【艦これ】満潮「鶏胸肉グラム19円ですって!?」 (116)
満潮「場所は1つ向こうの駅前……全然行ける距離ね」
提督「満潮ー、今日の夕飯はなんだー?」
満潮「喜びなさい、今日はお肉が食べれるわよ!」
提督「肉?もうザリガニが取れる時期か?」
満潮「違うわよ。スーパーで売ってる普通の肉」
提督「おいおい……こいつはスゲーことになって来やがったな……」
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提督「今夜は焼肉か?しゃぶしゃぶか!?すき焼きもいいな!」
満潮「なに浮かれてバカみたいな顔してんのよ。もともとバカだけど」
提督「これが浮かれずにいれるか!肉だぞ肉!久々の牛肉だ!」
満潮「はあ?」
提督「えっ……?」
満潮「誰が牛肉だなんて言ったの?」
提督「まさか豚肉?いや、豚肉でも全然いいぞ!脂身たっぷりなバラ肉が」
満潮「鶏肉よ」
提督「とり?なら焼き鳥だな!焼肉には違いないし!タレを絡めて焼いたら匂いがたまら」
満潮「鶏胸肉よ」
提督「むね……?」
満潮「鶏胸肉グラム19円だから」
提督「鶏胸肉……パサパサ……」
満潮「贅沢言ってんじゃないわよ!」
提督「せめて鳥もも肉に!手羽元でもいいから!」
満潮「ふざけないで……ああもう離れなさい!!」
提督「近所の鎮守府の奴が艦娘達とバーベキューしたとか自慢げに話して来やがったんだよ!油の滴る肉が食べたいんだよ!」
満潮「それはこっちのセリフよ!この甲斐性なし!!」
満潮「ほんと、どうしてこんな鎮守府に着任しちゃったのかしら私」
提督「……」
満潮「いい?バーベキューをしてた鎮守府の司令官ってよく話に出てくる同期の人でしょ?」
提督「はい」
満潮「階級は?」
提督「最近中将になったらしいです」
満潮「艦娘数は?」
提督「85とかなんとか……」
満潮「で?あんたの階級は?」
提督「野武士です……」
満潮「艦娘数は?」
提督「満潮だけです」
満潮「もう言わなくても分かるでしょ」
提督「……」
満潮「じゃあ行ってくるわね」
提督「…………」
満潮「……もう!うじうじうじうじ!鬱陶しいったら!」
提督「だって」
満潮「だってじゃない!しっかりしなさいよ!……わ、私がついてるでしょ!文句ある!?」
提督「無いです」
満潮「ちゃんと留守番してるのよ?鍵閉めて」
提督「後で閉めとくよ」
満潮「今すぐ閉めるの!私がいない間に火事とかやめてよね」
提督「はいはい」
満潮「はいは一回!」
提督「はい」
満潮「はぁ……家出る前に疲れるわ。ってかこれ鎮守府じゃないわよね。ワンルームだし」
提督「満潮」
満潮「なによ」
提督「気をつけてな」
満潮「あんたこそ、ちゃんと仕事してなさいよね…………いって来ます」
満潮「さて、今からなら歩いてもタイムセールには間に合いそう」
時雨「やあ満潮」
満潮「時雨、元気そうね」
時雨「うん、僕は元気だよ。満潮は?」
満潮「毎日毎日バカの相手で疲れるわよ」
時雨「あはは。でもまんざらでも無さそうだよ?」
満潮「そっちはどうなのよ?」
時雨「うちの提督は優秀な人すぎてちょっと退屈かな」
満潮「優秀なら良いじゃない。バカよりは」
時雨「でも手のかかる子ほど可愛いって言うでしょ?」
満潮「まあ確かにそれはわかるわね…………ん?なに笑ってるの?」
時雨「ううん、別になんでもないよ」
時雨「満潮のカバン変わってるね」
満潮「これ?エコバッグよエコバッグ」
時雨「へー、そんなのがあるんだ。エコか……僕も見習わないと」
満潮「最近は袋代取られたりするし買い物行くなら必需品よ?」
時雨「実は僕も今から夕飯の買い物なんだ」
満潮「そうなの?」
時雨「満潮の所は夕飯何にするの?」
満潮「とりあえずは焼肉か何かにしようかと」
時雨「ほんとに?うちも同じだよ。焼肉するからお肉買って来てって頼まれたんだ」
満潮「お互い買い物にまで駆り出されて苦労するわね」
時雨「これも提督のお願いだから……♪」
満潮「はいはい」
時雨「あれ?満潮はここのデパートで買い物しないの?今日は和牛セールやってるらしいよ?」
満潮「和牛セール……?」
満潮「時雨、さっきお互い苦労するわねって言ったけどあれやっぱり無し。苦労してるのは私だけだったわ……」
時雨「?」
満潮「おかしいわね。同じ時期に司令官が着任して同じ時期に私達も着任したのに」
満潮「どうして時雨は近所のデパートで和牛。私は一駅向こうまで行って19円の鶏胸肉なのよ」
満潮「まぁ鶏胸肉の方がヘルシーだし?司令官も仕事が出来なくて甲斐性なしな所以外は負けてるとは思わないけど」
満潮「……はぁ。言ってても仕方ないか。私は私の鎮守府で出来ることをやるだけね」
雪風「しれぇー……しれぇー……?」
満潮「あれは……雪風?」
雪風「しれぇー、どこですかー……」
満潮「雪風、こんな所で何やってるのよ?」
雪風「満潮さん!実はしれぇとはぐれてしまって……」
雪風「知らない場所で一人きりだったので怖くなってしまったんです」
満潮「迷子って事?」
雪風「そうみたいです……しれぇーしれぇー」
満潮「わかったわかった。一緒に探してあげるから変な泣き方やめてよね」
雪風「本当ですか!?幸運の女神のキスを感じちゃいます!」
満潮「にしても意外ね。あんたが迷子になっちゃうなんて」
雪風「人が多いですからね」
満潮「そうじゃなくて、あんたみたいな幸運艦でも迷子になるんだなーって」
満潮「雪風くらい幸運ならちょっと探せばすぐに見つけ出せそうな物だけど」
雪風「確かに雪風も不思議です。いままでこんな事ありませんでしたからーー」
憲兵「こら貴様!何をしている!!」
満潮「今度は何よ?」
通行人「出たわよ。憲兵だからって態度の大きいあいつ!」ヒソヒソ
通行人「ああ、子供を連れてたら親子だろうと因縁つけてくるロリコン撲滅とか言ってるロリコン野郎だろ?」ヒソヒソ
憲兵「貴様~!いたいけな少女を連れ去る誘拐犯だな!!」
提督「な、なんだ君は!失礼じゃないか!?」
憲兵「黙れこのど変態!!」
提督「だから俺はこの子の提督だと言っているだろ!」
憲兵「お前の艦娘がこんなに可愛い訳がない!」
提督「何を……文月!文月からも言ってやれ!」
文月「えっとお……文月はねー、アイスクリーム買ってあげるって言われたからついて来たの」
提督「文月、その言い方は誤解を生むから!買い物の帰りにアイスクリーム買ってあげるとは言ったけど!」
文月「わわっ……アイスクリーム買ってあげるって言われて一緒に来た事は誰にも言っちゃいけないんだった」
提督「それは喧嘩になるから他の艦娘には内緒……ちょ、憲兵さん!?」
憲兵「続きは豚小屋で聞こうか」
満潮「なんだったのアレ?まさかアレがあんたの司令官じゃないわよね?」
雪風「雪風のしれぇはもっとカッコいいです!」
満潮「あ、そう。まぁ何でもいいけど」
提督「雪風ー」
雪風「あっ、しれぇー!」
提督「雪風どこにいたんだ?探したじゃないか」
雪風「迷子になっていた所を満潮さんに助けていただきました」
満潮「別に大した事してないわよ。良かったわね司令官が見つかって」
早めに書くと早めに眠気がくる不思議
寝落ちするまで抗う
満潮「さてと、私はもう行くわ」
雪風「1人でお出かけなんですか?」
満潮「そうよ。夕飯の買い物」
雪風「雪風達も買い物ですけどデパートならあっちですよ?」
満潮「私が行くのはあっちなのよ」
雪風「そうなんですか。では今日のご恩は一生忘れません!ありがとうございました!」
満潮「大げさな子ねぇ……っと、タイムセールが終わっちゃう!じゃあまたね!」
スーパー
満潮「さすが激安スーパー。好きぐい人ね……」
満潮「精肉コーナーは……あの辺りなんだけど、人混みが……」
満潮「ちょっ……どい、て…………ついた。鶏胸肉鶏胸肉……あった!」
満潮「……あれ?グラム78円??」
満潮「ちょっと!19円じゃ無かったの?
スーパー
満潮「さすが激安スーパー。凄い人ね……」
満潮「精肉コーナーは……あの辺りなんだけど、人混みが……」
満潮「ちょっ……どい、て…………ついた。鶏胸肉鶏胸肉……あった!」
満潮「……あれ?グラム78円??」
満潮「ちょっと!19円じゃ無かったの!?」
店員「いらっしゃいませー」
満潮「ねえ!」
店員「はい?なんでしょう?」
満潮「なんでしょうじゃないわよ!鶏胸肉19円じゃなかったの!?」
店員「あー、申し訳ございません。あれは数量限定のタイムセールでして」
満潮「数量限定って言っても普通はそんな数分で売り切れる訳ないでしょ!」
店員「ですが4時からのタイムセールでしたので……もう1時間以上前に開始を」
満潮「はあ!?何言って…………あっ」
満潮「しまった……雪風の司令官探しで時間がそんなに経ってたなんて……」
満潮「とは言え1時間そこらで広告の品が売り切れるなんてそっちにも問題あるでしょ!なんとかしなさいよ!」
店員「なんとかと言われましても……他のお客様にもご理解頂いておりますので。今でしたら鮮魚コーナーで秋刀魚が一尾50円のタイムセールを」
満潮「それじゃ困るのよ。あいつに今日は肉を食べさせてあげるって言って来ちゃったんだから……」
満潮「ねえ、まだどこかに残ってないの?100グラムだけでもいいから!ねえ!私、一駅歩いて来たのよ!?」
店員「お客様、他のお客様もいますから」
ひそひそ……クスクス……
満潮「……わかったわよ。取り乱して悪かったわね」
満潮「はぁ……グラム19円……」
満潮「19円で買えそうな物って言ったらもやしかうどんの麺くらいね」
満潮「帰りにもやしを買って帰りましょ……」
満潮「はあぁぁ……気が重い。お肉が食べれるなんて期待させるような事言うんじゃなかったわ」
満潮「帰って来て今日ももやしって言ったらガッカリするわよね……」
満潮「お肉が買えなかった事よりそっちの方がこたえるわ……」
デパート
満潮「さっさともやしを買って帰りましょ」
店員「ただいまガラガラ抽選会を行なっておりまーす」
店員「特賞は沖縄旅行、一等は特選A5ランク黒毛和牛すき焼きセットでーす」
満潮「なんですって!?これはワンチャン……」
店員「3000円お買い上げ毎に1度挑戦できまーす」
満潮「ないわね。もやしを買いに行きましょ」
満潮「さてと、もやしも買ったし気は重いけど早く帰らなきゃ」
カランカランカランカラン!
店員「出ました!特賞沖縄旅行でーす!おめでとうござい……」
満潮「へー、本当に当たり入ってるもんなんだ。羨ましいわね」
店員「ええっ!?つ、続いて一等まで出ちゃいました!!これは酷い企画が終わってしまいました!!」
満潮「特賞と一等を連続で当てるってどんだけラッキーなのよ。特賞と一等が無くなって並んでる人アンニュイな顔してるじゃない」
雪風「しれぇ!やりました!」
満潮「あっ……」
満潮「雪風、あんただったのね」
雪風「満潮さん!先ほどはお世話になりました!」
満潮「羨ましいものね。私も一回でいいからこう言うので一等とか当ててみたいわ」
満潮「まぁまず参加権が無いけど」
雪風「満潮さんもやっぱりここへお買い物にきたんですか?」
満潮「ええ。これを買いにね」
雪風「それはー?」
満潮「もやしよ」
雪風「もやし?もやしってお肉と鉄板の間によく挟まってるアレですか?」
満潮「よくわからないけど多分それよ」
雪風「お肉は食べないんですか?」
満潮「うちは貧乏だから。そのお肉と鉄板の間に挟まってるって言うもやしが主食で、上に乗ってるお肉なんてまず口に入らないのよ」
雪風「なるほど!お肉は嫌いなんですね!」
満潮「なるほど全然理解できてないみたいね」
雪風「はい?」
満潮「いい?お肉が好きでも食べれない人はいるって事よ。まぁ戦果をあげてないんだから自業自得なんだけどね」
雪風「じゃあお肉は好きなんですか?」
満潮「まあね」
雪風「だったらこの買ったお肉を差し上げます!雪風達はいまガラガラでお肉が当たりましたから!」
満潮「な、何言ってんのよ」
雪風「いいですよね?しれぇ」
提督「そうだな。こんなにも食べきれないし良かったらどうぞ」
満潮「待って!そんないきなり……もしかしてあれ?変なツボとか買わされるやつ!?」
雪風「つぼ?」
提督「今日雪風を助けていただいたお礼です。もし見つけるのが遅れていたら先に当たりを引かれて雪風がガラガラをする事も無かったかもしれない」
提督「あまりいいお肉じゃありませんが、良かったら貰ってください」
満潮「で、でも……」
雪風「もやしだけよりお肉もあった方が満潮さんのしれぇもきっと喜びますよ!」
満潮「司令官が…………えっと、じゃあお言葉に甘えて……」
雪風「はい!」
満潮「貰っちゃった……」
満潮「どうしよう、牛肉なんて貰っちゃった……!」
満潮「しかも……」チラッ
『グラム780円』
満潮「しゅ、しゅごいの貰っちゃった……」
満潮「早く帰って司令官にも見せてあげなきゃ」
時雨「あれ?満潮?」
満潮「時雨、今日はよく会うわね」
時雨「うん、犬の散歩だよ」
夕立「犬の散歩っぽい~♪」
時津風「さんぽさんぽー♪」
満潮「そう。私はいま帰りよ」
時雨「あれ?結局あのデパートで買い物したのかい?エコバッグがあるのに袋まで貰って」
満潮「いろいろあってね。今日はすき焼きになったわ!牛すきよ!牛すき!」
時雨「そうなんだ。でも野菜は?」
満潮「野菜?もやしならあるけど」
時雨「すき焼きなら白菜やネギが美味しいでしょ?」
満潮「そうなの?すき焼きの事よく知らないんだけど」
時雨「そうだ、良かったらちょっとうちの鎮守府によって行きなよ」
満潮「うーん、ごめん。司令官が待ってるから」
時雨「すぐそこだし時間はとらせないよ。鎮守府の畑でネギや白菜を育ててるんだ」
時雨「でも育ちすぎて食べきれなくてね。このままじゃ廃棄されちゃうかもしれないんだ」
満潮「廃棄なんてもったいない!」
時雨「でしょ?だから貰ってくれたら嬉しいなって」
満潮「そう言う事なら喜んでいただくわ!」
時雨「ありがとう。助かるよ」
時津風「ねえねえ夕立ー、うちの畑ってそんなに余るほど育ってたー?」
夕立「うーん、少しだけしかないけど……時雨は満潮の扱いが上手いっぽい」
満潮「ありがとう。これで立派なすき焼きを作ってみせるわ!」
時雨「うん。頑張ってね」
満潮「それじゃあまた!」
時雨「フフッ、あんなにはしゃいじゃって」
夕立「せっかく時雨が育ててたのにあんなにあげて良かったっぽいー?」
時雨「もともと趣味で育ててただけだから」
時雨「それに十分育てた価値はあったよ」
夕立「ぽい?」
時雨「あんなに嬉しそうな満潮の顔が見れたんだから」
時雨「さあ、僕たちも夕飯にしよう!今日は焼肉、僕の育てた野菜も焼いてあげるからね」
夕立「夕立、野菜嫌いだからいらないっぽい!」
夕立ちゃんは肉食だから仕方ないね
満潮「すっかり遅くなっちゃったわね」
満潮「あのバカはちゃんと大人しく待ってるかしら」
ガチャッ
満潮「ただい……」
提督「満潮!遅かったじゃないか!!心配して今まさに家を飛び出す所だったんだぞ!」
満潮「あ、そう。ズボンも履かず飛び出す前に間に合って良かったわ」
提督「それで結局夕飯は何になったんだ?」
満潮「聞いて驚きなさい。すき焼きよ!」
提督「そりゃ楽しみだ」
満潮「なによ、つまんない反応ね。もっと喜びなさいよ」
提督「何言ってんだ。久々の肉なんだから嬉しいさ」
満潮「ははーん。さては鶏胸肉だからイマイチテンション上がらないってわけ?」
提督「そんな事は……」
満潮「仕方ないわね。見せてあげるわ、今夜の食材を」
満潮「ほら。牛肉様よ!」
提督「牛肉?牛脂か?」
満潮「違うわよ!すき焼き用の牛肉!グラム780円!」
提督「なふっ……」
満潮「ふっふーん♪あまりの驚きにぐうの音も出ないみたいーー」
提督「バカヤロウ!!」
満潮「はあ!?誰がバカですって!?少なくとも野郎じゃないわよ!」
提督「満潮!」
満潮「な、なによ」
提督「ちゃんと俺の目を見ろ!」
満潮「はあ……?」
提督「口はキツイが満潮は優しくて俺に気を使ってくれてる事はよーく分かってる。本当に感謝してる」
満潮「いきなり何言い出すのよ……」
提督「だからこれも俺の為にやっちゃったんだろ?でもな、万引きはダメだ」
満潮「はあ!?」
提督「確か隣町だったか?その店まで俺を連れて行ってくれ」
満潮「ちょっ……」
提督「店まで連れて行ってくれれば後は俺がなんとかする。ちゃんと返して謝れば許してくれるさ」
提督「満潮は何も気にする事はない。だから、な?」
満潮「ちょっと……」
提督「大丈夫だから。降格処分された所で称号は落ち武者になるだけだ。そんなに変わらないよ」
提督「今日くらい俺に満潮を守らせてくれ。俺にとって満潮が全てなんだ」
満潮「だから……私の話を聞きなさいよ!!」
ゴシャッ!!
提督「ゴフッ……!」
提督「迷子の雪風を助けたら貰った……?」
満潮「そうよ」
提督「……本当に?」
満潮「だいたい盗んだんならなんでデパートの袋に入ってるのよ。私はエコバッグ持ち歩いてるから袋なんて貰わないわよ」
提督「確かに」
満潮「それにほら、袋の中にレシートが入って……なにこれ高っ!」
提督「なんだ、全部俺の早とちりだったのか……」
提督「そうかそうか…………」
提督「疑ったりしてすみませんでした!!煮るなり焼くなり好きにしてください!!」
提督「………………あれ?」
満潮「……」
提督「あの……」
満潮「私は今から肉を煮たり焼いたりしなきゃいけなくて忙しいからあんたを煮たり焼いたりしてる暇なんて無いの」
提督「……」
満潮「分かったなら下ごしらえしてる間に皿とか用意してよね」
提督(肋骨の二、三本は覚悟していたんだが……)
満潮「ふんふん……♪」
提督「なんて事だ。あの満潮が鼻歌を……」
提督「勘違いに対する折檻もなかったし、牛肉と言うのはココまで心を豊かにするのか」
満潮「……♪」
「俺にとって満潮が全てなんだ!」
満潮「フフッ……♪」
提督「満潮?もしかして笑ってるのか?」
満潮「は、はあ!?笑ってなんか無いわよ!このクズ!!」
満潮「さあ出来たわよ」
提督「うおおおお!!」
満潮「いちいちうるさいわねぇ」
提督「すっきやき!すっきやき!」
満潮「すき焼きのたれとかは無かったから私が適当に味付けしたから口に合うかわからない……って言うか、あんたが料理に口を合わせなさい」
提督「大丈夫だ!満潮の料理は最高だからな!俺の胃袋はガッチリキャッチされてるぞ」
満潮「ただ一つ問題があって……卵が1つしかないのよ」
提督「卵?俺はこのままでいいよ」
満潮「何言ってんのよ。すき焼きって言えば卵でしょ!」
提督「そうなのか?人それぞれじゃないか?」
満潮「すき焼き素人は黙ってなさい!世間的にそうしてるんだから、きっとそれがベストなのよ」
提督「はあ……でも1個しか無いなら仕方ないんじゃ……」
満潮「……あんた、ちょっとそっち寄りなさいよ」
提督「ん?」
満潮「仕方ないでしょ。卵が1個しかないなら一緒に使うしか……向かい合ってちゃ不便だし」
満潮「さあ食べましょ」
提督「おお!」
満潮「……」
提督「…………」
満潮「なんで食べないのよ?」
提督「いやいや、これは満潮のおかげで食べれるんだから満潮が先に取ってくれ」
満潮「礼なら雪風に言いなさい。……とは言え、そうね。じゃあお先に」
満潮「この1番大きいお肉を……」
満潮「卵をたっぷりつけて……はい」
提督「はい?」
満潮「ほら、口を開けなさいよ」
提督「それは満潮が先に」
満潮「私はねえ、自分が食べるよりも美味しさのあまりバカ面さらすあんたの顔が早く見たいのよ」
提督「いいのか?」
満潮「早くしてよね。これ、ちょっと恥ずかしいんだから……ほら!あーん!」
提督「では、いただきます」モグモグ…
提督「う……うまっしゃああああああ!!!!」
満潮「フフッ……バッカみたい」
提督「牛肉凄い……身体中の細胞が……」
満潮「……ごくっ」
満潮「じゃあ私も……」
提督「ちょっと待った!!」
満潮「な、なによ?」
提督「流れ的に次は俺が満潮に食べさせる番でしょ?」
満潮「はあ?いいわよそんなの」
提督「いやいや、是非とも美味しさのあまり緩みきった満潮の顔が見たくてね」
満潮「私はあんたと違ってバカ面晒したりしないわよ」
提督「ほーん」
提督「はい、どうぞ」
満潮「……っ」モグモグ
提督「さぁさぁその緩みきっ…………ゴフッ!」
提督「痛い、痛い!満潮!?なんでわき腹に頭突きを!?」
満潮「…………」プルプル
提督「……」
満潮「……うん、美味しいわね」
満潮「ごちそうさまでした」
提督「今日は最高の一日だな……」
満潮「もう片付けていい?」
提督「ああ、良いけど少しゆっくりしたらどうだ?」
満潮「今日は色々あって疲れたから早くお風呂入りたいのよ」
提督「そっか。だったら俺が洗い物しとくから風呂に入っておいでよ」
満潮「そう?じゃあお願いしようかしら」
提督「ハァ……すき焼き、最高だ」
満潮「ちょっと、いつまでダラダラしてるのよ」
提督「大丈夫大丈夫、ちゃんと洗い物しとくから」
満潮「ふーん……」
提督「……?」
満潮「じゃあ今から入るけど」
提督「うん」
満潮「良いの?一緒に入らなくて。今ならしてあげても良いけど……」
提督「入ります!」
提督「風呂はいいなぁ」
満潮「それは同感ね」
提督「はー……」
満潮「なによ?」
提督「髪をおろしてる満潮も可愛いなと思って」
満潮「……ばか」
提督「…………」
満潮「…………」
提督「満潮、そろそろ」
満潮「やっぱりのぼせたから出るわ」
提督「なんだって!?」
満潮「うるさい!」
提督「だって、おま……」
満潮「……布団でならしてあげる」
提督「今夜は長期戦か」
2人は幸せなセックスをして終了。
おわり
満潮はその気になってる時はお風呂に誘う
口でするが自分の気分も盛り上がってくると途中でやめて布団に誘う
何をするとは言わないがセックス
このSSまとめへのコメント
キモ
牛肉食べてプルプルしてる満潮の顔を想像した俺の顔が
この、可愛い満潮はどこでドロップしますか?(切実
ただの夫婦じゃないか(呆れ)
時雨と雪風の好意で世界が優しい
やっぱ持つべきは友だな(自戒
かわいい…