西住まほ「大洗玉球物語2」 (233)
まほ「…………ん?」ピローン
まほ「着信か……どれどれ」チラッ
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ハイパースーパーグランドリフレッシュオープンツヴァイ!
あのパーラー大洗店がメガ害悪大洗店へと進化を遂げ、堂々復活!
復活の産声を皆さんの出玉で盛り上げたい!
そんな気持ちで配信しております!
パーラー大洗店の元常連様も、一見様も等しくお客様でございます!
この機会に是非一度メガ害悪大洗店へとお越しください!
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まほ「ふむ……あの店はみほ達に潰されたかと思ったが、どうやら害悪グループと提携でもしたようだな。リフレッシュオープンか……商魂逞しいものだ。ん? このメールにはまだ続きがあるな」ジー
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当店では犯罪行為を許しません!
引き子、打ち子を使った軍団行為!
背面に立ちお客様の遊戯を阻害する行為!
会員カードを複数所持して使い回す行為!
窃盗、暴力、騒音、西住流にも断固抗議、即時通報致します!
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まほ「……………………」
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1589127177
まほ「……まだ続いているな」
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このSSは時系列等がねじまがっております。
色々な齟齬等もありますので、生暖かい目で見守ってください。
あといつもの4倍長いです。
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まほ「これは一体何の事だろうか……?」
まほ「……それにしてもこのメールは明らかにみほへの宣戦布告だろうな。パーラー大洗の時にも随分色々やっていたみたいだし……それにしてもメガ害悪か……よし、一度行ってみるか!」グッ
ーーー大洗学園艦 メガ害悪大洗店前 オープン当日ーーー
まほ「ついに来たわに……いや、ついにオープン日が来たな! 今日は気合いを入れて朝の抽選を受けに来たぞ!」
まほ「周りには凄まじい人波が溢れている。1000人は下らないだろう、しかし先の告知の通り先着順ではなく抽選入場だからな、先ずは抽選で運試しだな」ウンウン
まほ「最後尾は……ここか。抽選だけでも大分時間がかかりそうだ、だがこの待っている時間にある程度の戦略を決めておく。番号次第で狙える台が変わるんだ、良い番号が引けるに越したことはないが、悪かった時の事も考えなければならない」
???「ん? 西住……西住まほじゃないか!」
まほ「……こんな所で態々大声で名前を呼ぶな……安斎!」クルッ
アンチョビ「おっと、すまんすまん。ってお前も安斎って呼ぶな! アンチョビと呼べアンチョビと!」プンプン
まほ「ふん、前にも言ったが私もまほでいい。それで今日はこんな所でどうしたんだ……なんて話は無粋だな」ニヤリ
アンチョビ「ふふふ……今日はまたとないグランドオープンの日だからな! 私達も抽選を受けに来たんだ!」ニコニコ
まほ「……ペパロニもカルパッチョも見当たらないが、一人じゃないいのか?」キョロキョロ
アンチョビ「今日は抽選だろ? 三人で固まって抽選を受けるよりバラバラで受けた方が良いかと思ってな、抽選は別々に受けることにしたんだ」
まほ「公平な抽選なら順番に意味は無いと思うが、お前らはよくわからないことをするんだな」フゥ
アンチョビ「いいじゃないか。天に祈るのも良し、勿論祈らないのも自由だ。抽選一回にだって馳せる思いがあっても良いだろ?」
まほ「そうだな。っと抽選が始まったか……うん、最後尾は店員がしっかり塞いでいる。こういう時は後ろに並び直して再抽選しようとするマナーのなってない奴もいるからな。こういう対応が良い店は好きだぞ」テクテク
まほ「ところで、アンチョビは何を打つんだ?」
アンチョビ「うーん、抽選次第だからなぁ。私個人としてはリセットの強い機種を拾っておきたいんだが、折角のグランドオープンだから設定が見抜きやすい台を狙いたいんだ!」
まほ「となると6号機か? どの台も6だけは解りやすいものばかりだからな」
アンチョビ「そうだけど……うーん、うーーーん……わからん! よぉし、抽選番号が良ければ絆! 悪ければ大人しくAタイプでも打つことにしよう!」
まほ「Aタイプって……アンチョビ、お前はきちんと目押しが出来るのか? 何か不安だな……」
アンチョビ「な、何だとぉー!? 確かに、確かに私はそれほど目押しが上手い訳では無い! だがサザンやバンバン、ビーマを打つ訳じゃないんだから大丈夫だろ! ディスクアップは……まだ練習中だから……」ウツムキ
まほ「……ディスクの場合、ビタ率50%で機械割りが100前後になるそうだが、アンチョビはどのくらいなんだ?」
アンチョビ「…………ペパロニはビタ率95%ぐらい。カルパッチョはビタ押しをミスしているのを見たことない!」
まほ「二人とも凄いじゃないか! で、当のアンチョビはどうなんだ?」ジッ
アンチョビ「ド、ドゥーチェアンチョビは……じ、17%ぐらい……だと思う」ウツムキ
まほ「それは流石に低すぎるだろ。ディスクは打たない方がいいと思うぞ」
アンチョビ「と、隣にカルパッチョが居ればビタ率は100%になるんだ! …………ダメ?」ウルッ
まほ「それはカルパッチョに押して貰っているからだろ。大人しく練習しろ」
アンチョビ「うぅ……ドゥーチェ、頑張る……! ところで、まほはどうなんだ? やっぱり西住流はビタ押しもビッタビッタ押せるのか?」
まほ「西住流にそんな技は無い! 私は……そうだな、3割といったところだ」
アンチョビ「…………練習、しよ?」ポンッ
まほ「うぅ……まほ、頑張る……! おい何をやらせるんだ! っと、やっと抽選の番が来たな」
アンチョビ「私はこっちの列か……おいまほ、何かド、ドキドキしてきたなっ!?」
まほ「今日一日の運命を決める最初の抽選だ……いやが上にも期待が高まるというもの……行くぞっ!」タンッ
ーーー393番ーーー
まほ「何故ここで未来さん……」ガックリ
アンチョビ「やった! 78番だ! これは色々座れそうだぞ!」ニッコニッコ
まほ「くっ……まだ高設定に座れないと決まった訳じゃない! 少し落ち着いて作戦を練るとしよう……」
ペパロニ「あっ、いた……ドゥーチェ! 番号はどうっすか!? 良い番号引けたっすか!?」
カルパッチョ「ドゥーチェ、ペパロニもここに居たのね。お二人の番号はどうでしたか?」
アンチョビ「んっふっふっふ……ななじゅうぅぅーーはーちばぁーん! どーだペパロニ、カルパッチョ! このドゥーチェアンチョビが勢いに乗れば不可能はなーいっ!」ニッコニッコ
ペパロニ「うおぉぉーーーっ! 流石ドゥーチェっす! ドゥーチェ! ドゥーチェ! ドゥーチェ!」ドゥーチェ ドゥーチェ
カルパッチョ「ドゥーチェ、やりましたね! ドゥーチェ! ドゥーチェ! ドゥーチェ!」ドゥーチェ ドゥーチェ
アンチョビ「あっはっはっはっはーーっ! それで、二人は何番だったんだ? 近い番号だと良いな!」
ペパロニ「私は170番でした! いやぁーこれでも三人の中で一番良い番号だと思ったんですけどねー! やっぱドゥーチェには敵わないっすよー!」ケラケラ
アンチョビ「いや、それでも良い番号じゃないか! 最善機種は狙えないが、充分良い台が狙える番号だな! それで、カルパッチョはどうだったんだ?」チラッ
カルパッチョ「2番でした!」テヘッ
アンチョビ「えっ?」
ペパロニ「うっ?」
カルパッチョ「2番……ですっ!」ニコリ
ペパロニ「うぉぉぉーーーーっ! ドゥ、ドゥーチェを軽々超えて来たぁぁーーっ! パ……パッチョ! パッチョ! パッチョ!」
アンチョビ「え、えぇぇーーーーっ!? え、ええ選びたい放題じゃないか! こここうしちゃおれん! アンツィオメンバー全員集合!」
ペパロニ「してるっす!」ビシッ
カルパッチョ「してます」ビシッ
アンチョビ「そそ、そうだよな。すまん……よし! 作戦会議の為に場所を移すぞ! ナポリターン! かーらーのー……アーヴァンティッ!」ビシッ
アンチョビ「それじゃ私達は何を狙うか話し合うから、まほ……さらばだ! はーっはっはっはーっ! それパッチョ! パッチョ! パッチョ!」ドタドタ
ペパロニ「パッチョ! パッチョ! パッチョーーッ!」ドタドタ
カルパッチョ「パッチョ! パッチョ!」キャッキャッ
まほ「…………あいつら三人の抽選番号を足した数より私の番号は大きいのか、どうしたものかな」ハァ
まほ「まぁいい、再整列までにはまだ時間があるし、先ずは落ち着いて設置機種でも調べるか。最悪の場合打たずに帰ることも考えておこう。火傷をする前に撤退するのも大事なことだからな」
まほ「2番か、いいなぁ……もし私が2番だったら何を打とう……リゼロに絆に凱旋ハーデス……うーん、羨ましいな」トボトボ
???「あっ! お姉ちゃーん!」トタテテ
まほ「ん? この呼び方は……」クルッ
みほ「やっぱりお姉ちゃんだ! 大洗の学園艦に来てたんだね、久し振りに会えて嬉しいな!」ニコニコ
まほ「あぁみほ、久しぶりだな。実は私にこの店のグランドオープンを告知するメールが届いてな。まぁ暇潰しがてらに寄ってみたんだ。みほはもう抽選は終わったのか?」
みほ「うん、残念だけど350番だったの。お姉ちゃんはどうだった?」チラッ
まほ「…………んっ」サッ
ーーー393番ーーー
みほ「あっ、未来さんだ……」フフッ
まほ「……まぁ、台数を考えるとお互い何かしらには座れるだろう。頑張ろうな!」
みほ「うん! じゃあえーと、お姉ちゃんの事を考えて400番ぐらいに仕掛けておくね! それじゃ私達は作戦会議があるから、また後でね!」トタテテ
まほ「えっ? おい仕掛けるって何を…………うーむ、行ってしまった。みほの奴、もしかしてまた軍団でジグマでもするつもりなのかな? 400番……私の番号より後ろに何かあるのか?」
ーーーーーーーーーー
まほ「……そろそろ再整列の時間か。並びに行こう!」トテトテ
まほ「私の393番はここか。こうして見るとこの番号でも列全体から見れば前の方だ。みほが言っていた400番の辺りは……あれか。見たところ普通の女の子達が居るだけだが……というか、あの子達は大洗の戦車道の人たちじゃ……?」
まほ「いかん、列が進み始めたぞ! こうなったら後ろを気にしている場合ではない! スロットの島を目掛けて一直線だ!」トテトテ
店員「いらっしゃいませー! 此方の台確保券をどうぞー!」サッ
まほ「どうもありがとう。さて……スロットの島は……?」サッ
???「む! 貴様ぁ! 今此方の肩に貴様の手が触れたぜよ! 現代の鞘当てのつもりか!?」キッ
???「そんな事は知らんなぁ! 貴様の肩が低すぎるのがいけないのではないか? 当たらない程度には大きくなってもらわないと困る」グイッ
おりょう「なっ! 人が気にしていることをずけずけとぉ……絶対に許さんぜよ!」
左衛門佐「どう許さないと言うんだ? 小さい肩をぷるぷると震わせるだけか? 可愛いものよ……」フゥ
おりょう「くっ! もはや許せぬ! 成敗してくれるわ!」バッ
エルヴィン「おーい! 喧嘩だぞぉー! 巻き込まれると危ないぞぉー!」
カエサル「これではこっちの入り口は通れないな……全く迷惑なものだ……」ヤレヤレ
店員「お、お客様! 喧嘩はお止めください!」ワーワー
まほ「……何か後ろが騒がしいな。引き返すか?」クルッ
みほ「あっもう! お姉ちゃんったら、今は引き返しちゃ駄目だよ!」グイッ
まほ「おっと、みほ……もう台は確保したのか? 何だか後ろが騒がしくてな。喧嘩のようだが……」ジッ
みほ「あれは喧嘩じゃないから大丈夫! 私はもう台を抑えたんだけど、お姉ちゃんを心配して見に来て正解だったよぉ……さぁ、早く何か台を確保した方がいいよ?」
まほ「むぅ……みほがそう言うならとりあえず何か確保しておくか。さてさて、後ろから人が来る気配も無いし、ゆっくり選ぼう!」トテトテ
みほ「……それに後ろのあれはね……喧嘩じゃなくて……妨害って言うんだよ……」ボソッ
まほ「ん? みほ、今何か言ったか?」チラッ
みほ「んーん、何にも言ってないよ! 後ろからは何故か人が来ないから、ゆっくり選んでね! それじゃ、また後で!」トテトテ
まほ「あぁ、また後でな。しかし行ったり来たりとみほも何かと忙しいようだ。うーむ、それにしても……どの台にするかな。迷うが……これにしよう!」
ーーーマジカルハロウィン5ーーー
まほ「絆、凱旋、リゼロにまどかやハーデスと順番に埋まっていった感じで、とりあえず座れるものに座ってみたのだが、マジハロ5か……いや、マジハロ7を控え規制の為撤去されるこのマジハロ5の高設定を狙えるのも最後かもしれない。先ずは打ってみようじゃないか!」ジャララ
???「げっ……西住……さん……」ビクッ
まほ「ん? お前は……サンダースのアリサじゃないか、久し振りだな。しかし人の顔を見て狼狽えるのは感心しないぞ」
アリサ「そりゃ狼狽えますよ。さっきの騒動の元凶って西住さんのとこですよね? やりすぎですよ! おかげでろくな台が残っていないじゃないですか!」プンプン
まほ「前にも言ったが、私の呼び方はまほでいい。それで騒動の元凶ってなんだ? 後ろが騒がしかったのは気付いていたのだが、結局見に戻らなかったので何が起きたかは見ていないんだ」
アリサ「知らないんですか? あなたのとこの妹が仲間を使って喧嘩を装い入場妨害してたんですよ! お陰で私の入場がかなり遅れたじゃないですか! あなたあいつのお姉さんでしょ、どうしてくれるんですか!」プンプン
まほ「え、えぇ……? みほがあの騒動を画策したって言うのか……? それは何かの間違いじゃ……」
アリサ「間違いないです! 私の前が丁度あの騒ぎを起こした大洗の奴等で、私が奴等の話を盗み聞きしてたら『我々の所で足止めしろと隊長からお達しがあった』とかなんとか言ってて……」
まほ「アリサ、前も言ったが盗み聞き等はあまり良くない。君はそういう癖を少しずつでも直していかねばならないと思うぞ……」ヤレヤレ
アリサ「いや今はそんなとこで噛み付かれても困るんですよ! とにかく……はっ!」ビクッ
まほ「急に固まってどうした? 向こうに何かあるのか?」クルッ
みほ「〈●〉〈●〉」ジーッ
まほ「う、うおぉっっ! な、なんだ、みほじゃないか……」フゥ
みほ「…………お姉ちゃん、アリサさん……何か、あったの?」テクテク
まほ「いや、アリサがなーー」
アリサ「いいいいいやいやいや、いやいや、何も無いわよ! たたた、ただまほさんと久し振りに会えたから嬉しくって! ねっ!? まほさん、ねっ? そうよねっ!?」ブルブル
まほ「いや、アリサがーー」
アリサ「まほさん! まほさぁん! 久し振りに会えてちょっと盛り上がっちゃったわね! さぁて、一緒に打ちましょ? ねっ? 早く、ねぇ早く!」ジャララ
まほ「あ、あぁ分かった分かった……そんなに興奮しなくてもいいのに」
みほ「…………ふーん、お姉ちゃんが詰め寄られてたから何かトラブルかと思っちゃった。お姉ちゃん、本当に何も言われてないの?」ジー
まほ「え、アリーー」
アリサ「まほさぁん! もう、まほさぁーーん! 駄目、駄目駄目駄ー目なんだから! マジハロ5! 目の前にがマジハロ5があるんだからここは私に任せなさい! 結構打ち込んだんだから、熱いポイント解説するわよぉ! さぁ行くわよ!」ブンブン
まほ「分かった、もう分かったから、肩を揺らすな。頭が揺れるだろ」グラングラン
まほ「あぁ……頭がくらくらするぅ……」ピヨピヨ
みほ「……それにしてもお姉ちゃん、本当にマジハロ5で良かったの? 何か打ちたい機種があれば譲るけど……?」チラッ
まほ「ははは……何やらマジハロ5に自信のあるアリサに解説してもらいながらこの台を楽しむことにするから大丈夫だよ。気遣ってくれてありがとう、色々すまないな」
みほ「んーん、何かあったらいつでも言ってね? それじゃ私も期待値を積んでくるから、また後でねっ!」トテトテ
undefined
アリサ「…………ぶふぅーーーっ! こわっ! 何あの子、滅茶苦茶怖いじゃない! あぁ……心臓止まるかと思ったぁ……」ハァ
まほ「いつものみほだろうに……そんなに怖がらなくてもいいんじゃないのか?」チラッ
アリサ「いやいやいや、言葉の端々に何かおかしいのが混ざってたでしょ! 打ちたい機種があれば譲るって何!? そんなに台数を抑えてるの!? というかその名前はもう出さないで! 名前聞くだけでちょっと怖いわ!」ブルブル タンタン
アリサ(…………ん? この出目……)ピクッ
まほ「あのな……人の妹をヴォルデモート卿みたいに言わないでくれ。みほはあのお方でも何でも無いんだぞ」フン
アリサ「…………ふぅ、何だか打つ前から疲れたわ……何か飲もうかしら。あっそうだ、まほさん、ちょっとした勝負をしません?」ニヤリ
まほ「勝負? 戦車道ならいつでも受けてたつぞ?」ニヤリ
アリサ「んな訳無いでしょ! 戦車なんて持ってきて店を壊す気なんですか? ……この台で早く当てた方に飲み物奢るっていう勝負ですよ! どうです、受けてくれますか?」ニヤ
まほ「あぁ、そういう勝負か……いいだろう! 西住流に後退は無い、受けてたつ!」グッ
アリサ「じゃあ……折角のマジハロ5なんで……カボチャンスを先に当てた方が勝ちでどうですか?」ニヤニヤ
まほ「ふふふ……そんな条件でいいのか? 私の台は既に高確示唆の校長室ステージに滞在している……他校の後輩に集るのも悪い気がするが……さくっとボーナスを当ててカボチャンスを頂かせて貰おう! 勝負開始だ!」カツーン タンタンタン
アリサ「はいはーい。まほ先輩……飲み物ご馳走さまでーす!」タン カボチャーンス
まほ「えっ!? あっ、アリサ……お前リセットの6択を当てたのを確認してから勝負を仕掛けてきたな! そういう小狡い所が良くないんだぞ。ケイの反省会は効果が無かったようだな! 全くもう!」プンプン
アリサ「ぷっふー、勿論戦車道の事は反省してまーす! でも勝負は勝負でーす! まほさんこそ注意力が足りてないんじゃないですか? 両隣くらいの出目や演出は把握しておかないと、いつかチャンスを取り零しますよ?」ニヤニヤ
まほ「なっ、ああ言えばこう言う奴だな……まぁ負けたのも事実か……ちょっと待ってろ」スッ
みほ「大丈夫だよ、お姉ちゃん。はい、飲み物……どうぞ?」サッ
アリサ「どわぁぁっっ! な、何であんたが……っ!?」ビクビク
みほ「……アリサさんが勝ったんだもんね? はい、どうぞ」スッ
アリサ「は、ははははひぃ! どどどどうもありがとうございます!」スッ
みほ「お姉ちゃんはいつもこれ飲んでたよね? はい、どうぞ」スッ
まほ「あ、あぁ……態々すまないな。ありがとう……」スッ
みほ「うん! どういたしまして! それじゃ、また後で……」トテトテ
まほ「…………」ボーゼン
アリサ「…………」ガクガク
みほ「…………それと」ピタッ クルッ
みほ「……アリサさん……あまり私のお姉ちゃん相手にはしゃがないでね……?」ボソッ
アリサ「はははははははひぃ! きき肝に命じておきますぅ!」ガクガク
まほ「…………今のは、私も少し怖かったな」
アリサ「少しどころじゃないですよ! 何で勝負がバレてるんですか!? もうダメ……怖くて泣きそう……」グスッ
まほ「何でだろうな、上に傍受機でも浮かんでいるのか?」チラッ
アリサ「あー怖すぎてこの飲み物喉に通らないわよぉ……あの子本当になんなの!?」グスッ
まほ「それを私に聞かれても困る。まぁいいじゃないか。アリサが私との勝負に勝ち、結果飲み物が貰えた。それだけだ」
アリサ「……怖いけど、とりあえずそう思うことにします。はぁ……早くカボチャンスを消化しよっと」デカカボアターック
アリサ「っと……早速デカカボが来たわ! スイカね……当たってるといいけど」
まほ「私の台は呑気に散歩ばかりだな。周期で校長室に行く辺りモードは悪く無いようだが」イラッシャイマセー
アリサ「んー、チャンスリプの出現率が上がってるわね。これは……頂きでしょ!」ビッグボーナース
アリサ「異色でもオッケー。先ずは固まった出玉を目指すのよ、一撃は求めていないわ! まほさんは……?」チラッ
まほ「強チェ……スカ。スイカ……スカ! 強チェ……駄目か。チャンスリプ……錬金ボーナス!」アリスノ レンキンボーナース
まほ「…………うん、良い調子だ!」ニコリ
アリサ「その展開で!? 嘘でしょ!?」ブッ
まほ「いやいや、錬金でも当たるだけ嬉しいものだ。私は錬金を重ねて結界防衛に入れるのがマジハロ5の一番現実的な展開だと思っている。それに……何かしらのボーナスを引けばチャンスは貰えるんだ」
まほ「早速だがアリサ、見ろ。モードの良さそうなボーナスからの即コイン溢し……第三ボタンを離すのが楽しみだな?」ネジネジ
アリサ「確かにその場合は1ゲームミッションの可能性も出てきますけど……そんなに都合よくいくわけが……」
まほ「だが、ゼロじゃ無い。だから絶対に当たらない可能性なんて……無いんだ!」ピーン ミッション 1ゲーム
アリサ「そんな、嘘……本当に引いた……? まさかこの勢いのままEXまで行っちゃったり?」ジッ
まほ「ふふふ……良い感じだ……これは、行けるぞ!」ピシーン
(≧ω≦)
? ? ?
まほ「……おっと、突入リプを引いてしまったか。しかしまだだ、まだ大丈夫。西住まほは慌てない。ストックは貰えなかったが6択を当てれば問題無い。行くぞ!」タンタンタン プシューン
まほ「……うん……大丈夫だ!」グッ
アリサ「いや、駄目でしょ!? 何をやりきった雰囲気出してるんですか! それ全くやれてねーんですよ!」バンッ
まほ「そんなことを言ってもやれなかったんだから仕方無いだろ。錬金のポイントは蓄積出来たし、ARTに入らなかったからモードも転落しない。まだまだ始まったばかりだ、気長にやるさ」ニコリ
アリサ「まぁそうですけど……というか、まほさんってマジハロ5に結構詳しいんですね。私が解説する事なんてあまり無さそうですけど」
まほ「いやいや、私の打ち込みなんて大したことは無い。それに解説なんて無くても、こうしてまたアリサと一緒に打てて嬉しいよ」
アリサ「はぁ、そういうもんですか……あ、終わっちゃった。やっぱりもうちょっとマジカってくれないと出玉は伸びないわね」
まほ「よし……今度は強チェが引っ掛かったか。どれどれ……」アリスノ レンキンボーナース
まほ「魔法瓶か爪を引ければ……引ければ……引け……」ボカーン
(≧ω≦)
? ? ?
まほ「ひだり……いや、右だ!」タンタンタン プシューン
まほ「……よし、次だ!」キリッ
アリサ「なんかまほさんってポジティブですよね。そういうとこ、ちょっとうちの隊長に似てますよ」チラッ
まほ「それって、ケイにか? 似てるかな、自分ではなんとも言えないが……」
アリサ「逆境を楽しみそうっていうか、苦難を苦とも思わなさそうというか……」
まほ「ふむ……道があって、足が動くのなら人はきっと前へと歩いていける。私はそう思っているよ。アリサは一々難しく考えすぎなのではないか」フン
アリサ「うぅ……言い返せない……タカシぃ……何故私では駄目なの……?」グスッ
まほ「おいおい、またタカシの話か……」
アリサ「だって、だってぇ……私はそれでもタカシが好きなのぉ……」グスッ グスッ
まほ「いきなり泣き出すなんて情緒不安定な奴だ。しかしアリサがそこまで入れ込むのなら、そのタカシとやらは余程良い男なんだろうな。それほど好きになれる男性が居るのは羨ましいよ」ハァ
アリサ「……あのぅ、まほさんの恋愛話とかって無いんですか?」チラッ
まほ「あのな、前も話したが黒森峰は女子学園だぞ。そんな浮いた話なぞ出きる筈が無いだろう」
アリサ「でも今はそういうのも自由な雰囲気になってきてるじゃないですか。女同士だって不思議じゃありませんよ!」
まほ「お前……まさかタカシって女じゃないだろうな?」チラッ
アリサ「そんな訳無いでしょ! タカシは立派な男性です! でも今はまほさんの話なんですよ!」グッ
まほ「と言われてもな……まぁ私のような者でも慕ってくれる子達は黒森峰にも沢山居るが、あれらは恋愛感情なんて持ち合わせていないだろう。中には告白してくる子も居たがな」
アリサ「へぇ……まほさんってやっぱりモテるんですねぇ……その告白にはどう答えたんです? キープ? やっぱとりあえずキープしたんですか!?」
まほ「いやいや、丁重にお断りさせてもらったさ。私には同性愛に対する偏見などは勿論無いが、私が告白を受けた時には既に黒森峰の戦車道を率いていく立場だったからな、そんな浮わついた気持ちで黒森峰のトップに立つわけにはいかないだろう?」チラッ
アリサ「じゃぁ……もし告白を受けたのが今ならどうなんですか? 今ならまほさんはもう戦車道も半分引退みたいなものじゃないですか! 黒森峰の隊長でもない、西住まほは告白に対してどう答えるんですか!?」フンフン
まほ「え、えぇ……? うーん、そうだなぁ……人によるとしか言えないかな。私も聖人では無いのでな、好意を覚える人も居れば不快に感じる人もいる。私を慕ってくれた子達には俗っぽいと失望されそうだが……」
アリサ「そんな奴等は放っといてくださいよ! じゃ、じゃあ……他の学園艦の隊長と付き合うなら誰ですか!? あ、副隊長もオーケーですよ!」フンスフンス
まほ「な、何か鼻息荒いぞお前……そんなに興奮することか?」チラッ
アリサ「だってこういう話ってサンダースじゃあんまり無くって! ねぇー教えてくださいよぉ! 誰、誰を選びます!? あ、一応私も……入ってますけど?」ジッ
まほ「隊長と副隊長の中で選ぶとしたらか……と言っても皆女性じゃないか……うーん……」ブーッ ブーッ
『みほ「大洗の隊長がお姉ちゃんと一番気が合うと思います」』
まほ「……………………」ピタッ
アリサ「まほさん、いきなり固まっちゃってどうしたんですか?」
まほ「これを見てくれ」スッ
アリサ「げっ! やっぱりあの子絶対何処かで盗聴してますよ! きっと最初に接触しに来た時だわ! くそっ、一体何処に……」ガサゴソ
まほ「……またメールだ」ブーッ ブーッ
『みほ「盗聴なんてしてますん」』
まほ「…………携帯の電源は切っておくか」プツッ
アリサ「あった、これだわ! ふぅぅぅん、おりゃぁ!」ブチィ
アリサ「ふぅーふぅー! ざまぁみろ! 盗聴や盗撮をする奴は最低で最悪な性悪の権化なのよ! 全くもう忌々しい!」プンプン
まほ「それをお前が言うのか……」
アリサ「私のはセキュリティとしての監視及び傍聴ですから! 安全と安心を求めた結果、偶々設置した場所がタカシの部屋に近かっただけです! こんなサイコ女と一緒にしないでくださいよ! はぁーあ、何か気が削がれちゃったわ。メダルも飲まれそうだし、どうしようかしら?」
まほ「安全と安心を求めて何故その場所になるんだ……? しかし色々話している間に私も錬金ボーナス4回目だ。ようやくこれで結界防衛というスタートラインに立てたな」ニコニコ
アリサ「あの、まほさんって……かなり引き弱いですよね……」ボソッ
まほ「そうなのかな? 今日は大健闘と言っていいほど引けているんだが……よし、ポイントも溜まってるな。結界防衛だ!」ピュイーン
アリサ「1000ゲーム以上回して錬金4回で大健闘って、普段どれだけ引けてないんですか! あっ、スイカ……からの変換7枚! やっと来たわ!」ビッグボーナース
まほ「さぁ皆、集まれ……集まってくれ……ノワールまでとは言わない、最低でもフロストまでは集まってくれ……! むっ! 弱チェ! また弱チェ! すかさず弱チェ!」
アリサ「弱チェリーばっかじゃないですか……」ティロリロレリレロ
アリサ「っとぉ、スイカビッグなら低確でもそりゃマジかるわよねー。カボチャンゲット!」ゲットォ
まほ「よし、私も負けていられないぞ! 弱チェ! チャンスリプ! チャンスリプ! 来たぞ……カボカットイン!」カボチャヲネラッテ
まほ「んんん……中押しぃ!」ビシィ チュチュチューン イッチカクー
まほ「…………んふ。アリサ、今のカボ揃いは手応えがあった。そうは思わないか?」ニヤリ
アリサ「手応えって言っても、カボ揃いの恩恵なんて良くて精々キンカボぐらいじゃ……いえ、仮にキンカボだったとして、まほさんの引きでそれを活かせるんですか?」チラッ
まほ「ほう……その言葉……しかと覚えておくがいいっ!」キングカボチャーンス
まほ「コイン! コイン揃え! 頼む、頼むぅ! ん、強チェ、スイカ!」ピシィ ピシィ
アリサ(コイン全然引けてないじゃない……この人、本当に引きが噛み合わないわね)
まほ「む、ボーナスを引けていたか。ふふふ……見てろよアリサ……レギュラーだ!」レギュラーボーナース
アリサ「まほさん本当にバケばっか引きますね。でもマジカれば金箱ですよ、頑張ってください!」
まほ「ここでマジかる確率は約15分の1……そしてマジかれば必ず金箱以上……ここだ、この場面で引かなければいつ引くというんだ! さぁ行くぞっ!」ティロリロレリレロ ティロリロレリレロ
アリサ「うっそぉ!? 二回、三回ぃっ!? えぇっちょ、また引いたぁ!?」ティロリロレリレロ ティロリロレリレロ
まほ「四回!…………四回も引けてしまった。なんだこの引き、私は今日死ぬのか? 引け過ぎて逆に怖いんだが……」フゥ
アリサ「いやいやいやいや! まほさん、これ凄いですよ! 最低20セット以上のカボチャンにキンカボスタートって最高の引きじゃないですか! おめでとうございます!」
まほ「そうだな、たまにはこういう固まった引きも悪く無い。さぁ楽しいカボチャンスの始まりだ!」プイプイプイプイ キングカボチャーンス
ーーー暫くしてーーー
まほ「……あれだけあったカボチャンも全て駆け抜けてしまった」ガクリ
アリサ「なんか、ビッグをちょろちょろ引いてる私の方が出玉多くてすみません……私もやれてる方じゃ無いんですけどね……」チラッ
まほ「いや、これもマジハロなんだ。久し振りにカボチャンスを堪能出来て良かったよ。それで、どうだろう。このマジハロ5の島は設定が入っていると思うか?」
アリサ「……私の台はどこマジと通マジも確認出来てて、更に共通コインも悪く無いですから、間違いなく上です。ですが、周りの台やまほさんの台は正直無さそうですね、まほさんの台は20セット以上で共通コインも余り引けてませんし……」
まほ「うーむ、そうだな。ここは深追いは厳禁だろう、マジハロは止めて別の台を打つことにしよう」ジャラジャラ
アリサ「そんな簡単に私を信じていいんですか? 私が適当言っているだけかもしれませんよ?」チラッ
まほ「ん、アリサは適当に言っていたのか?」
アリサ「いえ、そりゃ言ってませんけど……」
まほ「だろう? だから信じるよ。アリサの台……もっと出るように祈っておくから、頑張るといい」ニコッ
アリサ「…………っ!」キュン
アリサ「な、なーんか調子狂うわね。あ、まほさん……隊長と副隊長から選ぶって話……ちゃんと考えておいてくださいよ!」
まほ「まだその話を引っ張るのか……? そうだな、ならアリサが良いな。私のような木訥とした人間では面白味がないかも知れないが、よろしく頼むよ」ニコッ
アリサ「は、はぁーっ!? 本気で言ってるんですか!?」ビクッ
まほ「先程アリサ自身も含まれていると言ったじゃないか。ならアリサがいい」
アリサ「えっちょ、ちょ私にはタカシが……タカシが……タカシは私を選んでいない?」クルクル
まほ「ははは、それじゃ私は別の台へ移るよ」トテトテ
アリサ「タカシ……まほさん……タカシ……まほさん……えっこれどうしたら……?」クルクル
まほ(アリサの奴……チョロいな……悪い奴に騙されないかちょっと心配だ……)トテトテ
まほ「さて、メダルはパーソナルシステムのお陰でカード一枚に収まったし、少し歩いてみよう」
まほ「私の台のように低設定と見切られたであろう台がちらほらと空き始めているが、まだまだ店内の活気は衰えていない。まだ暫く歩いてみるか……」トテトテ
ーーーーーーー
アリサ「えぇ……まさか私が選ばれるなんて……もう困っちゃうわねぇ……これは一体どうしようかしら……」モジモジ
???「すみません……隣いいですか?」チラッ
アリサ「え? はぁ……どうぞ……」スッ
みほ「どうもありがとうございます。ついでにヒロインインタビューもお願いしてもいいですか? お姉ちゃんに選ばれたアリサさんに是非秘訣などをお伺いしたいのですけど……。私はサイコ女なのでお姉ちゃんに選ばれなくて悲しいんです……」ジーッ
アリサ「どどどどわぁっ!? どうしてあんたがその話を知っているのよ! あんたが仕掛けた盗聴機は破壊した筈よ!?」ビクゥ
みほ「……どうして大洗の隊長じゃなくて、サンダースの副隊長が選ばれたのかなぁ……ねぇ、教えて……?」ジーッ
アリサ「わ、私に手を出したらまほさんが黙って無いわよ! なんたって私はまほさんに選ばれたんだから! まほさんが選んだのはあんたじゃなく私よ!」フンッ
みほ「ふふっ……アリサさんって、本当におめでたい人だね……あんなのお姉ちゃんの冗談に決まってるでしょ?」プッ
アリサ「そんなの何であんたに分かるのよ! なら本当かどうかまほさんに直接聞いてみればいいじゃないの! 大体あんたさっきからウロチョロウロチョロ一体何がしたいのよ! このサイコ女!」プンスコプーン
みほ「私? 私はね……」
………………
…………
……
まほ「それにしても広い店だな、スロットの島だけで大分歩いたぞ。ここからはパチンコの島となるわけだが……無双を筆頭に低ボーダーの台は軒並み埋まっているな」トテトテ
まほ(もう少しスロットに空き台が出るまでパチンコでも打つとするか……何を打つかな)トテトテ
まほ「ん? ここは……バラ島か?」ピタッ
まほ「少し覗いて見るか……」スッ
まほ(これは……成る程。島から減台された物、元々少数だけ導入された物と様々な台が入り雑じっているな。しかしある意味これはオールスター島とも言える)フーム
まほ(この島で特に目立っているのはシンフォギアに対する後発台達だろう。一種二種混合機の金字塔を打ち立てたといえるシンフォギアスペックを追いかけて各メーカーが様々な台を世に出した……)トテトテ
まほ(京楽のまどか、西陣のリライト、サミーのあの花、フジのアリアAA、アムテックスの麻雀物語、大都の吉宗……中にはミドルスペックがメインの台もあるが、ライトミドルと言われる確率帯ではどれもシンフォギアには勝てなかった。どの台もそれぞれの良さもあれば悪さもあるのだが……)トテトテ
まほ「しかしこれだけ揃えられていると……一台ぐらいは打ちたくなるな……単純なスペックではまどかが一番優秀で、出玉の荒さは吉宗、総合的な荒さは時短回数にもムラがあるアリアAAになるが……」スッ
まほ「アリアAAにするか。ヘソが多少締まっていても中央にある役物のお陰でストレスが少ないしな。よし……勝負開始だ!」ジャラジャラ
まほ「モードは普通科でいいだろう、告知待ちでは変動に期待が持てないからな。しかし久し振りにこの台を打つが……相変わらず五月蝿い台だ。音量を下げておこう」ポチポチ
???「……ここにしましょうか。色々な台がありますし……スロットは前回のイミソーレで懲りたわ……」チラッ
???「えぇ、次こそは必ず決着を付けて差し上げます。誰の目にも明らかな決着をね……」チラッ
まほ「んっ? こんな島に一体誰が……」クルッ
千代「あら、これはこれは……」チラッ
しほ「む……まほ?」チラッ
まほ「げぇっ! お、お母様と……島田流の家元ぉ!?」ビクッ
千代「あらあら、西住流では随分奇抜な挨拶をしなさるのね。それともぉ西住流ではそれが基本の挨拶なのかしらぁ?」ニヤァ
しほ「まほ、それは例え千代さんが他流派と言えども目上の方にかける言葉ではありません。挨拶をし直しなさい」ビシッ
まほ(今の「げぇっ!」は全てお母様に向けての言葉だったが……)スッ
まほ「先程は大変失礼を致しました。お母様、家元……ご無沙汰しておりました。ここ暫くは挨拶にすら伺えず誠に申し訳御座いません。久し振りの挨拶がこのような場所で恐縮なのですが……」ペコリ
千代「えぇ、お久し振りですね。まほさんもそこまで堅くならなくても結構ですわ。それに家元などという呼び方はこのような場所では相応しくありませんから……千代で結構ですわ!」ニコッ
しほ「そうね、このような場所でお母様というのも少し恥ずかしいし……しほ、でいいわ」ツーン
まほ「は、ははは……そんな、挨拶程度ですし……呼び方などそこまで気になさる事では……」ビクビク
しほ「ではまほを挟む形で座りましょうか。これなら公平性に欠くことも無いでしょう」スッ
千代「えぇ、構いませんわ! まほさん、公平なジャッジを宜しくお願いするわね……?」スッ
まほ(おいおいおい、嘘だろ! 私はこの二人に挟まれながら打たなきゃならないのか!? このアリアAAが設定6だとしても願い下げだぞ!)
しほ「まほ……? まほ、どうしたの? まさか私達の間では不満だと言うのですか?」ジーッ
まほ「い、いえ……そんな滅相もない! お二人と一緒に打てるなどまたとない機会です。有り難く打たせて頂きます!」サッ
まほ(くそっ! 大魔王からは逃げられないのか!? こんなの絶対に面倒な事になるだろ!)
しほ「時に……まほ。パチンコで雌雄を決するとなれば、どのような決着が望ましいと思いますか?」チラッ
まほ「そうですね……やはり最終的な出玉が一般的ではないでしょうか。初当たりの早さ等の勝負もありますが、出玉での決着が一番だと思われます」
千代「……良いことを言うわね。では、まほさんの提案に添って出玉勝負と参りましょう。私のこの吉宗で……しほさんに引導を渡して差し上げますわ!」ニヤリ
しほ「ふふ……いいでしょう。西住流に後退はありません、千代さんの吠え面でも拝ませて貰うとしましょうか! この……まどか☆マギカで!」ニヤリ
まほ(せめて二人で隣同士で打ってくれればいいのに……どうして私を挟むんだ!)
しほ「さて……先ずはカスタムから……やはりここは保変無しのエアカスでいきましょう。ふふ……ちよきちの泣き面が目に浮かぶわ……」ポチポチ
千代「吉宗ならミドルでも良かったのだけど……まぁこの際ライトミドルでもいいわ、先ずは当てましょう……」ジャラジャラ
まほ「あかりちゃん……ここから助けて……」ボソッ
しほ「……ふむ、道釘の調整のお陰かしら、ヘソの開きの割に回るわね。これで懸念材料は一つ減ったわ。先ずはほむらSPSP以上を目指しましょう」ジャラジャラ
まほ「あかりちゃんのロデオ演出……ゾロ目や順目が出ないと余り意味の無い演出だ……」ジャラジャラ
千代「この吉宗は極大家紋の役物が気持ち良いのよねぇー。でも、何はともあれ先ずは右打ちに入れないと駄目ね……」ジャラジャラ
しほ「……む! 期待度が30%以上はあるキュウべぇ飛び出し先読み……これはいきなり期待できる展開ね」キュキュキュキューン キタキタ-
まほ(お母様は早くもチャンス到来か、発展先次第では充分に期待出来る先読みだからな。私の台にも何か良い演出が来ないかな……?)リンゴーン リンゴーン キマシタワー
まほ「キマシタワー演出か、緑スタートだが金リボン等が絡めば一気に期待出来る展開になる。さてさてどうなるか……」アカリチャンセイブン セッシュ
千代「…………ろ……ず…………ろ……!」ボソボソ
まほ(ん? 島田流の家元の方から何か声が聞こえるぞ……?)チラッ
千代「はずれろぉ……はずれろぉ……メンタルにダメージを受けるような展開ではずれろぉぉ……!」ボソボソ
まほ(……その位置から念を送ったら私にも当たるでしょうが! そんなのお母様の隣に行ってやってくださいよ!)ビクッ
しほ「むむっ? 何処からか邪念を感じる……あっ! ちよきち! あなたまたそんな邪念を送ってぇ……むむむ、しぽりんリフレクターッ!」ババッ
まほ(お母様が手で壁を作るようにして送られてきた邪念を弾いている……らしいが、その角度で弾いたら私に当たるでしょうが! んもう、二人揃って子供か!)プルプル
しほ「くっ……助六SPSPのチャンスアップ無し……これは、駄目ね……」プシュン
まほ「キマシタワーを重ねてからのあかりとアリアの戦姉妹共闘だがチャンスアップが無いな……きっと駄目だろう……」パリン
しほ「ちよきちの邪念を弾き切れなかったのが敗因ね……まほも惜しかったわね」ニコッ
まほ「はは、ははは……そうです、ね……」ニコォ
まほ(……私もまぽりんリフレクターでも張ればよかったのかな?)ハァ
千代「あら、これは……金予告ね。ならばここは当然……」ガッシャーン
千代「この極大家紋の勢いは素晴らしいわぁ……発展先は……おかめね。当たるには極大家紋だけでは少し物足りないかしら……?」
まほ「……ここは深呼吸でもして落ち着けて意識を切り替えて行こう。むっ! take3からロゴ落ちスタート! さっきのお詫びか!?」グッ
しほ「……………………ろぉ!」ブツブツ
まほ(お母様の方から……声が聞こえる……嫌な……予感!)チラッ
しほ「はずれろぉ……はずれて島田流の富も名声も地に落ちろぉ……ついでに愛里寿ちゃんに蛇蝎の如く嫌われろぉ……」ゴゴゴゴ
まほ(……こっちの方が陰険だな。だがその念を送る方向だと当然ながら私にも当たっているがな! 隣に行ってやってよもう!)プルプル
千代「あらあらぁ? なーんか嫌な邪気を感じるわぁ……向こうの方からひしひしと感じるわね……」チラッ
千代「まほさん……少し私の手を貴方の足に置かせて貰っても良いかしら?」スッ
まほ「えっ!? えぇ……それは構いませんが……何か?」ビクッ
千代「……どうもありがとう、では……島田流奥義、邪気受け流しっ!」カッ
まほ(それってつまり私に邪気を流しているんだろっ! 何なんだよ二人とも!)プルプル
千代「赤カットイン……くっ、やはり駄目だったわ……」パリン
まほ「今度は戦姉妹共闘への発展も無し……カットイン……も無いよな。はいはい」シュン
千代「受け流しきれなかった……まだまだ私も未熟という事ね……」フゥ
千代「まほさんも惜しかったわね、またお互いに頑張りましょう!」ニコッ
まほ「え、えぇ……まぁ……はい。が、頑張ります……」ニコ
まほ(邪気の巻き添えにしておいてよく言うよ!)プンスコ
まほ(……だが、パチンコの演出というのは所詮抽選結果への過程でしかない。どんなに熱い演出が出ても既に抽選は終わっている訳で、邪気や邪念で結果が変わることなんて有り得ないんだ。だからこの一連の流れも結局は私が当たりの乱数を拾えなかったに過ぎない。しかし当然お母様達もそんな事は百も承知だろう。まぁお母様達もお互いに西住流、島田流の家元として立つ方達だからたまにはこういった気晴らしも良いのかもしれないな……)フゥ
まほ「っとぉ、いきなりロゴ落ち! 三度目の正直と言う奴だ……次こそ頼むぞ!」クワッ
しほ「…………ろ…………れ……ろ……」ボソボソ
千代「……ず…………は…………ろ……」ボソボソ
まほ(な……今度は、両側から……だと……!?)チラチラッ
しほ「はずれろ……はずれてみほと気まずくなってしまえ……ついでに戦車道以外は意外とポンコツな一面をみほにさらけ出してしまえぇ……」ボソボソ
千代「はずれろぉ……西住流なんて辞めて島田流に鞍替えして愛里寿の義理の姉として生活しろぉ……!」ボソボソ
まほ(二人とも勝手な事を言う……っ!)ギリギリ
まほ「……何で二人して私に邪気や邪念を送るんですか! 私はお二人の勝負とは何も関係無いでしょ!」プンプン
しほ「そうね、まほ……ごめんなさい。ただ純粋に私より早く当たる事が気にくわないの……本当にごめんなさい……」ウルウル
まほ「それが瞳を潤ませて言う事なのかっ!? 心が狭すぎるだろっ!」ワンワン
千代「……私は愛里寿にも姉妹が欲しいと思っていたの。あなたはみほさんの姉でもあるし……そうだわ、みほさんと一緒に島田流にいらしてはいかがかしら?」ニコッ
まほ「行くわけ無いでしょ! お二人共勝手が過ぎますよ! いい加減にしてくださいよもう!」プンスコ
まほ(白タイ白テロ……なんか演出が尻下がってきたぞ……まずい……外れそうだ……)ダラダラ
しほ「はずれろぉ……はずれろぉ……あら? チャンスアップが付いてきていないわね……まほ、もう諦めましょう……?」ニコッ
千代「はずれろぉ……はずれろぉ……そうねぇ、残念ながらこれは次回に期待ね? 残念だったわぁ……」ニコニコ
まほ(…………二人共こっちが抵抗しないと思ってぇ! もう……あれをやるしか、ない!)カッ
まほ「まぽりんリフレクタァァーーハイパァァーーッッ!!」ババッ
千代「なっ……流石西住流の血を引く嫡子と言ったところね……西住流の技をこうまで使いこなすとは……」グググッ
しほ「えぇ……それにハイパーを付けるあたり、技のネーミングセンスが……若い……っ!」グググッ
まほ「う、うるさいうるさぁい! 技名はそっちに合わせたんだ! ん、これは……」ブォォーー
まほ「ラッキーエアー! 貰ったぞ……アリアのAとあかりのAでぇぇダブルエェェーーッ!」バシィッ ピロリロリー ピロリロリー
まほ「よっし! よしよし、やっと当たったぞ! これからがこの台の最大の見せ場であり正念場だ!」ニコニコ
しほ「…………くっ! ちよきち……念の入れ方が弱いのでは?」チラッ
千代「しぽりんこそ娘だからと手を抜いたのではないですか? ふぅ、それにしてもこの吉宗は余り回りませんわ……」ジャラジャラ
しほ「あら、もう追加投資ですか? 余りに回らないようでしたら台を変えてもよろしいですよ?」
千代「ふふふ……大丈夫です。このまま続行で結構ですわ、手応えは充分に感じていますので……」ニヤリ
しほ「そう……ならいいのですけど……」プイッ
まほ(……さて、大当たりが終わったが台詞による設定示唆は無し。ここまではいい、問題はここからだ。このアリアAAは一種二種混合機で初めの大当たり後は約50%で当たり、その後は継続率約80%で連チャンするという、所謂シンフォギアスペックの亜種に当たる)
まほ(スペック自体はシンフォギアを彷彿とさせるが、問題は抽選方法だ。シンフォギアは時短の回数が決まっており、基本的に大当たり→時短一回+残保留4回→大当たり→時短7回+残保留4回の流れで展開していく。時短中は約8分の1で当たるんだぞ)
まほ(そしてこのアリアAAは展開の流れ自体はシンフォギアに似ているのだが、シンフォギアの様に時短回数で区切られているわけではない。小当たり回数で時短を管理していて、大当たり→小当たり1回+残保留4→大当たり→小当たり2回~6回+残保留4の流れで展開していく。この小当たり回数での管理がアリアAAの波の荒さへと繋がっている)
まほ(時短中の総合的な大当たり確率は約9分の1とシンフォギアには劣るものの、小当たりの回数で時短を区切るというシステムでシンフォギアとはまた違った楽しさがあるんだ。小当たり確率は約2.5分の1でそのうちの約25%が大当たりに繋がる。つまり大当たり後の今、小当たりを必ず1回は保証して貰えるから最初の1回転はなんと25%、四回に一回は大当たりになるぞ!)
まほ「……ここだ、この初回を突破する瞬間こそが突破機の魅力でもあり落とし穴でもあるんだ! 25%が一回と約9分の1が4回……いける……私ならいけるはずっ!」
まほ「さて、ここでの熱いパターンは最初の弾丸の色が入賞時に緑以上であること。内部で小当たりを引いている場合、弾丸の色が上がりやすいらしく、最初の弾丸が緑だと赤以上に上がる可能性が大きい。これでチャンスアップパターンが絡めばもう貰ったようなものだ。よし、いくぞっ!」グイッ
しほ「…………しぽりんジャマーッ!」バババッ
まほ「えっちょ、私の顔の前で手をバタバタさせないでくださいよ! 見えないじゃないですか!」バタバタ
黒 遠山かなめ
黒 遠山かなめ
黒 遠山かなめ
黒 遠山かなめ
黒 遠山かなめ
まほ「うわぁ……黒だよ、真っ黒!! んもう、どうして邪魔するんですか! いやまて、まだ昇格するんだ……大丈夫だ、まだまだいけるぞ、頑張れまほ!」プンプン
千代「島田流奥義……霞五月雨の陣!」バババッ
まほ「うわっあぶな……ちょ、また顔の前で手をバタバタと……や、止めろぉ!」グイッ
青 水蜜桃 UP プイプイ
黒 遠山かなめ
黒 遠山かなめ
黒 遠山かなめ
黒 遠山かなめ
まほ「はぁぁ……終わった……これは流石に無理だろう。大当たりを引けてそうにない……」ズーン
しほ「やったわね。ちよきち……いえーいっ!」パンッ
千代「グッジョブベリーナーイス! しぽりん……いえーいっ!」パンッ
まほ「結局、駄目だったな……」ガクリ
まほ(自分が当たりを引けてないだけとはいえ、こうも露骨に邪魔をされると腹も立つ……この借りは必ず返す。見てろよ二人共……)ギロリ
まほ(しかし邪念を送るだけでは大して効果は無さそうだし。そうだ、みほに聞いてみよう……電源を入れて……っと、えーとお母様と島田流の家元の弱点みたいな言葉を教えてくれっと……)スッスッ
まほ(……みほの奴、返信早いな……何々……ふむ、これは……)ニヤリ
しほ「さぁまだまだ勝負はこれからです……っと、早速カウントダウンが来たわ!」サン ニー
千代「くっ、私にも何か……あら? タイマー! これは良い展開よ!」スポポポーン
まほ「…………れ…………ろ……っ!」ズモモモ
しほ「む? まほ? 何をぶつぶつ言って……」チラッ
千代「何か……まほさんの方から聞こえるわ……」チラッ
まほ「……はずれろぉ! はずれてしまえぇ! 年甲斐も無く邪魔ばかりしてぇ……絶対はずしてやるぅ! うおおぉぉぉ……まぽりんの全ての力を込めてぇぇはずれろぉぉぉっっ!」ギュウウウウ
しほ「なっ、まほ!? あなたは一体何をしているか分かっているの!? 他人の足を引っ張るような真似をするとは……恥を知りなさい!」イチ
まほ「うるさぁい! 先に仕掛けてきたのはそっちだろ! 絶対はずしてやるからなぁ……疑似3助六セットで叩き落としてやるぅぅ……っ!」ゴゴゴゴ
しほ「あっあぁ……発展先が……青いぃ……!」ガクガク
千代「まほさん……人を呪わば穴二つと言いますわ! その怨嗟を此方に向けるのを止めて頂けません?」チラッ
まほ「先に墓穴を掘ったのはそちらです……私は絶対止めませんよ! はずれろぉ! ぐぬぬぬぬぅぅ……おかめぇ! 紫カットイン! 鷹柄など絶対出させてたまるかぁぁっ!」ゴゴゴゴ
千代「あぁ……疑似3でも赤いまま……本当に弱い……」ガクガ
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しほ「……ふふ、ふふふふ……まほ! 私が築いてきた西住流を甘く見ないでほしいわね……はぁぁ……っ! しぽりーんフィールドッ! はい無敵! これで私は無敵ですからまほの怨嗟の声などはもう此方には届きません! よし、助六SPでも赤テロ赤保留に援護も刺さってるわ! これなら期待度は充分……最後のプッシュ……行きますよ……っ!」スゥゥ
まほ(……今だ!)カッ
まほ「『常夫さん……後で少しお話があるのですけど……今夜は……私のためにお時間よろしいですか……?』」ニヤリ
しほ「えっ!? ちょ、ちょっとまほ、あなたどこでそれを聞いて……」プスン
しほ「あっ! 外れた……んもう、まほ!」グイッ
まほ「あれあれぇしほさぁん、どうかしたんですか? こんな会話は家族間ではよくある事ではないですか。それも夫婦なんですからこの程度の会話なんてありふれていると思いますけど。それとも……他に何か意味があるんですかぁ……?」ニヤニヤ
千代「しほさん、その会話ってまさか……」チラッ
しほ「…………ふ、ふしだらな母と……わ、笑いなさい……」プルプル///
千代「あらあらまぁまぁ、随分とお盛んですこと。そうですか、西住流では女性がお誘いになられるのですね……」ニタニタ
しほ「つ、常夫さんは寡黙な方ですから……そういう事もあるというだけです! 毎回私からお誘いしている訳ではありません!」プイッ///
千代「いえ、夫婦共々とても仲睦まじくて良いと思いますよ? まぁ島田流は貞淑を主にしておりますから、女性からというのはとてもとても……ね?」ニタニタ
しほ「ぐぅ……ぐぬぬぬ……まほぉ! 本家に戻って来たら覚えていなさい!」グイッ
まほ「知りません! 私は売られた喧嘩を買っただけです!」プイ
千代「さて、此方は…………鷹柄カットイン! これが出たら安心よねぇ……最後も赤ボタンですし。ではしほさん……お先に失礼しますわ!」カッ
まほ(……私がこの機を逃すと思うかっ!)ビシッ
まほ「『あなたぁ……愛里寿も寝静まった様ですし……そろそろまた夜の島田流の発展の為にご協力してくださらない? さっ、此方へどうぞ……』」ニヤリ
千代「……………………えっ?」パリン
千代「は、外れた! え、な、なななななんで知って……ど、どどどうして!?」ブルブル
しほ「へぇぇ……島田流は貞淑を主に、ねぇ……オーケーグーグル! 貞淑、夜の島田流、意味!」ニタニタ
千代「ちょっとしほさん! 変な検索しないで! どどどうしてまほさんがそんな事をご存じですの!?」プルプル
まほ「みほが愛里寿から夜の島田流について相談されたそうです、返答に困ってましたよ」プスプス
千代「あ、愛里寿ぅ……こ、こんな母を許して……」プルプル///
しほ「それにしても……よ、夜の島田流って……うふ、うふふふ……だ、駄目……笑っちゃ駄目よしぽりん。夜の島田流さんに失礼よ! うぷぷ……」ピクピク
千代「うちの旦那様は私より年下なんだから此方がリードしてあげなきゃ駄目なの! 放っておいて頂戴!」キッ///
千代「もう、まほさん! そうやって邪魔をするなら此方もやり返しますわよ!」バンッ
まほ「上等だ! 此方はとっくに臨戦態勢、私の西住流は逃げも隠れもしない!」グッ
まほ「……ん、流星あかりん保留! 良い展開を連れてきてくれよ!」
しほ「……はずれろぉ!」グググ
まほ「ええい、鬱陶しい!」バシッ
千代「金保留ね、次こそは……!」
まほ「……ネオまぽりんジャマー!」バババッ
千代「小賢しい真似を!」
しほ「ワルプルカウントダウン成功! 当たればラッシュ直撃のチャンスね!」
千代 まほ「はずれろはずれろはずれろ……」ブツブツ
しほ「くっ、相変わらず五月蝿い方達ね!」バンッ
みほ「……………………」ジー
みほ(お姉ちゃんから連絡があったから来てみたけど……あの三人、お互いに足を引っ張りあってる……)ジー
みほ「流石にあの中には入りたくないなぁ……引き返そ……」トテトテ
………………………………
……………………
…………
まほ「ふぅ……ふぅ……あ、当たらん! 最初の単発以外は掠りもしないぞ……」ハァハァ
しほ「……これは、仕切り直した方がよさそうね……」チラッ
千代「……では、ここで区切りましょうか。しほさんもそれで宜しいですね?」チラッ
しほ「えぇ、私はそれで構いません。ではこの台はここまでという事で」スッ
千代「…………それではまほさん、私の勝ちで宜しいですわね?」チラッ
しほ「なっ!? 千代さんもノーヒットでしょう? それなら引き分けの筈です!」バンッ
千代「でもぉ……これ出玉勝負ですしぃ……? 私、持ち玉が3000発はありますしぃ……これはつまり私の勝ちではありませんこと?」ニヤリ
しほ「はぁ……どうりでやたらと投資スピードが早いと思ったわ……貸し玉をそのままパーソナルに送るとは……千代さんはそういう悪知恵だけは働くのね!」キッ
千代「何とでもおっしゃい! さぁまほさん、高らかに宣言をお願いしますわ! この島田千代の勝利と!」グイッ
まほ「……こんなの無効に決まってるでしょ! お二人ともいい大人なんですから、次は私を巻き込まないでくださいね! お願いしますよ!」バンッ
しほ 千代「あ、はい……ですよね……」シュン
まほ「全くもう! それでは私はこれで失礼します!」プンプン
ーーーーーーーーーー
まほ「……はぁ、酷い目にあったな。あの二人に巻き込まれたお陰でマジハロ5の出玉を大きく超えて投資してしまった。だけど大分時間が経ったからスロットの島も少しは落ち着いた頃だろう。戻って様子を見てみよう」トテトテ
まほ「むぅ……それでも空き台が少ないのは流石はグランドオープンと言ったところか。パーソナルだから出玉が解りづらいが、スランプグラフを見るに全体的に設定は入っているようだな」トテトテ
まほ「しかしこうやって歩いていてもな……仕方がない、適当なAタイプでも打ってみるか。えーと、Aタイプの島は……っと」キョロキョロ
まほ「ここか……どれどれ……」トテトテ
まほ(ふむ、ここはAタイプと言えどもメインから外れた機種の集まり……つまりAタイプのバラエティ島だな。色々な台が所狭しと犇めき合っている)
まほ「ん……これはっ!? サ、サンダーVSP!? う、嘘だろ……何年前の台だと思っているんだ!」ビクッ
まほ「だが……だが、しかし! これを見てしまったからには打ちたい! お布施と言われようが私はVSPを打ちたい!」シュタ
まほ「ダイナミックでもリボルトでもなくVSPが打てるとは……これだけでもここに来た甲斐があったというものだ。久し振りの対面だが、さてさてどうなるかな……?」ジャラジャラ
まほ「うんうん。当時は斬新さを感じたこの投入口も今では郷愁の念すら沸き起こしてくれる。微妙にメダルが引っ掛かるのもまた懐かしい」ガチャガチャ
まほ「左リールに鎮座している桃7と薄Vもまた一興。特にサンダーシリーズで唯一存在している左のス7スは存在感抜群だ」ドゥルル ドゥルル
まほ「……予告音。この時点でリプレイは否定される、もしリプレイが揃えばおめでとう、ボーナス確定だ」タン
V 川 川
ベ 川 川
リ 川 川
まほ「消灯も無しか……駄目だな。しかし大抵はこんなものだ」タンタン
undefined
???「うぅ……柚子ちゃぁん……会長ぉ……えぐっ、えぐぅ……」グスッ グスッ
まほ「ん、誰かが泣いている……?」クルッ
桃「んぐぅ、んぐ……? に、西住まほ?」ビクッ
まほ「……誰かと思えば桃ちゃんじゃないか。そんなに泣いて一体どうしたんだ?」
桃「も、桃ちゃんって言うな! 泣いてなんかいない、ただ少し目から涙が溢れていただけだ! ……グスッ!」
まほ「それを世間では泣いているというのだがな……まぁいい。それで、どうかしたのか?」フゥ
桃「……きょ、今日は待ちに待ったこの店のグランドオープンの日で、私は元より会長と柚子ちゃんも楽しみにしていたんだ。来たる今日を前に三人で何を打つかと何度も話し合ってな……あぁ……あの時に食べたあんこう鍋の美味しかったこと……ぐすっ!」
まほ「一々嗚咽を混ぜるな! ……それで?」チラッ
桃「それで厳密な話し合いのうえ、三人並んでリゼロを打とうという事になったんだ! この店は導入も多いし、グランドオープンは6をアピールする良い機会だからな。そして私達は計画通りに並んでリゼロに座ったんだ」
まほ「……大体の落ちは読めるが……それから?」
桃「私だけ一回も白鯨を突破出来ずに4回A天を繰り返した……ぐすっ!」プルプル
桃「会長と柚子ちゃんの台は調子良く出てたのに! 二人共ばっちり6の挙動だったのに! 私だけ、私だけA天コンビニを4往復させられて! うぅ、うぅぅぅーーーーーっ! ぐやじぃぃぃーーっ!」ジタバタ ジタバタ
桃「私も純増8枚やりたかった! 鯨相手にこんなん余裕っすよ、とか言いたかったのに! 何で私の台だけぇぇーー! うぅぅ、会長ぉぉ! 柚子ちゃぁん!」ビェェーン
まほ「……なんと言うか……それはさぞかし投資も嵩んだだろうし、ご愁傷さまとしか言えんな」
桃「……うぅ、私達はノリ打ちだから、収支的には全然大丈夫なんだ。会長と柚子ちゃんは6を掴んでいたし、A天とはいえリゼロはコイン持ちが良いから……でも、5回目のA天を目指そうとした時、会長からストップが掛かって『今日のかーしまは捕鯨がやれない日なんだよ。リゼロは私達に任せてさ、これでAタイプでも打ちながら待っててよ』ってぇ!」
まほ「いや、むしろノリ打ちでよく4回もA天を回させてくれたな。私なら2回目で絶対止めるが」
桃「……純増8枚ぃ……鬼がかった上乗せぇ……うぅ……」サメザメ
まほ「わかったわかった。Aタイプでも打って待ってろと言われたんだ。素直に打って待ってればいいんじゃないか? ほら、私の隣が空いているぞ。サンダーVSP、これだってビッグを引けばなんと純増14枚だ! しかも24ゲームも続くんだぞ! どうだ、打ってみないか?」
桃「…………うぅ、打ちゅ……」スッ
桃「……さんだーぶい、すぺしゃる。私は初めて触る機種だ。西住まほ、すまないが打ち方を教えて貰ってもいいか?」ジャラジャラ
まほ「そうだな、この台は基本的に桃7狙いと薄Vを枠上に狙う二ヶ所の子役狙いが王道なのだが……少し面倒だが、ここは枠上薄V狙いを進めたい! サンダーVと言ったら枠上Vだからな」ウンウン
桃「枠上V……これかな。えいっ」タン
V 川 川
ベ 川 川
リ 川 川
まほ「うん、押せて……いるな。何か桃ちゃんのイメージだと20コマズレで押しそうなのだが、意外にも目押しは出来るんだな……」ウーン
桃「し、失礼な奴だな! 私は直視で押せるから目押しは得意なんだぞ! こればかりは会長や柚子ちゃんにも負けないんだ!」ニコリ
まほ「桃ちゃんって凄いんだな……いや、桃……さん」ジッ
桃「桃さんと呼ぶな! いや、もういい。好きに呼んでくれて構わない。それで、何か音が鳴ったが……?」テンテロテンテロ
まほ「それがサンダーシリーズの予告音だな。これが鳴ると先ずリプレイが否定される。対応役は第一消灯ではリプレイ以外の全役、第二消灯まででリプレイとベル以外、第三消灯までいけばスイカorボーナスだ。第一消灯と第二消灯ではハズレも含むから気を付けてくれ」
桃「へぇぇ……えいっ」テシッ
■
V 川 川
■
ベ 川 川
■
リ 川 川
■
まほ「消灯しており、尚且つスイカとチェリーを蹴っている……これは右を押すのが楽しくなるな! 桃ちゃん、右は適当押しで良い。特に溢す子役は無いから気楽に押してみてくれ」
桃「…………えいっ」テシッ
■ □ ■
V 川 V
■ □ ■
ベ 川 ベ
■ □ ■
リ 川 C
■ □ ■
まほ「んふぅぅ! ファンタスティーーック! 上段Vからの右上ボナ図柄は子役以上、しかしこの場合予告音に加えて第二消灯も絡んでいるのでベルは無い……よって二確目に昇格だ! おめでとう桃ちゃん!」フゥー
桃「えっ!? これ当たってるのか? ぶ、ぶいを狙えばいいんだな!? い、行くぞっ!」テシッ
■ ■ ■
V チ V
■ ■ ■
ベ V ベ
■ ■ ■
リ リ C
■ ■ ■
桃「は、外れたんだが……え、えぇ……?」
まほ「あぁ、すまない。そこらへんの説明が抜けていたな。その左のVはちょっと薄いだろ? それはボーナス図柄じゃない、偽物のVなんだ。だから次のゲームは1枚掛けで右にある濃い色のVを狙って成立してるボーナスを見抜こう!」
桃「そ、そうなのか……難しいな。これか……よっ……と、よし赤7が滑って来たぞ。これで赤7が確定したんだな!? そうと決まれば……はいはいっ!」ビシビシビシ
ス チ 7
ベ 7 ベ
リ ス リ
桃「外れたんだが! 何なんだこれは! 私は確かに赤7を押したぞ!」プンプン
まほ「す、すまない。桃ちゃんが今狙った左の赤7もちょっと薄いだろ? それも桃7といって、赤7の偽物なんだ。だから左には桃7の上にある赤7を狙ってくれ」
桃「何で偽物がそんなに何個もあるんだ! ややこしいだけだろ!」
まほ「私の記憶が確かなら、規制の一つでチェリー等の一リールで確定する役の側にボーナス図柄が置けなくなったんだ。その弊害でこの時期の台はダミーボーナス図柄が横行していてな。これも黎明期の名残だよ」フゥ
桃「規制も色々変わっているんだな……っと、この赤7だな。テンパイさせて……」テシテシ テロン
まほ「……ここでストップだ桃ちゃん!」クワッ
桃「どわっ!? い、いきなり大声を出してなんだ! あ、あまり驚かせないでくれ……」
まほ「ふふ、すまないな。時に、桃ちゃんは……ワーグナーは好きかな?」チラッ
桃「ワーグナー? 作曲家のか? 何でいきなりそんなことを聞くんだ……特に思い入れのある曲は無いが……オペラなんて見ないし」
まほ「ふむ、では赤7を揃えたままボタンを3秒程押しっぱなしにしてくれないか? 音が鳴ったら離してもオーケーだ!」ニヤリ
桃「……ん。こう……か?」テシッ テロン
まほ「よしよし、これでBGMが初代サンダーVの物に変わったぞ。うんうん、いつ聞いてもこの曲は素晴らしい! 激しさの中に一抹の寂弱とした物を感じる……良い曲だな」ジーン
桃「スロットに有りがちなチープな音源を存分に活かした良い曲だな。私も気に入ったが……態々BGMを変えさせるとは……赤7の曲はそんなに悪いのか?」チラッ
まほ「……このサンダーVSPは今流れているサンダーVの曲をアレンジしたものが3曲収録されている。どれも現代版にリメイクされていて聞き応えがある名曲揃いだ。しかし赤7を揃えると……ワーグナーのローエングリンが流れる」
桃「また突拍子の無い選曲だな……どうしてワーグナーなんだ?」
まほ「それを私に聞かれてもな……っと、これは……」プルプル
ベ 川 リ
リ 川 ス
ス 川 V
まほ「二確ぅーー! これだよこれ、これを見たいが為に私はVSPを打つんだ! 初代では死に目だったベリスからのズレ目で二確ぅーー! エクセレェーント!」ニコニコ
桃「それでもリーチ目なのか? 色々な出目があるんだな……」フーム
まほ「それがAタイプの魅力だな。このサンダーVSPは初代を踏襲しつつも正統な進化を遂げた名機といって良いだろう! ……機械割は20%程下がったが、そこはお許しあれ……」
桃「下がりすぎだろ! いや、そこは仕方ないのか……」
まほ「それだけ初代が優秀だったという事だ……む、ミドルボーナスだったか。スイカを2回取らねば……」テシテシ
桃「あ……早く押しすぎたか……見えててもこういうミスは出てしまうな……気を付けよう……」テシッ
リ 川 川
ス 川 川
7 川 川
まほ「桃ちゃん!? 桃ちゃーん! ストップ!」グイッ
桃「うわぁぁっ! お、驚かせないでくれないか! 今度は一体どうしたんだ?」チラッ
まほ「落ち着いて聞いてくれ! その出目はビタ押し出来ていれば赤7の一確目なんだ! サンダーVSPは他のスロットと違ってビタ押しの制御が少しズレているから判りづらいかも知れないが、それはビタ止まりだったか?」
桃「えぇ!? えぇと、ビタで止まったと思うが……自信が無いから右はスイカを狙えば良いのか?」ジー
まほ「そうだな、スイカを狙った方が良い。但し、赤7の下にあるスイカを中段ビタで行こう! 大丈夫、桃ちゃんなら出来る!」
桃「う、うん……やってみる……えいっ」テシッ
リ 川 C
ス 川 チ 〈ピロンッ
7 川 7
桃「んふぅ!」ビクゥ
まほ「んんんんん……ドラマティーック! 迫真の4コマ滑りだったな! おめでとう、赤7確定だ!」ンフー
桃「あぁ……これは私にも判った。何と言うか……今のは気持ち良かった! Aタイプってこんなに気持ち良い物だったんだな……西住まほ、教えてくれてありがとう」ニコッ
まほ「おいおい桃ちゃん、毎回態々フルネームで呼ばなくても……私の事はまほでいいよ」
桃「その桃ちゃんは止めろ……と言いたいが、こっちも何だか慣れてしまったな」ハハハ
まほ「……さぁーて、私も桃ちゃんに負けてはいられない。どんどん行くぞ!」
桃「それは此方も同じこと……私も負けないぞ!」グッ
ーーーーーーーー
桃「……ところでまほ、少し聞いて良いか?」チラッ
まほ「ん、改まってどうしたんだ? サンダーVシリーズで何か知りたい事があるのか? 一確目か? それとも熱いポイントでも知りたいのか?」フンスフンス
桃「いや、すまないがサンダーの事じゃない、まほ自身の事だ。まほは学園を卒業したらどうするんだ? やっぱり進学するのか?」
まほ「あぁ、進学というか留学だがな。ドイツに行くつもりだ。戦車道関連の引き継ぎが終わったら卒業を待たずに行こうと思っている」
桃「卒業もせずに行くのか!? 何と言うか、凄いな……留学なんて私には別世界の話のようだ……」ボーゼン
まほ「……私には……いや、私の人生は常に戦車道の側にあった……それはこれからも変わらない。先の全国大会、大学選抜戦を経て強敵の存在を改めて感じさせられた。同時に己の未熟さも嫌という程にな。だから……卒業を待たずに行こうと思ったんだ」
まほ「……この気持ちをかき消されぬように、私はいつでも戦車道に身を置いていたい。そして、いつかは必ず……」グッ
桃「そうか……まほはもっと先を見ているのだな……」ボー
まほ「……私の進路はこんな所だ。それで、桃ちゃんはどうなんだ?」チラッ
桃「私か……私は……どうなるんだろう?」
まほ「おいおい、しっかりしてくれ。自分の事だろう? 進学じゃないのか?」
桃「…………実は……入れる大学が……無いんだ……」ボソッ
まほ「…………え?」ピタッ
桃「……卒業は……出来るんだけど、その、模試も絶望的で、学園の先生にも呆れられてしまって……私は……どうしたらいいんだろう……」ボソボソッ
まほ(……お、重いよ桃ちゃん!)
まほ「模試はそんなに悪かったのか? 桃ちゃん……そんな参謀みたいな出で立ちなのに……」
桃「うぅ……言わないでくれ……それで、私がAO入試で大学に入る為に皆が私を隊長に持ち上げての無限軌道杯に参加を決めてくれてな。嬉しいやら情けないやらで毎日を悶々と過ごしているんだ……」ボソボソッ
まほ「そうなのか……桃ちゃんは良い後輩達を持ったな。しかし、戦車道でのアピールをするのなら、大学でも当然戦車道に関わるのだろう?」
桃「え? そ、そうなるのか……?」ビクッ
まほ「大学側はそれを望むと思うが……全国大会優勝校の副隊長としての肩書き。そしてこれからの無限軌道杯では隊長として出るのだろ? 大会の成績次第では当然大学が擁する戦車道チームから声がかかるだろう」
桃「えぇぇっ!? そそそんな、こ、困るよっ!」アタフタ
まほ「……それを突っぱねるのは難しいかもしれない。AO入試でのアピールともあれば当然その方向へと話が進むだろう。戦車道の優秀な人材は何処のチームも喉から手が出るほど欲しいと思うし」フーム
桃「あわ、あわわわわ……どどどうしよう、やっぱりふ、不参加にした方が……」
まほ「しかし皆の好意を無下にするのもよくないだろう?」
桃「でででも、私なんてはっきり言ってお飾りの隊長だぞ!? 全国大会では副隊長としても全部西住に任せっぱなしだったのに、大学で戦車道なんてとてもとても……」ブンブン
まほ「それなら入学するだけして戦車道は止めておくか? そういうのは流石にお勧めはしないがな……」
桃「し、仕方ないだろう!? 私なんて戦車道に関してはそもそも素人みたいなもので……だからその、大学での戦車道はちょっと遠慮したいかなぁ……なんて……」ブンブン
まほ「桃ちゃん……いや、しっかりしろ! 河嶋桃! 大学側は入学したお前を見て大洗女子学園を評価するんだぞ! 後輩に押し上げて貰いながらお前がそんな体たらくでどうするんだ!」
桃「うっ、うぅ……」グサリ
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まほ「大学でのお前の行動に大洗を写し見た時、後輩へいらぬ誤解をもたらすかもしれないんだぞ! 戦車道でアピールしておきながら戦車道はしない、やらせても全然駄目では大洗に対するイメージはがた落ち……それでは後輩への示しがつかないだろっ!」グッ
桃「う、うぅぅぅ……だってぇ! だってそれならどうすればぁ……えぐぅ……」グズッ
まほ「……どうすればって……そんなの一つしか道はないだろ!」グイッ
桃「……ふぇ?」キョトン
まほ「副隊長、隊長の肩書きだけという金メッキでは無く、戦車道の河嶋桃……ここにありと言わせる程の選手になれ! そうすれば大学で何の憂いもなく、また後輩へのいらぬ誤解を生ませることは無い!」ウンウン
桃「む、無理だよぉ! うぅぅ……会長ぉ……柚子ちゃん……助けてぇ……えっぐ、えっぐ……」グズッ
まほ「無理無謀と言えどもやらねばならない……と私は思う。実際の所、桃ちゃんは私の話を聞いてどうだ? 艱難辛苦の戦車道となるが、覚悟はあるか?」チラッ
桃「うぅぅ……だって、だって私は戦車道なんて始めたばかりだし……」
まほ「誰だって初めての時はある。桃ちゃんの場合はそれが遅かっただけだよ」ニコッ
桃「戦術も全然駄目だったし……」
まほ「私が読んできた戦車道に関する戦術、戦法の本を纏めて贈ってやる。何事も先ずは基本からだからな。知識を備え、それを練り合わて戦術に応用する。どんな分野でも同じことだ」ウンウン
桃「砲撃も全然当たらないし……」
まほ「最初の頃は私だってよく外した。少しずつ上手くなれば良い、それに戦車は砲手だけではない。桃ちゃんの得意な事がきっとあるはずだ」
桃「すぐ泣くし……喚くし……ぐすっ……」
まほ「厳しいようだが、泣くな、喚くな。泣いても喚いても事態は好転しない。全国大会でも勝ちあがってきた者は何れも最後まで抗った人達だ!」
桃「……ううぅぅぅぅぅ……………………やる! やってみる!」グッ
まほ「よく言った! そうだ、どちらにせよ戦車に乗るしか道が無いのなら、我武者羅に突き進むしかないんだ! 桃ちゃん……いや、河嶋桃! 先ずは無限軌道杯で河嶋桃の名を叩き付けてやれ!」グッ
桃「……えっ!? でもとりあえず無限軌道杯は西住に全部任せようかと……」ビクッ
まほ「……それはまぁ仕方ない所だな……いや、みほに任せるのは良いんだ、先ずは勝たねばならないからな。だが、桃ちゃんの戦術、戦法も毎試合提言するべきだ。みほという人物に真正面からぶつかって行くといい。みほに習い、教えを請って戦車道を進め。勿論私だって吝かではない、出来うる限りの時間を取って力になろう!」
桃「ま、まほぉ……私のためにそこまで……」ウルウル
まほ「……桃ちゃん……これから忙しくなるぞ……? 覚悟はいいな?」チラッ
桃「うん……勿論だ! 私もまほに負けないような戦車乗りを目指してみせる!」グッ
まほ「よしよし、やっと瞳に覇気が戻ったな。桃ちゃん、頑張れよ……っと、予告音が……」テンテロテンテロ
桃「ん? 私にも予告音だ! はいぃっ!」テシッ
ス 川 川
7 川 川
ス 川 川
まほ、桃「あはぁん!(歓喜)」ビクンビクン
ーーーーーーーーーーー
まほ「あれから暫く打って、大分連チャンしてくれたお陰で何とか投資分は捲れたぞ。サンダーVSP……控えめに言っても最高だったな……正に名機だな」テクテク
まほ「それにしても桃ちゃんも戦車道をやる気になった事だし、これから色々気にかけてあげなければな……此方を見る目が少し熱っぽいのが気になったが……」テクテク
まほ「しかし、どの分野でもいきなり台頭してくる人物というのは存在するんだ。高校から始めた戦車道で……というのも決して珍しくは無い。いつか、もしかすると河嶋流なんてものが……ふっ、少し買い被りすぎかな……」テクテク
まほ「……そうだ、やる気になった桃ちゃんが一回戦で負けていきなり挫折と言うのも可哀想だし、無限軌道杯に向けてみほに発破でも掛けておこう……そうと決まれば……」ペポペポ
ーーーーーーーーーーー
みほ「……ん? お姉ちゃんからメールだ!」テロン
『まほ「みほ、桃ちゃんから聞いたが無限軌道杯に出場するそうだな。先輩の為に隊長の座を譲ってまで出場するその心意気が私にはとても誇らしく思えるよ。試合には負けてもいいからみほの力を出し切って悔いの無い試合をして欲しい。それに無限軌道杯の成績如何で桃ちゃんの進退が決まるとあっては私も出来る限りの力になりたいと思う。私は無限軌道杯の頃には既にドイツに発っているだろうが、何かあれば遠慮無く言ってくれ。だが、もし無限軌道杯で無様な結果を晒した結果、桃ちゃんが進学出来ないなんて事になってしまったら私は悲しみのあまり西住の家の門を固く閉ざし、二度とみほに敷居を跨がせる事はないだろう。更に哀しみが身体に寒気を覚えさせ、それを振り払う為にみほの部屋のボコ達を残らずテルミット焼却しながら暖をとりたいと思ってしまう事になる。この言葉を決して忘れないように心に留めて置いて欲しい。追伸、絶対に勝て」』
みほ「…………これもう脅迫だよぉ! また私が家を追い出される展開じゃん!」バンッ
みほ「でもこんなメールを送ってくるなんて、お姉ちゃんって河嶋先輩と仲が良かったのかな? まぁ、やるからには勝たないと……ね……?」ニヤリ
ーーーーーーーーーーー
まほ「ん、みほから返信だな」テローン
『みほ「お姉ちゃん、これじゃ脅迫だよ……でも、ありがとう。無限軌道杯……出るからには勿論勝ちに行くよ!」』
まほ「ふっ……要らぬ気遣いだったか……」ニコッ
まほ「さて、これからどうするかな……パチンコに戻るか、それともスロットの持ち玉で次の山を狙うか……うーむ……」テクテク
まほ「ん……? このスロットの島だけぽっかり空いているな……」ジー
まほ「これは……ガールズ&パンツァーG! 言わずもがな、私達が題材になっている台だが……」ジー
まほ「どうやら朝一のリセットだけ喰われて放置されているようだ。高設定域が判り辛い上に荒すぎて安定しないからな、ここら一帯だけ放置と言うのも仕方ないことだが……」スタッ
まほ「それでもこのまま通り過ぎるなんていうことはとても出来ない……少し打っていくか」ジャラジャラ
まほ「さて、先ずはこの台のフローの確認をしながら打っていこう。先ずは左下に見えるあんこうカウンター、これを0にするのを目指していく。1ゲームで1以上は減算されるので、どんなに引きが悪くても300ゲームで0になるんだ」ブオーン
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まほ「さっそく0になったな、これで連続演出へと発展する。連続演出は全部で9個あり、左から順に期待度が上がっていくが、9個のうち7個はほぼ外れるので無心で打つ心構えが必要だ」
まほ「あんこうカウンターが0になった後、連続演出を決めるルーレットが始まる。左から五十鈴さん、武部さん、秋山さん、冷泉さん、安斎さん、NEXTとなっているぞ。おっと、秋山さんの演出が選ばれたな」ピロロン
まほ「連続演出中はチャンスアップ演出に注目しよう。一回目のルーレットで選ばれる演出は導入ムービーから始まると大チャンスだ。更に左下のあんこうにチャンス襷や大チャンス襷が掛かっていれば期待出来る。他にも赤テロップ、ステップアップ、最終カットイン、最終ボタンとチャンスアップ演出は色々あるが……」ニセモノダー
まほ「中でも期待出来るのが導入ムービーと最終カットイン、そして最終赤ボタンだな。特に最終赤ボタンはどの連続演出でも出れば当たるといっても良い。むっ外れたな……」ウワァァ
まほ「これでまたあんこうカウンターを減らす作業に戻らなければならない。基本的にはチャンスゾーンに当たるまでこれの繰り返しだ、但し6回目の連続演出が天井となり必ずチャンスゾーンが当たる。今が何周期目か解らなくなったらプッシュボタンを押せば確認出来る」ポチッ
まほ「リプレイを連続で引いたり、レア役を引いたりすればカウンターの減算が優遇されるぞ。さて、ここで2回目の連続演出だな」プオーン
まほ「最初のルーレットは……NEXT! ちょっとチャンスだぞ! 二回目のルーレットになると左から安斎さん、雪の進軍、みほ、私、NEXT、戦車道チャレンジという順番になる。NEXTはプレミアの温泉演出か戦車道チャレンジへ。戦車道チャレンジはそのままチャンスゾーンに直行するので、選ばれるのは殆どが左の4つだ」ピロロン
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まほ「ふむ、私が選ばれたな。タイトルは『西住流の名にかけて』。私がお母様にみほを必ずぶっ潰しますと雄叫びをあげればチャンスゾーンに当選する。他の演出に比べて選ばれただけでチャンスゾーンの期待度がぐっと上がるぞ!」
まほ「チャンスアップは絡んでいないが……最終ボタン、赤! 貰ったな!」ポチッ
『ガルパンG まほ「西住流の名にかけて、必ず大洗女子学園に勝利します!」』プイーン
まほ「………………我ながら勇ましい姿だが……この後、全国大会決勝で大洗に負けるんだよな……西住流の名にかけたのにな……」ガクリ
まほ「いやいや、気を取り直そう。ここはみほの成長を喜ぶべきなんだ、姉として喜ぶ所だろ? さて、この台のチャンスゾーンは二つ、戦車道チャレンジとあんこう祭りだが、準備中にレア役でも引かなければほぼ戦車道チャレンジしか選ばれない。それだけあんこう祭りの選択率は低いんだ」テテテンテン テテテンテン
まほ「戦車道チャレンジが始まったな。20ゲーム間の昇格ゾーンと当落を告知する戦車バトルが約10ゲームある。先ずは20ゲーム間で3枚のパネルの昇格を目指そう!」ネラッテクダサイ
まほ「こうやってみほが狙ってくださいと言えば、右からみほ図柄を狙おう。みほ図柄の数でAT当選の期待度が変わるぞ……今回は1個だな」オシテクダサイ
まほ「右がカチューシャに変わったか。当選確率はみほ図柄1個で約5%、2個で25%、3個で確定だ。他にも弱レア役で25%、強レア役で50%で抽選をしているぞ」ポイーン
まほ「ん、予告音……レア役でも引いたか? 弱チェ! 25%を引いててくれよ!」オシテクダサイ
undefined
まほ「右がカチューシャからケイを飛ばしてダージリンに変わったぞ! このように1枚飛ばしで昇格したり、一度に2枚の色を変えたりすると期待出来るんだ!」チュチュチューン ネラッテクダサイ
まほ「おっと、みほの強カットインだ。これが出ると絶対にみほ図柄が2個以上止まる、つまりチャンスだ」オシテクダサイ
まほ「左がケイに変わったな……さて、昇格ゾーンが終わってパネルは左からケイ、カチューシャ、ダージリンとなったぞ。三人の内、誰かに砲撃が当たればAT当選だ。先ずはケイから……」プオーン
まほ「チャンスアップは1ゲーム目のテロップの色……白だな。そして2ゲーム目に誰が選ばれるか……うさぎさんチームか……3ゲーム目はカットインの色とボタンの出現及び色! 無いな……」スカッ
まほ「はっきり言ってダージリン以外には勝てないと思っていい。更にダージリンにもチャンスアップが絡まないと勝てない、というか絡んでも勝てない!」スカッ
まほ「……そしてこのようにカチューシャも当然、当たらない。レア役でも引かない限りは無理だろう。さて、次が問題のダージリンだが……頼むぞ!」コツーン フーミダーシターソーラニー
まほ「歌が流れた! 当然AT確定だ! よしよし、最初のチャンスゾーンで仕留めるとは幸先がいいぞ!」
まほ「さぁここから待望のATが始まるのだが、ATの前に大事な特化ゾーンがある、今作の目玉……パンツァーアタックだ! これは各校の隊長がAT中の抽選を有利にしてくれるアイテムをくれるのだが、ここで私が出てくるとプレミアと言ってもいい。ガルパンGに於ける最強の特化ゾーン『マウスへの挑戦』にも匹敵する破壊力を持っているぞ! さて、気合いを入れて……せいっ!」コツーン プイプイプイプイ
まほ「レア役を引かない限り半分はみほが出てくる……最低ダージリン、欲を言えばケイ、いやカチューシャ……やっぱり私が出て欲しい!」オネガイシマス
まほ「……みほが選ばれたか……ふっ、可愛い奴め……。みほは最低2個のアイテムが貰えるぞ。貰えるアイテムは3種類、チャンスチーム、作戦ストック、Vストックのどれかだ。今回はチャンスチームが二つ、最低保証か……」オトメノセンシャドー
まほ「次に対戦相手が選ばれるがこれはその都度抽選されているのではなく、30個あるテーブルから一つ選ばれてその順番通りに対戦相手が出てくる。つまり2、3戦もすれば10戦目までの対戦相手が解るという事だ。よし、最初の対戦相手は……聖グロだな。良いテーブルの可能性も出てきた、気合いを入れるぞ!」
まほ「相手の戦車数は7、こちらは5。チャンスチームのアイテムを持っている場合、その数だけチームのメンバー強化されるぞ! さぁ、試合開始だ!」コツーン
まほ「試合はベルやレア役で攻撃、1枚役で相手に攻撃される。チャンスチームは2ゲームの間は被弾しないしベルを引けば必ず撃破してくれる。つまり最初の2ゲームでベルを引ければ相手の戦力を削ぐ大チャンス! ベルッッッ! ベルくれっ!」コツーン サーンジョー
まほ「よしよし、カメさんチームが2両撃破したぞ! しかし続く1枚役で撃破されてしまった……だがまだまだこれからだ。ベルを引き続ければ負ける事は無い、レア役を引かなくてもベルを引けば良い! ベルゥ! ベルゥ!」ボカーン
まほ「あ、またやられた……後はうさぎさんチームとあんこうチームしかいない……相手は……3両か……このガルパンG……一筋縄では行かないな! だが、ベル! ベルが……欲しい!」ボカーン
まほ「よし、オレンジペコとアッサムを撃破だ! これで2対1、このまま押し切りたい! 頑張ってくれようさぎさんチーム!」ボカーン
まほ「いよっし! ふふっ、油断したなダージリン……これで2両残して大洗女子学園の勝利だ! さて、勝った後は試合内容に応じてランクが変わる。ランクはDからSSの6段階で、今回は2両以上残っているからBだったぞ!」
まほ「Bランクだと50%でパンツァーアタックが貰える、つまりまた良いランクを狙うチャンスが貰えるという事だ。こうやって如何にBランク以上を維持出来るかがガルパンGの肝と言える。しかし今回は残念だがパンツァーアタックが貰えなかった。アイテムも残っていないし、次の試合は厳しいものになるだろう……」ゴクリ
まほ「対戦相手は……プラウダか、これはテーブル19か20だな。各校が1回ずつ出てくるノーマルテーブルになる。ここを越えればサンダースかアンツィオが出てくるという訳だ……さて、カチューシャ……勝負だ!」ボコーン
まほ「……むぅ、呆気なくやられたか。いや、これも戦車道なんだ。次はプラウダをぎゃふんと言わせてやろう。さて、またあんこうカウンターを貯める作業に戻るか……」
みほ「……………………」ジー
みほ(お姉ちゃんの周り……今は誰もいないけど……ガルパンGはちょっとなぁ……)ジー
みほ(私があんなの隣で打ってたら絶対に色々な文句を言われるよぉ……でも一緒に打ちたいし……)ジー
みほ(うーん……うぅぅ……えーい、行っちゃえ!)ダッ
みほ「……おねーちゃん!」バッ
まほ「ん、みほか。また会ったな」ニコッ
みほ「うん! 今ちょっと打つ台を探してて……隣、いいかな?」チラッ
まほ「ははは、勿論いいとも。私がみほのお願いを断るわけがないだろ? こうして一緒に打つのは初めてかもしれないな。みほはガルパンGには詳しいのか?」
みほ「わーい、お姉ちゃん大好き! ガルパンGというか、現行機種のスペックは大体覚えてるよ。ガルパンGは余り打たないけど、解析情報なら任せて!」ニコッ
まほ「ふふふ……それは楽しみだ。それにしても自分達が出演する台というのは気恥ずかしさもあるが、やはり自力感が強い台は遣り甲斐があるな。ベルさえ引ければ継続するのだからレバーの叩きがいも出てくる」
みほ「私は自力感が強すぎて安定しないのがちょっと苦手かな。6号機の中では頑張ってる台だと思うんだけどね」ジャラジャラ
???「あら、お二人とも妙な所でお会いしますわね……」スッ
まほ「ん、お前は……」クルッ
みほ(うぅ……また誰か来たよ……お姉ちゃんって変なフェロモンでも出てるのかなぁ……)クルッ
ダージリン「まほさん、みほさん……ご機嫌よう。お隣よろしいかしら?」スタッ
まほ「あぁ、それは勿論構わないが……」
???「ん、おぉ西住達じゃないか!」スッ
まほ「安斎、だからまほでいいと何度も……」
アンチョビ「あははは、すまんすまん。どうも癖になってしまっていてなって、まほこそいい加減アンチョビと呼べぇー!」グッ
ケイ「ナオミ! アリサ! 皆が集まってるわ、サンダースも集合しましょ!」
ナオミ「イエス、マム! と、本当に沢山いるね……何かあるのかい?」
アリサ「なーんでよりによってガルパンGの島に皆来るのかしら?」ブツブツ
みほ(あ、あわわわ! 何かいっぱい集まってきちゃったよぉ!)ビクビク
カチューシャ「ノンナ! クラーラ! マホーシャ達が集まってるわ! 私達も行きましょ!」
ノンナ「うふふ、そんなに慌てると転びますよカチューシャ。皆さんは逃げませんから、落ち着いてください」ニコニコ
クラーラ「……………………」グッ
まほ(クラーラはまたビデオカメラを片手にカチューシャを追っているな……)
オレンジペコ「ダージリン様ぁ……置いていかないでくださぁい……」ハァハァ
アッサム「これはこれは……皆様お揃いで……」ペコリ
ペパロニ「ドゥーチェ、発見っス! さぁ早くディスク打ちましょうよぉ!」
アンチョビ「お、おい引き摺るな! ちょっと待て!」グググ
カルパッチョ「もう、ペパロニ! ちょっと落ち着いて!」グイッ
沙織「みぽりー……ん……? 何か人がいっぱいいる!」ビクッ
麻子「これはまた凄いメンバーだな……一体何事だ?」
優花里「まるで大学選抜戦の再来ですね!? いやぁ、皆さんスロットがお好きなんですねぇ!」ニコニコ
華「みほさんが埋もれていますわ……どうしましょう?」フゥ
杏「さーんじょー……ってあれ? 何この大所帯……かーしまぁ、肩車ぁー」
桃「お任せを!」ババッ
杏「よっとぉ……ありゃりゃ、こりゃ凄い事になってんねー」
カチューシャ「あ! ノンナッ!」
ノンナ「肩車ですね、はいはい……」ニコニコ
カチューシャ「ふふーん! これでこのカチューシャの方が高いわ!」ドヤァ
ニーナ「隊長ぉ、また始まっただ……」
エリカ「何か見知った顔ぶれが集まっているわね……隊長はいるのかしら?」キョロキョロ
小梅「あ、あそこでガルパンGを打っているのが隊長じゃありませんか?」トテトテ
まほ「ん、エリカと小梅も来たな…………これは……つまり……」ニヤリ
みほ「え、何? 何が始まるの?」チラッ
まほ「よし! 学園対抗ガルパンG決戦を始める! 全員学園毎に集まれ!」バッ
アンチョビ「おっ? それ楽しそうだな! ルールはどうする?」
ダージリン「アッサム、ペコ……何か始まるようですわよ……此方へいらっしゃい……」
オレンジペコ「はぁ……一体何が始まるんでしょうか……」
ケイ「きっとエキサイティングな事ね? 此方は何時でもオーケーよ!」バンッ
アリサ「ろくでもない予感……帰りませんか?」
ケイ「ノー! 何か面白そうじゃない?」
カチューシャ「ま、どうせ最後はこのカチューシャが勝つんだけどね!」
ノンナ「勿論です。偉大なる同志カチューシャの勝利は既に約束されています」ニコニコ
エリカ「とりあえず隊長の元へ行きましょうか?」
小梅「そ、そうですね……」
優花里「西住殿……何が始まるんです?」
みほ「私にも何が何だか……お姉ちゃん?」チラッ
まほ「うむ……では勝負内容を発表する。このガルパンGでチーム対抗の出玉勝負をする! 一日等の出玉ではなく、AT一回の出玉で勝負だ! 丁度このガルパンGに登場する学園が全員揃っているからな……面白そうだろ?」バンッ
アンチョビ「チーム対抗って……周りを見ても私達は三人だが大洗は大所帯だぞ! そこらへんはどうするんだ?」チラッ
ダージリン「いえ! アンチョビさん、大事なのはそこではありませんわ! まほさん、勝負ということは……勿論賞品はあるという事ですわね?」ジー
まほ「ふむ、賞品か……では私のとっておきのレトルトカレーを送ってやろう! これでどうだ……?」
…………(無言)…………
みほ(カレーじゃちょっと盛り上がらないよぉ……優花里さん、お願い)グイッ
優花里「おっとぉ! で、では折角戦車道では名の知れた面々がこれだけ集まってるのですから……一日独占権でどうでしょう! 憧れのあの人を一日独占権です! ど、どうですか!?」バッ
ダージリン「その話、乗りましたわ!」バッ
カチューシャ「ふーん、ミホーシャにプラウダの素晴らしさを教える良い機会だわ! やるわよノンナ!」
ノンナ「頑張りましょう、カチューシャ」ニコニコ
ケイ「んー、賞品にちょっと魅力が薄いわねぇ……」
アリサ「何言ってるんですか! やりましょうよ! っていう隊長がやらなくても私はやるわよ!」
アリサ(そそそして……ま、まほさんを……)ゴクリ
アンチョビ「よぉーし! アンツィオ流のおもてなしを存分に教えてやる! さぁ、ペパロニ、カルパッチョ! やるぞぉ!」
優花里(に、西住殿……これでどうですか?)コソッ
みほ(最高だよ優花里さん! 後ではむはむしてあげるね!)ニコッ
優花里(はむはむ……は、はむはむぅー! うっひょぉぉぉおーー! 最っ高だぜぇぇぇーーーー!)
みほ(チーム戦なら華さんがいるから万が一にも負けはない。お姉ちゃんの一日独占権は貰ったようなものだよ! 協力してくれるよね、華さん?)ニヤリ
華(えぇ、みほさん……任せてください!)グッ
まほ「……皆、カレーは嫌いなのか……? 美味しいのに……」グスン
小梅「流石にカレーだけでは盛り上がらないかと……」
まほ「……3辛でも駄目か? 駄目か……いや、まぁいい! さて、賞品を付けたからには最下位は当然罰ゲームだ! 異論は無いな!?」バッ
カチューシャ「うっ……も、問題ないわ! ね、ノンナ!」
ノンナ「えぇ、偉大なる同志カチューシャの牙城は揺るぎません。ご安心を」ニコニコ
アンチョビ「罰ゲームはいいが、さっきも言った人数の問題はどうするんだ? 大洗と人数に差がありすぎるぞ!」
みほ(華さんさえいれば少人数でも問題ないし……まぁ大丈夫かな)ジー
まほ「そうだな……では、タッグ戦にしよう!」
みほ(…………この勝負、貰ったよ)ニヤリ
まほ「AT中、各学園の隊長が代表として回すが、5戦目までに1戦は交代して貰う……変則タッグ戦としよう! 各学園の隊長と副隊長……前へ!」バッ
アンチョビ「よーし、ペパロニ、カルパッチョ……どっちが打つ?」チラッ
ペパロニ「私! 私がやるっスよ! カルパッチョ姉さん、いいっスよね?」
カルパッチョ「えぇ、構わないわ。ドゥーチェ、ペパロニ、頑張ってくださいね!」グッ
アンチョビ「任せろぉ! やるぞペパロニ!」
ペパロニ「はいッス! さぁーて、いっちょやったるッスよぉ!」
カチューシャ「ノンナ! 当然組んでくれるわよね?」
ノンナ「当然です、カチューシャが嫌と言っても私は離れませんよ」ニコニコ
カチューシャ「流石ノンナだわ! クラーラ、このカチューシャの勇姿……ちゃんと撮っておきなさいよね!」
クラーラ「…………っ!」グッ
ダージリン「さて、此方は……」
アッサム「ペコ、お行きなさい。しっかりとダージリンをサポートするのよ?」
オレンジペコ「は、はい! ダージリン様、よろしくお願い致します!」ペコリ
ダージリン「あらあら、そんなに緊張しなくも宜しいですわ。我々は常に冷静沈着……そして心には……ね?」ニコッ
オレンジペコ「ダージリン様ぁ……」ハワワ
ケイ「うーん、ガルパンGが得意な人?」
ナオミ「そうだね……アリサ、やってみなよ」
アリサ「良いですけど、一日独占権は私に指定させてくださいよ?」
ケイ「オーケー、決まりね!」
まほ「ではエリカ、頼めるか?」チラッ
エリカ「はい! 了解しました……けど、罰ゲームって何をするんです?」
まほ「それは後でのお楽しみだ!」ニヤリ
みほ「…………はぁ?」チラッ
優花里「……あ」チラッ
沙織「……あちゃー」チラッ
麻子「…………む?」チラッ
華「…………これは」チラッ
杏「……参ったねこりゃ」チラッ
柚子「…………桃、ちゃん……?」チラッ
桃「…………任せろぉぉぉぉーーーーーーっっ!」サムズアップ ウインクバチーン
みほ(駄目だ……これまずいよ……そうだ、戦車道と同じで重い怪我なら選手交代出来るかも……)
みほ「……すみません、河嶋先輩。今からその両腕をぶち折っても良いですか?」ニコッ
桃「い、良い訳が無かろう! いきなり何を言い出すんだ!」ブルッ
優花里「ちょちょちょ、に、西住殿! 流石に両腕はまずいですよ!」グイッ
みほ「じゃあ片腕ならぶち折っても……?」
優花里「駄目ですってば! 他の方法を考えましょうよ!」
みほ「その腕を三節棍にしてみませんか、はどうかな?」
優花里「それバッキバキの骨折じゃないですか! 言い方の問題じゃないです! 河嶋先輩の腕は諦めてください!」
みほ「……でも、これじゃ折角のチャンスが……」
杏「ま、まぁまぁ西住ちゃん。かーしまも頑張るからさ、腕は勘弁してやってよ」
柚子「桃ちゃん頑張るから! お願い、桃ちゃんに痛いことはしないで!」ウルウル
桃「西住……思えばお前には世話になってばかりだったな……しかし漸く、多少なりとも恩を返せそうだ……このガルパンGで!」クワッ
みほ「…………」イラッ
優花里「西住殿、ここは堪えてください! とにかく何か作戦を練りましょうよ。誰か良い案を出してくれませんか?」チラッ
沙織「うーん、麻子ぉ何かない?」
麻子「そうだな……交代のタイミングはランク表示の画面からランクが決まるまでと言っていたから、河嶋先輩にVストックかアンツィオを消化して貰うのが良いんじゃないか? 少なくとも河嶋先輩が負ける事はない」
桃「ん? ん? 使うか? 早速私を使っちゃうのか? 西住……出しちゃうか? 遂に桃ちゃんアタックを出しちゃうのか?」チラッ チラッ
みほ「…………」イライラッ
華「そうですねぇ、事故を装ってでも私がレバーオン出来ればいいのですけど……皆さんで壁を作って頂ければ何とか……」
みほ「……ありがとう、みんな。では河嶋先輩にVストックかアンツィオを消化させる案で行きましょう! 最悪でも黒森峰まで行ければ出玉はそこそこ付いてくると思います! 『ぶいぶい作戦』……開始です!」カッ
ーーーーーーーーーーーー
また夜に投下します
眠い、長い
まほ「よし、全員チャンスゾーンは突破してスタートする準備は出来たな。一斉にレバーオンで勝負開始だ! では号令を小梅……と思わせてナオミ、よろしく頼む!」
ナオミ「オーケー……レディー……」スッ
小梅「させるかぁ! ごぉーーー!」バッ
ナオミ(被せられた!?)
まほ「ふんっ!」プイプイプイプイ→みほ
ダージリン「行きますわよ!」プイプイプイプイ→みほ
ケイ「オーケー……ファイアー!」プイプイプイプイ→→ダージリン
アンチョビ「どっせい!」プイプイプイプイ→みほ
カチューシャ「これを下げるのね……えいっ」プイプイプイプイ→みほ
みほ「お願い……贅沢は言わないから格言おばさんは超えて……っ!」プイプイプイプイ→→→ケイ
ダージリン「…………え? 今なんと仰いました?」チラッ
みほ「ケイさんだ! やったぁ!」キャッキャッ
ダージリン「みほさん? 先程何か仰いました?」ジー
みほ「……何も言ってないですよ? 空耳だと思います……」
ダージリン「そっそうよね、みほさんが格言おばさんなどと仰るなんてあり得ませんわね……」ニコッ
みほ「勿論です! 私、ダージリンさんの事が大好きですから!」ニコッ
オレンジペコ(か、格言おばさん……わ、笑っちゃ駄目、平静を装わないと……)プルプル
ダージリン「ペコ……そんなに震えてどうしたの? この格言おばさんの格言でもお聞きになる?」
オレンジペコ「ぶっふ……ぐっ、ぐふっ……ダ、ダージリン様、ご……ご勘弁を……なんでちょっと乗り気なんですか……」プルプル
まほ「うーむ、最初のパンツァーアタックはみほか……」チラッ
ダージリン「私もみほさんね……」チラッ
アンチョビ「みほだな……」チラッ
カチューシャ「ミホーシャね。ノンナ、これはどうなの? 良いの?」クルッ
ノンナ「残念ながらパンツァーアタックのみほさんは糞ゴミです」ニコリ
みほ「ほらぁ! それガルパンGを打ってたら絶対に言われると思ってたよぉ! だから皆でガルパンG打つのは嫌なんだよ、というか糞ゴミは言い過ぎだよ!」
カチューシャ「まぁまぁミホーシャも落ち着きなさいよ。それで……ねぇノンナ、このパンツァーアタックってこのカチューシャも出るのかしら?」
ノンナ「勿論ですカチューシャ。順番で行くとケイさんの次に出ますが、とても素晴らしい性能ですよ。糞ゴミ性能のみほさんとダージリンさんでは到底太刀打ち出来ない程の性能です!」ニコニコ
カチューシャ「へぇ……ま、このカチューシャなら当然かしら!」
みほ「ま、また糞ゴミって言ったぁ! 文句はメーカーに言ってくださいよもう!」プンプン
ダージリン「わた、私が……くっくそ……」プルプル
アッサム「ダージリン、落ち着いて! 淑女はそんな下品な言葉を言わないわ。今はパンツァーアタックの性能では無く、出玉で勝負しているのですから惑わされないで!」
ダージリン「そ、そうね……ありがとうアッサム。ペコ、紅茶のお代わりを頂けるかしら?」チラッ
オレンジペコ「はい、少々お待ちを……」カタカタ
ダージリン「この糞ゴミ格言おばさんに合う紅茶をお願いしますわ!」バンッ
オレンジペコ「げっふ! く、くっふ……く、ちょ……ごふっ……なんでじ、自分から……」プルプル
アッサム「んもう、ダージリン! はしたない真似はおよしなさいな!」
オレンジペコ「んっんん! ごほん! ダージリン様をあの様に侮蔑するなんて許せません! 断固抗議しましょう!」
ダージリン「ごめんなさいね、震えて我慢をするペコが愛らしくてついつい……ですが、勿論言われっぱなしで終わるつもりはありませんわ……この出玉勝負では負けませんわよ!」ビシッ
オレンジペコ「ダージリン様、その意気ですぅ!」
まほ「あちらは楽しそうだな……っと、チャンスチーム2個か。まぁ仕方がない」
アンチョビ「くっ、こっちも2個だ……対戦相手次第では厳しいな……」
ペパロニ「いやーそれにしてもパンツァーアタックにドゥーチェが居なくて良かったッスねー! いたらきっと皆にボコスカ言われてましたよー!」ケラケラ
アンチョビ「あ? ちょっと待てペパロニ、それはどういう意味だ!?」グッ
ペパロニ「いやだって、全国大会優勝校の大洗の隊長が一番雑魚いんスよ? って事はドゥーチェだとアイテム1個も貰えないんじゃないッスかー?」ケラケラ
みほ「…………一番雑魚い?」ピクッ
アンチョビ「何でそうなるんだ! このスロットはそもそもその全国大会の話だから……となると我がアンツィオの知名度も無いから、そうなる……のか? いやいやいや、ここは年下のみほにアイテム2個の座は譲って貰ってだな……」アタフタ
みほ「アンチョビさんには申し訳ありませんけど、アイテム2個以上の座は絶対譲りません!」
まほ「おいおい……みほもアンチョビも落ち着け、勝負に集中しろ、そんな調子では足元を掬われるぞ! さて、対戦相手は……」
まほ「サンダースか……初戦がサンダースだと余りテーブルには期待出来そうもないな……いやいや、気合いを入れねば! 勝負に負ける気は無いぞ!」
みほ「アンツィオだぁ……河嶋先輩が控えている中でこれは逆に厳しいなぁ……」
アンチョビ「プ、プラウダ……嫌な予感が……」ガクガク
カチューシャ「ケイが出てきたわ! ノンナ、これはどうなの?」
ノンナ「まずまずと言った所ですよ。さぁカチューシャ、ベルを沢山引きましょうね!」ニコニコ
ケイ「これは……ハローダージリン! 聖グロリアーナね! 良いスタートじゃない?」
ダージリン「……アンツィオね……これでとりあえず初戦敗けは無い……良テーブルの可能性も充分ね!」ニコッ
カチューシャ「ふーん、ベルが揃うと攻撃なのね……あっ! 三突が敵を倒したわ!」ボカーン
ノンナ「そうですね、逆にベルが外れると相手の攻撃です。相手はあと4両です、頑張ってください」ニコニコ
まほ「残り三両……っと、レア役だな。グッバイアリサ!」ボカーン
アリサ(はぁーん!)グラッ
ケイ「オーケーこれでラストよ! ファイアー!」ボカーン
ダージリン「………………みほさん?」チラッ
みほ「嫌な予感だよぉ……な、何ですか?」ビクビク
ダージリン「何故必ず勝てるアンツィオにアイテムを使うんですの? もう少し戦略を考えた方がよろしいのでは?」ジー
みほ(これも絶対に誰かが言ってくると思ってたよぉ! でも仕様ですと言うしかないよね……だって仕様なんだもん! 私はこれっぽっちも関係無いよ!)
みほ「そ、それは……」
まほ「ダージリン、それについては私も独自に考えてみた。聞いてくれるか?」チラッ
ダージリン「……いいでしょう。拝聴させて頂きますわ!」スッ
まほ「私はみほがアンツィオにアイテムをじゃぶじゃぶ投入するにあたって二つ程理由を考えてみた。一つは西住流の存在だ」
ダージリン「西住流……?」
まほ「あぁ。ダージリンも知っての通り、西住流の戦車道に一切の妥協は無い。兎を狩る獅子の如く余力は惜しまず徹底的に追い詰める、そこに一部の隙も許さない。西住流から距離を置いているとはいえ、みほの根底には当然西住流が根付いていると言える。その血がアンツィオにも手を抜くことなく、アイテムをじゃぶじゃぶ使う理由なのではないか?」
ダージリン「成る程……一理ありますわね。それではもう一つの理由も伺ってよろしいかしら?」
みほ「…………」
まほ「もう一つは……もしかしてみほはアンツィオに必ず勝つことを知らないのではないか?」
ダージリン「少し要領を得ませんわね……つまり……?」
みほ「…………」
まほ「つまり既に審判などを買収しており、必ず大洗が勝つ事が決まっているが……それをみほ本人は知らない。それゆえアンツィオにアイテムをじゃぶじゃぶ使うというわけだ。みほ本人は負けたら終わりだと思っているからな」
ダージリン「買収とは穏やかではありませんわね……みほさんがご存知無いというとまさか……っ!」ハッ
みほ「…………」
まほ「あぁ……そんな大それた事が出来るのは……相応の権力者、例えば西住流の家元……お母様の可能性もある」フゥ
ダージリン「まぁ! これは思わぬ大物の名前が出てしまいましたね……みほさん! 一体どちらが本当の事なんですの!? 事と次第によっては、公の場に明かす事も厭いませんわよ!」バッ
みほ「だから仕様だよぉ! 何なのその茶番! 大体アンツィオにはVストックを使わないし、アイテムを使うのだって勝利後のランクに関係あるからでしょ!? 私だって色んな人に『アンツィオにアイテムとか頭西住流かよww』とか言われてて怒ってるんだからね!」バンッ
まほ「ぷふっ……お、おいおいみほ、そんなに怒ってどうした? も、もしかして頭西住流か? くく……っ!」プフッ
ダージリン「んぐっ……んっふ……ま、まほさん……みほさんに失礼ですわよ……あた、頭西住流だなんて……」プルプル
みほ「むっかぁ!」パチンッ
ねこにゃー「呼ばれて飛び出てねこにゃーですぞ!」バンッ
ももがー「ももがーずら!」バンッ
ぴよたん「ぴよたんだっちゃ!」バンッ
みほ「『こちょこちょ作戦』開始です!」ビシッ
まほ「えっちょ、うわ、止め、や、止めて! うひゃ、うひゃひゃひゃひゃひゃ…………っ!」
ダージリン「わ、私は関係ありませんわ! 止め、あははははははは…………っ!」
ねこにゃー「それそれそれそれぇー」コチョコチョ
ももがー「パワーアップした我らをみるぞな!」コチョコチョ
ぴよたん「私達からは逃げられないっちゃ!」コチョコチョ
まほ「あひゃひゃひゃ……エリ、エリカぁ! ちょちょっと助けうひひひひ…………っ!」ビクンビクン
小梅「言われてますけど、助けないんですか?」チラッ
エリカ「自業自得だし、良いんじゃない? それにしても頭西住流って……ぷふっけ、傑作ね! 誰が言い出したのかしら!」ケラケラ
小梅「もうエリカさんってば、笑うのは悪いですよぉ……あっ」ビクッ
エリカ「だ、だって頭西住流って……だ、駄目、耐えられないわ……うふふふ……」ビクビク
小梅「エ、エリカさん駄目っ! みほさんがこっちを見てますよ!」グッ
みほ「〈●〉〈●〉」ジー
エリカ「うわ怖っ! めっちゃ見てる! 小梅、早く逃げましょ!」バッ
小梅「私は関係無いんじゃ……」
みほ「…………」パチン
カエサル「おっとぉ! 逃がしはしないぞ!」バッ
おりょう「余計な事を言わなければ死なずにすんだものを……不憫ぜよ」バッ
エリカ「こ、殺されるのっ!? 嘘でしょ!?」ビクッ
左衛門佐「出る杭は何とやらだな」バッ
エルヴィン「いやいや、それを言うなら雉も鳴かずばだろう?」バッ
カエサル、おりょう、左衛門佐「それだ!」ビシッ
エリカ「それだっじゃないわよ! ちょっとそこを退きなさい!」グイッ
みほ「エリカさんは頭西住流って言葉がとても気に入ったみたいなので言葉通りに頭西住流にしてあげてください! さぁやれ!」ビシッ
おりょう「上意ぜよ! お覚悟をっ!」グイッ
エリカ「くそっ! はな、はなせぇ! ちょ、あは、あははははあはははは……っ!」バンッ バンッ
エルヴィン「争いからは何も産まれないのにな……」コチョコチョ
左衛門佐「しかしこれも仕方の無い事だ」コチョコチョ
カエサル「そーれそれそれ、頭西住流になーれっ!」コチョコチョ
エリカ「うひひ、うひアハハハハハハハ……っ!」ジタバタ
小梅(うわエリカさんの顔えっぐいなぁ……)
ペパロニ「なんか向こうは騒がしいッスね。他の皆はもう初戦を突破してるッスけど、私はどのタイミングで変わればいいッスか? ……ドゥーチェ?」チラッ
アンチョビ「うおぉぉぉーーーっ! ベルッ! ベルゥゥーーッ!」ボコーン
ペパロニ「うわっドゥーチェ負けそうじゃないッスか! プラウダは後3両も残ってるのにもうあんこうチームだけって……どうするんスか!」アタフタ
アンチョビ「だから! こうして! ベルを祈っているんだろうが!」ブイーーン
アンチョビ「あっ、マズイ……」ジュビビーン
アンチョビ「みほの攻撃か……助かった……」フゥ
ペパロニ「次はノンナさんッス! ドゥーチェ! ドゥーチェ! ドゥーチェ!」
カルパッチョ「ここで負けたら罰ゲームですよ! ドゥーチェ、ファイトー!」
アンチョビ「ぐぐぐ……べ……ルゥゥーー! やった! ノンナを倒したぞ!」ボカーン
アンチョビ「隊長同士が残ったからエピソードバトルに突入だ! 眠れる本能……聞かせてくれぇーーっ!」コツーン
ペパロニ「うわっ……白タイ、白テロ……ドゥーチェ……これは残念ながら罰ゲームッス……」ガクリ
アンチョビ「…………いやいや、流石に初戦敗けは……」テン テテテテテン プッシュ
アンチョビ「頼むぅぅぅぅぅぅーーーーーっっっ!!」ポスン
アンチョビ「んがっ! ま、負け……? 罰ゲーム確定なのか……? そんなぁ……」ガクリ
カルパッチョ「ドゥーチェ、お気を確かに……リザルト画面でレア役を引ければ復活の可能性があります!」
アンチョビ「いやそれ無理だろぉ……えい。ほら無理だったぁ……私の負けかぁ……」ガックリ
ペパロニ「ん? ドゥーチェのウィッグッス!」グッ
アンチョビ「いやだからこれ地毛だってば」
ペパロニ「ほら! 画面にウィッグが……!」クイッ
アンチョビ「地、毛、だぁーっ! このバカロニ! って、画面……?」チラッ
カルパッチョ「ドゥーチェ! これは……初戦敗退の25%で当選する……」
ペパロニ「チョビっとチャンスッス! 復活&アイテムザックザクで一気に大逆転ッス!」
アンチョビ「…………ホント?」チラッ
ペパロニ「本当日本刀! いやホントにホントッス! これでドゥーチェの大勝利間違い無ーーしっ!」
アンチョビ「……うおおおぉぉぉーーーっ! やったぁぁーーー! 罰ゲーム回避だぁぁーーー!」
カルパッチョ「ドゥーチェ、このチョビっとチャンスではドゥーチェが寝坊するほど沢山アイテムが貰えるんですよ!」ニコニコ
アンチョビ「そそ、そうなのか。しかし自分が寝坊する姿を見るのは何か不思議だな。ちょっと恥ずかしいし……」テレテレ
ペパロニ「ドゥーチェの寝顔可愛いッスね! へへっ、写メ撮っちゃお」パシャ
アンチョビ「あっこらペパロニ、恥ずかしいから止めろって!」
ペパロニ「あっドゥーチェが起きそうッス! うぬぬぬ……もっと眠れぇ! 永眠しろぉ!」グググ
アンチョビ「おい、私に向かって永眠しろとはどういう事だ! 言葉に気を付けろ! 全く……ありゃ、私が起きちゃったな。でもVストック一個にチャンスチームと作戦が二個ずつだ!」
カルパッチョ「最低保証ですけど、それでも充分な報酬です! このアドバンテージは大きいですよ!」
アンチョビ「わーっはっはーーっ! このまま勝利まで突っ走るぞぉーー!」
undefined
まほ「ふひ、ふひひひひ……んっぐ、ごほん! ふむ……どうやら全員初戦は突破したようだな……。だがアイテムを使い果たしたチームも多いこの二戦目で勝負が決まるかも知れない……初戦でテーブルが推測出来ていないからか、副隊長と交代するチームは居ないようだが……」
まほ「どうするエリカ、交代しておくか?」チラッ
エリカ「ちょ、ちょっとまだ身体が敏感になってるんで止めておきます。すみません……ふひっ」ビクンビクン
まほ「では次戦も私がやらせてもらうか。対戦相手は……プラウダか……やはり初戦サンダースでは厳しいな」フゥ
アンチョビ「ふふふ……私達はVストックがあるから次戦は安心だ! 次は……私達が率いるアンツィオだな! アンツィオにはVストックを使わないからこれで4戦目まで確定だ! まぁ必ず負けるというのも複雑だが……」ハハハ
カチューシャ「カチューシャが出てきたわね、ノンナ! このガルパンGのカチューシャは勿論強いんでしょ?」チラッ
ノンナ「その通りですカチューシャ。現実と同じで偉大なる同志カチューシャが率いるプラウダは強敵ですよ。気を付けてください」ニコニコ
みほ「聖グロだよ……これはノーマルテーブルだね。あぁーどうやって河嶋先輩を消化しようかな……やっぱり腕を……」ボソボソ
沙織「みぽりん、それは駄目だよぉ……」ボソボソ
ケイ「んー……私が出てきたわ、ミラーマッチね! 負けないわよ!」ニコッ
ダージリン「…………また……アンツィオ? これはまさか……あらぁーーーっ! アッサーーム!」クルッ
アッサム「テーブル1か30か29……特殊テーブル以上が確定ですね。これはもう勝利目前では?」ニヤリ
オレンジペコ「流石ダージリン様ですぅ! これで先ず罰ゲームは有り得ません!」ハワワ
まほ「ぐっ……ここに来て最高のテーブルを引いたか! ダージリンめ、やるな!」
ダージリン「確かに周りの皆さんと比べたら最高と言えるテーブルですわ、ですが……こんな格言を知ってる? 戦いは最後の五分間にある」ダジィ
オレンジペコ「ナポレオンですね」ペコォ
ダージリン「そう、勝負は最後の瞬間までわからないものよ。まほさん達も諦めずにどうぞ頑張って! うふふふ……」
まほ「ダージリンめ……余裕だな……しかし、此方は流石にプラウダでアイテム無しは厳しいか。ベルを引いても中々撃破出来ないぞ……」グヌヌ
アンチョビ「……私達の戦車がどんどん落とされてくな。しかしこのドゥーチェアンチョビが操るP40はそう簡単に! 爆発したな……まぁ、勝負的には良いんだけれど……」ホロリ
カルパッチョ「ドゥーチェ、これは演出ですから余り気を落とさないでください……せめてこの出玉勝負には勝ちましょう!」
アンチョビ「そうだな! テーブルではダージリンに劣るが、それでもこの勢いなら勝つことも不可能じゃない! 気合い入れて行くぞぉー!」
ケイ「フゥー! アリサ、中々やるじゃない! でもこれでジ、エーンド!」ボカーン
アリサ「……自分がやられるのって見てて気持ちのいいもんじゃないわね……それにしてもうちの隊長って相変わらず引きが強いわ……ところで、私はいつ交代するべきかしら?」チラッ
ナオミ「そうだね……アンツィオでも相手にしたら? ケイの勢いなら黒森峰相手でもやってくれるはずさ」ニコッ
ケイ「ノー! アリサ……一日独占権が欲しいんでしょ? なら自分の力で勝ち取りなさい!」
アリサ「勝ち取りなさいって言われても……私は一戦しか代われないんですけど……」
ケイ「この勝負、私は五戦目……黒森峰戦が天王山だと思っているわ。だからアリサ、あなたを勝負の場までは連れていってあげる! そこで勝てるかどうかはあなた次第よ! オーケー?」
ナオミ「ケイは一日独占権には興味無し、か……どうするアリサ、乗ってみるかい?」
アリサ「イ、イエスマム! やってやろうじゃないのよ! その代わり誰を選んでも文句を言わないでくださいよ!」バッ
ケイ「決まりね、オーライ! さぁ、どんどん行くわよー!」フゥー
みほ「このノーマルテーブルだと残りはプラウダとサンダースか……」ウーン
桃「西住……そろそろ私の出番ではないか? 私の右手が出番をまだかとうずうずして待っているぞ! ん? 次は私が行っておくか?」チラッ チラッ
みほ「…………河嶋先輩。私、この勝負には絶対勝ちたいんです!」
みほ(そして一日独占権でお姉ちゃんを……っ!)メラメラ
桃「ふむ……つまり私の力が必要、そう言いたいんだな?」ウインクバチーン
みほ「……はい! こうなったら私も腹を括ります! 河嶋先輩! この勝負の全てを河嶋先輩に託します。恐らく勝負は五戦目、黒森峰戦で決まるでしょう。河嶋先輩、覚悟を決めておいてください!」バッ
桃「お、おぉ……西住、何やら燃えているな。ふふ、任せておけ!」グッ
杏(ちょっとちょっと、これマズイんでない……?)
柚子(桃ちゃん……無事で終われるといいけど……)
まほ「ん。カチューシャ撃破だ! ふふ……今日はベルがよく刺さるな。ランクBが出たぞ! このままパンツァーアタックも来てくれよ!」
カチューシャ「あ、あぁ……味方がどんどん落とされていくわ! ノンナァ……負けそうなんだけど……」プルプル
ノンナ「カチューシャ、お気を確かに! 落ち着いてレバーを叩きましょう、気持ちを強く持つことが大切ですよ!」
カチューシャ「こっちはミホーシャしか残ってないのに、プラウダは後3両も残ってるわ……あ、ベル!」スカッ
カチューシャ「むきぃーっ! さっきから避けられてばかりでむっかつくわ! なんなのあの眼鏡は! ノンナ! あの眼鏡をシベリア送りにしなさい!」スカッ スカッ
ノンナ「敵を倒せてはいませんが良い調子ですよカチューシャ。ベルさえ引き続ければ負ける事はないのです、大丈夫ですから落ち着いてください」
ニーナ「あーこりゃ駄目だなぁ……こったらとこでちびっこ隊長が負げだらこっちは八つ当たりされっかもしんねーな」
カチューシャ「ベル! ベル! ベル! 何で当たらないのよこの下手くそ! ノンナが味方なら絶対当ててくれるのに! ベル! ベル! ちょっとこいつ避けすぎじゃないっ!?」キィー
ノンナ「えぇ、カチューシャが期待を掛けてくれるならば私はいつでも砲弾を当ててみせます。さぁ、残りは1両……エピソードバトルですよ」ニコニコ
カチューシャ「このカチューシャが、負けて、たまる、もんですかぁ!」コツーン フリツーモールー
カチューシャ「ノンナ、歌が流れたわ! これなら安心よね!」
ノンナ「おめでとうございますカチューシャ。これで継続が確定ですね、流石はカチューシャです」ニコニコ
カチューシャ「はぁ……ちょっと疲れたわ……ランクは……」ピチョーン
ダージリン「…………っ!」ピクッ
カチューシャ「何か波紋が……あら? ダージリンが出てきたわ! でもランクD……これは駄目なのかしら?」バーン
ノンナ「これは……」
ダージリン「おめでとうカチューシャ。ここから先は私が説明して差し上げますわ」ニコリ
オレンジペコ「ですぅ!」サッ
ノンナ「ちょっと……邪魔ですよ!」グッ
オレンジペコ「ダージリン様の邪魔はさせません!」グググ
カチューシャ「な、なによ! このカチューシャに何の用かしら!」サッ
ダージリン「あなたが引いたランクDは私こと、ダージリンのD! ランクDを引くと私のVストック特化ゾーン『ダージリンのこんな格言を知ってる?』が確定しますわ。さぁ一緒に楽しみましょう?」フフフ
まほ「田尻はTでは……?」ボソッ
ダージリン「非公式情報っ!」ベチンッ
まほ「へぶっ!」ビタン
ーチャッチャラッチャッチャッチャー
『ガルパンG ダージリンのこんな格言を知ってる?』
ダージリン「ふふふ……カチューシャ、さぁゆっくりパンツァープッシュを押してご覧なさい……」
カチューシャ「……むぅ……えいっ」ポシュ
『ガルパンG
ダージリン「成功がゴールでもなければ、失敗が終わりでもない」』
ダージリン「成功がゴールでもなければ、失敗が終わりでもなぁーいっ!」ダジィ
カチューシャ「うるさっ! 一々ハモらないで貰えるかしら!」
オレンジペコ「チャーチルですね! ちなみにこの後には『肝心なのは続ける勇気である』と続きますぅ!」ペコォ グググ
ノンナ「くっ、この、どきなさい!」グググ
ダージリン「さぁカチューシャ! どんどん行きますわよ!」
カチューシャ「あんた席に戻りなさいよ鬱陶しい!」
ダージリン「まぁまぁそう仰らずに……焦らなくてもこれが終われば戻りますわ」ニコッ
カチューシャ「終わるまでいる気なの!? んもう、押すわよ!」ポシュ
『ガルパンG ダージリン「今日はありがとう、面白かったわ」』
ダージリン「はぁーん! 全然言い足りませんわ! カチューシャ、あなた少し引きが弱いですわよ!」
カチューシャ「うっさい! 早く席に戻りなさいよ! ノンナ、ノンナーッ!」
ノンナ「カチューシャの声が聞こえる……! ぐぐぐ、ウラァーーーーッ!」グイッ
オレンジペコ「あふぅ! すみませんダージリン様、弾かれちゃいました」テヘペロ
ダージリン「仕方がありませんわね、席に戻りましょう……」ニコリ
ノンナ「ご無事ですかカチューシャ!」バッ
カチューシャ「ダージリンがちょっと鬱陶しかっただけだから大丈夫よ! さぁこの出玉勝負、勝ちに行くわよ!」バンッ
ノンナ「先程の『ダージリンのこんな格言知ってる?』は格言の数だけVストックが貰えますよ。カチューシャは一つ貰えましたから次の対戦は絶対に勝てます。良かったですね」ニコニコ
カチューシャ「ふーん、五月蝿いのを除けばまぁまぁお得ね!」
ダージリン「さて、皆さん順調に突破していますわね……私のランクはC。それではそろそろ……ペコ、一度あなたもやってみる?」
オレンジペコ「はい! 是非やらせてくださぁい!」
ダージリン「ではここで一度交代という事で……」スッ
まほ「ダージリンは三戦目で交代か……エリカ、私達も交代するか?」チラッ
エリカ「…………いえ、まだ隊長にお任せしてもよろしいですか?」ウーン
まほ「ふむ、では三戦目もこのまま私が引き受けよう! 今回の相手は……ダージリンか、聖グロだ。これで今回はテーブル10ということが確定したな、次はアンツィオが出てくる筈だ」
アンチョビ「ランクはBだったか……頼むからパンツァーアタックを引いてくれよ!」
ペパロニ「あっドゥーチェ! そろそろ私にも打たせてくださいよ!」コツーン
アンチョビ「あっペパロニ! お前そんな勝手に……次はVストックだから安心して打てると思ったのにぃっ!」
ペパロニ「へへっこれで交代っすね! まぁドゥーチェに高ランクで渡すんで見ててくださいよ! ってありゃ、パンツァーアタック取れなかったっすね! あははは……」
アンチョビ「おいおい、しっかりしてくれ! 罰ゲームがかかってるんだからな!」
ペパロニ「さって、次の対戦相手は……聖グロっすねー! いやー金持ってそうで羨ましいっす!」ケラケラ
アンチョビ「ノーマルテーブルか……となると次はサンダース……私、大丈夫かなぁ……」
みほ「プラウダ……こんな所で負けられない! 勝つ、勝つ……絶対に勝つ!」メラメラ
優花里(あの、今の内に河嶋先輩は逃げた方が宜しいのでは?)チラッ
桃(え?)
杏(やっぱり秋山ちゃんもそう思う? でもなぁ……逃げても怖いよね……)
桃(え? え?)
沙織(みぽりんってば相当な入れ込み方だもんねぇ……さっきの両腕は冗談にしても、何されるかはわかんないよね)
麻子(待て待て、敵前逃亡は反則負けなんて措置をとられてみろ。それこそ西住さんの怒りの矛先が河嶋先輩に向いてしまう。素直に勝負で勝てれば一番なのだが……ダージリンさんのチームが良いテーブルを引いているからな……厳しい戦いだぞ……)
華(やはりここは私が偶然を装ってレバーを叩くのが……)
優花里(五十鈴殿、それで反則負けなんてなってしまったらそれこそ危ないですよ……そうなるとやはり正攻法で勝って貰う他はないのかもしれません……河嶋先輩、勝算はありますか?)
桃(…………任せろっ☆)テヘペローン
柚子(もう、桃ちゃん! 皆が桃ちゃんの事を心配してるんだよ!)
桃(……大丈夫だ柚子、私はもう逃げないと約束したんだ! そう……戦車道からも、人生からも! まほとそう約束したから……私はもう逃げない!)キリッ
みほ「…………? 河嶋先輩、今お姉ちゃんの名前を呼びませんでしたか?」クルッ
桃「……い、言ってないっす」フイッ
優花里(早速逃げてるじゃないですか!)
桃(今のは……西住がちょっと怖かったから……ノーカンで頼む……)
杏(まっ、なるようにしかならないからね。かーしま……頑張りなよ)ポンッ
桃(はいっ! お任せください!)
柚子(不安だなぁ……)ハァ
みほ「プラウダは撃破。さぁ……次……だよ?」ニヤリ
ケイ「三戦目の相手はアンツィオね! どんどん行くわよ、ゴーアヘーッド!」グッ
オレンジペコ「きゃーっ! アンツィオ相手だから楽勝ですぅ! あ……でもみほさんがやられてしまいましたぁ……」
ダージリン「まぁまぁ、ペコ……落ち着いてレバーを叩いてご覧なさいな」ニコッ
オレンジペコ「……えいっ」ズガガガーン
オレンジペコ「みほさん復活ですぅ!」キャッキャッ
まほ「くっ! ふざけた茶番を見せてくれるじゃないか!」イラッ
まほ「まぁいい! これでダージリン撃破だ! ランクはCだが……このままの勢いで行くぞ!」グイッ
まほ「うおっ! なんだ!?」クルッ
エリカ「なんだじゃないですよ! 何で今度は私に交代するか聞かないんですか!? さっきまでは毎回聞いてたのに!」グッ
まほ「……次は絶対に勝てるアンツィオだから私が消化したい」ボソッ
エリカ「…………どっせい!」コツーン
まほ「あっ! お前勝手にレバーを叩いて……これじゃ交代しなくちゃならないじゃないか!」
エリカ「はいはいどいてくださーい。まぁ頑張ってBランク出しますから任せておいてくださいよ!」スッ
まほ「おい、本当に頼むぞ! まだどのチームが罰ゲームを受けるかも決まってないんだからな!」
エリカ「ベルッ! ベルッ! ベルゥーッ! って全然ベル引けないわね。うふふ……」ケラケラ
まほ「……本当に大丈夫だろうな……?」ハァ
ダージリン「さぁどうやら私が一番先に五戦目に到達するようですわね! アンチョビさん……チャレンジバトルをありがとう。これで次がアンツィオなら全国制覇が確定……いざ!」コツーン
ダージリン「黒森峰ですわね、残念ですけど……しかしチャンスチームもありますから勝負にはまだまだ有利ですわ!」
オレンジペコ「ダージリン様が五戦目に一番乗りですぅ!」
ケイ「流石ダージリンね! でも私もまだまだ負ける気は無いわよ!」ボコーン
ケイ「オーケー! 私達も五戦目に到達よ! アリサ、準備はいい?」クルッ
アリサ「ご丁寧にBランクまで付けて貰っちゃって……イエスマム! 一日独占権は必ず私が貰うわ!」グッ
カチューシャ「あぁー! ノンナ、私達が一番遅れているわ! 敵チームが避けてばかりで当たってくれないのよ! んもう! 全員シベリア送りにしてやるんだから!」
ノンナ「落ち着いてカチューシャ、先ずは負けない事です。さぁ次は四戦目の聖グロリアーナです、頑張りましょう!」ニコニコ
ペパロニ「いやー何か全然駄目だったっす……Vストックで継続はしたっすけど、Cランクでした……ドゥーチェ、申し訳無いっす……」ショボーン
アンチョビ「……なぁに、後はこのドゥーチェアンチョビに任せておけ! サンダースだろうが黒森峰だろうがこの私が何とかしてやる!」
まほ「おい……おいエリカ! これは何ランクだ……言ってみろ!」グッ
エリカ「Cって書いてありますね。ダージリンさんがDならCはカチューシャかしら?」ペロッ
まほ「カチューシャはKだ! 全くこの重要な場面でCランクとは、後で覚えておけよ!」
エリカ「ま、罰ゲームは隊長だけですし……頑張ってください! 応援はしてます!」ヘラヘラ
まほ「罰ゲームは私が受けるが後でそれ相応の仕打ちは受けて貰うからな!」
エリカ「何でそうなるんですか! 横暴ですよ!」
まほ「ふん、横暴で結構! 隊長の足を引っ張るなんて副隊長としてあるまじき事、罰の連帯は当然の事だ!」
エリカ「最悪ぅ……」
ダージリン「あら? 終わってしまいましたわ……ですが黒森峰まで行ければ充分でしょう! 後は皆さんの結果を優雅に待つとしましょう……ペコ、紅茶をお願い」
オレンジペコ「了解しましたぁ、どうぞ……」コポコポコポコポ
アンチョビ「サンダース、突破だ! さぁ私達も五戦目、黒森峰戦に突入だぁーーっ!」バンッ
ペパロニ「ドゥーチェ、聖グロが終わったみたいっす! 奴等に目にものを見せつけてやるチャンスっすよ! やってやりましょう!」グッ
アンチョビ「よーし、ベル! ベル! レア役! ベルゥーッ!」
ペパロニ「ドゥーチェ、口だけで全然何も引けてないじゃないっすか! あとあんこうチームしか残ってないっすよ!」
アンチョビ「うるさい! これからが本番だ、見てろよぉーー!」ボコーン
アンチョビ「あっ……み、みほぉぉーーーーっ!」ガタッ
みほ「な、何ですか!?」ビクッ
アンチョビ「あ、すまん……私の台のみほがやられてしまってな……つい大声が……」シュン
みほ「き、期待に応えられずに何かすみません……」ペコ
アンチョビ「いやいや、私の引きが足らなかったんだ。騒がせてすまなかったな!」ハハハ
まほ「……アンチョビも遂に終わったか。残るは4チーム……この勝負、負けるわけにはいかないぞ!」グッ
カチューシャ「このカチューシャを舐めないでよね! 聖グロ何かに負けてたまるもんですか! さっさと聖グロを倒して私達も早く五戦目に行かないと……」ボコーン
カチューシャ「このっ! このっ! んもうっ! オレンジペコが避けまくって鬱陶しいわ!」スカッ
ダージリン「ペコ……カチューシャさんが苦戦しているようですわよ……応援して差し上げましょう!」ニコッ
オレンジペコ「はい! ダージリン様の仰せの通りに!」バッ
カチューシャ「ちょっとあんたなんでカチューシャのところばっか来るのよ! あっち行きなさいよ」シッシッ
ダージリン「あらあら、周りを見ても五戦目に到達していないのはカチューシャのチームだけですもの……同じ戦車道を志す仲間として、応援するのは当然の事ではなくて?」ニコッ
ダージリン「ペコ、カチューシャとノンナさんにも紅茶を用意してあげて?」チラッ
オレンジペコ「畏まりましたぁ! はい、どうぞ!」コポコポコポコポ
カチューシャ「いらないったら! あっ、あっ……ミホーシャ! 避けてぇ!」ボコーン
カチューシャ「あああぁぁぁぁ……………………ミホーシャ、あれぐらい避けなさいよ……」ガクリ
みほ「ガルパンGの私が何かすみません……」
ダージリン「あらぁーーー! 残念でしたわねカチューシャ……でも気を落とさないで! ペコ、紅茶に合うお菓子の準備をお願い! 罰ゲーム……何だか楽しくなって来ましたわね!」ニコニコ
カチューシャ「ひっ! カ、カチューシャが罰ゲームなの?」
ダージリン「カチューシャ、あなた一人だけが五戦目に到達出来なかったもの……仕方ないわよね? それにしてもどんな罰ゲームなのかしら、あぁ……早く勝負が終わらないかしら……」ニコニコ
アッサム「ダージリン、そんなに言ってはカチューシャが可哀想よ……」
ノンナ「すみませんカチューシャ……ですが罰ゲームなら私が代わりに受けます! 安心してください!」グッ
ダージリン「それは駄目よ。罰ゲームは各チームの隊長が受ける、それはまほさんも説明していた筈よ? ルールはルールですもの、ね?」
カチューシャ「うぅ……分かったわよ! カチューシャが受ければいいんでしょ!」プイッ
ノンナ「いえ、私が受けます! 今からまほさんに提言して来ますから待っててください!」ダッ
カチューシャ「ノンナ、ありがとう。でも提言なんてしなくていいわ! ルールは守らないと、それは戦車道でも同じことだし……それよりノンナ、あなたに打たせてあげられなくてごめんなさい……」
ノンナ「ううぅぅ……カチューシャ! 私はそのお気持ちだけでも充分です! 此方こそカチューシャのお力になれずにすみません……!」サメザメ
カチューシャ「ノンナ……」
ノンナ「カチューシャ……ッ!」ダキッ
ノンナ「あぁカチューシャ! カチューシャ! カチューシャァァーーーーッッ!」ギュゥゥゥ
ノンナ「カチューシャァァァァァァァアァァァアァァアアーーーーッッッッ!!!」ギュウウウウウウウウウウウウ
カチューシャ「うぶぶ、つぶ、潰れちゃう……」ギュムギュム
ダージリン「……もしかして罰ゲームはもう始まってるのかしら?」チラッ
オレンジペコ「何を言ってるんですか、早くカチューシャさんを助けましょう! このままじゃ潰れちゃいますよ!」サッ
ダージリン「全く世話のやける……ほらほら、罰ゲーム前にリタイヤなんて許しませんわよ! ノンナさん、その手をお離しなさい!」グイッ
カチューシャ「たす、助かったわ……」ハーハー
アッサム「皆で何をやっているのだか……さて、勝負はどうなってるのかしら?」クルッ
みほ「サンダース撃破、Bランクだね。さて、と……」クルッ
みほ「河嶋先輩。私が先程言った通りにこの勝負を河嶋先輩に預けます! 準備は出来ていますか!?」スッ
桃「……かしこまりぃぃぃーーーーーっっ!」ダンッ
桃「ん? パンツァーアタックは取れなかったか……ふふふ、お茶目さんめ!」ニヤリ
みほ「……………………」ジー
柚子「も、桃ちゃん! 真面目にやんないと駄目だよぉ!」アタフタ
桃「ふふ、すまんすまん。さて人数は……と、7対8……このピンチ……逆に燃えてくるな!」ンフー
みほ「……………………」ジー
杏(駄目だ……このままじゃかーしまが殺られちゃう!)
沙織(みぽりんが真後ろに立って見下ろしてるよ……これ超怖いね)
優花里(最早我々には祈る事しかできませんね……河嶋先輩……御武運を!)ギュウ
まほ「ほう、残ったのは私と桃ちゃんとアリサか……これは良い勝負になりそうだな!」
桃「まほ……私の戦車道を見せてやる。覚悟するといい!」グッ
アリサ「年上だからって譲りませんよ、この勝負は絶対に勝ちます!」グッ
まほ「二人ともやる気だな、だが勿論私だって負けるつもりは無い! さぁ勝負だ!」バッ
ケイ「アリサーッ! 負けたら反省会よーっ! フレッフレッアリサーッ! レッツゴーアリサーッ!」
ナオミ「負けたらまた反省会をするのかい? やれやれ……アリサ、負けるんじゃないよ!」
アリサ「……ベルの引きも良い……この勝負だけは負けたくない、負けてたまるもんですか!」
小梅「隊長ー! ここが勝負どころですよ、頑張ってください!」
エリカ「隊長が負けたら連帯責任で罰なんて絶対に嫌ですから勝ってください! お願いしますよ!」
まほ「エリカ! お前はチームの足を引っ張ったから勝っても負けても営倉行きだからな!」
エリカ「んじゃもういっそ負けろぉ! くそったれぇ! くたばれぇー!」バンッ
小梅「エリカさん! 駄目ですってば!」グググ
杏「かーしま、とにかくベルを引くんだぞ。引けさえすれば負けないんだから」
桃「会長……お任せください! ふん!」ボコーン
桃「あ、またやられた。ふん! 気合いが足らんぞレオポンチーム!」プンプン
みほ「……………………足、かな」ボソッ
柚子「桃ちゃぁぁぁん! もっと真面目にやってぇ!」ウワァァァン
桃「最初から私は真面目にやっている! だが大洗チームの皆が避けてくれないんだ!」
杏「かーしまぁ、ベルを引けぇ! ベルを引かないと殺られるぞぉーっ!」
まほ「ふふふ……盛り上がってきたな! 残念ながら罰ゲーム受けるチームは決まってしまったが……そうだ、賞品の一日独占権についてだが、具体的にはどんな感じにするんだ?」チラッ
みほ(むっ! 優花里さん、お願いっ!)グイッ
優花里「おっふ! え、えぇとですね……あの、好きなシチュエーションも可です! 拒否権はありません!」
アリサ「って事は男装したまほさんとデート出来るじゃない! 絶っっっ対に勝つわ!」フンスフンス
まほ「アリサ、そんなことを私にさせる気か、まぁ賞品というなら仕方ないか……」フゥ
優花里(西住殿ぉ、こんなところでどうですかぁ!?)チラッ
みほ(最高の答えだよ優花里さん! はむはむだけじゃなくて……はむはむふぇすてぃばるも開催してあげるね!)ニコッ
優花里(は、はむふぇすぅぅぅーーーーっっ!? そ、それってはむはむはむすとりんぐすも付いてるんですか!?)ハァハァ
みほ(勿論してあげるよ! 優花里さんのはむすとりんぐす……ちゃ、ん、と、綺麗にしておいてね!)ニコッ
優花里(は、はぁ……はぁ……はいぃぃぃーーーーっっ!)バッ ダダダ
沙織「ちょ、ちょっとゆかりん、どこ行くのぉー!?」
優花里「私は今からバター買ってきます! マーガリンと生クリームもセットでぇーー!」ダダダ
沙織「な、なんでバターとマーガリンと生クリームを…………?」
麻子「ふーむ、食べる……とか?」
華「きっと何かに塗ってはむはむするんですよ。何に塗るかはわかりませんが……」フフフ
麻子(はむはむ……って何だ?)ウーン
アリサ「うらぁ! 次ぃ! もっとベルを……ベルを寄越しなさいよぉぉーーっっ!」ボコーン
まほ「はいっ! はいっ! セイッ! カモッ! うぅ……余りベルが引けん……」
桃「打って打って打ちまくれぇぇーーーっっ! あっまたやられた! うさぎさんチームめ、後で説教だ!」
みほ「……………………」ジー
みほ「…………会長、お話が」クルッ
杏「うひぃ! な、何かな西住ちゃん?」ビクッ
みほ「あの、河嶋先輩の為に会長にも協力して欲しいんです。お願いできますか?」
杏「協力……協力ね、オーケーオーケー! 西住ちゃんとかーしまの為になら私も頑張るよ! んで、何をすればいいの?」
みほ「ありがとうございます。そうですね、河嶋先輩に危機感を持たせる為に演技でもしてもらえるとありがたいんですけど……いいですか?」ジー
杏「あはは、演技ね……私に出来るかなぁ……ま、やってみるよ!」ニコッ
みほ「…………言質は取りました、では華さん……お願いします!」パチン
華「畏まりました、では会長……失礼しますっ!」ガッ
杏「どわっ! ちょ、私を羽交い締めしてどーすんの!?」ジタバタ
みほ「河嶋先輩、後ろを見てください!」
桃「何だ何だ騒々しい! こっちは今良いところなんだぞ!」クルッ
桃「か、会長!? おい五十鈴、その手を離せ!」グッ
みほ「河嶋先輩、落ち着いてください。会長にはまだ危害を加えません」
杏「……え……もしかして今、まだって言った?」ビクッ
みほ「はい、まだです。しかし河嶋先輩がガルパンGで自軍を一両失う毎に会長には何らかの制裁が加えられていきます」
桃「なっ!? そんな事が許されると思っているのか! 西住……貴様ふざけるなよ!」ガッ
みほ「いえいえ、これは会長自身も了解しての事です。ですよね、会長?」チラッ
杏(おいおーい、これ本当に演技で済むの……? うーん、でもこのままじゃかーしまも負けそうだし、これで少しでも流れが変わるのなら協力してもいいかな……)
杏「かーしま……勝てっ! 勝って私を助けろぉーーっ!」ジタバタ
桃「わ、態々会長が私の為にそこまで……分かりました! 必ず勝って会長を助けて見せます! ふん!」ボコーン
桃「あ…………っ!」ビクッ
みほ「河嶋先輩のあひるさんチームがやられましたね。では華さん、お願いします」パチン
華「はいっ! 私、実は前々から会長の肉置きにとても興味が沸いておりまして……その小柄な体躯でありながらも所々にある女性の主張を表すかのような柔らかな膨らみが本当にたまりませんわぁ……それでは、準備はよろしいですね?」グッ
杏「え、演技だよね!? 西住ちゃんも演技って言ったよねぇ!? 何か雰囲気おかしくない!?」ジタバタ
華「勿論演技ですとも! 演技即ち見物人の前で演じる技! この裏五十鈴流の妙技、とくとご覧あれ!」バババッ
杏「は、嵌められた!? わっちょ、そんな……んんっ!」モジッ
桃「会長ぉぉぉーーーーっっ! 貴様等会長を離せぇーーー!」ガッ
みほ「華さん、ステイッ!」ビシッ
華「おっと……止められてしまいましたわ。ですけど仕方ありませんよね、ふふふ……河嶋先輩にはまだ3両も残っていますもの。ねぇ、会長? えいっ」ピンッ
杏「あんっ! ちょ、そこを弾くのは止めてよっ!」ビクンッ
華「みほさんにお願いされてますので、そう仰られても私にはどうすることも出来ませんわ。河嶋先輩が勝つことでも祈られては如何です?」ウフフ
杏「か、かーーーーしまぁぁぁーーーーっ! ベルを引いてくれぇーーーっ!」ジタバタ
みほ「河嶋先輩、会長もこうしてベルを引くことを望んでいます。是非ベルを引いてください」ジー
桃「……ひ、引けなかったら会長はこれ以上どうなるんだ!?」アゼン
みほ「今、河嶋先輩の脳裏に嫌な想像が浮かんでいるでしょう? それが脳裏ではなく眼前で繰り広げられるだけですよ。ま、するのは華さんなので多少の色は付くかもしれませんが……」ジー
華「……楽しみですねぇ、会長?」グリグリ
杏「ぐ、ぐりぐりすんの止めてよぉ……」シュン
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桃「……ふふ、ふふふふふ……余り私を舐めるなよ西住! ふん!」ボコーン
柚子「やったね桃ちゃん、一両倒したよ! これで相手はあと6両!」
みほ「へぇ……河嶋先輩にプレッシャーかけ過ぎたらまた泣いて喚くかと思いましたけど……」
桃「それは昨日までの私の話だろう? 泣いても喚いても事態は好転しない……勝利を掴めるのは……いつだって最後まで足掻いた者だけだ! 行くぞ、はぁっ!」ボコーン
柚子「またやられたぁ! 後2両しかないよ桃ちゃぁぁぁん!」
みほ「…………華さん、お願いします」パチン
華「はぁーーい! さ、かーいちょ……まぐまぐしましょうねぇ……っ!」マグマグ
杏「そんっ! あっ、そんな人前でこんなっ! だ、駄目だよぉ……っ!」クネリ
桃「すみません会長ぉぉぉーーーーっっ!!」ガタガタ
まほ「……全く、何をやっているんだか……何時如何なる勝負でも油断は禁物だというのに……ふんっ!」ボコーン
まほ「よしよし、ベルの調子が戻ってきたな。引きも命中率も良い感じだぞ!」ニコニコ
まほ「黒森峰側は後3両だが、此方も3両残っているからな……何とか隊長同士の闘いまで持っていき……たいっ!」ボコーン
まほ「ふぅ……何とか黒森峰副隊長のエリカを引きずり出したぞ! ふん! ふん! 当たれぇ!」スカッ スカッ
エリカ「くくっ……我ながら良く避けるわねー。良い気味だわー」ニコニコ
小梅「もう、エリカさん! そんな事言ってるとまた隊長に怒られますよ!」
エリカ「負けても勝っても営倉行きならここで隊長を苦しめてくれた方が私の溜飲が下がるってもんよ。ガルパンGの私……頑張りなさい!」ニコニコ
まほ「エリカの奴……また勝手な事を言ってくれる! おい、エリカ……次避けたらビンタだぞ!」
エリカ「ぷぷぷ……台にビンタって……台パンでもする気かしら」プププ
小梅「いえ、多分……本体のエリカさんに言ってるのかと。隊長もこっち見てるし」チラッ
エリカ「嘘でしょ!? あ、めっちゃこっち見てる! ちょ、お願い当たって……私!」ボコーン
まほ「よし、エリカは撃破だ! さぁ残りは黒森峰の隊長……西住まほ、つまり私だな!」
アリサ「むぅー、まほさんが調子良いわね……大洗の副隊長はあのまま自滅しそうだし……何とか勝ちたいけど、黒森峰の連中は回避率高すぎるのよ! 避けすぎぃー!」プンプン
ケイ「アリサー! 負けてるわよー! このままじゃ本当に反省会よ? ゴーゴー!」
アリサ「反省会……も嫌だけど……今はまほさんの男装デートの方が欲しい! まほさん、一つ伺ってもいいですかっ!?」グッ
まほ「お、おぉ……どうした、何でも聞いてくれ。私の好きな食べ物ならカレーだぞ?」ニヤリ
アリサ「……カレー……は置いといて、私が勝ったらまほさんに男装して貰いますけど……どこまでオーケーなんですか? あの……その……」ゴニョゴニョ
まほ「男装は決定なのか……そうだな、アリサに全て任せよう。立ち居振舞いから在り方まで全てアリサの望む私を演じてみようじゃないか。私は不器用なので何処までアリサを満足させられるかは疑問だがな」ハハハ
アリサ「…………今の録音しましたからね! よっしゃ、気合い入ってきたわよ! おらおらおらぁーーーっ! 黒森峰のモブ共、とっとと消え失せなさい!」ボコーン ボコーン
アリサ「ふふふふ……まほさんがサンダースに来たら……待ち合わせ……デート……ハプニング……バー……ハプニング……ホテル……ハプニングッ!」カッ
まほ「ハプニング多すぎだろ!?」
ケイ「最後はライスシャワー! ライスシャワー!」キャッキャッ
まほ「待てケイ、止めろ。アリサを煽るな! 男装ってあくまで一日だけの話だろ!」
アリサ「一日あれば……出来ます!」グッ
まほ「何がだ! 恐ろしいことを言うな!」
アリサ「まほさん、私はですね……優しくて格好良くて凛々しくて家柄も良くて頭が良くて私と趣味が合ってスラッとした体型でちょっと良い声で私に優しくて私が盗聴しても盗撮しても受け入れてくれて一緒に過ごすだけで安らぎを得ることができてマイナスイオンを放出してくれて最後にそっと抱き締めてくれるまほさんが欲しいです!」グッ
まほ「私はマイナスイオンなんて放出していない! 落ち着けアリサ!」
アリサ「全部は無理でも出来るだけ付き合ってくれるんですもんね? まほさんにぴったりな服がありますから……覚悟してくださいね?」ニコッ
まほ「あ、あくまで勝負に負けたらだぞ! くっ……これは益々負けられなくなったな、負けたら何をされるか分からんな……うーむ、そういえば桃ちゃんはどうなったんだ?」チラッ
杏「んっ……んっ……なにこれぇ、こんなのだめだよぉ……」クネッ クネッ
華「駄目な事なんて一つもありませんわぁ……さぁ会長の奥の細道を皆様に見て頂きましょうねぇ……」クイッ クイッ
桃「あわわわ……えらいこっちゃ……会長がどえろいことに……」ブルブル
みほ「河嶋先輩のチーム……後1両しか残っていませんよ? もし河嶋先輩がその最後の1両を落としてしまったら、私はこの指を鳴らさなければなりません。そうすると会長がどうなるかは……分かりますよね?」ニコッ
桃「に、西住ぃそれは止めてくれ! くっ……こ、怖くてレバーがた、叩けない!」プルプル
華「女性は誰しも己の華道をお持ちになっております。さぁ会長の華道を皆様に御披露目する時が近づいております……さぁ最後の1両ですよぉ……準備しておきましょうねぇ……」グイッ グイッ
杏「あふっ……あっ、だめぇ……こじあけないでぇ……」ビクンッ
みほ「河嶋先輩……どうしますか? もうこの指を鳴らしちゃいますか?」スリスリ
桃「ま、待ってくれ! はぁ……はぁ……すぅーーーーはぁぁーーーーー……」グッ
桃(落ち着け、先ずは呼吸を整えて戦況を確認だ! 私の台は1対3、俄然不利な状況……しかしこのままいつまでもじっとしていても埒が明かない。まほの言葉を思い出せ! 己を奮い立たせろ、河嶋桃! ここはもう不退転の覚悟で切り抜けるしか……ない!)カッ
桃「会長ぉぉぉーーーっっ! か、会長の貞操……私に預けて貰います!」バッ
杏「えぇぇ……貞操はもう大分汚されちゃってるんだけど……あんっちょ、まだしゃべってるのにぃ」キュッ
桃「はいぃぃぃぃーーーーっっ!」コツーン ボコーン コツーン ボコーン
みほ「よし、河嶋先輩が立ち直った……これで三人共黒森峰のエピソードバトルに入ったね。ここまで来たら後はもう祈るしかない……っ!」ギュウウ
まほ「ほう、三人共エピソードバトルに辿り着いたか。どうやらここで決着がつきそうだな。だがこのガルパンGの私は手強いぞ、準備はいいか?」チラッ
アリサ「ふふ……勿論ですとも。黒森峰のエピソードバトルの突破率は33%。三人なら確率的にも丁度良いですね……勝ち抜けるのは私です!」
桃「私が負ければ会長の純潔は散らされてしまうかもしれない……そんな事を許すわけにはいかない! この勝負は絶対に負けられない! 勝つのは私だ!」
まほ「二人とも気合い充分といったところか……しかし私とて負ける気はさらさら無い! さぁ行くぞ!」
まほ 「勝負!」白タイトル
アリサ「ふんっ!」白タイトル
桃 「どっこい!」赤タイトル
みほ「赤タイ、この流れなら行けるっ! 河嶋先輩勝ってください! 本当にお願いしますぅぅ!」ギュウウ
まほ 「レア役来い! レア役来い!」白テロップ
アリサ「金テロ来なさいよぉ!」赤テロップ
桃 「会長の操を守るのは私だ!」赤テロップ
みほ「行ける行けるぅぅ! これ勝てるよぉ! ついでにレア役を引いて駄目押しして欲しいよぉ!」ギュウウ
まほ 「白タイ白テロ……だがボタンを押すまでは……!」テン テテテテテン プッシュ
アリサ「経験上赤テロだけでも充分に押し切れる、きっと大丈夫よ……!」テン テテテテテン プッシュ
桃 「今、私はまほを超える……!」テン テテテテテン プッシュ
みほ「神様仏様八幡大菩薩様お願いします、これから暫くの間は良い子にしますからどうか今回だけは河嶋先輩を勝たせてください……っっ!」グググ
まほ 「当たれぇぇぇーーーっっ!」ズドドドドドーン
アリサ「とったぁぁぁぁーーっっ!」ポスン
桃 「貰ったぁぁーーーーっっ!」ポスン
まほ 「……勝った……のか?」キョトン
アリサ「ああああぁぁぁああーーー…………」ガクリ
桃 「…………お?」キョトン
みほ「…………は?」キョトン
桃「…………え?」クルッ
みほ「…………はぁぁぁぁぁぁぁぁーーー…………っっ! 本当にもう……!」パチン
華「どうやら大勢は決まったようですね。では会長……お覚悟を!」
杏「いやいやいや、これ以上は本当にまずいって! ちょ、誰か助けて!」ジタバタ
桃「か、会長ぉぉーーーっ! 私の力が及ばなかったばかりに……くそぅ!」ガクリ
まほ「……こらこら、みほももういいだろう? 杏を離してやってくれ」チラッ
みほ「……うぅーー、はい……」シュン
華「あらら、残念。折角これからでしたのに……ね、会長?」
杏「いやぁもう充分でしょ……私、恥ずかしくてもうこのお店に来れないよ……」
華(ちなみにみほさんの裏西住流は私よりすんごいですよぉ? それこそもう戻れなくなってしまう程に……)ボソッ
杏(…………それってまじ?)ゴクリ
華(まじ、です……)ボソリ
ーーーーーーーーーー
まほ「さて、黒森峰を突破した私も続く6回戦で負けてしまったが……私が率いる黒森峰チームが優勝ということで皆も異論は無いな?」
ダージリン「そうね。まほさん、おめでとう!」パチパチ
カチューシャ「悔しいけどカチューシャの負けね……」グスン
アンチョビ「我々も良い所までは行ったんだがなぁ……次こそは! とはいっても次なんてあるのか、これ」
みほ「うぅ……合法的にお姉ちゃんの深層心理に私を刻み付けてお姉ちゃんの優先順位を塗り替えるチャンスだったのに……」ボソッ
桃「西住……その言葉はちょっと怖いが……私の力が及ばずに負けてしまったな。すまなかった……」
みほ「あっ、そんなに気にしないでください! 私もVストックやアンツィオを渡せませんでしたし、河嶋先輩には申し訳ありませんでした……」
エリカ「でへへ、隊長ぉ流石ですぅ! やっぱ隊長がナンバー1ですよぉ! やた1! やた1! 私は初めから隊長が勝つって信じてましたから、でへ、でへへへ……」スリスリスリスリ
まほ「エリカ……胡麻を擂るにしても、もう少し上手くやれないのか? まぁいい、勝てたのだからエリカへの罰は無しとする。これでいいんだろう?」
エリカ「よっしゃ、せふせふぅ! あー助かった!」グッ
まほ「全く、調子の良い奴め。これが来年の黒森峰を引っ張っていくのかと思うと私は心配だよ」ハァ
小梅「あの様な態度を取るのは隊長にだけですから、きっとあれがエリカさんなりの甘え方なんですよ。それにエリカさんが隊長の背中を見て頑張ってきたのは私達皆が知っているので……だから心配はいりません」
まほ「そうかな……いや、そうだな。こうして小梅も側にいるのだから、心配は無用だな」フッ
小梅「ふふ……はいっ! 私も新しい隊長と一緒に頑張ります!」グッ
みほ「お姉ちゃん……それで、優勝賞品の憧れの人一日独占権だけど、誰を選ぶの?」ジー
まほ「む? むぅ……そうだな……」フーム
みほ(選べなくても選ばれれば一日一緒に居られるけど、こっちからは何も言えないからなぁ。相手の支配欲を煽ってコントロールするのって難しいんだよねぇ……お姉ちゃんって嗜虐心とか無さそうだし尚更だよ。やっぱり勝負に勝ちたかったなぁ……)ボー
アリサ(……もし私が選ばれたら私が男装するのかしら? んなわけないか……でもマジハロ5での会話も良い感じだったし、私が選ばれる可能性もあるはず! お願い、この想い……届いて!)グッ
桃(もしかして、私の時代が来るのか? まほはサンダーを打ってる時から何か私に気がありそうだったし……まほの桃ちゃん呼びも慣れてきてしまったし……これはもしかするともしかするかも……っ!)ジー
まほ「若干数名から変な気を感じるが……それは置いといて、賞品の確認をしたいがいいか? えーと、一日独占権を提言したのは秋山さんだったな。この一日独占権には人数の指定はされていなかった……そうだな?」チラッ
みほ(…………優花里さん、期待してるよ!)グイッ
優花里「どわっとぉ! に、西住殿、はむふぇすの時間ですか!?」ビクンッ
まほ「はむふぇす? はむふぇすって何だ?」
麻子(……はむふぇすって何だろう。後で秋山さんに聞いてみようかな?)
優花里「あば、あばばばばばちちちが違うんです! 何ですか、何で皆さん此方を見るんですかあばばばば……っ!」ブクブクブクブク
まほ「ふーむ、まぁいい。秋山さん、先ずは落ち着いてくれ。さて、憧れのあの人を一日独占権には人数の指定はされていなかった、と解釈していいかな?」
優花里「は、はい! 多人数プレイでも何でもオーケーです!」
まほ「……プレイ?」
優花里「はわわわはわわ……たた、多人数でもオーケーです!」プルプル
まほ「……むぅ、よし。では私はここにいる全員を指名するとしよう!」バンッ
みほ「全員……? 全員を……侍らせるの?」
ダージリン「んまぁ! 侍らせるなんて……まほさんったら、破廉恥ですわね!」
カチューシャ「……ノンナみたいな同志が欲しいの?」
ノンナ「私はカチューシャ以外に付き従う気はありません!」ビッ
まほ「違う! 何でそうなるんだ。私はただ、皆で過ごすこの心地良い喧騒の中にまだ暫く浸っていたいと、そう言ったんだ。だからもう少しだけ皆で過ごしたい。勿論自由参加で構わない、用事があるものもいるだろうし……」
ケイ「うーん、つまり……今からパーティーがしたいのね!?」グッ
まほ「ん……まぁ、そうなる……かな?」テレッ
杏「いいんじゃない? 優勝者が望んだことだもん、参加者は出来る限り叶えてあげないとね! ま、大洗女子学園の敷地内だったら好きに使っちゃってよ。パーッと行こ、パーッと!」ニヤッ
ペパロニ「何すか、何が始まるんすか? ドゥーチェ、私らは何をすればいいんすか!?」
アンチョビ「そうだな、やっぱりアンツィオの生徒としてはパーティーの料理では負けられないだろ! よぉーし、大洗女子学園で湯と釜の準備だぁーーーっ!」
カルパッチョ「たかちゃんの為に美味しい特製パスタを作るわね!」ニコッ
カエサル「私のために作ってくれるなんて……ひなちゃん、嬉しいよ」ニコッ
おりょう「その特製パスタとやらはカエサルが食べる前に食い尽くしてやるぜよ」ペッ
左衛門佐「おいおい、いいのかそんな事をして」ニヤニヤ
エルヴィン「また体重計の上で立ち尽くす事にならなければいいがな」ニヤニヤ
おりょう「う、うるさいうるさい! 後で運動するから問題ないぜよ!」
まほ「……さて、では出玉の交換もあるから、一旦解散して各自大洗女子学園に集合という形でいいか?」クルッ
ケイ「オーケー! ナオミ、アリサ、ついでに食材とか買い込みましょ! ヒアウィーゴー!」
アリサ「全員……かぁ……まぁ個人で誰か私以外を選ばれるよりかはいいかも」ハァ
ナオミ「アリサはまほに随分と熱心だけど、タカシから鞍替えでもしたのかい?」
アリサ「違うわ! 男ならタカシ、女ならまほさん。ただそれだけの事よ!」フンッ
ナオミ「どちらも求めるだなんて、そんなに寂しがってる子猫ちゃんがいるなら私に任せてくれればいいのに……」スッ
アリサ「あんた、方々で女を泣かせてるらしいじゃない。そんな奴は御免だわ!」フイッ
ナオミ「泣かせてるなんて心外だな、まぁ結果的に子猫ちゃん達は鳴いているかもね」フフ
アリサ「あーうっさいうっさい、とりあえず隊長の所に行きましょ。まほさんに料理でアピールするチャンスなんだから! この機を逃す手は無いわ!」グッ
ナオミ「……ふーん。そう言うからにはアリサは料理が出来るのかい?」チラッ
アリサ「…………ハンバーグなら、多分ギリギリ出来る」プイッ
ナオミ「それはすごいね。それならまほはカレーが好きだと言っていたし、私と一緒にカレーも作ってハンバーグカレーといこうじゃないか」ニコッ
アリサ「ふん! 余計な気遣いよ……でも、ありがと」ボソッ
ナオミ「ふふふ、どういたしまして」ニコッ
ケイ「ナオミー! アリサー! ハリアーップ!」ブンブン
ナオミ「おっと、うちの隊長がお怒りだ。さぁ行こうか?」スッ
アリサ「手を繋ごうとするな! 一人で行けるわい!」ペシン
ナオミ「おぉ怖い怖い。ケイ、お待たせ」シュタッ
ケイ「ナオミったらまたフラれちゃったわね。さぁ行きましょ! ゴーゴー!」
ダージリン「あらあら、皆さん続々と離れてしまいましたわね……」
オレンジペコ「皆様色々なお料理を用意するようですね。私達は何をご用意すればいいのでしょう?」
ダージリン「ペコったら、私達が用意するものなんて一つしかないでしょう?」ニコッ
オレンジペコ「……そうですね! 私達が用意するのは……」
ダージリン「……うなぎのゼリー寄せ。そうでしょ?」ダジィ
アッサム「絶対に止めてください。ダージリンは普通にお料理が出来るんですから、出すならせめてもっとちゃんとしたお料理にしましょうよ」
ダージリン「ですけど、やっぱり私達の特色を出したいわ。うなぎのゼリー寄せが駄目ならハギスにしましょう? それともスターゲイジーパイ?」
アッサム「んもう、ダージリンってば分かってて言っているでしょう? これだけの人達は集まるんですもの、私達はそれらを繋ぐ物を用意しましょう」
オレンジペコ「ふふふ……色々な料理が出てきそうですもんね。それならやっぱり色々な紅茶を用意しましょう! きっと皆さん喜んでくれますよ!」ニコッ
アッサム「えぇ、それが良いと思うわ。ダージリンもそれで良いですよね?」チラッ
ダージリン「ふふふ……冗談よ冗談。そうね、紅茶が良いと思うわ。でも今はパーティーより楽しみな事があるのよ?」フフッ
オレンジペコ「ダージリン様、楽しみな事って何ですか?」
ダージリン「それはね……あ、まほさーん! 丁度良かったわ、一つ伺いたい事があるのだけれど……」
まほ「む、ダージリンか。私に何を聞きたいんだ?」
ダージリン「んもう、分かっている癖にぃ! あら、丁度良い所に……カチューシャさん、捕まえましたわよ!」ダキッ
カチューシャ「きゃっ! な、何よ! カチューシャはこれからボルシチとビーフストロガノフをノンナ達と準備するから忙しいのよ! こっこの! 離しなさいよ!」ジタバタ
ノンナ「その手を離しなさい! なんて羨まし……いえ、カチューシャに失礼ですよ!」ガッ
ダージリン「あらあらぁ……お二人とも分かっていらっしゃるでしょう? さぁまほさん、罰ゲームはどう致します?」ニヤリ
カチューシャ「うぐっ、もう罰ゲームの話は別にいいじゃない! ケイもアンチョビも行っちゃったし、カチューシャ達もパーティーの準備をしたいの!」プイッ
まほ「……あぁ、罰ゲームの話か。何だかあやふやになってしまったし、私としては
別に無しでもいいかと思ったのだがな」
ダージリン「そんなの駄目ですわ! カチューシャさんも先程仰っていたでしょう? ルールはルール、罰は隊長がしっかり受けると! さぁどんな罰ゲームにしますか?」ニヤニヤ
まほ「どうしてダージリンがそんなに楽しそうなんだ……」
オレンジペコ「ダージリン様、本当に凄く楽しそうですね……」
アッサム「ダージリンってあぁ見えて結構バラエティ番組とかも好きなのよ。この前もお仕置き系のバラエティを見ながら安全である事の愉悦がどうとか言っていたわ」
オレンジペコ「それ何処の会長なんですか……それにしても、一体どんな罰なんでしょうか……」
ダージリン「うふふふ……さぁカチューシャさん、何が良いかしら。鉄骨渡り? 指ギロチン? あ、そうだわ折角プラウダの方なんですもの。本場さながらのロシアンルーレットは如何かしら?」ワクワク
カチューシャ「ひぐぅ! あ、あまり痛いのは止めなさいよ!」ビクッ
ノンナ「まほさん、まほさん! 罰は私が受けます! だからどうかお願いします、お願いしますぅっ!」グググ
まほ「ぐぐぐぇ、首が絞まってる……ちょ、死ぬ……」グググ
ダージリン「ノンナさん駄目よ? 罰は隊長が受けるとそう決めてあるのですからぁーーっ! うふふふふ……っ!」ニヤニヤ
カチューシャ「うぅ……早く決めなさいよぉ……」ヒック ヒック
まほ(皆一体何を言っているんだ。何だか混乱してきた……あと苦しい……)グググ
みほ「…………」パチン
ねこにゃー「フィンファンネルが行きますぞぉ!」ダッ
ぴよたん「こっちはハイファミリアだっちゃ!」ダッ
ももがー「あぁ、えっと……ドラグ……インコム……? 否、ファング行くぞな!」ダッ
ノンナ「あぁっ!」グイッ
まほ「うぅ……すまない。助かったよ」フゥ
ねこにゃー「西住隊長! まほさんを救出しましたぞ!」ファー
みほ「はい、ありがとうございます。アリクイさんチームには特別ポイントを付与しておきますね」ニコッ
ぴよたん「これでまた目標に一歩前進ずらー!」キャッキャッ
ももがー「さぁ我等も学園に戻って準備するぞな!」キャッキャッ
みほ「お姉ちゃん、大丈夫だった? それにしても優勝者であるお姉ちゃんに対して詰め寄るなんて……カチューシャさん、部下の躾がなっていないんじゃないですか?」ジー
ノンナ「カ、カチューシャは悪くありません! 私が……私が悪いんです! ですからカチューシャには痛いことをしないでください!」
まほ「ま、まぁまぁみほもノンナも落ち着け。この程度でどうにかなる程私も脆弱では無いつもりだ。さて、肝心の罰ゲームだが……そうだな……」フーム
ダージリン「一人ロシアンルーレット! 一人ロシアンルーレット!」キャッキャッ
まほ「何でダージリンがそんなに乗り気なんだ……? よし、決めたぞ! みほ、ちょっといいか? ごにょごにょ……」ボソッ
みほ「……うん、多分あるよ。ちょっと待ってね、優花里さん!」
優花里「……はいはーい! えーと、それなら確かリュックに……ありましたぁ!」ペカー
みほ「はいお姉ちゃん、これでいいかな?」サッ
まほ「ん、ありがとう。ではこれを……ダージリン、受け取ってくれ」サッ
ダージリン「んまぁ! 大きなクッションですわね。ほらほらカチューシャさん、見てごらんなさい、まるでパンツァープッシュを模したような形ですわ! さぁ持ってみて!」キャッキャッ
カチューシャ「……PUSHって書いてあるわね。柔らかくて気持ち良いわ。それで、これで何をするのよ」フンッ
まほ「……む? えーと、それで後は罰ゲームに使うのはこれだな。ダージリン、これを」スッ
ダージリン「これは何かしら……格言集? どんな罰ゲームが始まるのかしらねぇ、さぁカチューシャ……どうぞ」スッ
カチューシャ「うぅ、何よこれぇ……」ブルブル
まほ「待て待て、さっきから何で道具をカチューシャに渡すんだ?」
ダージリン「だって、罰ゲームなんでしょう?」クリッ
まほ「あぁ、罰ゲームだぞ?」フーム
ダージリン「…………え?」ジー
まほ「…………お?」ジー
ダージリン「…………は?」ジー
まほ「…………あっ!?」ポンッ
まほ「どうやら勘違いしているようだが……罰ゲームを受けるのはお前だぞ、ダージリン」フゥ
ダージリン「…………え?」キョトン
カチューシャ「…………そうなの?」キョトン
ダージリン「で、でもカチューシャさんは4回戦敗けで、私は5回戦の黒森峰まで到達したんですのよ?」アタフタ
まほ「確かにダージリンの言う通りだが、今回は最初に言った通り出玉勝負だぞ? ガルパンGは1セットのゲーム数が不定期だからな、ベルを引いて粘れればそれだけ枚数が増える。それを踏まえれば一番最初にATが終わってしまったダージリンが一番出玉が少ないのは道理だろう?」
ダージリン「えぇ……そんな……そんなはずは……」プルプル
まほ「小梅、結果枚数は記録しているな?」チラッ
小梅「あ、はい! ダージリンさんが389枚、次に少ないのはアンチョビさんで405枚、カチューシャさんは421枚ですね。一応写真も撮ってあります」サッ
まほ「うーむ、オレンジペコがアンツィオ相手に即敗北してたのが響いたかな。アンツィオテーブルは獲得枚数が少なくなりがちだから、仕方ない事だが……」
ダージリン「はわ、はわわわ……」プルプル
カチューシャ「ねぇねぇノンナ、カチューシャは助かったの?」チラッ
ノンナ「はいカチューシャ! 偉大で可愛く尊大な同志カチューシャが罰ゲームを受ける道理は御座いません! さぁその忌まわしいクッションはダージリンさんに投げ付けてしまいましょう!」ニコニコニコニコ
カチューシャ「ふーん、へぇ、なるほろ…………おらーっ!」ブンッ
ダージリン「へぶぅ!」ボスッ
カチューシャ「さっきは随分とこのカチューシャに色々と言ってくれたわね! さぁ罰ゲームの時間よ! ノンナ、罰ゲームは何だったかしら?」フンッ
ノンナ「ダージリンさんは確か一人ロシアンルーレットを熱望していたかと……ご安心ください、既に準備は出来ております」サッ
カチューシャ「もう準備がしてあるなんて、流石ノンナだわ。さぁダージリン、引き金を引くタイミングはあなたに任せてあげるわ!」ケラケラ
アッサム「ちょっと! それ散弾銃のヴェープル12じゃない! リボルバーが無い散弾銃でロシアンルーレットなんて出来る訳ないでしょう!? 絶対に弾が出ちゃうじゃないの!」
カチューシャ「一人でロシアンルーレットをするならいつかは必ず弾が出るんだもの! 空打ちの心配を態々このカチューシャが無くしてあげたのよ! 感謝しなさい、アハハハハハ……ッ!」ケラケラ
ノンナ「あぁカチューシャ……勝負に負けた負け犬にも配慮するとは……本当にお優しい人……っ!」ジーン
ダージリン「ひぇぇ…………」プルプル
まほ「……言うほど配慮してるか?」チラッ
小梅「いえ、全然。カチューシャさんも先程までは言われ放題でしたから、その反動ですかね。カチューシャさん、まるで水を得た魚ですもの……」
まほ「もうそろそろ止めるか。さぁ二人とも、そこまでだ!」ビシッ
カチューシャ「止めないでマホーシャ! さっきまで散々言ってきたのはダージリンの方なのよ、言うだけ言って立場が逆転したら知らんぷりなんて通る筈が無いでしょ!?」
ダージリン「ちょ、ちょっとした冗談ですのよ! 私がカチューシャさんにあんなこと本気で言う訳がありませんわ! だから……ね?」ニコッ
ノンナ「…………足から打ちましょうか?」サッ
まほ「おい! 止めろ!」バッ
カチューシャ「ノンナ! 小指から順番にしましょう! 右足の小指からよ!」
ダージリン「えっちょ、きゃーっ! ぺ、ペコ、助け……」ガタガタ
カチューシャ「アハハハハハッ! ダージリン、良い様だわっ!」ケラケラ
まほ「あぁもう! お前らいい加減に……っ!」
ノンナ「カチューシャ、射撃ならお任せください!」サッ
みほ「…………っ!」ドンッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
カチューシャ「ひっ!」ビクンッ
ダージリン「きゃっ!」ビクンッ
ノンナ「くっ!」ビクンッ
まほ「あんっ!」ビクンッ
みほ「……お姉ちゃんが喋っているでしょ? 少し黙ってね?」ニコッ
カチューシャ「あわわわわわ……」プルプル
ダージリン「ひぃぃぃ……」プルプル
まほ「あぁ、えーと……あの、喋ってもいいですか?」チラッ
みほ「勿論だよぉ! 私がお姉ちゃんの邪魔をするわけ無いでしょ、さぁどうぞ」ニコッ
まほ「あっ……はい。おほん! さて、ダージリンへの罰ゲームだが……『リアルダージリンのこんな格言を知ってる?』にしようかと思う」
ダージリン「そんな事で良いんですの? はぁー助かりましたわ、では早速……ごほん!」バッ
まほ「だから待てと言うのに。何のためにPUSHクッションと格言集を渡したと思っているんだ。ダージリンが格言を言う相手はな…………」ゴニョゴニョ
ダージリン「え、えぇーっ!? そそそもそも私はあの方とそれほど面識は御座いませんのよ!? 問題になったらどうしてくださるの?」ビクッ
まほ「その時は私とみほが上手く取り成すさ。みほ、居場所は分かるか?」チラッ
みほ「うん、任せて!」グッ
まほ「では行こうかっ!」バッ
ーーーー路地裏ーーーー
???「あぁ……流石に一日中打つのは身体に負担が大きいわね……」チラッ
???「勝負も決着が付きませんでしたし、とりあえず何か飲みにでも行きましょうか……」フゥ
しほ「そうね、今日は遅くなると伝えてあるし……これからゆっくりと飲みましょう?」
千代「それなら蝶野さんも呼びましょうか、でも呼ぶには少し時間が遅いかしら……」チラッ
まほ「ターゲット確認、全員配置に付け!」サササッ
みほ「うわぁ……お母さんと島田流の家元両方居るじゃん。ダージリンさん、御愁傷様……」サササッ
ダージリン「ちょっとぉ! あの方達相手は絶対に無理よっ! 無理無理無理無理エスカルゴなのっ!」
まほ「まだちょっと言い回しに余裕があるな。流石は聖グロリアーナの隊長だ、安心したよ」ハハハ
ダージリン「あぁっ! そんな、ちょっとしたジョークなの! カチューシャさん、お願い助けて!」グッ
カチューシャ「一人ロシアンルーレットよりマシじゃない! さっさと行って来なさいよ!」
ダージリン「……この渡された格言集を見てもそう言えますの?」サッ
カチューシャ「…………あっ……ほ、骨はこのカチューシャが拾ってあげるわ!」グッ
ダージリン「そんなご無体なっ! お願いだから別の罰ゲームにしましょう!?」ウルウル
オレンジペコ「あぁダージリン様……おいたわしや……」ウルウル
アッサム「ねぇまほ、本当に大丈夫なんでしょうね? 殺されたりしないわよね?」
まほ「まぁ大丈夫だろう、あの二人から逃げ切れればな。さて、ガルパンGに於ける『ダージリンのこんな格言を知ってる?』と言えばVストック特化ゾーンだが、今回はそれを模して『リアルダージリンのこんな格言を知ってる?』を行う!」
まほ「あそこに居る二人に此方が用意した格言を言って貰う訳だが……もし、用意した格言8個全てを言う事が出来ればガルパンGにもある『8つの格言革命』達成としてダージリンの願いを一つ叶えてやろうと思うが……皆もそれでいいか?」クルッ
みほ「全部言えたならそれぐらいの恩恵が有っても良いよね、私達はおっけーだよ!」
カチューシャ「……カチューシャ達も了承するわ。でも理解できないぐらい早口とか日本語以外で伝えるのは当然禁止よ!」
ダージリン「あぁ、そんなっ! ペコぉ! それなら手話の準備をお願い!」
まほ「手話も禁止に決まっているだろ、格言は口頭で尚且つ日本語以外禁止だ。始まりの音源は先程携帯で送っておいたから使ってくれ。そうだな……一応補佐として誰かを連れていってもいいが……」チラッ
ダージリン「……ペコ、アッサム! ペコとアッサムを補佐として指名しますわ!」
アッサム「……私は走るのが余り得意では無いので……ダージリン、ごめんなさい……」プイッ
オレンジペコ「ダージリン様すみません。もしもの時、私も逃げ切れる気がしないので今回だけは遠慮させて頂いてもよろしいですか……?」プイッ
ダージリン「……カチューシャさん? ノンナさん?」チラッ
カチューシャ「絶対に嫌よ! 何でこのカチューシャが補佐とはいえ罰ゲームの場に行かなきゃなんないのよ!」プイッ
ノンナ「ダージリンさん、ご安心してください。罰ゲームの様子はこの通りクラーラがばっちり撮影しております」ニヤニヤ
クラーラ「…………っ!」グッ
ダージリン「みほさぁん! まほさぁん!」グイッ
みほ「絶対に嫌です、ごめんなさい!」ペコ
まほ「ははは、当然断る!」ビシッ
ダージリン「…………うぅ……あんまりですわ……」ウルウル
まほ「ではそろそろ行って貰おうか。私達は此処等に隠れているから、何かあったら全力でここに走って来るんだぞ? いいか、ここだぞ?」
ダージリン「……了解したわ」ジー
まほ「よし、では『リアルダージリンのこんな格言を知ってる?』スタートだ!」バッ
ダージリン「……では、行ってくるわね……」トボトボ
オレンジペコ「あぁ……ダージリン様の歩くお姿に哀愁が漂っていますぅ……」ウルウル
まほ「……行ったな。では此方も少し場所を移すぞ」
みほ「うん、あの三人に見付からないように後ろからまわっていこう!」トテトテ
アッサム「ちょっとまほ! 何処へ行くつもりなの!?」
まほ「何処って、ダージリン達がよく見える場所だが? 此処以外のな」ニヤリ
オレンジペコ「何で移動するんですか!? ダージリン様はもしもの時は此方に走って来るんですよ? まほさんがそう言ったじゃありませんか!」
まほ「そうだな、ダージリンはもしもの時にはここに走って来るだろう。但し、怒り狂ったモンスターを二人引き連れてだが……」ニヤリ
オレンジペコ「そ、そんな! ダージリン様を生け贄にするつもりですか! まほさんも此処等で待っている……と……此処……等……?」ピクッ
まほ「そう、嘘は言っていない。此処ではなく此処等で待っていると言った。さぁもたもたしていると良いところを見逃してしまうぞ、何処に移動しようか」チラッ
みほ「お姉ちゃん、あそこが良いんじゃないかな? というか、ここ以外だとあそこぐらいしかよく見えそうにないし……」
まほ「よし、総員速やかに移動だ!」
カチューシャ「ま、カチューシャは罰ゲームが見れれば何処でもいいわ!」トテトテ
ノンナ「そうですね、後で撮影したのを何回も見直しましょう」ニコニコ
オレンジペコ「あぁ、ダージリン様……それでも移動してしまうペコをどうかお許しください……」
アッサム「ダージリン……無事を祈るわ……」
ーーーーーーーーーーーー
千代「蝶野さんが電話に出ないわね……どうします?」チラッ
しほ「出るまでコールしましょう。今日はとことん付き合わせてあげます」ニヤリ
千代「まぁそうなるわね。だけどこういう時はバミューダの三人でも近くに居ればいいのだけど……彼女達も忙しいかしらね……あら? あなたは……?」チラッ
ダージリン「西住流の家元……ご無沙汰しておりました。ダージリンで御座います……」ペコリ
ダージリン「島田流の家元……初めてお目に掛かります、私……聖グロリアーナ女学院で戦車道の隊長を務めさせて頂いております、ダージリンと申します。以後お見知りおきをどうぞ宜しくお願い致します……」ペコリ
しほ「そう……妙な所で会うのね。あなたにはまほとみほがお世話になっているわね。母としてお礼を言わせて貰います、いつもありがとう……」ペコリ
千代「あらあら、あなたがあのダージリンなのね。お噂は予々伺っておりましたわ。先の大学選抜の試合でもあなたの実力をお見せ頂きました。此方こそどうぞよろしく」ペコリ
ダージリン「……ではお二方、準備はよろしいですね!? それでは始めさせて頂きますっ! スイッチオーーンッ!」ポチッ
ーチャッチャラッチャッチャッチャー
ダージリン「ダージリンのぉー! こーんな格言を……知ってるぅーーっ!?」バンッ
しほ「…………?」キョトン
千代「…………?」キョトン
みほ(ダージリンさん、もう何か振り切ってるね……)ボソボソ
まほ(くくく……ノリノリじゃないか。それに対して二人は何が始まっているか分かっていないようだな……唖然としている)
オレンジペコ(どうかダージリン様が五体満足で帰れますように……)ギュウ
ダージリン「パンツァーーー! おプーーーッシュ!」サッ
しほ「…………?」ボーゼン
千代「…………?」ボーゼン
ダージリン「……パンツァーーー! おプーーーッシュ!」グッ
まほ(ぷふっ……二人とも困ってる困ってる……しかしダージリンの奴め、あれだけ嫌がっていたのに……やるときはやると言うことか、流石だな)ウンウン
カチューシャ(PUSHクッション持ちながらジェスチャーしてるわね。これ誰かがクッションをプッシュするまで続くの?)
ダージリン「……パ、ン、ツァーーー! おプーーーッシュ!!」グイグイ
しほ「これを押せと言っているのかしら……どうします?」チラッ
千代「そうねぇ、押せと言うのなら押してあげるのも先達の務めかしら……えいっ」ポシュ
ダージリン「男盛りは30から……女盛りは30までぇぇぇーーーーっっ!」バンッ
しほ「……は?」ジトッ
千代「……あ?」ジトッ
ダージリン「ひぃっ!」ビクンッ
まほ(ふふふふ……二人とも滅茶苦茶怒ってるな。これでとりあえず格言一つ目……ダージリン、ここからが勝負所だぞ!)
しほ「ダージリン、あなた今なんと仰いました? 事と次第によっては……」ジロリ
千代「まぁまぁしぽりん、とても愉快な方じゃない……ですのでこれは是非私達が付きっきりで指導してあげるべきではなくて……?」ジロリ
ダージリン「ひぃぃぃ! パパ、パンツァーーー! おプーーーッシュ!」バッ
まほ(そうだ! その勢いで押し切れダージリン!)
千代「あらあらぁ……この状況で続ける気かしら。成る程ねぇ、聖グロリアーナの隊長はその豪胆さを持たないと務まらないということかしら?」ジトー
しほ「さて、どうかしらね。それもこれを押せばハッキリする事……うらぁっ!」ドスッ
ダージリン「おごっぷ……くっ……」プルプル
みほ(あんなの完全にボディーブローじゃん。思い切り腰から振り抜いてるし、クッション越しだとしても超痛そうだよ……)
まほ(ダージリンの奴、かなりプルプルしているな。ここで退くのか……?)
ダージリン「…………熟した果実は籠の中、熟した女は腐るだけぇぇーーーっっ!」プルプル
まほ(言ったぁぁぁーーーーーーっっ!)
しほ「〈●〉〈●〉」ジー
千代「〈●〉〈●〉」ジー
ダージリン「あわわわわわわ…………っ!」ブルブルブルブル
しほ「……素敵な格言をどうもありがとう。代わりに私も格言を一つお返ししましょう……」
しほ「人は頭部を破壊されると……のた打ち回って死ぬ! 良い言葉でしょう? さぁ早速あなたの頭部で試してみましょうか……」グッ
ダージリン(もうこれ以上は無理っ!)
ダージリン「……と、まほさんが仰っていました!」クルッ ダダダダダダダダ
しほ「あ、待ちなさい!」ダダダ
千代「逃がさないわよ!」ダダダ
まほ(ダージリンめ……私に濡れ衣を着せたな!)
みほ(濡れ衣っていうかお姉ちゃんが黒幕でしょ! それにしてもダージリンさんって足が凄く早いんだね……あれならこのまま逃げ切るんじゃない?)
オレンジペコ(ダージリン様は文武両道を地で行くお方ですから……)
まほ(足は早くともダージリンの向かう先には誰も居ない。あのまま二人を引き連れて逃げてくれれば我々は安全だ!)ニヤリ
ダージリン(……とか何とかまほさん達は思っているでしょうけど甘いですわ! まほさんの先程の口振りからすると元の場所には当然居ないでしょう。そうなるとあの場所以外で私達三人を見渡せる場所……つまりぃ……っ!)クイッ
ダージリン「此方に集まっていますわね! ほーら、見つけたわよぉ!」ダダダダダダダダ
まほ「あっ! ダージリンが二人を引き連れてこっちに向かってきたぞ! おい、全員急いで離脱だ、急げぇ!」ダダダッ
みほ「えぇっ! あの速さなら逃げ切れたのに何で態々こっちに来るの!?」ダダダッ
ダージリン「お黙りなさい! 私だけがこんな目に合うのは真っ平御免の介ですわ!」ダダダダダダダダ
しほ「むっ!? 糞ガキ共ぉ! 見つけたぞぉぉーーっっ!」ダダダダダ
千代「あっ! みほさん、あなたねぇ愛里寿に何て言ったのよぉ! お陰で恥をかいたじゃないの! 絶対に許さないわよ!」ダダダダダ
みほ「私は全然関係無いじゃないですか! 元はと言えば自分から夜の島田流がどうとか言ったからでしょ!?」
小梅「よ、夜の島……ぶふっ! よ、夜の島田流って、そんな嘘でしょ!? あはははははっ!」プププ
千代「…………全員ぶち殺してくれるわぁーーっ!」ダダダダダ
しほ「おらぁーーっ! 貴様等から若さを絞り出してドモホルンリンクルにしてくれるっ!」ダダダダダ
まほ「ドモホルンリンクルに若さは入っていません! 勘弁してください!」ダダダダダ
エリカ「…………」トテトテ
まほ「む!? エリカが二人の方に歩いて行く、そっちは危ないぞエリカァ!」
しほ「あなたは……逸見エリカ! 観念して自らその身を差し出してきたのね……!」
エリカ「……家元? そんなに急いで何かあったんですか?」コテッ
ダージリン「まさか……関係無いフリをして誤魔化すつもり……!?」
まほ「意外に大胆な奴だな、お母様にそんな誤魔化しが成功するのか?」
しほ「……あなたはあの糞ガキ共とは何も関係無いのですか?」ジー
エリカ「糞ガキって……誰の事です? 今日は少し用事があるのでこれで失礼します」ペコリ
しほ「…………むぅー?」ジー
ダージリン「あぁ……様子を伺っていますわ……疑わしきは罰せずと言いますし、もしかするとこれは成功するのでは?」
まほ「いや、エリカだけを逃がすわけにはいかない! お母様ぁー! 先程の格言は全部エリカが考えましたっ!!」
みほ「あと『はぁーマジ頭西住流の奴ぷっぷくぷーだわ!』とか言って西住流を馬鹿にしてましたっ!」
しほ「制裁ぃっ!」ベチン
エリカ「へぶぅ!」ビタン
千代「足を持ったわ!」ギュウ
しほ「手は任せなさい!」ギュウ
エリカ「えっちょ、はな、離してください!」ジタバタ
しほ「せーの、若さ抽出一番しぼりぃぃーーっ!」ギュウウウウウウ
千代「せーの、若さ抽出一番しぼりぃぃーーっ!」ギュウウウウウウ
エリカ「ぎゃあああぁぁーーー! 捻れるぅぅぅーーーー!」ギュウウウウウウ
小梅(うわぁやっぱエリカさんの顔えっぐいなぁ……)
カチューシャ「あわわわ、ノンナ! 早く逃げましょ!」トタテテ
まほ(ん、カチューシャの足が思ったより遅いな……ということは……ダージリン、準備はいいか?)チラッ
ダージリン「…………む! 了解ですわ!」ピクン コクッ
まほ「さぁエリカが犠牲になっている間に早くこの場から離れるんだ! 我等大洗連合隊の大隊長であるみほと副隊長のカチューシャだけは絶対に逃がさなきゃならないぞ!」ダダダ
ダージリン「えぇ、さぁ早くお逃げなさい! この企画を考えた二人だけは絶対に逃がしますわよ!」ダダダ
カチューシャ「え、カチューシャが副隊長なの?」キョトン
ノンナ「あのゴミ共はカチューシャを生け贄にして逃げようとしているのです! とにかく早く逃げましょう!」
しほ「ちよきち、聞きましたね?」チラッ
千代「えぇ、どうやら首謀者が居るようね……しぽりん、行きますわよ!」ダダダダダダダダ
みほ「うわ二人とも年の割りには早い! ちょっとお姉ちゃん、ダージリンさん! 都合が悪くなると私をスケープゴートにするの止めてよ!」ダダダ
まほ「それ逃げろぉ! 捕まったら絞られるぞぉーー!」ダダダダダダダダ
みほ「あぁもう!」ダダダ
undefined
カチューシャ「くぅーー! はぁ……はぁ……駄目、カチューシャの足じゃ逃げ切れない!」トテトテ
ノンナ「カチューシャ! このままでは捕まってしまいますから、少しの間だけ失礼します!」バッ
カチューシャ「あっ! でも抱っこされてもあの二人からは逃げ切れないわ、カチューシャを置いてせめてノンナだけでも逃げて!」
ノンナ「カチューシャ……私が一度でもカチューシャの期待を裏切った事がありましたか? あなたは私にこう言えば良いのです、『私を抱えて逃げなさい』と」ニコッ
カチューシャ「ノンナ……分かったわ! ノンナ、このカチューシャを抱えて逃げなさい! ついでにカチューシャに濡れ衣を着せた奴に制裁よ!」バッ
ノンナ(先ずは深呼吸をしてカチューシャ成分を摂取、そしてそのままエンドルフィンを分泌し身体の機能を全解放する。今私が抱えているのはこの世で最も愛しき人……決してゴミ共に汚させはしない! カチューシャは永遠に穢れ無きカチューシャ! 全身全霊全力全開……行きますっ!)スゥゥゥゥゥゥゥーーーーーースンスンスンスン
カチューシャ「んふふ……ちょっとノンナ! く、くすぐったいわよ……っ!」クネクネ
ノンナ「ウラーーーーーーーーーッッッッ!!!」ダダダダダダダダダダダダダダダダ
まほ「カチューシャを抱えたままであれだけのスピードが出せるとは! このままでは次に捕まるのは……」チラッ
アッサム「はぁ……はぁ……駄目……このままじゃつかまっ」ガシッ
しほ「あら素敵なお嬢さん、そんなに急いで何処へ行くの? ところで、あなたは一体どんな音色で鳴くのかしら?」ギュウ
千代「それは是非聞きたいわね……せめて可愛く鳴いて頂戴……」ギュウ
アッサム「ちょ、やばっ離してください!」ジタバタ
しほ「行くわよ、若さ抽出一番しぼりぃぃーー!」ギュウウウウウウ
千代「せーの! 若さ抽出一番しぼりぃぃーー!」ギュウウウウウウ
アッサム「ぎええぇぇぇぇぇーーーーっっ!」ギュウウウウウウ
ダージリン「アッサム! もっと他に淑女の叫び声があるのではなくて!?」
オレンジペコ「アッサム様もきっとそんな余裕無いですよぉ! それより早く逃げましょ!」
まほ「とにかく逃げろぉぉぉーーーーーーっっっ!!」ダダダダダダダダ
………………………………
……………………
…………
ーーーー大洗学園某所ーーーー
杏「いやーこれは中々豪勢なパーティーになったんじゃない? やっぱアンツィオ生が居ると料理の出来映えが違うねぇー!」ニコニコ
ケイ「もうアンジー! そんな言い方じゃまるでアンツィオ以外は料理が駄目って言ってるようなもんじゃない! 私達の料理だって中々でしょ? ね?」ニコッ
杏「ごめんごめん、分かってるよ。いつも干し芋ばかり食べてるけど、フライドポテトもハンバーグも美味しいよ! サンキュー、おケイ!」ニコッ
???「注文をお願いしようかしら……あら? まほは何をしているのかしら……?」チラッ
まほ「あぁはいはい、ご注文ですね。お伺いします……お母様」ガクリ
しほ「シェフのきまぐれパスタとシーフードピザのSで」
千代「私はトマトのブルスケッタとフリッティでお願いするわ」
蝶野「うーん、先ずはサルティンボッカだけにしておきましょう!」
まほ「畏まりました……」ペコリ
杏「ところで……あの一角は何なの?」
ケイ「さぁ? レストランごっこでもしてるんじゃない?」
まほ「…………安斎シェフ! オーダー入りました!」バンッ
アンチョビ「安斎って呼ぶな、アンチョビだ! そしてシェフではない、ドゥーチェだぁ!」
まほ「それでいいから頼むぅ! 頼むから作ってくれぇーっ!」ペコォー
ペパロニ「ちょっとちょっと、一体何があったんすか? いきなりパーティー会場にあの三人ですもん、完全に場が凍り付きましたよ」ハァ
まほ「お母様達を罰ゲームのダシにしたら物理的に捻り切られそうになった……だから美味しいイタリアンを出す場所に案内しますから勘弁してくださいと言って連れてきたんだ……すまん」
アンチョビ「何だよ物理的に捻り切られそうって……めっちゃ怖いな。まぁいい! とりあえず作るぞ、ペパロニ、カルパッチョ!」
ペパロニ「うぃーっす!」カチャカチャ
カルパッチョ「はーい!」カチャカチャ
愛里寿「あ、あの……」トテトテ
アンチョビ「おーっ! 愛里寿じゃないかぁー! 久し振りだな、一体どうしたんだ?」ニコニコ
愛里寿「うぅ……お、お母様が迷惑をかけてごめんなさい……」ペコリ
アンチョビ「おいおい、何もそんな愛里寿が頭を下げる事なんてないって! そうだ、愛里寿は何か食べたい物はあるか? このドゥーチェアンチョビが何でも好きな物を作ってやるぞ!」ニコッ
愛里寿「…………いいの?」コテン
アンチョビ「勿論だとも! 私はイタリア料理なら大体作れるからな、何でも好きな物を言ってくれ!」
愛里寿「じゃあ……ピザ! 美味しいピザ食べたい!」ピョンピョン
アンチョビ「よぉーし! じゃあえっと……一緒にボコのピッツァを作ろう! 確かボコが好きなんだよな?」
愛里寿「うん! 大好き! でも私はピザなんて作った事が無い……私にも作れる?」
アンチョビ「このドゥーチェアンチョビが隣に居るから大丈夫だ! 先ずはそうだな……ピザとピッツァの違いから教えてやろう! ハーハッハッハッハーーーッ!」
ペパロニ「流石ドゥーチェっす! ドゥーチェ! ドゥーチェ! ドゥーチェ!」
カルパッチョ「ドゥーチェ! ドゥーチェ! さぁ愛里寿ちゃんも!」クイッ
愛里寿「どぅ……どぅーちぇ! どぅーちぇ! どぅーちぇ!」ピョンピョン
アンチョビ「アーハッハッハッハッハッハーッ!」
まほ「……はぁ、料理は安斎に任せて私も何か食べに行くか……」トテトテ
まほ「ん……この匂いは……」クンクン
アリサ「あ、まほさーん! 探しましたよ、私とナオミは一緒にカレーを作ったんです! 是非まほさんに少しでも食べて頂きたくって……食べて頂けますか?」キャルーン
まほ「ほう……いいのか? では少し食べさせて貰おうかな」ニコリ
アリサ「はい、特製ハンバーグカレーです。どうぞ!」サッ
まほ「ハンバーグカレー! そうか、ハンバーグとカレー……皆が憧れる二大スターが夢の共演と言うことだな?」ニヤリ
アリサ「え、えぇまぁそうなりますかね。ところであそこの三人は何故来たんですか……?」
まほ「聞かないでくれ」
アリサ「何か持ち込んだお酒で酒盛り始めましたけど……」
まほ「見ないでくれ! 私はもうあそこには近付かん!」プイッ
アリサ「それでぇ、あのぉ、お味の方は……どうですか?」チラッ
まほ「うん、美味しいよ。このハンバーグは手作りなのかな? カレーに良く合っている」ニコッ
アリサ「…………っ!」グッ
まほ「アリサは料理が上手なのだな。私は余り手先が器用じゃないから羨ましいよ」
アリサ「でへ、でへへ……そんなに誉められると困っちゃうなぁ……」ニタニタ
ナオミ「あんなにニヤニヤしちゃって……まぁ手伝った甲斐があったかな」ニコッ
ケイ「良い事だわ! タカシをモニター越しに見詰めているより、あぁしてまほを直接見ていた方が乙女チックで健全よ!」
ナオミ「健全……って言っていいのかな?」
ケイ「ふふっ! ナオミがそれを言うの?」
ナオミ「おっと、藪蛇だったかな。さて、私も可愛い子猫ちゃんでも可愛がりに行こうかなっと」クルッ
ケイ「あら? ちょっと待って、あれは……」チラッ
典子「いつも!」バッ
あけび「心に!」バッ
忍「バレー!」バッ
妙子「ボール!」バッ
典子「でも、今日はこの手にバレーボール……」ギュウ
あけび「キャプテン……流石に今は皆さん食事をしていますしバレーをするのは憚られます……」ジッ
典子「だけど、大洗に他の学園艦の人達がこんなに沢山来てるんだから……」
典子「みんなの心にもバレーボールを刻みたい!」グッ
忍「……やりましょうキャプテン!」
妙子「怒られても平気へっちゃらです!」
あけび「みんなの心にバレーボール……素敵だと思います!」
典子「よし! 根性で行くぞっ! そーれっ!」バシィ
ナオミ「おっと! ヘイ、子猫ちゃん達! ちょっと食事のマナーがなってないんじゃないのかい?」ポスッ
典子「あっ! サンダースのフィジカルエリート達だ!」
ケイ「まぁまぁナオミ、いいじゃない。食事のマナーは駄目だけれど、今日はパーティーよ? だからぁ……相手してあげましょ!」トスッ
ナオミ「ふふ……そういうことなら……イエスマム!」バッシィ
典子「何の! 大根性回転レシーブ! 皆、フィジカルエリート達には根性で対抗するんだ!」バシッ
あけび「キャプテンナイスレシーブ! トス上げますぅ!」トスッ
忍「おっけー! アターーック!」バシッ
ナオミ「くっ! しまった!」ベチン
アリサ「ーーーそれでなんですけどぉ、あのもしよかったら連絡先を……」ボスッ
アリサ「はぶぅっ!」ベチョ
まほ「お、おい! 大丈夫かアリサ!」アタフタ
アリサ「…………この顔に付いたカレーを見ても大丈夫に見えます?」ベットリ
まほ「うっ……とりあえず洗って来たらどうだ? カレーは私が片付けておくから……」
アリサ「すみませんそうします、では失礼します」クルッ ダダダダダダ バンッ
まほ「…………」
ケイ「あっちゃー……」
ナオミ「アリサ……すまない……」
アリサ「…………っ!」バンッ
アリサ「このバレーボールを私に打った奴はどこのどいつだぁーーーーっ!」バシッ
典子「大根性回転レシーブ! はっ、つい身体が反応してしまった!」バシッ
妙子「っとぉ、トースッ!」トスッ
忍「もう三回目だから相手に返すしか……アターーック!」バシィ
アリサ「やんのかこらぁーーーっ!」バシィ
ケイ「アリサ! ナイスレシーブよ! 上げるわナオミ、お願いねっ!」トスッ
ナオミ「イエスマム! 次は……決めるよ!」バッシィ
典子「うっ早い! あぁーー……」バシッ ガクリ
ケイ「ナオミ、ナイスアタックだったわ! アリサもナイスレシーブ!」グッ
ナオミ「ふぅーっ、良いセットだったね!」
アリサ「ふん! 大洗の連中なんかに負けるもんですか! じゃっなーーい! 食事中にバレーすんな! 会話の邪魔すんな!」ガルルル
典子「でも……アリサさんのレシーブ……良かったです。これでアリサさんの心にもバレーボール……宿りましたか?」
アリサ「へへっ、そうね。私の心にもバレーボール……って宿るかバカ!」
典子「そんな……それならもう一度だ! それっ!」バシッ
アリサ「だから……止めろっての!」バシッ
ケイ「アリサーこれも負けたら反省会だからねー!」フフッ
アリサ「えっ、また!? ま、負けてたまるかぁーー!」バシィ
まほ「…………御馳走様でした、と。アリサも忙しいようだし、他を見て回るか……」テクテク
まほ「……うーむ、エリカ達も見ないし、みほも居ないな。こうなると少し手持ち無沙汰な感じではある……。ん、これ美味いな」モグモグ
まほ「誰が作ったかは知らないがやはり年頃なだけあって皆も料理が上手なんだな。いつかは私も料理を練習して誰かの為に作る日が来るのだろうか……? 全く想像が付かない事だが……」モグモグ
???「にしず……ま、まほっ!」バッ
まほ「ん? 桃ちゃんじゃないか。これは……何だ?」スッ
桃「私達は生徒会の三人で大洗名物の鮟鱇鍋を作ったんだ! お、美味しくできたから是非まほに食べて欲しくてな……」テレッ
まほ「さっきから食べてばかりだが……折角だからな、頂こう。桃ちゃんありがとう」スッ
桃「ど、どうだろうか……まほの口に合えば良いのだが……」チラッ
まほ「んむんむ……鮟鱇鍋は初めて食べるが……美味いな。身体が暖まるよ」
桃「美味いだろう! 大洗と言えば鮟鱇鍋だからな! 鮟鱇の七つ道具を余すところ無く贅沢に使った鍋だぞ、私も大好きなんだ!」ニコニコ
まほ「鮟鱇の七つ道具……スパナでも入っているのか?」キョトン
桃「違う違う、鮟鱇は食べるとき骨以外は殆ど残らない貴重な魚なんだ。鮟鱇を解体したとき、肝、皮、えら、水ぶくろ、ぬの、ひれ、そして柳と大身を合わせた身を入れて七つ道具と言われている。この鍋にも勿論入っているからな、得も言われぬコクがあるだろう?」
まほ「へぇ……ずずず……うん、んまい」ニコッ
桃「…………んふっ」ドヤァ
まほ「桃ちゃんも料理が出来るのだな。食べてばかりの私は少しばかり恥ずかしいところだ……」テレッ
桃「……ふふふ、何を隠そうこの葱は私が切ったんだ!」ンフー
まほ「それぐらいは私にも出来る」
桃「は、白菜も切った!」グイッ
まほ「それも出来る」ジー
桃「…………やさい、あらった……」グスッ
まほ「…………」ジー
桃「あじみもいっぱいしたぁ……っ!」グスッ グスッ
まほ「ふふ……そうか、そういう事ならこの鮟鱇鍋は差し詰め桃ちゃんの味ってところだな。美味しいよ、ありがとう」ニコッ
桃「だろっ!? そうだろ!? そうそう、そういうことなんだ! ふふふ、一生懸命に味見したからな、柚子にも大分無理を言ってしまった。だけどそのお陰で妥協の無い完璧な味に仕上がった筈だ!」ニコニコ
桃「会長も柚子も料理一つとっても凄い腕前でな、そこら辺の料理人では足下にも及ばないぐらいなんだ。二人とも多才だし、本当に凄いんだぞ! 他にもだなぁ……っ!」ニコニコ
柚子(もう、桃ちゃんったら私達の事はいいから自分の事を話さないと!)コソコソ
杏(これじゃ何を売り込んでるのか分かんないね。あれだけなるべく自分の事を話せって念を押したのになぁ……)コソコソ
柚子(いっそあんこう鍋も自分が作ったぞって言ってもいいのに……鍋なんてそう難しくない料理なんだから……)コソコソ
杏(いやー、かーしまにそういう嘘は難しいっしょ。直ぐにバレそうだし、だからかーしまはあれでいいんだよ)
柚子(そうですかね……あぁ……何か私達の事を滅茶苦茶誉めてる……こそこそ聞いてる私の方が恥ずかしくなってきましたぁ……)テレッ
桃「……でな! それでな! 会長はそこで身を翻して足を踏ん張り大見得を切ってだな……っ!」フンスフンス
まほ「ははは……桃ちゃんは本当に二人の事が好きなのだな。聞いている私でも桃ちゃんが二人をどれ程慕っているか良く分かるよ。これでは二人に少し嫉妬してしまいそうだ」ニコッ
桃「えっ、あっいや……その、勿論二人共尊敬しているし、大事な友人だと思っているが……その、出来ればなんというかまほともそういう関係が……」ゴニョゴニョ
杏(む!? かーしま、この会話の流れはチャンスだぞ! 行けっ! 言っちゃえ!)ジトー
柚子(んふふ……甘酸っぱい雰囲気が出てきましたね……良い感じですぅ。桃ちゃんったらあんなにドギマギしちゃって……はぁぁぁ……可愛い……)
桃「ま、まままほともそそ、そういう関係をだな……っ!」ゴニョゴニョ
桃「きっ築いていきたいと思っているっ!!」ビシィッ
杏(言ったぁぁぁぁーーーーーっっ! かーしま、良く言ったぞ! 途中でヘタレるかと思ったけどよく言い切った!)ワクワク
柚子(まほさんは!? まほさんは何て返事をするの!? あーんもう! どうなのぉ!?)テカテカ
まほ「桃ちゃん……」ジッ
桃「うぅ……っ!」タジッ
まほ「ありがとう。桃ちゃんの気持ち、とても嬉しいよ。そうだな、折角こうして縁が出来たんだから、これから先お互いにもっと仲良くなれると良いな」ニコッ
桃「ま、まほっ!」ジーン
杏(良い展開じゃん、これは充分前進したって言ってもいいっしょ! やったな、かーしま!)ニコニコ
柚子(あんないっぱいいっぱいな桃ちゃん……久し振りに見たよぉ……はぁぁーーん、桃ちゃん可愛いよぉ……)ハァハァ
柚子(よーし、今日は桃ちゃん頑張ったからちょっとサービスしてあげる! ペンシルロケット、発射!)ババババシュ
桃「どわっ!」ビビビビシッ ツルッ
まほ「……っとぉ! 桃ちゃん大丈夫か?」ダキッ
桃「あわ、あわわわちちちか、近いっ!」ワチャワチャ
まほ「おいおい、暴れないでくれ。そんなに暴れると桃ちゃんを落としてしまう」
桃「し、しかしちょ、ちょっとこれはまだ心の準備がぁ……っ!」ドキドキ
まほ「落ち着け。とりあえず体勢を立て直すんだ、いいな?」クイッ
桃「う、うん……」グッ
まほ「よっと、これでよし。それにしても桃ちゃんが転ばなくてよかった」ニコニコ
桃「……あ、ありがとう。助かった……」
杏(こうしてしおらしくしてる分にはかーしまも可愛いもんだけどねぇ……)
柚子(何言ってるんですか会長! 桃ちゃんはあの意地っぱりな所も含めてぜーんぶ可愛いんですよ! ほら見てください、あの照れて真っ赤な顔! あーん、撮っとこ!)パシャパシャ
桃「…………っ!」ズイッ
まほ「そんなに近付いてどうした? 身体の何処かを捻ったのか?」チラッ
桃「どうやらそうみたいだ、少しまほの肩を借りていいか……?」
まほ「む、大丈夫か? ほら、しっかりしろ」グッ
桃「…………えいっ!」ギュウ
まほ「おいおい、いきなり抱き着いてどうしたんだ。待ってろ、椅子まで連れて行ってやる」
桃「いや、ここでいい。すまないが暫くこのままでいいか……?」ギュウウ
まほ「それは構わないが……大丈夫か?」
杏(おいおいまさかかーしまの奴、まさかここでおっぱじめる気じゃ……?)
柚子(違いますよぉ、桃ちゃんの顔をよーく見てください。あれは……)
桃「ん、大分良くなったよ。色々すまなかった、助かったよ」パッ
まほ「それならば良いが……誰か呼んでやろうか? せめて椅子まで……」サッ
桃「いや、それには及ばない。会長、柚子……ちょっと来てくれませんか?」チラッ
杏(完全にばれてる……)
柚子(当たり前じゃないですか。私達が桃ちゃんの事を知ってる分、桃ちゃんも私達の事を知っているんですから。さ、行きましょ?)トテトテ
杏(ま、そんなもんかぁ……)トテトテ
杏「うぃーす、どもどもー。いやぁかーしまが世話になったね、ありがとー」トテトテ
柚子「ほらほら桃ちゃん大丈夫? こっちに掴まって?」クイッ
桃「……ん。すまんな」グイッ
柚子「まほさん、ありがとうございました」ペコリ
まほ「いやいや、此方こそ美味しい物を食べさせて貰ったよ。ありがとう」ペコリ
杏「ま、今度はもっとゆっくり出来る時に食べにきてよ。鮟鱇鍋は〆まで食べてこそだからね」ニヤリ
まほ「そうだな、次は是非最後まで頂きたいものだ。桃ちゃんもありがとう」
桃「いやなに、私は大したことは……」テレッ
柚子「桃ちゃんったら照れてるぅ! さ、向こうで少し休みましょ?」
桃「照れてない! 断じて照れてないからな! ふん、ではな」プイッ
杏「はいはい、んじゃねー」フリフリ
まほ「んむ。さて、次は……」クルッ トテトテ
桃「……会長も柚子も始めから覗いてましたね?」ジトッ
柚子「うふふ、桃ちゃんの一世一代のイベントだもの。勿論応援してたよ!」ニコッ
桃「応援って言われても……まぁお陰で助かりはしたが」
柚子「またまたそんなこと言って……本当は足なんて挫いてないんでしょ? 私にはお見通しだよ?」
桃「うっ、そこまでバレてるのか。どうもまほの前では緊張してしまってな……」
杏「そっかそっか、フリまでしてまほに抱き着くなんてかーしまもやるねぇ! こっちはあんなところでおっ始めるかと思ってドキドキしちゃったよ」
桃「いやいや流石にそこまでは考えてませんでした! 今の私ではまほを求めるなんてとても出来ません。あれだけでも充分なんです、それに……」
杏「……それに?」チラッ
桃「……あれ以上は後で西住が怖いので」フイッ
杏、柚子「それなー……」ハァ
ーーーーーーーーーーーー
まほ「……少し食べ歩きすぎたか、ちょっと休みたいな……」フゥ
ツチヤ「あ、西住隊長のお姉さん! 丁度良い所に!」
まほ「君は……確かレオポンさんチームの……ツチヤさんだったかな?」
ツチヤ「ハハハ、レオポンにはさん付けしなくていいですよぉ。勿論私もです、ツチヤって呼んでください!」
まほ「そうか、私もまほと呼んでくれていい。それで何かあったのか?」チラッ
ツチヤ「いやぁー私達レオポンチームはマジックショーを披露しているんですけど、よかったら見ていきませんか? 中々観客が集まらなくって困ってたんですよぉ!」ニコニコ
まほ「マジックショー……そんな出し物まであるのか……そうだな、是非見させて貰おう!」
ツチヤ「ほっ……よかった……これで怒られなくて済むよ……」ボソッ
まほ「……ん? 今何か言ったかな?」チラッ
ツチヤ「いやいや、何でもないです。さぁこっちこっち!」グイグイ
まほ「おっとっと……む、ここは……」
ホシノ「おっ! 遂に来たね、では私は奥で準備に取り掛かるとしようか!」バッ
ツチヤ「ささ、まほさんはここに座ってください!」
まほ「……ふむ。観客は私一人なのか……?」
ツチヤ「えへへ……まぁまぁお気になさらず。さぁ始まりますよぉ!」
ナカジマ「れでぃーす、えーんど……れでぃーす! 世紀のマジックショーがここ大洗特別室にやってきたよ! さぁ観客の皆様、盛大な拍手をお願いします!」ババッ
まほ「……………………」ジー
ナカジマ「……すみません、お願いします」
まほ「う、うおぉぉーーっ! どんどんぱふぱふー! どんどんぱふぱふー!」ドンパフドンパフ パチパチパチパチ
ナカジマ「ありがとう、ありがとーう! どうやら会場のボルテージは既にマックスの様です! それでは早速究極のマジックをお披露目だぁーーーっ!」
ナカジマ「マジック……この言葉を聞いてあなたならどんなマジックを想像するのでしょうか……縄脱け、マジックボックス、瞬間移動、ナイフマジック……色々なマジックをあなたの脳裏には浮かんでいるのでしょう……だがしかし! 今回はなんと今挙げた全てのマジックが一つに! 正に究極のマジックが始まろうとしているのです! さぁ観客の方、此方にどうぞぉーーーっ!」ババッ
まほ「……私しかいないのだが……仕方が無いか」トテトテ
ナカジマ「この勇気あるお方に称賛の拍手をお願いします!」
ニーナ「へへ……やっと手品が始まるだな」パチパチパチパチ
アリーナ「んだな。隠れて待ってて良かったべや」パチパチパチパチ
まほ(ん、観客は私だけではなかったのか? あの二人は一体何処に隠れていたんだ……?)
スズキ「はーい、では今からまほさんを縄で縛りますけど後ろ手でこの縄の端を持っててください。マジックの最後にそれを引っ張ると縄が解けるようになってますから」ボソッ
まほ「ふむ……こうか」ギュッ
スズキ「はいそうです! 縄を引っ張れるだけの遊びは作っておきますけど、皆の手前ですので動けない振りをしてくださいね」ボソッ
まほ「了解した。成る程……マジックの被験者になるとは貴重な体験だ、楽しみだな」ニコニコ
ナカジマ「さぁここに居りますは縄で縛られた可憐な少女! ご覧の通り、縄で何重にも縛られております! さぁさぁお二方も近寄って見てください、種も仕掛けもありませんよーっ!」バッ
アリーナ「どらどら……うっへぇガッチガチ固められてら、こっだらことさったら動けねーべや」ニコニコ
ニーナ「んだげども……うちのちびっこ隊長に比べたらすっげぇ身体だぁ、こげなむっちむちな身体ではもう少女の枠は越えてるんでねーか」ケラケラ
アリーナ「ニーナ、そったらこと言ってっとまた隊長にどやされっど。触らぬ神になんとやらだべ」ケラケラ
まほ「そうマジマジと見られると照れるべや……いや、照れるな」テレテレ
ナカジマ「はーい、二人とも席に戻ってくださーい! 縄でぐるぐる巻きにされた少女……しかし先述の通り、今回は世紀の大マジック! 続いてお出でましたるは……この大きな箱でござーい!」バッ
スズキ「ツチヤー、準備はいーい?」チラッ
ツチヤ「オッケーだよ! まほさん、動かないでくださいね……そーれっ!」バッ
まほ「えっ……うわぁーっ!」ビクッ ガターン
ツチヤ「よっとぉ……はい、準備完了!」ニコッ
まほ「び、吃驚したな……大きな箱を被せられてしまった。顔の辺りはくり貫かれているので視界が塞がれるという事は無いが……」キョロキョロ
スズキ「まほさん、いよいよマジックが始まります。なので本当に危ない時の為にスタッフ間の符丁を決めておきますね。いいですか、我慢できなくなったら大声で『かえるぴょこぴょこみぴょこぴょこあわせてぴょこぴょこむぴょこぴょこ』と叫んでください。直ぐにマジックを中止して助けますから」ニコッ
まほ「舌噛んじゃうよ! 素直に助けてと言ったら助けてくれないのか!?」
スズキ「いやぁー、そこらへんの言葉はマジックの臨場感を出すために必要なんで、スタッフ間だけで分かる言葉じゃないと駄目なんですよぉ……すみません、頑張って言ってください!」ペコリ
まほ「お、おいおいせめて別の言葉で……行ってしまった。私はあんな早口言葉を噛まずに言えるだろうか……心配だな……」フゥ
ナカジマ「では我等が自動車部が誇る大洗一のスピードスターが……今宵限りはトリックスターに転身しての登場だぁぁーーーっ! 稀代の大魔術師、ホーシノォーーッ!」バッ
ホシノ「……やっと出番だね! 皆、今日は来てくれてありがとう! 先程司会のナカジマに紹介された大魔術師……ホシノだ! よろしくっ!」ウインクバチーン
ニーナ「んはぁ……こっちもいろっぺぇかっこさしてっぺなぁ……」ポー
アリーナ「似合ってっぺや、やっぱ都会さ住んでる人は進んでっぺな」
まほ「……冷静に考えたら、縄を解いても箱の中では身動きが出来ないな……」ボソッ
ホシノ「まほさん……今日は私のマジックに付き合ってくれてありがとう。では早速私の魔術でもう一人のゲストを呼ぶ事にしよう……マジカルカーテン、カモン!」ババッ
ツチヤ「はいはーい!」トテトテ
ホシノ「このマジカルカーテンは何の変哲も無い只のカーテン……しかし私が魔術を送ると……はぁぁぁぁーーーー……せいっ!」バッ
カチューシャ「……………………」ドーン
まほ「…………え?」
ニーナ「ちびっこ隊長が出てきたべ、はぁーどっから紛れ込んだんだ?」ホエー
アリーナ「……これは……魔術だべ」ゴクリ
カチューシャ「…………ご苦労だったわ、大洗の自動車部の皆。このカチューシャが労ってあげる」ニヤリ
まほ「…………は?」ゴクリ
カチューシャ「さて、ノンナ! 少し前にこのカチューシャを囮にして逃げようとした愚か者はどこのどいつかしら!?」バンッ
ノンナ「偉大なる同志カチューシャ、ご覧の通りその愚か者は既に捕らえております」スッ
まほ「…………えぇ……?」ドキドキ
まほ「まさか……罠に嵌められたのか……?」ドキドキ
ニーナ「なーんか変な空気が流れてんな、何が始まるんだべか」
アリーナ「……きっと魔術だべ!」ドキドキ
カチューシャ「……ノンナ、愚か者には?」チラッ
ノンナ「……血の粛清を!」サッ
ニーナ「ありゃーでっげぇ包丁だぁ、あんなもんで何するんだべか」ホエー
アリーナ「決まってるでねか、マジックで包丁さ出てきたら刺すだけだべ」ニコニコ
まほ「……い、嫌だぁぁぁーーーーーっっ! くっ、縄は解けても箱から出れん! おい、おーーーい! 出せ、出してくれぇぇーーっ!」ジタバタ
スズキ「まほさん、迫真の演技ですね! その調子ですよ!」グッ
まほ「演技な訳があるか、バカ! ぐぬぬ……かえるぴょきょっ!」ガチッ
まほ「うぎゅ……舌噛んだ……」ヒリヒリ
カチューシャ「あらあら、大丈夫かしら? でも何も心配しなくてもいいわ、このカチューシャに全て任せておきなさい!」ニヤリ
まほ「おと、囮にしようとしたのは悪かった! ほら、この通り謝ってるだろう!? 許してくれ、カチューシャ!」ジタバタ
カチューシャ「私を見下ろしながら頭を下げたと言われてもねぇ……到底納得できないわ……ノンナ、そうでしょ?」チラッ
ノンナ「その通りですカチューシャ。しかしこのような愚か者でも、カチューシャが手に持っている特製ナイフを刺したとき、滴る血と共に愚か者はその頭を力なく下げる事でしょう。己の罪を反芻しながら……ね」ニヤリ
まほ「箱に入れられてるんだからこれ以上頭の下げようがないだろ! これ以上動けないんだぞ! か……かえるぴょこぴょきょっ! ふぐぅ……っ!」ガチッ
カチューシャ「随分生意気な口をきくのね、自分の立場を理解していないのかしら?」プスッ プスッ
まほ「いでっ! いでっ! やめ、やめてください! 反省していますから!」ジタバタ
カチューシャ「あはははははっ! 良い気味だわぁ! それそれそれぇーっ!」プスプスプス
まほ「いだだだっ! ちょ、ちょっとタイム、ターイム! たす、助けてくれエリカァーーーッッ!」
…………
……………………
エリカ「…………はっ!」ビクッ
小梅「エリカさん、どうかしましたか?」チラッ
エリカ「こうしちゃ居られないわっ! 小梅、急ぎましょう!」タタタ
小梅「は、はい! わかりました!」タタタ
エリカ「…………ちょっと待ったぁぁーーーっ!」バーン
沙織「うわっ吃驚したぁ! エリリン、そんなに急いでどうしたの?」ビクッ
エリカ「そのお菓子……頂いてもいいかしら?」ニヤリ
沙織「え、えぇ……勿論良いけど……はい、どうぞ!」スッ
エリカ「ありがとう。美味しいお料理も良いけど、私達も女子高生だものやっぱスイーツは外せないわよねー!」ニコニコ
小梅「もー、エリカさんったらそんなに走ってまで食べたかったんですかー? 私も食べちゃおっかな!」パクパク
エリカ「んー美味しー! スイーツ(笑)!」ニコニコ
小梅「スイーツ(笑)!」ニコニコ
……………………
…………
まほ「誰も助けに来ないじゃないか! カ、カチューシャ……話せばわかる! だから……な?」ジッ
カチューシャ「確かに話せば解るかもね……でも、それはこれを刺したら終わる話じゃない? そろそろいたぶるのも飽きたわ……準備はいい?」
ニーナ「も、もすかすて……あんの包丁本物だっだりすて……」プルプル
アリーナ「いんやまさかまさか……んな馬鹿げたことは流石に……な?」プルプル
まほ「かえりゅぴょ! きゃえ! かえるぴょきょぴょきょ! こ、こんな状況で早口言葉なんて言えるかぁ!」ガチッ
ノンナ「まほさん、諦めてください。偉大で可愛く尊大な同志カチューシャを謀った罪は決して消えません。断罪の時間です」ニコッ
まほ「や、だ! い、や、だ! そこのニーナ、アリーナ! ナカジマスズキホシノツチヤ誰でもいいから助けてくれぇっ!」ジタバタ
スズキ「まほさん……ナイス演技!」グッ
ホシノ「あれは演技なのか……?」
ニーナ「あわ、あわわわわ……私達もすかすてどえらい修羅場に出くわしてるんじゃ……」プルプル
アリーナ「ん、んなまさか……まさかあの包丁が本物な訳ねえべっちゃ……」プルプル
カチューシャ「……さよなら、マホーシャ。次に生まれてくる時はこの偉大なカチューシャより小さく生まれてくる事ね! そうしたら今度はもっと可愛がってあげるわ……おらぁぁぁーーーーっ!」グッサァ
まほ「ぐえええぇぇぇぇぇーーーーーっっ!」ブッシャァ
アリーナ「ぎゃああああぁぁぁぁぁーーーーーっっ!」ブルブル
ニーナ「わあああああぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーっっ!」プルプル
まほ「……………………がくり」ガクッ
ニーナ「…………きゅう」パタッ
アリーナ「…………きゅう」パタッ
カチューシャ「アーーーーーハッハッハッハッハッハーーーーーッッ! これでこのカチューシャが一番よ! ね、ノンナ!」チラッ
ノンナ「当然ですカチューシャ。クラーラ、きちんと撮影出来ましたか?」チラッ
クラーラ「…………っ!」グッ
カチューシャ「ふん、まぁこんな所で勘弁してあげるわ! ほら、さっさと起きなさいよ!」グイッ
まほ「…………はっ!」ビクッ
まほ「ん!? ん!? 刺された場所が痛くないぞ……一体どういう事だ……?」
ツチヤ「いやー素晴らしい演技でしたよー! カッちゃんに変なことを頼まれた時はどうしようかと思いましたけど、結構面白かったですね! あ、今直ぐ出しますね……」スッ
まほ「あ、あぁ……確かに刺されたと思ったが……これがマジックか?」チラッ
ホシノ「……そうなるねっ!」グッ
まほ「なんて悪趣味なマジックなんだ……こっちは本気で刺されるかと思ったよ……」ハァ
カチューシャ「このカチューシャを囮になんて使おうとするからよ! これに懲りたら二度と馬鹿な事は考えない事ね! 次は偽物じゃ済まないわよ!」フンッ
ノンナ「まほさんの可愛らしい早口言葉もきちんと録画しておりますから、後で皆様に配布しておきますね」プププ
まほ「く、屈辱的だな……まぁいい。自動車部の面々は別として、ニーナとアリーナもこの事を知っていたのか? 完全に意識を失っているが……」チラッ
カチューシャ「いいえ、二人とも単純にマジックショーを見ようとしただけよ。ほらほら、二人も起きなさい……」グイグイ
ニーナ「う、うー……ん……ん、んっ!?」ビクッ
アリーナ「うぅ、う……うっ!?」ビクッ
まほ「二人もカチューシャに付き合わされて災難だったな、大丈夫か?」サッ
ニーナ「……ぞ、ぞぞぞ……」プルプル
アリーナ「ぞぞぞぞ……」プルプル
ニーナ、アリーナ「ゾンビだぁーーーーっっっ!!!」ダダダダダ
まほ「…………え? あ、私の事か!? おいカチューシャ、完全に誤解されたじゃないか、どうしてくれるんだ!」
カチューシャ「さぁ? そんな事はこのカチューシャには関係無いわ。それじゃ私達も何か食べに行きましょ。ピロシキー」プイッ
ノンナ「えぇ、あちらに美味しそうなケーキがありましたよ。案内しますね」ニコニコ
ツチヤ「へへへ……まほさん、どうもすみません。それじゃ私達もこれで……」ペコリ
ホシノ「しかしこの衣装はちょっと露出が多くないか? ほぼバニーガールじゃないか……」トコトコ
スズキ「でも似合ってるって! ホシノも女の子なんだからこうしてたまにはツナギ以外も着なきゃ!」
ホシノ「だからってバニーガールは無いだろ! というかそういうお前らだってツナギ以外もだな……」ベラベラ
ナカジマ「まぁまぁ二人ともそこら辺にしてよ、ツチヤ達を追いかけなきゃ!」
カチューシャ「あんたたちー! 早く来ないとシベリア送りよー!」
ホシノ「やれやれ、着替えを待ってくれそうもないな……仕方がない、このまま行くか」フゥ
スズキ「カッちゃん待たせると怖いからねー! 行こ行こ!」トテトテ
ナカジマ「美味しい物……あるといいなぁ……」トテトテ
まほ「そして私は誤解されたままか。何て無責任な奴等なんだ……」
まほ「……二人の誤解は後で解いておかないとな。さて、また少し歩いて見るか……」トテトテ
ーーーーーーーーーー
まほ「こうして歩いていると、大洗の面々は元より他の面子も楽しそうに歓談しているな。む……あそこにいるのは……ダージリンか……?」ジー
ダージリン「むー、むー!」ジタバタ ギュウ
まほ「……ダージリンが棒に括り付けられているな……一体あいつは何をやっているんだ?」スッ
まほ「ダージリン、そんな所で何をやっているんだ? む、隣に立て看板が……」チラッ
まほ「何々『この者、ある界隈で人気第一位の魅力溢れる女性に楯突いた故……厳罰に処す』? 何だこれは。もしかしてお母様達がやったのかな……外すか」バラバラ
ダージリン「た、助かりましたわ……私がこのような辱しめを受けるとは……あの三人……絶対に許しませんわよ!」ギリギリ
まほ「止めとけ、また括られるのがオチだぞ。それより折角のパーティーだ、適当に過ごしたらいいじゃないか」
ダージリン「でも仮に私がもう一度括られても……まほさんがまた助けてくださるのでしょう?」チラッ
まほ「ん……まぁ助けるが……括られないのが一番だと思うぞ?」
ダージリン「そのお言葉だけで充分ですわ。さ、此方へどうぞ……」スッ
まほ「これは……」
ダージリン「今日は折角のパーティーなんですもの……私達もささやかながらおもてなしの準備をしていましたの……まほさん、さぁどうぞ……」
まほ「紅茶とスコーンか、ではすまないが頂くとしよう。んむんむ……んまいな」ムグムグ
ダージリン「あらあらまほさんったら、口元にチョコチップが……んもう、少しじっとしていらして……?」キュッ
まほ「むぐ……すまんな。しかし同い年の人に口元を拭われるとは……これは少し恥ずかしいな……」テレッ
ダージリン「うふふ……まほさんって戦車道ではあれほど凛々しくなさっているのに可愛いところもあるのですのね?」フフフ
まほ「……皆は私を買い被りすぎだと思うぞ。私は自分でも不器用な方だと思っているからな……戦車道では後輩の為に背伸びをしているだけだよ」
ダージリン「ですが背伸びが出来るのもまた才能の一つですわ。背伸びがままならぬ方達も大勢いらっしゃいますからね……」
まほ「おいおいダージリン、私をそう持ち上げられても反応に困るな……」テレテレ
ダージリン「そんなに謙遜なさらず……ささ、お茶菓子はスコーンだけではございませんことよ?」スッ
まほ(……いつの間にかダージリンが隣に移動している……?)ピクッ
ダージリン「あら、どうかなさいました?」
まほ「いや、少し近くないか? さっきまで対面に座っていただろう?」
ダージリン「それがなにか? 私がまほさんの隣に座りたくなったから……だけではいけませんの?」
まほ「いけなくはないが……」タジ
ダージリン「それならば問題ありませんわね。では紅茶のお代わりをどうぞ……」コポポ
まほ「む……あぁ、すまないな」タジタジ
ダージリン「……イギリス人は恋愛と戦争では手段を選ばない……という言葉はご存知かしら?」
まほ「いきなりだな。ダージリンに昔聞かされた覚えがあるが、それがどうかしたか?」
ダージリン「ふふ……その先は……言わなくてもよろしいでしょう?」スッ
まほ「……ダ、ダージリン……むっ!?」ピクッ
オレンジペコ「ダージリン様ぁぁーーっ!」トテトテ
ダージリン「ペコ? アッサムまで……あなた達は一体何処に行っていたの? 私をあの様な仕打ちのまま放って置いて!」プンスコ
アッサム「だからその拘束を解く許可を頂きに行っていたんですよ! 家元達の許可を得るのは大変だったんですから!」
オレンジペコ「そうですよぉ! 家元にもちゃーんと『そうね、大人しくあのまま拘束を解かずに罰を受けていたのなら許してあげるわ』とお言葉を頂いたんですか……ら…………?」チラッ
ダージリン「…………え?」ピクッ
アッサム「……ダージリン、あなたは何故拘束を解いて優雅にお茶を頂いているのかしら?」プルプル
ダージリン「だ、だってまほさんが!」クルッ
ダージリン「いない! 一体何処へ!?」キョロキョロ
しほ「……あら、あなたには反省の色が見られないわねぇ。ちよきち、どうします?」チラッ
千代「そうねぇ、とりあえずもう一回縛っちゃいましょ!」ポンッ
蝶野「亀甲縛りにでもしちゃいましょうか! アハハハハ……ッ!」ケラケラ
ダージリン「え、えぇぇ…………」ガタガタ
千代「あらあらそれにしても縛り甲斐のある身体ですこと、酒の肴に花でも飾りつけましょう」ケラケラ
ダージリン「やめ、やめてくださいまし! 聞いていますの!?」ジタバタ
蝶野「はーい、お口も縛りまーす!」グルグル
ダージリン「んー! んー!」ジタバタ
しほ「さーて、花も飾り付けたし、次はここで花見酒にしましょう!」グイッ
蝶野「家元イエーーーイッ! ほらほら二人ともさーけ持ってこーい!」ケラケラ
オレンジペコ「は、はい……」オズオズ
アッサム「……ダージリン、嵐が過ぎ去るまで我慢よ? いいわね?」チラッ
ダージリン「むぐぐ……むぐぅ……」ガクリ
しほ「アハハハハハハハッ! ここにも花を咲かせましょう!」プスッ
ダージリン「…………んっ!」ピクッ
千代「しぽりーん、そこに花は攻めすぎぃー! うふふふふふっ!」ケラケラ
ダージリン(…………私をこんな目に会わせるなんて絶対に許しませんわよ! 必ず、いつか必ずこの恨みを何十倍にもして返してやるんですからね!)メラメラ
しほ「……その反抗的な目が気に入らないわ」プスッ プスッ
ダージリン「んっ! んっ!」ピクッ ピクッ
蝶野「家元グッジョブベリーナーイス! あはははははは……っ!」ケラケラ
ダージリン「んんんんんんんーーーーーっっ!」クネクネクネクネ
まほ(危なかったな、お母様の気配に気付いて身を隠せて助かった。ダージリンには悪いがこのまま逃げさせて貰おう)ソソクサ
ーーーーーーーーーーー
みほ「…………」キョロキョロ
沙織「あ、みぽりんだ。あの様子だともしかして誰かを探しているのかな?」
麻子「ふむ、それならちょっと聞いてみようか……っと、行ってしまったな」
沙織「あらら……麻子、どうする?」チラッ
麻子「どうするって言われてもな……まぁいいんじゃないか? 西住さんで見付けられない人を私達が見付けられる訳もないし……何かあれば連絡が来るだろう」
沙織「そうだね。それよりさー、さっきゆかりんに頼んで隠れて見させてもらったはむふぇすは凄かったね! ゆかりんがあんなに声出しちゃってさ……」ゴクリ
麻子「あぁ……秋山さんが何でマーガリンとかを買って行ったかを理解したな。二人とも私達の知らないところであんな……その……す、進んでたんだな……」テレッ
沙織「もうほんとに吃驚だよー。でもさー、みぽりん……多分私達に気付いてたよね? 途中からこっちに見えるようなポジションになってたし……」
麻子「あの西住さんだからな、私達に気付いていたというのも充分に有り得る。それにしても途中のはむはむあぶとろにくすは見応えがあったな。秋山さんの腹筋を西住さんがあんなに情熱的に……いかんいかん、思い出したら変な気分になってしまう……」フルフル
沙織「ゆかりんも声を抑えられて無かったもんねぇ……あんなに震えてさ、荒い呼吸みたいなくぐもった声が今でも耳の奥に残ってるような気がするよ……」ハァ
麻子「おい、止めろ。思い出しちゃうだろ。あんな……あんなの……友達同士でする事じゃない……だろ……」
沙織「そうだよね。友達っていうか、恋人?」チラッ
麻子「……それはどうだろうな。秋山さんは西住さん相手に好意以上の物があるのは確かだが……西住さんには恋人なんて意識は無さそうだ……」ウーン
沙織「……それにしてもあれってさ……そんなに気持ち、いいのかな?」
麻子「…………っ!」ピタッ
沙織「ほら、私ってあんな経験無いじゃん! あんな、あんなのって……どうなんだろうね?」チラッ
麻子「わ、私に聞くな! 私だってあんな経験あるわけ無いだろ!」プイッ
沙織「ねぇ、麻子……」スッ
麻子「おい沙織……その先は言うな」
沙織「麻子ぉ……私達も……はむふぇす……してみない?」ジッ
麻子「ばかっ! 言うなって言ったのに!」
沙織「だって気になるじゃん! だって私、麻子とだったら全然嫌じゃないし! あ……麻子は、私じゃ……嫌……なの?」
麻子「……違う。沙織となら嫌じゃないから言うなって言ったのに! 沙織に言われたらこんなの……断れないだろ……」プイッ
沙織「…………やだもー! 麻子ったら誘い受けじゃんもー! じゃあさじゃあさ、あっちの部屋、行こっか?」スッ
麻子「あ、あぁ……え、あの部屋って勝手に使って良いのか?」
沙織「ゆかりんが言ってたよ、そういう事する為の部屋だって。中から鍵をかけれるし、さ……行こ?」ギュッ
麻子「お、おい! 沙織、ちょっと待ってくれ!」ギュッ
沙織「なーに? 今更止めるなんて言わないでね?」
麻子「…………な、生クリームを……持っていかないか……?」ボソッ
沙織「んもう、麻子ったら……優しくはむはむしてね?」ギュッ
麻子「う、うぅ……本当にいいのかこれ……」ギュッ
……………………
…………
ーーーーーーーーーーーー
みほ「…………」キョロキョロ
エルヴィン「むっ! あそこに隊長が歩いているぞ!」ピクッ
左衛門佐「待て、おい待てエルヴィン! 行くな!」バッ
エルヴィン「しかし何かを探してるようだぞ。隊長が困っているならば助けねばならんだろ」
左衛門佐「それも一理あるが、先ずはこっちを助けるのが先決だ」チラッ
おりょう「うっ……うっ……やば、やばい……ぜよ……」プルプル
左衛門佐「あ、まずい! おいおりょう! 絶対にこんな所で吐くなよ! ほら、背中擦ってやるから……」スリスリ
おりょう「す、すまん……ぶふぅ……カ、カルパッチョに嵌められたぜよ……」プルプル
エルヴィン「無理をしてそんなになるまで食べなくてもよかっただろ……」
おりょう「リア充……討つべし……うっぷ、左衛門佐、すまないが擦ってくれぇ……」プルプル
左衛門佐「あぁもう、ほらしっかりしろ。いくら有言実行の為とはいえ無理があるだろ。カルパッチョさんの特製パスタを何皿食べたことやら……」ヤレヤレ
エルヴィン「後半はわんこパスタ状態だったからなぁ……向こうも面白がってたし。カエサルは今頃仲良くカルパッチョさんの特製パスタでも食べてるのかな」
おりょう「うぅ……よ、よし多少は体調が良くなってきたぜよ。二人ともすまん、助かったぜよ」ペコリ
左衛門佐「ふぅ、これで一段落か。それにしてもやはり流石というか、アンツィオの料理はどれも美味しかったな! パスタだけでは無く色々あってついつい食べ過ぎてしまった」
おりょう「……そんなに色々あったぜよ?」フム
エルヴィン「おりょうはカルパッチョさんの特製パスタばかり食べていたから目に入らなかったんだろう。ピザとかもあったぞ?」
おりょう「……ふん、この南蛮かぶれどもめ。次の機会があればその時は必ずあのリア充どものフラグをバッキバキに砕いてやるぜよ!」フンス
エルヴィン「落ち着け。アンツィオは南蛮では無く欧州だろ……自由と愛の国だ!」バッ
左衛門佐「それにかぶれというのも違うだろ。私達は料理を食べただけだぞ?」
おりょう「う、うるさいうるさぁい! 南蛮かぶれでも欧州かぶれでもそんなのどっちでもいいぜよ! リア充討つべし! 討つべし!」プンプン
エルヴィン「ははは……しかしまぁそんなに食べ過ぎてしまっては後が……大変だよな?」ニヤリ
おりょう「うぅ……」ビクッ
左衛門佐「そうだな、またダイエットを手伝ってやらねばならん……よな?」ニヤリ
おりょう「え、遠慮しておく……こ、今回は一人で頑張るから手伝いなどいらんぜよ!」
エルヴィン「いやいや、一人より二人の方が効率もよかろう。我々ソウルメイトにそんな遠慮など無用だ。なぁ左衛門佐?」チラッ
左衛門佐「勿論だとも。そして二人より三人、これも当然の事。今から楽しみだな、おりょう!」ニヤリ
おりょう「い、嫌ぜよ! お前ら二人は遠慮を知らんから毎回毎回体力が持たないぜよ!」
エルヴィン「嫌よ嫌よもなんとやら……それにおりょう、南蛮かぶれだの欧州かぶれだの好き勝手言ってくれるが、お前こそ自身が欧米かぶれである自覚はあるのか?」ニヤニヤ
左衛門佐「ほう、エルヴィン……その話を詳しく教えてくれ!」
おりょう「ちょ、ちょっと待つぜよ! この由緒正しき坂本家の紋付き羽織の何処が欧米かぶれだというんだ!」
エルヴィン「それはだな……おりょう、ちょっと失礼するぞ? よっと……」ギュッ
おりょう「急に抱き付くのは止めろ! んっ、ちょ、ちょっとくすぐったいぜよ……エルヴィン、脇腹を触るような戯れは止めるぜよ……」ピクッ ピクッ
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エルヴィン「ふふふ……見ろ左衛門佐! 今私が掴んでいるこの脇腹にある柔らかな膨らみを欧米ではなんと……ラブハンドルと呼ぶのだぁーーーっ!」ギュッ ギュッ
左衛門佐「な、何だってぇーーーっ!」
おりょう「お、おいこらっ! いい加減離すぜよ! んっ」ピクッ
エルヴィン「詳しく解説すると、こうして抱いたときに手が当たる位置、即ち腰回りにある丁度良いぐらいの肉付きをラブハンドルと言うのだが……この感触、これは正に欧米かぶれでは?」ニヤリ フミュッ フミュッ
左衛門佐「んむっ、むっ! これは……柔らかでありながらおりょうの一本気の通った芯を思わせる固さ……それにこの手に吸い付くようなジャストフィット感! 元々もち肌乙女であるおりょうの脇腹にこんな欧米染みた箇所があるとは……幕末躍動の波はここまで来たというのか……っ! やはりおりょうは鎖国派では無く開国派なのだな!」フミュッ フミュッ
おりょう「んっ……す、好き勝手言うんはぁ、い、言うなぁ!」ピクッ ピクッ
左衛門佐「うーむ、揉めば揉むほど病み付きになりそうだ。それにこうやって揉めばおりょう自身にもエステ効果が期待できるな。流石はエルヴィン、我が歴女チームの参謀よ!」
おりょう「んふっ、ちょ、一度落ち着け! このままでは……んっ!」モジッ
エルヴィン「ふふふ、そう褒めるな……おりょうのラブハンドルをにぎにぎする事で我々も嬉しいし楽しい。おりょうはマッサージによるダイエット効果で嬉しいし楽しい。一石二鳥だな!」フミュッ フミュッ
左衛門佐「ならばこれを止める手は無いな!? そうと決まればこのままあの部屋に行くとしよう! さぁさぁおりょう、逃げても無駄だぞ!」ズルズル
エルヴィン「無論、逃がすつもりもないがな。おりょう……今夜も寝かさないぞ?」ニヤリ
おりょう「い、嫌だぁー! ダイエットは一人で頑張るぜよ! だからこの手を離すぜよぉー!」ズルズル
カエサル「…………むぅ」ジー
カルパッチョ「たかちゃん、どうしたの?」チラッ
カエサル「あ、ひなちゃん。おりょうがパスタを食べ過ぎて余りにも苦しそうだったから胃薬を持ってきたのだが……後で渡すことにするよ。おりょうは今夜も大変そうだ」フゥ
カルパッチョ「うふふ……皆仲が良いのね……でも、今夜のたかちゃんは誰にも渡さないわ!」ニコッ
カエサル「おっと……それは私のセリフだよ。さぁ、行こうか……」ギュッ
カルパッチョ「うふふふふ……」ギュッ
ーーーーーーーーーーーー
みほ「…………」キョロキョロ
桂利奈「あ、西住隊長だ! たいちょふがっ!」グイッ
梓「こら桂利奈! 西住隊長をそんなに気安く呼んじゃ駄目だよ! あぁ……横顔だけでも神々しい……」ズサー
あや「まーた梓の西住隊長崇拝が始まったよ。梓、他の皆が怖がるから五体投地は止めてねって西住隊長に言われたばかりじゃん! ほらほら、止ーめーなーよー」グイッ
梓「四体! これ四体投地だからセーフなの! ほら見て見て、右手は微妙に浮いてるからセーフでしょ!?」ズサー
あゆみ「沙希先生……判定をお願いします……」スッ
沙希「…………」フルフル
優季「アウト判定出ちゃったね。桂利奈ー起こしちゃえ起こしちゃえ!」
桂利奈「あいあいあいぃーーっ!」グイィィ
梓「うぅ……あれも駄目これも駄目じゃ私の西住隊長への気持ちはどう表せばいいの!? 教えてよぉっ!」バンッ
あゆみ「とりあえず五体投地みたいなのは禁止って言ってたよね」
あや「梓が原因だね」フゥ
梓「西住隊長を見たら自然と身体が動くんだもん! 仕方無いでしょ!」バンッ
優季「社を建てるのも駄目だって言ってた」
あや「それも梓だよね」
梓「二度も学園を救ったヒロイン……いや救世主……んーん、現人神だよ! そんなの社で奉らなきゃむしろ失礼だよ!」バンッ
桂利奈「偶像崇拝? も禁止って言ってた!」ニパッ
あや「それは……秋山先輩だよね。凄く精巧なフィギュア作ってた!」
沙希「……パンツ……凄く食い込んでた……」ボソッ
梓「秋山先輩は私の事細かな注文に答えてくれただけなの! そういう細かいディテールは重要なんだよ!」バンッ
あや「じゃあこれも梓じゃん!」
あゆみ「後は……同人誌は発行禁止って言ってたね。ほら、あの……」
あや「限定30部で配布された奴? あれってさー、結局誰が書いてたのかなー? あれもまさか……」チラッ
梓「うぅ……秋山先輩との合同誌です……」
あや「やっぱり梓じゃん! あれ見た西住隊長凄く怒ってたもんね、流石にやり過ぎだよー!」
優季「あの同人誌の内容が凄すぎてあやってば眼鏡割れてたもんね!」
あや「あんなのいきなり見せられたらそりゃ眼鏡も割れるっての! あんな、駄目……とてもじゃないけど言えないわ! なに考えてあんなの書いたの!?」
梓「完璧な物程汚したくなるんです! 真っ白であればあるほど他の色が映えるんです!」バンッ
あゆみ「でもさー梓ってあんなに絵が上手かった? あの同人誌ってプロの漫画家みたいな絵だったよ」
あや「それなら絵の担当は秋山先輩なんじゃない? 秋山先輩って器用そうだから、何でもできそう……」
梓「…………んっ」ビッ
優季「沙希の方を指差してどうしたの? というか人を指で差すのはちょっと行儀が良くないよ……」
梓「違うの……あの同人誌の……絵を担当してくれた沙希先生です……」サッ
沙希「…………がんばりました」ボソッ
あや「え、えぇーーーーっ!? ささ、沙希があれを書いたの!?」ビクッ
沙希「…………」コクン
あゆみ「沙希が……あんな、ぐっぽんぐっぽんな絵を……」クラッ
優季「うわわ、あゆみ! 大丈夫っ!?」グッ
あや「いやでも、絵だけなら無理矢理書かされてって事もあるから……」
梓「プロットからガンガン口を挟んできて半分以上は沙希ちゃんの趣味なんです……」
沙希「…………やっちゃったぜ」グッ
あや「やっちゃいすぎだよ! あんな、あんなぐっぽんぐっぽんなのに、沙希の趣味だなんて……」プルプル
梓「でも、お陰様で完璧な同人誌になったんです! 沙希ちゃん、あの時はありがとう!」
沙希「…………」グッ
桂利奈「よくわかんないけど、沙希ちゃんは漫画が書けるの?」コテン
沙希「…………」コクリ
桂利奈「えー!? すごーい! 今度見せて貰ってもいい?」キャッキャッ
沙希「…………」グッ
優季「でもさー、つまりこれって沙希に頼んだら何か書いてもらえるの?」
沙希「…………」カモン カモン
あゆみ「……ヘタレモノクル参謀女リバ無しサンド総受けで書ける?」グイィィ
あや「あゆみが復活した!」
沙希「…………承知」グッ
梓「すみません先生、軍神総誘い受け淫乱堕ちでお願いできますか?」
沙希「…………任せろ」グッ
あや「えと、えーと……母性太眉と後輩六人リバ有りトロイチャは書けますか?」チラッ
沙希「…………棒は?」ボソッ
あや「ぼぼ、棒!? どどどっちに棒なの!?」ビクッ
沙希「…………そのシチュだと太眉に隠れ棒を付けて幼馴染みから寝取るシチュも併せると全体の構図が締まる」ボソッ
あや「じゃ、じゃあそれでお願いします……」ペコリ
沙希「…………かしこまっ」グッ
優季「あーん、皆ずるいよぉー。じゃあ私は……忠犬ズ下剋上失敗からの完堕ち躾救い無しでお願いしてもいーい?」
沙希「…………どんとこい」グッ
桂利奈「みんないーなー! じゃあ私は……」ウーン
梓(桂利奈ちゃん……桂利奈ちゃんはこの汚れきったうさぎさんチームに於ける最後の良心だよね……?)ジー
あや(桂利奈は何を書いて貰うんだろ……まぁ桂利奈はおこちゃまだからねー、アニメとか特撮とかのを書いて貰うのかな?)ジー
あゆみ(どうしよう、勢いに任せて己の欲望のままリクエストしたけど……桂利奈が世界平和みたいなのをリクエストしたら眩しすぎて桂利奈を直視できなくなっちゃうかも……?)ジー
優季(うーん、意外にこういうのに造詣が深かったり? いやいやまさか桂利奈に限ってそれはないでしょー)ジー
桂利奈「うーん、うーん……じゃあロボット! ゲッペラーとマジンガーが戦っている奴がいい!」ニパッ
沙希「…………余裕」グッ
桂利奈「やったぁ! 沙希ちゃん大好きぃー!」ギュウ
梓「うぅ……駄目だ眩しすぎるよ桂利奈ちゃん……ずっとそのまま真っ白で居てね……」ギュウ
桂利奈「うー?」クリッ
あや「桂利奈……こっちの汚れた世界には来ては駄目だよ……桂利奈はそのままでいいんだからね……」ギュウ
優季「真っ直ぐな桂利奈を前に忠犬ズとかリクエストした自分が恥ずかしいよ……」ギュウ
あゆみ「私もリバ無しサンド総受けだなんて……反省しなきゃ。桂利奈ごめんね、私達の話、聞いても全然わからないよね。きっと桂利奈は私達うさぎさんチームに残った希望の芽なんだね……」ギュウ
桂利奈「あっ、ううん、私……そういうのはもう卒業したから!」ニパッ
梓「……えぇーーーーっ!? 桂利奈ちゃん、私達の言葉……わ、わかるの……?」
桂利奈「あいー! LGBTTQQIAAP何でもござれです!」バンッ
あゆみ「…………今、うさぎさんチームの希望の芽は手折られましたね……」パタリ
あや「あゆみが倒れたぁーー!? え、衛生兵、衛生兵ーーーっ!」アタフタ
梓「あの、か、桂利奈……さん。もしその、言い辛いんだけど性癖的なのを沙希ちゃんに書いてもらうなら、どういうシチュを書いて貰うのかな?」ジー
桂利奈「うー? 沙希ちゃんが私達全員に凌辱の限りを尽くされるのを頼みますっ! そして自分が滅茶苦茶にされてるのを書きながら照れてる沙希ちゃんを隣で色々口を出しながら見守ります! あいっ!」ニパッ
沙希「…………っ!」テレッ///
梓、あや、優季「それは性癖歪みすぎぃーーーっ!!」バンッ
……………………
…………
ーーーーーーーーーーーーー
みほ「…………」キョロキョロ
愛里寿「……あ」ピクッ
アンチョビ「ん、愛里寿、どうかしたか? もうすぐ愛里寿オリジナルのスペシャルボコピッツァが焼き上がるぞぉー! ふふっ楽しみだなっ!」ニコニコ
愛里寿「うんっ! でもまだあのボコは完成じゃない……だよね?」チラッ
愛里寿(みほさん……何か探してるのかな。それなら呼び止めたら迷惑かも、でもこのスペシャルボコピッツァを見せたい。そうだ、スマフォで撮って後でみほさんに送ろう)ウンウン
アンチョビ「そうだぞ、まだボコの身体が未完成だからな! ピッツァもそうだが、料理でキャラ物を綺麗に作るコツは焼き上げた後、生でも食べれる物でキャラメイクすると綺麗に仕上がる! さぁそろそろ焼き上がる頃だぞ! 愛里寿、ペパロニ、準備はいいか?」ニカッ
愛里寿「う……うん! 頑張る!」グッ
ペパロニ「こっちも皿の準備は完璧っす! いつでもオーケーっすよ!」グッ
愛里寿「……ねぇどぅーちぇ。私、このピザを記念撮影したい。いい?」コテン
アンチョビ「ん? 勿論いいとも! 聞いたかペパロニ、先ずはそっちの受け杭付きの皿を取ってくれ。愛里寿が初めて作ったスペシャルピッツァだ、完成したら皆で記念撮影といこうじゃないか!」
ペパロニ「了解っす! うっしゃー、これで本当に準備完了っす!」グッ
アンチョビ「……うん、よし……焼けたな! ピッツァを上げるぞ、ここからは時間が勝負だ! よいしょぉーーーーっ!」ババッ
ペパロニ「あいよぉー! さぁちびっこ、準備はいいかぁー!?」
愛里寿「む、私はちびっこじゃない。でも、準備は出来てる」スッ
アンチョビ「さぁ仕上げだ! 全員喋ってないで手を動かせー! それそれそれぇ!」バババッ
愛里寿「……ん、よいしょ。よいしょ」スッ スッ
ペパロニ「よっ、ほいっほいっとぉ……」ササッ
…………
アンチョビ「スペシャルボコピッツァ、完成だぁーーーっ!」ババーン
ペパロニ「うっし。へへっちびっこも結構頑張ったな!」ポンッ
愛里寿「むっ。それは貴方もね……でも、これは……」ジー
アンチョビ「ん?」チラッ
愛里寿「……これは歴史に残る出来だと思う! とても良いボコピッツァが出来た! ありがとう、どぅーちぇ、ぺぱろに」ムフー
アンチョビ「あーはっはっはっはっはー! さぁ愛里寿、冷めない内に記念撮影だ!」
愛里寿「うん!」ニコッ
ペパロニ「よーし、じゃあ私が撮るっすよ! さぁさぁ二人とも、ピッツァの両脇に立って立って!」サッ
アンチョビ「ん、そうか、悪いなペパロニ。それじゃペパロニの言葉に甘えるとするか……」スッ
???「……いえいえ、どうぞ作られた皆さんで立ってくださいよ。記念撮影は私達がしますので!」ニヤリ
ペパロニ「あんたらは……あんたらはっ! うーんと、誰っすか?」コテン
???「あんたとは前に顔を合わせた事あるでしょーが!」
愛里寿「……メグミ、アズミ、ルミ。来てたの?」
メグミ「えぇ、まぁ……いきなり家元に呼び出されまして……」ガクリ
アズミ「来なければ射撃翌練習の的にすると言われて……」ガクリ
ルミ「えへへ、ま、まぁまぁそれより撮影しましょ! さぁさぁ冷めない内に早く早く!」
愛里寿「……ありがと。どぅーちぇ、ぺぱろに、撮ろ?」コテン
アンチョビ「よーしっ! このスペシャルボコピッツァを崩さないように立て掛けてっと……それじゃ、お願いしまーす!」ニコニコ
ルミ「はいはーい! 2枚撮りますよー! それじゃ、はい撮りまーす!」カシャッ
愛里寿「……ん、2枚撮るの?」コテン
メグミ(ちょっとルミ、1枚でいいんじゃないの?)チラッ
アズミ(何で2枚? 普通に1枚でいいんじゃ……?)チラッ
ルミ(だまらっしゃい! まぁ見ててよ、激レア写真撮ってみせるから!)グッ
ルミ「はい、じゃあ続いて2枚目も撮りますよぉー! それじゃポーズも変えてみましょうか……先ず両手でピースを作って、軽く顔を挟む感じで……そうそう流石隊長! 可愛いですよぉ!」ニコニコ
愛里寿「…………そう?」ピース
アンチョビ「ん、こうか?」ピース
ペパロニ「大勝利って感じっすね!」ピース
ルミ「あー良いですねぇ! それでは少し顎を引いて、視線は……あの天井に見えるライト辺りにお願いしまーす! あ、顔は正面を向いたまま、ピースも維持して視線だけ上にくださーい! あらー隊長ってば最高ですー!」ニコニコ
愛里寿「…………眩しい」ピース
メグミ(……これって)ピーン
アズミ(ルミ、一体何を……)ウーン
ルミ「はい、少しお口を開けてくださーい! はい完璧でーす! では最後の掛け声行きますよぉー!」ニコニコ
ルミ「天智天皇の第四皇女であり、草壁皇子の妃でもある第43代天皇……元明天皇の諱はー?」ニコニコ
愛里寿「阿閇ー」ポカーン ピース ピース
ペパロニ「あの人何言ってるんすか?」ピース
アンチョビ「……全然わからん!」ピース ピース
ルミ「ベストショット頂きました!」パシャ パシャ
アズミ「ぶふぅーーっ! ちょ、ちょっとルミ! あんた隊長に何て事を!」
ルミ「んふふふ……どうこの作戦。此方の意図を見せる事なく隊長のアへ顔ダブルピース写真をゲットよ!」ニヤリ
メグミ「ルミったらでかした! 早速私にも送っといてよ! んふふ、隊長のこんな破廉恥な写真……破廉恥な……は……?」ピタッ
ルミ「メグミーどうしたの? 隊長の姿が可愛すぎて言葉を失っちゃった?」ンフフ
メグミ「あのさ……この写真の右奥に見えてるの……家元じゃない?」プルプル
ルミ「えっ!? あ、本当だ……こっち……見てるぅうぅぅーーーーーーっっ!!! というかこれクラウチングスタートの体勢じゃん! に、逃げなきゃ……」ブルブル
???「……随分と楽しそうな写真を撮っているのね」スッ
ルミ「あわ、あわわわわわ……」ブルブル
千代「あなたたちは呼び出した私の元へも来ないで何をやっているのかしらぁ? 言い訳があるなら2秒で吐きなさい!」ポンッ
メグミ「全部ルミの独断であります!」ビシッ
アズミ「同上であります!」ビシッ
ルミ「ちょっと二人とも! 少しは助けてよぉ!」
千代「おらぁーーっ! カールの弾になるかそれとも的になるか選べぇぇーーーーっっ!」グググ
ルミ「ぎゃー! お助けぇーーーー!」グググ
愛里寿「……お母様、これを見てください。どぅーちぇとぺぱろに、それと私の三人で一緒に作りました。スペシャルボコピッツァです」スッ
千代「んまぁ! 愛里寿ったら、とっても良く出来てるわね。ピザを作れるなんて凄いわぁ!」ニコニコ
愛里寿「お母様、ピザではなくピッツァです。石窯を使った本場さながらのピッツァなんです。今日はどぅーちぇにピザとピッツァの違いも教わりました」ニコッ
ペパロニ「いやーピッツァとピザが別物だなんて初めて知ったっすよー! やっぱドゥーチェは何でも知ってるっすねー!」
アンチョビ「まぁピザはピッツァから派生したものだからほぼ同じものだけどな。それでも本場イタリアがピッツァの定義を掲げているのだから、一応別物として扱うべきだ。というかペパロニはアンツィオ生としてこれくらい知ってなきゃ駄目だろ!」ポコッ
ペパロニ「あてっ! たはは……すみませんっす!」テヘペロ
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千代「あらまぁそうなのぉ? 愛里寿ったら博識なのねぇ……自慢の娘だわぁ! さぁそのスペシャルボコピッツァは急速完全冷凍して未来永劫ボコミュージアムに飾りましょう! 愛里寿の自慢の手料理だもの、国宝申請もしましょう!」グッ
愛里寿「いえ、これはボコミュージアムに飾るより、お母様にも食べて欲しいです。熱い内に皆で食べましょう。いいよね、どぅーちぇ?」チラッ
アンチョビ「勿論だとも! ピッツァは窯から上げた熱々が一番美味しいんだ! さぁそれじゃあ切り分けるぞぉー! ペパロニ、やるぞ!」サササッ
ペパロニ「うぃーす! ほいほいほい……」サササッ
メグミ「ピザ……いえ、ピッツァね。隊長の手作りを頂けるなんて光栄の至りです。頂きます!」サッ
アズミ「美味しそうだわ……これはもしかして隊長って私達より料理上手いんじゃ……?」サッ
ルミ「とりあえず危機は去ったわね……気を取り直して、頂きまーす!」スッ
千代「本当に美味しそうねぇ、愛里寿の多才な感性にはいつも驚かされるわぁ。ふふふっ食べるのが勿体無いくらいの出来ね!」スッ
しほ「ま、肝心なのは味よね、味。これでも私、舌には少し自信があるのよ?」ニヤリ
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千代(ちょ、ちょっとしぽりん何処から湧いて出たのよ! 愛里寿の折角の手料理なのよ!? 下手なことは絶対に言わないで頂戴!)グイッ
しほ(ふふふ……任せなさいちよきち。私とてこれでも二人の娘を持つ母です、なればこそ娘を持つ母親の気持ちが解らずに居られようか!)ニヤリ
千代(あなた最近まで末の娘と不仲だったじゃないの……というか今もそこまで仲がよくないわよねぇ?)
しほ(…………うるさい! 別にもう蟠りなんて無いのよ! あとは向こうからちょっとこう来てくれればぎゅっと抱き締めるぐらいは出来るの! でもあの娘が中々来てくれないから周りからはそう見えるだけで……)ゴニョゴニョ
蝶野(それならもういっそ自分から行けばいいじゃないですか……みほさんもきっと待ってますよ?)ニコッ
しほ(それはちょっと恥ずかしいじゃない! いいの! 西住の門戸は何時でもあの娘の為に開けてあるからしぽりんはこれでいいの!)プイッ
蝶野(素直じゃないんですから……)フフ
愛里寿「あの、家元のお口に合うかわかりませんが……どうぞ」サッ
しほ「あらありがとう、早速頂くわね……」ムグムグ
千代(しぽりん本当に変な事言わないでよ! 愛里寿が少しでも傷付いたらあんたのとこの娘達の粗を探して滅茶苦茶言ってやるんだからね!)
愛里寿「ど、どうですか……?」オドオド
しほ「……えぇ、とても美味しいわ。愛里寿ちゃんはきっと良いお嫁さんになれるわね……」ナデナデ
愛里寿「えへへ、照れます」ナデナデ
千代(しぽりんも人の子だったのね……そんな言葉が言えただなんて……感涙で前が見えないわぁ……)ブワッ
しほ(失礼な人ね……心にトラウマでも刻み付けてあげようかと思ったけれど、これは褒めるに値する物と思っただけよ。ただそれだけの事……)フンッ
愛里寿「お母様も冷めない内にどうぞ召し上がってください」ジー
千代「うふふ……そうね、冷めない内に頂くわね!」ムグムグ
千代「…………美味しい……とっても美味しいわぁ! うぅ……この御姿は正に愛娘の鏡……っ! どこぞの姉妹とは雲泥の差……っ!」ウルウル
しほ「おいちょ、おま、止まれや!」ガッ
愛里寿「……どぅーちぇとぺぱろにが手伝ってくれたので、とても美味しくできました。どぅーちぇはお料理の手際がよくてとても料理上手なんですよ」フンスフンス
千代「あらそうなの? それはしっかりとお礼を言わないと駄目ねぇ……」クルッ
千代「えぇと、どぅーちぇさん? 娘の愛里寿が大変お世話になったわ、それに先のイタリア料理もあなたが作ってくれたのね、どうもありがとう」ペコリ
アンチョビ「い、いえいえそんな家元に頭を下げられると此方が困るというか何と言うか……」アタフタ
ペパロニ「そーだそーだ! ドゥーチェにはアンチョビ姉さんって名前がちゃんとあるんだぞー!」ヤイノヤイノ
アンチョビ「お、おい止めろペパロニ! 変な事を言うな!」グイッ
千代「アンチョビ・ネイサン? 中東の方なのかしら? いえ、娘共々お世話になったのには代わりはないわね」ペコリ
アンチョビ「あわ、あわわ……ちち、違います! あ、安斎千代美と申します! アンツィオ高校で戦車道を率いさせて頂いております!」ペコペコ
ペパロニ「ドゥーチェ……いつもはあんなにアンチョビと呼べーって怒るのに……」ジー
アンチョビ「ペパロニのあほーっ! 私達の名前は聖グロの面々と違って学園から正式に拝命した訳じゃないんだぞ、大体私にアンチョビって名前をつけたのはお前だろ! そんな偽名紛いで家元に挨拶できるわけあるかーっ!」プンスコ
千代「そう……あなたがあのアンツィオ高校を建て直した安斎さんなのね……卒業した後の進学先は決まっているの? 勿論戦車道は続ける気なのでしょう?」
アンチョビ「あ、はい。進学先でも戦車道を続けるつもりです!」ビシッ
千代「あらそう、それは良い事を聞いたわね。実はバミューダの一人が明日の早朝にカールの砲弾として弾け飛ぶ予定だから丁度大学選抜に一人欲しかったのよー! あなたなら愛里寿も反対しないと思うし……是非考えておいて頂戴!」ガシッ
アンチョビ「え、えぇーーっ!?」ビクッ
ルミ「どぅえぇぇぇえぇーーーーーーっっ!? ちょちょ、ちょっと待ってください! その弾け飛ぶ予定の一人ってもしかして私の事ですか!? 謝りますからほんとに勘弁してくださいよぉ!」
メグミ「グッバイルミ! あなたの事……嫌いじゃなかったわ!」グッ
アズミ「フォーエバールミ! 今日がこのバミューダトリオの最後の日なのね!」グッ
ルミ「あんたら薄情過ぎるでしょ! もっと家元に食い下がってでも止める素振りぐらい見せなさいよ!」
メグミ「でも家元の言葉には逆らえないし……諦めて?」ニコッ
ルミ「いーやーだーっ! うぅ……隊長……お願いですから助けてくださぁい!」ガシッ
愛里寿「……もう、お母様」ジッ
千代「……ふぅ、愛里寿……分かったわ。安斎さん、バミューダの件は冗談としてもあなたの戦車道の素質を買っているのは本当です。何かあればこの名刺に連絡なさい、良いわね?」スッ
アンチョビ「あ、ありがとうございます! だ、大事にします!」ペコペコ
しほ「あら、ちょっと待ってくれるかしら。安斎さん、勿論私もあなたの才覚には注視しているわ。私の名刺も渡しておくから、何かあればちよきちより先に私に連絡なさい。いいわね?」スッ
アンチョビ「は、はい! ありがとうございます!」ペコペコ
千代「……まぁ優秀な人材に声を掛けるのも大事な仕事だものね、お互いが目をかけるのも優秀な人材の証としておきましょう。それにしても美味しいわねぇ……愛娘の手料理ともなるとそれも一入ねぇ……」ニコニコ
しほ「まほ……が料理をしているのは見たことがないけれど、みほは色々と作っていたわね。また食べられる日が来るといいけれど……」フゥ
蝶野「そうやって受け身のままだといつまで待っても食べれませんよー? みほさんもこの会場に居るんですから、声を掛けてみたらいかがですか?」チラッ
しほ「……いえ、止めておきましょう。あの娘も大洗で逞しくやっているのだから……それを邪魔するのも野暮だわ……」フゥ
千代「あなたって本当に素直じゃないわねぇ……」フフ
ルミ「うぅ……隊長……ありがどうございまずぅぅーー! おがげでだずがりまじだぁー……っ!」ガシッ
メグミ「うんうん、ルミ……良かったわね。やっぱり私達は三人じゃないと!」ウンウン
アズミ「そうね! これからも三人で仲良くやっていきましょう!」ウンウン
ルミ「うるさいぞ薄情者共! お前らがそういう奴等だって事はよーく覚えておくからなぁーっ!」プンプン
愛里寿「……それより、撮った写真を私に送ってほしい。出来れば直ぐに」
ルミ「あ、はい! 直ぐに送ります!」サササッ
愛里寿「ありがと……ん? もう一枚は?」チラッ
ルミ「…………い、要りますか?」ピクッ
愛里寿「ん、欲しい」
ルミ「お、送りますね……」サッ
メグミ(ちょっとルミ! 何で送るのよ!)グッ
アズミ(流石にあの写真はマズいでしょー、カールの的になっても知らないわよ)
ルミ(隊長が欲しいというなら……私には拒めないわ……)ガクッ
愛里寿「あっ来た……んふふ、やっぱり皆変な顔ね」フフフ
ルミ「あの、隊長……その写真は余り見せびらかしたら駄目ですよ? 本当に、マジで駄目ですからね?」グッ
愛里寿「そうなの? ん、分かった」コクリ
ルミ(ふぅ……とりあえずこれでセーフね……)
愛里寿「何度見ても間抜けな顔ね……んふふ、面白い。この写真のポーズは流行りなの?」プクク
メグミ「えぇ……まぁ……一部では流行ってますけど……一部では」
愛里寿「そうなんだ……それなら皆で撮影する時はこのポーズで撮ることにしよう」ポンッ
ルミ「…………え?」
愛里寿「流行っているんでしょ? なら問題無いはず」
アズミ(おーまいごっしゅ! 恨むわよ、ルミ!)グイッ
メグミ(こんなポーズ嫁入り前の娘がするポーズじゃないわよ! どーすんのよ!)グイッ
ルミ(うぐぐ、ギブギブ、死んじゃう……これ以上は私が死んじゃうぅぅ……っ!)グググッ
愛里寿「……駄目なの?」コテン
メグミ、アズミ、ルミ「…………隊長が望むなら、撮らせて……頂きます」ガクリ
愛里寿「んふ……ありがと。とりあえずこの写真は後でみほさんに送っておこう……」スッ
ルミ「あわわわわ……どうか何も起こりませんように……」プルプル
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アンチョビ「……何だか凄い名刺を二枚も手に入れてしまったな! 戦車道を代表する両家の名刺だぞ……何か緊張してきた……」プルプル
ペパロニ「ドゥーチェならスカウトされて当然っすよ! もっと自信を持ってください!」グッ
アンチョビ「そそ、そうかな? それにしても愛里寿と島田流の家元を見てると親子ってものを思い出すな……私もたまには実家に帰って料理でも作ってあげようかなぁ」フフ
ペパロニ「実家!? ドゥーチェの実家っすか!? 私も連れてってくださいよぉーーーっ!」グラグラ
アンチョビ「何でお前を連れて実家に帰らなきゃならないんだ。そういえばペパロニの口からアンチョビ姉さんって言葉を久し振りに聞いたな。最近はドゥーチェって呼ぶし……何かあったのか?」チラッ
ペパロニ「へへ……ドゥーチェも遂に卒業しちゃうじゃないですか。だから私も色々考えて姉さん呼びは卒業しようって考えたっす!」ニコッ
アンチョビ(そうか……来年はペパロニがドゥーチェとなり皆を率いていくんだし、いつまでも姉さん姉さんと甘えていてはいけないと考えて……ふふ、こうして後輩の成長を目の当たりにすると嬉しいもんだな)フフ
ペパロニ「ドゥーチェの事……自分なりに色々考えたんすよ! 姉さんって呼ぶのも勿論嫌いじゃないっす……でも、ある時気付いたんすよ!」バンッ
アンチョビ(私の事を越えるべき壁と考えているとか? こう正面から越えるべき目標と言われると何だか嬉しくなるな……ペパロニの奴め……後で何か好きな物でも作ってやるか……)ニコニコ
ペパロニ「私……ドゥーチェの事……姉さんじゃなくてお嫁さんにしたいんだって気付いて……だから姉さん呼びは卒業したっす! ドゥーチェ、私と結婚してくださいっす!」バンッ
アンチョビ「…………は?」キョトン
ペパロニ「だからドゥーチェの実家に連れてってくださいよぉ! ドゥーチェのご両親にご挨拶したいっす! お願いしますよぉーっ!」バンッ
アンチョビ「……あ、あほかぁーーーーーっ! このバカロニーーーーっっ!」ポコッ
ペパロニ「いてっ! へへへ……ドゥーチェ……大好きっすーーっっ!」ギュウウ
アンチョビ「だぁぁーーったくもう、本当にしょうがない奴だな……」ポンポン
ーーーーーーーーーーー
みほ「…………」キョロキョロ
アリサ「……ん? あそこに歩いているのは……サイコ女! 一体何して……」チラッ
ケイ「こらーアリサ、余所見をしない! ボールがそっちに行ったわよ!」
アリサ「えっあ、ちょ……へぶっ!」ビターン
典子「サービスエースが決まった! おおあらーい……ふぁいっ!」バンッ
あけび、忍、妙子「おーっ!」ババンッ
ケイ「んもー、アリサったら。ナオミ……取られたポイントは直ぐに取り返すわよ!」スッ
ナオミ「イエス、マム! こっちは何時でもオーケーさ!」グッ
アリサ「……ちょ、ちょっと待ってください! もういい加減バレーは止めませんか!? かれこれ数時間はやってますよ!?」
典子「なにー!? バレーは何時間やっても楽しいんだぞ! 皆、そうだろ!?」
妙子「楽しいです!」
忍「それに嬉しくもある!」
あけび「時には悔しさだってあります!」
典子「その悔しさだってバレーボールは全て受け止めてくれる! よし、根性で行くぞ!」バンッ
アリサ「待てぇぇーーーーっっ! ちょっと止まれぇっ!」グッ
ケイ「アリサ……どうかしたの? 大丈夫?」フゥ
アリサ「隊長! もう無理ですよぉ……身体が持ちませんって……少し休みましょうよぅ?」ジッ
ナオミ「うーん、流石にアリサもそろそろ限界かもね。ケイ、どうする?」チラッ
ケイ「でもまだ決着も付いていないし……向こうのチームに聞いてみましょう?」
典子「何々……メンバーの一人が限界……休みたいと……ふむふむ」フンフン
典子「分かりました! では休憩を取りましょう! よし、皆……休憩時間だ!」
アリサ「あぁぁーやっと休めるぅぅ……ほんっとスポーツなんて私には向いてないっていうか、そもそも私やりたいだなんて言ってないしまほさんはどっか行っちゃうし……」ブツブツ
典子「さぁこの休憩時間もいつも通りにバレーの練習をしよう! 行くぞ皆!」バシッ
アリサ「…………は?」
ケイ「ボールが来たわ! ナオミ、アリサ、行くわよ!」グッ
アリサ「あの、私の話聞いてました?」
忍「アターック!」バシィ
アリサ「うわっ、え、えーい!」バシッ
ナオミ「オーケー、直接叩き込んであげるよっ!」バッシィ
妙子「す、鋭いぃ……っ!」スカッ
ケイ「ナイスナオミ! 惚れ惚れしちゃうわ!」
典子「あの長身は厄介だな……でも私達には根性がある! よーし、次……行くぞ!」バンッ
アリサ「待って、何かおかしいわ! お願いだから一回止まってぇ!」グググッ
ケイ「もーそんなに慌ててどうしたのアリサ。何かあった?」チラッ
アリサ「あの、今って休憩時間ですよね!? バレーの休憩時間に何でバレーが始まるんですか!? ちょっとぐらい休ませてくださいよぉ!」
ケイ「うーん……そうねぇ、バレーボールが飛んできたから? でも安心して、今は休憩時間よ!」グッ
アリサ「休憩時間でもバレーボールが飛んできたらバレーが始まるんですか!? それなら休憩が終わったらどうするんです!?」
ケイ「……おそらく、バレーがまた始まるわね!」グッ
アリサ「だから休ませてくださいよぉ! あ、ほらあそこ、あそこにプラウダのーー」ビッ
カチューシャ「……あんた達こんな所で何やってんの?」
アリサ「ほら! ほらっ! プラウダのカチューシャが来ましたよ! さぁさぁちょっとでいいですからバレーはお休みしましょ!?」グッ
カチューシャ「何を騒いでんのよ、というかいくらここの天井がそこそこ高いからってバレーするってどうなの?」
典子「あっカチューシャさん、丁度いい所に。バレーやりませんか!?」バンッ
カチューシャ「嫌よ。何でこのカチューシャがそんなことしなくちゃならないのかしら」
典子「そうですかぁ……それなら仕方がない、皆……バレーをしよう!」グッ
妙子、忍、あけび「はいっ!」バンッ
アリサ「待て待て待て待て待って待って本当に待って! 何なの!? あんたらの頭の中はバレーしかないの!? 一度あんたらの頭の中見てみたいわ!」
ホシノ「……頭の中は見せられないが……思考の片鱗程度は見せられるよ!」バンッ
アリサ「はぁ? あんたそんな格好で何言ってんのよ、バニースーツみたいなの着て恥ずかしくないの!?」
ホシノ「……あれから着替える時間が無かったんだよ、あまり格好は気にしないでくれ。ま、それはともかく……スズキ、あれを持ってきてくれ」バッ
スズキ「はいはーい。一応作ってあった4つ全部持ってきたよ!」バンッ
アリサ「何よこれ、頭に嵌める……のかしら?」
ホシノ「そうそう、それでこっちの輪っかは手首に嵌めるんだ。折角4つあるんだし、誰か他に……」キョロキョロ
アリサ「ちょ、何で私が嵌める流れになってんのよ! あそこのバレー中毒の4人に付けなさいよ!」ビシッ
ノンナ「ーーお言葉ですが、カチューシャに限ってそれは決してありえません」ニヤリ
妙子「キャプテンこそが本物です! これは誰が相手でも譲れません!」フンス
アリサ「……何か言い争っているわね……隊長、何があったんです?」
ケイ「うーん、そうねぇ……つまり、どっちがピュアかって話かしら?」
アリサ「ピュア? 何言ってるんですかねあの人達は……付き合ってらんないわ。向こうにでも行こうかしら……」フゥ
ノンナ「くぅっ! 大洗には分からず屋が多いようですね……っ! 偉大なる同志カチューシャのピュアさが分からないとは……どうにかしてカチューシャの御心をこの人達に教えなければ……!」ギリギリ
あけび「そっちこそわかってないです! キャプテンのこの姿を見てわからないんですか!? ピュアさでいったらカチューシャさんは元よりどの学園の人よりピュアな筈ですっ!」ギリギリ
カチューシャ「…………ん? 皆何を言っているの?」チラッ
典子「……バレーの事以外だというのは確かですね、カチューシャさん!」
ホシノ「まぁまぁ諸君! 落ち着いてくれ! そんな君達に朗報だ! ここにあるこの機械はなんと……言った言葉を嘘かどうか見抜く事ができる!」
ホシノ「これを着けたまま質問すればその人がピュアかどうか……判明すると思わないか!?」バーン
ノンナ「いいでしょう、カチューシャ……奴等にカチューシャの偉大さを示すいい機会です。さぁこれを着けましょうね」カチャカチャ
カチューシャ「え、これは何なの? ちょっとノンナ、説明しなさいよ!」プンプン
忍「キャプテン、大洗の秘蔵っ子……いえ、隠れショタと言われる所以をプラウダの方達に見てもらいましょう!」カチャカチャ
典子「ショ、ショタって……私は女だよ! 一体何なの!?」プンプン
ケイ「アリサ……あなたはピュアとはむしろ対極に位置する娘だけど、面白そうだからこれをつけてね?」カチャカチャ
アリサ「え、い、嫌ですけど!? ちょ、嫌ですってば! はな、離してぇ!」ジタバタ
ナオミ「おっと、諦めなって。さぁさぁじっとして」カチャカチャ
アリサ「くっ……え、これ外れないんですけど!? 二人ともふざけないでくださいよ! 何で私がこんなものつけなきゃならないんですか、大体……」ブツブツ
ナカジマ「うーん、一個余ったね。どうする?」チラッ
スズキ「何だか各チームから一人ずつ出ているし、うちからも一人出そうか!」ウンウン
ホシノ「そうだね……ツチヤ、お願いできるかな?」クルッ
ツチヤ「え、嫌だよ?」キョトン
スズキ「うん、ありがとう。それじゃ早速……」カチャカチャ
ツチヤ「いやいやいやいや、それあれじゃん! 嘘言うと電気流れる奴じゃん! いーやーだー! やーだーやーだー!」クネクネ
ホシノ「ははは……まぁ少しの辛抱だよ。今度の金曜日にドリンクバーを奢ってやるからさ……」
ツチヤ「…………ケーキは?」チラッ
ホシノ「わかったわかった。好きなだけ頼んでいいよ」ニコッ
ツチヤ「……それなら……やる」
ナカジマ「よーし、全員準備完了!」バンッ
undefined
ホシノ「それじゃ、皆に紙を配るからこの四人に聞きたい事書いてね。全員に聞くことになるから、個人宛の質問は駄目だよ? あ、一応何枚か渡しておくからね。書くことがなかったら白紙で出してくれればいいよ」
ケイ「オーケー! さーて、なに書こうかしらね……」スラスラ
アリサ「……これ、私も書くの? 別に聞きたい事なんて無いわよ……」スラスラ
ノンナ「奴等に偉大なる同志カチューシャを知らしめる質問……一体何を書けば……」
忍「……個人宛は禁止だけど全員に聞けばそれは個人宛と変わらない……つまり……」スラスラ
ホシノ「……これは丁度良い機会かもね……」スラスラ
ナカジマ「はいはーい、それじゃ紙を回収しするよー!」ワシャワシャ
スズキ「箱に入れて、と……」ガシャガシャ
ホシノ「それじゃルールを説明するよ! 今から読み上げる質問に答えて貰う訳だけれど、四人に嵌めてもらったのは嘘発見器だからね。嘘を言ってしまうと手首の輪から電気が流れるから嘘は言わない方がいいよ!」
ノンナ「ちょっと待ってください! 電気が流れるなんてそんな事は初耳ですよ。カチューシャに痛い思いはさせられません、直ぐに外してください! もしくは手首の輪だけ私に着けてください!」グッ
ナカジマ「いやーこれは頭のリングと連動して嘘を判断するんでどっちか片方を外す事なんてできないんですよー」
ノンナ「ならこんな茶番は結構です! さぁカチューシャ、そんな物外してしまいましょう」スッ
忍「……逃げるんですか?」ニヤリ
ノンナ「…………今なんと仰いましたか?」ジッ
あけび「所詮偶像は偶像ですぅ。崇めて奉っても張りぼてはキャプテンの様に本物にはなり得ません。外したければどうぞご自由に……」ニヤニヤ
ノンナ「……こいつら……っ! いいでしょう、この勝負……受けてたちます! カチューシャ……あなたの偉大さをこいつらに知らしめてあげましょう!」グッ
カチューシャ「……全然意味がわかんないんだけど、とりあえず質問に答えればいいのね?」
アリサ「下らないわね、さっさと終わらせなさいよ!」プンプン
典子「……私の質問が読まれるといいなぁ」ポケー
ツチヤ「……罰ゲーム用に作った機械がこんな所で使われるなんて……お願いだから答えられる質問にしてよ?」チラッ
スズキ「それは書いた人にしか分からないからねぇ……とりあえず一枚引いてみるよ!」ガサガサ
ホシノ「ん……『正直な話、試合で通信傍受機って引く?』」バンッ
ケイ「アリサ……あなた、気にしてたのね……」ホロリ
アリサ「…………」///
ホシノ「嘘をついたら針千本では無いけど、それなりの電気が流れるからね! それじゃ回答を……どうぞ!」
カチューシャ「……特に何の問題も無いわ。卑怯とも思わない、但し……勝てればの話よ」フンッ
典子「私も特に気にしてません! むしろそういう作戦もあると気付かせてくれる良い機会でした!」
ツチヤ「……うーん、あーいうの見てるとさ、そういうグレーな事ってどこまでやっていいのかなって思うな。あ、別に引いたりはしないけどねー」ニコニコ
アリサ「…………!」ホッ
ナオミ「ふふふ……アリサは気にしすぎさ。でも、良かったね」ニコッ
アリサ「べ、別に気にしてねーし! 良くともなんとも思ってないし!」フンッ ビリリリリリ
アリサ「んきゃぁぁぁぁーーーーーっっ!」ビクビクビクン
ホシノ「だ、駄目だよ嘘を言ったら! 大丈夫かい?」
アリサ「痛いじゃない! 何なのよバカ!」
ケイ「うふふっ! もう、アリサったら嘘は駄目よ? 人間素直に生きなきゃ……ね?」ウフフ
アリサ「くそっ! 機械を嵌めてるのを忘れてたわ……」
ノンナ「……矮小な人物の下らない質問でしたね。次の質問をお願いします」ジッ
スズキ「嘘をついたら機械が反応するから気をつけてくださいよーっと」ガサガサ
undefined
ホシノ「次は……『バレーは好きですか?』と……誰が書いたか解りそうなものだが……」チラッ
典子「はい! 大好きですっ!」キラキラ
カチューシャ「バレーというか、スポーツ全般が余り好きじゃないわ。カチューシャの体型では不利な事はわかってるもの……」フンッ
典子「カチューシャさん、バレーにはリベロ制度というものがありますよ! それに私もカチューシャさんと同じで体型では余り向いていないかもしれません……でも、バレーが大好きです!」キラキラ
ノンナ「くっ……眩しい……っ!」バッ
妙子「キャプテンの真っ直ぐな気持ち……最高ですぅ! 主に下腹部辺りにキュンキュンきますよぉ!」フンフン
カチューシャ「ふーん、ま、気が向いたら調べてあげるわ。あくまで気が向いたらだからね!」フンッ
ツチヤ「いやー身体を動かすぐらいなら車を動かしてた方がいいよねぇー。だからバレーは好きでも嫌いでもないかなー」
アリサ「何時間もやらされたせいでさっき嫌いになったわ。大体ね、私はインドア派なのよ。あんな何時間もバレーやらされたら死ぬわ!」フンッ
典子「そんな!? 私達の行為がバレーから人を遠ざけてしまったのかぁーーっ! うぅ、アリサさん……私の事は嫌いでも、バレーは嫌いにならないでください!」
アリサ「そ、そんな事言われても……別にあんたの事は嫌いじゃないし……」
典子「バレーの事も嫌いにならないでください! 先ずは言葉からだけでもバレーが好きと言ってください、お願いします!」ペコペコ
アリサ「あーうっさいわねぇ、はいはいバレーが好きバレーが好き。これでいいんでしょ? しっしっ!」フンッ ビリリリリリ ビリリリリリ
アリサ「うわちゃぁぁぁぁーーーーーっっ!」ビクンビクン
ケイ「アハハハハハハハハッ! あなたも懲りないわねぇ、ふふふふ……っ!」ゲラゲラ
典子「あぁぁーーっ! すみませんすみません、私ったら機械嵌めてるのを忘れてアリサさんになんて事を……こうなったら私も嘘を吐いて電気を流すしか……っ!」グッ
アリサ「い、いいから……とりあえず離れて……」ピクピク
ツチヤ(うわぁ……流れる電気も結構痛そうだし、こりゃ絶対に嘘は吐けないねー)フゥ
スズキ「まだまだ行きますからねー、今度は私がっと……」ガサガサ
ホシノ「ん……ん? 随分と長いな……『どうも、偉大なる同志カチューシャのおはようからおはようまでを見守るノンナともうします。偉大なる同志カチューシャは……』いや、長いよ! えーと、質問は……『下の毛について、同志カチューシャはその純粋たる心を表すが如く当然天然無毛ですが、そちらのキャプテンとやらはどうせアマゾンの湿地林なのでしょう? お答えください』って……これ質問としてどうなの?」チラッ
ナカジマ「……もう滅茶苦茶だね、とりあえず皆さん回答をお願いします」サッ
ツチヤ「えぇっ!? これ私も答えるの!?」ビクッ
スズキ「そういう企画だから……ツチヤ、変な質問引いてごめーん」ペコッ
カチューシャ「……確かに生えてこないけど、それが何なのかしら?」///
ノンナ「いいえ、カチューシャはそれで良いのです。いつまでもそのままで居てください……」ギュウ
忍「……ふふふ、キャプテンを甘く見て貰っては困るな。キャプテン、言ってやってください!」バンッ
典子「……えーと、生えてないけど、いやいや本当に何なのこの質問は! 流石の私でもちょっと恥ずかしいよ!」///
ノンナ「ちぃっ! 土手は五分という訳ですか……やりますね」チッ
典子「土手とか言わないで!」///
あけび「キャプテンナイスバンクですぅ!」
ホシノ「…………」ジー
ツチヤ「いやいやそんな見られても皆でお風呂とか入ってるんだから知ってるでしょ。そりゃ生えてるよ、年相応でしょ!」///
ホシノ「確かに知ってはいるけど、改めて聞かされると……何か不思議な気分だね」チラッ
ツチヤ「もー何だよこの質問はー、何の意味があるんだよぉー」ブツブツ
スズキ(ツチヤ……いじけちゃった……可愛いなぁ……)
ナオミ「……最後はアリサの番だよ?」ジー
アリサ「……………………ぼ、ぼーぼーよ? 年頃だもの当然でしょ、それが何か?」プイッ ビリリリリリ
アリサ「あだちゃぁぁーーーーっっ!」ビクンビクン
ケイ「んふふふふ……っ! 何で電気が流れるのが分かってて言うのかしら、あなたも生えてこないじゃない!」ケラケラ
アリサ「ちょ、ちょっと隊長! プライベートな事をばらさないでくださいよ!」
ノンナ「つまりあなたもピュア土手と……そういう事ですね?」ニヤリ
アリサ「ピュア土手とか言うな、バカ!」ガルルル
ナカジマ「はぁ……もうちょっとまともな質問は……と、これはどうかな?」ガサガサ
ホシノ「んむ、何々、『ここから西を見るとお城を模した建物が見えます、あの建物について説明してください』と書いてある。西は……あっちだね」チラッ
スズキ(まぁ所謂ラブホテルだよねー、私は利用したことないけど……当たり前か……)フフフ
妙子(私の質問が出ましたね。ふふふ……キャプテンならきっとファンシーな感じのふわっふわした答えが返ってくる筈。プラウダの連中にキャプテンの存在を知らしめるチャンスです!)ニヤリ
ノンナ(あのような低俗な建物をプラウダに置きたくもありませんが、下賎な輩共は何処にでもいるもので、真に残念ながらプラウダにも似た建物が少なからずあります。ですが私は今日までカチューシャにあの建物についてピュアッピュアな説明を再三してきました。さぁ、大洗の愚か者共よ……純真無垢なカチューシャの答えを聞くがいい!)ニヤリ
カチューシャ「連れ込み宿ね、低俗な建物だわ」フゥ
ノンナ「カチュゥゥゥゥシャアアアアァァァァァァアーーーーーーッッ!!! そ、そんな下劣な言葉を何処で覚えたんですか!? 私はあの建物についてそんな説明はしていないでしょう!?」ガクガクブルブル
カチューシャ「ひぃぃっっ! に、ニーナとアリーナが話してて、それで知ったの……」ビクビク
ノンナ「あの糞ゴミ共おおぉぉぉーーーーーっっ!! 絶っ対に許さんっっ! 三度切り刻んで燃やしてくれるっっ!」グォォ
忍「ぷくく……皆、ノンナさんのあの狼狽えかたを見てよ」ニヤニヤ
あけび「まるで道化みたいですぅ!」ニヤニヤ
妙子「そんなに狼狽えなくてもいいのに……だって、張りぼてからメッキが剥がれた……ただそれだけの事でしょう? さぁキャプテン……回答をお願いします!」バッ
典子「え? ラブホテルだよね?」キョトン
妙子「いやああぁぁぁぁぁーーーーーーっっ!! キャ、キャプテンの口からラブホテルだなんてそんな……もういやっ! 何でこの世はここまで私を苦しめるのっ! 大体何処でそんな言葉を知ったんですか! キャプテンのえっちっち!」
典子「そんな事を言われても……私、これでも妙子より年上なんだから、そりゃそういうことも少しは知ってるよ……」
忍「駄目っ! キャプテン、ちょっとタイム! それ以上の言葉は妨害行為ですよ、だから少し抑えてください!」バッ
あけび「がふ……っ!」ガクリ
忍「あけび、しっかりして……あけびぃぃーーー!」ギュウ
あけび「だ、大丈夫です。キャプテンがそういうことを認識していると知って、少し動揺しただけですから……」ニコッ
アリサ「阿鼻叫喚じゃない……何なのこいつら……」ハァ
ナカジマ「それじゃ、ツチヤー回答おねがーい」ニコッ
ツチヤ「……ファッションホテルだねー。もうこれくらいの答えじゃ何も感じないよ」
スズキ「でもちょっと顔が赤いねー」ニヤニヤ
ツチヤ「う、うるさいなー。ほっといてよ!」プイッ
ケイ「最後はアリサねー、電気流れる様な事は言っちゃ駄目よ?」チラッ
アリサ「……いや、あの……ホテル、ですよね?」オドオド
ケイ「そうよ? 何でそんなにおどおどしているの?」
アリサ「え、あ……いやー、皆なんか色々ホテルの前にくっ付けてるじゃないですか。ラブだのファッションだのと……だからホテルとはまた違うのかなーって思って……でもやっぱりホテルで合ってたんですね、良かったぁ……」エヘヘ
ケイ「ちょっと待って。アリサ……あなたあのホテルを何だと思っているの?」ピタッ
アリサ「そりゃホテルですから、泊まる所ですよね? サンダースにもちらほらありますし……」
ナオミ「アリサ……あのホテルについて誰かから聞いた事は?」
アリサ「え? パパとママは年齢制限があるから大人にならないと入れないよって言ってたけど? だからまだ入ったこと無いのよねぇ……」キョトン
ナオミ「……ちょっと聞いていいかな。ガルパンGを打っている時、まほにホテルでハプニングがどうとか言ってたけど……そのハプニングって何?」ジー
アリサ「私は行ったことが無いからわからないけど、ママは『あなたが将来愛した伴侶と色々な所へ行くときっと素敵なハプニングが起こるわ』って言ってたから。まほさんとあんなお城みたいなホテルに行ったら……きっと素敵な事が起こるのよ!」ニコッ
ナオミ「ケイ……ケイッ! アリサに電流が流れない……故障かもしれないな。修理をお願いしよう! 今すぐに!」バッ
ケイ「ナオミ、大丈夫よ落ち着いて。アリサもそんなに怯えなくて大丈夫、あなたはあなたのままで大丈夫だから……」ギュウ
アリサ「はぁ、別に怯えてませんけど……?」
ノンナ「くぅ……っ! その程度のピュアさで余り調子にのらないでもらいましょう。まだまだ勝負はついていないのですから……さぁ、次の質問を読んでください!」
スズキ「人は見掛けによらないというか……次は……これにしよう!」ガサガサ
ホシノ「思わぬ伏兵ってところだね……えーと『去年のクリスマスには誰からのプレゼントが枕元にありましたか?』」バンッ
ノンナ「っしゃぁ! 失礼、取り乱しました。これはとても良い質問ですね、皆さんの回答がとても楽しみです」ニコニコ
ノンナ(私は毎年毎年カチューシャの為にサンタという虚像を完璧に作り上げてきました。カチューシャと共にサンタさんへの手紙を書き、そして靴下を飾りました。クリスマスの夜にはサンタに扮しバレないように細心の注意を払ってプレゼントを靴下の中に入れてカチューシャの呼吸を採取しカチューシャの頬をスリスリしカチューシャの抜け毛を全て保管してきたのです。所詮大洗の仮バレー部などという作って一年も経っていない柔な絆とは年期が違うのですよ。ふふふ……奴等の回答が楽しみですね)
典子「……何も無かったよ。女子寮だし、今年も特には何も無いんじゃないかなぁ……」
忍「……もう一年、もう一年あればキャプテンの枕元にプレゼントを置けたのに! そうすればサンタを作れたのに……キャプテンのサンクチュアリにアタック出来たのにぃ!」バンッ
典子「サンクチュアリにアタックって何なの? 今日の皆はちょっと怖いよ……」ブルッ
ノンナ「ぷふぅーーっ! おっと失礼、余りの回答に口から息が漏れ出てしまいまぷふぅーーーっ!」ニヤニヤ
あけび「あいつマジでムカつきますぅ! でも今年はキャプテンにサンタさんがちゃーんと来ますから安心してください!」ムフー
妙子「今年のキャプテンはとってもいいこいいこでしたからねぇー。今度一緒にサンタさんへお手紙書きましょうね……」ニコリ
典子「いや私の方が年上だよ? そんな子供をあやすように言われても困るよ……」
ノンナ「今更取り繕っても無駄無駄無駄ぁ! さぁ次は誰が答えるんです!?」
スズキ(去年のクリスマスはツチヤの枕元にプレゼント置いたっけ……バレバレだったけど、ツチヤも喜んでくれたなぁ……)ニコニコ
ホシノ(普段は年の差なんて感じさせないけど、ツチヤは私達の一個下だからね。もっと色々可愛がってあげたかったな……)ニコニコ
ナカジマ(今年も何か置いてあげないとね……来年は置けそうにないし……)フゥ
ツチヤ「えーとじゃあ私から言おうかなー、去年のクリスマスはサンタ達からのプレゼントが置いてあったよ。ふふ……あれは嬉しいサプライズだったね!」ニコッ ビリリリリリ
ツチヤ「どわっちゃああぁぁーーーーーーっっ!!?」ビクンビクン
ツチヤ「い、い……いったああぁぁぁぁーーーーいっっ!」ゴロゴロ
ホシノ「ツチヤッ!? 大丈夫か! 何で電流が流れて……あのプレゼントはサンタさんからという体だったよね?」チラッ
ナカジマ「もしかして……私達からって気付いてたからじゃない? そりゃバレバレだったしさぁ」
スズキ「あぁ……それで嘘と判定して電流が流れたんだ……ツチヤ、大丈夫?」サッ
ツチヤ「クリスマスの素敵な思い出が電流で上書きされたよぉ! 痛かったよぉ!」
スズキ「あーよしよし、いたいのいたいの飛んでけー……なんてね」ニコッ ギュウ
ツチヤ「うぅぅぅーーー……痺れたよぉぉーー!」ギュウ
ノンナ「サンタは純真無垢で素直な良い子の元にしかやって来ませんからね。そこのキャプテンさんもツチヤさんも資格を有していなかった……それだけの事です。さぁカチューシャ、あなたのピュア力を見せ付けてやりましょう! 偉大なる同志カチューシャからのお言葉です、愚民ども……心して聞くがいい!」バッ
カチューシャ(ちょっと待って、ツチヤって他の自動車部からのプレゼントをサンタさんからって事にして貰ったのよね? それをサンタさんからって回答したら電流が流れた……つまりノンナが毎年クリスマスプレゼントを枕元に置いているカチューシャと同じ状況……)
ノンナ「どうしましたカチューシャ、当たり前の回答をごく自然に答えるだけですよ? あいつらにカチューシャの純真な御心を見せてやりましょう……さぁ!」バッ
カチューシャ(これってカチューシャもプレゼントはサンタさんからって言ったら嘘の判定をされて電流が流れるんじゃ……だってあのクリスマスプレゼントって全部ノンナからだもの。カチューシャだってこれでも大人のレディーなんだからサンタさんの正体ぐらい知っているわ。でもノンナからって言ったらまたノンナが発狂するかも……だけどサンタさんって答えたら電流が……あぁもう! どうすればいいのよ!)
ノンナ「カチューシャ? 大丈夫ですか?」
カチューシャ「…………ノンナからのクリスマスプレゼントが枕元に置いてあったわ!」バンッ
ノンナ「…………」
カチューシャ「ごめんなさいごめんなさい! でも電流びりびりは嫌なの、ごめんなさいごめんなさい!」ペコペコ
ノンナ「……いえ、いいのです。ただ、すこしだけ……休ませてくださ……い……」パタリ
カチューシャ「ノンナァァァーーーッッ!」ギュウウウ
ノンナ「……誰だって電流を流されるのは嫌ですものね、私はカチューシャが無事なら……それで……いいのです……」ギュウウ スンスンスン ハスハスハス
カチューシャ「んふ、んふふふ……ちょっと、くすぐったいわよ、ノンナったら何で抱き着いたときはスンスンするのよ、んふふ……」クネクネ
ホシノ「あっちは意外とダメージ少なそうだね。最後はアリサだけど……」チラッ
ナオミ(ケイ、どう思う?)
ケイ(アリサも寮暮らしだし、大洗のキャプテンと同じ答えじゃない? サンタは流石に……ねぇ?)
アリサ「何も置いて無かったわよ。当たり前じゃない」フンッ
ケイ(ほらね?)ニコッ
ナオミ(だね)ニコッ
ケイ「あら、それは残念だったわね。アリサの元に来なかったのなら、サンタも去年は忙しかったのかしらね!」ウフフ
ナオミ「だとしたら今年は大丈夫さ、アリサはこんなにも良い子なんだから」ナデナデ
アリサ「頭を撫でるな鬱陶しい! ま、去年は煙突も作って無かったし、仕方ないわよ」
ケイ「……ホワッツ? ちょっと待ってアリサ、煙突を作るってどういうこと? 煙突ってそんな一朝一夕に作れる物じゃないと思うんだけど……」
アリサ「あー、隊長の実家なら家に煙突は元々付いてそうですもんね。私はほら、実家が煙突付きの家って訳じゃないから、クリスマスの前にはミニ煉瓦で小さい煙突を作るんですよ。サンタさんが来てくれますようにって!」エヘヘ
アリサ「そうするとクリスマスにはちゃーんとサンタさんがクリスマスプレゼントをくれるんですよ? ま、去年は忙しくて煙突も作れなかったからサンタさんは来てくれなかったけど……」フゥ
ナオミ「参ったねこりゃ……本物だよ。アリサは本物のピュアエンジェルだったんだよ! ケイ、すまないが頼みがある!」バンッ
ケイ「えぇ、今年は作りましょう……サンダース総出で立派な煙突をね!」ニコッ
アリサ「だ、駄目ですよそんな事をしちゃ。私は一昨年までサンタさんからいっぱいプレゼントを貰いましたから、サンタさんには今度から私の分まで誰かにプレゼントを配って貰わなきゃ! だってサンタさんは皆のサンタさんなんですからっ!」ニコッ
ケイ「……そうね、サンタさんは皆のサンタさんだものね! 私ったらうっかりしてたわ、ソーリー!」テヘッ
ホシノ「……これはもうぶっちぎりで優勝なのでは? 全校生徒を集めてもここまでの童心を持ったピュアな人材は居ないだろう」ウンウン
忍「悔しいけど……完敗だね。でもクリスマスを挟んだ来年ならまだチャンスがある!」
典子「無いよ! 皆は私の事を子供扱いしすぎだよぉ!」
カチューシャ「それにしてもアリサって子供なのねぇ……でもつまりノンナはこのカチューシャにあんな感じになって欲しいわけ?」チラッ
ノンナ「…………いえ、カチューシャは例え連れ込み宿とサンタの正体を知っていてもカチューシャですから。今日は私も色々ご迷惑お掛けしました……」ペコリ
カチューシャ「いいのよ、いつもノンナには頑張って貰ってるんだから」
ノンナ「それに……」
カチューシャ「それに?」
ノンナ「正直な話、17、8にもなる年頃の女があれほど性に無頓着……もといピュアだと若干引きます。あれではアリサさんの将来が心配になります」
カチューシャ「今日のノンナは結構ずけずけ言うわね、でもそれ……アリサには言っちゃ駄目よ」
ノンナ「ふふ……わかっていますとも。私にカチューシャが居るようにアリサさんにはケイさん達がいらっしゃいます。ですからきっと大丈夫ですね」ニコニコ
スズキ「はいはーい、それじゃ最後の質問にしようか……えーと……ほいっと」ガサガサ
ホシノ「ふむ、これは……私では恥ずかしくて読めないな。スズキ、悪いが代わりにこれを読んでくれないか?」チラッ
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スズキ「ちょっと! ホシノが恥ずかしくて読めないのを何で私に読ませようとするのっ!? 大体それって一体どんな質問……って、そういう事ね……了解了解。『ツチヤ……このような場を借りて言うのは卑怯かもしれないが、君を迎えて過ごした自動車部の2年間はとても素晴らしいものだった。しかし私達は自動車部から一足先に卒業してしまって、君を一人だけ残すような形になってしまうのをどうか許して欲しい。その罪滅ぼしではないのだが、君から何か望みがあれば叶えてあげたいと思う。ツチヤ、本当に今までありがとう。そしてこれから私達が卒業するまでの少しの間もどうかよろしく。ホシノより』」
ツチヤ「…………っ!」ビクッ
ツチヤ「……そんなの、そんなのいきなり言わないでよ! バカホシノ!」ダッ ギュッ
ホシノ「おっと……っ!」ギュッ
ツチヤ「……そんなこと、言わないでよ……来年の事を考えると、寂しいよ……苦しいよ……でも仕方ないもん、私は皆より一つ下なんだから……」ギュウ
ホシノ「そうだね……でも、だからこそ残る時間をツチヤの為に使ってあげたいんだ。皆もそうだろう?」チラッ
ナカジマ「勿論だよ。残り少ない時間かもしれないけど、ツチヤに何か残せればいいよね。自動車部は残りそうに無いし……」ズーン
ツチヤ「うぅ……ぐすっ……」グズグズ
スズキ「ナカジマ……それは言っちゃ駄目でしょ! あーぁ、ツチヤがグズっちゃったじゃん。こうなるとポルシェティーガーより気難しいんだから……よーしよーし」ナデナデ
ツチヤ「皆……うぅ……ぞれなら留年じでぇ!」ビエーン
ホシノ、スズキ、ナカジマ「それは勘弁して!」
カチューシャ「……結局、ホシノのいいように使われたって所かしら」チラッ
ノンナ「そうかもしれません、ですがカチューシャにも望みがあればこの私が叶えて差し上げますよ。何でも仰ってください」
カチューシャ「そうねぇ、当面は身長でも願っておこうかしら。ノンナ、叶えられる?」
ノンナ「当然ですとも、さ……どうぞ」スッ
カチューシャ「……ふん。ま、暫くはノンナの肩の上で我慢しておくわ。これからもよろしくね、ノンナ」ニコッ
ノンナ「えぇ、勿論。カチューシャの側にはいつも私とクラーラが控えております。ご安心ください」ニコニコ
クラーラ「…………っ!」グッ
典子「……なんかよくわかんないけど、望みを言えばいいのかな?」チラッ
忍「私達に叶えられる望みなら、任せてください!」バッ
妙子「……キャプテンの性に関する記憶を消去するとかどうですか?」
あけび「それ最高ですぅ! 早速その方法を西住隊長に聞きに行きましょう!」バンッ
忍「妙子冴えてる! そうすればキャプテンはまた純真無垢な子に戻れるんだね!」
典子「……望みが決まったよ! 皆は私をちゃんと年上の女の子として扱う事! これでもう私に変な事は言わないよね!?」バンッ
あけび「……うーん、なしよりのなしですぅ! 却下しまーす!」
典子「なんでそうなるのっ!? 別にいいじゃん、私が、その……えっちーな話してもさぁ……」モジモジ
忍「あのぉキャプテン。私達は別にえっちーな話をしたい訳じゃないんですよ?」
妙子「そうですそうです! でもキャプテンがどうしてもっていうのなら……はいぃっ!」ゴソゴソ バンッ
典子「……これ何?」チラッ
忍「妙子のお宝同人誌ですね。大洗学園の生徒向けに限定30部だけで配布されたんですよ。誰が書いたのかは判らないんですけど……」
あけび「これは本当に超お宝な物なんですよぉ! 抽選だったんですけど、人数が凄く多くて私も忍ちゃんも当たらなかったんですから!」
典子「……へぇ……そんなのあったんだ……」ペラッ
典子「ほわぁっ! ちょっ、これえっちーな奴じゃん! 止めてよもぉ!」バッ
妙子「キャプテンのこの反応……もしかしてありよりのあり?」チラッ
忍「むしろ……」チラッ
あけび「ありありのありですぅ!」バンッ
妙子「キャプテーン、ほらほらこのページなんて書き込みが凄くて……西住隊長の表情がまた良いんですよぉ……」グイグイ
典子「見ない! 見ないからね! はーい、お目々ブローック! えっちーな物は見ませーん!」ギュウ
あけび「んふぅー、キャプテンのこの反応……これはこれで良いものですぅー! はいお目々ブロック解除ー!」グイッ
典子「止めてよぉ! 見ーなーいー、見ないもんっ!」ギュウ
忍「ふふふ……キャプテン……これから楽しみですね……」ギュウ
妙子「皆、これからもキャプテンの為に頑張ろう! おおあらーい……ファイ!」バンッ
忍、あけび「おーっ!」バンッ
典子「絶対見ないからぁーーっ!」ギュウ
アリサ「……えーと、私も望みを言っていいんですかね?」ウーン
ケイ「私達に叶えられる事に限るけど、オーケーよ!」ニコッ
アリサ「それじゃ、あのぉ、聞きたいことが……ぜ……全国大会の事なんですけど……お、怒ってますか?」チラッ
ケイ「アリサ、あなた……ずっとその事を引き摺ってるわね……」フゥ
アリサ「だってぇ……最初から隊長が指揮していたら勝ってたかもしれないじゃないですかぁ……」エグッ エグッ
ケイ「そんな事を言ったらあの時最後に全車投入してたらって話になるでしょー? ザッツ戦車道っ! 勝ったとか負けたとかの話じゃないわよ?」
アリサ「でも……でもぉ……」グズッ
ケイ「ほらほら泣かないの! アリサの折角の可愛い顔が台無しじゃない」スッ
アリサ「へぶっ……」グシグシ
ケイ「アリサ、いい? 大会だけが戦車道じゃないの。戦車を降りても私達の道は続いているんだから、いつまでも終わった事を気にしてちゃだーめ!」ニコッ
アリサ「た、たいちょおぉぉぉーーー…………」ギュウウウ
ケイ「はいはい、んもう……アリサったら甘えん坊ねぇ」ナデナデ
ナオミ「おいおいケイ、私にもアリサのそのキュートな頭を少しは撫でさせておくれよ。独り占めはよくないよ?」ニコッ ナデナデ
アリサ「うぎゅぅ……ふみゅぅ……」ナデナデ
ナオミ「ふふふ……本当にアリサは可愛いね……持って帰りたいくらいさ……」ナデナデ
アリサ「う、うるさいうるさーい! 私が可愛いなんて言われなくても知ってるし! つーか触んなし! やめろし!」バッ ビリリリリリ
アリサ「いっぎゃーーーーーっっ!!」ビクンビクン
ケイ「あらら、今度はどんな嘘に反応しちゃったのかしら?」フゥ
ナオミ「あははは……なんでもいいじゃないか。アリサは素直で可愛い子、それだけさ!」ニコッ
ケイ「それもそうね!」
アリサ「…………むぎゅぅ」パタリ
ーーーーーーーーーーー
みほ「…………」キョロキョロ
優花里(んひぃ! あ、あれは西住殿! どうやら誰かを探しておられるご様子! これは是が非でもお力にならなければなりませんね!)ビクン
優花里(……ですが、私の身体は先程のはむふぇすを享受した余韻が残ってて……動けないでありますぅ……)ビクンビクン
優花里(うぅ……西住殿を見ているとあの柔らかな指の感触……薄い唇に反して生き物の様に蠢く舌先と掠れるような声の残響を思い出してしまって身体が勝手に反応しちゃいますぅ……あふぅ……っ!)ビクッ
優花里(あぁ……西住殿が行ってしまわれました……この身体が動けさえすれば必ずお役に立てたものを……んふぅ……)ビクン
優花里(それにしても久し振りのはむふぇすは大盛り上がりでしたぁ! しかも今回はポイント消費がありませんでしたからね! 貯めた西住ポイント……NPを使わずに済んだのは正に僥幸ですよ!)ハフゥ
優花里(はむふぇすを開催して頂くには約53万NPを払わなければなりませんからね! 如何に私のNPが100万そこそこ貯まっていようとも無駄遣いはいけません! まだまだ貯めていきますよぉ!)フンスフンス
優花里(……でも、ある程度のNPが貯まると西住殿が色々なイベントで搾取しに来るんですよねぇ……この前なんてやっと300万ものNPが貯まったと思ったら期間限定イベントと称してぺろぺろふぇすてぃばる権が250万NPで売られていましたし……買いましたけど!)ムフー
優花里(ぺろふぇす……あれは本っ当に最高でした! なんとなんとなーんとリバ有りでしたからね! んふふ……あの時の私はそりゃもうぺろぺろぺろりあんでしたとも。西住殿はですね、あまり嬌声をあげる事は無いのですけど、あの時の上擦った声が……掠れたような声が今も耳に残っていますよぉ! あぁ……また開催したいですねぇ……っ!)フンフンフンフン
華「……あら、優花里さん? そのような所でどうかなされたのですか?」ピタッ
優花里「い、五十鈴殿! いやぁちょっと先程の疲れが残ってて……少し座って休んでいるんですよ!」エヘヘ
華「……ん、成る程。優花里さんは相変わらずの様ですね」クンクン
優花里「え、に……匂いますか? きちんとシャワーも浴びたんですけどね」クンクン
華「いえいえ、余りお気になさらず。私が少し過敏なだけですわ。それで優花里さんの体調はもうよろしいんですの? 体調が優れないのなら誰か呼んできましょうか?」チラッ
優花里「あはは、大丈夫ですよ! 元気爆発が私の取り柄の一つですからね! ご心配をおかけしてすみません!」ペコリ
華「そうですか、それなら安心ですね。では何か飲み物でもお持ちいたしましょうか? 何に致します?」ニコッ
優花里「いやいや、私の事は気にしなくて大丈夫です! 本当に少し休んでいただけですので!」ニコッ
華「ですけど……このような騒がしい場所では休むのにも一苦労ですね……そうだ! 私、良い場所を知っているので、そこで休んではどうですか?」チラッ
優花里「…………その良い場所って向こうの方ですかね?」スッ
華「……そうですよ?」ニコリ
優花里(さっき西住殿と入った部屋の方向……)ゴクリ
優花里「その良い場所って、もしかして中から鍵が掛かったりしちゃいます?」チラッ
華「……掛ける方もいらっしゃるそうですね!」ニコリ
優花里「……もしかしてシャワー室があったり?」チラッ
華「有事にはお花にお水をかけなければなりませんもの。そのような備えも必要ですからね!」ニコリ
優花里「何故かお布団が備えてあったり?」チラッ
華「勿論です! 優花里さんは大切なお友達ですもの、床に直接なんて寝かせられません! 万事この五十鈴華にお任せを!」ニコリ
優花里(……………………このままだとヤられるっ!)ピクッ
華「さぁさぁ優花里さん、一緒に行きましょう? 体調の悪いのを我慢するなんて身体に毒ですよ?」ニコニコ
優花里「あは、あはははは……では私はこれで失礼しますっ!」ダッ
華「逃がしませんよ? 優花里さんが悪いんです、そのような艷っぽい匂いを漂わせられたら私も我慢できません!」ギュッ
優花里「ちょ、ちょっと五十鈴殿! 私はそんな匂い出してませんよ! 止めてください!」ジタバタ
華「では確認してみますか……あの部屋で、じっくりねっとり時間をかけてどのような匂いかを教えて差し上げますね!」ニコリ
優花里「わた、私には西住殿という心に決めたお方がいるんです! 毎度毎度五十鈴殿の性の捌け口にしないでください!」ジタバタ
華「まぁ、そのような言葉は心外です。それに優花里さんのみほさんを想うその気持ち! 私、とても感動いたしました!」グイイイ
優花里「いったたたた、いったい! 五十鈴殿、痛いですよ! 何でその返答で尚更引っ張るんですか!? 止まってくださぁい!」グイイイ
華「ですから何時も言っているではありませんか。私は優花里さんが如何にみほさんを想っていようが構いません。ただ、その都度身体をお貸し頂ければよいのです。人様の恋慕を邪魔するような野暮などとてもとても……ね?」グイイイ
優花里「あぁ……引き摺られて行くぅ……西住殿ぉ……非力な秋山優花里をお許しくださぁい……」グスングスン
華「あらあら優花里さんったら、いつもいつもこのような茶番など挟まなくても宜しいのに……女心は複雑ですわね……」グイイイ
???「ちょ、ちょっと待てお前ら! 皆も居る場所で何と言う会話をしているんだ!」バッ
優花里「あ……あなたは……っ!」
桃「ほら、五十鈴もその手を離せっ!」グイッ
優花里「あっ……」パッ
華「あらら……」パッ
杏「…………ふーん」ジー
桃「お前ら神聖な学舎で一体全体どういうつもりだ! それにいつもいつもってどういうことだ!」
華「どうと言われましても……優花里さんがこのように抵抗するのはいつもの事ですから……ね?」チラッ
優花里「うぅ……そ、そんなことは……」ソラシ
桃「何ぃ……?」ジー
杏「成る程、つまり秋山ちゃんも望んで引っ張られていたって事だね。どーりで秋山ちゃんの抵抗が形だけだったわけだ」フーン
優花里「こ、心からの抵抗ですよ! 私には西住殿というお方が居ますから! こんな愛の無い行為は心底お断りですぅ!」
桃「しかし会長、秋山はこう言っていますが……」チラッ
杏「うーん、それにしては秋山ちゃんに拒絶の色が無さすぎるんだよね……」
華「うふふ……女性には時として理由が要りますから……」
優花里「理由だなんてそんな……拒絶に理由なんてありませんよ!」フン
華「あらぁ……優花里さんにそこまで嫌がられては仕方ありません……誰か別の方で我慢致しますわ」
優花里「あ、ちょ……べ、別の方が五十鈴殿の毒牙を受けるなんて事は見過ごせません! 誰かが犠牲になるのなら……私がなりますぅ!」ガルーン
華「……と、いうことです。優花里さんの尊い自己犠牲の精神を蔑ろにするのも偲びありませんし……そろそろ行ってもよろしいですか?」ニコッ
桃「え、えぇー……会長、ど、どうしましょう?」チラッ
杏「どうしましょうって言ってもねー、まぁお互いの合意があるのなら此方側としても言うことは無いんだけど……」
優花里「ご、合意では……ない可能性も微粒子レベルで……残留している……のかも……ですけど……」
華「うふふ、優花里さんも強情ですわね。そうですわ、私……良い事を思い付きました。生徒会の皆さんには本当に優花里さんが嫌がっているのか目の前で見て貰って判断して頂きましょう!」ポンッ
杏「……それって私達の目の前で五十鈴ちゃんと秋山ちゃんがおっ始めるって事? 流石にそれはちょっとねぇ……」
華「百聞は一見にしかず! 優花里さんが嫌がっていると皆さんが判断したのなら私は手を止めますわ!」バンッ
桃「では逆に我々が嫌がっていないと判断するとどうなる」
華「……それは私の口からはとてもとても……ですが、内側から鍵が掛かってしまう密室のような部屋に布団が数組敷いてある部屋ですから……私達のみならず……皆さんどうなってしまうんでしょうね?」チラッ
杏「…………っ!」ゴクリ
桃「会長? 大丈夫ですか?」
華「あらあら……もしかして会長さんも体調が悪いのでは? それなら尚更あの部屋にご一緒いたしましょう。きっとその体調も良くなるはずですわ!」ウフフ
杏「……私もちょっと疲れてるのかもね。すこ、少し休もっかなぁ、なぁんて……」ハハハ
優花里「うぅ……合意ではないです、おそらく……決して……さ、先っちょだけですから西住殿ぉ、見捨てないでくださいねぇ……」ズルズル
華「はいはい、今日は足腰が立たなくなるまでしますからね。優花里さん、しっかり覚悟をしておいてくださいね……?」ツネリッ
優花里「……あひゅんっ! そ、そこはつままないでぇ……っ!」ビクッ
華「会長さんも無理をなさるとお身体に毒ですから……私達の確認をしがてらあのお部屋でご休憩なさってはいかがです?」チラッ
杏「うーん……ま、まぁ確認は必要だよね?」スッ
桃「あ、会長! うぅ……皆行ってしまった……ど、どうしよう……?」ウルッ
柚子「…………じゃ、私達も行こっか?」ガシッ
桃「へぐっ! ちょ、ちょっと痛いよ柚子ちゃん! 柚子ちゃん!? うわぁ引き摺られるぅぅーーーっっ! やめてぇぇーーーーーっ!」ズルズル
柚子「今日は離しませーん! 最近の桃ちゃんったら会長会長まほさんまほさんと……たまには私の事も見てもらわなくちゃね!」ニコッ
桃「ゆ、柚子ちゃんの事もちゃんと見てるよぉ! だから……ねぇ、やめて……ね?」ウルッ
柚子「…………っ!」ゾクゾク
柚子「今日は絶対に止めないからね? 桃ちゃんの敬愛する会長の前でしっかりとその身体に刻み込んであげる……私の気持ちをね」ニヤリ
桃「ひぇぇ……や、やめてよぉ柚子ちゃん!」ズルズルズルズル
柚子「やーめーまーせーんっ! はいはーい、とうちゃーく!」ズルズル
桃「た、たすけもがっ」ギュウ
柚子「……さ、二人でたっぷりと楽しもうね?」ギュウ
桃「もがもがー!」ジタバタ
柚子「うふふふ……ま、たまにはこういうのもいいよねー?」ニコニコ
……………………
………………
…………
ーーーーーーーー
みほ「…………」キョロキョロ
オレンジペコ「あ、みほさんですぅ!」
アッサム「本当ね、誰か探しているようだけれど……でも先ずはこっちの問題を先に解決しないといけないわ」フゥ
オレンジペコ「そうですね……うぅ……ダージリン様、おいたわしや……」ウルウル
ダージリン「粛清……淘汰……虐殺……追放……排除……」ブツブツ
オレンジペコ「うぅぅぅーーっ! こんなにやさぐれたダージリン様は初めて見ますぅ! 隅っこで膝を抱えてぶつぶつと物騒な言葉を……可哀想ですぅ!」ウルウル
アッサム「それだけあの三人から受けた仕打ちは屈辱的だったということね。さて、どうしたものかしら……」ウーン
ダージリン「掃討……根絶……掃滅……破壊……抹殺……」ブツブツ
オレンジペコ「呟いている言葉が破壊衝動に満ちてますぅ! マイナスイメージというか、ネガティブといった方がいいのか……アッサム様ぁ、どうすればいいんですか?」ウルウル
アッサム「そうねぇ……とりあえず、言葉の方向性を変えてみましょう。耳元でもっとポジティブな言葉を囁いてみればダージリンの呟く言葉も変わるのではなくて?」チラッ
オレンジペコ「そうですかねぇ……では、ダージリン様ぁ耳元で失礼いたしますぅ……」サッ
オレンジペコ(えぇと……祝福……解放……紅茶……多幸……戦車……こ、こんな感じでいいですかぁ……?)ボソボソ
ダージリン「衝動……災害……………………展開……輪廻……禍福……」ブツブツ
アッサム「あら……流れが変わったわね。この調子でどんどん行きましょう!」ムフー
オレンジペコ「今のダージリン様の状態は大体ニュートラルという事ですかね、禍福とか混ざっていますし……」
オレンジペコ(……この状態ならもしかしてダージリン様の性嗜好をコントロール出来るのでは? これは試してみる価値がありますぅ!)ムフフ
オレンジペコ(百合……ビッフェ……御神酒徳利……サッフィズム……)ボソボソ
ダージリン「転身……安置……………………バリタチ……フェム……モノガミー……」ブツブツ
オレンジペコ「やったぁ! 成功ですぅ!」ニパー
アッサム「ぶっふーーっっ! ゴホッゴッホッ……ちょ、ちょっとオレンジペコ! ダージリンに何を言ったの!? 一気に呟く方向性が変わったじゃない!」ジロッ
オレンジペコ「そんなぁ、ポジティブな言葉を羅列しただけですよぉ! さぁこのままどんどんいきますよぉーー!」バンッ
アッサム「ちょっと止めなさい! ダージリンが戻ってこれなくなったらどうするの!」ギュウ
オレンジペコ「それならそれでオールオッケーですぅ! 私はどんなダージリン様でも愛せますから……アッサム様、手を離してくださぁい!」グググ
???「……どうやら我等の仲間を増やすチャンスですぞ!」ニヤリ
???「我等も呟いてみるぞな!」
???「それじゃ、えーと……」コソッ
オレンジペコ「あぁーー! 止めてください! ダージリン様はこれを期に誘い受けのバリタチに生まれ変わるんです! 私のダージリン様に不純物を入れないでぇーーー!」ジタバタ
アッサム「こらっ! オレンジペコったら暴れないで! そこの貴方達……えぇと、ねこにゃーさん達も変な言葉をダージリンに吹き込まないで!」
ねこにゃー(上腕二頭筋……大胸筋……三角筋……だにゃー)ボソボソ
ももがー(インターナルオブリーク……インターナルインターコスナル……イレクタスパイニー……)ボソボソ
ぴよたん(シットアップ……ツイストクランチ……シーテッドニーアップ……)ボソボソ
アッサム「ちょっと貴方達、止めなさいって言っているでしょう!? ダージリンに悪影響が出たらどうしてくれるのよ!?」バンッ
オレンジペコ「あぁぁーーっ! 私のダージリン様が穢れるぅ! 離れて、離れてくださぁい!」ジタバタ
ねこにゃー「ふふふ……これできっと聖グロリアーナ女学院にも筋トレの波が来ますぞぉ!」キャッキャッ
ももがー「楽しみぞな!」キャッキャッ
ぴよたん「んん!? ダージリンさんの様子が変だっちゃ!」ビクッ
ダージリン「ん……んんんんんーーーーーっ! ティーターイム!」バーンッ
アッサム「ダ、ダージリン……!? 貴方……大丈夫なの?」チラッ
ダージリン「えぇ……アッサム、それにペコにも心配を掛けたわね。この通り、私はもう大丈夫よ」ニコッ
アッサム「…………ほっ。これでとりあえずは一安心かしらね。ですがダージリン、あなた……変な言葉に影響なんて受けてないわよね?」ジトッ
ダージリン「アッサムったら心配性ね。勿論大丈夫よ、ふふふ……それでは早速だけれど、ペコ……紅茶を頂けるかしら?」チラッ
オレンジペコ「あ、はい! かしこまりましたぁ!」トテトテ
ねこにゃー(うーん……影響は見られないにゃー)
ももがー(まぁ耳元でごちゃごちゃ言ってただけだからもにゃ)
ぴよたん(残念ほい……)シュン
オレンジペコ「お待たせしましたぁ! どうぞ!」タンッ
ダージリン「ありがとう……あらペコ、あなた……タイが曲がっていてよ?」スッ
オレンジペコ(はわわはわぁーーっ! きたきたきたきちゃいましたぁ! これこれこういうのを私は求めてたんですぅ! はっふぁ、はっふぁぁぁーーっっ! ダージリン様の麗しい御手が私の胸元のはっふぁーーーー!)ビクビクン
ダージリン「ん、これで大丈夫。いつもの可愛いペコの出来上がりね」ニコッ
オレンジペコ「はっふぁ……うぅ……ダージリン様の前でペコはタイも満足に結べずに恥ずかしゅうございます……」ウルウル
オレンジペコ(そしてダージリン様の視線を縫って更に下腹部の装飾を少しずらしておきますぅ! そうしたらまたダージリン様に優しく手直しして頂けるかもぉ! 催眠は失敗しましたけど、今度は失敗しませんよぉ!)フンスフンス
ダージリン「……あら? まぁまぁペコったら……こっちも……」スッ
オレンジペコ(きたきたきたきたキマシタワー建立ですぅ! 次のダージリン様の言葉を合図に一気に畳み掛けますよぉー! さぁ、さぁさぁ私の望んだダージリン様が今ここに顕、現ですぅーっ!)フンスフンス
ダージリン「体幹……インナーマッスルの追い込みが足りていないわね」ニコリ
オレンジペコ「こんなダージリン様は望んでいません!」キッパリ
ねこにゃー「成功ですぞぉーー!」バンッ
ももがー「ダージリンさんはインナーマッスル派ぞな?」キョトン
ぴよたん「我等の言葉が少し偏っていたのかもしれないぴよ」ウンウン
ダージリン「さぁ、トレーニングを始めましょう!」ウインクバチーン
オレンジペコ「私はこんなの望んでいませぇん! うぅ、折角のチャンスがぁ! 私のダージリン様がぁ!」ビエーン
ダージリン「ほらほら、ペコもアッサムもぐずぐずしていると置いていくわよ! ねこにゃーさん、ミュージックスタート!」サッサッ
ねこにゃー「おねがいまっそー!」ジャンジャン
ももがー「めっちゃ」ジャンジャン
ぴよたん「もてたーい!」ジャーン
オレンジペコ「うげぇ、うごぉ、ちょちょっと待っ、紅茶の飲み過ぎでお腹が……うっぷ……」ユサユサ
ダージリン「ペコったら、私達聖グロの高潔な精神を培うには健康な身体も必要よ? 今日からみっちりトレーニングをしますから、そのつもりで覚悟しておいてね?」ニコッ
オレンジペコ「明日から、明日から頑張りますから、きょ、今日は……駄目、出ちゃう、私のオレンジペコが出ちゃう……」ガクガク
ぴよたん「きゃーーーっ! 大変ぴよぉーーっ!」ババッ
ももがー「あっち、あっちに連れていくっちゃ!」ササッ
ねこにゃー「早速筋トレの効果を試す時が来たなりな!?」サササッ
オレンジペコ「ダ、ダージリン様、アッサム様……少し失礼しますぅ……」ダダダダッ
ダージリン「……ふぅ、行ってしまったわね」
アッサム「ダージリン、あなた……皆をからかって遊んでいるでしょ?」ジトッ
ダージリン「あら、流石にアッサムにはお見通しね。でも遊んでいる訳ではないわ……ただ……」
アッサム「ただ……?」
ダージリン「これで人知れず私をバリタチにしようとしている子が懲りてくれればいいのだけれど……」フゥ
アッサム「…………そうねぇ」ハァ
ダージリン「ペコったら見かけによらずおませさんなのね……私、卒業まで無事でいられるかしら……?」チラッ
アッサム「暫くは筋トレに比重を置いて、無駄な雑念、色欲が浮かばないようにしてあげましょう」
ダージリン「それがいいわね……」フゥ
アッサム「ふふふ……ですがダージリン、こうして二人だけでカップを傾けるのも久しぶりね? 卒業までの少しの間……ペコだけでは無く、私の事も忘れないでね?」ニコッ
ダージリン「えぇ、勿論……ですけどアッサム、貴方は少し間違えていますわ」チラッ
アッサム「……私が何を間違えたのかしら?」
ダージリン「私は卒業までの間だけでは無く、卒業してからも貴方を離す気は無いわよ? それも、覚悟しておいてね?」ニコッ
アッサム「…………そうね、そう考えると……また少し、未来に楽しみが増えたわ……んっ……ふぅ……」キュッ
アッサム「……貴方のその言葉も、今日の素敵なパーティーもこうして紅茶の味と共に覚えておくわ……」フフフ
ダージリン「えぇ、是非そうしておいて……」フフフ
オレンジペコ「あぁーーっ! ダージリン様とアッサム様が何か良い雰囲気ですぅ! 何ですか、何があったんですか、ナニがナニで受けはどっちなんですかぁぁーーっ!?」ピエン
ダージリン「騒がしい子はローズヒップだけで充分なのだけど……それではねこにゃーさん、とびっきりきつめの追い込みでお願いします」チラッ
ねこにゃー「任されましたぞぉーーっ! それシットアップ、シットダウン!」パンッ パンッ
ももがー「今日はドラゴンツイストが出来るまで帰さないぞな!」
ぴよたん「はいもっとここを意識して! 意識的に力を込めないと効果は出ないぴよ!」
オレンジペコ「おっげ、ちょ、無理です! 体格的にこれはうっぷ、無理ですぅ! ふ、ふんぬぅぅぅーーーやっぱ駄目ぇ……」パタリ
ダージリン「ふふふ……たまにはこんな夜もいいわね……」ニコッ
アッサム「もう……これでは先が思いやられるわ……」ハァ
………………………………
……………………
…………
ーーーーーーーーーー
みほ「…………」キョロキョロ
みほ「…………」キョロキョロ
みほ「……………………っ!」キョロキョロ ピタッ
みほ「ーーーーっ!」ダダダダダダダッ
みほ「……おねーちゃんっ!」バンッ
まほ「ん? みほか、そんなに慌ててどうしたんだ?」キョトン
みほ「んもぅ、ずっと探してたよ。主賓がこんな所で隠れてちゃ駄目だよぉ、それでお姉ちゃんはここで何をしてたの?」
まほ「ふふっ……隠れていた訳じゃないさ。ただ、こうして皆の喧騒から離れて休憩しているだけでも楽しくてな。黒森峰ではこうした催しは無いし、例えあってもここまでは盛り上がらないだろうから……」ニコッ
みほ「そうかなぁ、お姉ちゃんがパーティーの主催をしたら私が大洗の全校生徒を引き連れて絶対に盛り上げてみせるよぉ! 三日三晩のパレードを約束するね!」フンスフンス
まほ「え、えぇ? そんな大掛かりな事をしなくても……というか三日三晩ってそんなディズニーでもそこまでしないだろ……」フゥ
みほ「お姉ちゃんの為なら何て事無いよぉ! 何時にする? 来週? それとも今から?」ピポパポ
まほ「待て待て待て。みほ、そのスマホから手を離しなさい。だめだめ、だめだからね。良い子だから止めなさい」クイッ
みほ「あんっもう、お姉ちゃんったら恥ずかしがりなんだから」
まほ「恥ずかしいとかの問題では無い気がするがな。そんな事をしたらエリカ達に何を言われるか分かったもんじゃない、止めてくれ」フゥ
みほ「エリカさん? エリカさんがお姉ちゃんに何をするの? 何も出来ないように剥製にしておこうか?」ジッ
まほ「……え? 今剥製にするって言った? エリカを剥製に?」キョトン
みほ「……ん? そうだよ?」クリッ
まほ「…………」ゴクリ
みほ「…………」ジー
まほ「…………」ダラダラ
みほ「……………………冗談だよぉ! んもう、お姉ちゃんったら本気にしないでよぉ!」
まほ「そうだな! ははは、その冗談はちょっと吃驚してしまったな! みほがそんな、エリカを剥製にだなんてするわけないよな!」ハハハ
みほ「……エリカさんを剥製になんてそんな……しないよ?」ニヤリ
まほ「はは、はははは……全く私もどうかしている、こんな可愛い妹をどう思っているのだか……」
みほ「本当だよもう、だけどお姉ちゃんに可愛いって言われるなんてちょっと嬉しいよぉ」ニコニコ
まほ(こっわぁ……みほって昔からこうだったかな……大洗に行ってから随分変わったような……)
みほ「それじゃそろそろ戻ろうよ。休憩するなら休憩するための部屋もあるし、そこだったらゆっくり出来るよ! 飲み物も食べ物もあるし、休憩だけじゃなくてお布団もあるからばっちりだよ!」ニコッ
まほ「ん……ん? 大洗にはそんな凄い部屋があるのか。この学園には何でもあるな」
みほ「あるある、凄い部屋があるんだよぉ! まぁいくつかは誰かが使ってるかもしれないけどぉ、私専用の部屋もあるから、ね? お姉ちゃん……いこ?」ギュッ
まほ「おいおい、今日は随分と甘えてくるな……しかしみほがそこまで言うならそろそろ中へ戻ろうか。だけどこうやって改めて考えると、みほは……凄いな」スッ
みほ「そんな、私なんてお姉ちゃんに比べたら全然だよぉ……」テレッ
まほ「ふふふ、そう謙遜するな。みほは私などより余程天稟を持ち合わせているよ、みほには確かな才とそれを裏付ける実力がある」キリッ
みほ「そうかなぁ……」
まほ「そうだとも。みほ、私はな……常々感じていた事がある」サッ
まほ「私達は皆……西住みほという人物が歩く戦車道の軌跡に佇む人影に過ぎないのだと……そう思わざるを得ない程にみほの才覚は突出している。みほ……お前は本当に凄い戦車乗りになったよ……」
みほ「お姉ちゃんに誉められて嬉しいけど、流石にそれは誉めすぎだよぉ……それに……」チラッ
まほ「……ん?」
みほ「お姉ちゃんの言う私の戦車道の軌跡にはちゃんとお姉ちゃんもいるんでしょ? それなら、私の歩いていく戦車道は……お姉ちゃんの戦車道でもあるんだよ! うん、きっとそうだよ!」ニコッ
まほ「そう言われると……そうとも言えるな……」フーム
みほ「そうだよぉ! さ、行こ?」ニコッ
まほ「ん……そうだな、でもみほはそこでちょっと待ってくれ」トテトテ
みほ「待つのはいいけど、一体どうしたの?」
まほ「……一緒の戦車道を歩いていくのなら、私はいつか必ずみほに追い抜かれるだろう。その時、優しいお前はきっと私に手を差し伸べてくれると思う。だからその時が来るまで、せめて今だけでもみほの手を引いて行きたい。会場の中までだが……着いてきてくれるか?」サッ
みほ「…………勿論だよぉ!」ギュウウウ
まほ「ふふふ、こうして私がお姉ちゃんぶれるのもいつまでかな……それじゃ、行こうか……」ニコニコ
みほ「うん、お姉ちゃん……大好きだよっ!」ニコッ
みほ(……お姉ちゃんが手を引きたいっていうのなら、私はずっと後ろから着いて行くよ? もし将来、お姉ちゃんの言う通りになったとしても、私は絶対にお姉ちゃんの手を離さないよ、お姉ちゃんが嫌って言って、暴れて、逃げても叫んでもお姉ちゃん離さないから、私だけのお姉ちゃんなんだから……お姉ちゃん……大好き、大好き、大好き大好き大好き大好き大好き大好き好き好き好き好き好き好き……今は別々だけど、将来はずっとずっとずっとずっとずっとずーーーーーーーーーーっと一緒になるんだから……待っててね……お姉ちゃん?)
まほ「…………っ!」ゾワッ
まほ「何か寒気が……」
みほ「んもう、私が暖めてあげるね!」ギュッ
まほ「ははは、ありがとう。大事なみほが風邪を引くといけないからな……私もみほを暖めてあげるよ」ギュッ
みほ「んふふ、嬉しくて身体全体がぽかぽかだよぉ!」ギュウウウ
………………………………
……………………
…………
ーーーーーーーーーーーーーー
???「ん! ということで今日も風紀に乱れ無し! お疲れ様!」バンッ
???「いや、あちらこちらで結構乱れてると思うんだけど……」
???「…………」コクン
みどり子「いいの! 私は今年で卒業だし、西住隊長も来年卒業になるんだもの! それまで事を荒立てるのは良くないわ……いいわね?」
モヨ子「うわぁ、後輩にぶん投げってそれは酷いよ……ま、西住さんが学園にいたらそうなるのもしょうがないよね……パゾ美、どう思う?」ポンッ
希美「……無理だと思います」フルフル
みどり子「何で首を振るのよ! 再来年になったら風紀委員を集結してでも風紀を守るのよ! これは再来年の風紀委員の使命になるわよ!」バンッ
希美「……下級生に西住さんの熱烈なシンパがいますから、この風習はそれまで続くと思います……」フルフル
モヨ子「というか、そど子が西住さんを何とか抑えてくれれば解決するんじゃ……」チラッ
みどり子「無理、無理無理! ほんっとうに駄目なの、ごめんなさい! お願いだからもう二度とそんなこと言わないで、もうあれは嫌なのぉ……」ビクビク
モヨ子「西住さんを説得しに言ったとき、一体何があったの?」チラッ
みどり子「……駄目、言葉にするだけで風紀委員的NGワードに該当するからあの時に何があったかは聞かないで……」シュン
モヨ子(一体何があったんだろう……)フム
希美「……それより、私達もそろそろ混ざろう?」
モヨ子「え? そうだよね! よーし、それじゃ、行こっか!」ニコッ
みどり子「……仕方ないわね。今日も風紀に乱れは一切無かったから、私達も楽しみましょう!」ウンウン
モヨ子「そうそう、そうこなくちゃ! あー、お腹減った!」
希美「……これ美味しい」モムモム
みどり子「……ふふふ……今日も平和ねぇ……」ニコッ
モヨ子「見ない振りをしてるだけのくせに……」ボソッ
みどり子「それが出来るのも平和だからなの! だからいいの!」
希美「……飲み物を持ってきました」スッ
みどり子「あら、ありがとう……では、今日も守られた風紀に……乾杯!」バンッ
モヨ子「乾杯っ!」バンッ
希美「……乾杯」スッ
………………………………
……………………
…………
終わり
ーーーーーーーーーー
ここからは出てきた機種の注釈になります。
・マジハロ5
特に書くことは無いですね。
キンカボ以外にも楽しい所がいっぱいありますから、
まだまだ打てるので、最後の思い出作りに是非!
マジハロ7? まだ出てませんよ?(すっとぼけ)
・アリアAA
これも特には書くことは無いです。
まだ打てますし、あかりちゃんが好きなら甘デジも出てますから是非。
あかりちゃんにひどいことするな!
アプリもあるよ!
・吉宗
正直、千代さんのような展開ならほぼ当たります。
鷹柄出たらほぼ当たり、外れたら帰ろう。
・まどか☆マギカ
初代はストーリー待ち、劇場版は逆に魔法少女共闘待ち。
出玉感はライトミドルでは随一です。
・サンダーVSP
15年も前の機種なんで結構うろ覚えですけど、桃ちゃんが狙ったように打っても4コマ滑りはしません、1コマで止まります。
初代は左ベリスで1殺でしたけど、VSP以降は1殺にはなっていません。
ただ、ダイナミックとリボルトは1枚役でそこを補っているので、外れでも左ベリスが止まります。
VSPだけが左ベリスで子役以上なんですよね。
あとはVSPだけビタの制御が違うんで、押してみると結構混乱するかも……といっても、もう打てませんが……
・ガルパンG
本当は全部の特化ゾーン出したかったけど、カチューシャ、マウス、まほだけ破壊力が違うので出せませんでした、すみません。
演出のチャンスアップパターンも他にも色々あります、是非探してみてください。
あとこんなに簡単にポンポン黒森峰まで辿り着けません。
ほぼ2戦目で殺されます。
アプリも出てるので是非体験してみてください。
ーーーーーーーーーーー
色々見苦しい点も多々あり、皆様のお目汚し大変失礼を致しました。
おそらく大洗の主要キャラは大体出せたかと思います。
ボコ人間より後に書き始めましたが、先に書き終わってしまいました。
またガルパンのパチンコかスロットが出たら書くと思います。
ここまで読んで頂き、本当にありがとうございました。
感想ありがとうございます!
とても嬉しいです!
また何か書きますのでその時はよろしくお願いします!
ちょっと王道カプ多すぎたかなと思ったんですけど、
楽しんで頂けたなら嬉しいです。
早く打ちに行きたいですよね!
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