天城「姉様～？　雲龍姉様～？　あ、いた」


雲龍「……」


天城「どうしたんです？　空を眺めて」


雲龍「……」


天城「そろそろお昼ご飯ができますので、食堂に来てくださいね」


雲龍「……」


雲龍「……え？」


天城「お昼です！　おーひーる！」


雲龍「ああ。そう」

天城「空は綺麗ですけど、ご飯は食べないといけませんからね」


雲龍「……」


天城「……姉様？」


雲龍「あの……」


天城「はい」


雲龍「あなた、だれ？」


天城「天城ですよ！」

雲龍「天城……」


天城「そうです！　貴方の妹艦の天城ですよっ」


雲龍「……」


雲龍「……ああ！」


天城「姉様、妹の顔忘れないでください……」

雲龍「どうしてここにいるの？」


天城「だから御飯が……はぁ」


雲龍「……？」


葛城「雲龍姉と天城姉？　どうしたの二人して」


天城「ああ～。葛城～。聞いてよ、雲龍姉様がぁ」


葛城「んん？」

葛城「もう！　雲龍姉ったら！　天城姉の顔忘れるなんてひどいじゃない！」


雲龍「……」


天城「ま、まあ。姉様ぽーっとしてるところあるから、あはは。あまり言わないであげてね」


葛城「天城姉は甘いんだよぉ。雲龍姉は私達の長女なんだから、瑞鶴先輩みたいにしっかりしてもらわないと！」


雲龍「……」


葛城「聞いてるの！？　雲龍姉！」


雲龍「あ」


葛城「ん？」


雲龍「空、綺麗」


葛城「聞いてない！！」

天城「ね、姉様。空はいいですから、そろそろご飯にいきましょう？　ねっ？」


雲龍「……」


雲龍「うん。……いく」


天城「うふふ、よかったです」


葛城「もー。天城姉は優しすぎなの！　全く」


雲龍「……お腹、すいた」


天城「はいはい。では食堂にいきましょうね～」

～食堂～


雲龍「……ﾓｸﾞﾓｸﾞ……」


天城「雲龍姉様。汁がこぼれていますよ」


葛城「もー。御飯の時くらいちゃんとしてよ～雲龍姉！」


雲龍「……うん」


ｶﾞﾗｯ


瑞鶴「ふいー、お腹すいた～」


翔鶴「今日のご飯は何かしらね」


葛城「はぁぁああっ！！　あぁあぁああっ！！　ず、瑞鶴先輩！！」


瑞鶴「あら葛城。あなたも姉さん達とお昼？」


葛城「は、はいっ！　今日は姉妹で久しぶりに出撃がかぶらなかったので！」


瑞鶴「そう。仲良さそうでよかったわ」


葛城「あ、ありがとうございますっ！！　喋って頂いて光栄ですっ！！」


天城「翔鶴先輩。お疲れ様です。すみません、葛城が瑞鶴先輩に……」


翔鶴「いえいえ。瑞鶴も後輩ができて喜んでるようですから、気にしないでくださいね」


雲龍「……」

葛城「ああ～、やっぱり瑞鶴先輩はかっこいいなぁ～！」


天城「そうね。翔鶴先輩も、落ち着いた雰囲気と優しさ、そして気品が溢れ出ておられる素敵な方よね」


葛城「私もいつか、瑞鶴先輩のような艦載機の扱いができるようになりたいっ！」


雲龍「……」


葛城「ねえ雲龍姉！　雲龍姉もそう思うでしょ？」


雲龍「……」


葛城「……雲龍姉？」


雲龍「……」


雲龍「このお刺身。美味しい」


葛城「ずこーーーっ！」


天城「昭和ねえ」

～お散歩中～


雲龍「……」


雲龍「……」


雲龍「……あ……」


雲龍「……お花。綺麗……」


雲龍「……」


雲龍「いい風。気持ちいい」

グラーフ「む」


雲龍「……」


グラーフ「貴艦は確か……雲龍型航空母艦一番艦の雲龍、だったな」


雲龍「……」


グラーフ「貴艦も散歩か？」


雲龍「……」


グラーフ「返答はなし、か。まあ私はドイツ生まれのよそ者だ。それも良いだろう」


雲龍「……」


グラーフ「どれ、せっかく空母同士が揃ったことだし、少しそこのベンチで少し話さないか？」


雲龍「……」


グラーフ「……」


雲龍「……はい」


グラーフ「おお。良かった」

グラーフ「しかし今日は良い天気だな。本来なら出撃でも良かったが」


雲龍「……」


グラーフ「こうしてゆっくりと過ごしてみるのも。まぁ、悪くはない」


雲龍「……」


グラーフ「なあ雲龍。私は最近アドミラールにコーヒーを注いであげるのだが、貴艦は好きなコーヒー豆などあるだろうか？」


雲龍「……コーヒー」


グラーフ「ああ。コーヒーだ」


雲龍「…………好きなのは…………コーヒーより。牛乳」


グラーフ「そ、そうか。これは失礼した」

雲龍「…………背…………伸びるし」


グラーフ「もう十分大きいとは思うが……貴艦は意識が高いのだな」


雲龍「……」


雲龍「……？」


グラーフ「い、いや。なんでもない」


雲龍「……」


グラーフ「……」


雲龍「あ」


グラーフ「ん？　ど、どうした！」


雲龍「……」


雲龍「……艦載機。手入れしないと……」


グラーフ「お、おお。そのような時間だったか。手間を取らせすまなかった」


雲龍「…………いえ。…………話せて楽しかった……」


雲龍「…………です」


グラーフ「あ…………ありがとう」

～工廠～


明石「あら雲龍さん。今日は艦載機の手入れですか？」


雲龍「……」


明石「……」


雲龍「……」


明石「えっと……」


雲龍「……」


明石「う、雲龍さ～ん？」


雲龍「……あ」


雲龍「そう…………です」


明石「そうなんかい～！」