佐藤心「優しくしてくれよ☆」 (25)
この前の限定ガチャで白無垢しゅがはさんにパーフェクトノックアウトされたので初投稿です
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最初は、この人の担当のプロデューサーになった自分の不運を憎んだ。
―・―・―
事務所での飲み会の後。住宅街のとあるアパートの駐車場へ、俺は自分の車を止める。
「ほら…家に着きましたよ、はぁとさん」
「うぇぇ~い…」
さっきまでしていた寝息を遮るように、後部座席のはぁとさんに声をかける。
「…あ…ありがとう…」
「歩けますか?」
「あー…ちょっと肩貸して」
「はい」
後部座席のドアを開けて、はぁとさんへ手を伸ばす。今の酔いが回りまくった今の状態では階段もきついのだろう。
「大丈夫ですか?」
ゆっくりと、ゆっくりと佐藤さんの一歩一歩に合わせて自分も歩を進める。はぁとさんの部屋は二階の角部屋。そこまでにはぁとさんの酔いと眠気が覚めてきたみたいだ。またいつもの調子に戻る。
「プロデューサーどうだったよ、はぁとの飲みっぷりは!」
「毎回思うけどほんとやばいくらい飲みますよね」
「あれくらい楽勝だっての☆はぁとの肝臓なめんなよ☆」
「『肝臓なめんなよ』とかアイドルとしてダメな発言でしょ」
こういう軽いやりとりも、いつも通り。
「鍵、ちゃんとありますか?」
待ってろ、と言いながらはぁとさんは鞄の中をごそごそと漁る。が、どうやら見当たらないらしい。
「あれ?おっかしな~…?」
「…ポッケの中とかは?」
「う~ん…あ、あった!」
「よかった」
はぁとさんも俺も明日はオフだ。…だからいつもよりもハイペースで飲んでしまったのだろう。でもこうして早めに回復しているところを見るに、やっぱり酒に強いのが分かる。
「じゃ、ゆっくり休んでくださいね。おやすみなさい」
「ちょっと待てよプロデューサー」
立ち去ろうとしたところを、はぁとさんに呼び止められた。何故か、薄暗くても分かるほど顔が真っ赤だ。まだアルコールが残ってるんだろうか。
「あー…これから…飲まない?」
やっぱりまだアルコール抜けてないわこりゃ。
「いや、プロデューサーさ、その、飲み会だといつもハンドルキーパー引き受けて酒飲まないし、なんかちょっとかわいそうじゃん?」
「かわいそうってなんすか」
俺がハンドルキーパーを引き受けてるのは酒に弱いからだし。だから『下戸』という正当な理由で酒を断れるので、少々これを幸運にも感じていた。いや、弱いというよりは、意地でも終電ギリギリまで飲む先輩とアイドル達について行けないだけなんだけど。
「飲んだら俺帰れないですよ」
ここから自宅までは車で30分ほど。歩いて帰るには遠すぎる。タクシー代もバカにはならない。
「…泊まっ…てけば…いいじゃん」
「はぁ!?」
成人済みの男女が二人きりで一夜を共に過ごすこと意味を、はぁとさんが分からないはずが無い。それにプロデューサーとアイドルだ。何もなくても、問題大ありだ。
こんな事を口走るなんて、はぁとさんは本格的に泥酔しているのだろうか。耳まで真っ赤だし。
「…あんまり変なことを言わないでください、聞かなかったことにしま」
そこから先の言葉は、柔らかい感触によって封じられた
気づいたときには、両頬がその柔らかい手に挟まれていて。唇がもっと柔らかい唇にふさがれていて。
「んっ!」
「んんっ!?」
ほんの少しだけする酒の匂い。そしてそれよりも強いはぁとさん本人の香り。全身が、脳が揺れるようなとろけるような感覚。
「…ぷはっ」
少しだけ硬直した後、はぁとさんは唇を離す。
「な、な…!」
自分の身に何が分からなかった。それほどまでに衝撃的で、予想不可能なことだった。
「…はぁとじゃ」
未だに身は近づけたままのはぁとさんがさらに歩み寄り、もっと密着してくる。
「私じゃ…ダメ…?」
顔は朱に染まり、瞳は涙で少し濡れていて、そんな状態での上目遣い。
反則だ。好意を寄せている人にこんな事されて、断れない人間がいるのだろうか。
たまらず腕を背まで回し、強く体を抱き寄せた。バクバクと心臓が拍動しているのを聞かれているかもしれないほど、強く、強く。
「…本気で」
「…本気」
「………はい」
腕をとき、俺ははぁとさんの後に続いて部屋へと入っていった。
―・―・―
いつものような事務所での飲み会の後。いつものようにはぁと他数人を助手席と後部座席に乗せてプロデューサーは車を発進させる。
助手席に座るのはいつも決まって先輩のプロデューサーだ。
「この前みたいに吐かないでくださいね」
「おぉ~う…任せろぉ~」
「この前もそう言って吐いたじゃないですか」
車中ゲロ常習犯のあいつが、いつもあの助手席を奪う。前の方が酔いにくいんだとか。もう十分酔ってんだろ。
「ダッシュボードの中にビニール袋あるんで今回はちゃんと使ってくださいよ」
なんで男が男の助手席に座るんだ。嫉妬も出来ないじゃないか。
…まあこれもいつもと同じで。
はぁとはもうこの状況に慣れてしまっていた。
車に揺られる時間が長くなるほど、同乗者はどんどん減っていく。そして、いつものように最後は決まって一番家が遠いはぁとだけに。
こうしてプロデューサーといっしょにいられる時間が増えるのは嬉しい。家が都心から遠くてよかった。
まあ、最後の一人になっちゃう前にだいたい寝ちゃうんだけど。もっと頑張れよ、はぁと。
「ほら…家に着きましたよ、はぁとさん」
「うぇぇ~い…」
そうしていつもみたいに、この駐車場か、よくてはぁとの部屋の前で二人だけの時間はおしまい。あとは一人で布団にくるまって寝るだけ…なんだけど。
いつもみたいなのはもう嫌だった。
いつもいつも、決められたようなこのやりとり。確かに、今のこのやりとりも好きだ。でも、これより先に進みたい。プロデューサーともっと一緒にいたい。
気づけばはぁとはいろんなことを口走って、キスまでしてしまった。ロマンの欠片もない。
でも、これが精一杯で、はぁとの全力だから。
プロデューサー、これじゃダメかな?
―・―・―
水のはねる音が、少し離れたこの部屋まで届いてくる。
俺はベッドに腰掛けながら、缶ビールをぼんやりと見ていた。さっき先輩がコンビニに吐きにいったついでに、自分用に買った物だ。あの人意地でもダッシュボード開けないけど一回ちゃんと怒った方がいいのかな?
まあそんなことより。
この缶ビールに口をつけると、俺は飲酒運転でもしない限り帰る手段を失うことになる。踏みとどまれる最後のチャンス。これを飲まずに、彼女がシャワーを浴びているうちにさっさと帰るという選択肢もある。人として最低だが、プロデューサーとしてはそうしてもいいかもしれない。
「…」
俺とはぁとさんは、アイドルとプロデューサーの関係。そんな俺が担当の部屋で一夜を明かしましたなんて、世間が知ったらどうなるか。
はぁとさんは間違いなく人生を棒に振ることになる。ファンを裏切ったアイドルとして、後ろ指を指され続けることになってしまう。今ならまだ大丈夫だ、引き返せると頭の中で警報が鳴り響く。
そうやって、断る理由をいくつも探しては並べ立てる。ダメだダメだと職業倫理が叫ぶ。理性がやめろと訴える。
けど俺は、それらを一蹴するかのように、俺は缶を開け、そのまま一気に飲み干した。
勝てなかった。
「…ぬるい」
ビールの味は、分からない。
空き缶をベッドのそばにあった机の上に置き、また座りぼんやりとする。
いつから俺ははぁとさんに惹かれていたのだろう。
初めて会ったときは、このアイドルの担当だと聞かされ、嘘だろ、冗談だろと思った。
「26歳だろ?俺よりも年上なんだろ?で、この格好?大丈夫なのか色々と?」
口には出さなかったけど、第一印象はそれだった。この人の担当のプロデューサーになった自分の不運を憎んだ。
でも、そんな自分を恥じるようになった。
26でアイドルになるという決断をしたこと。自分の好きなスタイルを、誰に何を言われようと貫き通す意志を持っていること。努力を惜しまず、あぐらをかかず、常に前進を求めていること。
俺がこれまで会ってきた人たちの中で、最も気高く、最も強いココロを持つ人、それが佐藤心。
俺はしゅがーはぁとというアイドルの担当になれたことを、今は誇らしくも思っている。出来ることなら、昔の自分をぶん殴りたい。
本格的に惚れたのは、初ライブの後。楽屋にねぎらいの言葉をかけに行ったときに目に入った彼女の涙。
『な、泣いてねーし☆』
こっちが何かをいうより先にはぁとさんは否定してきた。
『いや泣いてるじゃないですか』
『泣いてないって!アイドルはいつも笑顔だろ☆』
この人が、自分の弱いところを見せるのが苦手な人だと言うことは知っていた。でも俺は、それがどうしてか嫌だった。
今にして思えば、頼られたかったんだと思う。一人のプロデューサーとして、しゅがーはぁとの支えになりたかったんだろう。
『…アイドルでも、嬉しいときは泣いていいと思いますよ』
『…』
初めてのライブは大成功で、舞台に立ってない俺でも涙を流したくなったほどだ。当の本人は、俺以上にその気持ちが強いだろう。
『…胸貸せ』
それだけ言うと、はぁとさんは俺の胸に飛び込んできた。頭を埋め、スーツを歓喜の涙で濡らす。
『よかっ…よかった…成功して…本当に…!』
それに釣られて、俺も涙を流しそうになるが、ぐっとこらえ、子供のように泣きじゃくるはぁとさんの背中をさする。
『…お疲れまでした、最高のライブでした』
『うんっ…うんっ…!』
手のひらから、はぁとさんの熱が伝わってくる。
『…ありがとう、プロデューサー』
泣き止んだはぁとさんが、まだ少し潤んでいる瞳と、とてもすっきりとした笑顔で俺の顔を上目遣いでのぞき込む。
反則だろ、と思った。この笑顔と涙に俺はノックアウトされた。男ってのは、女の涙と笑顔に弱い。こんなちょっとしたことで恋に落ちるなんて、男ってのはやっぱり単純だな。
衝動的に抱き締めたくなったのを、理性で押さえ込む。
『…どうした?』
『…何でも無いです』
このとき以降、俺はしゅがーはぁとに、佐藤心に惹かれていったんだ。
「…思春期かよ」
自嘲気味に呟く。このたった一回の出来事で恋に落ちるなんて。でもこのとき以降、加速度的にはぁとさんに惚れていって、好きになって、もっと活躍させてあげたくなったのも事実。
いつか思いを伝えようと思っていた。そのときのための言葉も用意していた。でも俺はプロデューサーだ。この思いは、決して許されないものだ。恋い焦がれれば恋い焦がれるほどに、その思いが俺を締め付ける。
「…」
さっきのキスの感触を思い出すように、唇に触れる。時間にして3秒ほどだったが、俺には永遠に感じられた。
「…柔らかったな」
―・―・―
シャワーを浴びながら、さっきのキスのことを思い出しては頭を抱える。恥ずかしすぎる。それに今、はぁとの家にプロデューサーがいるということが信じられない。
「あー!」
シャワーの温度を下げる。この火照ってしまった真っ赤になってしまった顔を元に戻すために。
「冷たい!」
でも、そんなことしても意味なんか無くて。むしろより一層鏡に映った顔は赤くなってしまう。たまらず元の温度に戻した。
「冷たかった…」
ようやくちょうどいい温度に戻ってきた。
「…」
いつから、プロデューサーのことを好きになっていたんだろう?最初は、ちょっと苦手だった。なんかはぁとのことを変に見てたしね。そう見られることは覚悟の上だったけど、やっぱりさみしかった。
でもいつからか、まっすぐちゃんとはぁとのことを見てくれるようになった。何があったのか分からないけど、自分が認められたような気がして嬉しかった。
ああ、私は間違ってなかったんだなって思えた。もっと頑張ろうって気合いが入った。
じゃあ初めてのライブの後かな?アイドルになって、初めて自分が泣くところを人に見せてしまったあのとき。でもプロデューサーは、そんな私も受け入れてくれた。わんわん泣くことが出来た。
泣き顔は見せたくないって変な意地を張っちゃって、胸に顔を埋めて泣いた。そんなはぁとを優しく励ますような、ねぎらうような手がとても暖かくて。安心できて。後から後から涙が溢れた。
…今だったら絶対出来ないわ。よくやったな、昔のはぁと。いや思い返すほど昔じゃないけど。
あれ以降かな、はぁとが何でもプロデューサーに話せるようになったのは。馬鹿みたいなことも、弱音も、照れ隠しも、全部。いろんな話を嫌な顔一つせずに聴いてくれた。
一緒にいるうちに、かけがえのない大きな存在になっていった。もっといろんな話がしたいと思うようになった。もっと先の関係になりたいって思ってた。
大好きな人になっていた。
そんなはぁとの思い人が、今この家にいて、そしてこれから…。
とたんに恥ずかしさというか、ボカッとした感情がはぁとを襲った。そうだよな、うん。このシャワータイムが終わった後は、アレだし、はぁとが誘惑したんだし…。
「…どうしよ」
先を想像出来ない。今までこういうことなかったし。あいにく相手なんていなかったからな。アレなんてネットで見たことくらいしかないし、正解が分からない。おいおい、誘ったのははぁとの方だろ☆…ダメだ、自分への軽口なんか何にもならない。
シャワーの後ってどんな格好がいいんだ?
下着で?いやダメ、恥ずかしすぎる。
バスタオル?下着以上に恥ずかしいわ。
このまま?出来るわけないだろ。
「…」
散々考えても、答えなんて分からなかった。結局、いつものパジャマにした。
幻滅されないことを祈ろう。
―・―・―
シャワーの音が止まる。程なくして、パジャマ姿で髪を下ろしたはぁとさんが寝室へとやってきた。
「…」
「…すっぴんだからさ、あんまり…」
「あ…すいません」
つい見とれてしまった。すっぴんでも、いつもと変わらない愛らしい顔だ。ノーメイクでも十分芸能界で通用すると思う。
はぁとさんは俺の左隣にぼすっと腰を下ろす。そこから少しの間、互いに言葉を発することも、相手を見ることも出来なかった。ふいにはぁとさんの右手が視界に入る。そこへ自分の左手を近づけた。
はぁとさんも同じように右手を。おずおずと差し出した、差し出された手をどちらともなく握り合い、指を絡ませ合う。
「その」
はぁとさんの方へは向けないまま、口を動かす。
「髪…下ろしてると、やっぱり印象変わりますね」
「…結んでる方が、いい?」
「いえ」
少しだけ、指の力を強める。
「結んでるのも、下ろしてるのも…どっちも俺は好きですよ」
「…そっか」
はぁとさんの方を見るが、顔は長い髪に隠れてしまってよく見えなかった。でも、髪からはみ出た耳が、朱色に帯びている。それをたまらなくいとおしいと思った。
手はにぎったまま、はぁとさんに近づく。少しだけ、はぁとさんの体が強ばった気がした。
「…こっちを向いてくれませんか」
ゆっくりと、はぁとさんがこちらに顔を向ける。その頬に、開いている自分の右手を添えて、さっきとは違って、今度は自分から。
「ん」
二回目の、キス。
「んっ…」
さっきよりも、長い時間唇を合わせる。
「んっ…はぁ…」
唇を引きはがす。はぁとさんの吐息が顔にかかるほど近くにある。
いつか思いを伝えようと思っていた。そのときのための言葉も用意していた。
「好きです。俺はあなたのことが好きです。」
でも、用意していた言葉は言えなかった。飾った感じがして、それだけじゃ自分の気持ちを伝えきれなかった。
「心」
彼女の本当の名前を呼ぶ。
心さんは少し驚いたみたいだけど、すぐに満足そうな笑顔になった。
「…プロデューサー」
心さんの瞳は、俺の姿が映り込むほどに透き通っていて、吸い込まれそうで。互いに見つめ合った。
「あ、あのさ…その…はぁとは…こういうの初めてだかさ…」
心さんは、開いている左手を、頬にある俺の右手に重ねる。
「…優しく…」
返事の代わりに、またキスをした。
―・―・―
朝日が寝室に差し込む。
「うぅ~ん…」
掛け布団から身を出して伸びをする。そこで私は、自分が裸ということを思い出した。パジャマと下着は、ベッドの縁に少し雑にたたんで置いてある。
それを拾い上げ、身につけようとしたところで、彼がまだ寝ていることに気づく。
「…」
私はまた布団にもぐり、まだ寝息を立ててる彼に抱きついた。そして彼の右手を夜みたいに私の頬に置く。
「…ふふっ♪」
昨日のことは夢か何かじゃないかと思う。でもこうして目の前に彼がいることが、昨日の事が夢じゃないって証拠だ。
そういえば、彼は事務所でも居眠りなんかしないし、寝顔を見るのは初めてかもしれない。こうした無防備な姿を見られるのが、私だけだと思うと無性に嬉しくなる。頬の手の上に私の手を重ねて握る。
「…うん…あ」
そこで、彼が目を覚ました。でも手はつないだままで。
「おはよ☆」
「おはようございます、心さん…」
まずは、互いに服を着ることにした。
「…美味しいです」
「ありがと」
私が作った朝ご飯…といっても、ご飯と味噌汁と目玉焼きだけの簡単なものだけど、彼は美味しそうにそれを食べる。
「…心さんは、食べないんですか?」
美味しそうに食べる彼の姿を眺め続けて、自分が食べるのを忘れていた。慌てて箸を持ち、自分の料理に口をつける。自画自賛になってしまうけど、確かに美味しい。
「いやー…なんかこうやってると…新婚、みたいじゃない?」
「…確かに、そうかもしれませんね」
「お、もらっちゃう?私をお嫁に?」
「ええ、いつかはそうしたいですね」
軽い冗談だったのに、返された。急のこと過ぎて言葉に詰まってしまう。顔ニヤけてない?大丈夫?
「…顔めっちゃにやけてますよ」
大丈夫じゃなかった。
「ごちそうさまでした」
「お粗末様でした」
食事を用意してもらったし、自分がやると彼は言った。そしていま、彼が皿を洗っているのを私は眺めている。
…なんかこういうのも、夫婦っぽいな。
洗い物を済ませた彼は、ソファーに座っている私の隣に座った。私は彼の腕に抱きつく。
「…どこか行かない?」
「…そうですね」
今日は二人ともオフ。車はプロデューサーのがあるし、どこかへ二人だけで行きたい。
「その前に、俺は着替えたいです」
プロデューサーは、昨日と同じスーツにワイシャツだった。確かにデートでスーツは嫌だ。
「あ、じゃあさ、Pの家に行く?」
おうちデート、ってヤツだ。前から彼の家には行ってみたかったし。
「…来ます?」
「当たり前だろ☆」
「…最低限の変装はしてくださいね」
「分かってるって」
着替えて、帽子と伊達メガネを身につける。
「じゃ、行きましょうか」
「うん」
玄関から出て、すぐに彼の手を握る。普通につなぐんじゃなくて、恋人つなぎで。階段を、一歩一歩下りて駐車場へ。
昨日とは違って、私は助手席に乗り込む。
「途中寄りたいところとかありますか?」
「DVD借りたい!」
「なら、そこ寄ってからということで」
彼が車を発進させる。
助手席から見える街の景色は、いつもと違った。
ここまでです、ありがとうございました
満たされない人々に…夢と愛情を与える…それがアイドルという存在の使命だ…!
そしてそれを実現させる…女神の才能が!しゅがはにはあるのだからなぁ!!
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