苗木「女の子になった…」 (681)
朝
苗木「朝か…何か体がだるいな」
苗木「てか何か体に違和感が…」
苗木「」
みたいなね
そうだね自分文章能力無いのが悲しいよ
霧切「ここまで舐めればわかるわね」ペロペロ
苗木「わからないよ…」
誰か書いて下さい
シナリオ書いとく
苗木女の子になる見ため可愛い
誰かに見つかる
モノクマ仕業だと知る男に戻れない
苗木「上がある…デカイ」
苗木「下はやっぱり無い」
苗木「えっ何で女の子に!?」
苗木「どうしてこうなった…」
みたいなね
苗木「どうしよう服もぶかぶかだしなぁ」
苗木「とりあえず皆に言ったほうがいいよね」
苗木「部屋から出よう」
みたいなね
モノクマ「うぷぷぷ~そのほうが面白いでしょ」
苗木「ちょっと酷いよこんなの!」
モノクマ「男の子が完璧な女の子になれるなんてそうそうないんだよ? 超高校級の幸運は伊達じゃないねぇ~」
……
苗木「って事があったんだ」
葉隠「それで女の服来てたんだべ」
霧切「とりあえず苗木くんが変態ではないという事だけは分かったわ」
的なの誰かはよ
>>19
どうぞ
食堂
苗木「皆…おはよう!!」
舞園「えっどなたですか?」
霧切「何で苗木君の服を着ているのかしら?ピキピキ」
山田「ブッヒイイイイイ新キャラキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!」
桑田「すげぇ…可愛い!!」
苗木「苗木です…」
霧切「えっ」
舞園「えっ」
セレス「えっ」
朝比奈「えっ」
腐川「えっ」
大神「えっ」
戦刃「えっ」
不二咲「えっ」
桑田「えっ」
十神「…(えっ)」
葉隠「えっ」
山田「ファッ!?」
石丸「うほ♂」
大和田「うほ♂」
苗木「えっ」
舞園「嘘じゃないですよね…?」
苗木「本当なんだよ!だから包丁向けないで!!」
霧切「でもどうしてそうなったのかしら?」
苗木「僕にもさっぱり」
モノクマ「うぷぷそれは僕がやったのです」
苗木「モノクマ!?」
苗木「やっぱりお前の仕業か!!」
モノクマ「だってオマエラが絶望する姿が見たくてしちゃいました!」
モノクマ「うぷぷじゃあね」
苗木「あ、待て!!」
苗木「くそ、逃げられた…」
霧切「とりあえず苗木君なのね…」
苗木「そ、そうなんだよ(何かヤバイ)」
霧切「おっきい…」
苗木「えっ」
―――――――――――――――
苗木君と霧切さんは幸せになりましたとさ
おわり
コンマが55以下なら仕切りなおして俺が書く
>>35
期待
>>35
どうそま
苗木「・・・ない」サワサワ
苗木「・・・ある」モミモミ
苗木「ああ、わかったぞ!これは夢なんだ!」
苗木「よし寝よう!」
・・・
苗木「おかしい・・・」
苗木「というか夢ってこんなに鮮明としていたかな・・・・」
苗木「もっとぐにゃぐにゃした感じのはず・・・」
苗木「つまりこれは・・・夢じゃない?」
コンコン
苗木「!ひゃい!」
舞園「苗木君?良かったあ・・・みんな起きて来てるのに苗木君が来ないから何かあったのかと思ってしまって・・・」
苗木「あ、う、うん。大丈夫!」
舞園「それではみんな待ってるので来てくださいね?」
苗木「わ、わかった」
苗木「ど、どうしよう・・・」
苗木「とりえず行くしかないか・・・」
食堂
舞園「苗木君!おは・・・よ・・う・・・ございま・・・・・・・え?」
ザワザワ
苗木「・・・」
霧切「えっと・・・どちら様かしら?」
苗木「僕だよ」
苗木「僕だよ」
霧切「それは違うよ」
支援
支援
誰も性転換したことに気づかない展開かと思った
④
舞園「苗木くん……髪、少し伸びました」
苗木「そ、そうだね」
朝日奈「何か声高くない?」
苗木「ちょ、ちょっと風邪引いちゃって……ごほんごほん……あはは」
霧切「胸に詰め物をしているのは何のお遊び?」
苗木「な、なんとなく……」
セレス「……」モミッ
苗木「ひゃあぁっ! な、何するのセレスさん!」
セレス「……詰め物ではなく本物ですわね」
ざわ……ざわ……
葉隠「ほ、ホントに苗木っちなのか? なんつーか、その……」
不二咲「かわいい……」
桑田「……ごくり」
大神「まあ……元々可愛らしい顔立ちをしてはいたが……」
苗木「も、もう大神さんまで!」
モノクマ「おまえらって酷い奴だねぇ、友達の顔を一日で忘れるなんて」
腐川「ぎゃああ! い、いつのまにいんのよあんた!」
モノクマ「苗木くんがあんまりにも不幸で可愛そうで見てらんないから来ちゃった。うぷぷ」
モノクマ「ぶっちゃけ、そこにいるのは正真正銘、苗木誠くんでーす!」
モノクマ「朝起きたら女になってる……全世界の男子の夢だよねぇ。エクストリーム! だね!」
苗木「少なくとも僕は夢見たことないよ……」
石丸「モノクマ! これも君の仕業なのか!?」
モノクマ「さぁねぇ。どうだろうねぇ」
葉隠「ぜってーこいつの仕業だべ……」
苗木「は、早く元に戻してよ!」
モノクマ「どうしよっかなー。おまえらがコロシアイ始めたら考えてやろうかなー。うぷぷぷぷ」
苗木「っ! お前……!」
モノクマ「まあ、元に戻る薬は絶賛開発中! だから楽しい楽しいコロシアイでもして時間潰してなよ。それじゃねー」
苗木「あっ! ま、待て!」
苗木(くっ……もしかして『動機作り』なのか……?)
苗木「っ! みんな! 殺し合いなんて絶対ダメだからね!」
一同「……」
苗木「? みんな?」
桑田「ああ、言われなくてもやらねぇけど」
山田「むしろ維持でもやらない。させない」
苗木「えー……」
支援
セレス「少なくとも動機にはなり得ませんわね」
不二咲「かわいい……」
大和田「別にこのままでもいいんじゃねぇか?」
石丸「し、しかし困っている友人を見捨てるのもどうかと……い、いや、だが殺し合いが起きるのは避けねば……むむむ」
葉隠「まあ、今困ってんのは苗木っちだけだしな。別にこのままでもいいべ」
苗木「ひどい!」
江ノ島「…………」
十神「そんなことより苗木。今、お前が置かれている状況を理解しているか?」
苗木「え? ま、まあ……性転換なんて理解しがたいけど……」
十神「そうじゃない。モノクマは『コロシアイが起きたらお前を元に戻す』と言ったんだ」
山田「戻すとは言ってない、ですぞ」
十神「どちらでもいい。そして、お前以外は全員お前が元に戻ることを望んでいないか、どうでもいいと思っている」
苗木「え? そうなの……?」
一同「……」
苗木「泣いていいかな」
十神「つまりだ。今、人を殺す動機があるのは……苗木、お前だけだ。『男に戻る』という動機がな」
苗木「!! ちょ、ちょっと待ってよ! 僕は……」
舞園「苗木くんはそんなことで人を殺したりしません!」
朝日奈「そ、そうだよ! そんなことで殺人起きてたらキリ無いよ!」
セレス「そんなことで殺人を起こす度胸が彼……彼女にあるとは思えませんわね」
苗木「そこまで言われると流石に否定したくなるよ……」
石丸「な、苗木くん!?」
苗木「え? あっ! 違う! 人殺しなんてしない! しないよ!」
十神「ふん、どうだかな……俺は可能性の話をしているだけだ」
腐川「白夜さm……十神くんの言うとおりよ! この女、どこかに拘束しておきましょうよ!」
苗木「うぅ……」
不二咲「そ、それは流石にかわいそうだよ……」
大神「……では、苗木の単独行動を禁ずれば良いのではないか?」
大和田「常に誰かと一緒にいさせるってことか?」
朝日奈「交代で見張り役する、みたいなことかな」
霧切「……良い案ね」
大神「無論、苗木のことを疑っている者は参加せずとも良い」
大神「我は苗木を信じている。そして、困っている苗木を放っておくこともできん」
苗木「お、大神さん……!」ウルウル
大神「苗木は生活しづらくなるかもしれんが……良いか?」
苗木「う、うん。それでみんなが安心できるなら……」
霧切「見張り役は一日交代が適切かしらね。私も協力させてもらうわ」
桑田「俺も!」バッ
山田「拙者も!」バッ
桑田山田(女の子と一日一緒にいられると聞いて)
葉隠「おめぇら……欲望に忠実すぎるのも考え物だべ……」
大和田「お前等、中身は苗木だぞ……」
山田「私は一向に構わんッッ!!」
桑田「なんとか脳内で見知らぬ女の子に変換してみせるわ」
苗木「桑田くん!?」
桑田「へへっ、冗談冗談」
石丸「もちろん、僕も協力するぞ! 共に元に戻る方法を探そうではないか! 苗木くん!」
不二咲「ぼ、僕も!」
セレス「面白そうなので、私も参加しますわ」
葉隠「つーか、もう全員参加で良いべ」
舞園「当番制にするんですね? 順番はどう決めるんですか?」
葉隠「んじゃ、いっちょ俺がおみくじでも作ってやるべ!」
セレス「何やら胡散臭いので遠慮しますわ」
朝日奈「じゃんけんでいいよ、じゃんけんで」
<ジャーンケンホイ アーイコデショ
苗木(なんか……みんなが楽しそうに見えるのは気のせいかな……)ポツン
十神「……苗木、ちょっとこっちに来い」
苗木「? 十神くん?」
苗木「十神くん、じゃんけんしなくていいの?」
十神「どうでもいい。余っている順番で良いと言ってきた」
十神「それより、お前はどうやら俺の言いたかったことを理解していないようだな」
苗木「え?」
十神「動機があるのはお前だけだと言ったな。裏を返せば、お前が殺人を犯す可能性が極めて低いと言うことだ」
十神「そんな状況で人を殺すのは余程の間抜けか狂人だ。お前はそのどちらでもない」
苗木「うん……あれ? 今褒めてくれた?」
十神「茶化すな。死にたいのか」
十神「だが仮に、殺人が行われたとする」
苗木「し、しないよ! 絶対しない!」
十神「最後まで聞け。仮に、『お前の犯行ではない』殺人が起きたとする。しかしアリバイのない容疑者は複数いて、そこにお前が含まれていたとする」
十神「疑われるのは誰だ?」
苗木「……」
十神「回りくどい言い方をやめてやる」
十神「お前は今、罪をなすりつけるのにうってつけの人物だと言うことだ」
苗木「そ、そんな……」
十神「だが、命拾いしたな」
苗木「え……?」
十神「どこまで鈍いんだお前は……」
十神「見張り役が常にお前の横にいるんだ。つまり、お前のアリバイはお前が女である限り保証されるということだろう」
苗木「あ、そっか……」
苗木「……ねぇ、十神くん。もしかして、君はそのためにみんなの前であんな話を……?」
十神「俺が苗木の為に動いたとでもほざくつもりか?」
苗木「い、いや……もしかしたらって……だとしたらお礼を言わないと……」
十神「勘違いするな。俺はただ、この状況で殺し合いが始まっても面白くないと思っただけだ」
十神「それに、見張り当番のことを言い出したのは大神だ。礼なら奴にでもくれてやれ」
苗木「十神くん……」
十神「……その気色悪い目をやめろ」
十神「……最も、あそこでジャンケンに興じているやつらは別のことで頭がいっぱいになっているかもしれんがな」
苗木「? どういうこと?」
十神「奴らが持っている当番表、何と書いてあったか教えてやろうか」
苗木「な、何?」
十神「……『誠ちゃん独り占め当番表』、だ」
苗木「………………」
十神「………………」
苗木「………………」
十神「なんだその目は。文句は奴らに言え。主に山田に」
苗木「十神くん、何だか猛烈に自殺したいよ僕は……」
十神「ふん……やるなら上手く他殺に偽装して自殺するんだな。でないとつまらん。じゃあな」スタスタ
苗木「………………」ズーン
腐川「苗木ィィィ」
苗木「ひゃあっ! ふ、腐川さん……」
腐川「何白夜様と楽しく会話してんのよぉぉぉ!」
苗木「あんまり楽しい会話じゃなかったよ……」
腐川「うるさい! この髪か! このサラサラヘアーが白夜様を!」
腐川「それとも乳か! この乳で白夜様をたぶらかそうとしてんのかぁぁぁ!」ガバッ
苗木「あっ、あっ……ふ、腐川さ……やめてぇぇぇぇ……」
山田桑田「……」グッ
大和田「お前等何余所見してんだ? 後出しで負けな」
山田桑田「あっ……」
《苗木の部屋》
苗木「うぅ……酷い目にあった……」
苗木「はぁ……これからどうなるんだろ……」
苗木「殺し合いが起きなかったら……このまま……イヤだなぁそんなの……」
苗木「……スースーする……落ち着かない」
コンコン
苗木「?」
苗木(……今日の見張り役が来たのかな)
ガチャ
舞園「その通りですよ、誠ちゃん!」
苗木「…………」
舞園「?」
苗木「な、何がその通りなの?」
舞園「ですから、今日の見張り役が来ました!」
舞園「心の声は筒抜けです。エスパーですから」ドヤッ
苗木「そう……」
舞園「……元気ないですね」
苗木「そりゃ、こんなおかしなことになってて元気な方が不思議だよ……」
苗木「後、誠ちゃんって……」
舞園「イヤでした?」
苗木「イヤじゃないけど……な、何か恥ずかしいよ……」カアァ
舞園「」キュン
舞園「抱きしめていいですか」
苗木「へ?」
舞園「何でもないです。エスパーですから」
苗木「な、何かおかしいよ舞園さん」
舞園「それより、今日は誠ちゃんにプレゼントを持ってきました」
苗木「プレゼント?」
舞園「はい! じゃーん、私のスカートと下着です! あげます!」
苗木「」
舞園「? 誠ちゃん?」
苗木「い、いやいやいやいや」
苗木「そんなものもらえるわけないでしょ!」
舞園「! そ、そんなものって言われた……」ガーン
苗木「そ、そういう意味じゃなくて……」
舞園「ちゃんと洗ってあるから大丈夫ですよ?」
苗木「そういう問題でもないよ……」
舞園「まあまあ遠慮しないでください」
舞園「そうだ! 着替え手伝いますよ!」ガシッ
苗木「手伝うだけなら羽交い締めにしなくても良いんじゃないかな!?」
舞園「題して『苗木誠改造計画』ー♪ さぁ、脱ぎ脱ぎしましょー」ガバッ
苗木「あぁぁぁ待って待って! わかった自分で着替えるから落ち着こう! ま、舞園さ……」
<アッー
舞園「ふぅ……」ツヤツヤ
苗木「うぅ……またしても酷い目にあった……」
舞園「スカート似合ってますよ! かわいい!」
苗木「もうちょっと長いスカート無かったの? 舞園さん……」
舞園「パーカーが良い味出してます!」グッ
苗木「無視しないで舞園さん……」ウルウル
舞園「抱きしめていいですか」
苗木「!?」
舞園「ごめんなさい、つい。エスパーなもので」
苗木「エスパーは何の免罪符にもならないよ……」
舞園「じゃあさっそくみんなに見せびらかしに行きましょう!」
苗木「えぇ!? イヤだよ! これ、僕にとっては女装と何も変わらないからね!?」
舞園「女の子が女の子の恰好しただけです! 誰も笑いません!」
舞園「元に戻るまでの間だけですよ? こんなことできるの」
苗木「ま、まあそうだけど……いや、そもそもやろうと思ったことない……」
舞園「じゃあ、食堂にレッツゴー!」
苗木「わわっ、引っ張らないで……」
苗木(……舞園さん、楽しそうだな……)
舞園「~♪」
苗木(まあ、これはこれで……)
朝日奈「うわあぁぁ苗木かわいいねぇ」
セレス「パーカーとアンテナが無ければ誰だかわからないほどに女の子してますわね、苗木"さん"?」
大和田「ぶはははは! 似合いすぎだろ苗木ぃ!」
舞園「もう! 笑っちゃダメです大和田くん!」プンスカ
苗木(へ、部屋に帰りたい……)
山田「どうです桑田殿? あのミニスカの破壊力たるや……」
桑田「すげぇな……舞園と並ぶとまさに聖域だな」
山田「うむ」
桑田「ホームベースみたいな白さだな……今すぐあそこにスライディングしてぇ」
山田「その喩えはどうかと思いますぞ」
舞園「じゃ、戻りましょうか誠ちゃん」
苗木「え? あ、うん」
朝日奈「もう部屋帰っちゃうの? おやつでも食べていけば良いのに」
舞園「ふふっ、今日一日誠ちゃんは私のものですから。二人っきりを楽しみます」ギュッ
苗木「ちょ、ちょっ……舞園さん……」
セレス「貴女もよくよく罪な女ですわね、苗木さん?」クスクス
桑田(許せる)
山田(ごちそうさまですな)
江ノ島「……」モグモグ
すまん寝る
明日残ってたら書く
無かったら速報でも行って書く
おやすみ
超高校級の感謝
着地点見つかんないけどゆるゆる続けてみるね
《舞園の部屋》
苗木(舞園さんの部屋……すごく良い匂いがする……)
舞園「……」ニコニコ
苗木「あ! ご、ごめん! 女の子だからそういうところにも気を使ってるんだなぁと思って! 決して変な意味じゃ……!」ブンブンブン
舞園「私は何も言ってませんよ?」
苗木「……」
舞園「誠ちゃんの部屋は誠ちゃんの匂いがして素敵な空間でした」
苗木「も、もう!」
………………
…………
……
舞園「────それで、向こうのプロダクションのアイドルたちと仲良くなって、動物園行ったりラーメン食べに行ったりしたんですよ。楽しかったなぁ」
苗木「へぇぇ……何か良いね、そういうの」
苗木(ラーメンは意外だけど……)
舞園「ふふっ……ここを出たら、誠ちゃんともお出かけしたいです」
苗木「その頃には元に戻ってると信じたいよ……」
舞園「ええ……苗木くんとお出かけしたいです」
苗木「……」ドキドキ
舞園「あっ、も、もうこんな時間でふね!」アセアセ
苗木(噛んだ……)
苗木「そうだね。もうすぐ夜時間だし、自分の部屋に……」
舞園「? 何言ってるんですか?」
苗木「へ?」
舞園「泊まっていくんですよ。私の部屋に」
苗木「」ピシッ
舞園(誠ちゃんが石化した……)
舞園「みんなと話し合った結果です! 苗木くんのアリバイを確実にするためですから」
苗木「き、気持ちはありがたいけど……その……良いの?」
舞園「はい。誠ちゃんを信じてますから」
苗木(……それって裏を返せば、僕を男として見てないってことだよなぁ……はぁ)
舞園「少なくとも今は女の子ですから♪」
苗木「そうだね……あはは」
舞園「じゃあ、パジャマに着替えるので向こう向いててもらえますか? さすがに着替えを見られるのは恥ずかしいので……」モジモジ
苗木「基準がわからないよ舞園さん……」
………………
…………
……
舞園「すぅ……すぅ……」
苗木(ベッドが一つしかないからこうなるのはわかってたよ……うん)
苗木(床で寝るって言ったのに……許してくれなかった……)
舞園「まこ……ちゃん……かわいすぎ……ふふふ……」
苗木「…………」
苗木「はぁ……できれば男としてここに居たかったなぁ……なんて」
舞園「なえぎ……く……ん」
苗木(い、息が……)ドキドキ
舞園「私が……守って……むにゃ……」
苗木(! ありがとう、舞園さん……)
舞園「エスパー……れすから……すぅ……」
《翌日 食堂》
苗木(一睡もできなかった……)
舞園「ごめんなさい……落ち着けなかったですか?」
苗木「ま、舞園さんのせいじゃないよ。なんか寝付けなくて……あはは」
舞園「そうですか……」
舞園「じゃあ、私の当番はここまでです。また2週目でたくさんお話しましょうね!」
苗木「2週目って……僕半月以上女のままってことに……」
大和田「よぉ苗木。今日の当番は俺だ。よろしくな」
苗木「よろしく、大和田くん」
大和田「…………はぁ」
苗木「大和田くん、どうかしたの?」
大和田「いや……体育館でのこと思い出してよ」
苗木「?」
大和田「くそっ……女にゃ手を上げねぇって心に誓ってたのによ……マジで悪かった……」
苗木「いや、あのとき僕男だったからね」
大和田「何か償いをしなくちゃ気がすまねぇ! 俺にできることがあったら何でも言ってくれ!」
苗木「だ、大丈夫だよ。気にしてないから」
苗木「大和田くんが私のこと思ってくれてるだけで充分だから、ね?」
大和田「……」
苗木「? 大和田くん?」
大和田「やめろ! 俺にそっちの趣味はねぇ!」
苗木「大和田くん!?」
大和田「はっ……わ、わりぃ、取り乱した……」
苗木「う、ううん、大丈夫」
大和田(ん? 何か今……おかしくなかったか……?)
大和田「なぁ、苗木。お前……」
苗木「それより、朝ご飯食べない? 僕、お腹空いちゃって」
大和田「お、おう……」
大和田(気のせいか……?)
………………
…………
……
大和田「で? 舞園との夜はどうだったよ。やることやったのか?」ニヤニヤ
苗木「な、何もないよ! あるわけないでしょ!」
大和田「まあ、やるにしてもモノがねーもんな……」
苗木「朝からやめようよ……そういう話」
苗木「はぁ……」
大和田「お前、溜め息ばっかついてっとあれだ……ええと、死ぬぞ?」
苗木「死ぬの!?」
大和田「間違えた。幸せが逃げんぞ。ま、少しばかし逃げても大丈夫か。なんたって超高校級の幸運だもんな」グビグビ
苗木「今自分の不幸を噛みしめてる真っ最中だけど……」
大和田「ま、あんま深刻になんなよ。その内戻れんだろ」モグモグ
大和田「俺もできる限り協力するからよ。まあ……その代わり、なんかしら見返りを要求すっかもしれねぇけどな」ニヤリ
苗木「えっ! ま、まさか身体でとか……」ザッ
大和田「そ、そういう意味じゃねぇ! 身をよじんな!」
《廊下》
苗木「そういえば大和田くんって自由時間は何してるの?」
大和田「基本、体動かしてるな。桑田とキャッチボールしたり、大神と筋トレしたり、山田でサッカーしたり」
苗木「ふーん……」
大和田「バイクがありゃバイクいじって時間潰せんだけどよ……」
苗木「あ、バイクじゃないけどそれっぽいものならこの前手に入れたよ」
大和田「マジか!?」
苗木「うん。僕の部屋にあるから取りに行こっか」
苗木「はいこれ」
大和田「……なんだこれ」
苗木「? ローラースリッパ」
大和田「バイクの要素がねぇ!!」スパーン
苗木「あぁっ! そんな強く地面に叩きつけたら壊れちゃう!」
大和田「タイヤだけだろーが! これのどこいじれってんだよ!」
苗木「ちゃ、ちゃんと走れるよ」
大和田「ナメてんのかおらぁっ!!」
苗木「ひぃっ!」ビクッ
大和田「! わ、わりぃ……」
苗木「う、うん……」
苗木「あ、あんまり気に入ってもらえなかったみたいだからこれはしまっておくね……」
大和田「……待て。よこせ」
苗木「?」
大和田「……意外に安定すんじゃねぇか」
苗木(今更だけどスリッパにローラーって……)
大和田「おっし。背中に乗れ、苗木」
苗木「へ?」
大和田「久しぶりに風になってやんよ」
大和田「ヒャッハー! "待"ってたぜ! この"瞬間"をよォ!!」
ゴォォォォォ
苗木「ひぃぃぃぃっ! なんでこれこんなスピード出るの!? エンジンでもついてるの!?」
大和田「振り落とされんなよ苗木ぃ! 後喋ってると舌噛むぞ!」
苗木「!」コクコク
大和田「なんかノってきたから模擬刀取りに行くぞ!! 六本くらい!」
苗木「何に使う気!?」
大和田「レッツパーリィだ! ヒャッハー!」
ゴォォォォォ
《夜 大和田の部屋》
苗木「……」グッタリ
大和田「まあ、その、なんだ……」
大和田「悪かった」
苗木「生きた心地がしなかった……」
苗木「階段の上から大ジャンブしたときはさすがに『死んだな』と思ったよ……ねぇ、『ファントムダイッ』ってなんの……」
大和田「あれは忘れてくれ。なんか憑かれてたんだ、俺」
苗木「そう……元気いっぱいで疲れてるようには見えなかったけど」
苗木「まあ、僕も疲れたからもう寝るよ……」
大和田「おう……」
苗木「よいしょ……」ヌギヌギ
大和田「ま、待てこら苗木こらぁぁぁ!!」
苗木「!?」ビクッ
大和田「何いきなり脱ぎ始めてんだおめぇはぁぁぁ!!」
苗木「う、上着脱いだだけだよ!」
大和田「そうか……」
苗木「うん……」
苗木(スカートってホント落ち着かないなぁ……)
大和田「……」
苗木(下着も変な感じだし……パンツはともかく、上は付けなくていいんじゃないかな……)
大和田「……」
苗木「あ、大和田くん。僕、床で寝るからベッドに……」
大和田「苗木、頼みがある」
苗木「?」
大和田「俺を縛ってくれ」
苗木「…………へ?」
苗木「あの……大和田くん? 生憎だけど僕にそういう趣味は」
大和田「俺もねぇよ! 勘違いすんな!」
苗木「じゃあどうして……」
大和田「……さすがに俺の横じゃお前も安心して眠れねぇだろ」
大和田「俺が部屋の外で見張りすりゃ良い話だが、それだと俺のアリバイが無くなっちまう」
大和田「だから、おれをドアの近くに縛り付けとけ。そうすりゃ俺はお前に何もできねぇし、お前も部屋から出られねぇ」
苗木「そんな! 僕は平気だから! 大和田くんのこと信用してるよ!」
苗木「……大和田くんは僕が殺人なんかしないって信じてくれたから見張り役に参加してるんでしょ? だったら、僕も大和田くんを信じるよ! 殺人なんかしないって!」
苗木「だから……」ウルウル
大和田「」
大和田「いや、マジで頼む。このままだと最悪、殺人以外の何かが起きる」
苗木「……?」
………………
…………
……
苗木「ほ、ホントにこれでいいの?」
大和田「男に二言はねぇ」
苗木「……ありがと、大和田くん」
大和田「とっとと寝ろ!」
苗木「う、うん。じゃあ、おやすみ」
苗木「……」モゾモゾ
大和田(ああ、くそっ……苗木を負ぶったときの感触がやけに残ってやがる……)
大和田(! お、おいおい手の縄が解けてんじゃねぇか! 苗木の奴手加減しやがったな!)
大和田(落ち着け……なんかわかんねぇけど数字を数えて落ち着くんだ……1、2、3、4……)
苗木『ありがと、大和田くん……』
大和田(ぐあぁぁぁ落ち着け俺ぇぇぇ!!)
大和田(兄貴! 俺に堪える強さをぉぉぉ!!)
大和田「うおおぉぉぉぉっ!!!」
苗木「!? 大和田くん、大丈夫!?」ガバッ
大和田「うるせぇ!! 何でもねぇから寝てろやごらぁぁ!!」
苗木「えー……」モゾモゾ
大和田「待てまだ寝んじゃねぇ!! もっときつく縛りやがれ!!」
お昼ご飯買ってくる
しばし待たれよ
《翌日 食堂》
苗木(結局、定期的に雄叫びをあげる大和田くんのせいでほとんど眠れなかった……)
苗木「徹夜3日目か……眠いなぁ……」
苗木(今日の見張り番は……大人しい人だと良いな)ゴシゴシ
不二咲「おはよう、苗木くん……あ、苗木さん? 今日はよろしくねぇ」ニコニコ
苗木(っし!)
不二咲「? 今、なんでガッツポーズを……?」
苗木「なんとなく。それより、ごめんね……こんなことに巻き込んじゃって」
不二咲「苗木くんは何も悪くないよ。みんな苗木くんのことが心配でやってるんだから、迷惑なんて思ってないよ」
苗木「みんなが……僕の為に……?」
不二咲「うん。霧切さんとか十神くんなんかは化学室とか図書館で苗木くんを元に戻す方法を探してくれてるみたいだよ」
不二咲「後、葉隠くんが苗木くんのことを占ってくれたみたい。さっそく読むね」
苗木(それは正直どうでも良いなぁ……)
不二咲「ええと、『女難の相が出てるべ! 女にまつわるドでけぇ災難が苗木っちを襲うらしいから、覚悟しとけよ!』」
苗木「遅いよ! 今、その真っ最中だよ!!」パシーン
不二咲「」ビクッ
不二咲「うん……なんかごめんね……」
苗木「不二咲さんが謝ることじゃないよ……葉隠くん……も別に悪くはないし」
不二咲「と、とりあえず朝ご飯にしよっかぁ」
苗木「そうだね……ふわぁ」
不二咲(? 眠そうだなぁ……)
苗木「不二咲さんは自由時間に何してるの?」
不二咲「うーん……視聴覚室のパソコンをいじったり、たまに図書館で本読んだり……」
不二咲「あ、最近はもっぱら苗木くんを元に戻す方法を探してるよ!」
苗木「不二咲さん……ありがとう」ウルウル
不二咲「えへへ……な、泣くほどのことじゃないよぉ」
苗木「な、なんか最近涙もろくて……」
不二咲「ふふっ……」
苗木(不二咲さんかわいいなぁ……)
不二咲(苗木くんかわいいなぁ……)
不二咲「でも、視聴覚室のパソコンには役に立ちそうなデータは無かったんだよね……」
苗木「そっか……」
不二咲「自分のパソコンがあればもっと色々できるんだけど……うぅ……僕、いつもこうなんだ……肝心なときに役に立てなくて……」
苗木「不二咲さん……」
不二咲「結局、誰かに頼らないと何もできないから……今回だって、苗木くんの力になれずに終わる気がして……」
苗木「……」
不二咲「あ……ご、ごめんね! こんなときに……ぼ、僕がんばるから……」
苗木「……それは違うよ」
不二咲「え……?」
苗木「不二咲さんはもう充分僕の力になってくれてるよ。一緒に、側に居てくれるだけで」
不二咲「……」ドキドキ
苗木「それに今じゃなくても、不二咲さんはいつかどこかで、僕たちを助けてくれる……そんな気がするんだ」
不二咲「そう、かな……そうだといいな……」
不二咲「えへへ……なんか元気出てきたよぉ」
苗木「ふふっ……良かった」
不二咲「ホントは僕が励まさないといけないんだけど……」
苗木「大丈夫だよ。不二咲さんと話してたら僕もなんだか元気出てきたし」
不二咲「ほ、ホント? 良かったぁ」
苗木「それより、これからどうする?」
不二咲「うーん、どうしよう…………あっ! そうだ! 山田くんから役に立ちそうな情報が聞けたんだよ!」
苗木「? 山田くんから?」
苗木(なんだろう……あんまり役に立つ情報じゃない気がする)
不二咲「えっとね。中国に霊験あらたかな泉があって、そこに飛び込んだ男の人は女になっちゃうんだって」
苗木「わぁ、案の定だ」
不二咲「?」
苗木「いや、何でもないよ」
苗木「その泉が存在したとして、中国どころかここから出られないからどうしようもないよ……」
不二咲「でもモノクマがその泉の効能を使ったんだとして、その仕組みがわかれば何か手がかりになるかもしれないよ!」
苗木(本気で信じてる不二咲さんを見てると……否定しづらい)
《視聴覚室》
不二咲「うーん……図書館にもパソコンの中にも、その泉に関する情報は無いみたいだね……」
苗木(ぶっちゃけ、マンガコーナーにあるからね……)
不二咲「うぅ……収穫無しかぁ……」ズーン
苗木「気を落とさないで、不二咲さん。ゆっくり探せばいいよ」
不二咲「うん……あれ?」カチカチ
苗木「? どうしたの?」
不二咲「データファイルが一つ増えてる……」
不二咲「昨日までこんなファイル無かったはず……」
苗木「何のデータか見れる?」
不二咲「二つのデータが入ってるみたい。一つは……ロックがかかってる。無理矢理開けるにはすごく時間がかかりそうだね……」
不二咲「もう一つは……ゲームのデータ?」
モノクマ「こらー!」
不二咲「きゃあっ!」
苗木「ひぃっ! も、モノクマ!」
モノクマ「あれあれ? どうしたの? 2人して女の子みたいな悲鳴あげちゃって」
苗木「一応2人とも女だよ……」
モノクマ「え? あぁ、そうか。そんな感じだったね。失敬失敬」
苗木「……何しに来たの?」
モノクマ「おまえらが僕のプライベートフォルダを覗こうとしてるからオシオキに来たんだよー!」
不二咲「ぷ、プライベートフォルダ?」
モノクマ「そうだよ! こんなの見られたら恥ずか死しちゃう……社会的にも死んじゃう……はぁはぁ」
苗木「待って! 別に校則は違反してないよ! 『校内での調べ物や探索は自由、特に行動に制限はない』でしょ?」
モノクマ「むむむ、確かに」
モノクマ「じゃあ勝手に見ればいいよ。後悔しても知らないぞー! うぷぷぷぷ」
不二咲「ねぇ、モノクマ。このロックがかかってるファイルは何が入ってるの?」
モノクマ「えー、それ聞いちゃう? 聞いちゃう? まあいいけど。ぶっちゃけ、不二咲さんの想像通りのものだよー」
不二咲「……やっぱり、苗木くんに関するデータなんだね」
苗木「え……?」
モノクマ「中見たいなら無理矢理ハッキング上等だけど。スーパーコンピュータ使っても何年かかるかわからないよ?」
モノクマ「開け方教えてやってもいいよー? でも、条件があります!」
苗木「条件?」
モノクマ「そのファイルの中のゲームをクリアしたら教えてあげまーす」
不二咲「……本当だね?」
モノクマ「うんうん。僕は嘘は嫌いだからねー。うぷぷぷぷ」
苗木(どんなゲームだか知らないけど……不二咲さんならきっと大丈夫……)
不二咲(やってみせる……苗木くんの力になるんだ……!)
モノクマ「まあ、R-18だから、ちょっと刺激が強いかもしれないけど」
不二咲「」
苗木「」
モノクマ「男女仲良くエロゲーで教養を深めるのもいいよね! はぁはぁ」
苗木「ちょ、ちょっ……モノクマ」
モノクマ「じゃ、クリアしたらちゃんと見せに来てよね! 待ったねー」
《不二咲の部屋》
不二咲「じゃ、じゃあ始めるね……」
苗木「う、うん……」
苗木(あの後、モノクマがどこからともなくノートパソコンを持ってきた)
モノクマ『視聴覚室じゃいつ誰が来るかわからないもんね! あ、苗木さんはお母さんに対して『ノックしろよババア!』とか言っちゃうタイプ? それとも妹さんに見られてドン引かれるタイプ?』
苗木(モノクマを無視してゲームをインストールして……現在に至る)
不二咲「……」ドキドキ
苗木(ミステリー? ホラーゲームっぽい気もするけど……どっちにせよ"そういうシーン"はあるんだろうなぁ……)
Game Start
『あっ……んっ、ああっ……』←いきなり濡れ場
不二咲「ひゃああぁぁぁっ!」
苗木「なんでぇぇぇぇっ!!」
苗木「な、謎解きアドベンチャーみたいだね……」
不二咲「そ、そうだね……」
…………………
『やだっ、やだぁ……ぁん……』←再び濡れ場
不二咲「ひぃぃぃぃぃ!!」
苗木「いやぁぁぁぁぁ!!」
…………………
『ふわぁぁっ……良い、良いよぉ……』←幾度目かの濡れ場
不二咲「きゃああぁぁぁぁ!!」
苗木「うわぁぁぁぁぁ!!」
…………………
『私……ホントは男、なの、にぃ……』←何十回目かの濡れ場
不二咲「またぁぁぁぁ!!」
苗木「あー! あー! Enter連打! Enter連打!」カシャカシャカシャ
苗木(なんだこれ……なんだこれ)グッタリ
不二咲(うぅ……もうやめたい……でも苗木くんのためにがんばらないと……)グッタリ
苗木「いつまで経っても慣れないね……」
不二咲「そうだね……」
苗木「今更だけど、山田くんを連れてきた方が良かったんじゃないかな……」
不二咲「……」
苗木「……」
………………
…………
……
《深夜 不二咲の部屋》
Game over
苗木「え? ゲームオーバー?」
不二咲「ううん。これでゲームクリアのはずだよ……他にルート分岐は無かったと思う」
苗木「なんかスッキリしないね……」
不二咲「うん……このゲーム、かなり謎を残したまま終わるゲームみたいだね」
苗木不二咲(まあ、ほとんど内容が頭に入ってこなかったけど……)
苗木「とにかく、明日このゲームをモノクマに見せよう」
不二咲「うん……何だかすごく疲れたね……」
苗木「そうだね……もう寝ようか」
不二咲「うん。じゃあ、おやすみ苗木くん」モゾモゾ
苗木「おやすみ、不二咲さん」モゾモゾ
不二咲「……」
苗木「……」
苗木不二咲(何も考えずに同じベッドに寝ちゃった……)
苗木(でも……なんだか不二咲さん相手だと舞園さんほど緊張しないな……)
苗木(別に不二咲さんを女として見てないわけじゃないけど……なんていうか安心するっていうか……ほっとするっていうか……)ウトウト
不二咲「苗木くん……」ギュッ
苗木「? 不二咲さん……?」
不二咲「ごめん……少し、このままでいさせて……?」
苗木「い、良いけど……」ドキドキ
不二咲「ごめんね……」
苗木「?」
苗木(そのまま僕は眠りに落ちた。その間、不二咲さんはずっと僕の腕に身体を寄せていた)
《翌日 食堂》
不二咲「苗木くん、昨日はよく眠れた?」
苗木「うん。バッチリだよ」
不二咲「良かったぁ……僕がずっとしがみついてたから、邪魔で眠れなかったんじゃないかって……」
苗木(暖かくて柔らかかった……)
不二咲「じゃあ、僕モノクマにアレを見せに行ってくるね」
苗木「? モノクマなら呼べばここにも現れるんじゃ……」
不二咲「さ、さすがにここで見せるのは恥ずかしいよぉ! みんなにも見られちゃう……」
苗木「そ、そうだったね……」
不二咲「じゃあ、また後でね!」フリフリ
苗木(癒しの一日だった……あのゲームさえ無ければ)
セレス「アレだの見せるのは恥ずかしいだのと……随分怪しげな会話をしてますのね、苗木さん?」
苗木「きゃあぁぁっ! せ、セレスさん!」
セレス「あら。随分『誠ちゃん』が板についてきましたわね。良い悲鳴ですわ」
苗木「あ、あのねぇ!」
セレス「今日は私が見張り当番ですので、よろしくお願いしますわ」
苗木「……うん、よろしくね」
苗木(あぁ……今日は眠れない気がする)
セレス「先に行っておきますが、私はあなたが元に戻る方法を探すつもりはありませんので」
苗木「えー……」
セレス「私には十神くんや霧切さんや不二咲さんのような捜査能力は皆無です。なので、そちらは彼らに任せることにします」ニコニコ
苗木「単にめんどくさいだけ……じゃないよね?」
セレス「さあ、朝食に行きましょう」スタスタ
苗木「……」
セレス「あなたはいつまで経っても紅茶の煎れ方が下手ですわね……」
苗木「不器用で悪かったね……」
セレス「てっきり貴女は器用貧乏なタイプかと思ってたのですが」
苗木「なんたって取り柄が幸運しか無いからね……今となってはその取り柄すら怪しいもんだけど」
セレス「うふふ、その欠点の多さも貴女の魅力の一つかもしれませんよ?」
苗木「あはは……あんまり嬉しくないなぁ」
セレス「あら、残念。せっかく褒めてあげましたのに」
苗木「セレスさんって自由時間は……よく娯楽室にいるよね」
セレス「えぇ。あそこが一番落ち着くので」
苗木「娯楽室には手がかりは……無さそうだよね……」
セレス「でしょうね。何度も言いますが、私は探そうとも思っていませんし」
セレス「今の貴女も、なかなか可愛らしくて好きですから」ニコニコ
苗木(良いように弄ばれてる……)
《娯楽室》
セレス「さて、何をして遊びましょうか。トランプかボードゲームか……チェスでも花札でも何でも構いませんよ?」
苗木「何しても勝てる気がしないんだけど……」
セレス「では……囲碁でもしますか?」
苗木「囲碁かぁ……確かにまだやったことなかったね」
苗木「でも……ホントに幅広いね、セレスさんの守備範囲」
セレス「えぇ、以前賞金のかかったネット対戦の囲碁大会に出場したことがありますわ。結局、決勝で無勝負となりましたが」
苗木「無勝負?」
セレス「引き分けのことです。何度やっても長生で決着つかず……」
苗木「す、すごいね……」
セレス「今でも覚えています。ユーザーネーム"kai"……何者だったのでしょう……」ブツブツ
苗木(そ、そうとう悔しかったみたいだ……)
苗木「まあ、囲碁ならそこそこできるし……いいよ。やろっか」
セレス「お待ちください」
苗木「?」
セレス「何か賭けましょう。そうじゃないと、私は本領を発揮できませんので」
苗木「本領発揮しないでもらえるとありがたいんだけど……」
セレス「では、私が勝ったら『明日一日、私の用意した服を着る』、ということで」
苗木(ダメだ……反論の余地がない……)
苗木「わかったよ……じゃあ、僕が勝ったら?」
セレス「そうですわね……」
セレス「では、私が見つけた『手がかり』を教えるということで」ニコニコ
苗木「えっ!?」
苗木「セレスさん、手がかりを探す気は無いって……」
セレス「あら。私は『探す気が無い』だけで『見つけていない』とは一言も言っておりませんよ?」
苗木「……いじわる」ムスッ
セレス「……」
苗木「? セレスさん?」
セレス「苗木くん、貴方本当に……」
苗木「へ?」
セレス「……何でもありませんわ。さあ、ゲームを楽しみましょう」
………………
…………
……
苗木「…………」
セレス「『一日私の用意した服を着る』『一日女言葉で話す』『朝食時、みんなの前で華麗にターンを決める』……」
セレス「次は何を賭けましょうか?」
苗木「知ってた。勝てるわけがない」
セレス「まあ、囲碁に運の要素はありませんからね」
苗木「セレスさん、恥を忍んで頼みがあるんだけど……」
苗木「別のゲーム……ポーカーでもう一戦勝負してほしい」
セレス「本当に恥を忍んでますわね」
セレス「では、最後のチャンスといきましょう」シャッ シャッ
苗木(頼む……ここで発揮しなきゃいつ発揮するんだ、超高校級の幸運!)
セレス「……」パッ
苗木(来い!)パッ
苗木(……うん、知ってた)
苗木(ブタって……バラバラって……)
セレス(なんてわかりやすい……)
セレス「ノーチェンジで」
苗木「!?」
セレス「さ、どうしますか? 苗木さん?」ニコニコ
苗木「……5枚全部変えるよ」
苗木(もう一度賭ける! 僕の幸運に!)
苗木「……」
セレス「……では、勝負!」
パッ
苗木 ダイヤ5ハート6クラブ7クラブ8スペード9
セレス スペード5ハート5クラブ5ハートAクラブ3
セレス「私はスリーカード、苗木くんはストレート……」
セレス「あら、私の負けですわね……」
苗木「や、やったー!」
セレス「初めてかもしれませんわ、貴女の幸運が仕事をしているところを見るのは」
苗木「うん……長らく仕事を放棄してたみたいだからね……」
セレス「泣きの一回とはいえ、賭けは賭けですから……約束通り手がかりを教えますわ」
苗木「ありがとう、セレスさん……」
苗木「でもその前に聞きたいんだけど、どこで手がかりを見つけたの?」
セレス「実は昨日、モノクマと勝負をしたのです」
苗木「勝負?」
セレス「賭け、です。完膚無きまでに叩き潰した結果、貴女についての情報を吐きました」
苗木「……どうしてモノクマと賭けを?」
セレス「相手がいなくて暇だったもので」
苗木「そう……ありがと、セレスさん」ニコニコ
セレス「何故礼を? ……まあ、話を続けますわ」
セレス「モノクマは視聴覚室のパソコンに貴女に関するデータを開示する、と言いました」
苗木「ふんふん……あれ?」
セレス「見に行ってみると、確かに視聴覚室のデータファイルが一つ増えておりました」
セレス「その後も鍵のかかった情報を得るのに少々苦労がありましたが……まあ、貴女も行ってみるといいでしょう」
セレス「これが私の得た手がかりです。参考になりましたか?」
苗木「う、うん。えっとね、セレスさん」
苗木「僕、そのファイル昨日見つけたんだ。不二咲さんと一緒に」
セレス「……え?」
苗木「あのファイルが増えてたの、セレスさんのおかげだったんだね?」
セレス「まあ、そういうことになりますわね……」
苗木(なんかがっかりしてる……?)
セレス「それより苗木さん。貴女、あのゲームをやったのですか?」
苗木「う、うん……って、セレスさんもあのゲームを……」
セレス「お黙りなさい!」
苗木「」ビクッ
セレス「貴女、あのゲームをやった割に随分呑気ですのね?」
苗木「え? ま、まあまだロックされたデータは見てないから、呑気も何も……さっき不二咲さんがモノクマにゲームクリアを伝えに……」
セレス「そうではありません。"ゲーム本編"の話です」
苗木「ゲーム本編? ほ、ほとんど頭に入ってないよ……」
セレス「……そうですか」
苗木「?」
苗木(なんだろう……セレスさん、何か焦ってる……?)
《夜 セレスの部屋》
セレス「あら、よくお似合いですわ」
苗木「これ、寝間着なの……? なんかもこもこしすぎじゃ……」
セレス「もう少し薄手のものもありますが」
苗木「う、うん。できればそっちに……」
セレス「仕方ありませんね……シャネルの五番でよろしいですか?」
苗木「それは裸って言うんだよセレスさん」
苗木「ま、まさか明日一日香水を着て過ごせなんて言わないよね?」
セレス「さすがの私もそんな命令は思いつきませんでしたわ。とんだ変態ですね、苗木さん」
苗木「な、なんで僕が……」
セレス「さぁ、さっさと寝ますわよ。変態さん?」
苗木「……はい」ズーン
セレス「」モゾモゾ
苗木「」モゾモゾ
苗木(もはや何の躊躇もなく女の子と同じベッドに潜り込む自分がいる……こわい)
セレス「……」モミッ
苗木「ひゃっ! な、何するの!」
セレス「手が滑りましたわ」
苗木「……絶対嘘だよ」
セレス「……」
セレス「苗木さん……いえ、苗木くん」
苗木「?」
セレス「私が力になれるのはここまでです」
苗木「? セレスさん……?」
セレス「昼にも言いましたが、私は……十神くんや霧切さんや不二咲さんのような捜査能力はありません」
苗木「そんなことないよ……昨日、モノクマから情報を引き出してくれたじゃない」
セレス「偶然ですわ。偶然モノクマしか遊び相手がおらず、偶然モノクマの賭けたものが貴女の情報だっただけです」
苗木「……それでも、ありがとう」
セレス「……」
セレス「私はまだ遊び足りません……苗木さん」
セレス「月並みながら、貴女の武運を祈っていますよ」
苗木「セレスさん……」
苗木「とりあえず、僕の胸に当てた手をどけてもらっていいかな」
セレス「あら失礼。テンピュールな抱き枕かと思いました」
苗木「……」
苗木(その後、定期的なセレスさんのセクハラを受け流しながら何とか眠った)
《翌日 食堂》
苗木「…………」スタスタスタスタ
大和田「!? ぶふっ!」
朝日奈「な、苗木!? ど、どうしたのそのゴスロリ服!?」
苗木「」ピタッ
苗木「……」クルクルッ
苗木「♪」キラッ
一同「…………」
苗木「……」プルプル
セレス「……」プルプル
セレス「苗木さん……ピースしながらウインクは予想外で素敵なアレンジでしたわ……」プルプル
苗木「嘘!? やらなくて良かったのあれ!?」
セレス「一言も言ってません。なるほど、あれが貴女の『華麗なターン』なのですね」
苗木(か、かかなくてもいい恥をかいた……)カァァ
セレス「予想以上に楽しめました。では、私はお役御免ですわね」
セレス「ご機嫌よう、苗木さん。次はもっと素敵な賭けをしましょう」スタスタ
苗木「……」
「……ねぇ、──ちゃん」
「何?」
「今、どれくらい?」
「さぁ? 半分も言ってないんじゃない?」
「この実験、意味があるの?」
「わかんない。ぶっちゃけさぁ、これ実験じゃなくてお遊びなんだよねぇ。ぷぷっ」
「……」
「下手したらコロシアイより絶望的な展開になるよね! みんながあいつと仲良くなればなるほどにさぁ!」
「──ちゃんがそういうなら、そうなんだろうね……」
「ま、様子見ながら適当に遊ばせといてよ」
「うん……」
《苗木の部屋》
苗木「今日の当番は誰なんだろ……結局朝食のときにいたメンバーは違ったし……」
苗木「見張り役がいないと部屋から出られないんだけどな……」
コンコン
苗木「ん……来たかな」
ガチャ
桑田「よう誠ちゃん! 今日はいつもと違うけどかわいいな!」
山田「誠ちゃんハァハァ」
バタン
桑田山田「!?」
苗木「寝よう……」
桑田「待て悪かった! 山田が邪魔なら帰らせっから!」
山田「なんですと!? それは聞き捨てなりませんな! 邪魔なのはズバリ、桑田殿でしょう!」
ガチャ
苗木「はぁ……2人が今日の見張り当番なの?」
桑田「おう。ジャンケンで負けたせいでな……」
山田「『誠ちゃん独り占め当番』とはなんだったのか」
桑田「ちくしょー……山田! お前マジで帰ってくれ! 後でポテチやるから!」
山田「桑田殿こそ! 今なら舞園さんの生写真あげますぞ!」
苗木「……」
バタン
桑田山田「!?」
桑田山田「誠ちゃーん俺だー! 開けてくれー!」
ドンドンドン
苗木「私、今日は一日部屋で大人しくしてるから大丈夫だよ。部屋の入り口を交代で見張ればいいんじゃないかな」
山田「そんな殺生な!」
桑田「ん? 『私』?」
苗木「……セレスさんとの約束で、今日は一日女の子みたいに喋らなくちゃいけないの」
山田「セレス殿グッジョブ」
桑田「あいつはできる女だと思ってた」
苗木「そういうわけだから、2人ともおやすみ」モゾモゾ
桑田「尚更諦められねぇ! ドア越しでもいいから会話してくれ!」
山田「大丈夫! 外の世界は思ったより怖くないですぞ! ほーら、心を開いて!」
ドンドンドン
苗木(はぁ……さすがに2人に悪いかな……)
「はぁ……はぁ……桑田くん、山田くん!」
桑田「あ? どうした、そんな息切らして」
「ぜぇ……な、苗木くん、いる?」
山田「部屋の中にいますが……自分の殻の中に閉じこもってしまい、我々では手の施しようがなく……」
「な、苗木くん! 不二咲です!」
苗木「不二咲さん……?」
不二咲「例のデータ、開けたんだ! 遅くなってごめん!」
苗木「ま、待ってて、今開けるから」
ガチャ
不二咲「ふぅ……ふぅ……」
苗木「だ、大丈夫?」
不二咲「う、うん。走ってきたから……ちょっと疲れただけ……」
山田「ここがあの女のハウスね」
桑田「いやぁ、良い部屋だなー。模擬刀が良い味だしてるよ、うん」
苗木「……」
不二咲「ごめん、2人とも……少し部屋の外で待っててもらっていいかな……」
桑田「マジでか」
山田「だが断る! こんなチャンスをふいにするなど、拙者には……」
不二咲「2人だけで大事な話があるんだ……お願い……」ウルウル
山田「了解した」
桑田「安心しろ。何人たりともこの部屋にはいれさせねぇ」
ガチャ バタン
苗木(さすがだなぁ不二咲さん……)
苗木「不二咲さん、はい。お水」
不二咲「んく、んく……あ、ありがとう……」
苗木「ごめんね、一人で無理させて」
不二咲「ううん。無理したのは僕の勝手だから、苗木くんが謝ることないよ」
不二咲「あ、それで、あのロックされたファイルの中身だけど……」
苗木「うん」
不二咲「僕たちがプレイしたゲームの、設定資料だったんだ」
苗木「設定資料?」
不二咲「うん。僕たちはそれどころじゃなくて気がつかなかったけど、実はあのゲームそのものが苗木くんに関係してたんだ」
苗木(そうか……セレスさんの言っていたゲーム本編の話って、そういうことだったんだ……)
不二咲「で、見て欲しいのはこれなんだ」カチカチ
苗木「用語集……『浸食性男性因子喪失症候群』……?」
不二咲「ゲームの中で主人公がかかっちゃう病気のことなんだけど……」
苗木「まさか……」
不二咲「うん……苗木くんはこの病気にかかっちゃったんだと思う」
不二咲「もちろん、架空の病気のはずだよ。でも、モノクマがこの病気を無理矢理再現したんだとしたら……」
苗木「『特に遺伝子疾患などもない正常な男性が遺伝子・身体構造とも女性になってしまう奇病』……『その実態は悪性腫瘍に類似した後天性遺伝子異常』……『死亡するリスクが高い』……」
苗木「な、なに、これ……?」
不二咲「見た通り……だよ」
不二咲「少なくともゲームの中では、ほとんどの患者は命を落としてるんだ……」
苗木「治療法は……どこかに無いの……?」カチカチ
苗木「転換後生存患者例……No1……『現在までに確認されている限り、初の転換後生存者。記憶・人格を喪失。重度の脳障害により、再度知能を得るに至らず』……」
苗木「No2。『記憶・人格を喪失。脳の障害は軽度。歩行困難の為、杖を常用』……」
不二咲「生存患者は3人いて、最後の1人が主人公らしいんだ……」
苗木「……2人分しか見あたらないけど」
不二咲「うん、それがこの設定資料のおかしいところなんだ。どこを探しても、主人公の項目がないんだよ」
苗木「モノクマが隠したってこと……?」
不二咲「……かもしれない」
モノクマ「あー! 見ちゃった!? 見ちゃったね!? 僕の秘蔵のお宝ファイル!」
苗木「モノクマ……!」
モノクマ「苗木さん、おこなの? マジおこなの? 美少女の凍てつくような視線、たまんないね! はぁはぁ」
不二咲「……モノクマ、苗木くんがかかったのは本当に浸食性男性因子喪失症候群なの?」
モノクマ「うーん……長くて覚えづらいよねぇ。TS病でいいんじゃないかなぁ。あ、それとも『誠ちゃん病』にする?」
不二咲「いいから答えて!」
モノクマ「あわわ……不二咲さんが激おこぷんぷん丸だよ……じゃあ特別にお答えしまーす」
モノクマ「だいせいかーい! 苗木さんは幸運にもTS病(仮)の被験体に選ばれたのです!」
苗木「モノクマ……それが本当なら、ルール違反じゃないの? お前が直接手を下すことは、禁止って……」
モノクマ「ダメだなぁ苗木くん。せっかくの資料を読むのが下手。下手っぴさぁ」
苗木「何……?」
モノクマ「もう! 作者さんが真心込めて作った設定資料だよ! ちゃんと読みなさい! 『特徴』の項目! 上から5行目を音読して!」
苗木「くっ……」カチカチ
苗木(……『浸食性男性因子喪失症候群は浸食性変異症候群の一種で、男性から女性への変化を伴うもの、と定義される』)
苗木(『多くの場合は同時に細胞寿命の無制限化を伴うが、どちらにせよ安定期まで持って行くには生命や人格の維持に関わる重篤な症状を経ることは避けられないと見られており、現在のところ例外は無い』……)
モノクマ「音読って言ったでしょ! まったくもう!」
モノクマ「ともかく……これでおわかり?」
苗木「どういうこと……?」
モノクマ「うわぁ、若者の活字離れは深刻だねぇ。かわいそうに」
モノクマ「細胞寿命の無制限化! つまり、不老長寿!」
苗木「…………は?」
モノクマ「良かったねぇ苗木さん。このまま行けば、君は一生綺麗なままだよ」
モノクマ「はい次! 『進行と状態推移』の項目! 今度は声に出してよね!」
苗木「……」カチカチ
苗木(『TS病は5つのステップで進行していく。発生期、潜伏期、浸食期、転換期、安定期』……)
モノクマ「また無視されちゃったよ……苗木さんは絶賛反抗期だねぇ。うぷぷぷぷ」
苗木(『発生期』……『細胞分裂の際にY染色体が欠落し、代わりにX染色体のコピーが配置された女性型突然変異細胞が発生。発生は偶発的かつ極めて稀であり、確実に発生させるような条件は判明していない』……)
モノクマ「読めた? 実はね、僕はその判明していないはずの『確実に発生させる条件』を解明しちゃったんだよねー! いやぁ天才って辛いなぁ」
モノクマ「でも苗木くんの場合は潜伏期と浸食期の半分くらいをすっとばしちゃったから、ちょっと何が起こるかわからないんだよねー」
モノクマ「ともかく僕は手を下してなんかないよ? いつもがんばってる苗木くんに、不老長寿のお薬をプレゼントしてあげただけだからね!」
苗木「わ、私……そんなの……」
不二咲「! 苗木くん、しっかりして!」
モノクマ「ありゃ? 大分浸食しちゃってる? 良い兆候なのかなぁ? 悪い兆候なのかなぁ?」
モノクマ「ま、綺麗な女の子のままでいられるか、記憶も人格も失って廃人になっちゃうかは苗木さんの運次第! ワックワクのドッキドキだね!」
モノクマ「大丈夫だよね? なんたって超高校級の幸運だもんね? だっはっはっはー!」
モノクマ「そんじゃねー」
すまん
明日仕事なので寝る
残ってたら明日の夕方から書くけど落ちてたら速報なり行くんで保守せんでもええよ
おやすみ
今帰ったしばし待たれよ
と言いたいとこだけど、病気の件カットして誰かイチャイチャ書いてもいいのよ?
俺も乗っ取りだけどね……
不二咲「な、苗木くん……」
苗木「……ごめん、不二咲さん。今日は、独りにして欲しい……」
不二咲「ダメだよ……今の苗木くんを独りにするわけにはいかない」
苗木「……別に殺人なんて考えないよ」
不二咲「そうじゃなくて……」
苗木「大丈夫だって。自殺するにしても、ちゃんと自殺だってわかるようにやるから。みんなに迷惑はかけないよ」
不二咲「苗木くん!!」
苗木「……」
不二咲「苗木くん……絶対に独りで思い詰めないで。みんなや、僕を頼って。お願い」
苗木「……うん」
不二咲「……じゃあね」
ガチャ バタン
桑田「お、やっと話終わったか? 宣言通り、蟻一匹入れなかったぜ!」
不二咲「……モノクマが入ってきたよ」
桑田「………………」
桑田「って、おい。不二咲、お前顔色最悪だぞ? どうしたよ?」
不二咲「な、なんでもないよ! ちょっと貧血気味で……」
桑田「そうか? なら、一応部屋の前まで送ってってやるよ」
不二咲「すぐそこだから、平気だよ……」フラフラ
桑田「ま、待てよ不二咲! 全然平気じゃねぇだろお前……ったく」スタスタ
山田「……」
山田「ドアを挟んで2人きり、ですな。誠ちゃん殿」
苗木「……」
山田「……失敬。冗談が過ぎましたな」
苗木「……」
山田「何やら重苦しい展開になってきましたなー。心中お察ししますぞ」
苗木「! 山田くん……?」
山田「キェアアァァァァ! シャベッタァァァァ!」
苗木「もしかして……部屋の中の会話、聞いてた?」
山田「断片的に、ですが。ドアはそれほど防音性が高くないようですな」
山田「まあ、桑田殿は侵入者排除に夢中で何も耳に入っていなかったようですが……」
山田「しかしそれ以前に! 拙者は苗木殿の秘密に気づいていましたがね!」
苗木「どうして……?」
山田「何故ってそれは……」
山田「そこにエロゲーがあったから」
苗木(…………山田くんもやったんだ、あれ)
山田「なかなか良く出来たゲームでしたぞ。もちろん、設定資料にも目を通しました」
苗木「そう……」
山田「気を落とすことはありませんぞ苗木殿!」
山田「あの奇病の患者は全員が全員死に至っているわけではありませんからな!」
苗木「知ってるよ……生存者3名……でも、みんな記憶も人格も失って廃人になってるんでしょ?」
山田「んん? それは違いますぞ?」
苗木「?」
山田「確かに1人目と2人目は見るも無惨な姿に変わり果てましたが、3人目の患者……主人公は唯一『記憶と人格を保ったまま転換を終えた患者』となっていましたが……」
苗木「や、山田くんどうして……? 設定資料には主人公のことなんてどこにも……」
山田「いやいや、主人公なんだからゲームやれば設定なんてわかるだろjk」
苗木「…………」
山田「むむ? それとも苗木殿はゲームを直視出来ずに色々すっ飛ばしてクリアしてしまったパターンですかな?」
苗木「う、うるさいなぁ!」
山田(顔真っ赤な誠ちゃんが幻視される……たまらん)
苗木「でも……結局1人だったんでしょ? たくさんいた患者の中でたった1人……ねぇ、何で主人公は助かったの?」
山田「それは明らかになっていませんでしたな……偶然、かも……」
苗木「……だったら、僕がその1人になる可能性は、限りなく0に近いかもしれないよ……」
山田「しかし、0ではありませんぞ」
山田「無数のマイナス要素の中からたった一つのプラスを引き当てる……それが苗木誠殿の才能なのでは? 『超高校級の幸運』という……」
苗木「僕の幸運はそんな大それたものじゃないよ……せいぜい二択か三択で良い方を選ぶのが関の山だよ……」
山田「では、『苗木殿は助かる』or『苗木殿は助からない』。ほら、二択ですぞ」
苗木「…………ふふっ」
山田「!」キュン
苗木「面白いね、山田くんは……」
山田(ああ直に見たい。天使の微笑みを……ハァハァ)
苗木(な、なんかドアの向こうから生温かい空気が伝わってくる気がする……)
《夜 苗木の部屋》
苗木(その後も山田くんはずっと僕と話し続けてくれた……ドア越しに)
苗木(山田くんがところどころ言葉を選びながら話をしているのは、きっと気のせいじゃない)
苗木(僕の呼び方が『苗木殿』に戻ってるのも、多分僕に気を使っているからだと思う)
山田「──そこで拙者はその作家仲間に言ってやりましたよ。『バーロー! 人を助けるのに理由がいるかよ!』ってね!」
苗木「……」
山田「あ、あれー? 苗木殿? 今のは『素敵! 抱いて!』ってなるところ……あっ、ほ、ホモ的な意味で」
苗木「ねえ、山田くん」
山田「?」
苗木「無理に気を使わなくても良いよ」
山田「な、何のことですかな? 拙者はそんなつもりは毛頭……」
苗木「……山田くんは山田くんのままでいて欲しいな」
山田「……自虐のつもりだとしたら、笑えませんぞ」
苗木「『誠ちゃん』って呼んでも……良いよ」
山田「……」
苗木(なんだろう。ドアが生温かい。気のせいじゃない)
山田「ふぅ……良いのですか? 辛くはないのですか?」
苗木「まあ、自殺を考えるくらいには参ってたけど……」
山田「うおぉぉぉい! 爆弾発言ですぞ!?」
苗木「でも、山田くんと話してたら元気が出てきた」
苗木「……ありがと、山田くん」
山田「……」
苗木「山田くん?」
山田「うおぉぉぉ! 辛抱たまらん! 今すぐこのドアを開けてくだされ!!」ドンドンドン
苗木「ひぃぃぃぃっ!」ビクッ
山田「誠ちゃぁぁぁん!」ガチャガチャガチャ
苗木(こわいこわい! 完全にスプラッタ映画だよこれ!)
桑田「山田……まだやってたのかよ」
山田「む? 桑田殿、今までどこに?」
桑田「あー、不二咲が案の定ぶっ倒れたから部屋まで運んで看病しようと思ったんだけどよ……」
山田「桑田こらぁぁぁぁ! 知らぬ間にそんな羨ましい展開に!」
桑田「最後まで聞けアホ!」
桑田「大神とセレスに邪魔されてよ……」
山田「未遂に終わったわけですな」
桑田「いや、何かするつもりは無かったっての!」
桑田「つか、お前いい加減静かにしてやれよ……誠ちゃんが眠れねーだろ」
山田「いや、今し方誠ちゃんが心を開きかけてですね。このまま攻略一直線かと思いまして」
桑田「マジでか」
山田「おう」
桑田山田「…………誠ちゃぁぁぁん!!」ドンドンドン
苗木「ひぃぃぃぃ……」
《翌日 食堂》
苗木桑田山田「ふわぁ……」
苗木桑田山田「眠い……」ゴシゴシ
苗木「そりゃ、一睡もしてないからね……」
桑田「だって廊下で寝るのは校則違反じゃねーか……俺たちのためを思うなら部屋に入れてくれても良かったんじゃねーの?」
山田「激しく同意」
苗木「そ、そっか……そうだね……ごめん……」シュン
桑田「良いってことよ」グッ
山田「うっ……ふぅ。まあ、過ぎたことを言っても仕方ありませんからな」
桑田「あー、これで当番交代か……はぁ……俺誠ちゃんとほとんど過ごしてねーよ……」
山田「拙者もナニもシてませんぞ……」
苗木「……お疲れさま、2人とも」
桑田「おう、じゃな。次の当番の時は一緒に遊ぼうぜ」
山田「では、拙者もこれにて」
苗木(……あの2人が昨日の当番で良かったかもしれないなぁ。少なくとも憂鬱な気分は少し解消されたし……)
苗木(とりあえずご飯を食べて今日の当番を待とう……と思ったけど)
苗木「なんか……食欲湧かないな……」
苗木「身体もだるいし……寝不足のせいかな……」
苗木「……っていうか……」
苗木「めちゃくちゃお腹痛い……何これ……」ズキズキ
苗木(せめてお茶だけでも飲みたいけど……)
苗木(無理……厨房までたどり着ける気がしない……)
大神「苗木よ……遅くなってすまない」
苗木「大神、さん……」グッタリ
大神「今日は我が当番の日なのだが……む?」
大神「どうした? 体調が優れないのか?」
苗木「う、うん……少しね……」
大神「少し体調が悪い程度で、そんな珠のような汗をかくわけがなかろう……」
大神「身体を起こせるか? 辛いのなら無理はしなくていい」
苗木「ちょっと、難しいかも……なんか身体がだるくて……頭がぼーっとして……後、酷い腹痛が……」
大神「…………なるほど」
苗木「僕……もう死ぬのかな……」
大神「死にはせん」
大神「一度、我の部屋に行くぞ」ヒョイ
苗木「わっ……」
苗木(お、お姫様抱っこ……)ドキドキ
大神「案ずるな、苗木よ。誰しもが通る道だ」
苗木「?」
大神(妹がいるのなら、知っていても良さそうなものだが……)
《大神の部屋》
大神「これを飲むと良い。自作の漢方薬だ。化学室に鎮痛薬もあるにはあったが、胃を荒らして吐いてしまうかもしれん……」
苗木「自作って……すごいね……」
大神「無駄に備品や材料が充実しているのでな……その点だけは、モノクマに感謝している」
苗木「んくっ……はぁ……痛い……」
大神「しばらく横になっていると良い。薬が効くまで時間がかかる」
大神「我は湯を汲んでくる。身体を冷やしてはいかんぞ、苗木よ……」スタスタ
苗木(うぅ……今日の当番が大神さんで良かった……ありがとう神様……)
………………
…………
……
大神「待たせてすまない。ペットボトルに湯を入れただけの即席湯たんぽだが……これで腹の辺りを温めておけ」
大神「少しは楽になってきたか?」
苗木「うん……お腹の痛みは引いてきたかな……ありがと、大神さん……」
大神「礼には及ばん。苗木の力になれたのなら幸いだ」
大神「まさかこんな形で力になるとは思ってもいなかったが……」
大神「……時に苗木よ。中学生の時、授業は真面目に受けていたか?」
苗木「え? えーと……うん、それなりに……」
大神「……それなのに、何故だ」
苗木「?」
大神「……横になったままで構わないから、耳を傾けていろ」
大神「色々と、教えておくことがある」
……………
…………
……
苗木「……」カアァ
大神「……と、そういうことだ」
苗木「は、はい、よくわかりました……」
苗木「……女の子って大変なんだね」
大神「個人差はあるが……苗木はかなり重い症状が出るタイプのようだな」
苗木(またおかしなところで不幸なくじを引いたな……)ズーン
苗木(そうか……昔、何でもないはずの日に母さんが赤飯を炊いたのはそういうことだったのか……)
大神「定期的な身体の不調に慣れるのは難しいだろう。いつでも我に相談すると良い」
苗木「大神さん……」ウルウル
大神「我だけではない。朝日奈やセレスも必ず力になってくれるはずだ」
苗木(……なんだろう。それはすごく抵抗がある)
大神「ところで、最近よく眠れていないのか?」
苗木「あ、やっぱりわかる……?」
大神「目の下に大きなクマができている。大方、昨日の当番である桑田と山田に睡眠を妨害されていたのだろう」
苗木「あはは……」
大神「ゆっくり眠るといい。我はずっとここにいる」
苗木「それは……心強い、なぁ……」ウトウト
ねみぃ……寝る
次書けるの明日の夜だからマジで落としてくれてもかまわん
つかこのスレで終わる気がしない
このSSまとめへのコメント
おい続きまだか
続きが見たい!
続きみたいねぇ
続きはよ
続きぃ~
続き早く!
続きが見たいですぞ!
あれ…続きは…
続きが見たすぎるー!!
確かスレ立て直して続いていたはず
スレタイで検索すれば出てくると思われ
続きはもうないの??。 てか、これで終わり??。
狛枝「君の希望はその程度だったのか、絶望したよ。」
誰でもいいから続き書いてくれ
続きが見たい(≧△≦)
続きくれー! つか生○ネタやめろ!
辛いんだぞ!生○!つーかあれ下ネタ!