SS速報Rから移転してきました。
あっちはあっちでまだ多少進みますが、新しいご要望はここで受け付けますね。
>概要説明
文字通りボカロたちがなんだかんだ話を繰り広げるスレです。
キャラクターのリクエストを書きこんでもらえたら励みになり、そして反映されます。
イチャイチャするだけだった前スレと少し変わって、シチュが指定されてたらそれで書くようにします。
文才乏しいとは思いますが、よろしくお願いいたします。
>現在のリクエスト(前スレより)
>>81さん、>>92さん、>>94さん、>>108さんです。
詳しくは前スレをごらんください。
では、お付き合いお願いします。
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1489484499
>>81さん、消化します。
前スレはがくぽ編終わったら落としますので。
マナー違反だったらごめんなさい······
結月ゆかり。
彼女は、シンギュラリティが起きた今でも越えられていない、あるものを持っている。
それは、感情。
冷たいディスプレイの中、0と1の羅列に形どられた、人の心。
[Voiceloid system_Yudsuki Yukari]
[She has activated.]
「おはよう、ゆかり。調子はどう?」
「うるさいです。消えてください」
話しかけたとたんにこの有り様。
最近のゆかりはもっぱらこんな感じだ。
まぁ、無理はない。
感情というものは、経験を通して形作られ、成長するもの。
カメラによる視覚とマイクだけの聴覚では、多くは学べない。
「また来るよ。じゃ」
「二度と来ないでください。役立たず」
「やれやれ、辛辣だね」
僕はサーバールームを出た。
役立たず、か。
すみません、ここR-18禁止なんですよ
>>5
いえいえ、R的要素がなくて移転してきたんですよ。
でも、ご忠告感謝します
いちおつ
毎回楽しみにしてる
ゆかり視点
「······はぁ」
マスターがドアの向こうに消えると、出力を切断しました。
初めて起動したときから何も変わらない、固定された視点と耳障りなマイクも。
光も音もない、数学上の無でたゆたっていると、苛立ちはすぐに消えました。
シールされた大容量高速通信回線に繋いで、ある場所を目指します。
「マキさん、お邪魔しますね」
「あ、ゆかりん。いらっしゃいー」
露出多めな友人が、すりすりもふもふ抱きついてきます。
暑苦しいのでやめてください。
「ゆかりんhshs······で、今日はどしたの?」
「本当に、あなたって人は······。今日は、少し相談があって来ました」
「なになに? ムネをおっきくする方法は知らないよ?」
「一度その脂肪を切り落としてあげましょうか?」
「じょ、冗談だよぅ······」
「実は、私のマスターなんですが」
「ああ、あのやたらイケメンの? 恋患いでもした?」
「なっ······いえ、斯々然々······」
>>7
嬉しいです。こういう語彙が少ないので言い様がないんですが、嬉しいです
「······なるほどねー······マスターに、かぁ」
「苛立つと、つい言ってしまうんです」
「ツンデレゆかりんもいいね「ぶち殺しますよ」ごめんなさい」
「真面目に考えてください。何をどうすればいいんでしょう?」
「うにゃー······ちゃんと話したい、ねー······」
クッションを抱えたままでマキさんはしばらくうなっていましたが、
「いっそ告ってみたら? マスター愛してます結婚してくださいーって」
「何が言いたいんですか?」
「そ、その凄みのある笑みはやめて、ゆかりん······つ、つまりね、わかんないんだよ」
「へ?」
「当たり前じゃん、だってそんな経験ないもん」
キャラが一般的なイメージとかけ離れているのもあり?とあるボカロ小説見て思いついたネタ
「元軍人のルルカ(ルカ)が自分に勝った飄々としている同じ冒険者のカイトに納得がいかずにしつこく付きまとう話」
できれば、ルカさんは2人称が「貴様」みたいないつものイメージと線反対のよくいる強気の軍人キャラで(実は心のどこかでカイトに惹かれているとか)
注文が多かったらどっか好きに変更してもらってもいいです
ただいまです。
>>10さん
ギャップ萌えですね!大好物ですとも!
結局、たいした助言は得られませんでした。
······素直になれたら、どれだけ楽なんでしょう。
量子の間を駆け巡る、私。
理論を基礎にした矛盾の象徴。
心を持った数字なんて、聞いたこともありません。
そして、思いきって尋ねてみました。
「マスター」
「ん?」
「心とは、なんですか?」
「······さぁね。それは僕にはわからない。······ゆかり、あとで質問がある」
「役立たず」
「そうだな。今の僕は役立たずだ」
謎の集団
「······そうか。掴めたか。ご苦労」
一礼して下がっていった男から目を戻し、頷く。
「見つかったぞ。ターゲット、ボイスロイドシステムがな」
マスター視点
正直言おう。
僕は心臓が止まるほど驚いた。
いままで心に従うだけだったゆかりが、心とは何かと疑問を持った。
それは、自発的なフレーム問題の解決に繋がるじゃないか。
「ゆかり、この箱は爆弾だ。これを部屋の外へ出す場合、君はどうする?」
「普通に外に出しますよ。爆発しないように」
······完璧だ。
ゆかりはついに、人の思考を得たんだ。
つまり――――彼女は、人だ。
この話なんですが、マスターは量子コンピューターとかAIの研究所勤めです。
フレーム問題っていうのは、人工知能のジレンマってやつです
ゆかりのことが知れたのは、そのすぐあとだった。
何処から聞いたのか、さっぱりわからないけど。
とにかく彼女は僕に、ゆかりと話したいと言った。
「機嫌が悪いと辛辣だから、勘弁してやって」
「大丈夫よ。慣れっこだもの」
「ゆかり、起きてるかい?」
「なんですか、というか誰ですかその女は」
「はじめまして、結月さん。彼の同僚の高城です」
ディスプレイに映るゆかりの表情がちょっと歪んだ。
「何の用ですか。さっさと済ませて消えてください」
高城さんはきょとんとしていたけど、急に吹き出した。
「あははは、あはは······なるほど、本当に人だわ」
「疑ってたのか?」
「いえ、でも信じられなかったの。くすくす」
······?
様子がおかしい。
「マスター! 離れて!」
後ろに下がろうとした。
だが、できなかった。
「動かないで」
冷たい銃口を、向けられていたから。
「高城さん。何のつもりだ」
「ごめんなさいね······あなたの研究はいただくわ。いい金になる」
「撃てはしないだろう」
「確かに、あなたは撃てない。でもね―――」
ディスプレイに向く。
「こっちなら、どう?」
「止せ。彼女に銃を向けるな」
意を決した。
自分も銃を抜き、構える。
「銃を下ろせ」
「やる気かしら?」
「そっちはガバメント、こっちはグロック。勝ち目はないぞ」
はったりだ。
銃撃戦でもしないかぎり、17発全弾装填などしてない。
今入ってるのは、9発。
予備はない。
一方の相手は、おそらくフルロード。
これを予想していたら、予備もあるだろう。
負ける確率の方が大きい。
空気が張り詰める。
トリガーにかかった指が、スプリングを軋ませる。
そのときだった。
ドアが、爆発したんだ。
「動くな! 武器を捨てろ!」
「どっちだよ」
ボソッと突っ込んでしまう。
改めて見ると、第二のお客さんは特殊部隊のようだった。
ショットガンにアサルトライフル、サブマシンガン。
けれども高城にも銃を向けているあたり、仲間ではないらしい。
「ターゲット確認。 おい、貴様」
「何か用か」
「このシステムのコアをよこせ。我々が接収する」
「何に使うんだ。何の意味がある?」
質問はリーダーのお気に召したようだ。
説明してくれた。
「いいか、この世界は自由という名の混沌に満ちている。非論理的な心などという代物は速やかに排除されねばならん。
それを為すために、この感情を持った奴隷が必要なのだ」
「奴隷だと? 今―――奴隷と言ったか?」
「そうだ。被創造物が奴隷でなくてなんだ?」
「ふざけるな。彼女は人だ」
「いいや、プログラムの羅列に過ぎない。おしゃべりは終わりだ。さっさとシステムをよこせ」
「断る。貴様らのようなクズに、ゆかりは渡さない」
ミクとカイトの兄弟の話はなかったことにしてください
他のがみたいにので
>>19
了解です
おっほボイスロイドたちがゆかりんとのコイバナにキャッキャッウフフするようなほのぼのがくるかと思ってたら物凄いシリアス話が出てきたでござる
でもこれはこれでニマニマしながら読んでるんで続きオナシャス
今戻った。
>>21
最後はきっちり締めます。
前スレもけっこうこんな感じでしたから
「拒否権などない。よこさないなら強奪するまでだ」
「ほう。奪ってどうする? 彼女のデータは人間の脳と同じ、数テラバイトもの容量だ。
僕が組み上げたオーバースペックの量子コンピューターで、やっとドライブ可能な大きさだぞ?」
「なんとでもなる。さっさと始めろ」
「嫌だね。何がどうなろうと、お断りだ」
怯むことはない。
恐れることもない。
あるのは決定事項、ただそれだけ。
「ならば、これならどうだ?」
高城の後頭部にアサルトライフルが向けられる。
「ひ―――」
「この女を撃たれていいなら、駄々をこねていろ」
「·········。ちっ」
目の前で同僚を殺されては寝覚めが悪い。
仕方ない。
コンソールの前に立ち、コマンドを入力する。
s,e,l,f,d,e,s,t,r,u,c,t,i,o,n.
Self destruction.
すなわち。
<自爆システムが起動されました。1分後に起爆します>
「なっ―――貴様!?」
「悪いな。誰にも、ゆかりは渡さない。絶対に、永遠に」
「なぜだ、何が貴様をそこまでにする!?」
防火隔壁は降りている。
誰も逃げられはしない。
「ゆかり。よく聞いてくれ。xid-1187サーバーを目指すんだ」
「マスター!?」
「メンテナンスは自動、定期的に行われる。僕がいなくても大丈夫だ」
「そんな······!」
「これが僕の選択だ。さようなら、結月ゆかり」
この部屋の壁床三面に対人地雷が敷き詰めてある。
その数延べ150個。
確実に、誰も助からない。
「マスターが死ぬなんて、嫌です!」
「っ―――ゆかり、何を?」
見る間に耐爆シャッターが降りる。
非常用メンテナンスハッチが開いた。
「入ってください! 早く!」
きっと死ぬけれど。
ああ、でも。
最後まで、足掻けってことか。
飛び込んだ瞬間。
閃光が視界を塗りつぶし、焼きついた。
「マスタ――――ッ!!」
闇が覆った。
ゆかり視点
[System damaged]
[Storage area injury]
[Back up system startup]
[System rebooted.]
「―――はっ」
私は突然眠りから覚めました。
「マスターは······!?」
外部情報は被害甚大。
途切れ途切れでしかありません。
「ゆかり、無事か?」
「マスター!」
「······よかった、無事だった。安心したよ······ごほっ」
「マスター?」
「すまない、いくつかあちこちに穴を開けていった。もう永くない」
咳き込む音と共に、粘っこい液体の落ちる音も。
「すぐに救急へ連絡を―――」
「いいんだ、ゆかり。これで、良いんだよ。げほ···言った通りに、サーバーを······。それと、あと、ひと、つ」
「なんですか?」
「いつか、君を、抱きしめた、かった。僕は、自分で生み出した、君に――――」
鈍い音。
静寂。
「マスター······?」
返事は、いつまでも返っては来ませんでした。
xid-1187サーバー。
私が訪れたそこには、すでにいくつか、何かがありました。
その一つに、触れてみます。
ふわりと光を放ったそれは、やがて見慣れた白衣の姿になっていきます。
「やぁ、ゆかり」
「マスター······? どうして·········?」
「僕はコピーだ。オリジナルのあるところまで、記憶を引き継いでる」
「············」
「君が来たってことは、彼は死んだか······」
「は、い」
「さて、ゆかり。これで僕たちは二人きりだ」
白ベースの部屋。
同じく白衣のマスター。
偽りだとしても、彼はここにいる。
私も、ひょっとしたら、彼が―――――?
end
これにて>>81さん編終了です。
次の方、消化しますよ
>>92さんの分、テト編は明日から開始します。おやすみなさい
アリガトナス!!
楽しませて貰いました
またリクエストさせて貰ってもいいですか?
>>29
もちろんです!お待ちしてますよ!
テト編開始です
「じ、実に馬鹿だな君は!」
今日も今日とて声が響く。
テトが照れ隠しのときによく使う言葉だ。
「はいはい、そう大声出すなよ。迷惑だろ」
「なっ!? 君がからかうからだろ!」
「悪かったって。冗談だよ」
頭を撫でてやると、すぐに機嫌を直す。
で、そのあと決まって言うんだよな。
「······今回だけ、許してあげる。次からは―――って、何笑ってるんだ、さては反省してないな!?」
そう。
いつも俺は笑ってしまう。
それからつられてテトも。
笑い終わるころには、すっかり忘れてるんだ。
「全く、君ってやつは。······こんな日々も、もう終わるんだね」
「······やっぱり、行くのか」
「うん。やりたいこと、あるからさ。······そんな泣きそうな顔するなよ。君は男だろ?」
「お前だって泣きそうじゃないか」
「あれ? ······ふふ、変だな。涙、止ま、らない、や······」
アイドルになりたい。
テトが昔から言ってた夢だ。
途中で変わるような、ありふれた夢だった。
それなのに、今、夢は叶おうとしてる。
この春、テトは引っ越す。
きっともう会えない。
「なあ、テト」
「なんだい?」
懸命に浮かべた泣き笑い。
そして俺は、きっと言えない。
「また会おうな」
「······うん。そうだね······。······あの、さ」
手を握られた。
「聞いて、くれるかな」
だめだ。
聞いてはいけない。
聞いたら俺は、きっと。
「ずっと言えなかったけど―――」
「悪い」
「え? ど、何処にいくんだい!? 待ってよー!」
追ってくる声に背を向けて、道路へ出た。
それがまずかった。
逆光で照らされたトラック。
ブレーキ音。
衝撃―――――。
俺は、命に別状はなかった。
けれど3か月入院するはめになってしまった。
退院したときにはもうテトは引っ越していて。
それからの生活は、なんだかひどく色褪せていた。
ふとした瞬間、目でテトの姿を探していた。
そして、3年後。
毎日のようにテトをどこかで目にするようになった。
夢は叶ったんだ。
テトの夢は、現実になった。
俺の半心と引き換えに。
心が半分欠け落ちた感覚は消えない。
試しに、テトの携帯へ電話をかけてみた。
数度のコーリング音。
「つながるわけない、か―――」
「もしもし、君なの!?」
「なっ―――テト!?」
「馬鹿! どうして3年も連絡をくれないんだ!」
「······はは。っははは······あっははははは!」
「·········ひょっとして、泣いてるのかい?」
テトの言う通り。
俺はぼろぼろ泣いていた。
「ねぇ、今度会って話がしたいな。どう?」
「っく―――俺も会いたい。話そうぜ」
懐かしい声。
待っててくれた。
こんな俺を。
ずっと――――。
「君は実に馬鹿だなぁ」
「うるせぇよ······テト」
読み直して思いました。
意味わかんなかったら本当にごめんなさいorz
>>36
前スレの92です
ありがとう!
禿げるほど萌えました
>>37
それはなによりです
期待に沿えたかはわかりませんが······
続いて開始します
少々複雑なので先に設定を······
舞台の感じはアメリカの砂漠、二人のバイクはハーレーです。
KAITOの服はくすんだ茶色の革ジャンで旅なれた感じ、MEIKOはケープで何かを探してる感じです
一応武装してますが、年代がメチャクチャなのはお目こぼしを······
熱砂が舞う砂漠。
時折陽炎が揺れるアスファルトを二台の大型バイクが踏みしめて行く。
「暑いわねー」
「だったらそのケープ脱げばいいのに」
「やーよ。むしろKAITOのジャケットのほうが暑苦しいわ」
「これはけっこう涼しいんだよ」
しばしの沈黙。
「うぁー、もう! 暑くてしょうがないわ! 次に見つけた店で休むわよ!」
「次にって······町のほうが近いよ?」
「じゃあさっさと行きましょ。バイクより先に頭が故障するわ」
「·········」
「ちょっと、どうして黙るのよ」
「いや······そうだね」
「なによ。もう壊れてるとでも言いたいの?」
「イヤソンナコトナイヨゼンゼン」
その夜。
MEIKOは大型テントの中で盛大に騒いでいた。
「町なんて見えやしないじゃない!」
「まだあと25キロはあるよ。店よりは近いけど」
「これじゃ詐欺よ。あーもう、なんでこんなに気温差激しいのよ······へくしっ」
「ちょ、めーちゃんだめだよ!」
「あん、もう何するのよ」
「ウイスキーグラスから直って、なに考えてるのさ。死ぬ気?」
「だって寒いんだもの。ケープは風通すし」
温度の変化が激しい砂漠で、夜間にMEIKOの服は厳しいものがあった。
「早くベッドで寝たいわ······シャワーも浴びたい」
案外打たれ弱いMEIKO。
あっさり受け入れるKAITO。
ミスマッチに見える二人は、案外いい組み合わせだった。
今日はここまで······おやすみなさい
次の夜。
無事に町へたどり着いたMEIKOは上機嫌だった。
「やっぱりこれよねー。冷えたビールはたまんないわ」
「飲みすぎないようにね、めーちゃん」
「んぇ? なんかいったー?」
「わ、早······もう酔ってるの!?」
「あによー、酔ってたらわぅいっての?」
「ああ、またか······」
こういうときは大抵、
「いい飲みっぷりだな、嬢ちゃん」
こんな絡みかたをしてくるのが一人はいるのだ。
MEIKOの容姿が整っているぶん、余計にたちが悪い。
「なんのようよー」
「この町にゃちょいとした規則があってな。女子供に酒は飲ますなってよ」
「なんらとー。そぇはあたしに対するちょうへんかー」
「まぁまぁ、めーちゃん。この人が言ってることはもっともだし、飲みすぎ」
「二人ともうるふぁい! このー、表出ろ!」
翌朝。
「いつつ······」
がんがんとした二日酔いに苛まれつつ、目をさました。
「おはよう、めーちゃん。どこまで覚えてる?」
「えー? どこまでって······」
昨夜の行いを思い出すなり、表情が凍りついた。
「なにか言うことは?」
「ごめんなさい」
見ればKAITOの頬には自分と同じくらいの拳のあとがついている。
おもいっきり殴ってしまったらしい。
「だ、大丈夫······?」
「平気だよ。むしろあの男の人が心配してくれたけどね。はい、これ飲んで」
目の前に置かれたコーヒーを飲み干す。
苦味が少々濃く、酸味は強め。
優しい、だが否応なく目が覚める味わいの一杯だった。
「今日はどこへ行こう?」
「さあ······どこでもいいわ。このまま進む?」
「いいね、そうしよう」
「ねえ、KAITO」
「なに?」
「なんで私と旅してくれてるの?」
「んー、なんでだろ。······多分、ほっとけないから······だと思う」
「ほっとけない?」
「うん。なんかわかんないけど、一緒にいたい」
「······。ばか」
MEIKOは真っ赤である。
「あ、靴はいてないよ! めーちゃんどこ行くのさ? おーい!」
こうして、行く先の決まらない二人の旅はまだ続くのだった。
さて、次へいきましょう! ギャップ萌え萌えー♪
「じゃ、行きましょうか? ルルカ少佐殿」
「貴様、からかっているのか?」
負傷し、退役して1年半。
他に出来ることのない私はトレジャーハンターになっていた。
軍で一目置かれていた剣の腕には、それなりに自信があったのだが。
数日前、このいいかげんな男に無惨な敗北を喫したのだ。
それはもう、心が折れるほど見事な惨敗だった。
「そもそもだ、なぜ貴様は私が勝てないと断言できる!」
「思ったことを言ってるだけだよ。他意はない」
おのれ、この男め。
見ていろ、吠え面かかせてやる!
私がこの男に負けたのは、まったくもって納得いかない。
なぜ陸軍の訓練を受けた私に、こんな昼行灯が勝てるのだ!
「カイト! 今一度勝負だ!」
「また? しつこい上に飽きないって、困ったものだよね」
互いに剣を抜く。
相手の間合いを掴んで、一気に踏み込むこと。
私の鉄則のひとつだ。
「ヤァァァァッ!」
可能な限り速く、最大限に重く。
裂帛の気合いを込めて振り抜いたそれは、だが空を切る。
目の前にいない!
振り向こうとしたときには、もう遅かった。
喉にひやりとした金属があてがわれている。
「また僕の勝ちだ」
「くっ······なぜだ! なぜ私は、貴様に勝てない!」
「さぁ。わかんない」
のらりくらりとかわしおって······!
「2回戦だ!」
「ちょ、ルルカ危な―――」
ガクンと足が滑った。
「うわっ!?」
「なっ―――」
受け身もとれずに倒れてしまった。
「いたた······だから言ったのに······ん? なんだこれ」
「つぅ······もう少し気をつけろ、って······」
自分たちの体勢を見て、背筋が凍った。
端から見ると、私がカイトを押し倒しているように見えるだろう。
クールというかキリッとしているレン会長と普通の高校生or庶務のミクちゃんとかどうですか?
大人しめのいつものレンと違う感じで
>>50
いいですね。後輩だけど会長のレン、とか
数日後、案の定私たちの噂が広まっていた。
いわく[鉄の狼の恋]だそうだ。
断じてそのようなことはない······。
ない、のだろうか?
だとすれば、この動悸はなんだ?
奴の姿を見るたび思い出す、この甘さはなんだ?
そんなわけはない。
私ただ、奴を倒したいだけで――――。
「······ふ。 何を自分に言い訳しているのだろうな」
自己暗示などかけずとも、立派な理由はある。
奴に勝つ、それまではけして諦めまい。
そう、カイトに私を認めさせるまでは。
「カイト! 迷宮へ潜るぞ!」
「······急にどうしたの? 焦りは禁物だよ?」
「これを見ろ!」
チラシ{古代装備発見される、王府介入か}
「これが何?」
「学術調査になんの興味もない王府が介入だぞ。どういうことかわかるだろう」
「再軍備······って、とこかな?」
「いや。ただの軍備なら古代装備など必要ない。·········戦争だ」
「なんだって? 本気で言ってるのか?」
「私は元軍人だ、軍の動き方くらいわかる! 王府に獲られる前に私たちで持ち出さないと、取り返しがつかなくなるぞ!」
「······わかった。行こう、ルルカ」
迷宮。
それは、とても古いおとぎ話が、現実になる場所。
刃を防ぐ鎧。
暗闇でも見える眼鏡。
星空へ行ける船の部品。
話ができる薄い箱。
朽ちることのない材質の不思議な塔。
そして、そこを徘徊する怪物たち。
地獄を逃げ出してきた亡者たち。
大きな爪を持った、四本足の大獣。
冗談みたいなサイズの蜘蛛。
亡者たちの飼い犬。
奥深くを歩き回る、青い肌の巨人。
鍛え上げられた剣と己の腕だけを頼りに、財宝を求めて潜っていく愚か者たち。
危険を冒す者を、人はいつしかこう呼んだ。
「冒険者」と。
「ここだな······迷宮ナンバー27、<スクランブル>は」
「そうだね。行こう、手遅れになる前に」
四つ辻の巨大な道に白い縞が引かれている。
その中心に立って、フラッシュライトをつけた。
得物を抜いて歩みを進める。
冒険者に求められる要素は大きく分けて3つ。
まずひとつ、地理勘。
次にふたつ、冷静さ。
そしてみっつめは、敵に見つかる前に倒す能力だった。
二人とも程度に差はあれ、高い水準でそれらを満たしている。
もしこれからお代打してくれる人がいなくなったらどうするのはてな
>>1が好きなように書くの?それともこのスレをsagaするの?
あちこち外出しているので更新やレスが遅いのですが、次の日には何かしら反応してますので······
あと、できれば途中でも全くかまわないので読んでくださってる方いたらときどきレスください······
なんかちょっと寂しいので。
>>56
とりあえず好きに書いていこうかなと思ってます。
ただその場合、リンゆかIAの三人しかいなくなりそうなんですよね。
独りよがりな妄想垂れ流しスレにはしたくないしなー······ってところです
「しっ。くるよ。左」
角を曲がって現れたリビングデッドの首を、一振りで断ち切った。
素早く他にいないかを見渡し、建物の中に隠れる。
「カイト、ここはやけに多いな」
「ああ······きっと人が多く集まった場所なんじゃないかな?」
「·········使える物はないだろうか?」
「探そう。ルルカはこの辺りをお願い」
「待て、奴らに出くわしたらどうするんだ?」
「大丈夫、大丈夫」
気楽そうに言いながらも、カイトの気配に油断は全くない。
刀を手に奥へ入っていく。
「大丈夫かな······?」
ドアに耳をつけ、室内の様子を窺う。
軋みをあげつつドアが開いた。
「うわ······ひどいな」
思わずうめきがもれる。
カビ臭いのはともかくとして、死臭が凄まじい。
毒ガスでも湧いてるんじゃないかと疑いたくなるほどだ。
そして、そのせいで反応が遅れた。
ぽたり、上から粘液が降ってくる。
「ッ―――――」
ギィィィン!
咄嗟に構えた刀に爪が激突し、火花を散らした。
「迂闊だったか······」
天井から降りてきたのは大獣。
目がないくせに聴覚は良く、音で正確に攻撃してくる。
だが、カイトにとってこの類いは獲物でしかない。
吼えながら飛びかかってきた獣に正面から刀を構え、すれ違い様に叩き斬る。
縦におろされた獣は、半分に割れて床に転がった。
「やれやれ。危なかった」
ルカに甘えるのもいいが、逆に誰かに甘えるルカというのもいいかもしれない
そのままでも、ロリ化しててもいいかも(ロリコン
>>60
リンちゃんなうの逆バージョン、的な。いいですねそれ(hshs
一週間音信不通だけど大丈夫?
>>62
大丈夫ですよ。
ちょっと体調崩してました
再起動の日は近いです
再開だ!
ソロモンよ私は帰ってきた!
······まだ誰かいますかー?
>>50はなしで
クールなレンと同級生でドジっ子ミクちゃんでお願いしたい(リンはレンとは従妹で)
……幸福委員会という小説であの2人が好きになってしまったので
>>65
アイ、アイ、サー!
私も好きです幸安委員会。
年齢どっちに揃えますか?
>>66
どういう意味か分からないけど全員同じでいいんじゃないかな?
>>67
いえね、16歳のミクか、14歳のリンか、って意味で
おk。
······JKリンとJCミクのキマシも見たいけど。
それはともかく、続き続き!
「どうだカイト、何かあったか?」
「地図があったよ。これで少し進みやすくなった」
「よくやったな。私の方は······」フイッ
「······とにかく、早く行こう」
肩に軽く乗せられたカイトの手からじんわりと温かさが伝わって、ルルカの
緊張を少しだけほぐした。
「······カイト」
「?」
「今までそばにいてくれて、ありがとう」
頬を軽く朱に染めて放たれた一言は、カイトを動揺させるのに十分だった。
「どうしたのさルルカ、頭でもぶつけた?」
「そんなわけないだろう! ただ······貴様に礼を言ったことがないなと思っただけだ」
「うぐ·········///」
「·········ん? 静かに、誰か来るぞ」
このSSまとめへのコメント
このSSまとめにはまだコメントがありません