意識高い系男「俺は意識高い系高校生!」
意識高い系男「勉強はもちろんカフェでやる!」
意識高い系男「コンビニではできる限り募金! ただし10円までな!」
意識高い系男「疲れた時に飲むのはもちろんレッドブル! どうだ、スゴイだろ!」
身長高い系兄「お前、さっきから独りでなにブツブツ言ってんだ」
意識高い系男「うわっ!」ドキッ
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意識高い系男「別にいいだろ! 俺にだって独りごと言いたい時ぐらいあるんだよ!」
身長高い系兄「そうなの? まあ、思春期だしな」
意識高い系男「思春期なんかとっくに過ぎたわ! 俺はもう立派な大人だぜ?」
身長高い系兄「背伸びすんなよな~、ガキのくせに」ケラケラ
意識高い系男「うるせえ! ってか兄貴、また背が伸びたんじゃないか!?」
身長高い系兄「ああ、こないだ測ったら一年前より3センチ伸びてた」
意識高い系男「兄貴、もう20過ぎてんのに、なんでそんなに伸びるんだよ!」
身長高い系兄「知るかよ、骨に聞いてくれ」
意識高い系男「ウチの家系はみんな170センチぐらいなのに、兄貴だけ190センチ超えって……」
意識高い系男「絶対おかしいって……でも顔は完全に親父似だし……」ブツブツ…
身長高い系兄「ご先祖に身長高い人がいて、隔世遺伝かなんかしたんだろ、多分」
計算高い系姉「あんたたち、なに話してんの?」プリンッ
意識高い系男「どわっ、姉貴!? なんつーカッコしてんだよ! ほとんど下着じゃねーか!」
計算高い系姉「どう、この服?」
計算高い系姉「胸の谷間はバッチリ強調、スカートもギリギリまで短くしたわ」
計算高い系姉「これで、今度の合コンはいただきね」ウフッ
意識高い系男「くっだらねー……これだから女は……」
計算高い系姉「とかなんとかいっちゃって、目はチラチラこっちを見てるくせに」クスクス
意識高い系男「バカいうなよ! 姉貴の体に興味あるわけねーだろ、ブス!」プイッ
計算高い系姉「耳まで真っ赤になっちゃって、か~わいい!」ギュッ
意識高い系男「や、やめろよ! 実の姉弟で、こんな……」
計算高い系姉「あら、でも引きはがそうとはしないんだ?」クスクス
意識高い系男「ううっ……!(いい匂いがする……)」
身長高い系兄(我ながら、恐ろしい妹を持ったもんだ……)
血圧高い系父「こらこら、あまり弟をからかうな」
計算高い系姉「は~い、ごめんなさい」パッ
意識高い系男(助かった……)ドキドキドキドキ
身長高い系兄「お、意識高い系の次は心拍数高い系か?」
意識高い系男「ドキドキなんてしてねーっての!」
血圧高い系父「……ところで、母さん。この味噌汁なんだが……」ジュルッ
血圧高い系父「いつもより味がずいぶん薄くないか?」
声域高い系母「そりゃそうよ、減塩味噌汁だもの」
血圧高い系父「う~ん、これじゃ物足りないな。もうちょっと濃くしてくれないか?」
声域高い系母「ダメよ、あなた血圧高いってお医者さんに言われたばかりじゃない」
血圧高い系父「これからは運動するから大丈夫だよ。だから、もう少し――」
声域高い系母「ダ~~~~~メ~~~~~よ~~~~~」
声域高い系母「血圧が~~~正常値に~~~なるまで~~~は~~~~~」
声域高い系母「絶対~~~~~減塩~~~~~よぉ~~~~~~~~~~」
血圧高い系父「わ、分かりました……」
身長高い系兄「出た! 母さんのソプラノ攻撃!」
計算高い系姉「あのオペラ歌手みたいなノリで叱られると、何も言えなくなるのよね」
意識高い系男「この家で一番強いのは、間違いなくおか……お袋だな」
兄姉(今“お母さん”から“お袋”に言いなおしたな)クスクス
得点高い系弟「えいっ、えいっ、えいっ!」ピコピコ
得点高い系弟「やったーっ、ハイスコア! ヒャッホーイッ!」
意識高い系男「うるせえぞ! ゲームやるなら静かにやれっていつも言ってるだろ!」
得点高い系弟「あ、兄ちゃんもやる? この新作ゲーム。面白いよ!」
意識高い系男「ハッ、俺はゲームなんてガキのやるもんはとっくに卒業したんだよ」
得点高い系弟「ふうん……」
得点高い系弟「だけど兄ちゃん、たまに夜一人でリビングでゲームしてるよね」
得点高い系弟「なんていうんだっけ……ギャルゲーってやつ?」
意識高い系男「お前……なんでそれを!?」
得点高い系弟「夜トイレに行こうとしたら、たまたま見ちゃったんだよ」
得点高い系弟「テレビの画面に映った女の子に、デレデレしてる兄ちゃんを」
意識高い系男「あ、あれは別に好きでやってるわけじゃなく……」
意識高い系男「あくまで、将来の恋愛シミュレーションのためにだな……!」
身長高い系兄「ハッキリいって、アイツ意識高い系でもなんでもないよな」
計算高い系姉「うん」
あったか~い系妹「おにーちゃーん」トタトタ
意識高い系男「ん、どうした?」
あったか~い系妹「だっこしてー!」
意識高い系男「いいとも!」ギュッ
あったか~い系妹「おにいちゃん、あったか~い」
意識高い系男「ハハハ、そうかそうか」
あったか~い系妹「もっとぎゅってしてー!」
意識高い系男「可愛いなぁ、お前は……!」ギュッ
計算高い系姉(あの子、きっと将来は私以上に計算高くなりそうね……)
年齢高い系祖母「おやおや、みんな揃ってどうしたんだい?」ヨタヨタ
意識高い系男「あ、おばあちゃん! 一人で歩いたら危ないよ!」ササッ
年齢高い系祖母「ほら、おせんべいだよ」
意識高い系男「わぁっ、ありがとう!」
血圧高い系父「お前ってホントおばあちゃん子だよな」
意識高い系男「ち、ちげーよ! 将来ボランティアする時のための予行演習だよ!」
身長高い系兄「ウチの家族で一番可愛いのは間違いなくアイツだよな」ニヤニヤ
計算高い系姉「うん」ニヤニヤ
ブロロロ…… キキィッ
ピンポーン!
意識高い系男「ピンポ……インターホンが鳴った! 誰か出てよ!」
血圧高い系父「俺はメシ食ってる最中だ」モグモグ
声域高い系母「私も今手がは~~~なせな~~~い~~~わぁ~~~~~~♪」
計算高い系姉「うーん、さすがにこのお色気ファッションで出るのは気が引けるわね」
得点高い系弟「ぼくゲーム中」ピコピコ
年齢高い系祖母「ほら、おばあちゃんがだっこしてあげる」ギュッ
あったか~い系妹「あったか~い」
意識高い系男「うう……」
意識高い系男「兄貴、出てくれよ!」
身長高い系兄「俺が出ると、背の高さに驚く人がいるからなぁ」
身長高い系兄「ここは意識が高いお前に任せるよ」
意識高い系男「くそっ、どいつもこいつも……!」
位置高い系祖父『孫よ』ボォッ…
意識高い系男「うわっ、おじいちゃん!? まさか天国から降りてきたの!?」
位置高い系祖父『ホッホ、そうじゃよ。盆にはまだ早いがの』
位置高い系祖父『ここは一家を支える次男として、ビシッとお客を出迎えてやるのじゃ!』
意識高い系男「おじいちゃんに言われたら断れないなぁ……分かったよ!」
位置高い系祖父『いい返事じゃ……お盆にまた会おう!』シュゥゥ…
意識高い系男(おじいちゃんも……元気でね!)
意識高い系男「分かったよ! 俺が出てくるよ!」スクッ
計算高い系姉「悪いわね~」
身長高い系兄「車の音したから、多分宅配便だろ。印鑑持ってった方がいいぞ」
意識高い系男「持ってってやるさ……もちろん実印をな!」ニヤッ
身長高い系兄(宅配便のサインに実印持ってくのは意識高い行動に入るのか……)
意識高い系男「すみません、お待たせしました! ちょっと取り込んでまして」ガチャッ
宅配業者「いえいえ」
宅配業者「それでは高井さん、ここにハンコをお願いします」
―おわり―
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