男「架空の映画の予告だけを作る仕事?」 (32)
男「何の存在価値があるんですかそんな仕事」
老人「ご想像にお任せするのじゃ」
男「はぁ・・・何で俺に」
老人「まあまあ、つべこべ言わず始めるのじゃよ」
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老人「では始めようかの」
男「あのまだ俺納得してないんですけど」
老人「ちゃららちゃっちゃら~万年筆~」
男「ドラえもんみたいに言われても困りますって」
男「そもそも秘密道具じゃないじゃん」
老人「この万年筆は非売品じゃ!すごいじゃろ!」
男「非売品でもいいけど別に万年筆じゃなくても」
男「パソコンでよくない?」
老人「理由がある」
男「なんすか」
老人「うーむ、・・・パソコンは苦手なんじゃ」
男「勿体ぶったくせ何その2秒で考えたみたいな理由」
老人「別にいいじゃろ!」
老人「では、テーマを設定する」
男「しれっとやる前提になってますね」
老人「こほん。今回のテーマは、ずばり『建国』じゃ!」
男「あら意外に真面目」
老人「最強国家を作るのじゃ!」
男「ゲームのチュートリアルにありそうですね」
男「まあ、面白そうだし」
男「やりますか」
~スター・ウォーズのテーマ~
やあ!オレはスピルバーグ監督に憧れる大学生・岩尾光だ!
ひょんなことから留学することになったオレだけど、行きの飛行機が墜落!
やっとのことでたどり着いたのは、南アメリカの貧乏な集落!
集落民「ヘイジャパニーズ!俺達と一緒に独立しようぜ!」
最初は信じられなかったけど、集落にはたくさんの能力者がいて!?
オレと集落民たちのスターウォーズが幕を開ける!
ひそかな夢・・・この日々をいつか映画化するために!
男「B級映画っぽいななんか」
老人「ブラボーじゃ!」
男「マジすかありがとうございます」
老人「来週も頼むぞ!」
男「行けたら行きます」
~一週間後~
老人「やっほー!じゃ!」
男「なんで俺の部屋に来た・・・」
男「ストーカージジイなのかこの人」
老人「ストーカーとは心外な!お前しか希望がないのじゃ!」
男「もっとひどい」
老人「さて、今回のテーマじゃが・・・」
老人「『サスペンス』じゃ!」
男「相変わらず渋いところ突いてきますね」
老人「顔がくしゃくしゃじゃからの!渋い顔だけに!」
男「全然面白くないっすよ気づいてます?」
~007のテーマ~
各国の首脳だけを狙った連続暗殺事件が起きた
証拠はどこにもなく、
容疑者は、70億人。
イタリアの最強スパイ・カルツォーネは国連直命で犯人の捜索に挑む。
立ちはだかるのは、謎の黒服の敵
黒服「我々が支配者となるのだ」
カルツォーネはひとり、世界を守る戦いへと身を投じる!
カルツォーネ「俺に守れないのは・・・女との約束だけさ」
異次元のスペクタクルサスペンス、ついに降臨。
カルツォーネは世界を、そして愛する女達を守れるのか・・・!
男「こんなもんですかね」
老人「エクセレントじゃ!」
男「ジジイの癖に横文字好きだな」
老人「来週もよろ、じゃ!」
~一週間後~
老人「やっはろー!」
男「今何時だと思ってるんすか・・・」
男「朝5時ですよ」
老人「来ちゃった☆」
男 (キモッ)
老人「『キモッ』とは何事じゃ!」
男「ついに思考まで読めるようになりやがりましたか」
老人「今回のテーマ、いくぞ!」
男「よっしゃ」
老人「『日常』じゃ!」
老人「ただし、度を超えるものにせい」
老人「宇宙人大歓迎じゃ!」
男「今回注文多いですね」
老人「日常系が好きなんじゃよ」
男「んじゃ、にゃんぱすー」
老人「にゃんぱすー!がんばるぞい!にっこにっこにー!ぴょんぴょん!」
男「案外やべージジイだった」
~ETのテーマ~
やあ!私の名前はイオン!
大好きなモルくんに会いにいくため自転車をこいでいると、びっくり!
目の前に超絶イケメンな宇宙人が落ちてきた!?
宇宙人「君と心の化学反応させてくれ!」
言い寄ってきた宇宙人と、いつの間にやら同居することになった私。
UFOに乗ったり宇宙に行ったり・・・
けれど、同居がモルくんにバレて大変なことに!
さらに宇宙人保護罪で宇宙人くんは連行、私は逮捕されちゃった!
私の日常、どうなっちゃうの~!!
男「音楽が宇宙人ってところ以外全く合ってない」
男「しかも大学で化学やってるせいで名前にも反映されてるし」
老人「フィーバー!」
男「もう英語のストック無いですか」
老人「なかなかやりおるのう」
男「そりゃ3回目ですしね」
老人「わしもお前のこと・・・だんだん好きになってきたかも」
男「部屋にある塩酸ぶっかけますよ」
老人「・・・・・・」
老人「来週も頼むぞい!」
~一週間後~
老人「ちぇけらー!」
男「グラサン似合ってねえ」
老人「今日もテーマの発表じゃ!」
老人「邪魔なテレビはポチッとな」
男「古っ」
男「最近選挙したり国できたりUFOでたり忙しいんすよニュース」
老人「わしのほうが大事じゃろ」
男「別に・・・」
老人「分かった!それはつんでれじゃ!」
男「そろそろ津軽海峡に沈んでこいや」
老人「こほん。『兵器もの』をお願いするのじゃ!」
男「やけにマイナー行きますね」
老人「・・・見たいの☆」
男「キモい」
老人「今度は口に出しおったか」
男「だってキモいんだもん」
~トップガンのテーマ~
史上最高の呼び声高い物理学教授・アーロン。
天才の異名を持つ数学研究者・若林。
若くして歴史学の権威たる男・シュベライネル。
そして、努力でのしあがった生物学者、ソルティア。
彼ら四人は、とある政府からの命令で最強の空軍を作ることになるーー
「ここは重力加速度だろう!」
「いや違うね、微分の公式だ」
「ここでカルビンベンソン回路を用いれば・・・」
「俺ここにいるのおかしくない?」
凹凸な四人が1つの論文という協奏曲を奏でるとき、世界は動き出す!
学者×4のミリタリサーチ、テイクオフ!
男「なんか上手くなってきた」
老人「スタンディング・オペレーションじゃ!」
男「立つ命令ってなんだよ」
老人「それはともかく、ありがとうなんじゃ」
男「?」
老人「次で最後じゃ!」
老人「期待するとよいぞ!」
ヒラッ…
男「ん?なんか落ちたぞ・・・」
老人「ふんふふんふふーん♪」
男「あ、行っちゃった・・・」
『次のニュースです。各国の大統領や首相が連続して何者かに暗・・・』
~一週間後~
老人「こんにちはなのじゃ!」
男「はい、こんにちは」
老人「礼儀正しくなったのう~」
男「いいから本題いきましょうよ」
老人「今日はやけにやる気じゃな」
老人「ではいこうかの」
老人「本日のテーマは・・・
「「『世界大戦』」」
老人「!?」
男「分かってんだよ爺さん」
男「あんたが世界の支配者になろうとしてんのは」
老人「何故じゃ」
~一週間前~
男「ジジイ万年筆落としてったな・・・」
男「なんだこの紙?」
『アジトココ
わしは金曜いないからパスワードかけること
○×□△』
~金曜日~
男「むっちゃ遠かった」
男「アニメイトの地下にアジト作るとかジジイガチ勢だな」
パスワードニンショウカンリョウ。ヒラキマス。
男「マジで開くんかい」
男「文書室?なんだここ」
男「本全部厚いな、人殺せるんじゃないか」
男「ん?『ジジイの工○本』?」
男「見てみるしかないでしょ」」
男「・・・・・・なん・・・だと?」
~デスノートサントラ~
どこにでもいる平凡な大学生、ΧΧΧΧ。
彼はある老人から万年筆を手にいれる。
それは、「書いた映画の予告を現実世界に具現化する」能力だった・・・!
少しずつ力の強大さに気づく彼。しかし老人が万年筆を奪い、彼の記憶を消した!
老人は世界の支配者となりゆく。
ΧΧΧΧは為すすべなく倒れ、世界は老人のものとなった・・・
~回想終了~
男「もうあの文書を見て悟りましたよ」
男「そして、実際に起こった建国、殺人、UFO、最近の兵器開発」
男「さらに、建国で自分の国家を作り、首脳を殺して世界を混乱させ、最強の兵器を開発した」
男「UFOは殺人の宇宙人説を作り出すためだ」
男「これで、世界大戦への全てのピースが揃う」
老人「勘づかれたなら仕方ないのう」
老人「じゃが書いてあった紙のインクは、にじんでも『消えない』」
老人「この予告は残るんじゃ」
男「そうはいかないんすよ」
老人「なんじゃと!?」
老人「塩酸を紙にかけた!?」
男「正確には塩酸と次亜塩素酸ナトリウム、ですがね」
男「この二つがあれば、化学反応の結果インクを消すことができるんですよ」
男「化学学んどいて正解っすね」
老人「なぬぅ・・・」
老人「ならば、お前を殺して万年筆を奪ってやるのみ」
男「無理っすよ」
男「俺が何にも対策してないと思ってる?」
~ターミネーターのテーマ~
記憶を失った男、ΧΧΧΧ。
彼は伝説の万年筆を手にいれ、最強ともいえる技ーー予告拳を体得した。
その代償は、これまでの万年筆で具現化したもの、
そして万年筆そのもの。
ΧΧΧΧ「今この手で野望を止める」
決意の拳はいま、解き放たれる!
老人「そうか・・・」
老人「自分で予告を作ったんじゃな・・・」
老人「完敗じゃ」
男「老人、ちょっとだけ俺は楽しかったっすよ」
男「せめて、安らかに眠ってください」
男「ーーーー予告拳ッ!!」
老人「・・・・・・ありがとう」バァン
男「・・・ふぅ、終わったな」
男「じゃ、映画館行きますか」
男「俺の予告がどれだけ酷いのか見にね」
完
以上で完結です。ご覧いただきありがとうございました!
(日付またいでID変わってますね…)
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