スイレン「魔法のくすり」 (56)

アローラ 地方




サトシ「………………」

ピカチュウ「ピカー」

ロトム図鑑「ロー」

サトシ「釣れないなぁ」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1515582376

テスト

ピクピク

ロトム図鑑「ロ?」

ピカチュウ「ピカピー!」

サトシ「………ん?」ボケー

ロトム図鑑「サトシ!ひいてるロト!」

ピクピク

サトシ「本当だ!」

サトシ「よーし!そりゃー!!」グイッ


ザパーン

コイキング「コッコッコッコ」ビチビチ

サトシ「……………」

ピカチュウ「ピー………」

ロトム図鑑「本日3匹目のコイキングロト」

サトシ「なぁスイレン、ここコイキングしか釣れないよ」

ロトム図鑑「サトシが下手くそなだけロト」

サトシ「うるさいなー」ブー

ピカチュウ「ピー」

サトシ「なぁス……」チラッ

スイレン「………静かに」ゴゴゴゴ

アシマリ「アウ!」

サトシ「う、うん……」ビクッ

スイレン「………………」スッ

スイレン「はっ!」

シュッ

ピチャン

スイレン「……………」キリキリ

サトシ、ピカチュウ、ロト「………………」

ピクッ

スイレン「!」

アシマリ「アウ!」

サトシ、ピカチュウ、ロトム「…………」ゴクリ

スイレン「……たーっ!」グイッ


ザパーン

ミロカロス「ミローー!!」

サトシ「うぉー!すっげー!!」キラキラ

ロトム図鑑「ミ、ミロカロスロトー!」

ピカチュウ「ピッカー………」

スイレン「……………」グッ

アシマリ「アウ!」グッ



帰り道

サトシ「いやぁ、すっげーよなースイレンは」スタスタ

スイレン「え?」

サトシ「だってさ!ミロカロスを釣り上げちゃうんだぜ?」

ロトム図鑑「スイレンはまさに釣りの申し子ロトー!」

ピカチュウ「ピー!」

スイレン「うん、だって私……歩くより早く釣りを覚えたから」

サトシ「え?マジ!?」

ピカチュウ「ピ!?」

ロトム図鑑「データに加えておくロト」ピッピ

スイレン「嘘です」テヘッ

アシマリ「アウ!」

サトシ「なんだ嘘か…」ガクッ

ピカチュウ「ピ」ガクッ

ロトム図鑑「データ削除っと」ピッピ

スイレン「それに比べてサトシはコイキングばっかりだね」

スイレン「将来コイキングと結婚するの?」

サトシ「うっ…」グサッ

ピカチュウ「ピカー」

ロトム図鑑「サトシ!大昔には人間とポケモンが結婚した例も……」

サトシ「うるさいなー!」

スイレン「ふふっ」クスッ

サトシ「………なぁ、スイレン?」

スイレン「なに?」

サトシ「釣りが上達するコツとかないかなー?」

スイレン「………うーん……」

スイレン「………忍耐?」

サトシ「そっか!よっしゃー!」

ロトム図鑑「サトシには無理そうロト」

サトシ「そ、そんな事ない!」

ピカチュウ「ピカピー」

ギャー ギャー


スイレン「…………」

スイレン(やっぱり、サトシと一緒にいると楽しい)

アシマリ「アウー」

サトシ「? どうした?」

スイレン「ぁ……いや…」プイッ

サトシ「?」

ロトム図鑑「ロー?」

ピカチュウ「ピ?」

スイレン「………あの、サトシ…」

サトシ「ん?」

スイレン「………私と一緒にいて、楽しい?」

サトシ「え?」

スイレン「な、何でもない!忘れて!///」プイッ

サトシ「何言ってんだよスイレン!そんなの……」

スイレン「……………」

サトシ「楽しいに決まってんじゃん!」ニッ

ピカチュウ「ピカチュウ!」ニコッ

スイレン「あ……」パアア

サトシ「スイレンは俺といて楽しい?」

スイレン「えと……」モジモジ

アシマリ「アウ!」パシッ

スイレン「!」

スイレン「……………うん…」

スイレン「楽しい!」ニコッ

サトシ「へへへ、やったぜ!」ニッ

ロトム図鑑「サトシと一緒にいると飽きないロトー!」

サトシ「いい意味でか?」

ピカチュウ「ピー!」

スイレン「ふふっ」クスッ

アシマリ「アウアウ!」ニコニコ


ワイワイ

サトシ「よし!んじゃ、俺はスクールに戻るかな?」

スイレン「え?帰らないの?」

サトシ「今日は博士と晩御飯の買い出しして帰る予定なんだ!」

スイレン「そうなんだ……」

アシマリ「アウー」

ロトム図鑑「サトシー!博士が待ってるロトよー!」

サトシ「そうだな!」

サトシ「スイレン、アシマリ!また明日スクールでなー!」

ピカチュウ「ピー!」

スイレン「うん!また明日!」

アシマリ「アウ!」

ロトム図鑑「サトシー!急ぐロトー!」

サトシ「わかってるよ!」

ピカチュウ「ピッカー」



タッタッタ

スイレン「……………」

スイレン「………なんか、楽しい時間ってあっという間だねアシマリ?」

アシマリ「アウ!」

スイレン「………今こうやってる時間もあっという間で………」

スイレン「すぐに大人になっちゃうのかな?」

アシマリ「アウー?」

「大人がなんだって?」

スイレン、アシマリ「」ビクッ

マオ「アローラ♪」

アママイコ「アマー♪」

スイレン「ま、マオちゃん!アママイコ!お、驚かさないで!」ドキドキ

アシマリ「アウー」ドキドキ

マオ「驚かせたつもりはないんだけどね?」

マオ「なんかスイレンが一人言をブツブツ言ってたから……」

スイレン「あわわわわ////」プシュー

アシマリ「アウー////」キャッ

マオ「ん?」

マオ「釣りしてたんだ?」

スイレン「う、うん…サトシと////」

マオ「へぇ~?」ニヤニヤ

アママイコ「アマ~?」ニヤニヤ

スイレン「……な、なに?」

マオ「………別にぃ?」ニヤニヤ

マオ「……何かいい事あった?」ヒソッ

スイレン「!」

スイレン「そ、そんなんじゃない!////」

マオ「そーなんだ、そんなんじゃないんだ~」ニヤニヤ

アママイコ「アマ~」ニヤニヤ

スイレン「もぅ!からかわないで!」

マオ「わ、わかったから!怒らないで」マアマア

アママイコ「アマアマ」マアマア

スイレン「……まったく、マオちゃんは昔から………」ゴソゴソ

スイレン「…………あ」

マオ「? どうしたの?」

スイレン「忘れもの!スクールに」



ポケモンスクール

マオ「おっちょこちょいだよねースイレン」

スイレン「………………」

マオ「やっぱり浮かれて忘れものを……」

スイレン「その話しいつまでもひっぱらないで!////」

マオ「あはは、ごめんごめん!一々赤くなるスイレンが可愛くて」

アママイコ「アマ~」

スイレン「もぅー!」プンプン

アシマリ「アウー」

マオ(可愛い……)キュン


デサー

マオ「ん?教室からサトシの声だ」

スイレン「そういえば……今日博士と一緒に帰るって言ってた…」

サトシ「スイレンがミロカロス釣ってさー!すっげーよなー!」

ククイ「さすがスイレンだな!」

ロトム図鑑「あの時のスイレンはグランダースイレンだったロトー!」

ピカチュウ「ピッカー!」

ククイ「ははは」

ロトム図鑑「ちなみにサトシはコイキングばっかりだったロト」

サトシ「う、うるさいなー!」

ククイ「………サトシはコイキングと結婚でもするのか?」

サトシ「しないよ!」


ハハハハ

スイレン(私の話ししてる……)ドキドキ

アシマリ「アウー」

マオ(スイレン…すっごいソワソワしてる……)

アママイコ「アマー」

ククイ「楽しくやってるみたいだな?」

サトシ「へへへ、まーね!」

ククイ「サトシ!青春は一度っきりだ!かえんほうしゃのように熱く、マジカルシャインみたいにキラキラとな……」

サトシ「え?うーん」

ククイ「ところでサトシ!」

サトシ「ん?」

ククイ「お前も年頃だ!好きな子とかいないのか?」

サトシ「え?」



マオ(これは……)チラッ

スイレン「……………」ゴクリ



サトシ「みんな好きだよ!」

ククイ「いや、そっちの好きじゃなくてだな?ま、サトシらしいと言えばサトシらしいが……」ハハハ

ロトム図鑑「サトシには少し早かったみたいロト」

ククイ「だな?」

ピカチュウ「ピカー」



スイレン「………………」

アシマリ「アウー」

マオ(答えはなんとなく予想できたけど、複雑な表情してるねスイレン…)

サトシ「博士ー!お腹空いたし、そろそろ買い物行って帰ろうぜー?」

ピカチュウ「ピッカー!」

ククイ「そうだな!悪い悪い!」

ロトム図鑑「今日はバーネット博士の手料理ロトー!」

ピカチュウ「ピー!」

サトシ「いいよなー!博士、バーネット博士みたいなお嫁さんがいて」

ククイ「ははは、よせ、照れるぜ」

サトシ「…………お嫁さんかぁ……」

ピカチュウ「ピー?」

ロトム図鑑「ロ?」

ククイ「?」

サトシ「………マオ」

ククイ「ん?」

ロトム図鑑「ロ?」

ピカチュウ「ピ?」


マオ「え?」

スイレン「………え?」



サトシ「お嫁さんにするならマオかな?」

サトシ「だってさ!マオの料理すっげー美味いし、一緒にいると楽しいしー…」キラキラ

ロトム図鑑「サトシもやっぱり年頃ロトー!」

ククイ「うーん……ちょっと違うような…」

ピカチュウ「ピー」

ワイワイ


マオ「………………」

マオ(えぇぇぇぇぇ!?)

マオ(い、いや…悪い気はしないけど!…でも……)チラッ

スイレン「…………………」

アシマリ「アウ!アウ!」アセアセ

マオ(…………スイレン……)

マオ「………………………」

マオ「い、いやー……男の子ってホント子供だよねー?」アハハ

アママイコ「アマアマ!」アセアセ

スイレン「………………」

マオ「りょ、料理が美味しい!なんて理由で選らばないでよー!」

アママイコ「アマ!」ウンウン

マオ「そんなの練習すれば誰でも上手になれるってのに!サトシはまったく!」チラッ

スイレン「………………」

アシマリ「アウ……」アタフタ

マオ「さ、サトシはまだ恋愛の意味とかわかってないよ…だから………」

スイレン「………楽しいんだって…」ボソッ

マオ「………え?」

スイレン「………サトシ、マオちゃんと一緒にいると楽しいんだって……」

マオ「ぁ……いや……」

アママイコ「アマー」

アシマリ「アウー」

スイレン「……………」スクッ

マオ「! ど、どこ行くの!スイレン!?」

スイレン「教室。忘れもの取りに行くって言ったよね?」

マオ「わ、私が取りに行ってあげよっか?ナンチャッテ」グイッ

スイレン「……………離して!」バッ

マオ「ぁ…………」

アママイコ「アマー」

アシマリ「ウアー」



サトシ「あー、でもリーリエや…」

ガラッ

サトシ、ククイ、ピカチュウ、ロトム「!」

スイレン「………………」

アシマリ「アウア」アセアセ

サトシ「あれ?スイレン?」

ロトム図鑑「帰ったんじゃ無かったロトか?」

スイレン「…………………」

ピカチュウ「アッチャー……」

スイレン「忘れもの、取りにきたの」スタスタ

サトシ「へー、スイレンも意外とおっちょこちょいなんだな?」

スイレン「……………」ゴソゴソ

サトシ「スイレン?」

ロトム図鑑「スイレン、何か機嫌でも悪いロトか?」

スイレン「……………」ゴソゴソ

ピカチュウ「ピ……」

アシマリ「アウ………」

スイレン「あった」

サトシ「何忘れたんだ?」ヒョコッ

スイレン「………サトシには関係ない」

サトシ「………何か怒ってる?」

スイレン「………………」スクッ

スイレン「………帰る、いこっアシマリ」クルッ

アシマリ「アウ……」トボトボ

サトシ「お、おい!スイレン!」

ククイ「………あの二人、ケンカでもしたのか?」

ロトム図鑑「うーん……そんなハズはないロト……さっきまで二人で仲良く釣りに…」

ピカチュウ「ピカー……」



スイレン「…………」スタスタ

マオ「……あ、終わった?だったら一緒にかえ……」

スイレン「……サトシと一緒に帰ればいいでしょ」ボソッ

アシマリ「……………」トボトボ

マオ「………スイレン…」

アママイコ「アマー……」

スイレンの家

ホウ「おねーちゃーん!」バンバン

スイ「ごはんだよー!」バンバン

スイレン母「………スイレン、まだ部屋から出てこないの?」

ホウ「うんー!」

スイ「さっきから呼んでるのにー!」

スイレン母「……困った子ね…」ハァ

スイレン母「スイレーン!ご飯出来てるから早く出て……」

スイレン『いらない!』

スイレン母「?」




スイレン「うぅ……ヒッグ…」グスッ

スイレン母『スイレーン!いらないってどういう……』コンコン

スイレン「うる……ざい…!」グスッ

スイレン母『うるさいって……』

スイレン母『……泣いてるの?』

スイレン「………………」グスッ

スイレン母『………スクールで何かあったの……?』

スイレン「……うるざい……!!」グスッ

スイレン「ほっどいで………!!」

アシマリ「アウ……」

スイレン母『…………………』

翌日

スイレン「」ポケー

アシマリ「アウ」トボトボ

リーリエ「スイレン、アシマリ!アローラです!」

シロン「コーン!」

スイレン「」ポケー

リーリエ「………?スイレン?」

スイレン「あ、アローラリーリエ」

アシマリ「アウ」

リーリエ「えーと……」

シロン「コン?」

マオ「」スタスタ

リーリエ「あ!マオ!アローラ!」

シロン「コーン!」

マオ「アローラ!リーリエ、シロン」

アママイコ「アマー」

スイレン「………………」

マオ「……………ぁ」

スイレン「……………ぁ……」

マオ「…………………」

スイレン「…………………」

マオ「あ、アローラ…スイレン…」

スイレン「う、うん…アローラ…」

マオ「………………」

スイレン「…………………」

アママイコ「アマー」

アシマリ「アウー」

リーリエ「????」

シロン「コーン!」

ポケモンスクール

ワイワイ

マーマネ「それでね!」

カキ「へぇー」

サトシ「やるな!マーマネ!」

ピカチュウ「ピカー!」

ガラッ

サトシ、カキ、マーマネ「!」

リーリエ「アローラです!みなさん!今日も1日がんばリーリエ!」

シロン「コーン!」

マオ「……………」

スイレン「………………」

マーマネ「うん!アローラ」

カキ「アローラ!」

サトシ「マオ!アローラ!」

ピカチュウ「ピッカー!」

マオ「え!?う、うん……あ、アローラー」ビクッ

サトシ「??」

サトシ「………スイレン…」チラッ

スイレン「……………」

サトシ「………やっぱり怒ってる?」

スイレン「………………」

マオ「」ハラハラ

サトシ「……あのさ…せめて何で怒ってるか……」

スイレン「……………」プイッ

サトシ「え!?」

ピカチュウ「ピッカー……」

カキ、マーマネ「???」

カキ「なぁ、あいつらケンカでもしてるのか?」ヒソヒソ

リーリエ「ごめんなさい…私もよくわからないんです……」

ロトム図鑑「昨日は二人で仲良く釣りをしていたハズロト……理解不能ロト」

マーマネ「その釣りで何かあったのかな?」

サトシ「……なぁ、マオ…スイレン…」チラッ

マオ「その……」

スイレン「……………」ジーッ

マオ「…………ごめん、私もよくわかんない…」

サトシ「え?」

カキ、マーマネ、リーリエ「????」

女子トイレ

リーリエ「えぇ!?そんな事が?」

シロン「コン!?」

マオ「う、うん…それでスイレン…ショックを受けちゃったみたいで……」

リーリエ「………それは何と言いますか…」

リーリエ「……サトシですもんね…」ハァ

マオ「………うん、スイレン…ああ見えて頑固だし……一途だし……」

マオ「私、どうしたらいいんだろ?」ハァ

アママイコ「アマー」ナデナデ

リーリエ「うーん……論理的結論から言いますと、タイミングが悪かっただけで、誰の責任と言う訳ではありませんし…」

マオ「……………」

リーリエ「ここはやはりスイレンを何とか説得してサトシと仲直りさせるのが得策かと………」

シロン「コーン」

マオ「………でも私じゃきっと無理だよ…」

リーリエ「マオ………」

ガラッ

マオ、リーリエ「!」

スイレン「……………」

アシマリ「アウ」

マオ「スイレン……」

スイレン「………二人で何の話ししてたの?」

マオ「え、えと……」アセアセ

スイレン「………私に言えない話しなんだ」

マオ「い、いや…そんなんじゃなくて…」

リーリエ「……………」

リーリエ「ええ、そうですよ!」

スイレン「!」

リーリエ「マオと二人でスイレンの話しをしていました」

スイレン「…………………」

マオ「………リーリエ…」

スイレン「………やっぱり…」

マオ「……………」

スイレン「……何の話ししてたの?どうせ昨日の事だよね?」

リーリエ「そうですよ」

マオ「あ、あの?リーリエ?」アセアセ

シロン「コ……」

アママイコ「…………」

スイレン「……………」

アシマリ「アウア」アセアセ

リーリエ「スイレン、マオがあなたの事を元気がないって心配してますよ?」

スイレン「……私はマオちゃんみたく活発で明るくないから…」

スイレン「料理も上手くないし…一緒にいても楽しくないよ」

マオ「………………」

リーリエ「そんな事ないですよスイレン?スイレンはアウトドア派ですし、サトシとはお似合いですよ」ニコニコ

マオ「ちょ…リーリエ…」

スイレン「……別にそんな事どうでも……」

リーリエ「え?そうなんですか?私はてっきりスイレンはサトシが好きでマオにヤキモチを焼いていたのだとばかり…」

スイレン「……………」ムカムカ

アシマリ「アウアッ!?」ハラハラ

マオ(もうやめてよリーリエ…)ガクッ

リーリエ「それにスイレンだって意外とグイグイ行くタイプではないですか?」

スイレン「…………え?」

リーリエ「たまに面白い冗談だって言いますし……料理ぐらい少し練習すればすぐに上達しますよ!」

スイレン「………………」

マオ「リーリエ……」

リーリエ「スイレン!いつもの元気で可愛いスイレンに暗い顔は似合わないです!」

スイレン「!」

リーリエ「サトシはお嫁さんの美味しい手料理が食べたいんでしたっけ?だったら練習しましょう!」

スイレン「わ、私……そ、そんなんじゃ////」

リーリエ「スイレン!論理的結論から言いますと"大好きな人を振り向かせたくばそれに見合う努力をせよ!"」ビシッ

スイレン「!」

リーリエ「って、本に書いてありました」ボソッ

スイレン「え?」

リーリエ「な、何でもないです!」

リーリエ「……ともかく…」コホン

リーリエ「スイレン、マオ。今日の放課後時間はありますか?」

スイレン、マオ「!」

リーリエ「私の家で花嫁修業をしますよ!」

スイレン「は、花嫁修業!?」

マオ「私も……?」

リーリエ「当然です!」

スイレン「………私、やる!」

リーリエ「その意気です!」

リーリエ「スイレン!打倒マオですよ!」メラメラ

スイレン「お、おーっ!」

アシマリ「アウー!」

シロン「コーン!」

マオ(打倒私って……私もいるんだけど…
)

リーリエ「やりますよ!スイレン!」メラメラ

スイレン「うん!」メラメラ

マオ「………………」

マオ「ま、いっか」ニコッ

アママイコ「アマー!」ニコッ

放課後

リーリエの家

リーリエ「まずはどんなお料理を作るか決めましょう!」

シロン「コーン!」

マオ「作るって言ってもねぇ…スイレン!何か作りたい料理ある?」

スイレン「うーん……」

リーリエ「安心してください!ここには世界中の料理のレシピを記した本が揃っていますから!」

ズラーン

マオ「うわっ…」

スイレン「す、すごい…」ゴクリ

アシマリ「ウアー」

リーリエ「それでは、手分けして良さそうな料理のレシピを探しましょう!」

マオ、スイレン「おーっ!」

シロン「コーン!」

アママイコ「アマ!」

アシマリ「アウ!」

レシピ本捜索中……

マオ「へぇ…世界には私の知らない料理がたくさんあるんだ~」ペラペラ

マオ「あっ!この料理美味しそー!今度ウチで出してみよっかな?」

アママイコ「アマ~!」クルクル


リーリエ「論理的結論から言いますと…この料理がいいかもしれないですね…」フム

リーリエ「シロン!そっちの本も一応持ってきてください」

シロン「コ…」ヨロッ



スイレン「うーん…なんか良さそうなのあるかな?アシマリ」ペラッ

アシマリ「アウ」

スイレン(……サトシの好物ってなんだっけ?)ペラッ


パサッ

スイレン、アシマリ「!」ビクッ

スイレン「本……あそこの棚から落ちてきたのかな?」ヒョイ

アシマリ「アウ?」

スイレン「………結構上の棚だ……台がなきゃ届かないかも……」

スイレン「……………」チラッ

スイレン「……真っ黒な本……」ペラッ

アシマリ「アウー……」

………………………

……………

……

スイレン「リーリエ!」

アシマリ「アウ!」

リーリエ「!」

リーリエ「どうしましたスイレン?作りたい料理が決まったんですか?」

スイレン「う、うん…てゆーか……」スッ

スイレン「これ、借りていい?」

リーリエ(真っ黒な本……?)

リーリエ「いいですが……その不気味(?)な本にレシピが載っているんですか?」

スイレン「うん、まぁ…」

アシマリ「アウ~」






スイレンの家

スイレン「……………」ペラッ

スイレン母(スイレン…あんなに一生懸命に本を読んで……どうしたのかしら?)

スイレン「………………」ペラッ

スイレン母「………何の本読んでるの?」

スイレン「うわっ!」ビクッ

スイレン母(私に気づかないくらい集中してたのね……)

スイレン母「読書もいいけど…早く寝なさいよ?」

スイレン「う、うん…わかってる…」

スイレン母「そう、それじゃおやすみ」

スイレン「うん、おやすみなさい」

アシマリ「アウ!」

スイレン「……………………」ペラッ

スイレン「……ザイリョウハ………」ブツブツブツブツ

アシマリ「………アウー……」

翌日

マラサダショップ

カランカラン

マオ「あっ!いたいたー!」

リーリエ「スイレーン」フリフリ

スイレン「アローラ!」

アシマリ「アウ!」

スイレン「二人とも、突然呼び出してごめんね?」

マオ「全然いーよ!」

リーリエ「スイレン、さては作る料理が決まったんですね?」

スイレン「うん…」

マオ「本当?どんな料理?」ワクワク

リーリエ「早速特訓ですね!スイレン!」メラメラ

スイレン「………………」

スイレン「…………………」スッ

マオ、リーリエ「?」

マオ「? 何この紙?」ピラッ

スイレン「………二人には…その紙に書いた材料をとってきてほしいの」

リーリエ「お料理の材料…という事ですか……?」

スイレン「うん」

アシマリ「……………」

マオ「うーん……なるほど…わかったよ!」

リーリエ「スイレン!私たちに任せてください!」

シロン「コーン!」

スイレン「………ありがと」ニコッ

アシマリ「………………」

スイレン「………じゃあ…」

スイレン「私たちも行こっか?アシマリ」

アシマリ「アウ……」

シェードジャングル

マオ「………えーっと……」ゴソゴソ

マオ「!」

マオ「あった!ネコブの実!」ヒョイ

マオ「後は~……タポルの実とウブの実と……」ブツブツ

アマー

マオ「!」

マオ「アママイコー!きのみ見つけたー?」

アママイコ「アマー!!」ダダダダ

マケンカニ「カニー!!」ドドドド

マオ「げぇーー!?」


エーテルパラダイス

ルザミーネ「……一応あなたに言われたポケモン達は用意したけど……」

ピクシー「ピー」

ミミロップ「ロップ」

ミロカロス「カロー」

ヌイコグマ「クマ」

リーリエ「ありがとうございます!お母様!」ニコッ

シロン「コーン!」

ルザミーネ「………いったいどうしたのかしら?このコ達を使って何かするの?」

リーリエ「はい、お友達が料理の材料に必要だと」ニコニコ

ピクシー、ミロカロス、ミミロップ、ヌイコグマ「!?」ビクッ

ルザミーネ「はぁ!?」

ピクシー、ミロカロス、ミミロップ、ヌイコグマ「」ガタガタガタガタ

ルザミーネ「ちょ、ちょっと!料理って!」

リーリエ「あ、ご、ごめんなさい!正確に言えば必要なのはそのコ達の汗です!」

ルザミーネ「…………汗?出汁でもとるっていうの?変わった料理ね……」

リーリエ「ですよね…それとお母様…」

ルザミーネ「?」

リーリエ「"あかいいと"って持ってますか?」




ザザー

スイレン「………………」

アシマリ「………………」

ピクッ

スイレン、アシマリ「!」

スイレン「たぁー!」グイッ


ザパーン

コイキング「コッコッコッコ」ビチビチ

スイレン「………コイキング…違う!」ヒュッ

ポチャッ

ピクッ

スイレン「!」

スイレン(今度こそ……)

スイレン「たぁー!!」グイッ


ザパーン

トサキント「トサキーントトサキントトサキーント」ビチビチ

スイレン(………トサキント……)ガクッ

スイレン「………もう一回!」ヒュッ


ポチャッ

アシマリ「………………」

スイレンの家

スイレーン

スイレン「!」

マオ「スイレン!紙に書いてあったきのみ全部集めたよ!」タッタッタ

アママイコ「アマー!」

スイレン「ありがとう!マオちゃん、アママイコ!」

マオ「へっへーん!」グッ

アママイコ「アマー!」グッ

「私も……」

スイレン「!」

リーリエ「リストの材料……全て集めました!」ドサッ

シロン「コーン!」

スイレン「リーリエ…シロン…」

スイレン「みんな!ありがとう!」

アシマリ「アウ!」

リーリエ「いえ」ニコッ

マオ「気にしないでよ!」ニッ

スイレン「あとは、私一人でできるから…」

リーリエ「本当に大丈夫ですか?スイレン?」

スイレン「うん!」

マオ「……あのさぁ…スイレン…」

スイレン「なに?」

マオ「その……いったい何作る気なの?」

リーリエ「確かに……変わった材料が多いですし……気になりますね?」ウーン

シロン「コーン!」

スイレン「…………料理って言うか…ドリンク…かな?」

マオ「ドリンク?」

スイレン「うん…」

スイレン「………魔法の……くすり…」ボソッ

マオ、リーリエ「?」

アシマリ「…………………」



グツグツグツ

スイレン(まずは沸かしたお湯に……)

スイレン「各種きのみを磨り潰して…入れる…」トロッ

グツグツグツ

スイレン「……いい匂い……」

アシマリ「……………」

スイレン「そして……リーリエが用意してくれたポケモンの体液に…」ポチャッ

スイレン「"あかいいと"」スッ

ジュッ ジュッ

スイレン「……すごい…"あかいいと"が溶けてく…」

アシマリ「アウアー……」

スイレン「……ハートのうろこ…」スッ

ポチャッ

パアア

スイレン、アシマリ「!」

スイレン「す、すごいよアシマリ…さっきまであんなに濁ってたのに、透き通るような透明に……」ウットリ

アシマリ「ウアー……」

スイレン「ふふふ、後は私の体え…」ギラン

アシマリ「アウウ」ブルブル

スイレン「………………」

アシマリ「…………アウ?」

翌日

マオ「スイレーン!」コンコン

リーリエ「いますかー?」

ガチャッ

マオ「もぅ、スクール休んだから心配し……」

マオ、リーリエ「!」

スイレン「………ごめんね、来てもらって…」ゲッソリ

マオ「スイレン!?」

アママイコ「アマ!?」ビクッ

リーリエ「そ、そんなにやつれてどうしたんですか?」

スイレン「……ちょっと……」

アシマリ「………………」

マオ「ま、まさか徹夜で料理の練習を……」

スイレン「………………」

リーリエ「スイレン、頑張るのもいいですが、自分の体も……」

スイレン「………二人は私に協力してくれたから……」

スイレン「お礼がしたくって……」

マオ「お礼?」

リーリエ「そ、そんな…私たちはお友達ですし、お礼なんて……」アセアセ

スイレン「………これ」スッ

リーリエ「! そ、それは…!」

マオ「すっごく泣けるって噂の映画のDVD!!」

スイレン「一緒に見ようよ」ニコッ

マオ「ほ、ほんとー!?やったー!」

リーリエ「私、その映画ずっと見たかったんですよ!」ワクワク

スイレン「ふふっ」ニコッ

リビング

マオ「うぅ……」グスッ

アママイコ「アマー……」グスッ

リーリエ「うぅ…噂通り…感動的です…」グスッ

リーリエ「アッハナミズガ」ズズッ

シロン「コ………」

スイレン「……………」

アシマリ「………………」

マオ「うぅぅ…涙で画面が……」ウルウル

スイレン「はい、これ使って」スッ

マオ、リーリエ「!」

マオ「ありがとう!スイレン!」ゴシゴシ

リーリエ「感謝します」チーン

スイレン「うぅん、気にしないで」

スイレン「友達だから」ニコッ

アシマリ「アウー」

翌日 ポケモンスクール

ワイワイ

サトシ「バトルの授業、楽しかったなー!」

ピカチュウ「ピカー!」

カキ「久々に熱いバトルができた!」

マーマネ「お腹空いたー!早くお弁当食べようよー」グー

カキ「……だな…」グー

サトシ「よーし!べんとーべんとー!」

ピカチュウ「ピッカー!」


スイレン「………………」

スイレン「……………」ゴソゴソ

マオ(! おっ)

リーリエ「マオ、いよいよですね?」ヒソヒソ

マオ「うん」

マオ(頑張ってね、スイレン!)


スイレン「…………」スタスタ

サトシ「ん?」

カキ「どうしたスイレン?」

スイレン「はい」スッ

スイレン「カキの為にジュース作ってきたの!」

スイレン「良かったら飲んで?」ニコッ

カキ「え?」

マオ、リーリエ(……………え?)

マオ「え?なんで?どういう事??」ヒソヒソ

リーリエ「さ、さぁ……まったくわかりません…」ヒソヒソ

ロトム図鑑「マオー!リーリエー!何の話ししてるロトー?」ヒュー

マオ、リーリエ「」ビクッ

マオ「い、いや……」

リーリエ「………何も…」

ロトム図鑑「?」


カキ「悪いな!スイレン!」

スイレン「うぅん」ニコッ

カキ「……ピンク色のジュースか…スイレンの手作りか?」

スイレン「うん!」

マーマネ「……美味しそう……いいなぁカキ……」ジュルリ

スイレン「……はい、マーマネの分も」スッ

マーマネ「え?僕の分もあるの!?ありがとうスイレン!」

スイレン「いいえ」ニコッ

サトシ「なぁスイレン!俺の分のジュースは?」

ピカチュウ「ピカチュウ!」

スイレン「……………」

スイレン「ないよ」

サトシ「…………え?」

スイレン「サトシの分は……無いよ」ニコッ

マオ、リーリエ(ますます意味がわからない……)

サトシ「な、なんでだよー!スイレンー!」

ピカチュウ「ピッカー!」

スイレン「…………………」

カキ(あいつら……まだケンカしてるのか?)ヤレヤレ

カキ「サトシ、コップ出せ。少し分けてやる」

スイレン「!」

サトシ「マジ!?サンキューカキ!」

スイレン「ダメっ!!!!」

全員「」ビクッ

スイレン「サトシは飲んじゃダメ!!」

サトシ「わ、わかったよ……」

ピカチュウ「ピーカー」

マオ「ね、ねぇリーリエ…」

リーリエ「はい、少し様子がおかしいですね……?」

スイレン「カキ!マーマネ!早くそれ飲んで!」

カキ、マーマネ「」ビクッ

カキ「わ、わかったからそう急かさないでくれ…」スッ

マーマネ「い、いただきまーす…」スッ

スイレン「…………………」

リーリエ「マオ、やはりここは…」ヒソッ

マオ「………うん、スイレンに話しを聞こう」コクッ


カキ、マーマネ「」ゴクゴクゴク

スイレン「ど、どう?」ドキドキ

アシマリ「…………………」

カキ「どうって……」

マーマネ「普通においし……」

カキ、マーマネ「!」ドクン

サトシ(スイレン……まだなんか怒ってんのかな?)

ピカチュウ「ピカピ」ポンッ

ウウウ

サトシ「え?」クルッ

カキ「うぅ……」ガクッ

マーマネ「あぁ……」ガクッ

スイレン「………………」

サトシ「ど、どうしたんだよ!カキ!マーマネ!」

ピカチュウ「ピッカー!」

カキ「わ、わからない……急に……」ドクンドクン

マーマネ「体が熱く……」ドクンドクン

サトシ「え!?」

スイレン「…………………」

アシマリ「アウ……」

スイレーン

スイレン「!」

マオ「スイレン!」タッタッタ

リーリエ「少し聞きたい事が……」タッタッタ

アママイコ「アマー!」タッタッタ

シロン「コーン!」タッタッタ

カキ、マーマネ「!」

マオ「え!?」ビクッ

マオ「カキとマーマネどうしたの!?」

サトシ「それが…俺にもわかんないんだよ!」アタフタ

ピカチュウ「ピッカー!」

リーリエ「と、とにかく早く保健室に…」

カキ「うぅ……」

マーマネ「ハァハァ……」

ロトム図鑑「スイレン…」チラッ

ロトム図鑑「ボクの名推理によると…スイレンのジュースが怪しいロトが……」

スイレン「………知らない」

アシマリ「アウ……」

マオ「カキ!大丈夫?」ユサユサ

アママイコ「アマー!」

カキ「……………」

カキ(な、なんだ……?)ドキドキ

カキ(マオを見ていると……胸が熱く……)ドキドキ

マオ「ど、どうしたの……?」

カキ「………マオ……」スッ

マオ「…………え?」

カキ「…………好きだ!」キリッ

マオ「は!?」ビクッ

アママイコ「アマ!?」

マオ「ちょ、ちょっと!こんな時に何をふざけてんのよ!/////」

アママイコ「アマ……」

カキ「………ふざけてなんかない……」

マオ「………え?」ドキッ

カキ「俺は本気でお前が好きだ!」キリッ

マオ「あわわわわわわ/////」プシュー


リーリエ「え?え?」

サトシ「ど、どうなってんの?」

ピカチュウ「ピカー」

スイレン「……素敵…」ポー

アシマリ「アウー……」

マーマネ「………リーリエ…」クイッ

リーリエ「え?」

マーマネ「愛してる!!」ダキッ

リーリエ「えぇぇぇぇ!?」

マーマネ「リーリエー!!」スリスリ

リーリエ「ギャアァアァァァー!!」

シロン「コ……」

ギャー ギャー


サトシ「」ポカーン

ロトム図鑑「この状況…解析不能ロト……」

スイレン「……………」グッ

アシマリ「アウ……」

トゲデマル「マルマルゥ!」スリスリ

ピカチュウ「ピ、ピカピー!」ジタバタ



スイレンの家

スイレン「す、すごい……!このくすり、やっぱり本物だったんだ…」ドキドキ

アシマリ「……………」

スイレン「……………」チラッ

黒い本「」オオオオ

スイレン「この本に……感謝だね…」

アシマリ「アウー」

スイレン「効果は1日だけど……1日だけなら充分…………」

スイレン「………あとは私の体液を……」

スイレン「…………………」

スイレン「涙と鼻水で1日……」ボソッ

スイレン「も、もっとすごいもの入れたらどうなるんだろ…」ドキドキ

アシマリ「!」

スイレン「……………」ヨロッ

アシマリ「アウア!!」バッ

スイレン「………何してるのアシマリ?」

アシマリ「アウ!」キッ

スイレン「………どいて」ボソッ

アシマリ「アウウ!!」

スイレン「そこ、どいてよ!!」

アシマリ「アウ!!」キッ

翌日

カキ「アローラ」ガラッ

サトシ「アローラ!カキ!」

ピカチュウ「ピッカー!」

カキ「……………」ボロッ

サトシ「………なんかボコボコみたいだけどどうしたんだ?」

ロトム図鑑「カキー!ケンタロスにでも轢かれたロトかー?」

カキ「……いや、その…」チラッ

マオ「ふんっ」プイッ

アママイコ「アマー!」プクー

カキ「……………」ガクッ

サトシ、ピカチュウ、ロトム「???」


マーマネ「あ、アローラー……リーリエ?」アセアセ

リーリエ「……私に話しかけないでください」

シロン「コン!」


サトシ「………どうなってんだ?」

ロトム図鑑「………わからないロト…」

ピカチュウ「ピー」

スイレン「サトシ」ヒソッ

サトシ「スイレン……?」

スイレン「………ちょっと来て」チョイチョイ

サトシ「?」

校舎裏

サトシ「スイレンー!こんなとこに呼び出してどうしたんだよー?」

ピカチュウ「ピッカー」

スイレン「……………」

アシマリ「……………」

サトシ「………ん?」

サトシ「スイレン!」ガシッ

スイレン「え!?な、なに?」ドキッ

サトシ「どうしたんだよその腕の包帯!ケガでもしたのか!?」

スイレン「……ちょっと転んだだけ…」

サトシ「で、でも…ちょっと転んだ程度の包帯じゃあ……」

スイレン「心配してくれるんだ……やっぱり優しいねサトシは」ボソッ

サトシ「え?」

スイレン「………これ」スッ

サトシ「これって……」

スイレン「ジュース、サトシの為に作ったの」

サトシ「ジュースって昨日のか?」

スイレン「う、うん……昨日はごめんね?本当はサトシだけ特別だったから……」

サトシ「…………俺だけ特別?」

スイレン「う、うん////」

サトシ「……………」チラッ

サトシ(カキやマーマネのと違う……)

サトシ(真っ赤なジュースだ……)

スイレン「………これは私がサトシの為に特別に……心を込めて作ったの…」ドキドキ

スイレン「魔法の……くすり…」ドキドキ

サトシ「………………」

ピカチュウ「ピカピ……」

アシマリ「……………」

スイレン「………飲んで…くれるよね?」ニコッ

アシマリ「……………」キッ

アシマリ「アウ!」ダッ

サトシ「うわっ!」

ピカチュウ「ピ!?」

スイレン「!」

アシマリ「アウ!アウ!」パシッパシッ

サトシ「…………アシマリ……」

アシマリ「アウ!」パシッ

スイレン「アシマリ!何やってるの!サトシがくすりを飲めないよ!」

アシマリ「アウー!」バシッ

ピカチュウ「ピ……ピ…?」オロオロ

サトシ「…………」

サトシ(そっかアシマリ……)

アシマリ「アウ!」バシッ

スイレン「アシマリ!邪魔しないで!」

サトシ(これを飲むなって言ってんのか…)

サトシ「……なぁスイレン」

スイレン「な、なに……?」

サトシ「………このジュース…普通のジュースなのか?」

スイレン「」ビクッ

スイレン「な、なんで……?」ドキドキ

サトシ「……いや、何となく…ほらっ、見たことないくらい真っ赤だしさ?」

スイレン「ふ、普通のジュースだよ…」ドキドキ

サトシ「嘘じゃないよな?」

スイレン「う、うん…嘘じゃない…」ドキドキ

サトシ「そっか」ニッ

サトシ「そんじゃ、ありがたく頂くよ」スッ

ピカチュウ「ピカピ……」

アシマリ「アウ……」

スイレン「…………………」

サトシ「へへへ、スイレンが折角俺の為に作ってくれたんだもんな?」キュルキュル

ピカチュウ「ピカピ…」

アシマリ「アウ……」

スイレン(や、やった…サトシが魔法のくすりを飲んでくれる……)ドキドキ

サトシ「最近スイレンさぁ…話しかけてもあんまり楽しそうにしないし……」

スイレン(このくすりを飲めば…サトシは私無しじゃ生きられないくらいに私を好きになる……)ドキドキ

サトシ「………昨日も俺だけジュースが無かった時は正直ショックだったんだぜ?」

スイレン(あんなに入れたんだもん!1日どころかずっとだよね?)

スイレン(もう、マオちゃんやリーリエにも興味が無くなるよね?)

サトシ「美味そうだなー!ピカチュウ?」

ピカチュウ「ピカピ……」

スイレン(サトシ……)

スイレン(大好き……!!)

サトシ「いただきまー」スッ

スイレン「………………」

スイレン「ダメ……」ボソッ

ガシッ

サトシ「え?」

ピカチュウ「ピ!?」

アシマリ「アウ……」

サトシ「な、なにすんだよスイレン?ジュース飲めないよ!」グググ

スイレン「……サトシは…」ボソッ

サトシ「え?」

スイレン「………今、私と一緒にいて楽しい?」

サトシ「………………」

サトシ「楽しいよ」

スイレン「………そう…」グッ

バッ

サトシ「!」

ガシャン

パリン

ピカチュウ「ピ!?」ビクッ

アシマリ「ア……」

サトシ「な、なにしてんだよスイレン!折角のジュースが………」

スイレン「………私は……」ボソッ

サトシ「!」

スイレン「私は……ヒッグ…今……!」グスッ

スイレン「全、然……!楽しぐっないよっ!」

サトシ「…………スイレン…」

スイレン「ううっ……」ダッ

サトシ「おいスイレン!」

ピカチュウ「ピカー!」

アシマリ「アウ!」

…………………

……………

………




浜辺

ザザー

スイレン「……………」

スイレン(何でこんな事になっちゃったんだろ……)

スイレン(みんなに……アシマリに……サトシに謝らなきゃいけないのに……)

スイレン「………………」

スイレーン

スイレン「!」

サトシ「おーい!」タッタッタ

ピカチュウ「ピカー!」タッタッタ

アシマリ「アウー!」タッタッタ

スイレン「サトシ…アシマリ……ピカチュウ…」

スイレン(私を心配して追ってきてくれたんだ……)

サトシ「スイレン!どうしたんだよ急にー!」

スイレン「……………」

サトシ「……最近様子が変だしさ?悩み事があるんならさ、相談してくれよ!」

ピカチュウ「ピカピカ!」

アシマリ「アウ!」

スイレン「………………」

スイレン(謝らなきゃ……)スクッ

サトシ「俺達友達だろ?」

スイレン「……………」

アシマリ「ウアー……」アワワ

ピカチュウ「ピカピ…」

スイレン「…………う…」

サトシ「………う?」

スイレン「嘘つき!!」

サトシ「え?嘘つき?」

サトシ「嘘つきって……俺、スイレンになんか嘘ついたっけ……?」

スイレン「サトシは、嘘つきだよ!」

サトシ「あ、あの…それってどういう…」

スイレン「だって!私と一緒にいたら楽しいって言ってたのに……」

スイレン「マオちゃんと一緒にいても楽しいって言った!」

サトシ「…………いや、スイレンと一緒にいても楽しいし、マオと一緒にいても楽しいから、別に嘘じゃあ……」

スイレン「……じゃあ、私とマオちゃん、どっちと一緒にいた方が楽しいの?」ジーッ

サトシ「え、えー………」

スイレン「どっち?」

サトシ「……俺はみんなといるとすっげー楽しいよ…」

サトシ「マオともスイレンとも……カキやマーマネやリーリエだって…」

サトシ「だから…誰が一番とかは決めらんないよ…」

スイレン「……………」ムスッ

ピカチュウ「ピカピカ?」

アシマリ「アウウ」コクコク

スイレン「マオちゃんの事、お嫁さんにしたいって言ってた」

サトシ「え?」

スイレン「………マオちゃんの事、好きなの……?」

サトシ「いや、好きだけど……」

スイレン「………やっぱり…」ウルッ

サトシ「えぇっ!?」ビクッ

スイレン「うぅ……グスッ…」

サトシ「な、なんで泣くんだよ!」アセアセ

ピカチュウ「ピカピ……」

アシマリ「アーア」ハァ

スイレン「………サトシはマオちゃんと結婚したいの?」グスッ

サトシ「いや、別に結婚したいとかじゃなくてさ……」

サトシ「なんていうか……マオみたく料理できるお嫁さんっていいんじゃないかなって思っただけで……」

サトシ「誰と結婚したいとかそういうのじゃないよ…それに今は結婚とかよりもポケモンマスターになりたいし……」

スイレン「……………」ズズッ

アシマリ「アウ……」スッ

ピカチュウ「ピ」ポンッ

アシマリ「!」

サトシ「あー…でも……料理だけじゃなくてさ」

スイレン「?」

サトシ「リーリエみたく頭が良くてしっかりした子もいいかもな?」

スイレン「………へ?」

サトシ「……カスミみたくお転婆な子も一緒にいたら意外と楽しいかも!」ヘヘヘ

スイレン「……………」

サトシ「それに………」

スイレン「…………?」

サトシ「スイレンみたく、一緒に釣りができて……たまに冗談言ってくれて、お互い夢の為に一緒に頑張れる子もいいかもな!」

スイレン「……サトシ…」

サトシ「うーん、やっぱわかんないや!」ポリポリ

サトシ「とりあえず今はお嫁さんとかよりもパートナーのピカチュウかな~」

ピカチュウ「ピ!?」ビクッ

ピカチュウ「……………」チラッ

スイレン「………………」

ピカチュウ「……ピ……」ダラダラダラ

スイレン「ふふっ」クスッ

サトシ、アシマリ「!」

スイレン「サトシらしいや」ニコッ

サトシ「へへっ」ニッ

アシマリ「アウ!」ニコッ

ピカチュウ「ビ……」ホッ

サトシ「へへへ、んじゃ、スクールに帰……」

スイレン「わ、私…!」

サトシ「?」

スイレン「そ、その……け、けけ結婚するなら!////」ドキドキ

サトシ「え?」

スイレン「や、優しくて…一緒に釣りしてくれる人で……!」ドキドキ

サトシ「……………」

スイレン「そ、それで!いつも元気で優しくて明るくて…ポケモン大好きで……」ドキドキ

アシマリ「アウアウ!」

ピカチュウ「ピカピカ!」

スイレン「ポケモンバトルが強くって…………私の夢を応援してくれて…それで……」ドキドキ

サトシ「………………」

スイレン「……真っ直ぐで……自分の夢にいつもゼンリョクな人…」

スイレン「……そ、そんな人がいい…///」モジモジ

サトシ「…………………」

サトシ「そっか……」

サトシ「………それじゃ、俺はまだまだだな?」

スイレン「……………」

スイレン「うん……」クスッ

スイレン「まだまだ」ニコッ

サトシ「へへっ」ニッ

ピカチュウ「ピー」ニコッ

アシマリ「アウアウ」ニコニコ



ザザー
…………………

…………

……

スクール

スイレン「あ、あの!ごめんなさい!」ペコッ

スイレン「……私…その…」

サトシ「……俺たち何かスイレンに謝られるような事あったけ?」チラッ

ピカチュウ「ピカー」フリフリ

アシマリ「アウー?」フリフリ

スイレン「サトシ…アシマリ……ピカチュウ…」

スイレン「…………」チラッ

マオ「……スイレン…」スッ

スイレン「…………」ビクッ

マオ「まったく!あんまり心配かけないでよ?」ポンッ

スイレン「…………え?」

リーリエ「スイレン、ここからが頑張りどころですよ?」ヒソッ

スイレン「マオちゃん…リーリエ……」

マオ「カキ!今回の件は水に流してあげる!」

カキ「え……?あ…す、すまん……」

リーリエ「マーマネもです。これからはまた今まで通り仲良くしましょ?」ニコッ

マーマネ「う、うん……ご、ごめん…」

スイレン「カキ、マーマネ…本当にごめん」ペコッ

カキ「え?あ、ああ……」

マーマネ「べ、別に気にしてないよ?」

スイレン「ありがとう……」

カキ、マーマネ「………………」

カキ、マーマネ(何で謝られてるんだ……?)

ロトム図鑑「これにて一件落着ロトー!」

サトシ「へへっ、だな?」

ピカチュウ「ピッカー!」

アシマリ「アウー!」

マオ「はいはい、それじゃ!この件はこれで終わりっ!」

マオ「これからみんなでウチで仲直りパーティーでもしよーよ!」

アママイコ「アマー!」

リーリエ「いいですね!」

シロン「コーン!」

マーマネ「よくわかんないけどやったー!」

トゲデマル「マルー!」

カキ「………………」

マーマネ「? どうしたのカキ?」

カキ「………いや…」

カキ(俺昨日、マオパパに娘さんを下さいとか言ったような気が……)ダラダラ


ワイワイ

スイレン「……………」

サトシ「ほらっ、スイレン!」スッ

スイレン「!」

サトシ「行こうぜ?」ニッ

スイレン「…………………」

ギュッ

スイレン「うん!」ニコッ

翌日

ワイワイ ガヤガヤ

スイレン「あ、あの!サトシ!」

サトシ「ん?どうした?」


マオ(スイレン!ガンバ!)コソコソ

マーマネ「アローラ!マオ!」

カキ「何をコソコソしてるんだ?」

マオ「うるさい!静かに!」シッ

アママイコ「アマ!」

カキ、マーマネ「?」


スイレン「そ、その…これ!」スッ

サトシ「……これ…」

ロトム図鑑「お弁当ロトー!」

スイレン「マオちゃんに色々アドバイスもらってつくってきたの!」ドキドキ

スイレン「そ、その…良かったら……」ドキドキ

サトシ「………………」

スイレン「……………」ドキドキ

サトシ「マジ!サンキュー!スイレン!」ニカッ

スイレン「サトシ…」パアア

サトシ「食べていいか?」パカッ

スイレン「うん!」

サトシ「うわっ!うまそー!これ全部スイレンがつくったの?」

スイレン「う、うん!」

スイレン「あっ、これ!つくるの苦労したんだー」

サトシ「あー、これすっげーうまそーだもんなー!」


ワイワイ

ピカチュウ「ピカー!」パシン

アシマリ「アウ!」パシン



マオ「良かったね、スイレン…」ウルッ

カキ「な、なあマオ…昨日の事なんだけど……」ボソボソ

マオ「その話は後で」

アママイコ「アマ!」

カキ「うっ……」

マーマネ(そっちの方が気になるんだけど…)

トゲデマル「マルマルゥ」コロコロ

ガラッ

サトシ、スイレン「!」

リーリエ「……………」

シロン「コーン」

サトシ「あっ!リーリエ、アローラー」モグモグ

スイレン「アローラー!リーリエ!」

リーリエ「………スイレン」

スイレン「え?」

リーリエ「少しいいですか?」

サトシ、スイレン「?」

スイレン「あの黒い本を?」

リーリエ「はい、その……どうしても返してほしくて……」

アシマリ「……………」

スイレン「そうだった!ごめんリーリエ!」

スイレン「えっと……今日持ってきてるから……」ゴソゴソ

リーリエ「……………………」


昨日

リーリエの屋敷

リーリエ「え?あの黒い本を?」

ジェイムズ「はい…リーリエお嬢様のご様子が変なので調べよと奥様に言われました所……」

ジェイムズ「あの本に行き着きまして…」

リーリエ「………あの本ならばスイレンが………」

ジェイムズ「なんと!?お嬢様!すぐにその本を回収してくだされ!」

リーリエ「え?」

ジェイムズ「あの黒い本は危険な物です!」

ジェイムズ「我々が調べた所によりますと、あの黒き本は…人の弱った心の隙間につけ入り……欲望を爆発させる……」

ジェイムズ「………そして……本に魅いられた者は狂ったように本の虜になると…」

リーリエ「………な…」ゾクッ

リーリエ「何故そのような本がうちに…」

ジェイムズ「………それはわかりません…ですがお嬢様…」

ジェイムズ「もしお友達が本を持っているならばすぐに回収してくだされ!」

ジェイムズ「あの……悪夢の本を!」

リーリエ「悪夢の本……」ゾクッ

リーリエ(スイレン………)

……………

……

リーリエ「……………」

スイレン「…………?あれ?」ゴソ

リーリエ「?どうしましたスイレン?」

スイレン「いや…あの本、確かに持ってきたハズなのに………」

アシマリ「アウ?」

スイレン「…………無い…」

リーリエ「……な……!?」

シロン「………コ……」

アーカラ島

ライチ「今日もいい天気ねー!」

ルガルガン「ガルッ」

ライチ「こんな日には何か素敵な出会いが………」

バサッ

ライチ「ん?」

ルガルガン「ガル?」

黒い本「」オオオオ

ライチ「………なにこの不気味な本…?」ヒョイッ

ルガルガン「………………!」ピクッ

ライチ「………いったい誰が落として……」ペラペラ

ライチ「………………」ペラッ

ルガルガン「グルルル!!」フーフー

ライチ「………そのくすりは透きとおるように透明で……」ブツブツ

ライチ「……人やポケモンの体液を養分とし、その者の心の"色"をうつしだす」ブツブツ

ルガルガン「ガルッ!!ガルッ!!」

ライチ「……そのくすりを飲んだ者の心は養分とされた者の虜となる」ブツブツ

ライチ「………このくすりは人やポケモンの心を虜にし、喰らう不思議な………」ブツブツ

ルガルガン「ガルァァァ!!!」



『魔法のくすり』





おわり

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