ちんじゅふの こ わ い 話 (11)
響「熱いね……」グデェ
雷「熱いわね……」グッタリ
電「熱いのです」しおしお
暁「熱い熱い言ってるから余計熱くなるのよ!そんなのレディの言う事じゃないわ!」!かすんぷ
雷「この熱さがどうにかなるのなら、レディじゃなくたっていいわ……」
響「クーラーを……」
電「今日は壊れていて使えないのです……」
響「……うぅ……熱い……死ぬ……」
暁「っ!だから熱い熱いって言わないでよね!」
雷「でも熱いものは仕方ないじゃない……」
暁「うっ、それは……そうだけど……」
電「何か涼しくなるような事でもすればいいのです……」
暁「そうよ、それだわ!」
雷「それで何か案はあるの?」
暁「ふにゅっ」
響「…………怖い話なんてどうかな?」
暁「ふええぇぇっ!?」
雷「いいわね、それ!」
暁「で、でもでもっ、もっと他にも涼しくなるような事が……。ほ、ほら海に出るとか!」
響「遠征で嫌になるほど海に出てるじゃないか」
電「えっと、怖いお話に聞き入ってたら熱いのも忘れられると思うのです」
暁「じゃあ、えっとえっと……」
雷「あ~、もしかして暁怖いんだぁ~」
暁「こここ、怖くなんてないわよ?全然平気だし?」
響「なんで疑問形なのかな……」
暁「と、とにかく怖い話なんて平気へっちゃらだもんっ!」
雷「なら一番手は暁で決まりねっ!」
暁「ふぇぇぇぇっ!?」
雷「怖くないんでしょ?」
暁「そ、それは……」ごにょごにょ
響「決まりだね」
暁「響っ?」
電「ごめんなさい暁ちゃん。電もちょっと聞いてみたいのです……」
暁「電までっ!?」
響「そういうわけだから観念するんだね」
暁「うぅ~……」
暁「し、仕方ないわねっ。泣いても知らないんだからっ」
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暁「あれは春先くらいだったかしら……レディな私は恐れることなく真夜中に一人でトイレに向かったの」
響「私が断ったからだね」
暁「余計な事言わないでっ!……とにかく私はたどり着いたの」
暁「そこは薄気味悪いくらい静かだったわ。水滴の音すら聞こえるくらいにね」
・
・
・
暁「誰か居る?」
暁「…………も、もちろん誰も居ないわよね……」
暁「レレレディは怖くなーい。一人だってへっちゃら~」
ぴちょん
暁「ひっ!」
暁「みみ水の音よね!絶対そう!分かってるんだもんね!」ガタガタ
暁「早くすませて……べ、別に怖いわけじゃないんだからね!」ガチャリ
暁「一番近いところで……」ぬぎっ
暁「うんっ……ふっ……」ちょろっ
――トントン――
暁「――!!」
暁(なに、今の音……?)
――トントントン――
暁(気のせい?ううん、違う。音がしてる。誰か……何かがドアを叩いてるんだ!)
神?「……て……やく出……」
暁(何なの?この何かを押し殺してるような、今にも何かが終わってしまいそうな声は?)
?風「出て……やく……てよぉ!」ドンドン
暁(いやっ!だんだん強くなってきてる!……ドアの前に居る『何か』が怒ってるんだわ)
??「はや……ねがい……!」ダンダン
暁(こ、怖い!)ぎゅむっ
??「出てきて~~!」ガンガン
暁(耳をふさいでも声が聞こえてくる!それにドアが今にも壊れそうなほど震えてるっ)
??「は~や~く~」
暁「こっ来ないで!!」
??「――!?」ビクッ
暁「絶対出て行ってあげないんだからっ!!」
??「…………」
暁(急に音がやんだ……)
――ぴちょん――
暁「なにっ?」
??「うっ……」
――ぴちょんぴちょん――
??「あっ……ひぐっ……」
暁「い、いやぁ!ドアの下から水がぁ……!」
??「ダメ……った……メ……よぉ……」ぴちょぴちょ
??「あなた……なんだ……ら」
??「ゆ……さな……」ドンドン
暁「ひっ」ゾゾゾッ
??「出て……なさ……」ドンドン
暁「もう……いやっ!!」ガチャリ
??「えっ!?」
暁「ふぇぇぇっ」ダダダダ
・
・
・
暁「それから私は急いで司令官を呼んできたけど、あの時の『何か』も水も、何もなかったわ……」
雷「それは……不思議ね……」
電「不思議なのですか?それって……」
暁「だから私は真夜中に一人でトイレに行きたくなったら司令官に飲んでもらう事にしてもらってるわ!」
響「うん、なら仕方ないね」
電「仕方ないのですか?」
雷「良い感じに涼しくなってきたわねそれじゃあ……」
響「次は私が行くよ」
響「あれは私が下着を更衣室に忘れた時のことだった……」
・
・
・
響「危ない危ない。私としたことが下着を履き忘れるだなんてね……」
響「ん?電気が点いてるようだね。誰か居るのかな」ガチャリ
R?「……ない……がない……」ゴソゴソ
響「なんだ?何か……これは……殺気?」
?J「違うわ……のとちゃう……りへ……けや……」
響(危ないね。これはロッカーに隠れておいた方が良さそうだ……)
??「そや……し底上げ…………や」
響(何か手に……?)
??「すこーし……し……気付……へんくら……」
??「いちま~い……くふっ……ふふっ。ええでええで……」
響(これは……まさかあの有名な番町皿屋敷!?だとしたら9枚目の後の泣き声を聞いてしまったら私は……)
??「に~ま~い。うんうん。ちょっとだけ。あくまでもちょっとだけ増えたように見えるんやないか?」
??「でもこれやとまだ誰も気付かんかもしれへんな、うんうん」
響(何か逃げる方法は……。まずいな。ロッカーに逃げ込んだせいで逆に身動きが取れなくなったぞ)
??「さんま~い。おおっ、ウチにも胸の谷間が……!」
??「いやいや前からあったで?間違いなく立派なモンがあったんやで」
響(鏡に向かって固まってる……今がチャン……)ガタッ
??「よん……誰や!?」
響(しまった!このままじっとしていれば……」
??「誰か居るんかぁ!」ガチャリ
??「ここか!?」ガチャリ
響(お願いだ……バレないでくれ……)
??「ちっとばかし神経質になりすぎたか」
響(ほっ、捕まらなかったようだね……)
??「でもなぁ……ごーまいっと。……うん、あかん。入れ過ぎてもうてズレてもうてる」
??「乙女の可愛い夢すらぶち壊すのが現実ゆうもんや……」
響(番長皿屋敷で襲われるなんて聞いたことないけど、捕まれば大変な事になりそうだね……)
??「……そや!服着てまえば……。ろ~くま~いっと。おお、前のちっとばかし平均より下なだけの胸が……平均より上回っとるで!」
??「これならズレへんし……他の人にもバレへんで!」
響(数え終わる前にここから逃げ出すのは無理そうだね。何か別の方法を考えないと……)
??「……そや。揺れるっちゅー感覚を味わってみたいな」
??「しちま~い」
??「おお……。おおおっ」ゆさゆさ
??「これが揺れるっちゅー感覚か。くーー!」
響(そうだ。確か最後の一瞬。泣き出す前に……)
??「次は重いっちゅーのを……はっちま~い」
??「ん~、あんま変わらへんな。それじゃあもう一枚……」
響(――っ!今だ!)
??「きゅ~うまいっ……」
響「十枚っ!!」ガチャン
??「へ?」
響「今のうちにっ!」ダダダッ
??「み、見られとっ///」
??「ふぎゃああぁぁぁぁ!!」
・
・
・
響「後から聞いた話だけど、彼女を退治するには大きいおっぱいを見せつけるのもいいらしい」
響「だから私は毎日司令官に揉んでもらっているのさ」
雷「へー、でも司令官の好みは胸が小さい方だって聞いたわよ?」
電「その前におかしな事が聞こえたのですぅ。エッチなのはいけないのです!」
暁「レ、レディにも少しは必要よね」
雷「そうね、聞いてみようかしら……」
響「でもせっかく興が乗ってきたんだ。雷たちの話を聞いてからにしないかい?」
雷「う~ん、それもそうね。じゃあ、私からいくわよ。いいかしら、電?」
電「は、はいなのです」
雷「私はついこの前、執務室に遊びに行った時の事を話すわ」
雷「その時、執務室には誰も居なかったの。でもね、不思議な事に机の上に古ぼけた通信機が一つだけ置いてあったの」
雷「その通信機ね。私が手に取ったら急に起動したのよ。そして……」
・
・
・
??「チェック・ワン・ツー。今、鎮守府の敷地外に居ます」ガガガ
雷「急に何かしら……」
雷「何かの間違いよね、きっと。しれーかーん?」
雷「ん~、おかしいわね。司令官が見当たらないわ……」
??「ガガッ」
雷「あら?さっきの……」
??「チェック・ワン・ツー。今、鎮守府の入り口に居ます」
雷「え?鎮守府には許可がないと立ち入れない様に……もしも~し」
雷「……駄目ね。もう通じてないわ。これは、今度来た時に教えるしかないわね」
??「チェック・ワン・ツー。今、鎮守府の――」
雷「勝手に入ったら駄目よ!ちゃんと許可貰わないと!」
??「…………」
雷「ダメね。もう切れてるわ」
雷「人の話を聞かないなんて何て人かしら」ぷんぷん
??「チェック・ワン・ツー。今、中庭に居ます」
雷「……だんだん、近づいてきてないかしら?」
雷「まさか……そんな……」
??「チェック・ワン・ツー。今、本館入口に居ます」
雷「本当は入れるはずないのに……。なんで入ってこられるの?」
??「チェック・ワン・ツー。今、本館一階階段前に居ます」
雷「もしかして……他の人には見えないの?」
??「チェック・ワン・ツー。今、階段を上がり終えました」
雷「いやっ!だ、誰か助けを……。ダメ、何にもない……」
??「チェック・ワン・ツー。今、二階廊下を歩いてます」
雷「こ、ここから逃げないと……。急いだらまだ――」
??「ザザッ」
雷「ひっ」
??「チェック・ワン・ツー。今、執務室入り口前に居ます」
雷「いやっ!逃げられない!立て籠もるのは……司令官の机!ここに隠れるのがいいわ!」
雷「早く……」サササッ
雷(声を出しちゃダメ……息を殺していれば……)
??「チェック・ワン・ツー。今、司令の机の前に居ます」
雷(大丈夫大丈夫。きっと平気へっちゃらなんだから……)
雷(すーはーすーはー…………)
雷(何も音がしない。大丈夫かしら?)
雷「行った――」
??「今あなたの後ろに居るわよ~」
雷「ぴぎゃーーーー!!」ダダダ
・
・
・
雷「その後走り回ってようやく見つけた司令官のお陰で何もなかったわ」
響「まあ、何かあったらこうして話も出来ないしね」
雷「そんなこと言わないの。そうして司令官は私の背中をいつも守ってくれてるのよ」
電「え?」
雷「ね~、司令官」
提督「……」b
電「はわわわわぁ!なんで椅子になってるんですか、司令官さん!」
提督「……」b
電「とってもいい笑顔で親指立てないでくださいなのです!」
暁「し、司令官、そろそろおトイレ行きたいんだけど……」
提督「……」b
電「任せろ!みたいな満面の笑み浮かべちゃダメなのです!変態さんなのです!」
響「司令官は大きいおっぱいと小さいおっぱいのどっちが好きなんだい?」
提督「……」b
響「そんな///私のおっぱいだなんて///」
電「司令官さんはなにも言ってないのに何で分かるのですか!」
電「も~、司令官さんが一番怖いのですぅ!!」
以上で終わりでございます。最後まで読んでいただきありがとうございます。
聖水というものはすばらしいですよね。
凍らせてかき氷にしても良し、直飲みもよし、煮詰めてソースにしても良し。ごはん十杯はいけますね。
それでは皆様も駆逐ライフをお楽しみくださいそれでは~
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