鯉娘「誰ぎゃっ...ぼぼぼぼぼぼぼぼっ!!!!ぶくぶくぶくぶくっ!!!!」アップアップ
鮭娘「...」ジー
鯉娘「おえっ...溺れりゅっ...!!!!誰ぎゃあああああああああ!!!!」ジタバタ
鮭娘「何してんのコイちゃん」
鯉娘「シャケェ!!!...だすけっ!!!!!!」ググッ
鮭娘「なんで水の中でスクワットしてるの?」
鯉娘「溺れてるんだよクソが!!!!さっさと助けないとムニエルにすんぞ!!!!」
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鯉娘「げほっげほっ...あー死ぬかと思った...」ピチピチッ
鯉娘「水飲み過ぎた...おえっ、気持ち悪りぃ...」
鮭娘「で、なんであんなアグレッシブな水飲みしてたの?」
鯉娘「違うわ!滝登りの練習してたんだわ!」
鮭娘「...滝登り?泳げないくせに?」
鯉娘「...明日って子供の日じゃん?実は私達、鯉の一族は五月五日にみんなで陸に上がって、こいのぼりという名の滝登りをする伝統があってね...」
鯉娘「私も今年、鯉の成人になったからその忌まわしい儀式に参加することになって...」
鮭娘「あーそれで滝登りの練習してたんだ」
鮭娘「じゃ、頑張ってね。精々無様な失態を晒して一族の恥にならないように」スタスタ
鯉娘「ちょっと待て」ガシッ
鯉娘「そこまで分かってるなら...私が何言いたいか分かるよね?」
鮭娘「...さすがに一族を皆殺しにするのは止めた方がいいと思う」
鯉娘「誰がそんな物騒なことするかぁ!!!!!」
鯉娘「だから一緒に滝登りの練習を手伝ってって言いたいんだよぉ!!!!お前泳ぎとか得意じゃん!」
鮭娘「えー...私だって暇じゃないんだからさぁ」
鮭娘「これからイクラを使って野球でもしようと思ってたのに...」
鯉娘「...自分が何の魚か知ってる?」
鯉娘「ではこれから泳ぎを教えてもらおうと思います」
鮭娘「教えることになりました」
鯉娘「ほら早く教えてよ!コツとか手の動かし方とか!」グルングルン
鮭娘「んなこと言われても...ここって海の中だよね?」
鯉娘「うん、正確には魚人が住んでる竜宮町だね」
鮭娘「...逆になんで泳げないの?普通、子供どころか赤ちゃんでも泳げるのに」
鮭娘「あーもう、はいはいそういうのは聞き飽きたから」
鮭娘「泳げないもんは仕方ないじゃん。今は泳ぎを習ってるんだよ?誰も私が泳げない理由なんて聞いてないから」
鮭娘「だから早く泳ぎ方教えてよ」
鯉娘(...なんで上から目線なんだろ)
鮭娘「というかさっき明らかに溺れてたけど、水の中でも息できるでしょ?なんで溺れるの?」
鯉娘「呼吸の仕方を間違えた」
鮭娘「...」
鮭娘「はぁ...もう帰りたい」
鯉娘「ねぇ!早く!ス・イ・ミ・ン・グ!」
鮭娘「いや教えるって逆に当たり前過ぎてできないんですけど...陸で歩き方を知らないレベルだよ?」
鯉娘「うっせぇなもう!水の中では歩けるんだからいいじゃん別に!」
鮭娘(そういう話じゃない)
鮭娘「はぁ...じゃあまずは私の前で泳いでみてくれる?」
鮭娘「海の中に住んでるのに、泳げないっていうのは明らかにおかしいからね。多分根本的にどこか勘違いしてるんだと思う」
鯉娘「おぉ!それっぽい!じゃあさっそくやってみるね!」
鯉娘「ふんっ...!ふんっ...!」グッ
鮭娘「...」
鯉娘「ふんっ...!ふんっ...!」グッ
鯉娘「ふっ...んんっ!?」ブクッ
鯉娘「や、やべっ...息がぁ!!!!」ゴホォ
鮭娘(なんでスクワットしてるんだろ)
鯉娘「ごぽぽぽぽぽぽぽっ!!!!助けっ!助けっ!」ブクブク
鮭娘「うわぁ...改めて見ると魚が水の中で溺れてるってシュールだな...逆にどうやって溺れてるのか知りたいくらいだよ」
鮭娘「面白いからちょっと観察してよっと」
鯉娘「たずげろおおおおおおおおおおおおおお!!!!ぼぼぼぼぼぼぼぼっ!!!!」ジタバタ
鯉娘「がっ...!?」ピクッ
鯉娘「」プカーン
鮭娘「...河童の川流れならぬ魚の溺死か。うまい」
鯉娘「全然うまくねぇよ!!!!!塩焼きにすんぞ!!!!」ブンッ
鮭娘「うごぉっ!?」ボコォ
鮭娘「い、いたい...」ピクピクッ
鯉娘「ぜぇー...!ぜぇー...!し、死ぬところだったわ!魚が溺れ死ぬとかまったく笑えないわ!」
鯉娘「うっぷ...ぎ、気持ち悪い...また水飲み過ぎた...」クラッ
鮭娘「ちょ、ちょっとやめてよ...ここで吐いたら、間接的に私にもコイちゃんのゲロがかかるんですけど」
鯉娘「うぐっ...で...で、どうして私が泳げないのか分かった?」
鮭娘「んー...多分、身体の動かし方がド下手なんだろうね。絶望的に壊滅的なレベルで」
鮭娘「運動音痴って次元じゃなくてもうこれは運動障害、よくそんなんで日常生活が送れてるね。ある意味尊敬するよ」
鯉娘「こ、こいつ好き勝手言いやがって...」
鮭娘「まずは私が泳ぎの手本を見せるから、それをよく観察して覚えてね。単純にその動きを真似れば泳げるようになるんだから」フワァ
鯉娘「わ、分かった。よく見てる」
鮭娘「じゃあ軽くそこら辺で泳いでくるから、着いてきてね」ブオンッ
シーン
鯉娘「...えっ?」
鯉娘「ちょっ...え?まさか走って泳いでるシャケに追い付けっていうの?え?」
鯉娘「...」
鯉娘「ちょ、ちょっと待てよぉ!!!!!」ダッ
.............................................................
...............................................
鯉娘「ひぃー...ふぅー...ひぃー...ふぅー」ゼェゼェ
鮭娘「どう?どんな動きで泳いでたか分かった?」
鯉娘「わ、分かるか...走るのに夢中でお前の尻しか見えなかったわ...」ゼェゼェ
鮭娘「じゃあ私は教えるだけ教えたからこれで失礼するね。あとは自主練ということで」スタスタ
ガシッ
鯉娘「ちょっと待て」
鮭娘「...離してよ。もうこれ以上、私に出来ることないよ」グッ
鯉娘「ここまで来たら私が泳げるようになるまで、徹底的に付き合ってもらうからな。拒否権はない」グイッ
鮭娘「えぇ...」ズルズルー
~~~~ 数時間後 ~~~~
鯉娘「ふんっ!ふんっ!」バタバタ
鮭娘「...」ボケー
鯉娘「...あっ!今ちょっと泳げてなかったか!?見てた見てたっ!?」
鮭娘「ふわぁ...ねむ...」ゴシゴシ
鯉娘「ちゃんと見てろやぁ!!!!」ブンッ
鮭娘「ふげっ!?」ボコォ
鮭娘「い、いたい...な、なんで私がこんな目に...」
鮭娘「今日は友達とイクラを使って野球する約束だったのに...もうやだ...」
鯉娘「私が泳げるようになれば解放するって言ってるでしょ!?協力してよ!」
鮭娘「だってもう無理だよ...なんで水の中で走ったり殴れるのに泳ぎが出来ないの?頭おかしいよ...」
鮭娘「もうこいのぼりは諦めて、素直に恥を晒してくればいいじゃん...いい加減私を帰してよ」
鯉娘「やだやだやだあああああああああ!!!!泳げるようになって見返してやるんだあああああああ!!!!」ジタバタ
鯉娘「私が兄姉達からなんて言われてるから知ってる!?"使えないコイつ"呼ばわりだよ!酷くない!?」
鮭娘(濃いアダ名だな。コイだけに)
鯉娘「お願いだから泳ぎを教えてよおおおおおおおおお!!!!一生のお願いだからさあああああああ!!!!」シクシク
鮭娘「な、泣かないでよ...めんどくさい」
鯉娘「じゃあ教えてくれるのっ!?」
鮭娘「いや、それはちょっと。他の人に教えてもらって...」
鯉娘「ありがとおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!やっぱり持つべきものはシャケの友達だねぇ!!!!」ダキッ
鮭娘「...話聞いてる?」
「しゃーく!シャケさーん!」タッタッタ
鮭娘「ん?この声は...」クルッ
鮫娘「もう!いつまで経っても来ないから、ずっと探してたんですよ!?どこに行ってたんですか!」
鮭娘「あっ...サメちゃん...」
鯉娘「ん?なんだサメじゃん。こんなところで何してんの?」
鮫娘「しゃーく?どうしてコイさんとシャケさんと一緒に...?」
カクガクシカジカ
鮫娘「しゃーく、なるほど。シャケさんはコイさんに泳ぎを教えていたんですね」
鯉娘「シャケの教え方が下手だから全然泳げるようにならないんだけどね」
鮭娘(手のひら...いや、ヒレがクルックルだなぁ)
鯉娘「...そうだ!サメ、お前も確か泳ぎ得意だったよな!?」
鮫娘「しゃ、しゃーく?まあどちらかと言えば得意な方だとは思いますけど...」
鯉娘「ならお前も私の特訓に協力しろ!これなら効率も2倍になって、すぐ泳げるようになるはずだ!」パァ
鮫娘「な、なんですかその理論...」
鮭娘「あーあ...サメちゃんも巻き込まれちゃったか」
鯉娘「ということでサメ!私に泳ぎを教えるんだ!ゆっくり丁寧にな!」
鮫娘「しゃーく...泳ぎを教えろと言われても...」
鮫娘「足と手を動かしてれば、誰でもすぐ泳げるようになるんじゃないですか?」
鯉娘「...あん?」プチッ
鯉娘「あのな?みんながみんな、そう簡単に行くと思ってんのか?あん?自分が特別だと自覚しような?」ググッ
鮫娘「しゃ、しゃーくぅ...い、痛いです。それに怖いです...」ビクビク
鯉娘「おん?お前は黙って泳ぎを教えればいいんだよ?分かったか?」ググッ
鮭娘(教えてもらってる側なのに、ここまで強気になれる自信はどこから来るんだろ)
鮫娘「しゃ、しゃーく!な、なら!まずは手と足を同じように動かすことから始めましょう!」
鯉娘「...ん?どういうこと?」
鮫娘「しゃーく!水をかく動作を覚えるんです!この方法なら時間はかかりますが、平泳ぎを確実に習得出来ます!」
鯉娘「手足を同じように動かして水をかく...」グルン
グイッ
鯉娘「っ!?す、進んだ!ちょっとだけ進んだ!」
鯉娘「お前天才だな!さすがサメ!よっ!海の王者!」
鮫娘「しゃ、しゃーく、良かったですね」
鯉娘「よし...この調子で少しずつ前に進むことから始めよう...」グルングルン
鮭娘「ごめんね、何か変なことに巻き込んじゃって」
鮫娘「しゃーく...本当ですよ。あたしはシャケさんと一緒に遊ぶ約束をしてただけなのに...」
鮭娘「んー...今、コイちゃんは泳ぎの練習に夢中だしこっちも好きに遊んでいいよね」
鮭娘「サメちゃん、野球やろっか」
鮫娘「...いいんですか?」
鮭娘「いいって、いいって。向こうは前しか見てないから、後ろでこっそりやればバレないよ」
鯉娘「ぜぇー...はぁー...ぜぇー...はぁー...」グルングルン
鯉娘「ちょ、ちょっと休憩...泳ぐのって手足動かすから疲れるな。どのくらい進んだんだろ」クルッ
鯉娘「えーっと...あそこの岩がある場所から泳ぎ出したから、距離にして約...」
鯉娘「...10メートルぐらい?」
鯉娘「えっ...ちょっ...私、10分くらいは泳いでたよね?つまり1分に1メートルしか進んでなかったってこと?」
鯉娘「...」
鯉娘「サメェェェェ!!!!!やっぱお前のやり方なし!もっと早く泳げる方法教えろぉ!!!!」
鯉娘「...あれ?あいつらどこ行った?」キョロキョロ
鮭娘「行くよー!必殺魔球スクリュードライバー!」ブンッ
鮫娘「しゃーく!必殺のシャークトパス打法で簡単に打ち返してみせます!」ブンブンッ
鯉娘「お前ら小学生か」
カキーン
鮭娘「しまっ...」クルッ
鮫娘「しゃーく!やりました!ホームランです!」ピョンピョン
鯉娘「おー...飛んでるなぁ...ん?」
ヒュー
鯉娘「ちょ、ちょっと待て...あのイクラ、こっちの方向に落ちて...」
鯉娘「ほげっ!?」ゴツンッ
鮭娘「...」ジー
鮫娘「...」ジー
鮭娘「な、なんかイクラがコイちゃんに当たったような...」
鮫娘「しゃ、しゃーく...気のせいですよ」
鮭娘「そ、そうだよね。あっ...私ちょっと用を思い出したから、今日はもう帰ろっと」ダッ
鮫娘「しゃーく!私も今日は陸の友達と会う約束をしてたんでした!早く帰らないと!」ダッ
鯉娘「...待てよ」ガシッ
鮭娘「」ビクッ
鮫娘「」ビクッ
鯉娘「...なにこのイクラ?めちゃくちゃ重かったんですけど。下手したら首が折れてたんですけど」
鯉娘「...まあ私は心優しいから、こんなことじゃ怒らないけどね。じゃあ練習始めよっか」ニッコリ
鮭鮫娘「「 は、はい 」」
鯉娘「はい。ということでサメの方法は確実に泳げるようになりますが、時間がかかり過ぎるということで却下です」
鮭娘「...」
鮫娘「...」
鯉娘「今日中に確実に、泳げる方法を何としても見つけろ。でないとソテーとフカヒレスープにすんぞ」
鮫娘「しゃ、しゃーく...でもそんなに早く泳げるようになったら、スイミングスクールなんていらな...」
鯉娘「シャラップ!ファッキューシャーク!アイアムアキラーホエール!」
鮫娘「しゃーくぅっ!?」ビクッ
鮭娘(なぜ英語)
鮭娘「...まあ一応あるにはあるんだけどね。急に泳げるようになる方法」
鯉娘「マジでっ!?」
鮫娘「しゃーく!?本当ですか!?」
鮭娘「うん、でもちょっと危険な方法なんだ。コイちゃん...やる覚悟はある?」
鯉娘「やる!どんな方法でも泳げるようになるならなんでもやってやる!」
鮭娘「そ、安心した。じゃあサメちゃん、あの形態になってくれる?」
鮫娘「しゃーく...?形態って...まさかアレのことですか?」
鮭娘「そう、アレだよアレ」
鮫娘「...わ、分かりました。ちょっと恥ずかしいですけどやります」グッ
鯉娘「...?一体何をするつもり...」
ベキベキベキベキィィィィィィ!!!!!!!!!
鯉娘「なっ...なにこの音!?」キョロキョロ
鮭娘「これがサメちゃんの戦闘形態...名付けて鮫肌モード」
鮫娘「しゃ、しゃーく...」ギラギラ
鯉娘「え?ちょ?は?戦闘形態?」
鮭娘「今のサメちゃんの肌は全身から鋭い牙が生えているのと同じ状態。少し触れただけで、皮膚を持っていくほど鋭利なものになっているよ」
鯉娘「は?何その設定?急にそんなの出すか普通?」
鮭娘「今からコイちゃんには...この状態のサメちゃんと鬼ごっこをしてもらうます」
鯉娘「...は?鬼ごっこ?」
鯉娘「そう、ちなみにこの状態のサメちゃんは肌が水を通りやすくなってるからスゴく速いんだ」
鯉娘「さっきも言った通り今のサメちゃんは触るのも危険な状態、これでもしタッチなんてされたら...どうなるか想像できるよね?」
鯉娘「...」ゾォー
鯉娘「サメちゃんから逃げ切るには泳げるようになるしかない。じゃあ10秒後にスタートするから、それまで出来るだけ遠くに逃げてね」
鯉娘「ちょっ...ちょちょちょちょちょ!!!!!」
鯉娘「た、確かに泳げるためなら何でもするとは言ったけどさぁ!痛いのは駄目でしょ!」
鯉娘「もっとこう平和的に...安全に泳げるように練習しようよ!」
鮭娘「残り5秒、早くしないとすぐサメちゃんに追い付かれるよ?」
鯉娘「...っ!」
鯉娘(や、やばい...こいつマジでやる気だ!私が傷付くことなんてこれっぽっちも心配してない...)
鯉娘「く、くそぅ!後で覚えてろよ!このサーモン野郎!!」ダッ
鮫娘「しゃーく...本当にやるんですか?さすがに今のあたしの肌で触れたら洒落にならないと思うんですけど...」
鮭娘「向こうが本気で泳ぎたいって言ってるんだから、こっちも本気でそれに応えるしかないでしょ」
鮭娘「手加減はしないでいいから本気でタッチしてね。あ、でも手足が傷付いたら動けなくなるから背中辺りでお願い」
鮫娘「...しゃーく、分かりました。もし泳げなかったらこっちがやられる勢いですもんね。ならやられる前にやらないと...!」ゴクリ
鮭娘(...そういう意味じゃないんだけどな)
鯉娘「はぁっ...!はぁっ!くそっ!なんでこんな目に!」ダダダッ
鯉娘「私が何したって言うんだよ!さすがに痛い目に遭うのは嫌だからな!」ダダダッ
ギュイーン
鯉娘「ん...?なんだこの音」クルッ
ギュイイイイイイイイイイイイイイイイイン!!!!!!!!
鮫娘「しゃあああああああああああくっっっっ!!!!!!」ギュルルルルル
鯉娘「ハァッ!?」ビクッ
鯉娘「な、なにあれ!?モーターボート!?や、やばい!あんなの数秒で追い付かれっ...」
鮫娘「しゃあああああああっくうううううういうう!!!!!」バッ
鯉娘「あっ!危ないっ!!!!」サッ
ギュイイイイイイイイイン!!!!!!!!!
ズサー
鯉娘(ぐおっ...か、間一髪で回避できた...で、でも...)
パラパラッ...
鯉娘「あ、あいつが触れた岩がまるでシュレッダーにかけられた紙切れみたいに粉々に...」
鯉娘「あんなのに触れられたらマジで洒落にならん...ど、どうにかして泳げるようにならないと...」
鯉娘(よ、よく鮫の動きを観察するんだ...!シャケも動きを真似れば泳げるようになるって言ってたし!)ジッ
鮫娘「しゃあああああああっくううううううううううう!!!!!」グギュルルルル
鯉娘(サメは...手を使って泳いでいない?足の力だけで泳いでいる...?)
鯉娘(そ、そうかっ!私は手の動きに集中し過ぎて、足の方が疎かになっていたんだ!)
鯉娘(腕力と脚力なら脚力の方が断然強い!足に力をこめて...水をかく!!!!!)グッ
ブワッ
鯉娘「ッ!? す、進んだっ!!泳げた!!!!」
鮭娘「どうやらコイちゃんは気付いたみたいだね」
鮭娘「...でもまだあれは完璧とは言えない。あの泳ぎ方だとすぐにボロが出ることに気付くはず」
鯉娘(ぐあっ...!!!)ズキッ
鯉娘(くっ...あ、足に痛みが...この泳ぎ方じゃ駄目なのっ!?)
鯉娘(...今、サメと私の距離は約15メートル。チャンスはこれで最後、一瞬でサメの動きを観察してコツを掴むっ!)クルッ
鮫娘「...ッッッッ!!!!!」バタバタ
鯉娘(み...見えた!そうだ!身体の動きだ!)
鯉娘(魚だって尾ビレだけで泳いでるわけじゃない!全身のヒレを使って泳いでるんだ!)
鯉娘(頭...肩...手...腰...足...全身を動かして水をかくんだ。まるで水と一体化するように)クイッ
鯉娘「これが...泳ぐということかぁ!!!!!」ギュインッ
鮫娘(...っ!急に動きが...あれはもう完全に...!)
鯉娘「...どうやら無事に泳ぐことに成功したみたいだね」
鯉娘「き、気持ちいい...まるで私自身が海になったみたい...」
鯉娘「景色も歩いてた頃とまったく違う...宇宙から見た地球ってこんな感じなのかな」
鯉娘「もう使えない"コイ"つなんて呼ばせない...!私は生まれ変わったんだぁ!」パァ
鮫娘(...しゃーく。別にこんなやり方しなくても、直接全身の動きを教えるだけで良かったんじゃないでしょうか)
~~~~ 翌日 ~~~~
鮫娘「しゃーく!コイさん!こいのぼり頑張ってくださいね!応援してます!」
鮭娘「怪我しないように程々にね。まだ泳げて一日しか経ってないんだから」
鯉娘「いやぁ!まあ見てなさいって!この鯉娘様の華麗なこいのぼりを見せてあげますよ!!」
鯉娘「おっと、そろそろ時間だから行くね!祝杯の準備よろしく~!!」ダッ
鮫娘「しゃーく...コイさん、すごく浮かれてますね。気持ちは分かりますけど」
鮭娘「んー...そのことでさ、少し気になることがあるんだよね」
鮫娘「そのことって...こいのぼりのことですか?」
鮭娘「うん、よく考えてみたらさ...」
鯉娘「あぼぼぼぼぼぼ!!!!げぼぼぼぼぼぼぼっっ!!!!」ブクブク
鮭娘「泳ぎと滝登りってさ、また別の技術じゃない?」
鮫娘「しゃ、しゃーく...確かに...」
おわり
おわりです
>>4の部分で鮭と鯉が入れ替わってるのはミスです
魚へんばっかりでごめんなさい
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