ある日の平凡なアイドル事務所の昼下がり、そこには赤いモノが広がっていた…

モバP「……どう言うつもりだ？ありす」

ありす「ち、違う…違うんです…??私は！私は！」

モバP「違う?何が違うんだ！他にどうやったらこんな…こんな…??」

モバP「文香がナポリタンを吐いて倒れてるんだ！」

ありす「私はただいちごパスタcover with ケチャップの試食をして貰いたかっただけで！」

モバP「ありす…俺は一度言ったな、お前の料理は壊滅的だから、ちゃんと味見をしてから出せと…??」

ありす「た、確かに言われましたけど今回は美味しいって言ってもらえる確信があったから…」

モバP「前回、それと全くおんなじことを言って何人を病院送りにした？」

ありす「……人です…」

モバP「もっと大きく！」

ありす「五人です！」

モバP「そうだ、お前はあの時、愛梨とかなこと法子と乃々と雫を見事に食中毒にしたんだ」

ありす「すいません…」

モバP｢あいつらあの後Nステの撮影だったのに急遽142'sに変わってもらったんだぞ?お前にわかるか？パスタを食って5人が倒れたと説明した時の、何言ってんだこいつという三人の顔が！｣


モバP｢その前は？｣

ありす｢3人です…｣

モバP｢そうだな、卯月と凛と未央だ｣


モバP｢……何やってくれてんだよ！うちの主力だよ！お昼だからって油断してる時に攻撃を仕掛けるんじゃないよ！｣

モバP｢あの時は誰が代わってくれたんだったか…そうだ、LIPPSだ、志希なんて俺が入った瞬間に腰抜かしたんだからな？｣

ありす｢い、いい匂いだったからでしょうか？｣

モバP｢残念だけど真逆だよ！｣

モバP「その後病院で先生に、ただ不味いだけで食中毒になるなんて初めてだ、と言っていたよ」ﾄｵｲﾒ

ありす｢で、でもですね？今回のはイチゴを直接入れるのでなく、パスタに練り込ましてしかも砂糖漬けにすると言う｣
モバP｢冷静に考えてみるんだ｣

ありす｢な、なんですか…食い気味に…｣

モバP｢そのパスタ、麺は甘いんだ｣

ありす｢は、はい｣

モバP｢ケチャップはしょっぱいんだ｣

ありす｢はい｣

モバP｢ただでさえまずい麺がな？ケチャップを入れたら凶器になるだなんて少し考えたら分かるだろう｣

ありす｢狂気？｣

モバP｢ある意味間違いじゃないよ!!!｣

ありす｢ひうっ！｣

モバP｢味の組み合わせを考えよう？誰がコーヒーに好んで塩を入れるんだ？誰が好んでお好み焼きに生クリームをかけるんだ？相性を考えろ…｣

ありす｢す''み''ま''せ''ん''｣

モバP「お前はいつもは賢くて良い子なのになんでこう言う時だけアホの子になるんだ…」

ありす「ごめんなさい…｣ｸﾞｽｸﾞｽ

モバP｢取り敢えず救急車は呼ぶけど、今後はどれほど確信があっても味見はすること！分かったな？｣

ありす｢は''い''…｣

文香｢あ、ありすちゃん…｣

ありす｢文香さん?!｣

文香｢お、美味しかったですよ…｣ｸﾞｯ

ありす｢本当ですか?!｣ﾊﾟｧｯ

文香｢え、ええ｣

ありす｢具体的には…？｣

文香｢………｣ﾊﾞﾀｯ

ありす｢?!?!?!｣

モバP｢文香…フォローに見せかけた止めは止めてやれ…｣

…………しばらくして…………


モバP｢はい、はい、またパスタで、はい、いやですね、はい、はい…ありがとうございます…｣

ありす｢お、お医者さんはなんて…？｣

モバP｢国連に渡したら喜んで兵器にするだろうとさ｣

ありす｢…｣ｳﾂﾑｷ

モバP｢あのなありす、俺はありすは本当は料理が上手いと思うんだよ｣

ありす｢？｣

モバP｢どんなことでも真面目に取り組んで、最初はあんまり得意じゃないダンスとかでもユニットの誰より上手くなれる、そんないい所を持ってるんだよ｣

モバP｢ただありすは好きな物に真剣すぎるんだよ、視野が狭くなりすぎる、そこが悪い癖だな｣

ありす｢…ﾊｲ｣ｸﾞｽｸﾞｽ

モバP｢味見になら付き合うからさ、ゆっくりといちごパスタを完成させよう？｣

ありす｢ほ、本当ですか？｣

モバP｢ああ！男に二言はないよ｣

ありす｢あ、あの早速お願いが…｣

モバP｢どうした？｣

ありす｢最近固いちごパスタと言うのを思いついてですね｣

モバP｢…なんだ言ってみろ｣

ありす｢固焼きそばのいちごパスタバージョンで、餡の代わりに生クリームを使うことでまた新しい味覚の開拓をですね｣
モバP｢ありす｣

ありす｢はい？｣

モバP｢お前は大人になりたいか？｣

ありす｢は、はい｣

モバP｢なら今回の俺からよく学べ？大人にはな、時に逃げるのが重要になるものなのさ!!｣ｶﾞｯｼｬｰﾝ!!

ありす｢プロデューサーさん!!!｣