発情期のジャパリパーク (13)

ジャパリパーク…
それは、たくさんのフレンズ達が暮らす島。

老若男女、大勢の観光客達が訪れる、人気の観光スポットだ。

ただし…
ジャパリパークには掟がある。

『けものを
モノ扱いして
虐げる
行為を禁止する法令』。

略して『けもシコ禁止法』である。

けもシコとは…
要するに、フレンズへのセクハラのことである。

フレンズ達は皆美少女である。
そして、人間的なセクハラの概念をよく理解していない者が多い。
お尻を撫でられても、不快に思わないのである。

そうしたフレンズの無知を利用し、セクハラして楽しもうとする男が稀にいるのである。

そういったセクハラ行為を防止するために、フレンズ達には『ボス』達ラッキービーストを呼ぶための防犯ブザー…
『ボス助けてボタン』。

通称『ボスケテボタン』が手渡されている。

しかしこのけもシコ禁止法、なかなかに残酷な規則である。

別に、判定が理不尽だとか、罰が重いとか、そういう話ではない。

観光客は、ジャパリパーク内での自慰行為を全面的に禁止されている。

それなのに、サーバルをはじめとするフレンズ達は、けものプラズムでできた服を着ているが…

ほとんど皆、下着をつけていないのである。

つまり、サーバルのようにスカートが短くてよく動き回るフレンズを観察していると…
なんというかその、『見放題』なのである。

世間では、普通の動物も性器は丸出しなため、それと同じだろうと無理矢理思い込もうとする風潮があるが…

フレンズという人間の姿を得た絶世の美少女達を、それと同じ目で見ろというのは無理がありすぎる。


観光客の男性達は、こんなのを見せられておいて、自慰を我慢しろというのである。
ムラムラが爆発して、理性に歯止めが利かなくなる男性が出てしまうのはある意味仕方ないのかもしれない。

よく疑問を持たれるのが…

『フレンズ達は交尾をするのか?』という点だ。

結論から言うと、ジャパリパークにいるフレンズ達のほとんどは交尾をしない。

それは、生殖機能がないからではない。

むしろ、フレンズ本来の繁殖欲は…
通常の人間の繁殖欲をベースとして、発情期にはそれがさらにブーストされるため、人間より強いらしい。

フレンズ達へ支給されているジャパリまんには、『ジャパリミンH』という成分が混入されている。

これはジャパリパークの泉から採取される成分であり、フレンズの繁殖欲を抑える薬である。

これを飲む限り、フレンズは性欲が強く抑制され…
発情期になっても、交尾しようとしなくなるのである。


故に、フレンズ達は清楚で貞淑。
ジャパリパークは健全なのである。

だが近年…

ジャパリパークの泉から、天然のジャパリミンHが涸渇した。

つまり、ジャパリまんへ繁殖欲の抑制剤を混ぜることができなくなってしまったのである。


しかしまあ、別に…
フレンズ達はみんないい子だし。
普段から清楚で貞淑だから。
そんな薬剤がなくても大丈夫だろうと、皆根拠なく信じていた。

『フレンズは皆いい子だから平気』という…

フレンズ性善説を、誰もが信じて疑わなかった。

人々はひとつ、大きな見落としをしていた。

それは、フレンズ達は動物のコスプレをした美少女などではなく…

美少女の姿を得た、獣なのだということ。

そして野生動物の雌達は、『生きて子孫を残す』という強い本能をもち…

発情期という数少ない繁殖のチャンスを、絶対に逃そうとしないということ。

一旦ここまで

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