」
ロゼッタ「……ってなによこれ!?雑草と申し訳程度のカブの酢漬けじゃないのよ!?」
ラグナ「ごめんロゼッタさん、僕は今なに一つ売れる物がなくて……」
ロゼッタ「嘘よ!あんた今カブをこれでもかってレベルに持ってるじゃない!5個ぐらいでいいから出荷箱に入れなさいよ!」
ラグナ「それはダメだよ、ミストさんに全部献上するんだ」
ロゼッタ「はい?」
ラグナ「僕は知ってしまったんだ。カブを育てる事の楽しさ、それをミストさんに渡す事で見る事ができる彼女の笑顔……」
ロゼッタ「ねぇあんた、目が虚ろな気がするのだけども」
ロゼッタ「そもそも、あんたはそんなにミストの事が好きだったかしら?しかも四六時中カブばかり掘ってるのはあの子に言われたからなの?」
ラグナ「なんて事言うのさ!僕は好きでカブを育ててるのに……ってあれ?そんな事あったっけ……」
ラグナ(おかしい……僕は何故こんなにもカブに執着してるんだろう……)
ロゼッタ「ま、そんなに言うなら無理に持って行こうとは思わないわよ。ただし……」
ロゼッタ(ミストが何かしたのかしら?もしそうだとしたら……)
ラグナ「う、うん。ごめんね、大したものを渡せなくて」
ロゼッタ「別にいいわよ、カブの酢漬けでも食べてるわ」パクパク
Am0:00
ラグナ「つ、疲れた……いくらなんてもオレンジジュースとおにぎりだけでつるくさの遺跡に籠るのは無茶だったな……」
ラグナ「まぁそのおかげでダンジョンの中にもカブを栽培できたからいいや、献上できるカブは多い方が良いからね」
ミスト「こんばんは、ラグナさん?」ニッコリ
ラグナ「ええっ!?な、なんでこんな時間に……」
ミスト「決まってるじゃないですか、カブを受け取りに来たんです」
ラグナ「は、はぁ……とりあえず20個分どうぞ」
ミスト「50個です」
ラグナ「えっ」
ミスト「今朝酢漬けにされた物を含めるとそのぐらいはあった筈です。その分もきっちり、お願いしますね」
ラグナ「は、はい!必ず育てます!」
ミスト「キャンディさんの所に行けば精霊歌でカブを増殖させてくれるかも……」
ラグナ(それはないんじゃないかな……)
ミスト「うふふ……まあこのカブは貰っておきます、頑張ってるラグナさんにはこちらを差し上げましょう」スッ
ラグナ「こ、これは……カブの種!?」
ミスト「頑張って働いてるラグナさんへ差し上げようと思ったのですが……気に入ってくれましたか?」
ラグナ「は、はい……」
ラグナ(おかしい……何かがおかしいよ……こんなの間違ってる……いやいや、そんな事はない、僕はカブを育てる事を生き甲斐として……)
ラグナ(???????)
ミスト「それではまた明日会いましょうね、ラグナさん……」ウフフ
AM6:45
ラグナ「ふんっふんっ」ブンブン
アネット「おはよー!今日も一日……ってどうしたの?カマなんて振って」
ラグナ「来たるべき日の為に備えてるんだ」ブンブン
アネット「そ、そうなんだ……」
アネット(なんでか知らないけど悪寒が……)
アネット「それよりも最近クジラ島に行ってないよね?前までは毎日通いつめてたのに」
ラグナ「そうだね……ミストさんに行くなって言われたからかな」
アネット「えー、なんでなんだろう」
ラグナ(酢漬けにされた事を怒ってたからかな……あの日以来エリスさんの所に行こうとすると必ず阻止しに来るようになった)
ラグナ「おかげでトマトジュース渡しに行けないじゃないか……」
アネット「あともう一つ!キャンディさんがお昼に来てって言ってたよ」
ラグナ「そうなんだ、じゃあカブの世話をしたら向かう事にするよ」
ヨイショ
アムアムアム……アムアム(ピローン
キャンディ「な、何やってるのかなお兄ちゃん……」
ラグナ「雑草食べてるんだ、捨てるのも勿体無いし」
キャンディ「そのカバンの中にいっぱいカブが入ってますけど……せめてそっちを食べたらどうですか?」
ラグナ「うーん、これはミストさんに渡すものだからなぁ……」
キャンディ(……やっぱり噂で聞いた通りだ、お兄ちゃんは何故かカブを渡す事にこだわってるって……)
キャンディ(わたしの勘だと多分これはミストお姉ちゃんが関わってるはず……絶対元に戻さないと!)
調べたらキャンディは「あたし」でした。間違えた部分は脳内変換でお願いします
ラグナ「そうそうキャンディさん、またこの前みたいに精霊歌をお願いしたいんだけどいいかな?」
キャンディ(その手があった!)
キャンディ「もちろんです!どんな内容がよろしいですか?」
ラグナ「カブを育てやすくしたいんだ」
キャンディ「そ、そうですか……じゃあそうなるように歌いますね」
キャンディ「~~~~」♪
キャンディ「はい、これで大丈夫ですよ」
ラグナ「ありがとう!これでもっとカブを育てやすくなったよ!」
キャンディ(本当はタケノコが大量に生えてくるようにしてしまいました……)
キャンディ(でも今のお兄ちゃんは何かに操られてるようだから、あたしが少しでも農作業の邪魔をしないと……)
PM8:00
キャンディ「お姉ちゃん、あたし今からお兄ちゃんの家に行ってくるね」
ドロップ「……!?」
ドロップ「……そ、その……そういうのはまだ早いと思う……」///
キャンディ「違うよー、お兄ちゃんにミストお姉ちゃんが何かしてないか心配なの」
ドロップ「……関わらない方がいいと思う」
キャンディ「それはなんでなの?お兄ちゃんが危ないかもしれないのに……」
ドロップ「……ミストさんはそんな程度じゃ勝てないから……でも、行きたいなら行った方がいい。それを貴女が望むなら……」
キャンディ「……あたしはお兄ちゃんを助けたい!だから絶対行く!」
ドロップ「そう……それなら行けばいいと思う」
キャンディ「お姉ちゃん……分かった!行ってくるね!」バタン
ドロップ「……計画通り」
キャンディ「い、勢いよく出たは良いけど……」
ミスト「……」ニッコリ
キャンディ(どうしよう……絶対あたしの目的に気付いてるよ……)
ミスト「カブは好きですか?」
キャンディ「へ?」
ミスト「カブは……好きですか?」
キャンディ「ま、まあそれなりには好きです……」
ミスト「そうですか……カブ好きに悪い人は居ません、でも……」
ミスト「なんで畑にタケノコが生えてくるような精霊歌を歌ったんですか?」<●><●>
キャンディ「」
ミスト「……」ジィー
キャンディ「」ガクガク
ミスト「……………………」ジィッ
キャンディ「」ブルブル
ミスト「……………………………………」<●><●>
キャンディ「ごめんなさい……」グスッ
キャンディ「だって……お兄ちゃんを元に戻したかったんだもの……いまのお兄ちゃんは変になっちゃったから……」
キャンディ「お願いミストお姉ちゃん、お兄ちゃんに変なことするのはやめて……」ポロポロ
ミスト「あら、それは前の話ですよ?もう変なことはしませんよ」
キャンディ「えっ、本当なんですか!?」
ミスト「当たり前じゃないですか、ラグナさんは大切な農奴……もといお友達ですよ?」
キャンディ「じゃあどうしてこんな時間に……」
ミスト「悪い虫が付かないようにですよ、現にこうしてあなたが来てますし……」
ミスト「……そうだ、どうせならあなたにもいい事を教えてあげましょうか?せっかくここで出会った事ですし」
キャンディ「は、はい……」
キャンディ(何をするんだろう……ひょっとして、お兄ちゃんが変になった事と関係があるのかも?)
ミスト「では、この蓄音機を差し上げます。これを眠っているラグナさんの耳元に置いてみて下さい」
キャンディ「こ、こうですか?」カチッ
「さて……まずは雑草を刈りましょう……」
キャンディ「な、何ですかこれ!?」
ミスト「眠れない人の為のおまじないですよ」
キャンディ「これは催眠術だと思いますけど……」
ミスト「これを聞かせてただけですよ」
キャンディ「こんなの聞かせてたら本当にカブ依存症になっちゃいますよ!早く辞めさせないと……」ポチッ
ミスト「あら残念……せっかくいい気持ちで眠っていたのに……」
キャンディ「あ、あの……もうこんな事するのは……」
ミスト「えぇ、あなたが言うならやめにしますけど……一つ、いい事を教えてあげましょうか」
キャンディ「?」
ミスト「今の催眠術はわたしが吹き込んだものですけど……ほかのパターンでもできるんですよ?例えばほら……他の人に依存先を変えるとか……」
キャンディ「……えっ?」
ミスト「うふふふふ……どうしますか?何も強制しようとは言ってないので……ラグナさんの為に、ここで終わらせておく方がよろしいかもしれませんが……」ニッコリ
キャンディ「…………!?」
キャンディ(それが本当なら振り向いてくれないお兄ちゃんをあたしの物に……ってそんなのダメだよ!せっかくミストお姉ちゃんの催眠が解けるのに……)
キャンディ「あ、あのっ!やっぱりそれは良くないことなので……」
ミスト「……よく考えてみて下さい。いくらあなたが頑張っても、ラグナさんは振り向いてくれないんですよ?ただ少しばかり歳が離れている、それだけで……」
ミスト「でもこれを使えば……そんな事はもうお構い無しです。思う存分、ラグナさんを独り占めできますよ」ニコニコ
キャンディ「……」
キャンディ「はい……よろしくお願いします」ペコリ
AM6:00
チュンチュン
ラグナ「……ふわぁ、今日もよく寝たなぁ。……ってそうだ!早くカブを耕さないと……」
ザクッザクッヨイショ アムアムアム
アネット「おはよー!今日()も一日元気に過ごそうね!」
ラグナ「あっ、丁度いい所に」(チャキ
アネット「!?」
ラグナ「……なんて、冗談ですよ。ちょっとイタズラしてみたかっただけですよ」ニコニコ
アネット「そ、そうだよね!いやーびっくりさせないでよー」
ラグナ(うっ……危なかった……今一瞬変な考えがよぎった気が……)
ラグナ「よし、気分転換にキャンディさんの所に行こう」
ラグナはキャンディの事は呼び捨てだったので訂正します。不定期ですがよろしくお願いしますm(_ _)m
ラグナ「さて、キャンディは……」
キャンディ「~♪」
ラグナ「あんな所に……おーい!」
キャンディ「あっ、お兄ちゃん!やっと来てくれたんだね!」
ラグナ「やっと……?」
キャンディ「ううん、なんでもないよ!お兄ちゃん、早く中に入ろうよ」ムギュッ
ラグナ「もー、仕方ないなぁ……今日は1日ここにいる事にするよ」
キャンディ「やったぁ!お兄ちゃん大好き!」ギュー
ラグナ「そ、そんなにくっついたら照れるよキャンディ……///」
キャンディ( ……お兄ちゃんがこんなに意識してくれるなんて、ミストお姉ちゃんの催眠ってすごい……)
ドロップ「……おはよう」
ラグナ「おはようございます、そういえば、今日は釣りに行かないんですか?」
ドロップ「…………行かない、今日は家で読書する……」
キャンディ「お姉ちゃんもお兄ちゃんと遊ぼうよ!その方が楽しいよ」
ラグナ「うーん、遊ぶって言っても何をしようか……」
キャンディ「お兄ちゃんは疲れてますよね?それならぴったりの遊びがあるんですよ?」
ラグナ「そうなの?それなら是非その遊びを教えて欲しいな」
キャンディ「じゃあ決まりだね!お兄ちゃんとお姉ちゃんはあたしの部屋に集合してね」
ドロップ「……」
ラグナ「……で、部屋に入ったはいいけど……」
キャンディ「んふふ~、お兄ちゃん……」ムギュー
ラグナ「なんでキャンディのベッドに僕が寝転がって、しかもその上にキャンディが乗ってるのさ!?」
キャンディ「この体勢であたしを下に落としたら負けのルールだよ、お兄ちゃん?」
ラグナ「いやいやいやこれは流石にまずいよ!そ、その……ほら、色々と」
キャンディ「……お兄ちゃんは嫌なの?」
ラグナ「えっ」
キャンディ「この体勢になった時は大人しく受け入れてくれたのに……やっぱりお兄ちゃんは嫌なの?」
キャンディ「もしお兄ちゃんの迷惑になるならやめるけど……」ショボン
ラグナ(うぅ、こんな顔されたら断れないよ……)
ラグナ「そ、そんな事ないよ!落とさないようにするゲームならいくらでもやるから、だからほんなに落ち込まないで……」
キャンディ「うん!ありがとう、お兄ちゃん!」
キャンディ(ごめんねお兄ちゃん……でも、少しでもお兄ちゃんと一緒に居たいから……だから許してくれるよね?)
このSSまとめへのコメント
このSSまとめにはまだコメントがありません