勇者「ボクはお前と戦って負けたんだぞ、なぜ殺さない」
魔王「この魔王城での暮らしも退屈でな。刺激が欲しいのだよ、刺激が」
勇者「それでボクを使って暇つぶしするって言うのか…冗談じゃない」
勇者「お前の言うことを聞くぐらいなら、死んだほうがマシだ」
魔王「ふむ…ではこうしよう」
魔王「勇者…貴様が私の命令を無視したり、許可なく命を捨てるような行為をしたら、貴様の故郷に四天王を送り込もう」
勇者「なっ…」
魔王「あの辺りはスライムのような下級モンスターしかいないのだろう?単独で軍隊を相手にできるような魔物に襲われてはひとたまりもあるまい。半日もあれば皆殺しだ」
勇者「ひ、卑怯だぞ…人質を取るなんて」
魔王「違うな、貴様が甘すぎるだけだ」
勇者「くっ…」
魔王「さて…まずは>>2してもらおうか」
だし巻き卵とおにぎりを作ってもらう
仲間のシスター♀の処女を奪い、魔法を使えなくしてしまえ
魔王「さて…まずはだし巻き卵とおにぎりを作ってもらおうか」
勇者「な、なんだって?」
魔王「聞こえなかったか?出し巻き卵とおにぎりだ」
勇者「…ボクは料理なんてしたことないぞ」
魔王「流石におにぎりくらいは作れるだろう」
勇者「それは…そうだけど」
魔王「ええい、早くしろ。私は小腹が空いたのだ」バタバタ
勇者「わ、わかった…でも、どこで料理すれば?」
魔王「む、そう言えば貴様はこの城に来たばかりか。そうだな…」
魔王「>>3よ、勇者を厨房まで案内してやれ。ついでに料理の手伝いもだ」
安価ミス
>>6でお願いします!
メイド(魔族で青肌)
メイド「かしこまりました、魔王様」ペコリ
勇者「人型の魔族…」
勇者(魔王もそうだけど、見た目はほとんど人間と変わらないな)
メイド「では勇者様、厨房へご案内いたします」スタスタ
勇者「う、うん」スタスタ
魔王「そうだ、メイドよ。手伝いをするのは構わないが口出ししすぎるな。お前が作ってしまっては面白くないからな」
メイド「わかりました」
ーーーーーー
ーーーー
ーー
メイド「こちらが厨房になります」
勇者「…広い」
メイド「食材はここにまとめて置いてあります。お米は既に炊いてあるものがこちらに。調理器具はそちらの棚で、食器はこの中にあります。よろしいでしょうか?」
勇者「えっと…多分」
メイド「では、分からないことがあればお聞きください」
勇者「……」
勇者(正直、魔王のために料理を作るなんて嫌だけど…そうも言ってられない)
勇者「よし、まずはおにぎりを作ろう。えっと…メイドさん」
メイド「メイド、で構いません」
勇者「じゃあメイド。魔王が好きなおにぎりの具材や味付けって…なに?」
メイド「魔王様は…塩むすびがお好きですね」
勇者「塩か。それならボクにもなんとかできそうかな…まずはご飯を掴んでっ」ガシッ
メイド「え」
勇者「あちちっ!炊きたては熱いな。それにお米が手にくっついて上手く握れない…」ニギニギ
メイド「あの、勇者様」
勇者「なに?」
メイド「…いえ、なんでもありません。おにぎりをのせるお皿を用意しますね」
メイド(口出ししすぎるな、と言われていますし…とりあえずは勇者様のやりたいようにやっていただきましょう)
勇者「小腹を満たすのが目的なら、2個作れば十分かな。ちょっと形が不恰好だけど…まあいいか」
メイド「勇者様、このおにぎりにはまだ味がついていないのではないでしょうか」
勇者「いけない、そうだった。えっと塩は…これかな。えいっ」パッパッパッ
メイド「勇者様…その、人間の方々は丸めたおにぎりに塩をふりかけて塩むすびを作るのですか?」
勇者「あれ、何か間違えて…もしかしてご飯に塩を混ぜたほうが良かった?」
メイド「いえそれも…勇者様、かけすぎです」
勇者「え?そうかな…」
メイド「…とりあえずおにぎりはそれくらいにして、だし巻き卵を作りましょう」
勇者「それなんだけど」
メイド「何か?」
勇者「だし巻き卵の『だし』って何?」
メイド「だしというのは…昆布や鰹節などの食材を煮出して作る…」
勇者「へぇ、だしは昆布や鰹節のことなんだ…ようやく『だし巻き卵』がどんな料理なのか見えてきた 」
メイド「…勇者様?」
ーーーーーー
ーーーー
ーー
勇者「出来たよ魔王」
魔王「早かったではないか。どれどれ…むっ」
魔王「…メイドよ、勇者はおにぎりとだし巻き卵を作って来たのだよな?」
メイド「…はい」
魔王「そうか…まあいい。まずはおにぎりを食べさせてもらうとしよう…あむっ」
勇者「どうかな」
魔王「ぐぅ…なんだこれは」
勇者「え?」
魔王「どうやって味をつけた。口の中が塩でじゃりじゃりいうぞ」
勇者「どうって…普通に塩を振りかけたけど」
魔王「貴様味見はしたのか」
勇者「おにぎりを作るのにいちいち味見なんかするの?」
魔王「そうか。ではもう一つのおにぎりは貴様が食べろ」ヒョイッ
勇者「あむっ…うえぇ、しょっぱ」
魔王「そうだろう。とても食べれたものではないぞ」
勇者「うぅ…じゃあ残すの?食べ物を粗末にするのは良くないよ」モグモグ
魔王「粗末にしたのは貴様だ。これは身体に良くない味がする」
魔王「そしてメイドよ、なぜこうなる前に勇者を止めなかった」
メイド「口出ししすぎるな、と言われたので…」
魔王「それはそうだが…いや、おにぎりはまだいい。こっちの皿のこれはなんだ」
勇者「だし巻き卵だけど…」
魔王「この黒一色の塊がか?卵の面影がどこにもないぞ」
勇者「卵はちゃんと使ってるよ!」
魔王「…メイド、説明を」
メイド「はい。まず、勇者様はだし巻き卵という料理を知りませんでした。調理法うんぬんではなく、存在自体を」
魔王「だろうな。それはこれを見ればわかる」
メイド「また『だし』が何かも分からなかったようで、それについては私の方から説明をしたのですが…」
魔王「?」
メイド「…うまく伝わらず、ここでいう『だし』が『出汁』ではなく『昆布や鰹節を指すもの』だと認識されてしまいました」
魔王「まぁ、昆布や鰹節もダシで間違いはないからな。それで?」
メイド「それで…勇者様はだし巻き卵のことを『出汁を溶いた卵を焼いて巻き固めた料理』ではなく『卵をダシで巻いた料理』だとお考えになったようで…」
魔王「…つまりこの黒色の塊は」
メイド「『昆布でぐるぐる巻きにした生卵』…にございます」
魔王「……」
メイド「……」
勇者「……?」
勇者(ゆで卵にした方が良かったかな…?)
魔王「勇者よ、質問がある」
勇者「…何?」
魔王「この黒色の…あえてだし巻き卵と呼ぶが、このだし巻き卵は美味そうに見えるか?」
勇者「え…全然」
魔王「なぜ全然美味そうに見えないものを私の元に運んできた…!」
勇者「いや…もしかしたら魔王はこういうものが好きなのかと思って」
魔王「好きなわけあるか!魔族と人間の味覚は大して変わらんのだぞ」
勇者「うぅ…」
魔王「そしてメイド、貴様も何故止めなかった!」
メイド「それは、その…申し訳ありません」ペコリ
メイド(言えない…ちょっと面白かったからだなんて)
魔王「これでは当初の目的の小腹を満たすことができないではないか…」
勇者「そもそもボクに料理をさせようとしたのが間違いだよ」
魔王「開き直るな!ええい、もうよい…」
魔王「かわりに>>19してもらおう」
花嫁修行
魔王「かわりに花嫁修行をしてもらおう」
勇者「は、花嫁修行っ!?」
魔王「ああ。料理だけではない…掃除洗濯家事全般。最低でも、嫁になった時に恥をかかない程度の技術は身につけてもらう」
勇者「ぐ…無茶苦茶だ。そもそもボクは誰かと結婚するつもりなんてない…花嫁修行なんて時間の無駄だ!」
魔王「なぜ?」
勇者「なぜって…ボクはお前を倒すためだけに生きてきた、戦うことしかできない人間だ。地位もお金も…女としての魅力もない。そんな奴と結婚したがる人なんていない」
魔王「ふん、では私を倒した後はどうするつもりだったのだ。一人孤独に生きて行くつもりだったか?」
勇者「それは…お前には関係のない話だ」
魔王「とにかく、貴様に結婚する意思があろうがなかろうがどうでもよい。花嫁修行はしてもらう」
勇者「でもっ」
魔王「逆らえば人が大勢死ぬ。それでもいいなら好きにしろ」
勇者「……っ」ギリッ
魔王「決まりだな」
勇者「……」
魔王「早速今から…と言いたいところだが、色々あって疲れただろう。部屋を用意したから今日はもう休んでいいぞ。メイド、案内を」
メイド「かしこまりました。こちらです、勇者様」スタスタ
勇者「……」スタスタ
ーーーーーー
ーーーー
ーー
メイド「……」スタスタ
勇者「……」スタスタ
メイド「…勇者様は」
勇者「え?」
メイド「勇者様は女性なのに、自らのことを『ボク』と呼ぶのですね」
勇者「そうだけど」
メイド「何故?」
勇者「別に、ボクの勝手だろ」
メイド「お教えいただけませんか?」
勇者「…大した理由じゃないよ。ただ、男の人みたいに強くなりたいって思って真似してるだけで」
勇者「それに女の一人旅は…色々と危険だから」
メイド「それで、身につけている物も男性用の物が多いのですね。髪も短く整えていますし…一見すると中性的な少年のように見えます」
勇者「一度サキュバスに襲われたこともあるしね」
メイド「ふふ…ですがそれも仕方のないことかと。強く、そのうえ可愛らしい男性というのは彼女たちにとってはごちそう以外の何物でもありません。勇者様はさぞ魅力的に見えたことでしょう」
勇者「それは…喜んでいいのかどうか」
メイド「もちろん、喜ぶべきことです。魅力があって困ることなどないのですから」
勇者「いや、サキュバスに襲われたのは困ったけど」
メイド「さて、この部屋ですね」ガチャッ
勇者「ここも広い…」
メイド「基本的な設備は整っていますので、なるべく部屋の外を出歩かないようお願いします」
勇者「こんな敵だらけの場所をのんきにぶらぶらできるほど、肝は座ってないよ。ボクのことを恨んでる魔物も多そうだし」
メイド「その点はご安心を」
勇者「?」
メイド「私たち魔族、並びに魔物は強い者に従うのを信条としています。先の戦いで勇者様の実力は城内の誰もが知るところ…自ら勇者様を攻撃するような真似はしないはずです。魔王様に命令されれば別ですが」
勇者「そうなの?」
メイド「はい。そのうえ勇者様はこれまでの冒険で魔物を倒しこそすれ命までは奪いませんでした。なので勇者様を恨む者はまずいないかと」
勇者「そう…なんだ」
メイド「むしろ私が心配しているのはその逆です」
勇者「え?」
メイド「魔物の中には、勇者様に尊敬や憧れを抱いている者が少なからずいます。さらには恋に似た感情を抱く者も…」
勇者「こ、恋?」
メイド「そういった者たちと勇者様が出くわした場合、面倒なことになりかねないので…くれぐれも部屋の外には出ないようお願いします」
勇者「えっと…わかった」
メイド「では失礼します…夕食の用意が出来次第、伺いますので」ペコリ
勇者「ふぅ…なんだかよく分からないことになってきたな」
勇者(とりあえずは…魔王の言う事を聞いて大人しくしておこう。今逃げ出したり、暴れたりするのは得策じゃない)
勇者(何が起こってもいいように、体を休めよう)
ーーーーーー
ーーーー
ーー
コンコン…コンコン
勇者「ん…誰かがドアをノックしてる」
勇者「メイドかな…夕食にしては少し早い気がするけど」ガチャッ
>>29
魔王
魔王「邪魔するぞ」
勇者「魔王っ…」
魔王「どうした、そんな驚いた顔をして」
勇者「別に…メイドが来たと思ってたから。それでボクに何か用?今日はもう休んでいいって言われたはずだけど」
魔王「そう邪険にするな。夕食ができるまで暇なのだ、少し付き合え」
勇者「付き合うって…何に?」
魔王「>>31」
城内散歩
魔王「城内散歩だ」
勇者「…メイドにこの部屋を出ないように言われてるんだけど」
魔王「メイドの言うことは聞くのに、私の言うことは聞けないのか?」
勇者「……」
魔王「いいから来い。城を案内してやる」
ーーーーーー
ーーーー
ーー
勇者「…なんでボクに花嫁修行なんかを?」スタスタ
魔王「言っただろう。暇つぶしだ」スタスタ
勇者「それにしては…飛躍しすぎだよ」
魔王「そうか?」
勇者「うん」
魔王「…あの料理は酷すぎたからな。どうせ他の家事も出来ないのだろう?」
勇者「やってみなくちゃわからないだろ」
魔王「やったことすらないのか」
勇者「う…」
魔王「とはいえ…貴様の場合は仕方がないか。今日までずっと旅をしていたわけだからな」
勇者「お前を倒すためにね」
魔王「で、それも失敗に終わったと」
勇者「……」
魔王「魔王を倒せない勇者…今の貴様に何の価値がある?」
勇者「…何が言いたい」
魔王「貴様は使命に捕らわれすぎて先のことが見えていない。もっと自分を磨け」
勇者「自分を…磨く?」
魔王「…どうせ貴様もこの城にいる間は暇になる、家事全般くらい身につけてみろ。その程度のことも出来ずに私を倒そうなど片腹痛いわ」
勇者「く…でも、なんでそんなこと」
魔王「ん?」
勇者「そんなことをさせて、お前に何の得がある」
魔王「ふん、損得など初めから考えていない」
勇者「…?」
魔王「何度も言わせるな。ただの暇つぶしだ」
勇者「……」
勇者(嘘を言っているようには…思えないけど)
魔王「…む」
勇者「?」
魔王「誰だ、そこにいるのは。隠れてないで出てこい」
>>36
勇者の仲間だった盗賊
盗賊の性別は>>38
女
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