――LiPPSメンバーの様子がおかしい――

周子「ボンレスハムとは奏も言うね～」

奏「もはやそこまで来たら、ただの肉塊でしかないわね」

周子「言うね～」ｺﾞﾛｺﾞﾛ

奏「転がるのはやめなさい」

周子「ほら、ミルタンク的な？」ｺﾞﾛｺﾞﾛ

奏「トラウマも刺激しないの」

ｶﾞﾁｬ


美嘉「あ、二人ともやっほ～★」

奏「あら、美嘉。ちょうど良かったわ」

周子「おー、美嘉ちゃーん」ｺﾞﾛｺﾞﾛ

奏「あれ、おかしくないかしら」

美嘉「え？　周子ちゃんがどうかしたの？」ｷｮﾄﾝ

奏「いや、おかしいでしょ。もう見るからに」

赤城美嘉「あはっ、まあ確かにちょっと真ん丸になっちゃったよね」


奏「あなたも名前欄がおかしいことになっちゃってるわよ」

赤城美嘉「名前覧？」

奏「いつから城ケ崎の名前を捨てたのよ」

赤城美嘉「先週かな」

奏「やけにタイムリーね」


ﾌﾟﾙﾙﾙﾙ


赤城美嘉「あ、みりあママからだ」


奏(ママってあなた)

赤城美嘉「もしもし？　……うん、うん。大丈夫、ちゃんと事務所までこれたよ」

奏(なんで心配されてるのよ)

赤城美嘉「うん、それじゃあね」ﾋﾟｯ

周子「美嘉ちゃん、ママに定期連絡かな？」

赤城美嘉「ママ、連絡しないと心配するからさ～」

周子「あはは、子煩悩だ！」

奏「ナチュラルに会話しないでもらえるかしら」

奏「……もういいわ。それで、レイジーレイジーの二人はどうかしたの？　まだ来てないけど」

周子「んー？」ﾓｸﾞﾓｸﾞ


奏「……」


奏「どうでもいいけど、なに食べてるの。それ」

周子「牛脂だよ」

奏「なんでそれを選んだの」

周子「カロリー摂取」

奏(直接……？)

奏「そうじゃないわ。ほら二人はどこに行ったのかって話よ」

周子「志希ちゃんなら、そこにいるよ？」ｽｯ

奏「あら、そう。もう来てたのね」


志希「オソージオソージ」ｺﾞｼｺﾞｼ


奏「……」

周子「いつかの精神修行から掃除しかできない体になっちゃったみたいでさ～」

奏「そうだったのね」

志希「オソージオソージ」ｶﾞﾂﾝｶﾞﾂﾝ

周子「あっ、壁に当たっちゃった」

奏(なんで動けないルンバみたいになってるのよ)

奏「……志希はもういいわ。フレちゃんは、どうしたの？」

周子「フレちゃん？」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

赤城「フレちゃんならもうすぐ来るって連絡来たよ★」


奏「誰よ、あなた」

ｶﾞﾁｬ


フレデリカ「フンフンフーン」

周子「あ、来た来た～。フレちゃーんやっほ～！」ｺﾞﾛｺﾞﾛ

奏「これでやっと全員そろったわね」

フレデリカ「フンフンフーン」

奏「フレちゃん、何か遅刻した原因でもあったの？」

フレデリカ「フーン」ﾌﾙﾌﾙ

奏「それじゃあ、単純に時間を見間違えてたの？」

フレデリカ「フーン」ｺｸｺｸ

奏(あなた、言語能力どこに置いてきたのよ)

周子「フレちゃん、ほらほら牛脂だよ」ｽｯ

フレデリカ「フーン？」

奏「周子、ダメよ。常人にそれは危険なんだから」

フレデリカ「フーンフーン！」ﾌﾞﾝﾌﾞﾝ

周子「あ、喜んでるー！」

奏(かわいいわね)

奏「でも、没収させてもらうわね」ｽｯ

周子「えー？　なんでー？」

フレデリカ「フーン！」

奏「普通はこんなの食べないの」

周子「八つ橋と牛脂なんて四文字違いだし、大丈夫だって」

奏「変な理論展開するのやめてくれるかしら」

志希「オソージオソージ」ｶﾞﾂﾝｶﾞﾂﾝ

奏「ちょっとやめなさい。私はゴミじゃないわ」

赤城「あはは！」

奏「いや、だからあなた誰よ」

周子「それにしても、みんな変わったね～」

奏「ええ、私も驚いた口が閉じないわ」

周子「でも、ほら。奏もさ」

奏「？」

周子「キス、しなくなったじゃん」

奏「……」

周子「いつでも待ってるからね」

奏「もう……、バカ」



――唇は喋るためじゃなく、キミのためにキスするために咲いてる！




おわり