「結華のお誕生日会を開くばい」
きっかけはこがたんの一言だった。
なんだかんだで仲のいい私達「アンティーカ」は何の異議もなく集まる流れとなった。
いやー、ありがたいねぇ。嬉しいけど恥ずかしいというのが本音だった。
三峰の性格上主役となるのはそれなりに珍しいのである。どちらかというとのらりくらりとしていたいからねぇ。
しかし、こがたんはやる気満々だしあのめんどくさがり屋のまみみんまで乗り気だったのだ。素直によろこんでおくべきだろう。
それはそうとして、「三峰は大丈夫だよ」という気持ちを会話の端々にそれはかとなく折混ぜてみたけど効果はなかった。
逆に、目ざといさくやんに「ならばはっきり言おう。祝わせてくれ」なんて言われてしまった。ここまで言われたら逃げるわけにはいかないじゃん。
会場はこがたんの部屋でやることになった。「手料理準備してして待ってるけんね」と眩しい笑顔で言われた。これは楽しみだ。
Rのほうに飛ばされたけどこのままやります。
健全SSです。
誰か飛ばされない方法を教えてください……。
870 名前:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[sage saga] 投稿日:2018/10/23(火) 03:49:53.16 ID:EPNOMdHwo [2/2]
確認しましたがSS速報VIPのトップページにある新スレ作成フォームが間違ってますね
変数 "bbs" の value が "news4ssr" になっているのでウェブブラウザから速報にスレ立てすると R に立つようです
(専ブラから立てれば問題ないはず)
当日、レッスンがあったのは三峰ときりりんだけだった。
「じゃあ……行こうか……」
「いやー、きりりん。これはちょっとおかしくない?」
まるで恋人同士のように腕を組まれている。きりりんの愛情表現ってここまで積極的だったかなぁ。
「結華ちゃんが逃げないようにお願いってみんなに言われてるから……」
三峰ってそんなに信用ないのかい。というかきりりん、力強いよ。
「きりりん、ちょっとだけ痛いかな」
「そんなこと言って逃げちゃダメだよ」
……信用ないな。
>>3 ありがとうございます
連行されるようにしてこがたんの部屋まできましたー。割と来慣れている場所。アンティーカの面々でよくここに集まらさせてもらっている。
「待っとたよ。霧子、結華が逃げないようにしてくれてありがと」
「うん、ちゃんと見張っておいたから……」
どうやら三峰の信用のなさはメンバーの共通認識らしい。どうしてこうなった。心当たりは……わりとある。
「さあさ、主役はこっちばい」
部屋の奥、一番扉から遠い席が今日の三峰のポジションらしい。なんか怪しい、三峰の危険センサに反応ありだね。
言うならばプロデューサーのイタズラを仕掛けたまみみんのような顔をみんながしている。
「遅いぞー。主役がいなきゃ始まらないじゃないかぁ」
「ごめんごめん」
そんな間にこがたんが料理を運んできた。おお、おいしそう。やっぱりこがたんはいい奥さんになるね。
「それじゃはじめるけんね。結華、お誕生日おめでとう」
「「「おめでとう」」」
「えへへー、ありがとう」
恥ずかしいと言ったものの、やっぱり悪い気はしない。祝われるのは素直に嬉しい。
美味しい料理に舌鼓を打って、仲良く談笑して、お誕生日会は和やかに進む、はずだった。
「じゃあみんな、準備はよか?」
お、これはプレゼントの流れかな。いやー、参っちゃうなぁ。
「第一回三峰結華のいいところ選手権!」
「「「いえーい」」」
ん?なんだか想像と違うぞ。
「ちょっと、どういうこと?」
「結華のいいところを挙げていってNo1を決めると。優勝者は結華と一日デート権が手に入るたい」
「聞いてないんですけどぉ!」
「そりゃ、サプライズやからね」
いや、サプライズの意味が三峰の知っているそれとは違うぞ。
それにしてもまずい、三峰の勘は間違っていなかった。急いで離脱しようとするとガシッと手を掴まれた。
「さくやん、三峰ちょっと用事を思い出したから手を離して欲しいな」
「それは出来ない相談だね。それに見てみて、恋鐘も霧子も、あの摩美々もやる気満々だ。もちろん私だって。愛されていると思って諦めて欲しい」
「三峰はぁ、素直じゃないからねー」
「まみみんに言われたくないんですけどぉ!」
まあ多分、わかりやすさの関係上まみみんより三峰のほうがひねくれものだろう。だからこそ、この会。
三峰のことアンティーカの面々はよくわかってるな。
よし、覚悟を決めようかな。
「……手加減してくれると三峰的にはありがたいかな」
この後に及んでで三峰は往生際が悪かった。
「じゃあ、誰からいこうか」
「うちの結華を最初に出したらそれだけで優勝が決定するばい。ばってん、あとでよか」
「まみみの三峰も負けてないんですけどぉ。だからあとでいいかなぁ」
「じゃあ……わたしからいきます……」
幽谷霧子の場合
結華ちゃんは優しくて……、みんなに気を配ってて……、アンティーカのお母さん的な存在……、あ、この場合お父さんは咲耶さんかな……。
だけど今日はそうじゃなくて……、みんなに知って欲しいのはかっこいい結華ちゃんもいいよねってこと……。
わたしがお仕事に失敗して落ち込んでいるとき……、結華ちゃんが真剣な顔でわたしを見つめてくれて……、その後にやさしく「大丈夫だよ」言って頭をなでてくれる……。
それが本当に嬉しい……。わたしにとっては結華ちゃんも王子様だよ……。
「ふふ、私がお父さんで結華がお母さんか。それもいいかもしれないね」
「三峰ってそういうところあるよねぇー」
「霧子の結華もよかー」
「えへへ……」
いや、予想以上に恥ずかしい。これをあと3回もやらなきゃいけないのか……。
てかさっきから普通に流してたけど三峰は一人しかいないよ!
「じゃあ次は私がいこうか。私の結華も負けてないつもりだよ」
白瀬咲耶の場合
結華のいいところを挙げるとなると多分きりがないだろう。その中で一つを選ばないといけないとは、辛いものだね。
結華は恋鐘と並んでアンティーカ最年長だ。いや、今日で単独最年長だね。
霧子はさっき結華のことをお母さんと言ったけど私が挙げたいのはお姉さんな結華かな。
霧子と二人で私のことをお姉様なんて呼んでたけどそうじゃなくてお姉さん。
悪いことだけど私はこれでも無茶をしがちらしい。そうすると「あんまり無茶しちゃダメだよ」って結華に怒られてしまってね。
でも怒った後「三峰はこれでもお姉ちゃんだから頼っていいんだよ」って言ってくれる。それが嬉しくてね、私まで悪い子になっちゃいそうだよ。
頼りにしてるよ、今度甘えさせてね結華。
「ちょっとぉ、悪い子はまみみの専売特許なんですけどぉ」
「わたしも呼んでいいかな……、結華お姉ちゃん……」
「少しだけ羨ましかーっ」
「これは私が優勝かもしれないね」
ぐっ、さくやんもきりりんもかわいい、妹にしちゃいたい。
「三峰なんかでよければいつでも甘えていいからね」
「なんかじゃなくて結華だからお願いするんだよ」
「ちょっとそこぉ、イチャイチャ禁止しないでくださぁい。次はまみみがいくよー」
田中摩美々の場合
まみみはご存知のとおり悪い子でぇそれを怒る三峰もいいけど、それを咲耶に盗られちゃったから違うのにするよー。
三峰はアイドルのレッスンも仕事とかも一切妥協しないよねー。
三峰にどうしてそんなに真剣なのか聞いたらぁ「三峰はまみみんの横に並び立っても恥ずかしくないアイドルになりたいんだ」って言ってたよね。
こういうこと言うのはキャラじゃないけど今日は特別だからねー。
まみみは悪い子だけど真面目にアイドルをやるのは三峰と一緒にやりたいからだよー。
もちろんアンティーカのみんなもだけどねー。
三峰と一緒にファッションの仕事やるの楽しいよー。
以上、まみみの三峰は相棒三峰でしたぁ。
「摩美々も言うだけあってよかーっ!」
「二人ともすごいお洒落だよね……」
「摩美々にしては凄い直球だね。それだけ結華を思ってるのだろう」
「なんだか恥ずかしくなってきたぁ」
そこまでまみみんが三峰のことを……。
「まみみん、三峰もまみみんのことが大好きだよ」
「じゃあ優勝はまみみってことでー」
「ちょっとまったー。まだうちが残ってるばい」
「ここまできたら消化試合でしょー」
「ぐぬぬ、摩美々がここまでしてくるならうちだってとっておき中のとっておきたい」
月岡恋鐘の場合
ラストはうちやね。まだまだ負けとらんと。
みんなの結華もたしかによかった。よかったけどまだまだばい。
結華とうちは同い年、今は一つ上だけど、だからそんなうちにしか見せない結華があるばい。
事務所で二人っきりのときにソファに座っていると横に結華が座ってきたばい。
そのままゆっくりとうちの肩に頭を乗せて「ごめんね、ちょっとだけ」って言ってきたたい。
結華が、あの結華がうちに甘えてきたんよ。ばりかわいかー。
これは年長者でリーダーのうちだからこそ見れた結華ばい。
もちろんその後人が来るまで結華を甘やかしたばい。
「ちょっとーこがたんそれ内緒だって!」
「ごめん、結華。でもうちが勝つにはこれしかなかったと」
「そんな結華ちゃんわたしも見てみたかったな……」
「いやー、あはは。少し恥ずかしいからねー」
「結華は少し頑張りすぎる。少しは私達も頼って欲しいな」
「さくやんに言われたくないよ……」
「どうでもいいけどー、どうやって優勝を決めるのー?」
「それは……、投票たい!」
「じゃあわたしはわたしの結華ちゃんで……」
「私も私の結華だな」
「まみみだってまみみの三峰が一番だけどー」
「うちだってうちの結華が一番たい!」
だから三峰は一人しかいませんってば……。
「決まらなかー」
「誰だって景品が欲しいのだろう」
「三峰に決めてもらったらー」
「そうだね……、それがいいね……」
ええ、無茶振りなんですけどぉ!
えーと、えーと……。
「みんなが一番、じゃダメかな?」
深いため息が四つ。あはは……、やっぱりダメかぁ。
「結華ならそう言うとおもとったばい」
「じゃあ当初の予定通りだね」
「今度アンティーカの五人でデートだねー」
果たしてそれはデートというのだろうか。
というか当初の予定通りということは三峰の行動はすでに読まれていたのだろう。
三峰のことアンティーカの面々はよくわかってるな。
「楽しみ……だね」
「うん、みんなとデートなんて楽しみ」
なんだかんだでこれが私の「いつも通り」なのだろう。
「第二回はいつ開催するー?」
「デートの後なんてどうだろうか」
「賛成、楽しみたい」
それは少しだけやめてほしいかな。
以上で短いけれど終わりです。
三峰誕生日おめでとう。
三峰に惹かれてシャニマス始めました。
アンティーカの仲のよさが大好きです。
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