王位継承戦【安価スレ】 (161)

長きに渡り戦乱が続いていた時代、大陸全土を治める国があった。

世界で唯一広大な支配権を有していたその国に、戦争をしようとする愚かな者などいるはずもなく。

凡そ千年もの間、極小規模な紛争はあれど目立った戦も無いまま、平穏な時代が続いていた。

今に至るまで、多数の名君が生まれたその国には、あるしきたりがあった。

それは、王位継承権を持つ者同士で鎬を削り、最も優れた者を王として認定する戦いであった。

その戦いは今、始まろうとしていた。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1557305286

↓3までに国の名前と王族のファミリーネームを
国名は最高コンマ、ファミリーネームは最低コンマのレスを採用

設定とかの判定はコンマの大きさしか見ないので悪しからず

国名:イングリッド
家名:リヒターハウゼン

↓1コンマの一桁+2が今回継承戦に関わる主役の人数

人数は5人

↓5までに主役となる王族(王子、王女のどっちでもいい)を
高コンマから順に採用で、最高コンマが主人公に


名前:○○・王様じゃない方の姓名・リヒターハウゼン、となるようにお願いします
序列:第○王子or王女
年齢:
紋章位置:刺青的な痣がどこにあるか。某傭兵アーサーの顔のアレをイメージしてください
理念:何を目的として王になるか
容貌:
性格:
備考:

この後に採用されたキャラに充てる従者を募集します

先程書いたように次は従者です

普通のキャラでもいいし、王族を投稿してもいいです
↓5まで募集で、高コンマ順に主役組に配属します

名前:王族の場合は先程と同じようにお願いします
序列:ここは王族キャラを投稿する時のみ記載
年齢:
容貌:
性格:
備考:○○に拾われたとかは書かないでください

あと二つくらい設定決めたら本編行きます

現在の国王ですが、男でも女でも問題ありません
↓3までに来た設定の中で最高コンマのレス採用

名前:
年齢:50以上でお願いします
紋章位置:刺青的な痣がどこにあるか。某傭兵アーサーの顔のアレをイメージしてください
理念:どんな政治をしているか
容貌:
性格:
備考:

コンマで決まってるのでこのまま行きます

最後は王都の募集です
↓3までの中で最高コンマのレスを採用します

名前:
立地:どんな場所に立っているか
形態:どんな街か
備考:

超大国『イングリッド』の王都『アルセウス』。その中心には、王族が居住している王城が建っている。

築千年を間近に控えるその城は、年季を感じさせる風貌をしている。だが、未だに堅牢さは健在だ。

その一室。そこを住処とする第四王子は、だらしない大欠伸をしていた。

「ねっむ…。酒飲み過ぎたかなぁ」

ぼさぼさの頭を手櫛で整え、空になったワインボトルを執事に持たせる。

端正な顔立ちの美青年だが、だらしなさによってその美しさも台無しである。

「もうすぐ夕食でございます。お召し物を用意しておりますので、着替えてくだされ」

「あんがと~クロウド~」

ふらふら揺れながらも、慣れた手つきで着替えを済ませる第四王子。その左頬には、赤い刺青のような痣がある。

天認の紋章。それが、この痣の名前だ。

王族の血が流れる者は極稀に、赤子の時点でこの痣を持っていることがある。

この『天認の紋章』こそが、王位継承候補者になる条件である。どれほど優秀であろうと、この痣が無ければその資格を持たない。

尤も、王位継承候補者になるための証明のような物であって、上位存在であることを認める物ではない。

王子も王女も、痣があろうと無かろうと皆、王族でしかない。平時では平等な存在なのだ。

「ふぁぁ。面倒だよね、こういうのって」

「王族である以上、仕方のないことであります。オスカー王子」

第四王子『オスカー・シュミット・リヒターハウゼン』は片手を上げて扉に手を掛ける。

「じゃあ行ってくるよ。いつものアロマ、用意しといてね~」

「かしこまりました」

執事はニッコリと微笑み、王子を見送った。

第五王子『フリーデシルト・シュトライム・リヒターハウゼン』は職務を終え、外套を羽織る。

その表情は暗く、これから食事をする者の顔とは思えない。

「…主」

フリーデシルトの従者『アスラ』は、浮かない表情の主人に問う。その腰には一本の刀が差されている。

「…私は大丈夫だよ。要らない心配をさせてすまない、アスラ」

微笑して問題無いことを示すフリーデシルトだが、アスラには無理をしているようにしか見えなかった。

だが、口には出さず無言でフリーデシルトの横を歩く。本人が大丈夫と言うのなら、そうなのだろう。

「主。命を」

「…待機していてくれ。今、余計な火種を作るわけにはいかない」

「承知」

王族用の食堂の扉。その前で、フリーデシルトは大きな溜め息を吐いた。

蹴落とし合う者たちと共に食事をする。その心情はかなり複雑だった。

(…家族なのだから、手を取り合って進めればいいのに…)

その淡い希望を胸の奥に押し込め、中へと入った。

黒髪を髪留めで纏め、純白のドレスを身に纏う第一王女『リーナス・プラトニエ・リヒターハウゼン』。

額には紫色の紋章があり、その瞳は紅玉のように麗しい。『絶世の美女』という言葉が相応しい女性だ。

「………」

瞳が光を帯び、消える。程なくすると、扉をノックする音が聞こえてきた。

「お待たせしました。リーナス様」

「そう畏まる必要は無いわよ、スタン。私たちは姉弟なのだから」

「いえ、候補者にそんな無礼な態度は取れません」

毅然とした態度で突っぱねる執事。彼もまた、王族である。

第六王子『スタン・シュトライム・リヒターハウゼン』。第四王子と同じ母から産まれた男だ。

彼は『天認の紋章』を持っていなかったため、候補者になることは叶わなかった。

尤も、彼にその気は無く、持っていたとしても、辞退するつもりだった。

スタンはスタンの理念に従い、リーナスの従者となることを選んだ。

姉であるリーナスもそのことは承知しているが、彼女にとっては可愛い弟なのだ。

「…強制はしないけれど、私の前ではもう少し年相応の振る舞いをしてほしいわ」

「お気遣い、ありがとうございます」

スタンの態度は一向に変わる気配を見せない。強く出るわけにはいかず、リーナスが折れた。

「…では、参りましょうか。週に一度の会食。遅れるわけにはいかない」

「はい」

第一王女と第六王子が、会食の間に身を投じた。

もうすぐ会食が始まるというのに、第三王女は忙しなく城の中を走り回っていた。

慣れないドレスでもたつきながらも、懸命に人捜しをしている。ぜえはあと息が途切れているのも気にせず、ただひたすらに。

「あっ…!」

「うぅ…ごめんなさい…」

廊下の角を曲がると同時に、捜していた人とばったり出会う。第三王女『リメロン・ロメンス・リヒターハウゼン』は表情を綻ばせた。

「良かったぁ」

「私が探すって言ったのに王女様に迷惑を掛けて…どうせ私なんか…どうせ…」

うじうじと人差し指同士をくっ付けるメイド『マリー』。その拳から、ペンダントのチェーンが顔を出している。

「ううん…。私が落としたのが悪いから…。マリーのお蔭で、見つかったし…」

「ほら、仲直りのギューッ…!」

「うぅ…王女様の優しさが沁みる…!」

これでお相子と言わんばかりに、リメロンはマリーを抱き締める。マリーもまた、それに応えて手を回す。

二人はまだ気付いていない。この光景を使用人に見られていることを。

数日後、この光景を収めたブロマイドがプレミア価格で飛ぶように売れたと言う。

「そらっ」

「…だーっ!負けたーっ!!!」

大の字で寝っ転がる第四王女『エリエッタ・フィオ・リヒターハウゼン』。その手には一般的な直剣が握られている。

「ふぃ~…。剣術ならまだ俺に分があるな。流石俺」

同型の剣を地面に突き立て、水筒に入っている水を飲み干す第三王子『アレクセイ・フォーキン・リヒターハウゼン』。

その左手には『天認の紋章』が。彼もまた、王位継承候補者だ。

「拳闘なら負けないのにー!もう一回よアレク!」

「それはまた今度な。会食が近いからお着替えの時間だ」

「え?もうそんな時間?」

「お前なー。何時間斬り結んだと思ってんだ。これでも俺、剣術なら上位なのに」

「エリエッタ様は天才だもの。あんたにそうホイホイ負けてたまるもんですか」

「俺だって天才なんだぜ。まぁ、それだけ良い血筋ってことなんだろうが…っと」

エリエッタの手を掴み立ち上がらせる。そして、もう一つの水筒を渡す。

勢い良く流し込んでいく様子を見て、アレクセイは小さく笑った。

「何?なんか付いてる?」

「ってか、これただの水でしょ。蜂蜜檸檬が食べたーい!」

「シェフにでも言ってろ。俺が持ってるのはチョコだけだ」

「じゃあそれでもいいわ!早く頂戴!」

「しゃーないな。感謝しろよ」

「やったぁ!」

大きく開いたエリエッタの口にチョコレートを投げる。満足そうに、エリエッタはそれを咀嚼した。

(…色々な意味で、王族らしくねぇな。ま、そーいうとこが好きなんだけどよ)

次々とアレクセイの甘味を奪っていくエリエッタは、満面の笑みを見せた。

「では、此度も誰一人欠けることなく食を共に出来たことを神に感謝して、乾杯」

豪奢な椅子に座る、初老の男性。彼の合図と共に、王子たちはグラスを掲げた。

「乾杯」

「かんぱーい」

「…乾杯」

三者三様の反応を見せ、グラス同士がぶつかる音があちらこちらから聞こえる。

一人は無言で食を進め、一人は隣の姉と談笑する。一人は目の前の主と食事の交換をし、一人は周囲の様子を観察する。

初老の男性、イングリッド国王『エクソダス・オクステット・リヒターハウゼン』は、それを見てくつくつと笑う。

「親父どしたー?」

「ふ…。もうじき『王位継承戦』が始まるというのに、随分と余裕を見せるものだと思ってな」

「…父上の代では、他の候補者は落命した…と聞きましたが。それは真なのでしょうか?」

フリーデシルトの問いに、エクソダスは頷いて返す。フリーデシルトは黙りこくり、シャンパンを口にした。

「どのような理想を掲げようが、力が無ければ全てを喪う。そうならないよう、儂は力を手にした」

「貴様らにそれを強制しようとは思わんが、それがしきたりだからな。愚かだと断じたいなら、力を示せ」

勝者こそすべてだと、エクソダスは言い続けた。その言葉をどう受け止めたのか。それは、人によって違う。

「例えば、だけどさ」

「俺があんたを殺したら、その時はどうなるんだ?」

「兄上…!?」

アレクセイの質問に、フリーデシルトは狼狽える。リメロンはオロオロとし、リーナスは何も言わずにアレクセイを見つめる。

「その時は、アレクセイ。貴様が王となる。儂を、現国王を越えた証左となるからな」

「あっそ。ま、そうする気は"今は"無いけどな」

今は無い。だが、必要とあれば厭わない。犠牲を惜しんで、王になれるわけが無い。

時には非情にならねばならない。たとえ、最愛の人を喪う結果になるとしても。

(…俺がいる以上、そんなことは起こさせないがな)

矛盾する意志を秘め、アレクセイはクラッカーをつまみに赤ワインを味わった。


↓2に誰と会話するか
その議題も併記(今回含めあと二回)

「なーリメロン」

「ひゃいっ!?」

同列の王女に声を掛けた第三王子。王女は素っ頓狂な声を上げ、小さく跳ねた。

「おいおい。そんな怖いのか俺」

「こ、怖いわけじゃない…わけじゃないですけど…」

「…あー。すまん、さっきのアレか」

先程、堂々と殺します宣言をしたからか、少しばかり恐怖心を持たれてしまった。

自分もそうなるからなのか、他の人がそうなるからなのか。そこまでは定かではないが。

(リメロンのことだ。身内同士で殺し合う可能性がある…それが嫌なんだろうな)

他人のことを想える優しさを持った彼女なら、それに忌避感を感じて当然だ。

だが、優しいだけでは政治は出来ない。何かを切り捨てる決断をしなければならない時が来る。

その時、彼女は決断出来るのだろうか。

(それじゃ駄目なんだぜ。優しさってのは、毒にもなり得る。…それを知らないほど、馬鹿じゃねぇか)

そう理解しつつも、念のために本心を問い質す。もしもの時は、退場することも考えてもらう。

「リメロンが心配するのはよく分かるよ。俺だって、好き好んで家族と戦り合いたくはないしな」

「だけどさ。俺たちはその義務を背負っちまったんだ。やるしかない状況にある」

「………」

「…お前はどう思ってる?この継承戦を」

「俺は…まあ、仕方ないと思ってる。そうやって色々なもんを乗り越えて、今までの王様も統治してきたわけだしな」

「王になりゃ、理不尽なことも出てくるだろ。その時に役立つのなら、逃げるわけにはいかないと思うぜ?」

リメロンにも、何かしらの理念はあるはずだ。

それを引き出す。継承戦はもう始まっているのだ。カードはなるべく増やしておきたい。

「すぅー…はぁー…」

数度の深呼吸を介し、心を落ち着かせるリメロン。目を閉じて数秒沈黙した後、ゆっくりと口を開いた。

「…私は、戦いたくない、です…。出来ることなら、お兄さんたちとも平和的な関係を築きたいです…」

「…でも。だけど。私もちゃんと考えてます。護りたい人が、助けたい人がいます」

「だから、逃げません。…『天認の紋章』を授かった…ということもありますけど。もし無かったとしても、私は…」

勇気を振り絞って言葉を紡いだのか、顔が紅潮している。少しだけ瞳を潤ませながら、真っ直ぐとこちらを見つめていた。

あの引っ込み思案なお嬢ちゃんがよくもまあと感心しつつ、アレクセイはコクリと頷いた。

「…それだけ覚悟があんなら大丈夫だ。意地悪して悪かったな。お兄ちゃんを赦しておくれ」

「あ…いえっ…!アレクセイ兄さんは悪くないですよぅ…!」

「…ホント優しいねぇ。涙出てきそう」

普通であれば小言一つ漏らす筈なのだが、そこで相手を擁護するところが彼女らしいとも言える。

継承戦に向いているわけではないが、資格が無いわけでもない。

彼女もまた、立派な『候補者』だ。


↓2に誰と会話するか
その議題も併記(今回含めあと一回)

満足のいく答えを聞いたアレクセイは、上機嫌でワインを飲む。今回はつまみ無しだ。

「…ん?何だ、この味」

赤ワイン特有の渋みの奥底に、何かが混じっている。酔っていたら知覚出来ないほど、僅かな違和感。

「エリエッタ、ちょっと飲んでみてくれ」

「はぁ?私まだ未成年なんだけど」

「そうか、お前まだ17だもんな」

「…貸して、アレクセイ」

「あいよ、リーナス姉さん」

手を出したリーナスにワインの入っているグラスを渡す。リーナスの視線はワインに集中し、瞳が紅く光る。

視界の色が褪せ、モノクロの世界が広がる。その中で、ワインがぼんやりと光を放っていた。

「………」

「姉さん?ねーさーん?」

「…これは…毒物…?遅効性の物かしら…」

「うぇ、俺飲んじまったよ」

「俺も毒見するよ~」

「あっ、オスカー駄目」

「………」

「不味い。これ駄目なやつだねぇ~」

「はぁ…。オスカーは後で姉さんの部屋に来て。解毒するから」

「俺も解毒いい?」

「…そうね。保険でアレクセイにも掛けておきましょう」

アレクセイは(自称)天才なので、生半可な毒は効かない。それは、エリエッタも同じだったりする。

「…誰が入れた?兄上に毒は効かないというのに…」

何事も無かったかのように会食が進んでいく中、フリーデシルトの疑念は尽きなかった。

「誰だよ、俺のワインに毒入れた奴」

自室に戻ったアレクセイは、独り言ちながら服を脱ぐ。暗闇の中で、月光を反射した銀髪と金色の瞳が光る。

露わになった上半身は、細身であるのに引き締まっていた。

「ま、死ななかったならそれでいいか。リーナス姉さん様様だ」

殺されかけたというのに、軽く流してアレクセイはベッドに身体を預ける。

普段と変わらない態度だが、目だけは違っていた。普段の巫山戯た態度とは裏腹に、酷く冷ややかな視線をしていた。

(殺しに来るなら、正々堂々と来てもらいたいもんだ)

心当たりのある顔を思い出しながら、アレクセイは就寝した。

その夜、使用人が一人自害した。

キョウハココマデ

ただ待ってるのもあれだからお節介で王族まとめといた
第一王子 ?
第二王子 ?
第三王子 アレクセイ(26)
第四王子 オスカー(23)
第五王子 フリーデシルト(20)
第六王子 スタン(18)

第一王女 リーナス(28)
第二王女 ?
第三王女 リメロン(18)
第四王女 エリエッタ(17)

期待して待っとるよ

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