拓海「その可愛らしい外見とは裏腹の恐るべき強さと凶暴さから、瞬く間に千葉のヤンキー界隈を席巻した女……」

拓海「キャハッと無邪気に笑いながら相手の顔面がメルヘンチェンジするまでボコボコに殴ったという」

拓海「数々の問題行動や暴力沙汰を起こし２年生のときに合計丸１年以上の停学、２回の留年……」

拓海「そしてついに３年にあがることなく退学になったことから、人呼んで“永遠の１７歳”安部菜々……！」

ちひろ「え、えぇ！？その話、本当ですか！？」

菜々「な、ナナはリアルJKデスヨ……？」ﾀﾞﾗﾀﾞﾗ

拓海「まさかこんなところでアイドルをやっていたとはな……」

ちひろ「菜々さん元ヤンだったんですか……」

菜々「………………キャハッ☆」

ちひろ「ごまかせてませんよ」

？？「レッスン終わったぞー☆」

拓海「！？」

拓海「う、嘘だろ……！？あの人は……！」

ちひろ「こ、今度は何ですか？」

拓海「特攻服ではなく自作の衣装に身を包み、強力無比のパンチ力で無双した女……」

拓海「特に心臓部を殴り一撃で昏倒させる必殺技『はぁとアタック』で敗者の山を築いた」

拓海「ちなみにそれはある流派の金剛という技なのではないかとアタシは睨んでる」

拓海「自らを『しゅがーはぁと』と名乗ったが、そんな可愛らしいモンじゃ断じてねぇ……」

拓海「その絶対的なパワーはまさに“破壊神（ジャガーノート）”佐藤心……！」

心「やぁん☆その話はらめぇ☆」

ちひろ「また元ヤン……！」

拓海「伝説が二人も……どうなってやがんだこの事務所は」

ちひろ「一応聞きますけど本当ですか？」

心「ほんとだぞ☆まぁよっちゃんのほうが強かったけど」

菜々「私以外にも元ヤンがいたなんて……」

心「え、菜々パイセンも？」

？？「レッスン終わったわ」

拓海「な……！？あ、あの人まで……！？」

ちひろ「えぇ……また……？」

拓海「あの“暗血鋭神愚”の初代総長にして無敗の王者！」

拓海「その超人的な読みと天才的な理解力であらゆる攻撃をかわしきったという……」

拓海「彼女に“理解”らないものはない……まるで魔法のように相手の攻撃を避けることから」

拓海「“マジカル☆ミズキ”川島瑞樹……！」

瑞樹「あら、懐かしい呼び名ね……あのころは相手のあらゆる攻撃の軌道、わかったわ」

ちひろ「川島さんまで……」

拓海「まさかアイドルをやっていたとは……わからなかったぜ」

ちひろ（というかこの人だけ通り名のテイストおかしくない……？）

心「え、その通り名マジ？」

瑞樹「マジよ、マジカルよ」

菜々「フフッ、真顔でそれ言うのやめてください……」ﾌﾟﾙﾌﾟﾙ

瑞樹「それにしても、通り名が浸透していて嬉しいわ。寝ずに考えた甲斐があったわね」

心「自称かよ☆」

ﾜｲﾜｲ ｶﾞﾔｶﾞﾔ

？？「ただいまー！」

？？「レッスン終わりました……あら、新人さん？」

拓海（　！　？　）

ちひろ「残りの人たちも戻ってきたみたいね」

拓海「おいおいマジかよ……！」

清良「ふふ、元気そうな子ね」

拓海「返り血に染まっていない服がない“白衣だった天使”柳清良！」

早苗「ん？なーんかどっかで見たことある顔ね……」

拓海「バブルのように族崩壊“鬼の交通課”片桐早苗！」

亜里沙「一緒にがんばりましょうねっ」

拓海「“ウサコちゃんはパンチ力を抑えるためにある”持田亜里沙！」

あずさ「あらあら、ここはどこかしら～」

拓海「“暴行音痴”三浦あずさ！」

拓海「“寝かせたワインの瓶でぶん殴って相手を寝かせる”柊志乃！」

拓海「“フライト殺法の使い手”相馬夏美！」

拓海「“喧嘩のあとの一服はわかば”日下部若葉！」

拓海「“女子力（物理）”衛藤美紗希！」

拓海「“狂犬”アッキー！」

拓海「こないだ通りすがりにあたしの胸揉んできたクソガキ！」

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拓海「なんてこった……生きる伝説がそろい踏みじゃねえか……！」

ちひろ「まさかうちの事務所の大半が元ヤンだったなんて……」

ちひろ「それにしても拓海ちゃん、ずいぶん詳しいのね」

拓海「へへ、まあな！」ｺｽｯ

拓海「なんたってアタシは、特攻隊長兼────」





拓海「“解説”の向井拓海だからよ！」






おわり