SSA一日目の衣装に感動した作者が一日で特急仕事で書き上げたSSです。
妄想全開なので突っ込み処満載&クロスオーバーなので、
そういうのが苦手な方は閲覧注意でよろしくお願いします。
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1476595498
~成田国際空港~
リアルP「フォンターナ統括!こちらです!」
アンドレア「おお、これはリアルPさん、お久しぶりですな」
リアルP「お元気そうで何よりです。貴社で作っていただいたスーツ、この通り愛用させて頂いておりますよ」
アンドレア「こちらこそ日本支店長の時にはお客様を多数紹介頂き、大変感謝しております。
それに、この度はリアルPさんが企画するライブにお招き下さり誠に…」
リアルP「いえいえ、以前に日本のサブカルにも興味がある十代の娘さんがいらっしゃるとお聞きしましたので、
愉しんで頂ければと思いまして…」
アンドレア「何でも日本では最大級の会場を埋め尽くす、相当大規模なライブらしいですな? ええと、公演名は…」
リアルP「はい、THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS 4thLIVE TriCastle Storyと、申します」
ラウラ「ちょっとぉ、そろそろ移動しない??長旅で背中バキバキなんだけど」
アンドレア「こらっ!ラウラ!!失礼だぞ!!」
リアルP「おお、失礼しました。こちらがフォンターナ統括のお嬢さんで?? 可愛らしいお方ですね」
ラウラ「ええ、よく言われます。ラウラ・フォンターナです、よろしく」
アンドレア「ラウラ…。いやはや、どうも失礼しました。しつけの行き届かない娘でして…」
リアルP「いえいえ、構いませんよ。…ええと、それと後ろの方々は…」
アンドレア「さて、何で居るのか当方も分かりかねるのですが…」
マルコ「これは殺生」
セルジュ「そりゃぁないぜ、おとっつあん」
織部「ウチの居候どもがご迷惑をお掛けしております…」
ジャンニ「よっ、世話になるよ」
ラウラ「何処で聞きつけたのか、チケットが余ってるって聞いたみたいで…強引に付いて来たのよ…」
アンドレア「カサルヌオポの御大は娘が世話になったからともかく…。
少し厚かましいとは思わんかね?ジャッポネーゼ??」
織部「全く返す言葉も…」
マルコ「リアルPさん!おいらもやってるよ!デレステ!!無課金だけど!!」
セルジュ「モデル時代のギャラ全部ガチャに突っ込んじゃいましたよ、ところでMマスの枠空いてません?
ボク、容姿には自信あるんですけど…」
織部「少しは遠慮しろよ、小動物&不詳の弟子」
リアルP「そ、それでは歓迎の食事会を用意してますので、店に移動しましょうか」
ラウラ「そうね、お腹ペコペコだしね~」
織部「あっしらもご相伴に預かっても構いませんので? ライブまでは俺の実家にでも行こうかと思ってたんですが」
アンドレア「こんな東の果てまで来て遠慮も無いだろう。放り出すみたいで外聞が悪い、付いて来たまえ」
マルコ「やったあ!!ご馳走だ!ユウの実家のご飯、正直地味だもんね!!」
織部「ナポリに叩き返すぞ、居候」
~移動中~
ラウラ「それにしても楽しみねー、何食べさせてくれるんだろ、ワショク??」
アンドレア「こらっ、はしたないぞ、ラウラ」
セルジュ「ぶっちゃけウチはマルコが居るからそう珍しくもないけどね、和食」
織部「下手な和食料理店より拘った飯出てくるからな、ウチは」
マルコ「本場の味、盗ませて貰います…… ん、どうしたんだろ、運転席が騒がしいよ??」
織部「ホントだ、何かあったのかな」
ラウラ「何だかトラブルの臭いがするわね…」
セルジュ「何だか猛烈に嫌な予感がするのぅ……」
リアルP「何っ!! それで!被害の方は!! ……なんだと…衣装が…全滅……??」(顔色真っ青)
アンドレア「リアルPさん、どうされました??」
リアルP「え、ええ、すいません、少し予定を変更して都内の弊社の倉庫に向かっても構いませんでしょうか??」
アンドレア「それは構いませんが…、どうかされたので??」
リアルP「それが…明日のライブで演者が着る衣装、アクロスザスターズ一式を積んだトラックが運搬中に事故に巻き込まれ、
大破炎上、積み荷は予備を含めて丸焦げになったみたいで……」
ラウラ「うわぁ…」
アンドレア「大変じゃないですか…、明日のライブはどうするので??」
リアルP「倉庫に仕舞っている筈の昔の衣装でどうにか…、それを確認しに今から倉庫へ行きます」
アンドレア「私達もお手伝いしましょう、いいな、お前ら」
ラウラ「しょうがないわねぇ」
織部「恩返しに働かせて貰います…。 おい、お前らもしっかり働くんだぞ??」
マルコ&セルジュ「へーい、親方」
~都内某倉庫~
リアルP「無い…、衣装が無い…。 まさか新衣装が出来たから処分してしまったのか…??」
織部「膨大な量の段ボールが有りますし…、まだまだ諦めずに探してみましょう」
マルコ「モバマスの五年間の歴史が詰まってるんだねぇ」
セルジュ「ボクたちの課金の成果か…胸が熱くなるな…」
リアルP「ああ……新衣装を取り寄せるにもあと24時間しかない…もう駄目だ…ライブを延期にするしか…
あんな大イベントを延期とか、とんでもないミステイクだ…最悪私の首が…」(頭抱え)
ラウラ「うわぁ…顔色が青を通り越して白い…」
アンドレア「おい、ジャッポネーゼ、何とかならんか。彼は日本支店の大事なお客様なんだ」
織部「無茶ぶりせんでくださいよ…二十数人の衣装一日で用意とか、到底不可能ですよ……」
ジャンニ「おーい、良さげなモノを発見したぞぃ」
アンドレア「御大?? …それは……??」
ラウラ「衣装…?それも全部バラバラだけどかなり豪華ね」
マルコ「うわぁああああああああ!SSR衣装だ!!」
セルジュ「本当だ、これも、これも…」
リアルP「…ああ、それは新しいカードが出来たら衣装に不具合が無いか確かめるために作るんだ、一種のモックだね」
リアルP「再現できないと今は色んな所から叩かれるからねぇ…コスプレイヤーさんとか厳しいから大変だよ」
織部「……と言う事は…、明日の出演者全員分の衣装が此処には有るんですね??」
リアルP「確かにあると言えば有りますが…、それが??」
アンドレア「おい、ジャポネーゼ、まさか」
織部「モックの割には生地や縫製はしっかりしている…、これを手直しすれば衣装が出来るんじゃないですか??」
リアルP「そ、そんな!無茶ですよ!その衣装はゲームのキャラに合わせて作られているんですよ??
キャラと声優さんは体形が全然違いますよ!!アイドルのキャラには9歳とかもいるんですよ??!!」
織部「それでも生地を一から裁断するよりは大分時間が稼げます。
ここに腕利きの職人が四人居ますから、24時間で24人分の衣装、一人6着。
何とか出来そうな気がするんですがね??」
ラウラ「腕利きの職人が四人って……まさか私達もやるの??」
織部「声優さんたちのサイズの計測は男の俺達には出来ないからな、
ツインテールにはどうしても協力して貰わないとな」
ラウラ「うううう」
アンドレア「しかたあるまい、お得意様の危機だ、ラウラ、お前も腹を括れ」
ラウラ「お父様っ?!」
ジャンニ「やれやれ、手が早い仕事は苦手なんじゃがな…。明日のライブの為に頑張るとするかい」
織部「それじゃ分担して作業に当たろう、体形がどうにもならない衣装は俺がデザインを参考に裁断から入る」
織部「カサルヌオポの御大は比較的体系の近い衣装から片づけて下さい。
和物モチーフの衣装は比較的サイズ変更が楽かと思いますので、それも」
ジャンニ「承知した」
織部「ツインテールは会場入りしてリハ中の声優さん達からサイズの計測、フォンターナ統括は俺の作業の下処理に付いてください」
ラウラ「分かったわよ…」
アンドレア「仕方あるまい」
織部「マルコはリアルPさんとブーツの手配、セルジュは小物関係のサイズ合わせをしてくれ」
マルコ「オッケー!!」
セルジュ「分かったよ」
織部「さあ、時間が無いぞ!仕事開始!!」
全員「了解!!」
ジャンニ「こりゃ!!そこの衣装、立体感が甘い!!こう!こうじゃ!!」
アンドレア「す、すいません!!(クソッ、何でスーツ一筋の私が女の子の衣装をッ……)」
ラウラ「リハ―サル中の声優さん達からサイズ貰って来たわよ!!」
織部「よし、早速サイズがタイトな衣装の調整に入ってくれ!!」
マルコ「ブーツ届いたよ!!」
織部「リアルPさんと会場入りしてサイズのチェック、終わったら飯作ってくれ!精の付く奴な!!」
マルコ「合点!!」
セルジュ「何か、気のせいか衣装が26着あるんだけど……」(泣)
織部「泣き言抜かすな!手を動かせ!!」
セルジュ「ひーっ! ……え、この衣装って…うわー…マジかー…ツイッターで拡散したいわぁ……」
織部「手を動かせって言ってるだろ!!サボってるとパリのおとっつあんの所に叩き返すぞ!!」
セルジュ「ひーっ!!それだけは勘弁!!!」(ちくちくちくちく)
【ギコギコギコギコギコギコギコギコギコギコギコギコギコギコギコギコ】
こうして、二十数時間が経過した……。
~ライブ開始 一曲目BEYOND THE STARLIGHT~
観客「おい、見ろよ!!衣装!!」
観客「ぜ、全員違う!!」
観客「すげぇ、SSRだ!キャラそのものだ!!」
会場「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっっつ!!!!!!!!」
ラウラ「ま、間に合った……」(バッタリ)
織部「今回ばかりは死ぬかと思った……」(ゲッソリ)
アンドレア「キミは特急仕事とか言って毎回こんな事やってるのかね…何時か早死にするぞ…」(ヨロヨロ)
織部「分かっては居るんですがね…こればっかりはどうも…」
リアルP「皆さん!!有難う!本当に有難うございます!!おかげで私の首が繋がりました!!」
リアルP「それに見てください、この盛り上がり!!衣装のお陰で掴みは大成功ですよ!!」
ラウラ「確かに…ね、アレを見ると頑張った甲斐もあったかも、って思うかも…」
織部「ああ…、何時もはお客一人一人に向き合う仕立て屋稼業だけど、作った衣装が数万の人間に喜ばれる、ってのも
案外悪くはないモンだな……」
ラウラ「そうね……」
ラウラ「さて、お仕事も終わったことだし、私達も二ホンを楽しみましょ??疲れちゃったしオンセン行きたいわ」
ラウラ「そこでワショクを食べて色々観光しましょ!!」
織部「…?? 何言ってんだ?? まだ仕事は終わってないぞ??」
ラウラ「へ??」
織部「このイベントは二日続きで明日もあるんだ、二日目19人+α、これから早速作業開始だ」
リアルP「ええ、誠に申し訳ないのですが…よろしくおねがいします」
ラウラ「は」
ラウラ「はぁああああああああああああああああああああああああああああああ!?無理に決まってるでしょ!!
もう24時間寝てないのよ??!!」
織部「ナポリ職人が途中で投げ出す訳にはいかないだろ、全部終わったら思う存分寝ろ」
ラウラ「私、ミラノ生まれだもん!!それに明後日までしか旅券取ってないのよ?? 何も出来ないじゃない!!
ちょっとお父様!! お父様も何とか言ってよ!!」
アンドレア「しかたあるまい…これもペッツオーリ帝国を切り崩す為…、
私の影響力の大きい日本支店を守る為……(フラフラ)」
ラウラ「いやぁああああああああああ!!何か変なスイッチ入ってるぅうううう!!」
織部「どっちにしろ女性の採寸が出来るのはツインテール、お前だけだ。今回も地獄に付き合って貰う」
ラウラ「いぁあああああああ!!!こんなんじゃ東の果てに強制労働させられに来ただけで終わるぅううううう!!
五稜郭!厳島!富士山!首里城ッ―!!」
織部「どれも東京には無いっ!!さあ、今日より作る衣装の人数は少ないが、
御大がライブ終わるまで工房に帰って来ないから時間はギリギリだぞ!!急げ!!」(ラウラを引き摺って連れて行く)
ラウラ「たーすーけーてーーーー!!」(ズルズル)
織部「さて、最初は…何だこのキャラ、身長186cm?? 声優さんとの身長差31cm?? こりゃ裁断からだな…」
かくして数万人が楽しみにしていたライブは、人知れず守られた。
しかし、我々は忘れては成らない。
我々が心の底から楽しめた今回のライブは、
遥か離れた国である、イタリア人の年若い一人の少女職人の涙によって守られた事を……。
【完】
終わりです。初日は最高でした。
これから二日目見に行ってきます。衣装アクロスだったらどうしようw
このSSまとめへのコメント
ジャンニって書いてるから誰かわからんかた。ビアッジオ親方か、普段カサルヌオボの、で呼ばれているから文章にすると違和感があった。
ネタとしては面白かった。