【ガルパン】まほ「みほの部屋から煙草が見つかった」 (25)

・ガルパンss

・インパルスのコントのオマージュ第二弾です。
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まほ「まさかみほが隠れて煙草を吸っているとはな」

まほ「母さん、そんなに気を病まないで欲しい」

まほ「原因はきっと、プラウダとの敗戦後その罪をみほに擦り付けた私たちにあるのだから」

まほ「だから、この件に関しては私がみほと話させてくれないかな」

まほ「勿論ぶったりはしない」

まほ「お互い本音をぶつけ合って、これまでの事を清算したいんだ」


まほ「おっと、みほが帰ってきたみたいだ」

まほ「じゃあ、後できちんと報告するから。電話切るね」


みほ「ただいまー」

まほ「おかえり、みほ」

まほ「ちょっと話があるんだが、席に座ってもらえないか?」

みほ「…話?」

まほ「いいから」

みほ「…うん」

まほ「みほ、最近はこうして顔を向き合って話す機会も無かったな」

まほ「いや、そうしてしまったのは私の方かもしれない」

まほ「あの日以来、黒森峰のメンバーやOG、果ては西住流戦車道会から非難を浴びるみほを、きちんと守ってやれなかった私は姉として失格だ」

まほ「そんな自分を見て見ぬふりをして、そしてみほが悩んでいる事にも目を背けていた」

みほ「私が悩んでいる?」

まほ「そうだ、みほ。お姉ちゃんに隠している事があるんだろ?」

みほ「別に、私は…」

まほ「隠す必要はない、もうお姉ちゃん全部分かってるんだ」

まほ「安心しろ、これを学校や警察に言おうなんて思っていない」

まほ「寧ろ叱られるべきは、私の方なのだからな」

みほ「……そっか、どうやらバレちゃってるみたいだね」


まほ「あぁ、実はみほの部屋からこんな物を見つけ…」

みほ「お姉ちゃんが言ってる事って、私が黒森峰学園のデータベースにハッキングして、奴らが航海中に集めた日本海近辺の海溝図情報を中国の人民解放軍に横流ししているという事を、文部省にリークしたことだよね?」

まほ「……………ん???」

みほ「でもお姉ちゃんこれにはちゃんとした訳があるの」

みほ「黒森峰の奴ら、海上自衛隊の配備実態や日本の防空能力の情報を中国の奴らに横流しするだけじゃなく、最近はより機密的な情報を流すようになってきていたの」

みほ「お姉ちゃんも最近学園艦が南の方へ進出するのにも気づいていたでしょ?」

まほ「あぁ、そういえば今年は沖縄への寄港が多くて海水浴が楽しみだってエリカが…」

みほ「あれは尖閣諸島近辺の海溝情報を得るための野心的な計画だったの」

まほ「……んん???」


みほ「尖閣諸島の防空情報、海溝情報、配備実態が丸わかりになれば、奴らは絶対に尖閣諸島へ進出してくる」

みほ「確かに今の中国主力戦闘機J20が、日本の主力戦闘機F35を破る事は無いと思うけど、奴らは間違いなく数で押してくる」

みほ「そうなれば事前に情報を得た人民解放軍が、島国であり初動対応で劣る日本より一歩先に行くことは間違いない」

みほ「そうなれば今みたいに平和な生活を送ることなんてできない」

みほ「だから文部省に黒森峰が情報を横流ししているというデータを送り付けて、奴らの罪を白日の下にさらそうと考えたの」

みほ「完璧なハッキングで、ハッキングされたことすら気づかれないようにしたつもりだったけど……お姉ちゃんは気づいていたんだね?」





まほ「………」

まほ「も、もちろんだぞ」


まほ「ハ、ハッキングね、それと黒森峰の情報横流しね」

まほ「そ、そりゃお姉ちゃんも昔から気になってたさ。みほがやらなければ、私がやっていたよ」

まほ「だ、誰もが一度はやろうとすることだからな、ハッキング!」

みほ「やっぱり、お姉ちゃんには叶わないや」





まほ「…それはそれとして、他にあるだろ?」

みほ「他に?」

まほ「そうそう、例えば警察とかに言い難いことだ」

みほ「…もしかして、あのことを言ってるの?」

まほ「そうそう! あのことあのこと! 実はみほの部屋からタバ…」

みほ「お姉ちゃんの言ってる事って、黒森峰が人民解放軍へ情報を横流ししていると文部省にリークしたのはいいけれど、実は黒幕が文部省だったことから、事態を重く見た文部省が全国戦車道大会決勝戦で意図的に事故を誘発させて私を殺害する計画を企てたけど、ギリギリのところでそれを回避できたことでしょ?」




まほ「……んんんん???」


みほ「でもお姉ちゃん信じて、あれは本当に予測できなかったの」

みほ「実は黒森峰は末端に過ぎず、文部省が全ての黒幕だったの」

みほ「奴ら日帝時代の残虐な行為への清算とかいって、日本の軍事機密を大量に中国へ横流ししていたの。中には日米同盟を揺るがすような情報まで入ってた」

みほ「それに加えて、奴ら学園艦の解体までやろうとしていた」

まほ「が、学園艦の解体??」

みほ「そう、日本は戦後侵攻を目的とした兵器は作成・保持しないという宣言から空母を一切保持してこなかった」

みほ「でもそれは、学園艦が有事の際は空母の役割を果たすという暗黙の了解があったからこそ機能していたものなの」

みほ「つまり学園艦は私たちが学問を学ぶ以上に、軍事的に大きなパワーとして存在していたの」

みほ「それを解体するという事は、つまりは戦力の削減につながるという事。そんなことをすれば日中の軍事的なパワーバランスは、中国側へ大きく傾いてしまう」

みほ「奴ら学園艦が文部省傘下ということをいいことに、手始めに大洗女学園を潰そうと今も水面下で法的な処理を進めているの」

みほ「でも何も知らない私はそんな文部省に黒森峰のやっていることを訴えてしまった」

みほ「つまり、私は馬鹿なことに文部省に「私は文部省のやっている悪事を知っています」と知らせてしまったわけ」

みほ「で、戦車道決勝戦で私は消されそうになった」

みほ「お姉ちゃんならわかると思うけど、あの時赤星さんを狙っていた戦車が本当に狙っていたのは私たちの戦車」

みほ「幸運なのか不幸なのか、あの雨の中で奴ら私じゃなくて赤星さんの戦車へ誤射してしまったの」

みほ「後で私の戦車を調べたら、浸水しやすいように床部分に気づかれにくいよう穴が開けられていた」

みほ「もし私の戦車が撃たれてあの濁流に飲まれていたら、間違いなく私は今この世には居ないと思う」

まほ「流石にそれは考えすぎじゃ…」

みほ「お姉ちゃん知ってる? 決勝戦終了時、私たちはプラウダ側戦車を20車輌いる戦車の内15車を撃破していたにも関わらず、最後審判が数えたプラウダの残存車輌は6車だったの」

まほ「え????」

みほ「そして赤星さんを撃った戦車の事を後からプラウダの人に聞いたんだけど、誰一人として知らなかった」

みほ「それを警察に訴えたんだけど、取り合ってもらえなかった」

みほ「もしかしたら、文部省の息は既に警視庁にも降りかかっているのかもしれない」

みほ「お姉ちゃんは、その事を言いたかったんだよね?」






まほ「………」

まほ「も、もちろんだみほ!!」

みほ「お姉ちゃん!!」

まほ「そ、そんな事はお姉ちゃんだって分かっていたさ! あれだろ、ほら、文部省がその敵なんだろ!?」

まほ「だからお姉ちゃん、文部省にリークするのはまずいんじゃないかなーって思ってたんだ」

みほ「そうなんだ、やっぱりお姉ちゃんは私の一歩二歩も先に行ってるんだね」





まほ「…ところで、他にもあるだろ?」


みほ「他?」

みほ「…他っていうと、何があったっけ」

まほ「あるでしょ! もっと小さい奴! ていうか小さい箱! そいういう事をお姉ちゃん話したかったの!」

みほ「小さい箱? 箱? それってもしかして…」

まほ「そう! 箱のお話!」


みほ「もしかしてお姉ちゃんの行ってる事って、『箱が解放されれば連邦政府は転落する』と呼ばれるラプラスの箱の情報を私が袖付きにリークした…まほ「ちがーーーーーーーーーーーーーーう!!!!!」


まほ「違う! 違う! 違う! 違う! 違う!!!!」

まほ「何だよラプラスの箱って! 連邦政府って何の事だよ!」

まほ「私が話してたのはこれの事!」スパーン!

まほ「タ・バ・コ!!! タバコだよーーーーー!!!」

まほ「みほの部屋から煙草が見つかったからこうやって話したかったの!!」

まほ「尖閣諸島って何なの!! 戦闘機の話されても分かんないよ!!」

まほ「でも煙草は犯罪なの! 二十歳未満は吸っちゃダメなの! 分かる!!?」

みほ「お姉ちゃん…ごめん」

まほ「ごめんで済んだら警察いらないの!!」

みほ「ごめん…でもそれ、煙草じゃないの」






まほ「は????」


みほ「ちょっと貸して」

まほ「あ、はい」スッ

みほ「これをこうやってこうするとね」カシャーン

まほ「あ、何かアンテナが出てきましたね」

みほ「そう、これは今学園艦を包囲している海上自衛隊に突入の合図を知らせる発信機なの」

まほ「え、なにそれ???」

みほ「文部省と黒森峰の奴らの計画はもう完遂間近に迫っていた。でももう私には頼れる人はいない。だから、自衛隊の蝶野さんに全部このことを話してみたの。そうしたら、学園艦を強襲して物的証拠を押さえるのが一番だって」

まほ「きょ、強襲??」

みほ「だから今日の夜、学園艦長が居るのを確認してボタンを押せば、自衛隊の特殊部隊が学園艦を占拠して、物的証拠を確保。同時に文部省へも強襲をかけることが事が決定しているの」

みほ「勿論死人は出さないって蝶野さんも約束はしてくれたけど、相手が本気を出してきた場合はどうなるか分からない」

みほ「もしかしたら一般人に危害が及ぶかもしれない」

みほ「お姉ちゃんはそれを心配してるんだよね?」






まほ「………」

まほ「……そ、その通りだぞ」


まほ「強襲だろ? 強襲ならお姉ちゃん全部知ってたもん」

みほ「そうなの?」

まほ「当り前だろ? 強襲の一つや二つ、お姉ちゃんだって経験あるから」

みほ「そっか、黒森峰の隊長だもんね」

まほ「そうだよ、私は黒森峰の隊長だからな」



みほ「じゃあ、もういいかなお姉ちゃん。私今から学園艦長の家をハッキングして自宅にいるかどうか確かめないといけないから」

まほ「そうだな、もういいぞ」

みほ「やっぱり国家権力の目は欺けても、お姉ちゃんは欺けないな」

まほ「欺けてたけどね、何にも知らなかったけどね」

みほ「じゃあお姉ちゃん、今日は夜11時以降は外に出ちゃだめだからね」

まほ「あぁ、分かった」

まほ「……」
prrrr


まほ「…あ、母さん?」

まほ「うん、あれね、煙草じゃなくて発信機だったよ」

まほ「え? そうだと思ってた? 文部省側の襲撃は任せとけ?」

まほ「あ、うん。私は待機してるから、じゃあ」パタン

まほ「……」




まほ「え?????」

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