戦士「洞窟内のオークは七匹。どいつもこいつもデカブツだな、骨が折れるぞ」
勇者「…」
戦士「囚われてるのは例の女騎士一人だけだ。そのうちオーク共も楽しみ始めるだろう…そこが狙い目だ」
勇者「…」
戦士「見たところ、洞窟は岩影の向こうの洞穴に繋がってる。俺は裏から回って…おい、聞いてんのか?」
勇者「…聞いてるよ」
戦士「ったく、やる気だせよ。勇者様の久々の活躍の場だろうが」
勇者「…雑魚相手じゃ気分が乗らねぇんだよ」
戦士「働かざる者食うべからずだ。勇者とは言え、食いっぱぐれるぜ」
勇者「嫌な世の中になったもんだねえ」
戦士「実際、食料も金もかなりヤバい。このまま村に転がり込んだって、飯にゃありつけねぇぞ」
勇者「ちっ…。分かったよ」
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戦士「それに、言うほど楽な仕事ってわけにゃいかないだろうな。あれだけガタイの良いオークばっかりじゃあ…」
勇者「大体、何で騎士団のクセにオークに団長をラチられてんだよ。連合の騎士様は、日ごろ縁側で将棋でも指してんのか?」
戦士「大方そんな所だろうな。騎士団なんつっても、港町の方の憲兵は腐敗も酷いって話だ」
戦士「ただ連中、さぞ羽振りはいいだろうなぁ?」ニヤリ
勇者「…はあ。しょうがねえ、飯のタネだ。やるか」
戦士「最初から素直にそう言えよな…。いいか、タイミングは連中がいよいよ騎士様を頂こうって段になってからだ」
戦士「お前が正面から引き付けろ、俺は背後から侵入して人質を救出する」
勇者「とーか何とか言っちゃって、実際恥辱される女騎士が見たいだけじゃねーのォ?」
戦士「お前と一緒にするんじゃない。それより、いつでも行けるようにしとけよ」
勇者「へいへい…」
騎士「…殺せ!!むざむざ生き恥を晒すつもりはない!!」
オークボス「ゲハハ…。そう、カッカするな」
オークA「ボス…。オデ、早く、やりたい」
オークB「良い形のニンゲンだ…久々のニンゲンのメスだ」
オークC「俺たち、デッカイ。…モノもデッカイ。ニンゲン、壊れる?」
オークD「ゲハハ!その通り。オデ、壊れる前に、やりたい」
騎士「くっ…下劣な奴らめ…!」
オークボス「その、生意気な口を…今塞いでやル」ボロン
騎士「っ!?」
オークボス「ほレ、自分からくわえれば、優しくしてやろうじゃないカ。…どうダ?」
騎士「…馬鹿にするな。貴様らの慰みものになる気はない」
オークボス「なニ?」
騎士「ふっ!」バッ
バキッ!
オークボス「ぐワッ!?」ヨロッ
騎士(今だっ!)ダッ
オークボス「ま、待テッ!」
オークE「逃がさなイ…!」グイッ
騎士「ぐあっ…!?」
ドサッ…
騎士(も…もう一匹居たのか…!)
オークE「ゲハハ…ボス、オデ、お手柄…」
オークボス「グヒュッ…そうダな。お前はオデの次にヤラセてやル」
オークE「グヘヘヘ…やったデおい」
オークボス「さテ…手間をかけさせテくれたが…ここまでダなァ」
オークボス「観念しロ…」ビンビン
騎士「ぐっ…!!」
騎士(ここまで…なのか…)
ドガッ!…ドサ…
オークボス「ん…?なんの音ダ?」
オークA「」ドチャ…
オークB「ヒいッ!?首が!」
オークC「なんダ、何事…ぐェッ!?」
ドシュッ…
オークC「ガッ…」ドサ
勇者「…よお。邪魔するぜ」
騎士「!?」
オークボス「なんダッ。貴様!?」
勇者「正義の味方さ。判りやすいだろ」
勇者「気は乗らねえんだが、まあ食いぶちのためだ。運が悪かったと諦めてくれ」
オークボス「なニッ…!? 」
オークB「貴様、仲間の仇ダ!」
オークD「死ネッ!!」ガバッ
勇者「…」スッ
ヒュッヒュッ
オークB「ぺっ」
オークD「め・jw」
ドシャアァ……
騎士「なっ…!」
騎士(何て速さだ!目で追い切れなかった)
オークボス「ばっ、馬鹿ナ…一瞬でバラバラに」
戦士「ほれ、次はお前さんだ」ゲシ
オークボス「うオ!?」ヨロ…
オークボス「………ハッ」
勇者「晩飯代、いらっしゃい」チャキ…
戦士「あんた、大丈夫か?」
騎士「…あ、ああ」
騎士「い、いや待て!オークはもう一匹いるのだ!」
戦士「ん?あれのことか?」
騎士「えっ…?」
オークE「」
騎士「…」
戦士「…ふむ。特に目立った外傷はないな」
勇者「運が良かったな、あんた。オーク相手にして無傷たぁ」
勇者「噂じゃ、腹を突き破られる勢いでヤられたなんて話もあるくらいだ」
騎士「なっ…」
戦士「おい。お前は淑女相手にもうちょっと上品な言葉で話しかけられないのか?」
勇者「上品な言葉?そんなもん、食費の足しに売っ払っちまったよ」
戦士「全く品のない奴だ。おい、あんた立てるか?」
騎士「…問題ない。危ないところを、助けられた。礼を言う」スクッ
勇者「なーに、きっちり謝礼を頂ければこちらは言うこと無しさ」
戦士「おい、勇者…!」
騎士「謝礼…?」チラ
戦士「うっ…」
騎士「…なるほど。最初からそれが目的だったという訳か。騎士団にでも頼まれたか?」
勇者「ああ。あんたの部下たちが悲痛な顔してやがったもんでな。ひとつ頼まれてやって来たってワケさ」
騎士「…全く。情けない」
勇者「まあ、そう言うなよ。敬愛する騎士団長様が拐われたってんで、大騒ぎしてたんだぜ」
勇者「ま、これしきのオークの巣に、正面突入もできない騎士団ってぇと、底も知れるけどな」
騎士「…」
戦士「は、はは。あいつはちょっと口が悪いというか、悪すぎるというか。まあ、気にしないでくれ。…それよりも」
騎士「分かっている。礼はする」
戦士「そ…そうか?そりゃあ助かるな。いや何、丁度、路銀に困っていたところでな。これも巡り合わせって奴だな!あっはっはっ…」
騎士「冒険者か。とにかく、基地まで戻らねば何も出来ないのだ。ついてきてくれ…」スタスタ…
戦士「はっは…。はあ」
戦士「勇者」ジト…
勇者「なんだよ」
戦士「わざわざ騎士団長様の機嫌を損ねるような事を言うな」
勇者「本当のことを言っただけだろ?」
戦士「とは言え、お前な…ほれ、見ろ。落ち込んじまってるじゃねぇか」
騎士「…」スタスタ
勇者「そうか?」
戦士「そうだよ。騎士の格好してようが、若い娘なんだぞ。気の遣えない男だ」
勇者「悪かったな」
騎士「…どうしたのだ。間もなく日も暮れる。急ごう」
勇者「へいへい、と」
戦士「…ふう」
戦士「ここらは…もうかなり連合の地に入ってきているな。このあたりの山脈はすっぽり南方の玄武市に入っている」
勇者「玄武?田舎だな」
騎士「…」
戦士「まあ、朱雀市ほどとはいかないな。だが…まあ、共同体の土地よりかはよっぽどマシだ」
戦士「馬小屋で寝なくて済むからな」
勇者「そりゃありがたいね。ちったぁ人間らしい飯にありつける、か」
戦士「山を越えてきた甲斐があったな。だから言ったろう。面倒臭がらずに地道にコツコツと行けば道も拓けるんだよ」
勇者「性に合わねえんだ、そういうのは」
戦士「田舎でも何でも、人間の飯と寝床を与えたもうた女神に感謝を、だな」
勇者「そら、立派な信仰心だことで」
騎士「…」ピタ…
勇者「ん?どうした」
騎士「………ゴブリンだ」
勇者「げっ。マジかよ」
戦士「確かに。ちょっとした群れだな」
勇者「俺、もう腹減って動けねえぜ」
戦士「愚痴るなよ。逃げ回れば飯が遠退くぞ…ん?」
騎士「…」スラ…
戦士「おい、あんたは無理するな。ここは俺達に任せればいい」
騎士「…騎士の名を持つ者として、そういうわけにもいかぬだろう」
戦士「しかし…」
勇者「いいんじゃねーの?働かざる者食うべからず、なんだろ?騎士様もちったぁ役に立って貰わなきゃ、税金の無駄遣いだぜ」
勇者「最も、また捕まったりは流石に勘弁してもらいたいトコだけどな」
騎士「…くっ!」ギュッ
騎士「下がっていろ!私がやるっ!」ダッ
戦士「お、おい!?」
勇者「りょうかーい」
戦士「勇者、お前なあ!」
勇者「ヤバくなったら助けてやれよ」
戦士「お前も来るんだよ!」
ゴブリン1「ゲキョキョ…」
ゴブリン2「ケラケッ…ケチャ」
ゴブリン3「…!?カタチャッ!」
ゴブリン4「!ケーラッ!」
騎士「うおおおおおおっ!」
ゴブリン5「キョッキョッキョッ。ケラチョーギャ!」
ゴブリン6「ギョラ…!」
騎士「行くぞっ!破ッ!」
ザンッ!!!
ゴブリン7「キョッ」
ゴブリン8「ギャボッ」
ゴブリン9「ケバァッ」
ドガァアッ!!
騎士「シィィ…。あと10匹足らず」
ゴブリン10「ゲバキョッ!?ケキョッ!!」
ゴブリン11「カタチャ、ギョラーッ!!」
騎士「ぜいッ!」
ズッ? バァン!!!
戦士「お、おい…あの騎士様」
勇者「…やりゃあ、出来るじゃねえか」
戦士「この調子じゃ、本気で加勢がいらねえぞ」
勇者「儲けもんだな」
騎士「つァッ!!」
ズダンッ!ザシュウゥッ…!
騎士「…ふーっ。残りは…三匹」
ゴブリン12「ゲ…ゲキョ」
ゴブリン13「キョギョラッ!?」
ゴブリン14「ケラケッ…!」
騎士「すーっ。はーっ」
騎士「かッ!!」ビュッ
ザッ ズッ バァンッ!!!
騎士「…」
ゴブリンだったもの「「「」」」ボトボトボト…
騎士「…ふぅー…」チャキン
パチパチパチ…
戦士「見事なもんだ」
騎士「…いや、無駄な動きも多かった」
戦士「蹴散らされたゴブリン共にしてみりゃ、そうでもないさ。しかしまあ、本当に一人でやっちまうとはな」
騎士「相手は統率もままならないゴブリンだったからな。弓を使える者などがいないのは助かったよ」
戦士「あんた…それだけの腕を持ってて、何でオークなんぞに捉えられたんだ?」
騎士「…どれだけの腕を持とうとも」
戦士「ん?」
騎士「いや、何。鍛練不足さ。恥ずかしい限りだ」
騎士「先を急ごう。もう少しで、山を下りきる」
戦士「ああ。おい、勇者。行くぞ」
勇者「はいよ。…ったく、シケてんなゴブリン共。ロクなもん持っていやがらねえ」
崖の上
騎士「…やっとここまで降りてこれたか」ザッ
戦士「…ほお、こりゃあいい眺めだ」
勇者「…」
騎士「玄武市は黒海に沿っていないから大きな港もなく、たしかに連合の中では田舎扱いをされるが…」
騎士「この肥沃な大地と、数多くの農民によって支えられているのだ」
戦士「んん…雄大な自然、燃える夕陽とそれを受けて金色に輝く田畑…良いもんだねえ」
勇者「…ただの田舎だろ」
戦士「情緒のない奴だよ、お前は」
騎士「あそこに見えるのが我らの基地だ。急げばあと半刻ほどで着くだろう」
勇者「助かるぜ。腹と背中がくっつきそうだ」
騎士「…あなたたちは、どこから?」
戦士「共同体の土地から、山越えさ」
勇者「一週間近く歩き続けて、やっとこさここまで来たってところだな」
騎士「共同体から…朱雀市にでも行くのか?」
戦士「ああ。あそこは、何かと情報も集まっているらしいからな。捜し人も見つかるかもしれん」
騎士「人を捜しているのか…」
戦士「そうだ、あんたも何か知らないか?」
戦士「魔王、って奴のことをよ」
騎士「魔王…だって?」
騎士「魔王ってあの、教典に出てくる…あれか?」
勇者「その、あれだ」
騎士「…」
戦士「ま、言いたいことは分かるぜ。俺達も魔王を捜してしばらくになるが、聞く奴聞く奴、皆あんたみたいな顔をする」
騎士「その、すまない。疑うわけではないのだが…」
戦士「…ま、慣れっこさ。連合の一都市の騎士団長ともなれば、何か知ってるかとも思ったが…まあそう上手くはいかねえわな」
勇者「はーあ。なあ、ほんとにいるのか…?」
戦士「お前が疑ってどうする。その名が泣くぞ」
勇者「けっ…」
騎士「…力になれず、すまない。魔王がどう、だとかそういう話は私も聞いていない」
騎士「教会から何か通達があったという話も聞かされていないし…な」
戦士「ふう…そうか」
勇者「言っとくけど、教会はアテになんねーぜ」
騎士「何?」
戦士「止めとけ、勇者」
勇者「…フン」
騎士「どういうことだ?教会が、アテにならない?」
戦士「気にしないでくれ。こいつは腹が減って機嫌が悪いんだ」
勇者「悪かったな。そりゃ長いこと干物しか食ってなきゃ、精神衛生的に支障もきたすぜ」
戦士「文句ばっかり言うな。おかげで人里には辿り着いたし、食いぶちだって稼げたろう」
勇者「道に迷わなかったのも食いぶちも運だろ?ったく、適当な獣道ばっか進みやがって」
戦士「結果、近道になったんだよ。それでいいだろうが」
勇者「へえへえ」
騎士「………」
酉変えます
「お、おい…見ろ、あれ!」
「だ、団長!?」
「団長だ!!団長が帰ってきた!!」
「門を開け!!早く!!」
ゴゴゴ…ガタァン…!
兵士A「団長っ!無事だったんですね!」
兵士B「良かった…ああ、良かった」
騎士「…」
騎士「心配をかけたな」
兵士C「ご無事を信じておりました!!」
ワイ ワイ
戦士「…見ろよ。たいした人望だぜ。若いのに大したもんだ」
勇者「…」ググゥ~
騎士「副長はどこに?」
兵士D「今、隊の者がひとっ走り呼びに行ってますっ!」
騎士「そうか。私をそちらに案内してくれ。それからあちらは…恩人だ。誰か丁重にご案内を」
勇者「飯だよ、飯」
騎士「…夕食を、用意して差し上げてくれ」
兵士E「はっ!」
兵士F「あのオークの群れから、本当に団長を助け出したのか…」
兵士G「スゴい手練れだ…!」
騎士「…」
saga
副長「だ、団長…っ!!」
騎士「…」
副長「よくぞご無事で…!一時はどうなることかと――」
騎士「副長。話がある」
副長「え…」
騎士「来い」ツカツカ
副長「は、はい」
ギィ…バタン
――――
談話室
――――
騎士「どういうことだ?」
副長「は…?」
騎士「なぜ、騎士団が動かさず、あのような旅の者にこの件を委ねたのかと、聞いているのだ」
副長「…!」
騎士「………」ジ…
副長「…も、申し訳ありません。対オークの作戦行動が、上手く立てられず」
副長「あの、者たちが、対魔物のプロフェッショナルだと、名乗りを挙げたもので」
騎士「っ」
騎士「馬鹿者!!」
パァン!
副長「うッ!」ヨロ…
騎士「…貴様に騎士の誇りはないのか」
副長「………」
騎士「我らは、玄武騎士団だ。玄武市の民を守る為に誓いを立て、命をかけるべき者だ。違うか?」
副長「…はい」
騎士「今回の任務はこの南方の地に出るオークの討伐であった。それを果たすために我らはこの地に来た」
騎士「予想異常に屈強なオークの群れに撤退を余儀なくされたのは私の責任だ。皆を逃がすためとは言え、むざむざ捕まってしまったのも、そうだ」
騎士「しかし…それで何故騎士団が基地に逃げ帰って引きこもっているのだ」
騎士「何故、玄武市の驚異を、無関係な旅人に押し付けて平気でいられるのだ…っ!」
副長「…」
騎士「玄武市の民のために捧げられたその剣は、何故ひとつも汚れず腰にさげられている!?」
副長「…申し訳、ありません」
騎士「お前が、副長なのだぞ!?もし…もし、私があのまま命を落としていたら」
騎士「玄武市は!お前が守られねばならないのだ!!」
副長「っ…」
騎士「その重みを、胸に刻み付けよ…!!」
副長「………はい」
騎士「…」クル…
騎士「私が未熟であるが故に、今回は迷惑をかけた。すまなかった」
騎士「下がっていい」
副長「………はっ」
ギィ…
副長「………だ、団長…!」
騎士「…」
副長「団長が、生きていてくれて…嬉しく、思います…」
騎士「………」
副長「…し、失礼します」
バタン…
騎士「………」ハア
兵士A「どうぞ、こちらでお待ちください」
戦士「ああ、世話になるな」
兵士A「今、食事を運ばせて参ります」
勇者「ご馳走を頼むぜ。こちとら、アンタらの団長様の命の恩人なんだからな」
兵士A「は、はい」
戦士「がめつくな、勇者」
勇者「ふん」
戦士「…ふう、にしても一息つけて何よりだぜ」
勇者「全くだ…。しかし」
勇者「魔王の手がかりは相変わらず無し、か」
戦士「ああ。まあ、分かっちゃいたが長い旅になりそうだな」
勇者「まあ、今日びあんなオークの群れだって珍しいくらい、魔物共は衰退してる。魔王なんて言われても、ピンと来ねえわな」
戦士「教会の連中まで、そんな有り様だと思わなかったが。神父共が、揃いも揃ってポカーンとしやがって」
勇者「教会の情報が一番の近道だと思ったけどな…まさかあんな目に合うたァ…」
戦士「…」
勇者「…」
戦士「とは言え、この話が雲をつかむような話だってのは元から分かっていたことさ」
勇者「朱雀市に着いても、こりゃ望み薄か?」
戦士「…アテがないこともない」
勇者「マジかよ?」
戦士「ああ。確証はないがな」
勇者「へっ、期待しないでおくぜ」
戦士「ま、それが無難だな」
勇者「…に、しても」
戦士「…」
ヒソヒソ ヒソヒソ
「おい、あれか?噂の魔物ハンターってのは」
「そうみたいだな。ひょえ~…あっちの男、流石にいかついなぁ」
「でも、反対側のは普通の体格だぜ? あれでオーク共をなぎ倒したってのか?」
「すげぇな~尊敬しちまうな!」
勇者「なんつーか…ここの兵士共、騎士の端くれなんだよな。本当に…」
戦士「ああ。そんな事より、今俺の事をいかついって言ったヤツはどいつだ?」
勇者「これじゃ、せいぜいスライム狩りが良いとこだぜ」
戦士「アイツか。アイツが俺の事いかついって言ったか」
勇者「…」
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