THE 3名様~リメンバー マイ 凛~ (73)

登場人物

高坂穂乃果…純粋で心優しい地球育ちのスクールアイドル。 母校の廃校の危機やライバルとの闘いを経て 成長していく。

星空凛 …自分と一緒にアイドル研究部に入部した花陽を幼馴染に持つお調子者。アイドルは初心者だが持ち前の身体能力とガムシャラさで成長していく。

東條希…この世には目には見えない闇の住人が存在する。そんな奴らから皆んなを守る為に地獄の底からやって来た正義の使者なのかもしれない。

絢瀬絵里…絢瀬絵里、18歳、高3。性格はちょーっと賢くてクール。愛と正義の美少女スクールアイドルをやっている。

園田海未…日本舞踏園田流2代目後継者候補。長い黒髪が徴の少女。格闘と名のつくもでは負けなた事がない。

ミナリンスキー…本名は南ことり。伝説のカリスマメイドとして名を轟かせていた。ある日、白の組織の取引現場を目撃してスカウトされた。

小泉花陽…内気な性格でいつもウジウジしていたがμ’sと出会いから勇気を貰い成長していく。アイドルに対しても憧れから夢へ変わっていく。

西木野真姫…音ノ木坂学院に通う高校一年生。両親が大病院を経営しているお嬢様。歌が抜群に上手くピアノも弾ける待望の一年生。

矢澤にこ…夢は先代のどのトップアイドルをも超えるアイドルになり、日本国民に自分の存在を認めさせる事。アイドルは笑顔にさせるのが仕事と言うアイドル道を掲げている。



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「裏切り」

希「あー、お腹空いたなぁ。ウチは何を食べようかなぁ」

穂乃果「…」

凛「…」

希「ん?二人ともどうしたん?」

穂乃果「…希ちゃんはどうせ焼肉定食でしょ?」

凛「いつもかわりばえしないにゃ」

希「いや、凛ちゃんもいつもラーメンセットやん。え?なんでそんなに機嫌が悪いの?」

穂乃果「希ちゃんはいいよね」

希「え?何が?」

凛「どうせテスト結果良かったんでしょ?」

希「え?ああ…まあボチボチやったかなぁ」

穂乃果「おかしくない?希ちゃんは穂乃果達と一緒に遊び呆けてるのにさ。なんでテスト結果いいの?って言うか絵里ちゃんよりも上なんでしょ?実は」

希「まあ…科学はちょっと危なかったけどなぁ」

凛「え?何点?」

希「77点やけど…」

穂乃果「え?希ちゃんは77点を危ないって言うの?じゃあ、穂乃果達はどうすればいいの?全教科ヤバいんだけど」

凛「希ちゃんとか真姫ちゃんとか勉強出来る人のせいで凛達は肩身が狭いにゃ。海未ちゃんと絵里ちゃんに凄い怒られたにゃ」

希「いや…だから、ウチが勉強教えてあげたやん。少しやけど」

穂乃果「そうだけどさぁ」

希「後は知らんよぉ」

凛「だいたい、皆んな酷いんだよ」

希「何が酷いん?」

凛「クラスの皆んなも全然勉強してないって言ってたのにちゃんと点数取ってるにゃ」

穂乃果「穂乃果もだよ。クラスの皆んな勉強してないって言ってたのにぃ」

希「いや、普通鵜呑みにしないやろ」

穂乃果「にこちゃんだけだよ。勉強してないって言ってちゃんと点数取らないのは。にこちゃん意外は裏切り者だよ」

希「ええ?ウチも裏切り者なん?」

凛「希ちゃんなんて一番の裏切り者だよ」

希「いやいや。二人の点数が悪いとウチもえりちに怒られるんやから。だから、二人の勉強見たのに…むしろウチが裏切り者って言いたいわ」

穂乃果「……じゃあ、三人で謝ろう」

凛「うん。三人で絵里ちゃんに謝りに行くにゃ」

希「えー、ウチも謝らなきゃあかんか?納得いかないんやけど」

「作戦会議」

穂乃果「さて、花陽ちゃん」

花陽「えっと…何かな?前にもこんな感じの雰囲気があった気がするけど…」

凛「事態は急を要するにゃ」

花陽「そ、そうなの?」

穂乃果「うん。実はね…穂乃果達、今真姫ちゃんの髪の毛が気になって仕方ないの」

花陽「ええ?真姫ちゃんの髪の毛が?急にどうして?てっきり、絵里ちゃんの方だと思ったよ」

穂乃果「真姫ちゃんの髪の毛ってさクルクルしてるじゃん。毛先とかいつもクルクル指で巻いてるじゃん」

花陽「そ、そうだね。可愛いよね」

凛「凛達も是非真姫ちゃんの髪の毛をクルクルしたいにゃ」

花陽「え?そ、それは本人に直接頼めば…」

穂乃果「直接頼んで真姫ちゃんが触らせてくれると思う?」

花陽「それは…」

凛「真姫ちゃんって抱き着いたりすると嫌がるし髪の毛も触ったら嫌がるかもしれないにゃ」

花陽「あれは…口では嫌がってるだけだと思うよ?絶対に拒否はしないでしょ?本気で拒否されたら凛ちゃんも抱き着かないでしょ?」

凛「うん」

花陽「だったら髪の毛も大丈夫だよ」

穂乃果「本当に?」

花陽「……多分」

凛「多分じゃダメにゃー」

穂乃果「そうだよ。確実に触らなきゃダメだよ」

花陽「そんな事言われても…」

穂乃果「大丈夫!作戦は考えてあるから」

花陽「全然大丈夫な気がしないよ…」

穂乃果「まず、花陽ちゃんが真姫ちゃんを説得するでしょ?」

花陽「え?私が真姫ちゃんを説得するの?」

穂乃果「うん」

花陽「ま、待って?なんて言って説得するの?」

凛「そこはかよちんに任せるにゃ」

花陽「ええ?そこが一番重要じゃないのかな?どうやって説得するかを考えるべきじゃないかな?」

穂乃果「うん。だから、そこは花陽ちゃんに任せるよ」

花陽「いやいや、無理だよ。私には荷が重いよ」

凛「大丈夫。凛知ってるよ?かよちんは真姫ちゃんを説得するのが日本で一番上手いって」

花陽「ええ?日本一って…」

穂乃果「まあ、花陽ちゃんがいい感じで真姫ちゃんを説得したら穂乃果達も登場して触らせて貰う。どう?」

花陽「え?それで終わり?穂乃果ちゃんと凛ちゃんは何もしないの?」

凛「凛達はこの作戦が失敗した時のプランBの為に控えてるんだよ」

花陽「プランB?プランBなんてあるの?だったら、そっちの方をメインにした方が良いんじゃないかな?そうすれば私は必要なくなるよね?」

穂乃果「いやぁ…プランBは最後の手段だから」

花陽「ち、ちなみにプランBって?」

穂乃果「凛ちゃんが真姫ちゃんを抑えてその隙に触らせて貰う…」

花陽「も、もう…それでいいんじゃないかな?」

「非公認ファンサイト」

穂乃果「ハンバーグ定食一つと…」

凛「ラーメンセット味噌味一つ…」

希「あっ、ウチはミートドリアを…」

穂乃果「おお!希ちゃんが焼肉定食を頼まないなんて…」

凛「どうしよう。凛、傘持ってきてないよ」

希「いや、ウチだってたまには違うもの食べるよ」

穂乃果「ええ?」

凛「信じられないにゃ」

希「二人の中でウチはどういうイメージになってるんや…」

穂乃果「いや、だってね?」

凛「うん、」

希「あっ!そう言えば例のμ’sのファンサイト」

穂乃果「ファンサイト?あの非公認の奴?」

希「そうそう。あれってまだ更新してるみたいなんよ」

凛「えー、そうなの?」

穂乃果「まあ、言っても前に見たの一ヶ月前くらいだからね。そんなに日が経ってないから」

希「また、ちょっと見てみない?」

穂乃果「え?やめようよ…。また傷付くよ」

希「大丈夫やって。もう、気にしなければ良いんやから」

凛「凛は別にいいよ」

希「実はμ’sのメンバーのイメージランキングとか言うのが更新されててな」

穂乃果「え~、なにそれ?絶対に傷付く奴だよ」

希「そんな事ないって。例えば…ほら?μ’sのメンバーで頭が良さそうなイメージランキング」

穂乃果「うわぁ。穂乃果絶対に下の方だよ」

希「いやいや。そんな事はないんよ。穂乃果ちゃん4位よ?」

穂乃果「嘘?どうして?穂乃果が4位?その人達正気?」

希「勉強が出来そうとかじゃなくて頭が良さそうなランキングやからね。ちなみににこっちがビリやね」

凛「凛は?」

希「7位」

凛「うわっ。穂乃果ちゃんに負けたにゃ」

穂乃果「いやぁ。そっか。穂乃果って頭が良いイメージがあったんだね」

希「いや、まあ4位やけどね。ちなみにお馬鹿そうなイメージランキングでは穂乃果ちゃん1位やからね?2位がにこっちで」

穂乃果「え?嘘?」

凛「なんだ。やっぱり穂乃果ちゃんはお馬鹿だったにゃ」

穂乃果「ど、どう言う事?頭が良いイメージはどこに行ったの?」

希「まあ、穂乃果ちゃんは良くも悪くも目立つって事やん?」

穂乃果「そうなの?最初のだけ聞いとけば良かったよ」

希「後、他には色気のあるメンバーランキングとか。これはえりちがトップやね。次にウチ。にこっちはビリやなぁ」

凛「まあ、絵里ちゃんは黙ってれば凄いもんね」

穂乃果「うん。基本的に頭も良いしね。色気と関係ないけど」

希「後は小学生がケンカしても勝てそうなイメージランキング。1位が花陽ちゃんで2位がにこっちやね。穂乃果ちゃんは3位」

穂乃果「何そのランキングは?穂乃果小学生に負けそうなイメージなの?」

希「後は詐欺に遭いそうなメンバーランキング」

穂乃果「いや、意味がわからないよ」

希「海未ちゃんが1位でその次がにこっち。で、穂乃果ちゃん、ことりちゃんの順番やね」

凛「2年生組って皆んな詐欺に遭いそうなんだね」

穂乃果「いや、イメージだけどね?」

穂乃果「おかしいよ。変なランキングばっかりじゃん」

希「まあ、非公認やからね」

穂乃果「他にどんなランキングがあるの?」

凛「ん?一人焼肉してそうなメンバーランキングだって」

希「あっ、それは…」

ポチっ

凛「希ちゃんが1位にゃ」

穂乃果「2位のにこちゃんとだいぶ票数に差があるね」

希「いや…それは…」

穂乃果「あっ!だから、今日は焼肉定食じゃなかったんだね?」

凛「なるほど。気にしてたんだ」

希「ちゃ、ちゃうよ~」

穂乃果「まあまあ」

凛「恥ずかしがる事ないにゃ」

希「くっ、最悪や…」

「作詞」

凛「見て希ちゃん。コーラとカルピスを混ぜたにゃ~」

希「うわぁ。不味そうやなぁ」

海未「凛、食べ物で遊ばない」

凛「食べ物じゃなくて飲み物だにゃ」

海未「はい?」

凛「あっ…ごめんなさい。屁理屈でした。凛が…私が悪かったです」

海未「全く。今日は何の為にこのメンバーで集まったと思っているのですか?」

希「海未ちゃんが遊びたかったんやろ?」

海未「違います」

凛「暇を持て余してたんじゃないの?」

海未「今日はユニット別の定例会議でしょう?」

凛「そんなのやってるのうちだけにゃ」

希「えりちん所も穂乃果ちゃん所もやってたのは最初だけやって。それはそやんな?毎日部活で顔合わせてるんやもん。改めて集まる必要ないやん?」

バンッ

のぞりん「ひぃ」ビクッ

海未「あなた達…そんな事で最高のパフォーマンスを出来ると思っているのですか?」

希「えっと…」

海未「私はやるからには最高のパフォーマンスをしたいです。他所は他所です。二人は?」

希「え?ま、まあ…そんなのは」

凛「当たり前だよ」

海未「では、真面目にやって下さい」

凛「う、うん。それで…何を話し合うの?」

海未「新曲についてです」

希「新曲かぁ」

海未「はい。その為の作詞をしたいのですが二人にも参考に言葉を出して貰いたいなと」

凛「なるほど。そういう事ならちゃんとやるのに。最初から言って欲しいにゃ」

海未「あなた達がふざけていたからでしょ?」

希「それで?曲のコンセプトは?」

海未「そうですね…」

凛「明るい曲がいいよね?」

希「そうやなぁ。ありきたりやけど光とか希望なんてフレーズが良いんやな?」

海未「光…希望…ですか」

凛「君とか僕とか登場人物が出て来るのも良いよね」

海未「君…僕…」

希「ああ…その君が光を見つけて…それに僕が希望を見るとか…ストーリー性があってええな」

凛「でも、何が希望なのか。君と僕は何を希望だと思ったのかをここで書かないとダメだよね?」

希「そうやなぁ。例えば…ウチにとっての希望は……仲間?」

凛「仲間…仲間とのふれあい?ん~何か特別なフレーズが欲しいにゃ」

海未「……」

希「例えば希望や光を象徴するものが欲しいよね?希望のなんちゃらとか」

凛「幸せの青い鳥とか?」

希「でも、それだとそのまんまやん」

凛「じゃあ…幸せの青い海?」

希「海は青いに決まってるやん」

凛「じゃあ、雲?」

希「青い雲…良いやんそれ!」

凛「じゃあ、青い雲に…」

海未「青雲ですよね?」

希「え?」

海未「途中薄々気がついてはいましたけど…青雲の歌ですよね?」

凛「青雲の歌?」

海未「そうです。青雲のコマーシャルの歌ですよね?青雲、それは君が見た光~僕が見た希望~。青雲の歌ですよね?」

凛「う、うん」

希「そうやね。取り敢えず、ここお店やから…」

海未「はっ」

凛「海未ちゃんって時々周りが見えなくなるよね」

海未「誰のせいです。真面目にやって下さい」

凛「わ、分かったよ」

「ドッキリ」

穂乃果「ねえねえ、ことりちゃん?」

ことり「なあに、穂乃果ちゃん?ケーキ一口食べたいの?いいよ」

穂乃果「違うよ。まあ、貰うけど。ことりちゃんって最近いつ怒ったの?」

ことり「え?う~ん…最近は怒ってないかなぁ」

穂乃果「だよねぇ。最後にことりちゃんが怒ったのを見たのはいつだったか穂乃果も覚えてないもんね」

ことり「あんまり、怒る様な事ないからなぁ。はい、穂乃果ちゃん。あ~ん」

穂乃果「あ~ん。うん、ここのチーズケーキは美味しいね」

ことり「うん。この酸味はどうやって出してるのかなぁ」

穂乃果「どうだろうね?和菓子屋の娘には洋菓子の事はわからないよ。美味しいって事しか。じゃなくてさ」

ことり「じゃなくて?」

穂乃果「もし、ことりちゃんが怒ったらさ。海未ちゃんびっくりするかな?前してたもんね?」

ことり「う~ん。私が怒っても怖くないから…」

穂乃果「やってみようよ」

ことり「え?やってみるって?」

穂乃果「海未ちゃんがトイレから帰って来たらことりちゃんが海未ちゃんに怒ってみるの」

ことり「え~…理由もないのに怒らないよ」

穂乃果「そこはなんか適当にさ。で、普段言わない様な台詞を」

ことり「う~ん。でも、上手くいかないと思うよ?」

穂乃果「まあ、その時はその時だよ」

穂乃果「あっ、戻って来たよ」

ことり「普段言わない様な台詞かぁ」

海未「お待たせしました」

穂乃果「海未ちゃん遅かったね」

海未「並んでいたので」

穂乃果「そうだったんだ」

海未「ところで穂乃果?」

穂乃果「ん?何?」

海未「口の周りにクリームが付いていますが?」

穂乃果「え?ああ…さっき食べたケーキかな?」

海未「あなたが頼んだのはチョコレートケーキですよね?それ、明らかにチョコレートじゃないですよ?」

穂乃果「ああ…ことりちゃんに貰ったんだよ」

海未「穂乃果…あなた、食べ過ぎですよ。ただでさえ、ケーキはカロリーが高いんですから。また、ダイエットするハメになりますよ?」

穂乃果「ああ…うん。気をつけるよ」

海未「ことりもことりです。穂乃果には前科があるんですからもっと厳しく…」

ことり「黙れ」

海未「へ?」

ことり「な、なんちゃって」

海未「………」

ことり「あっ、海未ちゃん?あの…ドッキリだよ?」

海未「………」

ことり「海未ちゃん?おーい。海未ちゃーん」

海未「………」

ことり「穂乃果ちゃん…」

穂乃果「ま、まさか、黙れと言うとは…」

ことり「だって、普段絶対に言わない様な台詞をって言うから…」

穂乃果「でも黙れはもうどっちかって言うと脅しだよ」

ことり「だ、だって…何も思いつかなくて…」

海未「………」

穂乃果「海未ちゃん完全にフリーズしちゃってるよ?完全に穂乃果達の会話聞こえてないもん」

ことり「う、海未ちゃーん」

海未「……」ビクッ

ことり「ええ?」

穂乃果「完全に怯えちゃってるね」

ことり「そ、そんな…海未ちゃん。聞いて?」

海未「申し訳ありません。あの…本当に申し訳ありませんでした」

ことり「ち、違うのぉ~。海未ちゃぁぁぁん」

海未「許してください、ことり」

ことり「海未ちゃぁぁぁぁん」

穂乃果「うわぁ、なんかカオスな状況に。これって、穂乃果がいけないのかな?」

「きな粉」

凛「でねぇ、にこちゃんって小さいからすぐに見失っちゃうんだよ」

希「へぇ、そうなんや。でも、凛ちゃんも同じくらいやろ?」

凛「違うよ。凛の方が大きいもん。にこちゃんなんて肩に乗せられもん」

希「いや、戸愚呂兄弟じゃないんやから」

凛「え?誰?てじなーにゃの人?」

希「ちゃうよ」

凛「そっか」

希「うん」

穂乃果「うーーーん」

希「ん?穂乃果ちゃん?どうかしたん?」

穂乃果「いや…別にたいした事じゃないんだけど」

希「ふーん。そうなんや」

凛「たいした事じゃないならいっか」

穂乃果「ええ?興味持ってよ」

希「だって、たいした事じゃないんやろ?」

穂乃果「いや、そうだけどそ。話を聞く流れだったじゃん」

凛「じゃあ、どうしたの?」

穂乃果「いやね?穂乃果は今、きな粉を食べたい気分なの」

希「食べればいいやん。黒蜜きな粉がメニューにあったやろ?」

穂乃果「でもさ、穂乃果って和菓子屋の娘じゃん」

凛「うん」

穂乃果「きな粉なんていつでも食べれるじゃん。外食に来てまで食べる必要ないじゃん」

希「じゃあ、食べなきゃいいやん」

穂乃果「でも、気分的に食べたいじゃん」

凛「じゃあ、食べればいいにゃ」

穂乃果「でもさ、家に帰ればあるんだよ?」

希「だったら、家に帰るまで我慢すればいいやん」

穂乃果「その頃にはこの気持ちはきっとおさまってるよ。今、食べたいんだよ」

希「じゃあ、食べればいいやん」

穂乃果「でもさぁ…」

凛「穂乃果ちゃん、面倒くさいにゃ…」

穂乃果「面倒くさい?分かってくれないの?穂乃果の気持ちを」

希「じゃあ、食べればいいやん。うん。カードも食べた方がいいって言ってるよ」

穂乃果「うわっ。凄い適当。いつも、もっと意味深にカードのお告げを言うのに」

希「だって、食べるか食べないかの二択なんやから」

穂乃果「二択だから選べないんだよ。選択肢がいっぱいあるのならいいよ?二択だとどっちを取っても後悔する様な気がして」

凛「どうせ、後悔したってすぐ忘れるんだからどっちでもいいにゃ。忘れるでしょ?きな粉の事なんて。一生引きずらないでしょ?」

穂乃果「まあ…そうだけど」

凛「だったら、そんなのはどうだっていい事なんだよ。だって、忘れるんだもん」

穂乃果「だけどさ、今、後悔したら少なくとも今は嫌な気持ちにはなるし」

凛「そんな事言ったら何も選べなくなっちゃうよ?本当に怖いのは後悔する事を恐れて動けなくなる事だと思うにゃ」

穂乃果「た、確かに…じゃあ、穂乃果はきな粉を食べるよ」

希「おお!凛ちゃんがそれっぽい事言ってる…雨降るんかな?」

凛「うん。それでいいにゃ」

穂乃果「よし。じゃあ、黒蜜きな粉を頼もう」

ピンポーン

店員「はい?」

穂乃果「黒蜜きな粉を下さい」

店員「申し訳ありません。ただいま、品切れでして」

穂乃果「え?品切れ…」

希「あれだけ悩んでこの結果って」

凛「やっぱり悩むだけ無駄だったね」

「大食いチャレンジ」

穂乃果「見て。二人とも」

凛「ん?」

希「どしたん?」

穂乃果「また、大食いチャレンジやってるよ」

希「穂乃果ちゃん。やめといた方がええよ。また、食べきれなくて大変な思いするよ」

凛「そうだよ。過去何回失敗してるの?」

穂乃果「でもさ、見てよ。前はチャーハンとか激辛だったからダメだったんだよ。今回はほら?」

希「ケーキの大食いチャレンジ?」

穂乃果「うん。ケーキだったらいくらでも食べれちゃうから」

凛「凛、止めたからね?」

希「ウチも止めたよ」

穂乃果「ひゃ~穂乃果、すっごいワクワクして来たよ。負けないぞ~」

30分後

穂乃果「うぅ…グスッ…もう、無理…グスッ…食べれないよ…もう、甘いのうんざりだよぉ…」

希「だから言ったやん」

穂乃果「だってぇ…可能性感じたんだもん…グスッ…穂乃果、ケーキ好きだしぃ…別腹とかでイケると思ったから…」

凛「もう30分経ったよ?タイムアップだよ」

希「もう、賞金も貰えないし罰として3000円やろ?3000時はいたいなぁ」

穂乃果「辛いし、お小遣いなくなっちゃうし…食べ過ぎで太っちゃう…海未ちゃんに怒られちゃう」

希「自業自得以外掛ける言葉が見つからないんやけど」

穂乃果「二人とも手伝ってよ」

希「もう、仕方ないなぁ」

凛「デザート頼まなくて良かったにゃ」

穂乃果「うぁぁぁぁ、最悪だよぉ」

「友達」

凛「かよちん何頼むの?」

花陽「ライス特盛りだよ。凛ちゃんは?」

凛「凛は~ラーメンセット…え?かよちん、ライスだけ?」

花陽「うん。取り敢えずは…」

凛「流石かよちんにゃ…」

この二人は私が高校に入って初めて出来た友達。

凛「じゃあ、凛も大盛りにしようかなぁ」

わんぱくで元気でちょっと泣き虫な女の子と

花陽「ふふっ。練習の後はお腹が空いちゃってつい食べ過ぎちゃうよね」

ちょっと気弱だけどとっても優しい女の子。

凛「かよちんは昔から本当にお米が好きだよね」

花陽「うん。凛ちゃんも昔からラーメンが好きだったよね」

二人は幼馴染で私が知り合う前からずっと前から大の仲良しで…。

花陽「ねえねえ、凛ちゃん。これ見て?今流行りのアイドル」

凛「どれどれ?わ~可愛いにゃ」

花陽「だよね、だよね。実はね、家にDVDがあるんだ」

凛「そうなの。じゃあ、お泊まりセット持って見に行くにゃ~」

花陽「うん」

私がこの先どんなに二人と一緒に居ても二人が一緒に過ごしてきた時間には敵わない訳で…。

二人と居るとたまに考えてしまう。どうして私は二人と幼馴染じゃなかったのだろう。

凛「にゃ~」

花陽じゃなくて私が凛と幼馴染だったなら…。

花陽「もぉ、凛ちゃん」

凛じゃなくて私が花陽と幼馴染だったなら…。

私は二人に嫉妬してる。友達に嫉妬してる。私は最低だ。

胸が苦しくなる。こんな事なら最初から知らなければ良かったなんて…私がこんな事を考えてるって知ったら二人はどう思うだろう。

凛「まーきちゃん?」

真姫「え?」

花陽「どうしたの?ボーッとして?」

真姫「い、いや…別に…」

花陽「はい、これ。真姫ちゃんの分だよ?」

真姫「へ?な、何?」

凛「探すの苦労したんだにゃ~。お揃いのキーホルダーだよ」

真姫「キーホルダー?」

花陽「うん。私と凛ちゃんが昔お揃いで買ったやつなんだ」

凛「親友の証にゃ~って真姫ちゃん?」





ずっと、人前で泣く人間は弱い人間だと思ってた。恥ずかしい事だと思ってた。

花陽「ま、真姫ちゃん?大丈夫?」

凛「あっ、凛ハンカチ持ってるよ?」

でも、今はそれも気にならない。

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店員「いらっしゃいませ。何名様ですか?」

真姫「3名で」

「録画」

穂乃果「うわぁぁぁ。しまったぁ」

希「もう、どうしたん?また、何かあったん?」

凛「穂乃果ちゃん騒がしいにゃ」

穂乃果「あぁ、もう間に合わない。間に合わないよぉぉぉ」

希「何が間に合わんの?」

穂乃果「ドラマ録画してくるの忘れちゃったんだよ」

希「なんや…そんな事か…」

凛「そんな事で半泣きって…高校生なのに恥ずかしくないの?」

穂乃果「だってさ今日最終回なんだよ?ずっと見てたのに…。最終回だけ見逃すなんて最悪だよ」

希「家に連絡したらええやん」

穂乃果「あっ、そっか」

希「普通真っ先に思いつくと思うんやけどなぁ」

穂乃果「ふふ~ん。さっすが希ちゃんだよ」

希「泣いたり笑ったり忙しいなぁ」

穂乃果「あっ…ダメだ。今日、お父さんもお母さんも町内会の集まりに行ってるんだ。雪穂は友達の家に泊まりに行ってるし…うぁぁぁ、最悪だぁぁ」

凛「もう諦めたら?」

穂乃果「え~、そんなぁ」

希「仕方ないなぁ。ちょっと、えりちに電話するわ」

穂乃果「絵里ちゃん?」

希「もしもし?えりち?あのなぁ…違う違う。今日はえりちん家にはいかんて。え?うん、穂乃果ちゃんと凛ちゃんも一緒やけど…本当やって。あのな?穂乃果ちゃんが見たいドラマがあるらしいんやけどな。え?えりち出先なん?えりちも録画し忘れたん?亜里沙ちゃんは?そうなんやぁ…いや、ウチも出先やからこうして電話してるんやん。うん。他の人に当たってみるよ」

穂乃果「どうだった?」

希「えりちもいつも見てるんやけど忘れてて録画もしてないんやって。今、近くの本屋さんやって」

凛「亜里沙ちゃんは?」

希「お泊まりやって」

穂乃果「雪穂と一緒かぁ。海未ちゃんは今頃お稽古中だろうしことりちゃんは今日家族で外食って言ってたし…」

凛「かよちんは今日はアイドル特番見るって言ってたからダメだと思うよ?多分録画もしてるにゃ」

穂乃果「じゃあ、にこちゃんも同じだよね…。はあ…どうしよう…」

凛「レンタル出るまで待つしかないよ」

穂乃果「そうだよね…それしかないよね…」

希「そうやねぇ…他に連絡出来る人は居ないもんなぁ…ん?」

凛「どうしたの?」

希「穂乃果ちゃんの見たいドラマって○チャンネルでやってるやつ?」

穂乃果「うん。そうだよ」

希「そっか。じゃあ、頑張って貰わなきゃね」

穂乃果「え?」

希「打たれなければこのまま延長や」

穂乃果「あっ、なるほど」

希「」

「心霊」

希「でな、この曲の間奏で先輩~って聞こえるんよ」

絵里「いやぁぁぁぁぁ」

にこ「いや、まだ流してもないでしょ。どれだけ怖がりなのよ…」

絵里「べ、別に怖がってなんかいないわ…」

希「じゃあ、流す?」

絵里「いや…それはいい。わかりました。怖いです」

にこ「もう、バレてるんやから隠す必要ないわよ」

絵里「だって…」

せんぱぁい

絵里「きゃあああ」

にこ「きゃあ」

絵里「の、希ぃ。なんで急に流すのよ」

希「怖かった?」

絵里「怖いわよ。にこだってビックリしてたじゃない」

にこ「に、にに、にこは別に怖がってなんかないにゃ」

希「怖がり過ぎて語尾が間違ってるやん」

絵里「も、もう…いい加減にしてよ」

希「じゃあ、これはどうかな?普通に再生してると私にも聞かせてって聞こえるんやけどなんと逆再生すると私も一緒に居たいって聞こえるらしいんよ」

絵里「いやぁぁぁぁぁ」

にこ「なんで話だけでそんなに悲鳴をあげるのよ。まあ、確かに想像だけでも怖いけど」

私にも聞かせて…

絵里「きゃああああ」

にこ「いやぁぁぁぁぁ」

絵里「だ、だからぁ…」

にこ「どうして流すのよ」

希「だって…面白いんやもん」

にこ「あんたねぇ…」

絵里「もうやめましょう。こう言う話は終わり」

希「そうやねぇ。こう言う話をしてると霊が寄って来るって言うしなぁ」

絵里「え?」

希「あっ、えりちの後ろに」

絵里「きゃああああ」

にこ「もう、馬鹿。やめなさいよ」

絵里「のぞみぃ~」

希「宇宙天地 與我力量 降伏群魔 迎来曙光…」

絵里「な、なに?」

希「いやぁ、一応お祓いしとこうかなあと」

絵里「え?」

にこ「もう、やめなさいってば…」





雪穂「あっちの席…なんか、騒がしいなぁ…」

亜里沙「そうだね。お店で騒ぐのは良くないよね」

「噂」

穂乃果「あ~、お腹空いたなぁ。って言うか希ちゃんまだ来ないの?」

凛「希ちゃんは今日は来ないにゃ」

穂乃果「嘘?来ないの?」

凛「絵里ちゃんと映画見に行くって」

穂乃果「え~、なんで誘ってくれなかったの」

にこ「それはあれよ。あんたが絶対に見ない様な映画だからよ」

穂乃果「あっ…なるほど。難しい奴って事だね」

凛「穂乃果ちゃんは難しい映画見ると寝ちゃうもんね」

にこ「それはあんたもでしょ」

穂乃果「そうだよ」

にこ「まっ、どっちもどっちね。そう言えば…」

穂乃果「何?」

にこ「こないだネットでμ’sを検索してたら」

穂乃果「え?にこちゃんそんな事してるの?」

にこ「するでしょ。自分のグループの評判気になるでしょ」

穂乃果「え?しないよね?」

凛「うん。全くしないにゃ」

にこ「まあ、良いけど」

穂乃果「で?どうしたの?」

にこ「μ’sのメンバーがアホな事してたって言う目撃情報が書き込まれてたのよ」

穂乃果「え?アホな事?」

にこ「そうよ。全く…」

穂乃果「にこちゃん何したの?」

凛「あんまり変な事はしないでね?恥ずかしいから」

にこ「なんで私なのよ」

穂乃果「え?違うの?」

にこ「違うわよ。なんで私だと思うのよ」

穂乃果「だって…ねえ?」

凛「うん!」

にこ「何がうん!なのよ」

凛「え~…じゃあ、穂乃果ちゃん何したの?」

穂乃果「え?穂乃果?」

凛「だって、にこちゃんじゃなければ穂乃果ちゃんしか居ないにゃ」

にこ「そうね。確かにμ’sのアホと言えば穂乃果よね」

穂乃果「なんでさ?他に居るよ」

凛「誰?」

穂乃果「目の前にいるもん」

凛「やっぱり、にこちゃん?」

にこ「どうしてよ。どう考えても穂乃果の目の前に座ってるのはあんたでしょ」

凛「え?穂乃果ちゃんは凛の事をアホだって言うの?」

穂乃果「いや…別にそんな事は言ってないけどさ。むしろ、凛ちゃんこそ穂乃果の事をアホ扱いしたじゃん」

凛「うん」

穂乃果「うんって…。否定してよ」

凛「別に凛は穂乃果ちゃんと一緒ならアホ扱いでも構わないにゃ」

穂乃果「え?」

凛「だって、凛は穂乃果ちゃんとアホな事するのが楽しいし」

穂乃果「凛ちゃん…」

凛「穂乃果ちゃん…」

にこ「………」

穂乃果「………」ジィー

凛「………」ジィー

にこ「何よ?」

穂乃果「にこちゃんはノッてこないのかなって」

にこ「いや…だって、にこアホじゃないし」

凛「いやいや、それは無理があるにゃ」

にこ「意味わかんないわよ」

穂乃果「それはこっちの台詞だよ」

にこ「なんでよ」

穂乃果「いや…だって…ねえ?にこちゃんノリ悪いよ?」

にこ「だって、仕方ないじゃない。にこアホじゃないし」

凛「そんな事言ったら凛だって本当はアホじゃないんだよ?」

穂乃果「え?凛ちゃん?もう裏切るの?早くない?そんな事言ったら穂乃果だって撤回するよ?」

にこ「なによ。結局そうなるんじゃない」

穂乃果「そもそも、にこちゃんが変なサイト見てるからいけないんじゃん」

凛「本当に書いてあったのかも疑わしいにゃ」

にこ「変なサイトじゃないわよ。本当に書いてあったし。証拠見せようか?」

穂乃果「うん。見せてよ」

にこ「待ってなさい。…………ほら」

穂乃果「どれどれ?」

凛「本当だ。書いてあるにゃ」

にこ「言ったでしょ?まあ、この書き込みが本当かどうかまでは分からないけど…。あれ?」

穂乃果「どうしたの?」

にこ「書き込み増えてる」

凛「え?」

にこ「μ’sのメンバーがファミレスでアホな事で言い争ってる…ですって。書き込みが今の時間なんですけど…」

穂乃果「え?うそ?」

凛「見られてる?」

「思い込み」

穂乃果「絶対無理。穂乃果には厳しい」

絵里「何言ってる。そんな訳ないでしょ?」

穂乃果「いや、分かる。17年も生きてればできる事とできない事の区別くらいつくから。これは穂乃果には厳しい案件です」

絵里「そんな大袈裟な言い方して…。ピーマン美味しいわよ?」

穂乃果「美味しかったら食べてるよ。海未ちゃんに言われても食べないんだからね?あの、海未ちゃんに言われても食べないんだからね?」

絵里「何故二回言ったのよ」

穂乃果「重要な事だからだよ」

絵里「もう。希からも言ってあげてよ」

希「ん?ウチ?」

絵里「そうよ」

希「ん~、穂乃果ちゃん。ピーマンって割と美味しいよ?」

穂乃果「いや、希ちゃんに言われても無理なもんは無理だよ」

希「やって」

絵里「やってじゃないわよ。諦め早すぎよ」

希「そんな事言われてもなぁ」

穂乃果「もう、やめようよ。こんな…高校生にもなってピーマンを克服しようなんて恥ずかしいよ」

絵里「いや、それこっちの台詞だから。いい歳してピーマン食べれないって駄々こねてる方が恥ずかしいから」

希「なあ、穂乃果ちゃん」

穂乃果「何?無理だよ?だって可能性感じないもん」

希「ピーマンって本当に美味しいんよ?」

穂乃果「いや、騙されないから。苦いの知ってるから」

希「そこがいいんやん」

穂乃果「いや、良くない」

希「穂乃果ちゃん最後にピーマン食べたのいつ?」

穂乃果「もう、忘れたよ」

希「そうやろ?それくらい食べてないんやろ?もしかしたらピーマンの味が好きになってるかもしれんよ?味の好みって成長と共に変わるから」

穂乃果「そ、そうなの?」

希「うん。案外そんなもんやって。一口食べて嫌だったらやめたらええんやから。な?」

穂乃果「じゃあ…一口だけ」

希「うん」

絵里「ハラショー。流石希ね」

希「ふふっ。苦手克服なんて大丈夫だって思い込みで意外とどうにかなるもんなんよ」

絵里「プライバシー効果ね」

希「プラシーボ効果な」

絵里「うん」

穂乃果「はむ………うえっ。苦っ」

希「まあ、それが上手くいくとは限らんけどな」

絵里「そうね」

「盗み食い」

絵里「凛?あなたね?」

凛「違うにゃ」

絵里「じゃあ、穂乃果なの?」

穂乃果「いや、違うよ。穂乃果はドリンクバー行ってたじゃん」

絵里「じゃあ、凛しか居ないわよね?」

凛「違うにゃ。凛じゃないにゃ。絵里ちゃんのアイスなんか食べないにゃ」

絵里「嘘つきなさい」

凛「嘘じゃないよ」

絵里「だいたい、あなたには前科があるんだからね。穂乃果もだけど…」

凛「知らないにゃ。本当に凛じゃないにゃ」

絵里「じゃあ、私のアイスはどこにいったの?勝手に消えたの?」

凛「知らないにゃ」

絵里「知らなくないでしょ?ずっと、この席に居たんだから」

凛「知らないにゃ」

絵里「じゃあ、凛は私がトイレに行ってる時なにしてたの?」

凛「知らないにゃ」

絵里「凛、あなたねぇ」

凛「知らないにゃ」

絵里「いや、それで貫ぬき通すつもりなの?」

凛「知らないにゃ」

絵里「だから…」

凛「知らないにゃ」

絵里「いや…もう、軽く怖いんだけど…」

凛「だって、本当に知らないもん。凛、ずっとかよちんにメール打ってたもん」

絵里「じゃあ、あなたのその口の周りについているものは何かしら?」

凛「え?」

絵里「ジ・エンドね」

凛「し、知らないにゃ」

絵里「凛…ここまで言ってまだしらばっくれるの?いい加減にしないと怒るわよ?」

凛「だって…本当に知らないもん…絵里ちゃんのバカァァァァァ」

絵里「なっ」

穂乃果「あ~あ~、泣かしちゃった…」

絵里「だ、だって…」

店員「あの~」

絵里「え?は、はい?」

店員「先ほど間違えてお客様のアイスクリームをうっかり片付けてしまいまして…新しいのをお持ちしました。申し訳ございませんでした」

絵里「え?」

凛「だから言ったのにゃぁぁ。絵里ちゃんのバカァァ」

絵里「じ、じゃあ…なんで口の周りにアイスがついてるのよ…」

凛「そんなの知らないにゃぁ」

絵里「ええ…」

凛「グスッ」

絵里「り、凛?凛ちゃーん?あの…ごめんね?アイス食べる?ジュース持ってこようか?」

凛「うぅ…グスッ…うん…グスッ」

穂乃果「穂乃果、りんごジュース」

絵里「穂乃果は自分で持って来なさい」

穂乃果「ええ…」

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