これはダンガンロンパの安価SSです
※諸注意
基本的な世界観は『ダンガンロンパ3絶望編』です
ただしその世界観に、とある漫画の設定を組み込んでいます
日向中心で展開し、基本的に原作キャラのみでオリキャラ・元ネタの漫画の方のキャラは出ない方針です。ちなみにスレ主はゼロと害伝についてはよく知りません
日向の行動を安価で決めて物語を進行し、『人類史上最大最悪の絶望的事件』を未然に食い止める事が本筋の目標です
キャラ崩壊や設定崩壊に目を瞑れないならスレを覗くのを止めた方が良いです
エロ・グロは程々に
ぶっちゃけ『この漫画の世界観とロンパの世界観って親和性高そうだなー』と思い付きで立てたネタスレなので、不定期適当更新になると思います
それでも良いと言う奇特な方は、どうぞスレに入ってレスもして行ってください
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1482079915
―――その日は、俺にとって単なる365分の1日なんかじゃなくって・・・
もっと特別な意味を持つ1日だった
待ち焦がれたその日を迎えた俺は、なんとも言えない気分になっていた
『私立 希望ヶ峰学園』
俺にとっては単なる学校という枠を超えたもっと特別な存在だ
希望ヶ峰学園は一等地に巨大な敷地を誇る、政府公認の超特権的な学園で・・・
全国からあらゆる分野の超一流高校生を集め、将来を担う『希望』に育て上げる事を目的としている
誰かが希望ヶ峰学園について語る時、いつも、こんな言葉が付いて回る・・・
『この学園を卒業できれば、人生において成功したも同然・・・』
実際、様々な業界の第一線で活躍している人達の多くがこの希望ヶ峰学園の卒業生だし・・・
ま、要はそれが希望ヶ峰学園って事なんだ。まさに『希望の学園』の通称通りって訳だ
本当に素晴らしい
本当に―――
素晴らしく『胡散臭い』
『この学園を卒業できれば、人生において成功したも同然』?
こんな言葉を信じているヤツが居たら―――まぁ多くの人間がそんなヤツだろうが・・・
お花畑なおめでたい頭をしているとしか思えない
世の中、何が起こるか分からないんだ。『成功したも同然』なんて、軽々しく口に出来る言葉じゃない
ましてや―――
―――数年も経たない内に、彼らが卒業して出ていく世界その物が、完膚なきまでに崩壊してしまう
・・・何て事もあり得るんだ
・・・普通こんな事を言うヤツに出くわしたら、ネットの曖昧模糊な陰謀論に踊らされてる馬鹿か、被害妄想が過ぎるヤツだと思うだろう
だけどこれは、ネットで得た情報でも被害妄想でも何でもない
これは、事実だ
この世界は、近い将来崩壊する
なぜそんな事が言えるかって?実際に見て来たからだ
俺は―――崩壊した未来に行って、戻って来た経験がある
もののついでだ。ここで自己紹介もしておこう
改まって自己紹介するほど特別な人間じゃないし、こういうのって何回やっても照れ臭いんだけど・・・
まぁ、これもお決まりだから・・・と、そう思う事にしてやっておこう
俺の名前は『日向創』だ
俺が希望ヶ峰学園にやってきた理由はただ1つ・・・
未来に行って得た情報で、この希望ヶ峰学園が未来崩壊の起点となったという事実を知ったからだ
俺にとっての希望ヶ峰学園は、言わば、この世界の生命線・・・デッドラインのような存在なんだ
もしもこの学園に存在すると思われる世界崩壊の元凶を潰す事が出来ず時が過ぎれば、未来の通り世界は崩壊するだろう
その標的は、『絶望』なんて言葉にも置き換えられるかもしれない
世界を崩壊に陥れた『絶望』・・・俺はそれを探し出して潰し、あんな未来にしないために、この学園の誰でも入れる『予備学科』に入学する事にした
俺の『憧れ』や『夢』を使った心にもない言葉による説得に折れて高い学費を出してくれた両親には感謝しかない
昔は本気でそんな事を思っていた気もするが、今となっては希望ヶ峰学園なんて不吉の象徴以外の何物でもない。本科にも興味なんて無い
なぜなら・・・実は俺は既に、その気になれば本科にも入れるであろう『特技』がある。周りには隠しているけどな
と言うのも、『絶望』に目を付けられて世界崩壊に利用されたら元も子もないって理由もあるけど・・・
普通の―――本科『程度』なんか比べ物にならない、彼らが『希望』と定義する『才能』なんか目じゃない異質な物だからだ
まぁ・・・問題の崩壊した未来では、誰もが持っている普遍的な物みたいだけどな
そう、俺は―――
ヒュウ・・・!
・・・ん?
おいおい、木製の看板が飛んで来た!しかも結構大きいぞ!!
ガンッ! カタンコロン・・・
・・・ま、俺に掛かれば叩き落とすのに手も要らないがな
そう、俺は―――
超能力を扱う事が出来る、いわゆる『超高校級のサイキッカー』というヤツだ
日向「・・・さて、もうすぐ退屈な入学式の始まりだ。今回は新しい生活に浮かれるなんて呑気な精神状態になっている暇なんて無いから余計にな」
そんな他愛もない事を呟きながら、俺は希望ヶ峰学園の門をくぐった
???「・・・・・・」
???「・・・い、今の何!?何も無い所で看板が弾き落とされたように見えたけど・・・」(口調やリアクションは適当に変更されています)
周りに誰も居ないと油断していた俺はこの時、 ↓2 に超能力を使った所を見られていた事に気付いていなかった
それがどうこの先の未来に影響するか・・・それは追々分かるだろう
エログロあるならR行けやカス日向豚
Rでやれよ
通報してやったからな
>>8 >>9 程々に=R指定必要になる程じゃないレベルでって話です
健全な少年誌レベルで!過激な物はダメよ!って意味の注意書きです
どうせ安価にしたらトラ〇る的展開とかは避けられないのは先代スレ達が証明してますから規制はしないって意味でもあります
誤解を招く表記だった事を謝罪します
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苗木「・・・い、今の何!?何も無い所で看板が弾き落とされたように見えたけど・・・」
苗木「うーん・・・『超高校級の猛獣使い』とかで目に見えない速さで鞭を振るった・・・とか?」
苗木「何にしても、やっぱりこの学園に入れる人って、ただ者じゃないよね。僕にも誇れる物があったら人生楽しいかな?」
苗木「・・・ちょっと母さんに頼まれてたお使い、色々気を利かせたりしてみようかな・・・」
そう呟きながら苗木は、買い物のために離れて行った
※これは日向の入学の日。苗木の入学は来年です
という訳で、ここでの目撃はすぐには物語に影響は出ないという事になりました
そう―――『すぐには』・・・ね
予備学科教師「えーそんな訳で、これから君たちも『希望』の一員として、より一層の精進を・・・」
日向「『希望』の一員・・・ねぇ・・・」
随分耳障りの良い言葉。昔の俺だったらその言葉に酔い、この先の生活に明るい未来を描いただろう
だけど崩壊した未来を見て来るなんて強烈な体験を経て目が覚めた俺には、教師の白々しさが明け透けに見える
予備学科が『希望』の一員?本気で言ってんのか?
あんな高い学費を払わせるなんて―――どうせ予備学科なんか金づる程度にしか思ってないんだろう?
普通は学費が高い分、充実した特別なカリキュラムで本科に行ける才能の発掘をしてくれる~・・・なんて事を期待した奴も居るだろう
だが、この1万なんて軽く越えている人数の才能を発掘しようなんて事になったら、あんなバカ高い学費でもまだ足りないぐらいだろう。むしろ人手だって足りない
これだけの人数相手の授業なんて、紋切り型で適当に濁すに決まっている
体育館はパイプ椅子とパイプ椅子ががっちり重なり合ってもまだ狭いぐらい、生徒がひしめき合っている
顔をしかめながら周りを伺う人間も少なくない。きっと同期の入学者がこんなに大勢だったとは思っていなかったんだろう
だが、むしろ普通だと思うぞ?金で才能が買えるなら、あんな目玉が飛び出る金額でもはした金だろう
先公投資程度に考え、無理やりにでも工面して金を捻出してでもここに行かせる親もきっと少なくない
本人の才能への渇望だけでなく、親のエゴで入れられた奴も居るが・・・
全員に共通しているのは一つ―――ただの、搾取されるためだけに集められたモブだという事だ
日向(そんな事を考えて時間潰していたが、まだ続くのか祝辞・・・うっとおしいなぁ・・・)
俺からすればそんな感想しか浮かばないが、きっとこの演説にも意味がある
何度も何度も『予備学科は希望の一員』という事を声高に示して生徒の脳内に刷り込む事で、本当はただ搾取されに来ただけかもしれないと勘付き始めている生徒たちの思考を凍らせる事が狙いだろう
完全にやり口が胡散臭い新興宗教団体のそれだ
もう既に、この学園が実際に世界崩壊の拠点になったとして―――
そりゃそうだろうなぁ・・・としか思えなくなってきた
それ程までに、この学園は歪んでいる
いや・・・実際は、大昔から徐々に現れ始めていた歪みが、段々酷くなっている。と言った方が正しいか
歪んで、歪んで、歪み切って―――
パキンッ!・・・と折れた結果が、人類史上最大最悪の絶望的事件の引き金となった『何か』だったんだ
日向(さて・・・まだ続くならそれでも良い。今後の動き方を固めるために、今の内に今ある情報を整理しておくか・・・)
↓2~4ぐらい このスレの前提情報として確認したい事は?
本学科について
七海との出会いについて
>>16
日向「そういえば、本科は別会場か・・・」
見渡す限り、喪に服したような黒い制服が会場を犇めく。確か学園パンフレットに載っていた本化の制服は明るい茶色だったはずだ
喪に服した・・・まるで、搾取されるためだけに来たんだという事をいずれ知る事になる色だ
まぁ各競技の天才がチームの半分を占めていた野球漫画みたいに、区別しているんだろう
あの漫画は天才と一般生との関わりで一般生に刺激を与えられる事を売りとするのが目的だったが、この学園はそんな気さらさら無いようだ
科どころか校舎も違う。予備学科と本科を全く関わらせる気が無いのが明白だ。あの漫画と大違いの徹底的な差別だ
日向(そういえば2chで妙な噂を耳にしたな・・・本科は年一度の才能を試す試験に合格すれば良いだけで、後は授業に出る義務すら無いって)
物語当初はとある計画への参加招集を待つ日々を送っていたどこぞの13組みたいだ。恐らく授業以外の時間を才能を伸ばす事を含めた自由時間に当てさせるつもりなんだろう
だけどそんな事したら、本科生は自分の殻に閉じ籠ってますます社会と隔絶した存在になってしまうんじゃないか?他人と関わらなくなっていくんじゃないか?
・・・いいや、逆か。恐らく予備学科や社会に関わらせて、そいつの才能に少しでも不要なひびが入るのを防ごうとしているんだ
『才能ある者が社会に出た所で、萎縮する事なんて何も無い。お前たちが社会に合わせる必要は無い。社会こそがお前たち才能ある者に合わせるべきなのだ』
或る意味、帝王学だ。とても正しいとは思えないがな
日向(余程の理由が無い限り、予備学科と本科が関わる機会は無い・・・か)
>>17
日向(・・・七海?誰だ?)
モノクマ「日向君が答えられないので、メタ全開で話せるボクが代わりにお答えしましょう!」
モノクマ「あのね、このスレは冒頭でも話した通り、ロンパ3絶望編を下敷きにしてるの!」
モノクマ「1話で日向君と七海さんの出会いが描写されていたのが分かるだろう?」
モノクマ「でも振り返ってご覧?あれは雪染先生が第一クラスの副担任に着任した日で、既に小泉さんや西園寺さんの様に関係が出来上がっている生徒も居たり、3分の2のクラスメイトが来ないのも当たり前の光景になっていた」
モノクマ「つまり第一話は、入学してから浅からぬ日々が過ぎたある日の出来事だったんだ!」
モノクマ「そう。いずれ日向君と七海さんは、絶望編と似たり寄ったりの形で出会う事になるだろうね。安価次第かもだけど」
モノクマ「でも・・・」
モノクマ「それは『今』じゃない」
モノクマ「要はまだ二人は出会ってないんだ!互いの顔どころか存在すら知らないよ!!」
モノクマ「日向君側は七海さんどころか本科生の誰の事も今は知らないんだ!その辺を加味してスレを進めて行こうね!」
モノクマ「んじゃ、ばーいくまー!」
日向「・・・はっ!?」
日向(あまりに退屈過ぎて、一瞬夢の世界へとトリップしていた・・・何だあのパンダ!?)
予備学科教師「えー・・・ではこれにて、入学式を終わります」
パチパチパチパチパチパチ!!!
盛大な拍手と共に、1時間半にも及ぶ入学式がやっと終わった
予備学科生A「素晴らしい!俺、希望ヶ峰の名前に恥じないよう頑張るよ!
予備学科生B「本科に負けないよう頑張るぞー!」
予備学科生C「目指せ、本科編入!」
日向(うわぁ・・・)
周囲には、壇上を後にする予備学科の主任を立ち上がってまで見送るヤツも居る。感動で涙を流しているヤツも居た
どいつもこいつもーーー黒目に白い線で渦巻きを描いたような、正気じゃない目をしている
日向(刷り込みと集団心理による洗脳は完了か・・・聞き流していて正解だったな)
俺は同輩達を憐れみながら、体育館を後にした
俺は1年15組の所属となった。1クラス約16人で2クラス制の本科と違い、予備学科は1クラス約50人で俺の所属する15組まである
15組担任「えー、授業は明日からだが、今日は重要な行事がある」
15組担任「身体測定に健康診断、そして体力テストだ」
15組担任「全員適当な所で体操着に着替えて、体育館に移動しろ」
日向(こんな大人数が使える更衣室なんて用意出来ないのは分かるが、『適当な所で』って言葉に予備学科の扱いの適当さが滲み出ているな。多分更衣室自体が無いんだろう)
まぁ洗脳された奴らは、そういった点にもう疑問なんて抱かないだろうが・・・
さて・・・ここで俺の持つ超能力の基本をおさらいしておこう
超能力は、大きく分けて3つの分類が出来るらしい
思念の力を物理的な波動に変えて外へ放つ『バースト』
テレパシーなど他者の精神に作用する『トランス』
筋力や反射神経など肉体の力を底上げする『ライズ』
これらは得意不得意が人によって違い、『バースト』の波動の形も千差万別だ。特定の分野の才能があって初めて使える能力もあるらしい
俺は『トランス』がからきしダメで、テレパシーの受信ぐらいにしか使えない
『バースト』は文献で名前も見つかった固有の能力があるが、まぁ今は置いておこう
そして『ライズ』が一番の得意分野で、オサ○の『瞬歩』に近い事も出来るし、瞬間的に馬鹿力を発揮する事も出来る
さて・・・以上を踏まえての、この後の体力テストだが・・・
ーーー直感だが、この結果が未来に大きく影響するかもしれない
普通にやるか、手を抜くか、それとも・・・
↓2 どういったスタンスで体力テストに臨む?
日向「ふむ・・・ライズの調子を診るためにも、少しだけ本気出すか」
ハンドボール投げ
日向「ふんっ!」
43m(男子高校3年平均27m)
立ち幅跳び
日向「はっ!!」
345cm(男子高校3年平均228cm)
走り幅跳び
日向「うらぁっ!!!」
8m80cm(男子高校生日本記録7m96cm)
予備学科生A「おいおい、凄ぇ記録出してるヤツが居るぞ!?」
予備学科生B「日向っつったか?平均軽く越えてんじゃねぇか?」
予備学科生C「本科行けんじゃねぇか!?」
日向(まぁライズで本気を出せば、走り幅跳びとか軽く20m行くけどな)
そんな事を心の中で呟いていたら、壁に何かのプリントが貼られ、人だかりが出来ている
ライズで視力を底上げし、遠くから人の隙間を縫って見てみる事にした
弐大猫丸
ハンドボール投げ 68m
立ち幅跳び 428cm(男子世界記録347m)
走り幅跳び 10m24cm(男子世界記録8m95cm)
予備学科生D「凄ぇ!これが本科の記録か!」
予備学科生E「世界記録見た事あるけど、どれもこれも軽く越えてんじゃねーか!」
予備学科生F「しかもこの人、こんな記録出してて『超高校級のマネージャー』なんだろ!?」
予備学科生G「何で自分で試合に出ないんだろうな」
予備学科生H「噂じゃ肛門括約筋不全を患っていて、スポーツの試合にフルで保たないとか・・・」
日向(凄いな・・・超高校級。世界記録をほぼ全て塗り替えるとか、やっぱりただ者じゃねぇな)
俺は素直に称賛した。ライズを使って出した結果なんて、所詮はズルだしな
記録担当者(ふん・・・日向創とか言う生徒、それなりに良い記録は出しているが、所詮こんなものか)
記録担当者(この程度だったら超高校級とは言えない。精々秀才止まりだ)
記録担当者(それに彼の筋肉は白筋に大幅に偏っているのか、反復横跳びのような長時間に渡るテストは平均より少し上程度の結果だ)
記録担当者(今年の本科新入生・終里赤音のような上質な桃色筋肉でないと、超高校級に相応しいパフォーマンスは生み出せない)
記録担当者(・・・だが計画的なトレーニングで、白筋を赤筋の役割を担う筋肉に変える事は、その逆より容易・・・これだけの記録を出せる肉体なら、あるいは・・・)
記録担当者「えー・・・ではこれで、体力テストも終了します。本日の日程は終了です。解散!」
予備学科生たち「「「お疲れ様でしたー!」」」
日向「さて・・・予備学科は寮も無く、実家からのクソ高い電車通学だが・・・日程が終了したという事は、この後は自由時間でもある」
日向「何かするか、帰るか・・・」
↓2 この後どうする?
江ノ島を殺害したらどうなるんだろ
>>27
モノクマ「日向君が逮捕されてお死枚じゃない?それで解決するかどうかは分からないけど?」
モノクマ「そもそも今の日向君は江ノ島さんが元凶だって知らないけどね」
なんか知らんがサイレンって漫画思い出した
面白かったのに打ち切りに近い形だった気がする...
周りを見下すクールな性格
万能だけど注目されたくない
ここにメタ視点からの説教が加わったら役満
>>30
モノクマ「察しの良い住民は好きだよ。 >>1 をよ~くご覧」
>>31
モノクマ「この歳で普通の人がやらない過剰な苦労と苦悶を抱えちゃったからね~。そりゃースれるよ」
モノクマ「万能って程でもないけどね。隠すのはバレたら後が怖いからだよ。何てったって世界崩壊の始発点だし、今の日向君は知らないけど裏であんな事やこんな事やってる場所だからね~」
日向「やっぱり初日から何らかの調査をしておくか。超高校級に関する諸々はネットで色々調べたが、人となりを陰から見てみるとか・・・な」
そのためにもまず、希望ヶ峰学園の大まかな全体図をおさらいしておこう
まず俺が今居るのは『西地区』。ここに予備学科の校舎や施設がまとめられている
と言っても施設は3つ・・・白くて四角い何の変哲も無いただの校舎と、入学式や体力テストなんかに使った体育館、寂れて使っている様子が見られない部活のクラブハウス。この3つだ
校舎の内装もいたってシンプルだ
西から、職員室 教室 教室 トイレ 教室 教室 教室 教室 教室 階段 教室 教室 教室 教室 教室 トイレ 教室 教室 教室
これが大体同じ割り振りで全3階だ
・・・ん?技術室?音楽室?図書室?
ある訳無いだろ。時間割を見て貰えばよく分かる
月火水木金
1英英英英英
2体体体体体
3国国国国国
4社社社社社
5数数数数数
6理理理理理
冗談でも何でもない。少し他のクラスを覗いてみたら、微妙にずらしたりしてるけど皆同じような時間割が壁に貼ってあった
現文・古文、日本史・世界史、物理・科学といった分け方すらされていない
いちいちクラスごとの時間割を作るのに労力を割く事すら面倒臭いと思われている事が分かるだろう?
体育の授業がある事から分かる通りグラウンドもあるにはあるが、1周100mのトラックがあるだけで他に何もない。というか100mトラックだけでグラウンド全土を侵略している
サッカーや野球と言った野外の部活なんか、1度に1つしかグラウンドを使えない
食堂も無い。まぁこれだけの大人数を収容できる食堂なんて作れる訳無いから当たり前っちゃあ当たり前だが、全員弁当持参だ
ただ、購買部どころか自販機すらないけどな
これだけあちこちに、むしろ余す事無く、予備学科の扱いの適当さが滲み出ているのに、俺以外誰一人気になったりしない。洗脳の力って恐ろしいよな
『南地区』は学園の生徒が生活する寄宿舎がある。まぁ当然利用出来るのは本科生だけだけどな
更にコンビニ・本屋・ショッピングセンターなど生活に必要な物を買える店が揃っているらしく、俺たち予備学科にとっても便利な場所だ
・・・当然、使えればの話だけどな。立ち入りすら許可されていないけどな
寄宿舎の家賃などは食費・光熱費諸々を含めて完全無料らしい。当然俺たちの出すバカ高い学費から賄ってるんだろうな
それを弁え感謝して生活している奴がどれだけ居るやら・・・どうせ他人に出してもらって当然ってツラで、我が物顔で好き放題やって生活しているんだろうな
その裏返しからか、俺はバカ高い学費を出してくれている両親への感謝を深めた。無事世界滅亡の未来を食い止められたら、一生かけて親孝行すると誓った
『北区』は近々工事が始まる予定らしい。今ある物でも充分に見えるのに、新校舎を建設するんだとか
当然俺たちのバカ高い学費から費用を捻出しているんだろう。本当にお偉いさんって無駄な事に金を使うのが好きだよな
俺たちから散々搾取しておいて、俺たちのためには一切使わず、無駄にしか見えない事にも費用の一部を出し・・・いつ予備学科生が洗脳から覚めてブチ切れてもおかしくないだろ
『才能が無いから』の一言を全ての免罪符にして片付けて、こんな事ばかりしていて平然としていられるなんて・・・上層部の倫理観・価値観には呆れて物も言えないな
こんな事ばかりしていても平気だと思っていられる、危機意識の無さと予備学科生の舐めっぷりにも溜息しか出ない
洗脳抜きにしても予備学科に入っただけで希望の一員になれたと浮かれる同輩たちも、同じ穴のムジナではあるだろうけどな
そして『西区』から『中央広場』を横切ってやって来たのが、本命の『東地区』
本科の生徒が通う校舎だけでなく、各分野の研究者が羨む研究施設がいくつも存在するらしい
パンフレットに載っていただけでも、文学棟、科学棟、物理棟、芸術棟、数学棟、体育棟、語学棟、生物学棟・・・と、これだけの施設がある
予備学科の校舎とは別の教職員棟もここだ
授業受講義務すら無い本科の生徒たちは恐らく基本的に、これらの研究施設の内、自分の肩書と合った施設に入り浸っているんだろう
・・・まぁ、認められた肩書きを捨てて、例えば『野球選手からミュージシャンになるー!』・・・なんて世迷言を言い出す輩とかよりはマシな学園生活を送っていると言えるだろう
全員とはいかないだろうけど、一部がちゃんとそういう生活の仕方をしているかもしれない。それだけが予備学科の救いか・・・当然、全員でないと俺は納得しないがな
そんな東地区の入り口、100m程離れた所に立っている訳だが・・・
逆蔵(何だ?あの予備学科・・・入学の日早々、本科に何の用だよ?・・いや、何の用だろうと入れねぇぞ!)
あんな感じで周囲をグルリと堅牢強固な塀に囲まれ、入り口には腕の立ちそうな警備員が常駐している
予備学科と違い、本科の生徒がどれだけ大切に扱われているのかが痛い程分かる
日向(まぁ、当然正面から入るなんて馬鹿な真似はしないけどな。やろうと思えば出来るだろうが、今後の事を考えると、いちいち学園側に目を付けられるような真似、自分の首を絞めるだけだ)
そんな訳で俺はさっさと入り口から立ち去った
逆蔵(・・・何だったんだ・・・?一応上に報告するか?・・・いや、予備学科風情に何が出来んだって話だ。必要無ぇだろ。どうせ上もそう判断する)
やって来たのは東地区を囲う塀の裏手だ。そこから潜入を試みる
全方位を死角なく監視カメラが囲んでいるが、俺はカメラの射程範囲外に待機している
日向(潜入に当たり、まずは着替えないとな・・・)
俺は上着を脱いで近くの茂みに隠し、ズボンを脱いで裏返しにする
半袖のワイシャツに自由指定のネクタイ、更にリバーシブルに改造した、普段の制服とは色合いが違う群青色のズボンという出で立ちとなった
流石に本科の制服は特注中の特注で手に入らなかったが、少なくとも予備学科生だという痕跡は無くしておいた
日向(さて・・・行くか!)
屈伸や肩回しで体をほぐし、いざ!塀の中へ!!
ダンッ!
・・・え?監視カメラが死角なく囲んでいるのに、どうやって潜入するかって?・・・単純な話だ。基本的にカメラは下を向いているんだ
―――なら、上から入れば良い
ガッ!ガッ!ガッ!
俺はライズで底上げした脚力を利用し、三角跳びで高度を上げる
・・・え?どこにそんな事が出来る程高く幅の狭い壁があるかって?・・・まぁ、疑問に思うのも最もだ
―――多分傍から見れば今の俺は、空中を蹴っているようにしか見えない
さながらワン〇ースの六式・月歩だな
日向(よし、高度充分!)
俺は塀よりずっと高い位置まで三角跳びを繰り返して上り詰めると、今度は前方へ向かう
これまた、空中を蹴って移動しているように見えるだろう
空中を跳ねるように移動し、塀を越える!
日向(よし、警報装置なんかも反応していない!無事突破だ!!)
後は中で着地するだけだ
↓1 コンマ70~99で超高校級のハプニング発生!
コンマ85 TROUBLE!!
日向「ん!?」
??「へ!?」
ドガッ!!!
<<超高校級のハプニング:上空で他者と衝突>>
??「ぎゃんっ!?」
日向「がはっ・・・!ば、馬鹿な!?」
け、警報装置が反応しないか下ばかり注意していて、全く前を見てなかった・・・こんな所で人とぶつかるなんて思わないだろ!!
日向「やば・・・!?」
グラリと体勢が傾く。俺も相手もこのままじゃ地面に激突する!!
日向「くっ!」
俺は慌てず、下方に手を伸ばす
ドンッ!
重力加速度が大きくなる前に、俺と相手の体は空中で止まった
日向「フォールダウン・・・」
そして俺たちの体はゆっくり下降していき、地面スレスレで一旦止まり、普通に落ちた。俺の負傷はぶつかった時の打撲だけで済んだ
日向「想定外のひどい目に遭った・・・」
俺は相手に怪我が無いか確認する
日向「こいつは・・・確か同期の本科生、『超高校級の体操部』終里赤音か」
オリジナル技を連発したり調子が乗らないとすぐ棄権したりする問題児だとは聞いていたが、まさかあんな所で俺とぶつかれる程に身体能力が人外染みていたとは・・・さすが『超高校級』と言った所か?
まさか天性のライズ使い・・・なんて事無いよな?
とりあえず外傷は特に無さそうだけど・・・
↓1 コンマ50~99で終里がすぐ起きる。49以下なら起きないので道端に寝かせる
コンマ63 WAKE UP!!
終里「ん・・・痛たた・・・」
日向(げ、起きた)
終里「あ、お前!かったるい入学式がやっと終わって、気持ち良くウォーミングアップしてたってのに、邪魔しやがって!」
日向(あれでウォーミングアップなのかよ!?)
終里「ん?ウチの学校の制服っぽくねぇなぁ・・・お前何者だ?」
日向「ただの通りすがりだ・・・」
終里「そうか、通りすがりか」
日向(納得しちゃったよ!)
終里「・・・あれ?」
日向(ぎくっ!)
終里は上を向いている
終里「・・・あれ?俺とお前がぶつかった場所って、ずーっと上の方だよな?・・・俺はともかく、お前はどうやってあそこまで行ったんだ?」
日向(気付いてしまったか・・・脳筋っぽいからどうとでもごまかせると思ったのに・・・!)
終里「お前、本当にただの通りすがりか?・・・・・・ははーん、さては・・・」
終里がバッ!と立ち上がり、両手を前に構える
終里「ここに道場破りに来た凄腕だな!ならばここを通りたければ、俺を倒してからにしろ!!」
日向(どうやら同等の身体能力で壁を登って来たと判断したようだ。あながち間違いでもないっちゃあ間違いでもないが・・・ただ登ったらカメラや警報装置に引っかかるんだけどな・・・やはり思考力は足りない)
日向(どうしよう・・・相手している間に人が集まったりしたら面倒だが、逃げたら追いかけて来そうだし・・・)
↓2 日向の取る行動は?
日向「・・・ん?何か匂わないか?」
終里「そうやって気を逸らそうとしても無駄」
日向「この匂い・・・肉か?」
終里「肉っ!!?」
日向(分かり易っ!)
獣のように単純過ぎる彼女の思考回路にこの先の人生に対する不安を抱きつつ(才能があるから無問題なんだろうな)、よそ見をした彼女の背後に回る
終里「っ・・・!?この動き、やっぱりタダモンじゃ・・・」
日向「手刀!」ヒュンッ!
↓1 コンマ80~99で失敗・強制戦闘へ
コンマ74 SUCSESS!!
トンッ!
終里「ぐはっ・・・・・・」
彼女の瞳から光が失われ、その体はゆっくりと地面へと傾いて行った
だが彼女は、ただじゃ終わらなかった。虚ろな目をこちらに向け、うめき声に似た声で呟いた
終里「お・・・ぼえた・・・ぞ・・・その顔・・・・・・絶対忘れねぇ・・・!」
日向「!」ゾクッ
ドサッ
日向(ひょっとして、出会ってしまった時点で詰んでたんじゃないだろうか・・・)
終里赤音と知り合いました 関係深度1
日向(出鼻を挫かれた感じだな・・・今日はこれ以上の深入りは止めておこう)
俺は元来たルートを辿って塀から外へ出て、帰路に着いた
モノクマ「スーダン2をやったり3絶望編を読んだ人はこの先の展開をよーく知ってるよね。ひょっとしたら関係を深める事で未来が変わるかもしれないよ?」
モノクマ「まぁどう変わるかは知らないけど」
日向が家へと向かうべく外を歩いていた時だった
日向「・・・ん?」
??「・・・・・・・・・・・・」
日向が潜入のために服を脱いだりした場所から更に離れた所で、希望ヶ峰学園を眺める少女が一人佇んでいた
日向(そんなに良い物かねぇ、希望ヶ峰って・・・)
その真剣そうな眼差しに少しだけ惹かれたが、無視して去ろうとした時だった
??「ねぇアンタ・・・それって予備学科とやらの服装よね。ならアンタもここの学園の人?」
日向「・・・そうだけど・・・」
??「本科の九頭龍冬彦って・・・知ってる?」
日向「あの大型指定暴力団・九頭龍組の跡取りと目されている『超高校級の極道』か?・・・悪いが、ネット以上の事は知らないぞ。予備学科と本科に接点なんて無いからな」
??「なーんだ・・・使えないなー・・・」
カチン
日向(質問しておいて何だぁその態度・・・!?)
日向「今日の授業とかはもう無いからその内出て・・・っと、本科は寮生活だったな」
??「っ・・・!」
俺はムカついたので、わざと会えない事を強調するように口にした
??「・・・分かってるわよ・・・一目会えたらなんて、そんな事夢物語よね・・・生活に必要な物も全部校内で揃えられるから、学校から出る必要が無いんだから・・・」
日向「まぁ、そういう事だ。遅くなる前に帰れよ」
俺は彼女を置いてさっさと帰る事にした
??「・・・やっぱり、会いに行くには本科に入らないといけない・・・そのためにも私に注目して貰えるように、より近くに行かないと・・・」
そう呟く少女は決意を新たにしたような表情で学園に背を向ける
??「迎えを呼ぼ・・・って、充電切れてんじゃん!」
歩きながら携帯を取り出すと、画面は非情にも真っ暗になっていた
??「公衆電話が要るかなぁ・・・でも、こんな都心にあるかしら?」
プライドの高い彼女に他人に借りるという選択肢など思い付くはずもなく、あてもなく都内をさまよう事になった
=30分後=
??「あ、あったぁ!」
表通りから裏路地まで虱潰しに歩き回ってヘトヘトになりながら、彼女はさびれた路地裏で、ようやく目的の物を発見した
??「でも・・・こんな所にある物なんて、回線通じてんのかしら・・・?」
怪訝そうに呟くが、とにかく受話器を取らないと始まらないので、彼女は電話ボックスへと駆け寄った
??「・・・へ!?」
だが―――彼女の足はその手前で止まる
??「・・・・・・」
電話ボックスの上に、鳥のような兜とボアにまみれた怪しげな服装の人間がいつの間にか立っていたのだ
??「だ・・・誰!?」
電話ボックスの上の怪人は、そこからフワリと彼女に向かって、文字通り風に吹かれる木の葉のような人間ではあり得ない浮遊した動きで近付く
そして耳元で呟いた
??「・・・・・・Q・・・・・・」
??「ヒャアッ!!?」
思わず彼女は尻餅をついた
そして彼女が振り返った時、既に怪人の姿は無かった
ピー・・・ピー・・・ピー・・・・・・
??「こ、今度は何!?」
音の起点である電話ボックスを恐る恐る覗くと、取り忘れと思われるテレホンカードを公衆電話が吐き出していた
??「何これ・・・真っ赤なテレホンカードとか目立ち過ぎ・・・」
少女は表面に大きく印字されているアルファベットを読み上げる
??「デ・・・ストピ・・・ア・・・『DEATHTOPIA』?そんな言葉あったっけ・・・どっかのそんな名前の会社が作った物かしら?」
少女は裏面を見たり振ったりしてみるが、どこからどう見ても何の変哲も無いテレホンカードだ
??「はー・・・今日は最悪!お兄ちゃんはペコと当分帰って来ないし、ムカつく男に絡まれるし、携帯の充電は切れるし、変な幻覚見るし・・・さっさと帰って寝よ」
ぶつくさ呟く少女は、何のためらいも無く今手に取ったテレホンカードをそのまま公衆電話に投入した
??「忘れてったんだから、ありがたく使わせて貰おっと」
少女の子の行動は小賢しく、そして―――
―――短慮だったと言う他なかっただろう
『おはようございます!世界は、つ・な・が・る デストピア入国管理センターです』
少女―――九頭龍菜摘の、兄とその付き人への劣等感一色だけで満たされし空虚な人生は
その日を境に、血生臭さと絶望に彩られた極彩色に塗り潰される事になった
勘違いとか余計なお世話かもしれんけど>>15辺りで#つけ忘れてない?
酉と全く関係無いならいいけど、もし酉なら変えた方がいいかも。
今は乗っ取りなんてあるのか分からんけど
>>47 しーっ・・・
日向「さて、2日目。当初の志望校だった小高高校とさほど変わらなさそうな授業を受ける。どう考えても一般校レベルの内容だ」
予備学科生A「こ、これが最高峰の授業!なんて分かり易いんだ!!」
予備学科生B「この物語、間違いなく高尚なテーマを扱っているに違いない!」
予備学科生C「なんて目から鱗の公式なの!」
予備学科生D「この戦いで得た教訓、俺は一生忘れない!」
日向(プラシーボ効果かな・・・?)
日向「さて、本科編入を目指すなら何の糧にもならない授業が終わり、放課後だ」
日向「昨日は本科のある東地区への潜入を試みて、潜入自体は成功したが、『超高校級の体操部』終里赤音と妙な因縁が出来てしまった」
日向「4つのエリアの一角とはいえ十分広いし、まさか2日連続で出会う事は無いと思うが、万が一出会った時は面倒だな・・・」
日向「さて・・・どうしようか?」
↓2 本日の希望ヶ峰学園調査計画
このSSまとめへのコメント
たんたんとして変に熱血じゃないのがいいな