一ノ瀬志希「17」 (13)

初めて書きます。短いですが、ご容赦ください。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1467976895

あたしは17才。

飛び級して大学で化学の勉強をしてるけど、なんだかつまんないの。

大学っていっても、辺りは勉強に集中できるようにー、とかって木が生えてるばっかりで何にも無いし……

周りはみんな似たような格好ばっかりして、みんな似たような本ばっかり読んで、似たようなことばっかりしてる。

イイ匂いがしないの。

あたしは17才。

大学はやっぱりつまんない。

先生たちはあたしのことを天才だって言うばっかりで、何にも探そうとしなくて。

そのくせ、あたしのことを逃さないように、いっぱい化学の問題を持ってきて、サラッと解いちゃったあたしのことを褒めるの。

監視されてるみたいで嫌だなぁって思っちゃう。

ボーッとできる哲学の講義と放課後だけが、あたしの時間で。

講義の終わった年上のカワイイ女の子たちは、素敵なボーイフレンドと一緒に帰るの。

そうじゃない年上の女の子たちは、よくわからないドラマの話なんかしながらみんなで帰って……

あたしは一人で帰るの。

通り過ぎる人たちを眺めて、地下鉄に乗って、ふらふらと、ここじゃないどこかへ行けたらなぁ……

あたしは17才。

"Gifted"なんてみんな言うけど、そんな肩書きなんか、本当は要らない。

先生も、同級生も、ダッドも、マァムも、誰のことも頼りになんかしてないし、自分に優しくするだけで精一杯。

そして、あたしは一人で帰るの。

割と気に入ってる、一人のリビングでご飯を食べて、ただ祈るの。

どうか、あたしに安らぎを下さい……なんてね。

周りはみんな同じ顔してばっかりで、イイ匂いのする人なんか全然いなくて。

少し口を開けば「キミは凄いね」って言うの。

だからあたしは「そうでしょ、凄いでしょ?」って言ってあげる。

あたしはみんなと違うからね。

そしてやっぱり、あたしは一人で帰るの。

地下鉄に乗って、ここじゃない何処かへ行けたらなぁ、なんて思いながら。

割と気に入ってる、一人のリビングでご飯を食べて……

そしてやっぱり、部屋で祈るの。

繰り返し、繰り返し、何度も、何度も。

どうかあたしに安らぎを下さい、ってね。



「Now I'm 17……」

以上です。

めちゃくちゃ短いですが、志希にゃんが日本に来る前、アメリカでの17才の頃を思って書きました。

元ネタは椎名林檎さんの「17」という曲です。

志希にゃんの「女の子は誰でも」のカバーがとても良くて思わず書いてしまいました。

ありがとうございました。

HTML化依頼出してきます。

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom