「おはよう。捻挫少年。」 (1)
小雪舞う並木道、白い息が出ては消えていく。
所々にある電灯が足元の雪を照らして、白く染まった毛糸玉が浮かんでいるように見える。
やるせない気持ちのまま、音もない真夜中の大学を歩いている。
こんな気持ちなんてすぐに消してしまいたい。
大学図書館へと辿り着いた。
西洋風の建物の前の広場は、昨日の夕方から降った雪に覆われており、
まだ誰の足跡もついていないその場所はまるで小さいステージのようだった。
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