・「アイドルマスター シンデレラガールズ」のSSです
・概ねアニメ寄りの世界線ですが、その他のコンテンツの要素や独自の解釈を含むことがあります
-----事務所----
ガチャ
かな子「お疲れ様でーす……」
杏「あー……疲れたー……」
智絵里「……お疲れ様、ですっ」
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かな子「ふぅ……今日はたくさんレッスンしたね」
智絵里「ですね……盛りだくさんでした」
杏「もうダメ。杏、限界……。スマホなら、省電力モード推奨されるやつだよ……」
かな子「それじゃあ、あまーいスイーツでも食べて、充電しよっか」
智絵里「あっ、いいですねっ」
杏「……ん」コクリ
かな子「ふふっ。それじゃあ、準備するからちょっと待っててね?」トテトテ
智絵里「はぁい」
杏「……ん」コクリ
智絵里「……っ」ソワソワ
智絵里「あっ、あのねっ、杏ちゃん」
杏「……んー?」
智絵里「さっきは、ありがとう。その……レッスンのとき、いろいろアドバイスしてくれて……」
杏「べつにー? 智絵里ちゃんが踊り辛そうにしてたのにたまたま気付いたから、杏はこういう風にやってるよって、教えただけだし」
智絵里「でも、すごく助かったから……あれから、振りがスムーズに繋がるようになったし」
杏「智絵里ちゃんは練習熱心なぶん、一度変なクセが付いちゃうと、なかなか修正出来ない時があるからねー。ま、力になれてよかったよ」
智絵里「……すごいなぁ。私なんか、いつも自分のことで精一杯で……。杏ちゃんみたいに、周りのことまで目を向けられなくて……」シュン
杏「それはほら……アレだよ。杏は力を抜いてだらだらやってるから、周りを見る余力があるってだけ」
智絵里「もう、またそんなこと言って……」クスッ
智絵里「……でも、よしっ。私、頑張ってみる」
かな子「おまたせ~。何を頑張るの?」トテトテ
智絵里「私も杏ちゃんみたいになれるように、観察力を鍛えようと思いますっ!」フンス
杏「お、おう……」
かな子「観察力かぁ……それって、どうすれば鍛えられるのかなぁ?」
杏「さあねー。……おっ、うまー。これ好きなやつだ」モグモグ
かな子「ふふっ。よかった! おかわりもあるからね♪」
智絵里「…………」ジー
かな子「……智絵里ちゃん? 食べないの?」
智絵里「いえ……まずは手始めに、このミルクレープを観察してみようと思って……」ジー
杏「……で、何か分かった?」
智絵里「……とっても美味しそうです」
杏「実際おいしいよ」モグモグ
かな子「もう、そんなにじっと見つめられると、なんだか照れちゃうよ……///」
杏「その台詞を食べ物に対して使ってるの、初めて聞いたなぁ」
かな子「見た目を楽しむのもいいけど、スイーツはやっぱり食べて味わわなくちゃ♪ はい、あーん」
智絵里「わわっ。あ、あーん……んぅ、美味しい……優しい甘さだね」モグモグ
かな子「えへへ……よしっ。私も食べちゃおうかなっ」
智絵里「そういえば、私ミルクレープって、初めて食べるまでずっとミルク味のクレープのことだと思ってました」
杏「あぁ……気持ちは分かる」
かな子「ミルクレープの『ミル』は……確か、『千』っていう意味だったはずだよ」モグモグ
杏「フランス語だよね。クレープを何枚も重ねて作るものだから、『たくさん』っていうニュアンスで使われてるんだろうね」
智絵里「なるほど……二人とも、さすがだね……!」
かな子「でも、本当に千枚も重ねちゃったら、さすがに食べきれないよねぇ」モグモグ
智絵里「それは……見上げるだけで、首が痛くなりそう……」
杏「めちゃくちゃSNS映えはしそうだけどね。きらりに隣並んでもらって、大きさ比較したり」
かな子「あはは! あるある~!」
智絵里「でも……そんなに重ねたら、支えるの大変じゃないかな? 倒れちゃいそう……」
かな子「うーん。真ん中に支柱みたいなものを刺しておくとか?」
智絵里「あっ、ハンバーガーなんかでたまに見るよね。ピン留めされてるの」
杏「なぁに、倒れる前に完食しちゃえばいいんだよ。ね、かな子ちゃん?」
かな子「だ、だからそんなには食べ切れないってばぁ」モグモグ
杏「……そう言いながら、既に三切れ目のミルクレープを口にしているかな子ちゃんなのでした」
智絵里「い、いつの間に……」
かな子「あわわ、こ、これはその……べ、別腹……みたいな?」
智絵里「隣にいたのに、かな子ちゃんがおかわりしてるのにも気付けないなんて……うぅ。やっぱり私、周りが見えてないのかな……?」シュン
かな子「そ、そんなことないよ! 私だって、えっと……結構、無意識でおかわりしてたし!」
杏「かな子ちゃん、それダメなやつだと思う」
かな子「むしろ、智絵里ちゃんは四つ葉のクローバー探しが得意じゃない! それって、観察眼が無いと出来ないんじゃないかな?」
智絵里「でも、見つけられない日もあるし……」
杏「まぁ確かに、クローバー探してる時の智絵里ちゃんは、たまにこう、狩人の目をしてるよね」
智絵里「ええぇっ!? そ、そうですか……?」
かな子「か、狩人かどうかは分からないけど、すごく真剣な表情で、黙々と探してるイメージはある、かも……」
杏「うんうん。あれはもう、半ば職人の域だね」
かな子「四つ葉職人、だね」
智絵里「はうぅ……な、なんだか急に恥ずかしくなってきました……///」カァァ
杏「だからさ、いいんじゃない? 智絵里ちゃんは一点集中型でさ。雨垂れで石を穿つタイプの」
杏「折角のユニットなんだからさ。多少周りを見ずに突っ走ったって、あとの二人がフォローすればいいんだし」
かな子「うん、杏ちゃんの言う通りだと思うな。私たち、三人揃ってキャンディアイランドだもんね!」
智絵里「杏ちゃん、かな子ちゃん……! ありがとう……!」グス
智絵里「でも、でも……だからこそ、私も二人が困ったときに手助けできるくらい、頑張らないと……っ。いつまでも、甘えてばっかりじゃ、ダメだと思うから……!」
ガチャ
幸子「お疲れさまです! 今日もカワイイボクが様子を見に来てあげましたよ!」フフーン
かな子「あっ、幸子ちゃん! お疲れ様~」
智絵里「お、お疲れ様……」ビクッ
杏「……いい感じに話がまとまりそうだったのに、また凄いタイミングで入ってきたね」
幸子「むっ! 杏さん、人をオジャマムシ扱いしないでください! ボクはカワイイだけじゃなくて、空気も読めるアイドルなんですからね!」プンスコ
智絵里「…………」ジー
幸子「……って、ち、智絵里さん? どうしたんですか? ボクのことをじっと見つめて……」
かな子「……あ、観察してる」
幸子「……はっ! フフーン、さては智絵里さん、ボクのカワイさに見惚れているんですね? いやぁ、すみません! ボクがカワイすぎるばかりに」
杏「どう? 何かわかった?」
智絵里「えと……うん。すごく、幸子ちゃんって感じ」
かな子「うん……うん? えぇと、それはどういう……?」
幸子「もう、かな子さんは分かってませんねぇ。いいですか? 輿水幸子イコール、カワイイ! これはもはや、アイドル界の常識です」
幸子「つまり、智絵里さんの言う『幸子ちゃんって感じ』とは、つまるところ、最高にカワイイということなんです!」フフーン
杏「……って言ってるけど、そうなの?」
智絵里「あっ、はい。大体は、合ってると……思います。たぶん」
幸子「そうでしょう、そうでしょう!」ウンウン
かな子「……確かに……これぞ幸子ちゃん、って感じのポジティブシンキングだよね……」
杏「この芸風は、他の子にはちょっと真似できないよねー」
幸子「ちょっと! 芸風とはなんですか、芸風とは!」
智絵里「こ、個性があって素敵ってことだよ、ね!」ワタワタ
幸子「……個性的っていうなら、あなたも相当だと思いますよ? 杏さん」ジトー
杏「あはは。それほどでもあるかな」ドヤァ
幸子「褒めてませんよ!」
杏「杏は褒められて伸びる子だよ?」
幸子「それはボクもです!」フフーン!
智絵里「杏ちゃんはどっちかっていうと、褒められると照れる子じゃないかな?」
かな子「それ、わかる~! 杏ちゃん、ツンデレさんだもんね♪」
杏「うおぅ、想定外の方向から矢が飛んできた……」
かな子「ほら、ついこの間も、撮影の後プロデューサーさんに褒められたじゃない? 嬉しそうにしてたの、見たよっ」
杏「はぁっ!? そんなこと無いよ。別に普段通りだって」プイ
智絵里「ふふっ。杏ちゃんカワイイ♪」
かな子「ねー。カワイイよね!」
杏「うわ、これ完全にアウェーだ。なんだよ、もう……」
幸子「むむむ……。杏さん! このボクを尻目にこれだけのカワイイを浴びるとは……なかなかやりますね!」
杏「こっちは変に対抗意識持っちゃってるし」
智絵里「…………あっ……」ジー
幸子「……? 今度はどうしました、智絵里さん」
智絵里「今、幸子ちゃんの頭に、何か……虫さんかな?」
幸子「え」
モゾモゾ
杏「あ、ホントだ」
幸子「あわわわっ!? ど、どこですかっ!? 取って! 取ってくださいぃ!」バタバタ
かな子「す、ストップ! 動かないで! 今取ってあげるから……」
智絵里「……あっ。服の中に……」
幸子「フギャー! は、入ってこないでぇ~!!」
杏「……カワイイ芸に加えて、このリアクション芸……流石だね」ウンウン
卯月「…………」
卯月「…………」
卯月「部屋の中から『動かないで』とか、『入ってこないで』とか聞こえましたけど……」
卯月「……いつまでこうして外で待っていればいいんでしょうか……?」
おわり
以上、お付き合いありがとうございました。
スレタイの為だけに『副詞 一覧』で検索かけてるSS書きは私ぐらいかもしれない
前回
キャンディアイランドのもちろん毒にも薬にもならないおしゃべり
も、よろしければどうぞ。
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