【艦これ安価】大淀「提督、艦娘たちがグレました」 (273)
提督「……何だって?」
大淀「ですから、艦娘たちがグレたんです」
提督「連絡もせず1か月の間、鎮守府を留守にしてたせいか」
大淀「自覚はおありのようですね」
提督「それしか無いし」
大淀「何をなさってたんですか?」
提督「プロデューサーとか団長とかマスターとか忙しかったんだ……」
大淀「なるほど……提督をたぶらかす輩が他の世界にいたことを忘れていましたね」
大淀「乗り込む必要がありそうです」フフフ…
提督「!?」
大淀「冗談ですよ。そういう事情なら仕方ありませんね」
提督(冗談に見えなかったぞ!)
大淀「けど、せめて連絡は入れて欲しかったです」
提督「ごめん……」
提督「……本当なのか」
大淀「?」
提督「艦娘たちがグレたというのは」
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大淀「ええ。中には大丈夫な娘もいますけど」
提督「大淀は?」
大淀「グレたくてもグレられませんよ。誰か1人くらいはしっかりしてないと、鎮守府が崩壊するじゃないですか」
大淀「提督の代わりに指示を出したり、書類仕事したりと大変だったんですから」
提督「申し訳ありません!」ガバッ
大淀「土下座なんていいですよ。ただ、やってもらいたいことがあります」
提督「な、何をすれば……」
大淀「ハグしてください」
提督「えっ」
大淀「ハグです」
提督「……」
ギュッ
大淀「……」
大淀「……もう大丈夫です。ありがとうございます」スッ
提督「何でハグ?」
大淀「寂しかったので」
提督「……」
大淀「ずっと提督のお姿を見ることができなくて、寂しかったんです」
提督「大淀……」
大淀「でも、もう回復しました」ニコッ
大淀「さて……ここからが本題ですよ」
提督「本題?」
大淀「もう一つやってもらいたい……いえ、やらなければいけないことがあります」
大淀「それは、艦娘たちのご機嫌とりです」
提督「ご機嫌とり」
大淀「そうです。私のように簡単に終わる艦娘もいれば」
大淀「大変なことしなきゃいけない艦娘もいますので、覚悟してくださいね」
提督(大変なことって一体……)
提督「確かにやらなきゃいけないことだな。下手をすれば士気にも関わるし」
大淀「いえ、出撃は今のところノーダメ完全勝利の連続ですよ。提督への思いをぶつける良い機会になってるので」
提督「みんなに会うのが怖すぎる」
大淀「今逃げたらもっと酷い目に遭いますよ。ほら、私も付き添いますから」グイグイ
提督「き、気持ちの準備をさせてくれ!」
↓2 艦娘1人 コンマがグレ度
初霜:グレ度54(中グレ)
――――
大淀「あっ、いましたよ。初霜ちゃんです」
提督「初霜か……」
初霜「……」スタスタ
提督(真顔で歩いてる。あんな雰囲気見たことない)
大淀「さあ提督、いってらっしゃい」
提督「気持ちの準備を!」
大淀「充分させてあげたじゃないですか。ほらっ」トンッ
提督「うわっとと……!」
初霜「!」
提督「あ」
提督「は、ははは……久しぶり初霜」
初霜「提督……!」
プイッ
提督(そっぽ向いてしまった)
初霜「……」ムスッ
提督(そんなに怒ってないか? と思ったけど、これは結構……)
提督「初霜、ごめん」
初霜「……」
提督「1か月くらい鎮守府を留守にしてしまって……謝りたい気持ちで一杯なんだ」
提督「本当にごめん!!」ペコリ
初霜「何をしてたんですか」
提督「それは……提督の他の仕事だよ」
提督「こう見えて色んなことしてるんだ。それで忙しくて」
初霜「そ……そうだったんですか」
提督「連絡の1つくらい入れるべきだったな」
初霜「全くです。艦娘みんな、事故に遭ったんじゃないかとか」
初霜「可愛い女の子に誘惑されたんじゃないかとか、心配してたんですよ」
提督(可愛い女の子は相手にしてたけど)
提督「謝ることしかできないよ、申し訳ない」ペコリ
提督「何か罪滅ぼしをさせてくれないか?」
初霜「罪滅ぼし?」
提督「初霜に心配をかけてしまったんだ。お詫びといってはなんだけど、何でもするよ!」
提督「頼む!」ペコリ
初霜「……」
初霜「罪滅ぼし……ですか」
初霜「何でもいいんですね?」
提督「ああ」
初霜「あとでダメって言うのは無しですよ」
提督「もちろんだ!」
初霜「それじゃあ……」
↓2 初霜が求めること コンマをグレ度からマイナス
54-38=16
初霜「他のお仕事を全て辞めてください」
提督「!!」
初霜「そうすれば提督に専念できますよね」
提督「た、確かにそうだけど……!」
提督(プロデューサーと団長とマスターをやめろってことか!? マジか!)
提督(ぐう……仕方ないか……! 俺は一番最初に提督になったんだ! 提督を貫いてやる!!)
提督「分かった! あとで手続きを済ませるよ!」
初霜「本当に辞めてくれるんですか?」
提督「ああ!」
初霜「提督以外のお仕事、全てですよ?」
提督「俺の肩書きは提督の二文字しかいらない!!」グッ
初霜「……」ジー
初霜(本気の目。嘘は言っていないみたい)
初霜「ありがとうございます。あと一ついいですか?」
提督「まだあるのか!?」
初霜「……」ジトー
提督「あ、いや……お手柔らかにお願いします……」ハハ
↓2 初霜の要求その2 コンマをさらにマイナスします
16-80=0
初霜「……く……い」ボソッ
提督「ごめん、もう1回言って」
初霜「や、やさしく……抱きしめてください」モジモジ
提督「……」
ギュッ
初霜「っ!」
提督「こんな感じかな」ギュー
初霜「……はい……」
初霜「あったかいです……とっても……」
(数分後)
初霜「ありがとうございます。もういいですよ」
提督「何度も言うけど、ごめん」スッ
初霜「謝り過ぎです。そのくらいのことはしたんですけど……」
提督「今後絶対に長期不在はしないから」
初霜「本当ですか?」
提督「他の仕事を辞めるんだ、時間はできるさ」
初霜「……」
初霜「いいですよ」
提督「え?」
初霜「辞めなくてもいいです」
提督「は? いやいや、約束は約束だから…」
初霜「他のお仕事にも、私と提督のような繋がりがありますよね。私の一存で断ってしまうのはダメだと思いますし」
初霜「それに、僭越ながら提督を試したんです」
提督「試した?」
初霜「私がああ言って、もしハッキリと断言できないなら気持ちがよそに行ってるということ」
初霜「でも提督はまっすぐな目でちゃんと言ってくれました。提督の肩書き以外いらないって」
初霜「それはつまり、提督のお仕事を一番に考えてくれてるということです」ニコッ
提督「初霜……あ、当たり前だ! 俺はこの世界が終わるまでずっとこの鎮守府の提督だぞ!」
初霜「1か月不在だったのにですか?」
提督「うっ」
初霜「ふふっ、ごめんなさい。イジワルでしたね」クスクス
初霜「戻ってきてくださって安心しました。お帰りなさい提督」
提督「ただいま」
初霜「……あの、もう一度だけ抱きしめてもらうのは欲張りですか?」
提督「いいよ」ギュッ
初霜「♪」
大淀(よかった。機嫌を直してくれたみたい)
大淀(けど、まだまだ始まったばかりですよ提督)
――――
大淀「ホッとしましたか?」
提督「ああ。なんとか許してもらえたから」
提督「でもまだグレてる艦娘はいるんだよな」
大淀「そうですね」
提督「というか初霜のあの反応はグレてたのか?」
大淀「不機嫌が極まった感じでしたね。でも、正真正銘グレてる艦娘はいますからね」
提督「殴りかかってきたり?」
大淀「そこまではしないかとと。多分」
提督「多分!?」
大淀「あ、向こうに↓2がいますよ提督。機嫌を直してあげてください」
↓2 艦娘1人 コンマがグレ度
由良:グレ度33(小グレ)
由良「はぁ……」
提督「由良か。初霜よりはグレてなさそうだけど」
提督「行ってくるよ」スタスタ
大淀「いってらっしゃい」ヒラヒラ
――――
提督「由良」
由良「え? 提督さん!?」
提督「久しぶり。1か月も鎮守府を留守にしてしまって申し訳ない」ペコリ
由良「ほ、本物ですか?」
提督「頭からつま先まで本人だよ」
由良「……心配したんですよ……」
由良「由良、とっても心配したんです!」
提督「すまなかった! 他の仕事が忙しくて顔が出せなかったんだ!」ペコリ
由良「連絡くらいくださいよ!」
提督「その通りだ。俺はバカだった」
由良「……」
提督「由良、本当にごめん。謝ることしかできない」
由良「……怪我したとかじゃないんですね」
提督「ああ」
由良「病気でもないんですね」
提督「ピンピンしてるよ」
由良「よかった……それを確認できてほっとしました」
提督「……!」
提督(初霜もそうだったけど、みんな俺の身を案じてくれて……)
提督(連絡を入れなかった自分を殴りたくなってくる)
提督「由良!!」ガバッ
由良「えっ? なんで土下座なんか……!」
提督「それほどのことをしたからだ。こんなに心配してくれているのに、俺は……!」
由良「いいんです、お体が無事だったなら…」
由良「いや……本当に心配したし、土下座くらいしてもらっても……」
提督「土下座じゃ物足りない。何かして欲しいことはあるか?」
由良「して欲しいこと?」
提督「償いがしたいんだ! 心配させてしまった償いを!」
提督「望むことがあれば何でもするぞ!」
由良「何でも……? ほ、本当にいいんですか?」
提督「ああ!」
由良「……」
↓2 由良の要求 コンマをグレ度からマイナス
33-54=0
由良「ふ、ふーん……何でもいいんだ」
由良「じゃあデートしてください」
提督「お安い御用だ」
由良「いいんですか? デートですよ?」
提督「むしろデートして欲しいくらいだ。行先はどこにする?」
由良「ま、待ってください。考えます」
由良(遊園地もいいし水族館もいいな。映画を観たりお買いものしたり)
↓1 デートの行先
今日はここまでにします
お付き合いありがとうございます
書き忘れていました
艦娘のグレ度は
1~35 小グレ
36~70 中グレ
71~00 大グレです
あまり意味ないかもしれません
10人くらいを目標にしているので、お付き合いいただけると幸いです
おつ
1ならぐれず、100なら特大がいいかも
>>36
そうします、ご意見ありがとうございます
由良「あっ! そういえば、本土に新しいスーパー銭湯ができたらしいですね。ねっ」
由良「そこに行きましょう!」
提督「銭湯? 別々になるけどいいのか?」
由良「はい! 早速今から行きましょう」
提督「分かったよ。準備してくる」
――――
提督(しかし、スーパー銭湯でデートとは予想外だったな)
提督(由良まだかな)
由良「だーれだ」スッ
提督「うおっ……! 由良?」
由良「大正解です。よく分かりましたね」
提督「そりゃ分かるよ、ずっと聞いてる声なんだから」
由良「1か月お留守だったので、『聞いてた』の方が正しいんじゃないですか?」
提督「うっ……責められても仕方ないとはいえ、心に来る……」
由良「ごめんなさい。もう言いませんから」フフ
由良「さて、出発しましょうか! はいっ」スッ
提督「この手は?」
由良「だーれだ、に正解したので由良と手を繋ぐ権利をゲットですよ」
提督「繋ぐのか……恥ずかしいな」
提督(他の艦娘に見られる可能性もあるし)
提督(って、そういや大淀が見てるんだった)
由良「提督さん、これはデートなんですよ?」
由良「どこの世界にデートで手を繋がない男女がいるんですか?」
提督(いるだろ普通に)
提督「分かったよ。はい」ギュッ
由良「よし、と。これでデートの準備は全て整いましたね。ね♪」
由良「ゆっくり歩いてお話しながら向かいましょう!」
提督(大淀以外には見られてないよな?)キョロキョロ
大淀「いいなー……」ボソッ
――――
由良「あー、もう到着しちゃいましたね」
提督「噂には聞いてたけど大きな施設だなぁ」
由良「何十種類ものお風呂があるらしいですよ。入りましょう!」グイッ
提督「急かすなって、風呂は逃げないぞ」ハハ
(数分後)
提督「……」
由良「どうしたんですか提督さん?」
提督「いや……まさか一緒に入るとは思わなくて」
由良「ここは水着や、湯浴み着っていう衣服を身につけてお風呂に入る、男女共同の銭湯ですからね」
由良「提督さんが期待してた混浴ができちゃうんですよ」
提督「別に期待はしてなかったけど」
由良「そうなんですか? 由良の水着が見られて嬉しくないですか?」
提督「嬉しい」
由良「ふふ、素直ですね」
提督「似合ってるな。可愛いよ」
由良「ありがとうございます♪」
――――
由良「どうですか提督さん、気持ちいいですか?」ゴシゴシ
提督「ああ……」
由良「由良、提督さんのお背中を流すの楽しみにしてたんです」ゴシゴシ
由良「次は手を洗いますね」ゴシゴシ
提督「……」
提督(いいのか、これ?)
提督(嬉しいけどどこか背徳感を感じる。一応部下と上司の関係だしな……)
由良「はい、終わりですよ!」
提督「ありがとう由良。さーて、お待ちかねの湯船に浸かるかな」
由良「ちょっと待ってください。まだ由良洗ってないので」
提督「あ、そうか。ごめん」
由良「♪」ザバー ゴシゴシ
提督「……」
提督(不思議な気持ちだ。水着をつけてるけど、やってることは風呂での行為)
提督(由良は普段こんな風に体を洗ってるんだとか色々想像して…)
パカーン!
提督「痛っ!?」
由良「ど、どうしました?」
提督「石鹸が飛んできて頭に」
由良「子供のいたずらでしょうか」
提督(いや、これはきっと大淀だ。姿は見えないけど)キョロキョロ
提督(デートはいいけど気を緩め過ぎるなということか?)
――――
由良「気持ちいいですね。ね♪」
提督「疲れがとれるな」
由良「とれますねー。向こうに岩盤浴もあるらしいですよ」
提督「あとで行こうか」
由良「はい」
由良「……よかった」
提督「?」
由良「提督さんが戻ってきてくれて、本当によかったです」
由良「大変だったんですよ? 資材が足りなくなったり、艦娘たちが荒れだしたり」
提督「荒れた件は耳にしてる」
由良「このデートが終わったら、由良みたいにケアしてあげてくださいね」
提督「そのつもりだよ。責任は全て俺にあるから」
由良「……本当はひとりじめしたいけど……」ボソッ
提督「なに?」
由良「何でもないです。そろそろ次のお風呂行きましょう!」ザバッ
提督「あ、ああ……そうだな」
――――
(1時間後、鎮守府)
由良「提督さん、ありがとうございました。楽しかったです」
提督「俺も楽しかったよ」
由良「またデートにお誘いしてもいいですか?」
提督「もちろんだよ。遊びに行こう」
由良「約束ですね。ね♪」ニコッ
由良「それじゃあ由良はこれで」スタスタ
提督「ああ」
提督(……由良の水着姿が脳裏に焼きついて離れない)
提督(また行きたいな、スーパー銭湯)ボー
大淀「とても楽しんでましたね」
提督「!!」
提督「お、大淀……!」
大淀「後ろから声をかけただけで、そんなに驚きます?」
提督「いや、ごめん……違うんだ。由良とのデートで気が緩んでしまって」
提督「他の艦娘にも気を配らなきゃいけないのに、デートが楽しくて我を忘れてたよ……ごめん」
大淀「いいじゃないですか別に」
提督「えっ」
大淀「由良さんが望んだデートなんですから、心から楽しまないとダメですよ」
提督「怒ってないのか?」
大淀「怒る必要がどこに」
提督「石鹸を投げつけてきただろ」
大淀「あれは……手元が狂って提督の方に飛んでいっただけです」
提督「それにしては勢いがあったけどな。全力でぶつけにいった結果だと思うぞ」
大淀「そんなに強く投げてないですって! ちゃんと軽く…」
提督「……」
大淀「あっ」
提督「なんで投げたか理由を教えてくれ」
大淀「そ、それはその……」アセアセ
大淀(嫉妬したからなんて言えるわけ……、ん?)
大淀「あ! 見てください提督、↓2が歩いてますよ!」
提督「話を逸らすな!」
大淀「今は私のことより、他の艦娘を優先しないと。そうでしょう?」
↓2 艦娘1人 コンマがグレ度
山雲:グレ度56(中グレ)
山雲「……」プクー
大淀「ほら、早く山雲ちゃんのもとへ行ってあげてください」
提督「なんで頬を膨らませてるんだ」
大淀「不機嫌になると頬を膨らませるタイプですね」
提督「普通は怒ったらじゃないのか?」
大淀「私に詳しいことを聞かれても。とにかく不機嫌なことには変わりありません」
大淀「ちゃんと謝ってくださいね」
提督「ああ、行ってくる」スタスタ
大淀(話題逸らし成功)ホッ
――――
提督「山雲」
山雲「!!」
提督「1か月ぶりだな……留守にしてごめん」
提督「提督以外にも仕事をしてて、忙しくて顔を出せなかったんだ」
山雲「……」
提督「せめて連絡を入れればよかった……とても反省してるよ」
提督「本当にごめん!」ペコリ
山雲「……」
山雲「許しませーん」
提督「!」
山雲「1か月という期間、司令さんがいなくて、山雲たちはすごく寂しい思いをしたの~」
山雲「すごく心配したの~」
提督「ああ、そのことについて謝りたいんだ。俺はお前らをほったらかしにしてた」
提督「とても重い罪だ。ちょっとやそっとじゃ許してもらえないだろう」
提督「そもそも許してもらうことができないかもしれない」
山雲「……」
提督「だけど俺は頭を下げ続ける。結果はどうなろうといい、これが俺の今の気持ちなんだ」
提督「お前たちに謝りたい……それだけだ」
山雲「……」
提督「あと、償いをしたい」
山雲「?」
提督「償いだよ。俺は山雲を不安にさせてしまった」
提督「その不安を少しでも取り除きたいんだ。罪滅ぼしがしたいんだ!」
山雲「罪滅ぼし~?」
提督「ああ! どんな願いでも聞くよ、何でも言ってくれ!」
提督「それで山雲の、俺に対する気持ちが少しでも晴れてくれれば充分だ」
山雲「なんでも……か~……」
↓2 山雲の要求 コンマをグレ度からマイナス
56-73=0
山雲「……羊……」
提督「羊?」
山雲「モフモフしたーい」
提督「羊をモフモフしたいのか?」
山雲「そうですー」
提督(怒ってると思ったけど、実はそんなに? いや、羊が好きなのか?)
提督「任せてくれ! 知り合いが牧場を持ってて、そこに羊がいるから思う存分モフモフできるぞ!」
山雲「本当ですか~?」
提督「ああ、すぐに出発しよう! 支度してくれ!」
山雲「えへ♪ 楽しみ~♪」
――――
山雲「山を登るんですね~」
提督「頂上付近にあるんだよ。牧場から見える景色は最高だぞ」
山雲「わくわくー」
山雲「……司令さんってー、車を運転できたんですねー」
提督「一応な。海に囲まれた生活してるし、披露する機会がないから知らないのも無理ない」
山雲「カッコいいですねー」
提督「へ?」
山雲「車を運転できるってカッコいいですー」
提督「はは……下手な部類なんだけどな。もっと上手い人はいるし」
提督「よーし着いた。広いだろ」
山雲「わぁー……!」キラキラ
提督「車を停めたら、真っ先に羊を見に行こう」
――――
メェェー メェェー
山雲「……」
提督「たくさんいるなー」
山雲「……」
提督「どうした、モフモフしないのか? 目の前にいるぞ」
山雲「噛んだりしないー?」
提督「大丈夫だよ」
山雲「……」ドキドキ
サワサワ
山雲「触れたー!」
提督「モフモフしてるか?」
山雲「はいー、モフモフ、ふかふかですー♪」モフモフ
提督「俺も触ってみようかな」
サワサワ
羊「メェェェ!」
提督「おわっ!?」ビクッ
ドスンッ
提督「痛てて……尻を強打した……!」
山雲「ぷっ」
山雲「ふふふ、驚きすぎー」クスクス
提督「今のは驚くだろ……なんで山雲はすんなり触れるんだ?」
山雲「モフモフさせてくれるわー♪」モフモフ
提督「懐いてるのかな」
山雲「司令さんの触り方が悪いのー。もっとそーっと触らないとー」
提督「よーし、やってみるか」
――――
山雲「なんとか1回触れましたねー」
提督「俺、動物に嫌われる性質なのか……?」
山雲「心から仲良くなりたいって思えばいいんですよー」
山雲「山雲に心から謝ってくれたようにねー」
提督「!」
提督「つ、伝わったか? 俺の謝罪の気持ち」
山雲「心がこもってたわー。でも、許すのにちょっと時間が必要だったのー」
山雲「さっきやっと気持ちが落ち着いたからー」
提督「時間なんていいんだよ。許してくれるならこれ以上の事はない」
提督「もうあんなに留守にすることは絶対ないから」
山雲「絶対にー?」
提督「絶対だ」
山雲「そのプリンに誓えるー?」
提督「誓うよ」
山雲「一口ちょうだーい。あーん」
提督「どうぞ」スッ
パクッ
山雲「美味しいー♡」
提督「だろ? ここのプリンは絶品なんだよ」
提督「山雲のアイスも人気なんだぞ」
山雲「一口あげるー」
提督「え? 俺はいいよ、山雲が食べてくれ」ハハ
山雲「これは誓いの儀式なのー。司令さんがアイスを食べてくれれば成立するのー」
提督「そういうことなら貰おう」
パクッ
山雲「美味しいー?」
提督「うん、美味い!」
山雲「ふふー」ニコニコ
提督「帰り道、ちょっとドライブしてくか」
山雲「ドライブー? さんせーい♪」
――――
山雲「もう鎮守府に着いちゃったー」
提督「時間が経つの早いな」
山雲「司令さーん。山雲、また羊をモフモフしに行きたいなー」
提督「いいな。いつでも言ってくれ、連れて行くから」
山雲「今度は姉妹も一緒にー」
提督「計画を練らないとな」フフ
山雲「山雲たちが考えるわー♪ 決まったらお話するからー」
山雲「それじじゃあまたあとでー」ヒラヒラ
提督(あとでって、今日中に決めるつもりか?)ヒラヒラ
提督(にしても頬も元に戻って、本当に機嫌を直してくれたみたいだ……よかった)
大淀「山雲ちゃん満面の笑みですね」
提督「大淀……。ああ、笑顔になってくれてよかったよ」
提督「もう不機嫌にさせるようなことはしないと誓った」
大淀「頬膨らませてるの可愛かったですけどね」
提督「それは思う。でも笑顔の方が何倍もいいよ」
提督「ん? あれは……↓2だ」
大淀「演習終わりのようですね」
↓2 艦娘1人 コンマがグレ度
今日はここまでにします
お付き合いありがとうございます
乙
大淀さん某SSみたいに最後の最後に提督をかっさらっていきそう
>>69
なるべくそういうことが無いよう気をつけます…
大鯨:グレ度48(中グレ)
大鯨「……」
提督「元気がないな」
大淀「原因が言わずもがな提督ですけどね。早く声をかけてあげてください」
提督「ああ」スタスタ
――――
提督「大鯨」
大鯨「……提督……?」
提督「1か月も留守にしてすまなかった」ペコリ
大鯨「……」
スタスタ
提督「お、おい! どこ行くんだ?」
大鯨「知りませんっ」プイッ
提督「待ってくれ大鯨! 悪かった!」ガシッ
提督「全部俺のせいだ……知らんぷりされても仕方ない」
大鯨「ごめんなさい。今急いでるので」
提督「ち、ちょっとでいいから話を聞いてくれないか!」
提督「怒ってるよな? 当然だ、連絡もよこさず1か月も不在だったんだ」
提督「反省してるよ……他の仕事が忙しかったとはいえ、お前たちに酷いことを……」
大鯨「他のお仕事?」
提督「提督業の他にもいくつかやってるんだよ」
大鯨「どんなことをしてるんですか?」
提督「プロデューサーとか団長とかマスターだ」
提督「たまに監督や決闘者としても行動してる」
大鯨「よ、よく分かりませんけど、たくさんありますね……」
大鯨「てっきり美人な女の人と毎日イチャイチャして、私たちのことを忘れてるんだと思いました」
提督(当たらずとも遠からず)
大鯨「……何ですかその顔」
提督「え」
大鯨「まさか、本当に女の人と……?」
提督(目から光が消えた!?)
提督「してないしてない!! イチャイチャなんてしてない!!」ブンブンブン
大鯨「そうですか」
提督(詳細を聞かれたらヤバいかもしれない)
提督「何はともあれ、心配をかけてしまったから面と向かって謝罪をしたかったんだ」
提督「あと償いもしたい」
大鯨「つぐない……?」
提督「お詫び……って言い方はおかしいかもしれないけど、何でも言うことを聞く」
提督「大鯨の仕事を手伝ったり、代わりに買い物行ったり、本当に何でもいいんだ」
提督「どうか俺に罪を償わせてくれ」
大鯨「なるほど。そういう……」
大鯨「分かりました。私のお願いを聞いてください」
提督「ぜひ!」
↓2 大鯨の要求 コンマを深刻度からマイナス
48-31=17
大鯨「300坪ほど土地をいただけますか?」
提督「300坪? 貰ってどうするんだ」
大鯨「畑を耕したいんです。お野菜や果物、お米なんかも育ててみたいなって思ってるんです」
提督「ふむ……」
提督(買うとなると数百万ほどか? 土地によって違うだろうけど)
提督(あ、そうだ)
提督「分かった。300坪でいいんだな?」
大鯨「いいんですか!? ダメもとで言ってみたんですけど」
提督「ここから3キロほど行った場所に無人島があるのは知ってるよな」
大鯨「はい。駆逐艦の娘がよく遊びに行ってますよね」
提督「あそこはどうかな。耕しやすいように土地を切り開いておくから使ってくれ」
大鯨「でも、あの無人島は綺麗な自然に恵まれてて、手を付けないようにって決めたはずじゃ……」
提督「畑くらいなら島の神様も許してくれるさ」
大鯨「本当にいいんですか……?」
提督「うん」
大鯨「あ、ありがとうございます! 早速開拓の準備を進めないと!」
大鯨「……あの」
提督「?」
大鯨「欲張りかもしれないですけど……もう一つだけいいですか?」
提督「あ、ああ。気が済むまで言ってくれ」
大鯨「すみません……」
提督「謝らないでくれ。俺が悪いんだから」
大鯨「えっと……」
↓2 大鯨の要求その2 コンマをさらにマイナス
17-24=0
大鯨「どうせなら、島に自然と調和した村を作りたいです」
提督「自然と調和した村、か」
大鯨「自然を壊すのではなく、自然を大事に、豊かにするような村です」
大鯨「村を作るという時点で、多少なりとも自然を追いやってしまいますけど、開拓は最小限に抑えます」
大鯨「そこに畑のための道具を置けば作業しやすくなりますし、自然を豊かにする仕組みを作ったり……」
提督「分かった」
大鯨「!」
提督「大鯨なら島を大切にしてくれるだろうし、任せるよ」
大鯨「ありがとうございますっ!」
提督「だけど村を作るとなると人員が必要だな」
大鯨「はい。そこでお願いがあるんですけど、村を作るメンバーを募って欲しいんです」
提督「任せてくれ。厳正な審査をして、しっかり働いてくれる艦娘を選ぶよ」
提督(しかし、村を作るためにメンバーを募る……か。まるで某アイドルの番組だな)
提督(鉄腕DASHじゃなく艦娘DASHだな)
大鯨「早く決まって欲しいな……楽しみ♪」ワクワク
――――
提督「大淀は農作業好きか?」
大淀「なんですか唐突に」
提督「大鯨との会話聞いてなかったのか」
大淀「私も艦娘としての仕事がありますし、そんなにぴったりとくっついてられませんよ」
提督「そうか。で、農作業や建築的な仕事は好きか?」
大淀「効率の良いやり方とか設計を考えるのは楽しそうですね。作業はあまり」
提督「なるほど」
提督(大淀や明石に計画を練ってもらうのもいいな)
大淀「ところで、大鯨ちゃんの機嫌は直りましたか?」
提督「ちゃんと謝って、元気になってもらえたよ」
大淀「それは何よりです。そういえばさっき、提督が鎮守府に戻って来てるという話を聞きつけたらしく」
大淀「↓2が提督を訪ねると言ってましたよ」
提督「↓2か……様子はどうだった?」
大淀「様子ですか」
コンコン
大淀「あ、噂をすれば」
提督「様子はどうだった? グレてたか?」
大淀「ご自分の目で確認してください」
提督「……どうぞ」
ガチャ
↓2 艦娘1人 コンマがグレ度
扶桑:グレ度56(中グレ)
扶桑「失礼いたします……」
提督「扶桑!」
扶桑「提督……お話は事実だったのですね……」
扶桑「1か月の時を経て、鎮守府に帰ってきているという……」
提督「あ、ああ。留守にしてしまい申し訳ない」
扶桑「お仕事なのですよね……? 仕方ありません」フフ
提督「それでも心配かけてしまったからな。連絡も入れなかったし」
提督(な、なんだ? いつに増して、扶桑が暗いオーラに包まれているような)
提督「大淀、あれはどういうことだろう」ヒソヒソ
提督「あれ……大淀?」キョロキョロ
提督(知らぬ間に消えてる!?)
扶桑「それで」
提督「!」
扶桑「本当は?」
提督「え……」
扶桑「本当は、どうお過ごしになっていたのでしょうか」
扶桑「愛らしい女性と逢引きなさっていたとか、ね……? 本当のことをおっしゃって」ゴゴゴゴ
提督「!?」
提督(見間違えじゃない! 扶桑のオーラが、いつもより黒く……!?)ガタガタ
扶桑「その方、艦娘たちのことを忘れるほどの魅力をお持ちなのですか?」
提督「し、信じてくれ! プライベートで女性とは会ってないよ!」ガシッ
扶桑「っ!」
提督「この目を見てくれ扶桑。俺は決して恋愛にかまけていたんじゃない」
提督「仕事が忙しかったんだ……連絡することも忘れ、あれやこれやと熱中してしまって……」
提督「俺は嘘偽りない事実を言ってるよ」
扶桑「……提督……」
扶桑「すみません……私ったら、提督を疑うようなこと……」シュン
提督「悪いのは扶桑じゃない、俺なんだ。誤解させてしまうような事をした俺が悪い」
提督「すまなかった。自分がしてしまったこと、悔やんでも悔やみ切れない……」ペコリ
扶桑「いいんです……こうして帰ってきてくださっただけで……」ニコッ
提督「そうはいかない。俺が扶桑にしてしまった行為は重い罪だ」
提督「何か罪滅ぼしをしたい。させてくれないか?」
扶桑「どういうことでしょう?」
提督「何でも言うことを聞く。扶桑の望みを叶える」
提督「それで扶桑の気が晴れるかは分からない。でも、少しでも足がかりになってくれれば充分なんだ」
扶桑「……」
提督「頼む、望みを言ってくれ」
扶桑「……何でも、よろしいのですか?」
提督「ああ」
↓2 扶桑の要求 コンマをグレ度からマイナス
56-93=0
扶桑「それでは……膝枕させてください」
提督「膝枕か」
扶桑「何でもよろしいのですよね。まさか、今更断ることなどしませんよね……?」
提督「いや、そのくらいなら二つ返事でオッケーだよ。というか膝枕だけでいいのか?」
扶桑「膝枕だけ……? 提督、お言葉ですが……」
扶桑「私がどれだけ提督に膝枕をしてさしあげたいと思っていたか、ご存知ですか?」
扶桑「提督がお仕事でへとへとに疲弊している様子を見て、この膝で安らぎを与えたいと」
扶桑「この膝の上でくつろいでいただきたいと、どれだけ願っていたか……」
提督「まさかそんな熱く秘めた思いがあったとは。言ってくれれば喜んで言葉に甘えたのに」
扶桑「だって……色んな方が提督に詰め寄るので、隙がなかったですし……」
提督(そういえば休憩中は、お茶会だったり駆逐艦が肩を揉んでくれたり色々してくれてたな)
提督「よし。じゃあ今から思いっきり膝枕してもらおう」
提督「膝を貸してくれるか?」
扶桑「ええ……!」
提督「どうすればいいかな。ソファーに寝転べばいい?」
扶桑「あ……待ってください。どうせなら、オプションを追加してもよろしいですか?」
提督「オプション?」
扶桑「その……夫婦のしちゅえーしょんでしてみたいのです……」ツンツン
扶桑「提督が旦那様で、お仕事から帰ってきたところを妻の私が迎えるというシーンから始まります……」モジモジ
提督「な、なるほど。まあ扶桑の好きにしてくれ」
扶桑「では、執務室のドアが玄関です。疲れた様子で帰ってきてください」
提督「了解」
今日はここまでにします
お付き合いありがとうございます
ガチャ
提督「ただいまー」
扶桑「あなた、お帰りなさい」ニコッ
扶桑「もうご飯できてるわ。あなたの好きなサバの味噌煮よ」
提督「嬉しいな。腹ぺこぺこだったんだ」
――――
扶桑「お味はどうだった……?」
提督「美味しかったよ。扶桑の料理は最高だからなぁ」
扶桑「まあ」クスクス
提督(食べる演技までしたけど、膝枕はいつくるんだ)
扶桑「あなた、お風呂もうすぐ沸くから」
提督「ありがとう」
扶桑「それまで膝枕をしてあげる」
提督(このタイミングでか)
扶桑「あなた、私の膝枕が好きでしょう? 扶桑の膝枕は疲れがとれる、膝枕なしじゃ生きていけないって」
提督(扶桑の中の俺はそんなことを言ったのか)
提督「そうなんだよ。扶桑に膝枕してもらうと疲労が吹っ飛ぶんだ」
扶桑「今準備しますね。ソファーに座って……」スッ
扶桑「はい、どうぞ」ニコッ
提督「それじゃあ失礼して…」
扶桑「提督」
提督「えっ? な、何?」
扶桑「私たちは夫婦という間柄なのに、『失礼して』なんて他人行儀なセリフはおやめになって」
提督「そうか、ごめん……なんて言えばいい?」
扶桑「『扶桑の膝枕にダーイブ♪』と」
提督「セクハラオヤジっぽいノリだな。分かったよ」
提督「扶桑の膝枕に、ダーイブ♪」ポフッ
扶桑「うふ、お茶目な方」ニコニコ
提督「……」
提督(これは冗談抜きで疲れがとれそうだ。柔らかくて人肌の温もりが伝わってきて)
扶桑「頭を撫でられるのも、お好きですよね」ナデナデ
提督「ああ」
提督(これもなかなか……リラックスできる)
提督(眠くなってくるな……)
扶桑「どうですか?」
提督「気持ちが安らぐよ。温かくてゆったりできる」
扶桑「それは何よりですわ」
扶桑「あっ、良いことを思いついた」
提督「?」
扶桑「耳かきなんてどうかしら。あなた、いつも私に耳掃除をしてもらってるでしょう?」
提督(変な設定を……)
提督「そ、そうだな。お願いしていいかな」
扶桑「任せて♪」スッ
提督(所持してる!? 最初からするつもりだったな)
扶桑「優しく、そーっと」カリカリ
提督「ふふっ」
扶桑「あら、どうされました?」
提督「いや、くすぐったくてつい……」
扶桑「ごめんなさい。力加減が分からなくて」
提督「気持ちいいから続けてくれ」
扶桑「本当ですか? では」カリカリ
――――
扶桑「ありがとうございます提督……じっくり満喫できました」ツヤツヤ
提督(満足してつやつやしてる)
提督「本当に膝枕だけでよかったのか?」
扶桑「ええ……充分です」
扶桑「それでは、そろそろ演習があるので……また膝枕させていただけますか?」
提督「ああ。断らないから好きな時に来てくれ」
扶桑「ありがとうございます」ペコリ
ガチャ パタン
提督(そんなに膝枕したい理由って何だ? 頭の中が読めないな)
大淀「提督」
提督「うわっ!? 大淀、どこにいた!」
大淀「提督の机の下に隠れてました」
提督「何故」
大淀「扶桑さんのオーラにたじろいでしまったんですよ……思ったより荒れてなくてホッとしました」
提督「確かに隠れたくなる気持ちは分かるけど」
大淀「ご機嫌になってもらえてよかったですね。さて、次の艦娘に移りましょうか」
提督「一つ閃いたことがある」
大淀「何でしょう」
提督「1人1人に謝らず、外に艦娘たちを招集して全員に謝罪をするのはどうだ?」
提督「まずは俺が帰ってきたことを知らせて、その後に…」
大淀「やめた方がいいです。何度も言ってますけど艦娘たちは機嫌を損ねてるんですよ」
大淀「グレた艦娘たち全員が提督を目の当たりにしたら、何が待っているか……」
提督「かといって、こっそり行動するのも悪い気がする」
大淀「1人ずつ、真心を込めてが正解です。さあ、出かけましょう」
↓2 艦娘1人、または複数(金剛型、第七駆逐隊などの呼び方でもOKです) コンマが深刻度
愛宕:グレ度42(中グレ)
提督「扶桑も言ってたけど、そういえば演習の時間だったな」
大淀「ほとんどの艦娘が外に出てますね」
提督「室内に残ってるのは誰がいる?」
大淀「えーっと、確か……」
愛宕「提督……!」
提督「!!」
提督(愛宕。目を丸くして……って)
提督(あれ? 大淀がまた一瞬で消えたぞ)キョロキョロ
提督(いや、それより今は愛宕だ)
愛宕「……」ジトー
提督「1か月ぶりだな……長い間留守にしてしまった」
愛宕「……」ジトー
提督「すまなかった。心配させてしまったな」ペコリ
愛宕「……」ジトー
提督「猛省してるよ。俺は本当に酷いことをしてしまった」
提督「連絡の1つくらい入れればよかったのに、それすらも……」
愛宕「……」ジトー
提督(じと目をやめてくれない。当然か)
愛宕「ごめんなさい、私用事があるので」スタスタ
提督「あ、愛宕! 待ってくれ!」
提督「申し訳なかった」スッ
愛宕「! ど……土下座なんてやめてください」
提督「そうはいかないよ。これは俺の反省の意だ」
提督「お前たち艦娘にしてしまったことへの、謝罪の気持ちだ」
愛宕「……」
愛宕「分かりました。その気持ちは伝わりましたから、土下座はやめてください」
提督「お前の迷惑になるなら」スッ
愛宕「迷惑とかじゃないですけど……」
愛宕「とりあえず、詳しい話は人目につかない場所でしましょう」
提督「何で?」
愛宕「ここにいるとグレてる艦娘に見つかっちゃう可能性があるので」
提督(グレてる艦娘か……いまだに出会わないけど、誰がグレてるんだろう)
提督「分かった、どこに行く?」
愛宕「執務室……は遠いですね。私の部屋が近いですから、行きましょう」
――――
愛宕「提督以外のお仕事、ですか」
提督「そうなんだ。忙しくてな」
愛宕「女の子と遊びまわってるのかと思いました」
提督「みんなそう言うよ……」
愛宕「それで、償いでしたっけ」
愛宕「私たちのストレスを解消するために、何でも言うこと聞いてくれるんですか?」
提督「ああ」
愛宕「何でもいいんですか?」
提督「何でもいい、俺にできることなら」
提督「言ってくれ愛宕。どうか償いをさせてくれ」ペコリ
愛宕「……ふぅん……償いかぁ……」
愛宕「そういうことなら、お願いしちゃおうかな♪」
↓2 愛宕の要求 コンマをグレ度からマイナス
42-38=4
愛宕「うふっ」シュルッ
提督「え?」
愛宕「えい」パサッ
提督「あ、愛宕……何してるんだよ……」
愛宕「服を脱いでまーす♪」
提督「それは見れば分かる! ま、まさかお前」
愛宕「何でもしてくれるんですよね?」
愛宕「じゃあ、溺れてください……私の体に」
提督「いや……それは……」
愛宕「断るんですか?」ジリジリ
提督「何でもするとは言ったけど、そういうのはな……」
愛宕「……そう」
愛宕「ならもういいです。償いしなくていいので、出て行ってください」
提督「!!」
提督「……わ、分かった」
提督「俺は反省している。その気持ちを示すために、愛宕の言うことを聞こう」
愛宕「本当ですか? ふふ♪」
愛宕「あ、ついでにもう一ついいですか?」
提督「もう一つ?」
↓2 愛宕の要求その2 コンマをグレ度からマイナス
4-71=0
愛宕「余計なものはつけないでください」
提督「余計なもの?」
愛宕「ほら、あるじゃないですか。行為に使うゴム的なものが」
提督「!!」
提督「……ゴム無し……?」
愛宕「そう、ゴムは無しで」
提督「それはちょっとマズい…」
愛宕「嫌なら、回れ右して私の部屋から出て行ってくださーい」
提督「うぐ……! 分かった!」
提督「ゴム無しで愛宕の体に溺れよう」
愛宕「決まりですねっ♪」
愛宕「そうだ、カギを閉めないと」カチャリ
提督(まさかこんな要求もされるとは……予想はしていたが、ありえないだろうと高を括っていた)
提督(大目に見てくれ大淀。これは償いなんだ)
愛宕「提督?」
提督「!」
愛宕「始めましょうか」
提督「あ、ああ」
愛宕「♡」
――――
(1時間後)
提督「……」ボー
愛宕「提督? ぼーっとしちゃって、どうしました?」
提督「いや……」
提督(とてもすごかった)
愛宕「うふ、私の体に溺れてくれたみたいですね♪」
提督「うん」
提督「……どうしよう」
愛宕「?」
提督「俺はとんでもないことをしてしまった」
提督「償いとはいえ、ゴム無しで発射を……! 発射してしまったんだ!」
提督「愛宕に発射を!! 発射…」
愛宕「発射発射言わないでください! それにしーっ、ですよ」シー
提督「ご、ごめん……」
提督「愛宕」
愛宕「はい」
提督「できてしまったら、どうしようか」
愛宕「責任とってくれないんですか?」
提督「とるよ。でも周囲から大バッシングだぞ? 部下に手を出したと」
愛宕「職場結婚ですね♪」
提督「ははは……そうだな……」
提督(もうどうにでもなれ)
愛宕「演習が終わるまであと1時間くらいですね」
愛宕「それまで服を着て、ここから出ないと」
提督「そうだな。誰かに見られるとマズイ」
愛宕「念のため今のうちに行動しておきましょう」
提督「よし」ササッ
提督(なんか俺、愛宕の浮気相手みたいだな)
――――
愛宕「それじゃあ、他の艦娘とも関係が元通りになることを祈ってますね」
提督「ありがとう」
パタン
提督「ふぅ……」
提督(出歩いてたらグレてる艦娘に見つかる、か)
提督(どうすればいいんだろう。なるべく人通りが少ない場所で待ち受けるか?)
大淀「提督」
提督「!?」ビクッ
提督「大淀」
大淀「愛宕さんとお楽しみでしたね」
提督「やっぱりバレてるよな……」
大淀「声がダダ漏れでしたよ」
提督「嘘だろ!?」
>>105 すみません、最後の安価出すところが深刻度になっていますが、グレ度に訂正します
大淀「本当です。耳を澄ますと聞こえる程度でしたけどね」
大淀「幸い私以外の艦娘は通らなかったので安心してください」フフ
提督「……ごめん」
大淀「何故謝罪を?」
提督「償いとはいえ、愛宕と寝てしまったから怒ってるんだろ?」
大淀「やですねぇ、なんで私が怒らなきゃいけないんですか」クスクス
提督「ずっと目が笑ってないだろ!? 血走ってるし!!」
大淀「気のせいですよ。さ、次の艦娘のもとへ行きますよ」
大淀「愛宕さんの言うとおり、安易に出歩くのはマズイと思います。集団を避けるため人通りの少ない場所へ」
提督「わ、分かった……向かおう」
――――
提督「なるほど、ここか」
大淀「はい。工廠へ続く道はいくつかありますけど、その中でもあまり艦娘が通らないルートです」
大淀「ここなら大勢の艦娘に出会うことはないと思います」
提督(まだ目が怖い……)
提督「よし、張り込んで待つか」
大淀「頑張ってください。私はまた仕事で抜けるので」
提督「案内ありがとう」
提督(さて、誰が通るかな)
↓2 艦娘1人、または複数(金剛型、第七駆逐隊などの呼び方でもOK) コンマがグレ度
今日はここまでにします、お付き合いありがとうございます
ここは結構和やかな鎮守府なのかもしれない
山風:グレ度32(小グレ)
提督「あ」
山風「……!」
山風「提……督……?」
提督「山風……留守にして申し訳なかった」
山風「なんで、ここにいるの……?」
提督「帰ってきたんだ」
山風「何してたの……?」
提督「仕事だよ。提督以外にも色々やってるんだ」
提督「本当にごめん。1か月も鎮守府を開けてしまって」ペコリ
山風「……」
提督「深く反省している」
ギュッ
提督「!」
山風「……バカ……」
山風「提督のあんぽんたん……!」ポカポカ
提督「ご、ごめん。寂しい思いをさせてしまったな」
山風「べ、別に……あたしは寂しくなかった……でも、みんな心配してた……」
提督「聞いたよ。俺は大馬鹿者だ」
山風「うん……大バカ……」
山風「あと、最低……」ギュー
提督「本当に最低だよ……ただ謝るだけじゃ、山風たちの鬱憤は晴らせないだろう」ナデナデ
提督「そのくらいのことをしてしまったからな」
提督「山風」
山風「……?」
提督「俺に罪滅ぼしをさせてくれないか」
提督「謝罪の気持ちを、頭を下げる以外の方法で表したいんだ。当然それで許してもらおうとは思ってない」
提督「ただ、山風を不安にさせてしまった報いを受けたい」
山風「ふ、不安になんかなってない……みんなは不安がってたけど……」
山風「報いって……何をしてくれるの?」
提督「山風のして欲しいことをする。何でも言ってくれ」
山風「何でも……」
提督「どんなことでもいい。とはいえ、男1人にできることは限られているけど」
提督「できる限りのことはするよ」
山風「……」
山風「……分かった……」
↓2 山風の要求 コンマをグレ度からマイナス
32-17=15
山風「……本当の……」
提督「え?」
山風「本当の……お父さんになって……」
提督「本当のお父さん?」
提督「えっと、つまり法的な手続きをして正真正銘俺の娘になりたいってこと?」
山風「そ、そう……艦娘のお仕事が、終わってからでいいから……」
提督(驚いたな。まさか山風がこんな要求をしてくるとは)
提督(養子縁組か……俺結婚してないけどいいのかな。まあ詳しいことは後で調べるか)
提督(山風が俺の娘……)
山風「ど、どうなの? ダメ……?」
提督「いいよ」
山風「え……本当……?」
提督「山風がなりたいと言うのなら」
山風「……!」パァァ
提督「ただし、これは仮約束だ」
山風「え?」
提督「山風を娘にする上で、色々覚悟しなきゃいけない事があるからな。正式にイエスとは言えない」
提督「この話は、艦娘の仕事が終わってから改めてしよう」
山風「それだと、提督が話を忘れてるかも……」
提督「絶対に覚えておくよ。だから、それまで2人だけの秘密にしておこう」
提督「どうだ?」
山風「分かった……」
提督「決まりだな」
山風「でも、忘れないでね……絶対に……」
提督「もちろんだよ」
山風「あと……パパって呼んでいい……?」
提督「えっ」
山風「2人だけの時でいいから……いいでしょ?」
提督「ま、周りに誰もいないことを確認してからな」
山風「ありがとう、パパ」
提督「!!」
提督(結構いいなこの響き)
山風「パパ……もう一つお願いしてもいい……?」
提督「へ? 山風の父親になる、で終わりじゃないのか」
山風「あたしを不安にさせた代償は、高くつく……」
提督(やっぱり不安だったのか。親子になりたいって結構レベルの高い要求だと思うけどな)
提督「何でも言ってくれ」
山風「うん……」
↓2 山風の要求その2 コンマをグレ度からマイナス
15-48=0
山風「それじゃあ……」
山風「提督には……けじめをつけてもらう……」
提督「ケジメ?」
山風「そう、やくざ式けじめ……」
提督「いきなりどうした!?」
山風「1か月も留守にして、みんなを……あたしを心配させたのは重罪……」
山風「だから、そのくらいのことをやってもらわないと……」
提督「冗談だよな?」
山風「……」ジー
提督(本気の目だ!!)
提督「いやいや、でも指をつめるのは……!」
山風「指……? 指には、何もしない……」
提督「え……」
山風「指をつめるのは……やくざ同士のやり取りで、ありえること……」
山風「提督は、かたぎだから……お金で解決……」
提督「お前どこでそんな知識を得た!?」
山風「さあ、お金をちょうだい……」
提督(お金か。まあ指を切るよりは……)スッ
提督「ど、どれくらい必要なんだ……?」ゴクリ
山風「え? き、決めてなかった……」
山風「……500円……」
提督(低出費)
提督「500円でいいの?」
山風「駄菓子屋で、お菓子買いたい……」
提督「そうか。はい、どうぞ」スッ
山風「ありがとう」
提督「無駄使いするなよ」
山風「はーい」
提督(けじめっていうよりお小遣いだな)
山風「それじゃあ、提督……あたしはこれで」
提督「待った。どこでそんな知識を得たのか聞いてないぞ」
山風「て、提督には関係ないでしょ……」
提督「あるさ。仮とはいえ、お前の父親だからな」
山風「!!」
山風「そうだった……パパ……」
提督「無理にパパって呼ばなくていいんだぞ? 提督が呼びやすいならそれでいい」
山風「2人きりの時はパパって呼ぶ……! そう決めたから」
提督「好きにしていいけど。で、どこで知ったんだ」
山風「……艦娘組……」
提督「は?」
山風「艦娘たちで結成された、組織が出来てるの……」
山風「その名も、艦娘組……」
提督「いつの間にそんなものが」
山風「提督が、ずっと留守にしてたから……グレた艦娘たちが集結して作られたの」
山風「そのグループの目的は……提督に色々すること……」
提督「色々って何!?」
↑すみません、ミスをしたのでもう一度上げます
提督「500円でいいの?」
山風「駄菓子屋で、お菓子買いたい……」
提督「そうか。はい、どうぞ」スッ
山風「ありがとう」
提督「無駄使いするなよ」
山風「はーい」
提督(けじめっていうよりお小遣いだな)
山風「それじゃあ、提督……あたしはこれで」
提督「待った。どこでそんな知識を得たのか聞いてないぞ」
山風「て、提督には関係ないでしょ……」
提督「あるさ。仮とはいえ、お前の父親だからな」
山風「!!」
山風「そうだった……パパ……」
提督「無理にパパって呼ばなくていいんだぞ? 提督が呼びやすいならそれでいい」
山風「2人きりの時はパパって呼ぶ……! そう決めたから」
提督「好きにしていいけど。で、どこで知ったんだ」
山風「……艦娘組……」
提督「は?」
山風「艦娘たちで結成された、組織が出来てるの……」
山風「その名も、艦娘組……」
提督「いつの間にそんなものが」
山風「パパが、ずっと留守にしてたから……グレた艦娘たちが集結して作られたの」
山風「そのグループの目的は……パパに色々すること……」
提督「色々って何!?」
山風「分からない……噂だと、子供が見ちゃいけないことだとか」
山風「今は使われてない部屋で、プロレスや、柔道の技を練習してるとか……聞いたことある」
提督「何にせよ、ただじゃ済まないっぽいな」
提督「それで、そのメンバーの誰かにヤクザのことを教えてもらったと」
山風「違う……噂で聞いたの……」
提督「なんて噂だよ。発信源は誰なんだ……」
提督「なあ山風、その艦娘組のメンバーに心当たりはないか?」
山風「ごめんなさい……みんな、艦娘として活動してる時は普通だから……」
提督「いいんだよ。ありがとう」
提督(ということは、秘密裏に活動してるってことかな)
提督(メンバー大勢に捕まるのはマズい気がするから、誰か1人を見つけて和解しよう)
提督(そしてそれをきっかけに、艦娘組全員に謝罪して元の関係に戻れたら……)
山風「パパ……あたし、そろそろ行かないと……」
提督「ん、そうか」
山風「忘れないでね、あの約束」
提督「もちろんだ。情報ありがとうな」ナデナデ
山風「……♪」
――――
大淀「へー、初耳ですよ」
提督「大淀が知らないってことは、やっぱり密かに活動してるんだな」
大淀「そもそも、本当にそんな組織あるんですか?」
提督「あくまで噂だから、何とも言えないな」
提督「事実だとしたら、反省してもし切れないよ。俺のせいなんだから」
大淀「早く謝らないとですね」
大淀「ひとまず警戒はしておきましょう。引き続き、この人通りの少ないルートで艦娘を待ちながら」
提督「うん」
スタスタ
大淀「あ、早速来ましたね」
提督「あれは……」
↓2 艦娘1人、または複数(金剛型、第七駆逐隊などの呼び方でもOK) コンマがグレ度
大井:グレ度68(中グレ)
提督「大井だ」
大井「……」イライラ
提督「明らかに苛立ってるな」
大淀「最大限に気を配って接してあげてくださいね」
提督「もちろん」スッ
――――
大井「ったく……なんであの人は……」ブツブツ
提督「大井」
大井「!!」
大井「て……提督……!」
提督「長い間、留守にしてすまな…」
大井「ここで会ったが百年目ー!!」スタタタッ
提督「!?」
大井「はっ!」シュッ
提督(鋭い蹴り!?)ササッ
提督「ま、待ってくれ大井! 気持ちは分かる、俺はお前たちを…」
大井「このっ!」シュッ
提督「うわっ!?」ササツ
大井「避けないでください!」シュシュッ
提督「避けるだろそりゃ!」ササッ
大井(後ろに回り込んだ!?)
提督「頼む! 落ち着いてくれ!」ギュッ
大井「きゃっ……!?」
大井「は、放してください!」ジタバタ
提督「落ち着いてくれたら放す! お願いだ、話を聞いてくれ」
大井「私たちを放っておいた人の話を聞く筋合いはありません!」ジタバタ
提督「すまなかった!」
提督「すごく反省してる……俺は連絡すら入れず、1か月もここを訪れなかった」
提督「お前たちを放って、お前たちの気持ちを考えず、他のことに熱中していた」
大井「……」
提督「最低な指揮官だよ。どれだけ頭を下げたところで、大井は許してくれないだろう」
提督「それほどまでに、俺はお前を傷つけてしまった」
大井「……そうですね」
大井「何せ、私たちを無視して女性と熱愛していたんですから。腹の虫が収まるわけありません」
提督「は? ね、熱愛なんて……」
大井「それしか無いじゃないですか」
提督「仕事をしてたんだよ! 提督以外にも色んな事してるんだ!」
大井「し、仕事?」
提督「そう、仕事。間違っても他の女性と熱愛なんてそんなことしないよ」
大井「嘘じゃないですよね」
提督「誓うよ」
大井「ふーん……具体的に何を?」
提督「主にプロデューサー、団長、マスター。他には監督とか決闘者とか」
大井「と、特殊ですね」
提督「それを言ったら提督もだろ」
大井「……」
大井「放してください。もう攻撃しませんから」
提督「本当に?」
大井「本当です」
パッ
大井「えいっ」ピンッ
提督「痛っ!? 攻撃しないって……」
大井「デコピンくらいどうってことないでしょう。蹴りを入れる予定だったんですから」
大井「それで?」
提督「?」
大井「ここに帰ってきたってことは、そのお仕事たちを済ませたってことですよね?」
提督「ある程度は。すんなりと理解してくれるんだな」
大井「こちらにも誤解がありましたし、提督を信用してますからね。すみませんでした」ペコリ
提督(お、大井……!)
提督「謝るのは俺の方だよ! すまなかった!」ガバッ
大井「もういいですよ。お仕事なら仕方ないですし」
大井「女性関係だったら容赦しなかったですけど」
提督(そこが重要なのか)
大井「あの、いつまで土下座してるんです? やめてください」
提督「まだだ。実は大井に頼みがある」
大井「頼み……?」
提督「償いをさせて欲しい」
提督「仕事とはいえ、鎮守府を留守にしてしまったこと。連絡も入れなかったこと」
提督「これは大きな罪だ」
大井「はあ」
提督「だから償いをしたい! 何でも言ってくれ、言うことを聞くから」
提督「どんなことでも……というわけにはいけないかもしれないけど」
提督「できる限り叶える! 大井の頼みを叶えてみせる!」
大井「……へーえ」
大井「それは、心に溜まっていたものがスッキリするかもしれませんね」
提督「スッキリしてもらいたい」
大井「何でもいいんですね?」
提督「ああ、何でもだ」
↓2 大井の要求 コンマを深刻度からマイナス
今日はここまでにします
お付き合いありがとうございます
すみません、再開は明日になります
20時頃から始める予定です
68-44=24
大井「それなら……」
大井「わ、私と温泉旅行に行きなさい! これは命令です!」ビシッ
提督「温泉旅行!?」
大井「ダメなんですか?」
提督「ダメじゃないよ。大井の口から、そんな言葉が出てくるなんて思わなかったから驚いたんだ」
提督「聞き間違いじゃないよな」
大井「ハッキリ言いましたよ、温泉旅行って。ちなみに一泊二日なので、すぐに鎮守府に帰れます」
提督「……」
大井「やっぱりダメですか?」
提督「いや、分かった。すぐに予約をとろう」
提督(まさか大井、俺を好いてくれてるのか)
大井「あ、そうそう。勘違いしないでくださいね」
提督「え」
大井「提督と一緒に旅行するのは、長い間留守にしてた罰として召使いをしてもらうためですから」
大井「仲を深めたいだとか、そんなことありえませんからね! 絶対に!」
提督(召使いって……)
提督「分かったよ、肝に銘じとく」
大井「あ! それと」
提督「まだあるのか」
大井「温泉旅行だけじゃ飽き足らないので、もう一つお願いいいですか?」
提督「いいよ」
大井「ありがとうございます」
提督「お礼はいいって」
提督(温泉旅行ともう一つか……何だろう)
↓2 大井の要求その2 コンマをさらにマイナス
24-16=8
大井「んーと……すみません、やっぱり旅行だけでいいです」
提督「そうか」
大井「ただ、もう1人連れて行きたい艦娘がいるんです」
提督「もう1人か」
提督(大体予想はつく)
――――
北上「……」
提督(まあ北上だよな)
大井「北上さん、今日はよろしくお願いしますね」
北上「よろしくねー」
北上「……提督」
提督「?」
北上「アタシ、大井っちと旅行を楽しむつもりだから」
北上「提督とは楽しむつもりないから。そこんとこ忘れないでよね」プイッ
提督「あ、ああ」
提督(やっぱり機嫌を損ねてるよな)
大井「そろそろ出発しないと、電車に間に合いませんよ」
提督「そうだな。行こう」
――――
ガタンゴトン
大井「旅行って、目的地に行くまでの過程も楽しいですよね」
北上「景色を見たりねー」
提督(荷物は全て俺に任せて、座る席も離れたところ)
提督(仕方ないとはいえ寂しいな……)
大井「すみません北上さん、ちょっと席を外します」スッ
北上「おっけー」
スタスタ
大井「提督、ちゃんと荷物管理してます?」
提督「バッチリだよ」
大井「盗まれたりしないでくださいね」
提督「任させてくれ」
大井「……隣、いいですか?」
提督「北上と話してなくていいのか?」
大井「ここは。召使いさんが可哀想なので、少し話し相手になってあげます」スッ
大井「ミカン食べますか」スッ
提督「ありがとう」
提督「もう少しで到着するから、準備しといてくれ」
大井「準備といっても、提督が全て持ってくれてるのでほぼ手ぶらですよ」
提督「確かにな」ハハ
↑すみません、ミスです
直してもう一度上げます
――――
ガタンゴトン
大井「旅行って、目的地に行くまでの過程も楽しいですよね」
北上「景色を見たりねー」
提督(荷物は全て俺に任せて、座る席も離れたところ)
提督(仕方ないとはいえ寂しいな……)
大井「すみません北上さん、ちょっと席を外します」スッ
北上「おっけー」
スタスタ
大井「提督、ちゃんと荷物管理してます?」
提督「バッチリだよ」
大井「盗まれたりしないでくださいね」
提督「任せてくれ」
大井「……隣、いいですか?」
提督「北上と話してなくていいのか?」
大井「少しくらいなら。召使いさんが可哀想なので、話し相手になってあげます」スッ
大井「ミカン食べますか」スッ
提督「ありがとう」
提督「もう少しで到着するから、準備しといてくれな」
大井「準備といっても、提督が全て持ってくれてるのでほぼ手ぶらですよ」
提督「確かにな」ハハ
大井「提督」
提督「ん?」
大井「北上さんの機嫌、直してくださいね。そのために連れてきたんです」ヒソヒソ
提督「そうしたいけど、俺と話す気はないみたいだし」
大井「何とかしてあげてください」
提督「分かったからそんな怖い顔しないでくれ……」
大井「分かればいいんですよ。はい、剥けました」スッ
提督「……?」
大井「何してるんですか、口を開けてください」
提督(食べさせてくれるのか)アーン
パクッ
提督「うん、美味い」モグモグ
大井「……ふふ」ニコッ
――――
提督「おー、良いところだな」
大井「有名な温泉旅館ですからね。入りましょう」
北上「大井っち。部屋に案内してもらったら、早速お風呂行こーよ」
大井「賛成です!」
提督「……」
提督(ここって混浴あったりするのかな。あってもこの2人が入らないか)
――――
カポーン
提督「あー、良い湯だー」ザバー
提督(由良と行った銭湯もいいけど、温泉もいいよなぁ)
提督(……この竹でできた塀の向こうに女湯があるんだよな)
提督(大井と北上もゆっくりしてるんだろうな)
提督(んー、大井と北上……大井はだいぶ機嫌を直してくれてるけど)
提督(北上はまだ難しいか)
――――
大井「あ」スッ
提督「おお、出る時間がピッタリだな」スッ
大井「どうでしたか提督、男湯の方は」
提督「良い湯だったよ」
北上「……」
提督「北上、そっちはどうだった?」
北上「うん……良い湯だった」
北上「大井っち、向こうで卓球やれるとこあったよね。遊んで行かない?」
大井「え? でも温泉に入ったばかりですし。汗かいちゃうと……」
北上「また入ればいいじゃん。ということで提督、アタシたち2人で遊んでくよ」
提督「了解。俺はお土産コーナーに寄ってるから」
北上「行こう大井っち」グイ
大井「あっ……は、はい」
提督(やっぱり避けられてるな……どうしたものか)
提督(あ、そうだ)
――――
北上「ご飯美味しかったね」
大井「牛のお肉が柔らかかったですね。味が忘れられません」フフ
提督「2人とも、ちょっといいかな」
大井・北上「?」
提督「実はさっき、お土産コーナーで良いもの見つけてさ。プレゼントしたいんだよ」
提督「まずは大井。この土地限定のハンドクリーム」スッ
大井「そんなの売ってたんですか!? あ、ありがとうございます」
提督「そして北上。この土地限定のポテチ3種類」スッ
北上「……!」
大井「はあ? ちょっと提督! 私に比べて何でそんな安値なもの北上さんに……!」
北上「へぇ……いいセンスしてるね」
大井「!?」
提督「だろ」
北上「でもさー、大井っちの言うとおり、ハンドクリームとポテチって差があるよね」
提督「う……それは……」
北上「ま、嬉しいけどさ。ありがとね」
提督・大井「!!」
提督「ああ! 喜んでもらえて何よりだよ!」
――――
北上「zzz……」
提督「北上もう寝たのか」
大井「最近あまり眠れてなかったんですよ」
大井「ずっと提督のこと気にかけてましたから」
提督「そ……そうだったのか……」
大井「でも、トランプをやってる時は完全にいつもの北上さんでした」
大井「あんなに楽しそうに笑ったのも久しぶりです。少しは元の関係に戻れたみたいですね」ニコッ
提督「そうだといいけど」
提督(北上には改めて償いをしに行こう)
大井「ところで」
提督「?」
大井「私と北上さんの浴衣を見て、結局何も言ってくれませんでしたね?」
提督「あ……ごめん。心では思ってたんだけど」
提督「綺麗だな、似合ってる」
大井「遅すぎです。マイナス2ポイント」
提督「何だそれ」
大井「提督の善行ポイントです。この旅行中、密かに審査してたんです」
大井「10ポイントたまったら私の機嫌が良くなります」
提督「最初から言ってくれよ……というか、許してくれたんじゃないのか」
大井「許したのと私の機嫌の良し悪しは別物ですから」
提督「マジか。今何ポイントたまってる?」
大井「7ポイントです」
提督「結構たまってるな」
大井「私と北上さんが楽しめるように、色々してくれましたから」クスッ
提督「残りは何をすればたまる?」
大井「そうですね……また今度、何かしてくれたら」
大井「思いついたら言うので、楽しみに待っててくださいね♪」
提督(何を要求されるんだ……)
大井「話は変わりますけど、提督はとても反省してますね」
提督「心から反省してる。もう大井たちに心配をかけないと誓った」
大井「それは充分伝わりました」
大井「……艦娘組のみんなにも、提督は反省してるってこと言った方がいいわね……」ボソッ
提督「!!」
提督「今艦娘組って言ったか?」
大井「ごめんなさい、こっちの話です」
提督「艦娘組のことは知ってるよ」
大井「え?」
提督「山風から聞いたんだ。俺に色々することが目的の組織を、グレてる艦娘たちが作ってるって」
提督「まさか大井、お前……」
大井「……」
大井「そうです。艦娘組のメンバーです」
提督「!!」
大井「でも、もう抜けますから…」
提督「頼みがある! 艦娘組全員に合わせてくれないか?」
提督「俺のせいで荒んでしまって、申し訳なく思ってるんだ……1人1人に謝りたいんだ」
大井「そうですね……中にはかなりグレてる娘もいますからね」
大井「まず、私に任せてもらえませんか? みんなを説得してみます」
大井「それでダメだったら提督が何とかするしかないですけど」
提督「ありがとう! お願いするよ!」
――――
大淀「旅行楽しかったですか?」
提督「楽しかったよ。2人も楽しんでくれたみたいで、本当によかった」
大淀「いいなー……」ボソッ
提督「ん?」
大淀「……提督、お願いがあるですけど」
大淀「今度私とも旅行しませんか?」
提督「大淀と?」
大淀「最初、ハグしてくれたじゃないですか。でも他の艦娘とのやり取りを見てて」
大淀「ハグだけじゃ物足りなくなってきたんです」
提督「いいよ」
大淀「!」
提督「行こうか、旅行。計画しないとな」
大淀「ありがとうございます!」
大淀(言ってみるものね!)フフ
提督「それで大淀、艦娘組のことなんだけど」
大淀「あ……こほん。そうでした、大井さんがメンバーだったんですよね」
提督「説得してくれるみたいだけど、ダメだったら俺が何とかするしかないって」
大淀「そうするしかないですよね。私もできる範囲内で協力しますから」
提督「ありがとう」
↓2「……」
大淀「提督」
提督「?」
大淀「艦娘組のことはひとまず大井さんに任せて、再び艦娘のご機嫌をとってあげましょう」
大淀「↓2が歩いてますよ」
提督「うん。行ってくる」
↓2 艦娘1人、または複数(金剛型、第七駆逐隊などの呼び方でもOK) コンマがグレ度
羽黒:グレ度66(中グレ)
提督「羽黒!」
羽黒「!!」
羽黒「こ、この声は……司令官さん……!」
提督「久しぶり。1か月も留守にして申し訳……」
羽黒「……」ゴゴゴゴ
提督(怒ってる。当たり前だ、いくら心優しい羽黒でも怒るに決まってる)
羽黒「……!」ゴゴゴゴ
提督(しかし怖さはない。ウサギが威嚇してるみたいで可愛らしささえ覚える)
提督(だからといって和んだりはしない。羽黒が怒っているという事実を重く受け止め、謝罪をする)スッ
提督「すまなかった」
羽黒「……」
提督「俺はとんでもないことをしてしまった。ひと月も鎮守府を留守にして、連絡もしない」
提督「他の仕事をしていたとはいえ最低だ。心から謝る」
羽黒「……他のお仕事……?」
提督「詳しく聞きたいなら答えるけど、色んな仕事だよ」
羽黒「お怪我をされていたとか、ご病気になられたとかじゃ……」
提督「違う。仕事に熱中していたんだ」
羽黒「……」
羽黒「そうだったんですか……」
提督「ああ」
羽黒「……では、私はこれで」スタスタ
提督「え? ち、ちょっと待ってくれ羽黒!」ガシッ
羽黒「この本を倉庫に持っていかなきゃいけないんです! 放してください!」
提督「少しだけ俺に時間をくれ! 1分でいい!」
提督「俺は反省してる。羽黒を、艦娘たちを心配させてしまったことを悔いている」
提督「謝っても羽黒の心には届かないだろう」
羽黒「……」
提督「だから、違う方法で俺の気持ちを示したい」
提督「羽黒の言うことを何でも聞こう。どんなことでもいい」
提督「羽黒の望むこと、して欲しいことを何でもする」
羽黒「!」ピクッ
羽黒「……なん……でも……?」
提督「そうだ、何でもだ! 俺にチャンスをくれ!」
提督「羽黒に謝罪の気持ちを伝えるチャンスを!」
羽黒「分かりました」
羽黒「お願い、聞いてくれるんですね?」
提督「聞く。絶対に」
↓2 羽黒の要求 コンマをグレ度からマイナス
66-27=39
羽黒「氷の王国を作りたいです……」
提督「は?」
羽黒「氷の王国です。最近、何回目かのアナと雪の女王を観たんですけど」
羽黒「あんな風に氷で物を作れたら素敵だなって思って」
提督「それで、氷の王国を?」
羽黒「子供みたいですよね……でも、一度でいいから夢を叶えてみたいんです!」
提督(夢なのか)
羽黒「ど、どうですか!? こんな望み、司令官さんに叶えることができますか!?」
提督「できる!」
羽黒「!!」
提督「やってみせる。待ってろ羽黒、俺が必ず氷の王国を作ってみせる」
提督「その時は、もう一度俺の謝罪を見て欲しい」
羽黒「し、司令官さん……」
提督「やってやるぞ!」スタタタッ
羽黒「……」
――――
提督(ああ言ったけど、どうやって作ればいいんだ)
提督(今は夏だぞ? 氷も作るのに時間や金がかかるのに……)
大淀「お困りのようですね」
提督「大淀!」
大淀「氷の王国をどうやって作るかお悩みのようで」
提督「そうなんだよ……方法が思い浮かばない」
大淀「提督、こういう時こそあの艦娘の力を借りるべきですよ」
大淀「明石の力を」
提督「いや……明石とも仲が回復してないし、無理だろう」
大淀「本人から知恵を借りるのは無理かもしれませんけど」
大淀「これは何だと思いますか?」スッ
提督「大きな箱だな」
大淀「ただの箱じゃないですよ。明石の作った、四次元ボックスです」
提督「四次元ボックス!?」
大淀「この中には明石の発明したすごい秘密道具がたくさん収納されてます」
大淀「確か、氷を生み出して建物を作れるものもあったはずですよ」
提督「明石のやつ、ついにネコ型ロボットの域にまで達したか。そんな貴重な箱を借りていいのか?」
大淀「これは私にくれたものなので。好きな時に使っていいよって」
大淀「ちょっと待っててくださいね。えっと……」パカッ ガサゴソ
大淀「あった! 氷製造機とふにゃふにゃグローブ~!」
提督(ドラえもんっぽく言った)
大淀「説明すると、この大きな機械は名前の通り氷を作ってくれるんです」
提督「材料は?」
大淀「要りません」
提督「すごいな」
大淀「そしてこのふにゃふにゃグローブをつけると、石や鉄など、どんな固いものでもふにゃふにゃにできるんです」
大淀「もちろん氷も。まるで紙粘土のようにね」
提督「それで氷を変形させるってことか!」
大淀「はい。ただ、そうすると時間がかかってしまいますよね」
提督「そうだな……王国だから、下手すれば1年以上……」
大淀「そこでさらにこの道具です! 精神と時の部屋~!」
提督「聞いたことあるぞそれ!? 別作品のだろ!」
大淀「まあまあ落ち着いてください。一見すると普通のドアですよね?」
大淀「しかし、このドアをどこでもいいので適当な場所に……例えばこの壁に」スチャ
大淀「設置します。するとこのドアの先には、精神と時の部屋とほぼ同じルールの空間ができます」
提督「ほぼ?」
大淀「別に修行するわけではないですからね。空気や重力は地球と同じです」
提督「なるほどな。どれ」ガチャ
提督「うわ、本当だ! ドラゴンボールとは違うけど真っ白な空間が広がってる!」
大淀「氷の王国はここに作りましょう。空間も真っ白だと味気ないので、辺り一面が雪景色なんていいですね」スチャ
提督「ドア外していいのか?」
大淀「はい。どの壁に設置しても通じる場所は同じです」
提督「そうか……感謝するよ大淀! これで羽黒の夢を叶えてやれる!」
――――
(1日後)
羽黒(司令官さん、何をしてるんだろう)
羽黒(あれから顔を合わせてないし、やっぱり無理なお願いをしちゃったかな……)
提督「羽黒ー!」スタタタッ
羽黒(司令官さん!?)
提督「はぁ、はぁ……できたよ、氷の王国」
羽黒「え?」
提督「羽黒の思うような王国かは分からないけどな」
提督「ついて来てくれ」
羽黒「……はい」
羽黒(まさか本当に? ううん、そんなはずは……)
――――
羽黒「う……ウソ……!」
提督「どうだ? ここが城下町だ」
提督「向こうにある噴水は、水じゃなくて雪が出る」
提督「氷のランプは、暗くなると綺麗に光るぞ」
羽黒「ど、どうやって作ったんですか……!?」
提督「明石と大淀の力を借りてな」
羽黒(こんなこともできちゃうんだ……)
提督「さて、肝心の城へ行こうか」
――――
羽黒「わぁ~……!」キラキラ
提督「アナと雪の女王の城を、見よう見マネで作ってみた」
提督「どうかな?」
羽黒「素敵です……とっても素敵……!」
羽黒「あっ、向こうにあるのは玉座?」
提督「そう」
羽黒「座ってみてもいいでしょうか」
提督「どうぞ」
羽黒「そ、それじゃあ……」スタスタ
スッ
羽黒「ひゃっ!? 冷たいっ」
提督「全部氷だからな。俺の服を敷いてくれ」ヌギヌギ
羽黒「いいんです、このままで」
羽黒「わー……本当に氷でできてるんだ……」
提督(喜んでくれてるみたいだ)
羽黒「ありがとうございます、司令官さん」
提督「!」
羽黒「夢が叶うとは思ってなかったです……嬉しい」エヘヘ
提督「お礼はいいよ。これは償いだから」
提督「俺が羽黒にしてしまったことのな」
羽黒「司令官さん……」
羽黒「……あ、あの……ここまでしてもらって、こんなこと言うのもあれなんですけど……」モジモジ
提督「?」
羽黒「もう一個、いいですか」
提督「お願い? いいよ」
羽黒「いいんですか! あ、ありがとうございます」
↓2 羽黒の要求その2 さらにコンマをマイナス
39-24=15
羽黒「氷、まだ作れますか?」
提督「作れるよ」
羽黒「その氷で、かき氷を作ってもいいでしょうか……宇治金時の」
羽黒「司令官さんと一緒に食べたいです」
提督「お安い御用だよ。というか、それならわざわざ氷を作らなくても建物のどこかから…」
羽黒「だ、ダメです! 司令官さんが私のために、一生懸命作ってくれたんですから……」
羽黒「壊しちゃダメです」
提督「はは……そうか。嬉しいよ。じゃあ2人分作ってくる」
羽黒「私も行きます!」
――――
提督「うん、美味いな」
羽黒「美味しいですね」ニコッ
提督「夏の暑い日に食べるのも美味いけど、こういう寒いとこで食べるのもいいよな」ハハ
羽黒「分かります」フフ
羽黒「……司令官さん。また、お願いしてもいいですか?」
提督「お願いか」
羽黒「欲張りですみませんっ! でも、あと一つだけして欲しいことがあるんです!」
提督「いいよ、言ってくれ」
羽黒「その……この場所、他の艦娘にも来てもらいたいんです」
羽黒「私だけが楽しむなんてもったいないので……」
提督「良い考えだな。そうしようか」
提督「スケート場やスキー場なんかも作って」
羽黒「素敵ですね! 今から呼びにいって…」
提督「あー、ちょっと待ってくれないかな……俺はまだ艦娘全員と仲直りしてないから」
提督「解放するのは、全て終わってからにして欲しいんだ」
羽黒「あ……そうですね」
提督「ごめん」
羽黒「いいんです! じゃあそれまで、施設の建設を進めておきます!」
提督「俺も手伝うよ」
――――
大淀「喜んでもらえましたね」
提督「ああ……本当に助かったよ大淀。ありがとう」
大淀「いえいえ。私も氷の王国見てみたかったですし、このくらいどうってことないですよ」ニコッ
大淀「そういえば提督が氷の王国へ行っていた時、大井さんが私のもとに来たんですよ」
提督「大井が?」
大淀「艦娘組のみんなに、留守の真相と提督が反省していることを伝えたら、解散の方向へ進んだらしいです」
大淀「大体の艦娘が提督の行いを許してくれたらしいですよ」
提督「本当か!? よかった!」
大淀「ただし機嫌は直ってないので、1人ずつちゃんと謝って、償いをしてあげてくださいですって」
提督「もちろんだよ。大井に会ったらお礼を言わないと」
↓2「……」キョロキョロ
大淀「あ、噂をすれば。↓2が提督を探していますよ」
提督「あれは俺を探してるのか?」
大淀「きっとそうですよ。もうほとんどの艦娘が、提督が帰ってきたことを知ってると思いますし」
大淀「私はお仕事に戻るので、頑張ってくださいね」
スタスタ
提督(本当に俺を探してるのか)
↓2「……!」ピクッ
提督(こっちに気づいた)
↓2「……!!」スタタタッ
提督(ものすごい勢いで走ってきた!?)
↓2 艦娘1人、または複数(金剛型、第七駆逐隊などの呼び方でもOK) コンマがグレ度
ここまでにします、お付き合いありがとうございます
睦月を含めて残り3人で終わる予定です
睦月:グレ度23(小グレ)
睦月「提督ー!」ドンッ
提督「ぐはっ!?」
提督(腹に突進……!?)
睦月「提督! 提督提督ー!」ムギュー
提督「む、睦月……げほっ……!」
睦月「はっ! ご、ごめんにゃしぃ……お腹に体当たりしちゃった……」ササッ
睦月「大丈夫?」
提督「このくらい平気だよ……」
睦月「ごめんなさい。提督が久しぶりに帰ってきたって聞いて、感情が高ぶっちゃって」
睦月「すっごく心配した! もしかしたらもう会えないんじゃないかと思った!」ギュー
提督「不安にさせてごめん。もう連絡なしに留守にすることはないから」ナデナデ
睦月「お仕事してたんだよね?」
提督「そう。色んな仕事だよ」
睦月「プロデューサー?」
提督(それも知ってるのか)
提督「ま、まあそうだな」
睦月「……私、調べたの」
提督「えっ」
睦月「提督がしてるっていう、他のお仕事について」
睦月「プロデューサーって、アイドルをプロデュースするお仕事なんでしょ?」
提督「そうだよ」
睦月「可愛くて美人な女の子ばかりなんだよね」
提督「あ、ああ……」
睦月「団長やマスターについても調べた」
睦月「魅力的な女の子と一緒に行動してるんだよね?」
提督「イケメンとかオッサンもいるけどな……」
睦月「ねえ提督、本当にお仕事だけに熱中してたの?」ジトー
提督「え?」
睦月「でも可愛い女の子たちが近くにいるんだし、お仕事の合間のプライベートで…」
提督「してないしてない! 睦月が思ってるやましいことは一切してない!」
睦月「ふーん」
睦月「ま、いいにゃ! 提督が帰ってきてくれただけで!」スリスリ
提督「睦月……もう一度言うよ。ごめん」
提督「俺は酷いことをしてしまった……」
睦月「反省してくれてるならそれでいいよ」
提督「いや、俺は睦月に償いをすべきなんだよ。ほったらかしにしてしまった償いを」
睦月「償い? 何をするの?」
提督「睦月の頼みを聞く」
睦月「頼みを!?」
提督「何でも」
睦月「何でも!?」
睦月「いいの? お願い聞いてくれるの?」
提督「ああ。言ってくれないか? どうか罪滅ぼしをさせてくれ」
↓2 睦月の要求 コンマをグレ度からマイナス
23-13=10
睦月「じゃあじゃあ、幼稚園の先生を体験してみたいにゃしぃ!」
提督「幼稚園の先生か」
睦月「うん! 私子供が大好きだから、先生として働いてみたいの!」
睦月「1日だけでもいいから! お願いっ」
提督「そうだな……知り合いに幼稚園の園長先生がいるから、お願いしてみるよ」
睦月「ありがとうっ!」
――――
睦月「みなさん初めまして! 名前は睦月っていいます、よろしくね!」ニコッ
園児たち「「「よろしくおねがいします!」」」
先生「睦月ちゃんには、1日先生としてみんなと遊んでもらいます。仲良くしてね」
園児だち「「「はーい!」」」
提督「すみません、急にこんなお願いを」
園長「いえ、子供たちも喜んでくれているので」ニコニコ
提督(大丈夫かな、睦月)
――――
睦月「お歌を歌いましょー!」
~♪ ~♪
提督(もう園児と仲良くなってるな)
睦月「みんな上手だね♪」
――――
女の子「むつきちゃん、おままごとしよー!」
睦月「いいよ!」
女の子「むつきちゃんは赤ちゃんやって」
睦月「え? う、うん分かった!」
睦月「あーうー」
女の子「よしよし」ナデナデ
睦月「ままー」
提督(楽しそうだ)フフ
――――
スヤスヤ zzz
女の子「zzz……」
提督(昼寝の時間、か。睦月はどこだ?)
睦月「すぴー……くぅ……すぴー……」zzz
提督(一緒になって寝てる。微笑ましい)
――――
睦月「よーし、捕まえるぞー!」
提督(今度は鬼ごっこ)
男の子「にゃしぃ星人がくるぞー!」
睦月「誰がにゃしぃ星人にゃしぃ!」スタタタッ
男の子「それ!」ガバッ
睦月「!?」
男の子「ぱんつ見えた!」
睦月「こら! そういうことしちゃめっ、だよ」
男の子「おこった!」
睦月「決ーめた! 君から捕まえるにゃしぃ!」スタタタッ
男の子「つかまるかばーか!」スタタタッ
提督(元気だなぁ……子供は)
――――
女の子「うえええええんっ」
睦月「あっ、転んじゃったの……。よしよし」ナデナデ
女の子「ひっく……ぐすっ……」
睦月「怪我はない? 痛いところは?」
女の子「ひざ……」
睦月「見せてくれる? んー、傷はないけど……」
睦月「お水で洗おっか。おいで」ニコッ
女の子「うん」
提督(すっかり懐いてるな)
提督(ん、そろそろ降園の時間か)
――――
睦月「はー、子供可愛かったぁ♪」ニコニコ
提督「みんな睦月に懐いてたな」
睦月「そう見えた!? 嬉しいにゃ♪」
睦月「楽しかったなー。また1日先生やりたい」
提督「園長先生も、よければまた先生をお願いしますって言ってたぞ」
提督「近いうちに行くか?」
睦月「行く! 絶対行く!」ピョンピョン
提督「よし、じゃあ話をしておくよ」
睦月「……提督?」
睦月「あの、あのね。1日先生とは別に、お願いがあるにゃ」
提督「お願い?」
睦月「うん」
提督(何だろう?)
↓2 睦月の要求その2 コンマをさらにマイナス
10-70=0
睦月「遊園地で遊びたい」
提督「遊園地か。いいよ、どこの…」
睦月「待って、まだ続きがあるの!」
睦月「その……丸ごと貸切にして?」
提督「へ?」
睦月「最近の日本の夏は暑すぎるでしょ? 並ぶのは嫌だから、丸ごと貸切にして欲しいの」
提督「睦月、俺のこと金持ちだと思ってないか」
睦月「ご、ごめんなさい。園長先生の知り合いがいるから、もしかしたら遊園地のオーナーの知り合いもいるんじゃないかって思って」
睦月「お金を払わせようと思ったんじゃないの……」
提督(考えが飛躍しすぎだろ)
提督(いや、待てよ?)
提督「貸切にできるかも」
睦月「え?」
提督「鳳翔の経営してる居酒屋の常連に、そういう人がいるって話を聞いたことがあるんだ」
提督「鳳翔に頼めば……でも、まだ鳳翔とは仲直りしてないし……」
睦月「私がお願いしてみる!」
提督「いや、俺が行くよ。睦月のために俺が動かなきゃいけないから」
――――
提督「というわけなんだ」
鳳翔「……」ツーン
提督「遊園地のオーナーに、1日だけ貸切にしてもらうようお願いできないかな」
鳳翔「……」ツーン
提督「分かってる。すごいことを言ってるよな」
提督「鳳翔との間にもまだ色々あるし、勝手なことだとは思うんだけど」
提督「頼む! この通りだ!」ペコリ
鳳翔「……」
鳳翔「……その償いというのは」
提督「?」
鳳翔「私にもしていただけるんですか?」
提督「当然だよ! 俺は鳳翔にも酷いことをしたんだから!」
提督「この件が終わったらすぐ鳳翔のもとに行くよ。だから…」
鳳翔「分かりました」
提督「!!」
鳳翔「お願いしてみます。ただし……わ、私にも償いをしてください」
鳳翔「別に睦月ちゃんの後でなくても、いつでもいいですから……」
提督「分かった! ありがとう鳳翔!!」
鳳翔「電話で交渉してみます」タプタプ
――――
提督「睦月! 貸切にできるぞ!」
睦月「本当!?」
提督「ああ! 1週間後の休園日に、特別にやってくれるそうだ!」
睦月「夢みたい……! ありがとう提督!」
睦月「ねえねえ、艦娘のみんなも誘っていい? みんなで遊園地!」
提督「もちろんだよ。みんなで楽しもう」
睦月「楽しみだなぁー。えへへ♪」
――――
大淀「遊園地を貸切ってすごいですね」
提督「鳳翔とすごく仲の良い人でな。鳳翔さんの頼みならと言ってくれたそうだ」
大淀「とんでもないお金持ちですね」
大淀「まあせっかくですから、私もうんと楽しませてもらいます」
提督「楽しみにしててくれ」
↓2「……」キョロキョロ
大淀「それまでには提督も、艦娘全員と関係を元通りにしとかなきゃいけませんね」
大淀「↓2がいますよ。話しかけてあげてください」
提督「睦月と同じで俺を探してるのかな」スタスタ
↓2 艦娘1人、または複数(金剛型、第七駆逐隊などの呼び方でもOK) コンマがグレ度
朝潮:グレ度7(小グレ)
朝潮「司令官!」
提督「朝潮……すまなかった」ペコリ
提督「もう知っているとは思うが、俺は他の仕事に勤しんで、1か月の時を経てここに帰ってきた」
提督「連絡すらも入れなかったバカな男だ。申し訳ない」
朝潮「お気になさらず」
提督「え?」
朝潮「司令官も事情があってのことです。致し方ありません」
朝潮「他のお仕事での成果はどうでしたか?」
提督「えっと……上手くやれたよ」
朝潮「それは何よりです!」ニコッ
提督「……」
提督(不安だった素振りもない。怒られるのが当然なのに)
提督「朝潮がそう言っても俺は頭を下げなきゃいけないよ。心配をかけんだ」
朝潮「確かに、お体に大事はないかなど心配はしました」
朝潮「でも、私にできることは司令官を信じて待つことだけなので!」ビシッ
提督「朝潮……」
ピラッ
提督「ん? 何か落ちたぞ」
朝潮「!!」
提督「これは……」スッ
提督(俺のアップ写真だ。花見に行った時のやつか)
朝潮「……!」ササッ
提督「あっ」
朝潮「こ、これは……その……」カァァ
朝潮「私のお守りなんです……司令官のお顔を見ると、頑張れるんです……」
朝潮「演習の時も、寂しい時も、これを……」
提督「……」
ナデナデ
朝潮「あ……」
提督「すまなかった……本当に……」
朝潮「いえ、いいんです」
提督「良くないよ。償いをしないとダメだ」
朝潮「え?」
提督「朝潮、俺に何かして欲しいことはあるか。何でも聞くよ」
提督「お前たちに心配をかけた罪、償わせてくれ」
朝潮「し、司令官がどうしてもとおっしゃるなら……」
↓2 朝潮の要求 コンマをグレ度からマイナス
今日はここまでにします
お付き合いありがとうございます
7-26=0
朝潮「あの……何でもいいんですよね?」
提督「いいよ」
朝潮「それじゃあ……今日から毎日一緒に寝てください」カァァ
提督「……」
提督「今日から毎日?」
朝潮「はい」
提督「一緒に寝る?」
朝潮「一緒のお布団で寝てください」
提督「本気で言ってるのか」
朝潮「はい……やっぱり無理ですか?」
提督「無理ではないけど」
提督(小さい女の子と一緒に寝るって、下手をすれば憲兵さんに……)
提督(まあ知ってる仲だし大丈夫かな)
提督「分かった」
朝潮「!」
提督「どっちの部屋で寝る? 朝潮の部屋から俺の部屋か」
朝潮「提督のお部屋がいいです」
提督「よし。寝る時間になったら来てくれ」
朝潮「はい! ありがとうございます!」
――――
コンコン
提督(来たか)
提督「入ってくれ」
朝潮「失礼します」ガチャ
朝潮「司令官……ふ、ふつつか者ですがよろしくお願いします」ペコリ
提督「何で畏まってるんだよ。ただ寝るだけだろ?」ハハ
朝潮「すみません、緊張してしまって」
提督「いつもの調子でいいよ。水玉のパジャマか……可愛いな」
朝潮「そう言っていただけて嬉しいです。お気に入りなんです、これ」
提督(姉妹と選んだのかな。しっかり者のイメージだけど、こういうところは年相応の女の子だ)
提督「さてと、寝るか」
朝潮「は、はい! これが司令官のベッド……」ドキドキ
提督「スペースが2人寝れるかどうかくらいなんだよ。狭くてごめん」
提督「もし窮屈なら、俺はソファーで寝るから…」
朝潮「それでは一緒に寝ることになりませんから! 一緒のベッドでいいです!」
提督「そ、そうか」
朝潮「……狭いければ、いっぱいくっつけますし……」ボソッ
提督「ん?」
朝潮「何でもないです! 先に失礼します」モゾモゾ
朝潮「よいしょ……準備できました。司令官も、どうぞ」
提督「ああ」モゾモジ
提督「ごめん、もうちょっとそっちに詰めてくれるか?」
朝潮「はい」ススッ
提督「ありがとう。それじゃ、電気を消して」パチッ
提督「おやすみ朝潮」
朝潮「おやすみなさい司令官」
提督「……」
朝潮「……」
提督「……」
朝潮「……し、司令官……」
提督「ん?」
朝潮「手……繋いでもいいですか……?」
提督「うん」
朝潮「ありがとうございます……」ギュッ
朝潮(あったかい)ドキドキ
提督「……ふあぁぁ……」
朝潮「……」ドキドキ
提督「……」
朝潮「……」ドキドキ
(10分後)
提督「zzz……zzz……」
朝潮「……」ドキドキ
朝潮(緊張して寝れない)
提督「……zzz……」
朝潮(司令官、寝ちゃった……?)
朝潮(私と一緒で緊張しないのかな)
提督「……」
朝潮(……本当に寝てる、よね……)
朝潮「司令官」ボソッ
提督「zzz……」
朝潮「司令官?」
提督「……zzz……zzz」
朝潮(完全に眠ってる)
朝潮「……」
ギュッ
朝潮(だ、抱き着いちゃった)ドキドキ
提督「んがっ」
朝潮「!!」ドキッ
提督「……んん……zzz……」
朝潮(び、びっくりした。気づかれたかと)ドキドキ
提督「zzz……」
朝潮「……」
朝潮(司令官の寝顔もカッコいい)ドキドキ
提督「……zzz……」
朝潮「……」ズイッ
チュッ
朝潮(ほ、ほっぺにキス……しちゃった……)カァァ
朝潮(普段できないことでも今なら……)
朝潮(勝手にこんなことして、ごめんなさい司令官)
提督「zzz……」
朝潮(悪い子な朝潮を……許してください……)ドキドキ
朝潮(司令官……♡)モゾモゾ
――――
(翌朝)
提督(朝潮と一緒で少し暑かったけど、快眠できたな)
提督(ただ、パジャマが結構着崩れてたのは何でだろう。俺ってこんなに寝相悪かったっけ)
提督(顔や体もやけにベトベトしてたし……不可解だ)
朝潮「んぅ……」
提督「起きたか。おはよう朝潮」
朝潮「しれいかん……おはようございます」ペコリ
提督「よく眠れたか」
朝潮「はい。とっても」
提督「それはよかった」
提督「……服、乱れてるぞ」
朝潮「え? あっ……!」ササッ
提督「きっと暑くて脱ごうとしたんだろうな。脱ぎ捨てなくてよかった」
朝潮「そ、そうですね」
提督「あれ?」
提督「朝潮……なんかツヤツヤしてないか。調子良さそうだな」
朝潮「そう見えますか?」ツヤツヤ
提督「うん、見える」
朝潮「何ででしょうね。もしかして、司令官と一緒に寝ると美容効果があるのかも」ツヤツヤ
提督「そんなバカな」ハハ
朝潮「あははは……」
朝潮(気づかれてなかった。よかった)ホッ
朝潮「司令官」
提督「?」
朝潮「今日も一緒にお願いしますね」
提督「約束だからな。これから毎日だろ?」フフ
朝潮「はい。毎日、です♪」
――――
大淀「おはようございます」
提督「おはよう大淀」
大淀「朝潮ちゃん、機嫌直してくれたみたいですね」
提督「もともとそんなに怒ってなかったみたいだけどな」
大淀「毎日一緒に寝るんですよね? ほどほどにしてくださいね」
提督「は?」
大淀「あんなことやこんなことするのもいいですけど、相手は駆逐艦ですから…」
提督「してないよ!」
大淀「本当ですかぁ?」
提督「本当だ。朝潮にそんなことしたら嫌われるしな」
大淀「それはどうかなー」
提督「どうかなって?」
大淀「こっちの話です。さあ、今日も艦娘たちのご機嫌を直していきましょう!」
大淀「ナイスタイミングで向こうに↓2がいます。行ってきてください」
提督「朝飯まだなんだけど……まあいいか」
↓2 艦娘1人、または複数(金剛型、第七駆逐隊などの呼び方でもOK) コンマがグレ度
龍田:グレ度95(大グレ)
龍田「……」ゴゴゴゴ
提督「……なあ大淀」
大淀「はい」
提督「龍田の周りにどす黒いオーラが見えるんだけど」
大淀「見えますね」
龍田「うふふ……ふふふふ」
龍田「あはははは」
提督「笑ってるんだけど」
大淀「笑ってますね」
提督「今まで接してきたどの艦娘よりも機嫌が悪そうだ……」
大淀「むしろあれが普通なんだと思います。今までの艦娘が優しかったんですよ」
提督「だな……怖いけど行ってくる……」
――――
提督「た、龍田」
龍田「……うふ」
龍田「みーつけたぁ……♪」ニコッ
提督「!?」ビクッ
龍田「みんなこそこそと、私に何か秘密にしてるなーって思って」
龍田「さっき天龍ちゃんに問い詰めたら……提督が帰って来てるって言うじゃない」スッ
提督(薙刀を……?)
龍田「どうりで内緒にしてたわけだわぁ……だって」
龍田「今の私に見つかったら、提督はバラバラになっちゃうもの」ヒュンヒュンヒュン
提督(振り回し始めた!?)
龍田「覚悟してね~」ヒュオンヒュオン
提督「待ってくれ龍田! 俺はお前に…」
ヒュッ
提督「ひぃっ!?」ササッ
龍田「逃げちゃだーめ。綺麗に切り飛ばさないと痛いわよ~」
提督「切り飛ばすってどこを!?」
龍田「分かってる癖にっ」ヒュインッ
提督「おわぁっ!?」ササッ
龍田「も~、動かないでって」
提督「龍田! 話を聞いてくれ!」
提督「俺はお前に謝りたいんだ!!」
龍田「謝っても許さないわ~」
提督「許されなくてもいい! ただ、俺の今の気持ちを聞いて欲しい」
提督「俺は酷いことをした、最低の提督だ! お前たちを放って、連絡もせず1か月ここを留守にした!」
提督「久しぶりに帰ってきて、自分のしたことの重大さを改めて認識したよ……色んな艦娘と話し合ったんだ」
提督「そしたらみんな、俺の体の心配をしてくれてた。怪我や病気をしてないか不安だったと」
龍田「……」
提督「俺の中の罪悪感ははち切れんばかりに膨らんだ。仕出かしたことを悔いた」
提督「そして、何とか償いができないかと考えた。許してもらうためじゃない、罪滅ぼしがしたかった」
提督「その内容は、艦娘たちに何でもいいからお願いをしてもらって、俺ができる限り叶えるというものだ」
龍田「……」
提督「自己満足だと言われたら否定できないよ、その通りだから」
提督「でも、俺にできることと言ったらそれくらいなんだ。頭を下げて謝罪をする。できるだけ留守にしない」
提督「留守にする用事があっても必ず連絡は入れる。そして、してしまったことへの償いをする」
提督「これしか俺にできることはない」
龍田「……」
提督「他に何かあればぜひやらせて欲しい……いや、それは償いの内に入るのか」
提督「龍田、俺は深く反省している。もうお前を傷つけてしまうようなことは絶対にしないと誓う」
提督「その思いを、償いを通じて伝えたい」
龍田「……」
提督「だから、どうか薙刀を収めてくれ」
龍田「……分かった」スッ
龍田「でも~。今提督が言った、償い? をしてもらっても」
龍田「私、たぶん許さないと思うけど~」
提督「許してもらおうとは思ってない。ただ、龍田の気が晴れてくれさえすれば充分だ」
龍田「気分解消してくれって~?」
提督「ああ」
龍田「そう……ちょっと待ってね~、考えるから」
龍田「して欲しいこと、か~……」
↓2 龍田の要求 コンマをグレ度からマイナス
95-97=0
龍田「そうね~」
提督(ど、どんな要求を……やっぱり殺されるのか……)
龍田「ふふ、そんなに怯えないで~。提督ができない事は言わないから」
提督(俺が大丈夫な範囲と龍田が大丈夫な範囲には違いがあるから何とも言えない……)
提督「何をすれば?」
龍田「決めたわよ」
提督「……っ」ゴクリ
龍田「私が提督にお願いしたいことは~」
龍田「5、6発撃たせて」
提督「!!」
提督「……え……?」
龍田「5、6発撃たせてくれたら、スッキリすると思うの」
提督「それって……」
提督(ピストルを5、6発ってことか!?)
龍田「できないの?」
提督「……できる……」
提督「やるよ。やらせてくれ」
龍田「へぇ~、躊躇わないのね」
龍田「普通こんなこと言われたら、『それだけは』とか言いそうだけど」
提督「言わないよ。それで龍田の気分が良くなるなら二つ返事で頷く」
提督「どこを撃つんだ? 手か?」
龍田「それは私の気分次第かな~」
龍田「ここだと人目につくから、場所を変えましょう。ついて来て」スタスタ
――――
提督「ここは?」
龍田「弓道場の下に作った、艦娘組のための施設よ」
提督「!?」
龍田「私も艦娘組のメンバーなの。というか、立ち上げた人ね~」
提督「リーダーってことか!?」
龍田「そうよ~。提督に色々するため、この広いスペースで計画を練ってたわ」
龍田「警備も厳重で、防音だからどれだけ音を立てても気づかれない。エアコンもついてて安心快適♪」
龍田「訳も分からず解散しちゃったけど、まさか提督絡みだったなんて……」
提督(ここならいくら発砲しても安心ってことか。死なないよな俺?)
龍田「お喋りはこの辺にして、始めましょうか」
提督「一つ聞いていいかな。応急処置用に道具はあるか?」
提督「撃たれたら手当をしたいんだ」
龍田「一応あるけど、必要ないと思う」
提督「え」
龍田「もし必要だったら私が処置してあげる♪」
提督「……」
提督(必要ないってどういうことだ? 殺す気なのか?)
龍田「提督、こっちに来て。壁についてる鎖に繋いであげる」
提督「なっ……!?」
提督(何だこれは! 俺を壁に張り付けるのか!?)
提督(カメラなどの撮影道具も用意されてる……俺が苦しむ姿を撮って楽しむのか……!)ガタガタ
龍田「どうしたの?」
提督「いや……」スタスタ
カチャカチャ
龍田「♪」カチャカチャ
提督(こ、怖い……! 今になって恐怖が湧いてきた……!)
提督(いくら償いとはいえ、死ぬ恐怖を体感するなんて……!)
龍田「でーきた。これで動けないでしょ?」
提督「あ、ああ……ガッチリホールドされてる」グイグイ
龍田「それじゃ、お楽しみの時間ね~」スタスタ
龍田「距離をとって、と……これは何だか分かる~?」スッ
提督(リボルバー!?)
提督「ま、待て!! そんなので撃たれたらさすがに……!」ブルブル
龍田「もう遅いわよ~。これで提督を……」
龍田「た~っぷりとイジめてあげる♡」レロォ…
提督「あ……ああ……っ!!」ガタガタ
龍田「うふふっ♪ 怖い?」
提督「怖いよ……体を撃ち抜かれるんだから……!」
龍田「そうよね~。肝心な部分を説明してないから、とっても怖いわよね」
提督「肝心な部分……?」
龍田「安心していいわ~。これ、弾丸は出ないから」
提督「……は?」
龍田「見かけは本物のリボルバーっぽいけど、中身は全くの別物」
提督「……」
提督(お、オモチャってことか?)
提督(よ……よかった……!! 死なずに済む……!!)
龍田「そこまでホッとする~?」
提督「するよ……龍田に殺されると思ったんだから」
提督「でもよかった。オモチゃなら死ぬ心配はないよな」ハハ…
龍田「いいえ~。ひょっとしたら死んじゃうかも」
提督「!?!?」
提督「ど、どういうことだ!?」
龍田「説明するとね~、この銃は明石ちゃんの発明なの~」スチャ スチャ
龍田「弾をセットして引き金を引くと、銃口から特殊な波動が発射されて~」シュルルルッ カシャン
龍田「当たった人に、とてつもない快感が与えられるんだって~」チャキ
提督「か……快感……?」
龍田「そう、快感。気持ち良すぎて意識が飛ぶ可能性もあるらしいわ~」
龍田「下手をすると、そのまま死んじゃうかも、だって」
提督「……」
龍田「まあ、冗談っぽく言ってたから大丈夫だと思うけど」
提督「それで……その銃を俺に撃って、どうするんだ……?」
龍田「どうするって、楽しむのよ~。動画にも撮ってね~」
龍田「提督の情けな~い姿を見てあげる」ニコニコ
提督「……」
提督(毛色の違う危機を感じてきた)
龍田「撮影を開始して~」ピッ
龍田「いくわね~」
提督「え? まずどこを撃つかを教え…」
パァンッ
提督「あはあぁっ!!♡」ビクビクッ
龍田「ごめんなさい。次からそうするわ~」クスクス
龍田「まずはお腹の辺りを撃ったんだけど、どうかしら~?」
提督「うっ、ああっ……はぁっ……!」ビクビク
龍田「とっても気持ちよさそうね。涙や鼻水まで垂らして」
龍田「あははっ、だらしない顔ぉ……♡」ゾクゾクゾク
提督(こ、これは……とんでもない道具だ!!)
提督(明石、こんなものを開発するなんて……自業自得とはいえ……!!)
龍田「楽しくなってきたわ~。次はどこを狙おうかしら~」
龍田「そうね~……胸の辺りにしよっと」チャキ
提督「待ってくれ龍田っ……待っ…」
パァンッ
提督「ひぐうぅっ!?♡」ビクビクビク
龍田「うふ、うふふふ♪ のけ反っちゃって、面白いわ~」
提督(ダメだこれ……危険な道具だ……!)ビクビク
提督(波動が当たった箇所から、ものすごい快感が全身に広がって……立ってられない……!)ガクガク
龍田「どんどんいきたいけど、あと4発しかないのよね~」
龍田「5、6発じゃなくて、好きなだけにすればよかった」
提督(そんなことされたら間違いなく意識が飛ぶ!!)
龍田「今さら変更するのも卑怯だし、約束通り6発撃つわね」
龍田「残り4発……どこにしよう」
提督「はぁ……はぁ……!」
龍田「……決めた」
龍田「残り4発、贅沢に全部使って……提督の大事なところを撃ち続けてあげる」チャキ
提督「!?」
提督「た……頼む……! それは、やめて……!」
龍田「やめない。大丈夫よ、間隔を開けて撃つから~」
提督「股間だけは! 股間だけはやめてくれぇ!」ガシャガシャ
龍田「いくわよ~」
提督「うわぁぁぁぁぁぁ!!」
――――
(30分後)
提督「」ビクビク
龍田「はぁ……はぁ……♡」
龍田「ふふ……撮影完了♪ とってもよかったわ~提督」
提督「」ガクガク
龍田「まだ意識が戻ってないわね……起きるまで、私が全部片づけてあげるから」ニコ
――――
提督「……」
大淀「提督、午前中ずっと姿が見えませんでしたけど……龍田さんと何を?」
提督「聞かないでくれ……」ハハ…
大淀(この疲れた顔、相当なことされたみたい)
大淀「分かりました。でも、機嫌は直ったんですよね?」
提督「ああ……上機嫌だよ。今まで見たことがないくらいに」
大淀(ますます何をしたのか気になるわ)
大淀「提督、気を取り直してください! まだまだ艦娘と仲直りしなきゃいけないんですから!」
提督「そうだな……よし」
???「……」
大淀「あ、艦娘がいましたよ! ご機嫌をとってあげてくださいね」
提督「うん。行ってくる」スタスタ
――――
――――――
――――――――
大淀(あれから約1週間。提督はちゃんと艦娘全員と和解しました)
大淀(話しかけて、謝罪と共に償いをして。可愛らしいものからエグいものまで様々だったらしいですけど)
大淀(誠意が伝わったらしく、今ではみんなと遊園地で楽しく遊んでいます)
睦月「提督! 次はあれに乗るにゃしぃ!」
提督「よーし! 一緒に乗る人を集う!」
初霜「乗ります!」
山風「あたしも……!」
提督「何人でもいいぞ。貸切だからな!」
愛宕「提督!」
提督「お、愛宕も乗るか」
愛宕「いえ、ちょっとお知らせに来たんです」
提督「?」
愛宕「あとで一緒にお化け屋敷に行きませんか?」
提督「面白そうだな!」
扶桑「お待ちになって」
愛宕「!!」
扶桑「私も一緒に参ります……」
提督「扶桑もか」
愛宕「えー、でも私は2人で…」
大井「待ってください」
愛宕・扶桑「!?」
大井「お化け屋敷より迷宮系のアトラクションですよ。提督、あとで北上さんと3人で行きましょう!」
北上(本当は提督と2人で行きたいくせにねー)ニヤニヤ
提督「それもいいな! 面白そうだ」
由良「待ってください!」
愛宕・扶桑・大井「!?」
由良「そろそろお昼ですから、何か食べましょう!」
由良「実は由良、お弁当を作ってきたんです。食べてもらえませんか?」モジモジ
提督「いいのか? 嬉しいよ! アトラクションの前に、みんなで腹ごしらえするか」
大鯨「提督、私もお弁当作ってきました!」
羽黒「私もです。サンドイッチなので、みんなで摘まんでください」ニコッ
朝潮(くぅ、しまった……! 遊園地が楽しみすぎて忘れてた……!)
提督「すごいな。鳳翔と間宮も作ってきてくれたし、これだけあるならここで買う必要も無さそうだけど」
提督「いや、赤城加賀を中心とした大食い艦娘がいたか……」
初霜「足りなくなることはあっても、余ることはないですね」アハハ…
龍田「私が買ってくるわ~」ニュッ
提督(龍田!? 一体どこから!)
山風「山風も、みんなの買う……」
山雲「山雲もー」
朝潮「お手伝いします!」
扶桑「駆逐艦の娘たちだけに任せられないわ……」
愛宕「ふふ、そうですね♪」
大井「みんなで買いに行きましょうか」ニコッ
大鯨「私はお弁当をつまみ食いされないか見張ってます」
羽黒「あ、じゃあ私も」
提督「さすがに大食い勢もそんなことはしないと思うけど……一応頼むよ」
大淀(和気藹々とした雰囲気って、ああいうことを言うんですね)フフ
グー
大淀(う……私もお腹空いてきちゃった。食べに行こっと♪)スタタタッ
大淀「提督ー! 私も買いに行きます!」
提督「助かるよ。意見を聞くぞ、みんな何食べたい?」
ワイワイ キャッキャッ
おわり
安価レスしてくださった方、読んでくださった方、お付き合いありがとうございました
追記ですが、>>264の山風「山風も、みんなの買う……」というセリフ
正しくは
山風「あたしも、みんなの買う……」でした
呼称間違いすみません
このSSまとめへのコメント
アズレンで楽しんでいたら、バラバラにされるぞ。
面白い!!永遠に俺のためにこのネタで書き続けてくれ
提督クズ過ぎて読むのやめた
提督以外の仕事を簡単にそれらの作品の子達に相談もなく勝手にやめるとか
信じられない