【モバマス】小梅「3月28日」【LINE外伝】 (59)

LINEシリーズの外伝ですが、本作が本編に影響する保証はありません



3月28日0時0分――
CGプロ女子寮、小梅自室――



時計「12時になったでー」チクタク...

小梅(……)

小梅(今日は3月28日――)

小梅(つまり私の誕生日)

小梅(そういえば……)

小梅(私、皆に誕生日を教えたことがない……)

小梅(今日言った方が良いのかな?)

小梅(でもプレゼントをおねだりしてるみたいで……)

小梅(嫌な子って思われたくない……)

小梅(……)





小梅(いつも通り過ごしておこう……)

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1459099053

小梅(皆、何してるんだろう……?)チラリ





カワイイクインテット(5)

幸子
カワイイ帽子

幸子
画像

美玲
6点

幸子
カワイイ手袋

幸子
画像

美玲
5点

幸子
カワイイカーディガン

幸子
画像

美玲
9点

幸子
カワイイボク

幸子
画像

美玲
3点

幸子
クソゲーですか!!





小梅(LINEもいつも通り……)

幸子
カーディガン良いですよね?

美玲
そのカーディガンが一番良い

幸子
明日はこれにします

美玲
今日だぞ

幸子
もうこんな時間ですか……

美玲
明日早いんだろ?

美玲
もう寝ろよ

幸子
分かりました

幸子
おやすみなさい

美玲


幸子
困りました

幸子
カワイイに興奮して眠れません……

美玲
遠足前日の小学生か!!

小梅
先週墓地で撮った写真

小梅
画像

美玲
怖っ!

小梅
少なくとも5人は写りこんでる

美玲
連れて帰ってないよな?

小梅
ちゃんとお供えしたから大丈夫

美玲
そんなんで大丈夫なのか……

小梅
幸子ちゃん寝たみたい

美玲
勘違いしてるかもだから言っとくけど

美玲
アレは気絶って言うんだ

美玲
覚えておこうな?

小梅
うんっ

美玲
小梅はオフ?

美玲
こんな時間まで起きてるなんて

小梅
お昼頃に事務所で記事を書くだけ

小梅
だからちょっと夜更かしできる

小梅
ぶいっ

美玲
連載もらったんだってな?

美玲
おめでとう!

小梅
ありがとう

美玲
小梅は結構レギュラーの仕事が多いなぁ

美玲
やっぱり怖い系?

小梅
ううん

小梅
道端で見かけた幽霊の日常生活を伝えるだけ

美玲
知らないかもだから言っとくけど

美玲
それは十分ホラーって言うんだ

美玲
覚えておこうな?

小梅
うんっ

美玲
ウチは明日仕事あるから

美玲
もう寝る

小梅
おやすみなさい

美玲
暖かくして寝るんだぞ!

美玲


小梅






小梅「みんな、忙しくなっちゃったなぁ……」

小梅(少し前まで、みんなで一緒に遊んでたのに……)

小梅(おしゃべりは増えたけど、会えてない子もいるし……)

小梅(……)

小梅「もう寝よ……」

朝――
CGプロ・事務室――



小梅(うぅ……)トコトコ

小梅(今日は風が寒い……)プルプル

小梅(早く入って暖まろう……)ガチャリ



ちひろ「あら、小梅ちゃん」

ちひろ「おはようございます」ペコリ

小梅「おはようございます……」ペコリ

小梅「あの、Pさんは……?」

ちひろ「それが、急に出張することになっちゃったの」

小梅「そう、なんだ……」

小梅(Pさんも、忙しくなったなぁ……)

ちひろ「Pさんから話は伺ってるわ」

ちひろ「場所は小会議室で良いですか?」

小梅「うん」

ちひろ「それでは、先に会議室に行ってもらえますか?」

ちひろ「まだ小梅ちゃんの方の準備ができてなくて……」

小梅「分かった……」トコトコ

小会議室――



小梅「……」カキカキ...

小梅(ちひろさんから預かったのは、提出用の原稿用紙と、筆記用具)

小梅(話のネタは、自分の手帳から探し出す)ペラペラ

小梅(前回は落武者ネタだったから、今回は心中した花魁特集にしよう……)カキカキ

小梅(あと数ヶ所回れば、暖めてる『売れない芸人霊たちの最新ギャグ・コント特集』が書けそう……)

小梅(……フフ)

小梅(やっぱり、今が一番楽しいな……)カキカキ

小梅(ホラー映画が楽しくて、ホラーの世界で生きたくて……)

小梅(でも……理解してくれる子は、ぜんぜんいなかった……)

小梅(お父さんもお母さんも、幸子ちゃんみたいな反応だったから……)

小梅(Pさんに勧誘された時は、半分喧嘩別れしちゃったようなものだったし……)

小梅(なんとか許可はもらったけれど、あれ以来ぜんぜん会話してない……)

小梅(……)

小梅(今は、輝子ちゃんたちとも、会話してない……)

小梅(……)





小梅「あっ……」

小梅(原稿濡れちゃった……)

小梅「気を付けなきゃ……」

小梅(……)

夕方――



ちひろ「……あら、小梅ちゃん」

小梅「原稿……終わりました……」

ちひろ「はい、お疲れさまです」

ちひろ「原稿受けとりますね」

小梅「はい」





原稿「ドサッ」





ちひろ「これだけの量を……たったあれだけの時間で、書いたんですか……?」

小梅「今日は、筆が走ったから……」ブイ

ちひろ「ふんふん……」ペラペラ

ちひろ「ちゃんと枚数は足りてますね……」ペラペラ

ちひろ「……あら?」

ちひろ「ここ……原稿濡れちゃったの?」

小梅「あっ……」

小梅「うん、うっかり……」

ちひろ「そう……」

ちひろ「はい、確認しました! お疲れさまです」

ちひろ「小梅ちゃんは、今日はこれで終了だから、もう上がっても大丈夫よ?」ニコッ

小梅「はい……」

小梅「あっあの!」

ちひろ「?」

ちひろ「どうしましたか?」

小梅「あー……えっと……」

小梅「……み、みんなのスケジュール……聞きたい、です……」

ちひろ「みんなって言うと……いつものメンバーかしら?」

小梅「う、うん……」

ちひろ「フフフ、本当に仲良しなのね」

ちひろ「ちょっと待っててね」ガサゴソ

ちひろ「あったわ」

ちひろ「幸子ちゃんが朝から下町巡りのロケ、輝子ちゃんが昼まで収録したあとパッション集会に参加」

ちひろ「今日はお菓子を作るみたいよ?」

ちひろ「美玲ちゃんは夜まで東急ハ○ズのCM撮影、乃々ちゃんは明後日までオフ」

ちひろ「……といったところね」

小梅「そっか……」

ちひろ「……誰かと遊ぼうと思った?」

小梅「えっ、あ、うん……」

ちひろ「今日はみんな、忙しいかもしれないわね」

ちひろ「乃々ちゃんは?」

小梅「実家に帰るって、言ってた……」

ちひろ「えっと……神奈川県、だったかしら?」

ちひろ「うーん、ちょっと難しいですね」

小梅「そうだね……」

小梅「でも、今日は良いの」

小梅「折角実家に帰ってるのに、邪魔はできないから……」

ちひろ「乃々ちゃんなら、喜ぶと思うけど?」

小梅「ううん、良いの……」

ちひろ「そ、そう……?」

小梅「うん、良いの」

ちひろ(小梅ちゃんって、たまに強情になるんですよね……)タハハ

小梅「それじゃ、私はこれで……」スッ

ちひろ「はい、お疲れさまです」

ちひろ「……あっ」

ちひろ「ちゃんと手洗いうがいしてくださいね」

ちひろ「うがい用の紙コップは、お手洗いに設置してありますから」

小梅「うん……ありがとう」

小梅「失礼しました……」

女子トイレ――



小梅「ガラガラ……」

小梅「ぺっ」

小梅(みんな、やっぱり忙しいよね……)

小梅(もしかしたら、スケジュールに隙間があるかも……なんて思ったけど……)

小梅(……はぁ)

小梅(……)

小梅(みんな、なにか喋ってないかな……?)

カワイイクインテット(5)

輝子
帰宅中

輝子
画像

輝子
パーキングエリアの焼きキノコは最高だな

幸子
そんなのあるんですか!?

輝子
知らないのか?

幸子
初耳です!!

輝子
体調を崩しやすい今の季節

輝子
ちゃんと手洗いうがいをしてから食べよう

幸子
鼻がムズムズします

輝子
アレルギーかもな

輝子
春先は特に色々飛んでるから

幸子
寮に帰ったら部屋に閉じこもろうかな……?

輝子
疲れたので寝る

幸子
おやすみなさい

小梅(輝子ちゃんもお疲れみたいだし)

小梅(帰ってから遊ぶのは、悪いよね……?)

小梅(……)

小梅(外出しようかと思ったけど……)

小梅(気が抜けちゃった)

小梅「……」

小梅「帰ろう……」

小梅の部屋――



小梅「……」

小梅「……」ペラ...

小梅「……」

小梅「……」ペラ...

小梅「……」





小梅(何でだろう……)

小梅(楽しみにしてた月刊心霊現象の最新刊なのに……)

小梅(楽しくなれない……)

小梅「はぁ……」





小梅「みんな何してるんだろ……」チラッ

カワイイクインテット(5)

乃々
出来ました!

乃々
画像

美玲
おー!

幸子
美味しそうですね!

輝子
ビーフストロガノンド□フ!

美玲
違うぞ

乃々
ビーフガノンド□フなんですけど

美玲
悪ノリするな!

乃々
今日は気合いを入れました

乃々
森久保家秘伝のスパイスが味の決め手です

美玲
今乃々のところに行けば食えるぞー!

幸子
お腹がすきました……

輝子
結局

輝子
何ガノンド□フなんだ?

美玲
ガノンド□フから離れろ!!

小梅「……」

小梅「フフ……」

小梅「……」

小梅(お腹減ったな……)

小梅(……)

小梅「食堂に寄ろう……」

女子寮・廊下――



小梅「……あれ?」

美玲「」スマホスマホ...

小梅「美玲ちゃん?」

美玲「……お、小梅じゃん」

小梅「こんなところでどうしたの?」

美玲「それがさ、撮影に不備があったらしくてな」スマホスマホ...

美玲「今から行かなくちゃいけないんだよ」スマホスマホ...

美玲「……よし」ソウシンッ

美玲「でもその前に、ちょっとつまもうかと思ってさ」

美玲「小梅も一緒に行くか?」

小梅「……うんっ」

小梅「CM、おめでとう……」

美玲「ん? あぁ、ありがとな」

小梅「お仕事、増えてきたね」

美玲「フフン! これもウチの魅力のおかげだな!」

美玲「……と、言いたいところだけど」

美玲「Pが頑張って仕事を取ってくれたおかげなんだよな」

小梅「Pさん、凄いもんね」

美玲「それに、オマエらとつるむようになってから、仕事も趣味も絶好調だ!」

美玲「だから、ウチの勝利じゃなくて、ウチらの勝利だぞ」

小梅「フフ……」

美玲「なーんか、他人事みたいな態度とってるけど」

美玲「小梅……これはオマエにも感謝してるんだからな?」

小梅「え、私……?!」

美玲「オマエがいてくれるから、ウチはあの問題児3人の相手が出来るんだよ」

小梅「そう、かな?」

小梅「私は……ただ、そこにいるだけのような気が……」

美玲「そうかもな」

美玲「だけど、それが良いんだ」

美玲「これ以上ボケが増えたらウチ、ツッコミ切れないじゃんか!」

小梅「フフ……そ、そうだね……フフ……」

美玲「あぁ! 笑い事じゃ無いんだぞー!」プンスカ

食堂前廊下――



美玲「おっ、食堂に着いた、着いた!」

美玲「冷蔵庫に何か残ってないk――ん?」

小梅「どうしたの?」

美玲「いや、なんか電話きたみたい……」ガサゴソ

美玲「小梅、先に入っといて」ガサゴソ

小梅「分かった……」ガラリ






幸子「小梅さん!!」

幸子「お誕生日おめでとー!!!!」\パァーン/
乃々「お誕生日おめでとー!!!!」\パァーン/
輝子「お誕生日おめでとー!!!!」\スカッ/フヒッ?!





小梅「……ぇ……」ボーゼン...





美玲「おめでとー!!!!」\パァーン/

小梅「ひゃっ!?」

小梅「え……あれ、乃々ちゃん……えっ……?!」

幸子「困ってますね」

美玲「大成功とも言うな」

乃々「小梅さん……」

乃々「サプライズパーティですよ」

小梅「え……だれの……?」

輝子「こ、小梅の誕生日に、決まってる……フヒ……」

小梅「え、誕生日……」

小梅「私の……」









小梅「ぁ……」ジワ...

幸子「いやぁ……こんなに手の込んだサプライズパーティは初めてでしたね」

乃々「私なんて、東京にいない扱いになっていたんですけど……」

美玲「実際いなかっただろ! 料理の準備するからって、一度実家に戻ったじゃんか!」

乃々「ちょ、美玲さん、そういうこと言わないでください……!」

乃々「もりくぼには、ネガティブでインドアというイメージ戦略があってですね……!」

美玲「良いじゃんか、実は友情に厚くて、そのためなら頑張れるキャラでも! オマエなら絶対売れるから!」

輝子「それだと私とキャラが被るだろヒャッハアァアァァ!!」

美玲「ああもう! オマエら扱い辛っ!!」

幸子「そんな時は、カワイイボクの出番ですね!」

輝子「お、おう……」
乃々「あ、はい……」
美玲「う、うん……」

幸子「えっ!? 全然ノってくれない?!」

美玲「カワイイをぶっ混むマシーンと化した幸子にはウチ、着いていけなくて……」

幸子「誰がマシーンですか!」

幸子「小梅さんなら、分かってくれますよね?!」









小梅「」グスッ

幸子「えぇ!?!?」

幸子「こ、小梅さん?! どうして泣いてるんですか?!」オロオロ

美玲「何だって! サプライズパーティを嫌がる女子はいないハズ!」オロオロ

乃々「いるとすればそれは、メンバーに嫌いな人が混じってる場合……!」オロオロ

輝子「そんな……!」オロオロ

幸子「ここは素直に尋ねましょう!」

幸子「ボクが行きます! 任せてください!」

輝子「た、頼んだ……!」

美玲「第2回総選挙のクールアイドル上位4人をまとめあげた司会力――それを発揮する時がついに来たみたいだな……!」

乃々「幸子さん……そんな貧乏クジも引いてたんですか……」

美玲「貧乏クジって言うなよ」

美玲「蘭子と凛とアーニャが可哀想だろ」

乃々「楓さんは良いんですか?」

美玲「あの人は……親父ギャグで流してくれるから」

輝子「一理ある……フヒ」

幸子「小梅さん……」

幸子「一体誰が嫌なんですか……!?」









小梅「ぐす……」

小梅「ううん、違うの……」グスッ







幸子「違うんですって」

美玲「なんだー」

輝子「よかった……」

乃々「ホッ……」アセダク

小梅「今日誕生日なんて……誰にも言ってなかったから……」

小梅「すごく、嬉しくて……」

小梅「でも……でも、今日は……全然みんなに会えなくて……」

小梅「今日だけじゃなくて……しばらく会えてなくて……」

小梅「ずっと寂しくて……」グスッ...









輝子「小梅ェ!」ギュッ!

小梅「ひゃっ!?」ビクッ









乃々「キマ……!!」

乃々「……!」

乃々「……」

乃々「ふぅ」

美玲「よく耐えたな乃々!!」パチパチ

幸子「感動しました!!」パチパチ

輝子「寂しかったんだよな……分かる、私は分かるぞ……!」

輝子「でも、わ、私たちは距離じゃない……!」

輝子「魂で繋がれた、し、親友というのはな!」

輝子「近かろうが遠かろうが! 生きてようが死んでようが!」

輝子「自分の心のすぐ隣で! いつでも見守ってくれているんだぁ!!!!」ギュー!!

小梅「――!!」

幸子「神秘的ですね……」

輝子「そして、ケータイを使えば……いつでも駆け付けてくれる、フヒ……」

幸子「現実的ですね……?!」

輝子「いつも、様々な魂と触れあってる、小梅なら……」

輝子「分かってくれる、は、ハズ……フフ……」

小梅「……」

小梅「……うんっ」コクリ

小梅「ありがとう……」

小梅「明日からは、がんばれる……」

小梅「でも、今は……甘えさせて……?」ギュゥ!

輝子「あぁ……いいぞ」ギュッ







乃々「キマs……!!」

乃々「……!」

乃々「……」

乃々「キ……」

乃々「……」

乃々「ふぅ」

美玲「なんとか耐えたな乃々!!」パチパチ

幸子「よく踏みとどまれましたね!!」パチパチ

小梅「幸子ちゃんも……」トテトテ

小梅「んっ……」ギュッ

幸子「はい、どうぞ」ギュッ







小梅「美玲ちゃんも……」トテトテ

小梅「ありがとう……」ギュッ

美玲「おめでとうな」ギュッ







小梅「乃々ちゃんも……」トテトテ

小梅「甘えちゃう……」ギュッ

乃々「キマシタワー!!!!」

美玲「乃々ォ!!」

幸子「さすがにダメでしたか!!」

輝子「『直』は素早いんだぜ。パワー全開だぁ~。『白坂小梅』の『直』ざわりはよぉぉぉ!!」

美玲幸子「ホシショーコ姉貴!!!!!!!!」

全員落ち着いてから――



幸子「さぁ小梅さん!」

幸子「お誕生日席へどうぞ!」

小梅「ありがとう」ヨイショ

美玲「覚悟しろよ? 今日は祝いに祝うつもりだからな?」

小梅「うんっ」

幸子「この部屋の飾り付け、全部美玲さんがしたんですよ?」

小梅「すごい……!」キラキラ

乃々「準備、大変だったでしょうに……」

美玲「そんなことなかったぞ?」

美玲「『親友の誕生日パーティを開く』って言ったら、色々用意してもらえたからな」

乃々「誰にですか?」

美玲「東急ハ○ズの広報の人から」

乃々「すごい」

乃々「これはもう御用達認定ですね」

美玲「だな」

幸子「ボクからはプレゼントがあります!」

小梅「あれ、これって……!」

幸子「ボクの買い物だと思いましたか? 実は、小梅さんのプレゼントを選んでいたんですよ!」

幸子「美玲さんお墨付きの、カワイイカーディガンです!」

小梅「うれしい……」

美玲「春先だから、ちょうど良いだろ?」

小梅「ありがとう」

幸子「どういたしまして」

美玲「でもさー、やっぱ幸子おかしいだろ」

幸子「何もおかしくないですよ。カワイイじゃないですか」

美玲「そっちじゃなくて、プレゼント候補を全部買ったことが、だぞ!」

美玲「やっぱりオマエ、上流の女だな!?」

幸子「仕方ないじゃないですか! ボクだって欲しかったんですから!」

幸子「でも、これで小梅さんとお揃いになるんですから、良いんです!」

美玲「出た! みみっちいポイント稼ぎ!」

幸子「本心ですからね!?」

乃々「私は、メインディッシュを作らせていただきました」

小梅「これ……さっき写真で……!」

輝子「そう……」

輝子「ビーフストロゼ□ダだ」

美玲「ゼ□ダでもねーよ!!」

輝子「フヒ……間違えた」

輝子「ビーフストロリ□クだった」

美玲「オマエホントは知ってるだろッ!?」

幸子「実はあの時、全員ここにいたんですよ」

美玲「アレは、小梅を食堂に連れてくるために、わざと書いたんだ」

小梅「えっ」

美玲「この時間にあんな飯画像を貼られたら、お腹が空くのは当然だろ?」

美玲「でも小梅のようなおしゃれさんは、部屋着のままちょっとコンビニへ……という思考はしないと踏んだんだ」

美玲「そもそも小梅は料理が出来るから、キッチンの方が生活圏になっているハズだならな」

美玲「だから、小梅の部屋とキッチンの間で待ち伏せすれば、クラッカーを鳴らすタイミングを正確に計れるってワケだ!」

小梅「すごい」

小梅「あ……じゃあさっきの、お仕事に呼ばれたっていうのは――」

美玲「そ。デマカセ」

幸子「全部、美玲さんの計算なんです」

幸子「絶対に小梅さんをパーティ会場に案内するって、張り切ってましたよ」

乃々「美玲さんは、パーティの主催ですからね」

美玲「小梅の理解者が輝子だけと思ったら、大違いだからな!」エッヘン

小梅「フフ……そうだね」クスリ

輝子「私は、誕生日ケーキを……」

小梅「うわぁ……!」キラキラ

輝子「ぱ、パッションのみんなにも、手伝って、も、もらった……」

美玲「その目玉ゼリーはアレか? お約束的なアレなのか?」

輝子「一番の難関は、水平に持ち歩くこと……」

輝子「一度でもヒャッハーすれば、水の泡……」

幸子「それ輝子さんだけですからね?!」

小梅「こんなに色々してもらえたの、初めて……!」キラキラ

輝子「と、当然のこと……」フヒヒ

幸子「小梅さんは、ボクたちの親友ですからね!」フフーン

美玲「最年少は黙って、ウチらお姉さんたちに世話されてろ、良いな!?」プイッ

乃々「要は――私たちはみんな、小梅さんのことが大好きなんですよ」ニコ...

美玲「おい、言い直すなよ! 恥ずかしすぎるだろ!!」

乃々「美玲さんは素直じゃないですねぇ」ニコニコ...

美玲「あぁ!! 良い笑顔!! 誰か撮れ! 撮れ!」

乃々「フフフ……今ならいくらでも良い笑顔し放題……」

乃々「お仕事に活かされることのない笑顔は、素晴らしいですねぇ!!」

美玲「あぁ!! アイツ調子乗ってるぞッ!」

幸子「だ、ダメです! アプリ起動に時間がかかって……!」キドウチュウ...

輝子「あ、慌てると……アイコンどこだっけ……」アワワ...!!

乃々「フフフ……精々もがき苦しむのです……」ニコニコ...

小梅「」カシャッ

乃々「あ」

小梅「」カシャカシャカシャカシャカシャカシャッ

美玲「連写! 連写だッ!」

小梅「……」カクニンチュウ...

小梅「……うん、良い笑顔……」

乃々「」

小梅「ちゃんと撮ったから……ね?」ニッコリ

乃々「」

輝子「乃々撃沈」

美玲「自業自得だッ!」プンスカ

幸子「い、今のが……ラブライカの日常をすっぱ抜き続けた、伝説の写真術――!!」ゴクリ...

全員落ち着いてから――



幸子「えー、まぁ……」ゴホン

幸子「小さなトラブルはありましたが、早速パーティをはじめますよ!」

美玲「そうだ、そうだ! ウチもうお腹減ったぞー!」

乃々「うぅ……ここはどこ……私は誰……」

輝子「し、CGプロ女子寮の食堂だぞ……ネガティブで、だ、誰とも目線を合わせることの無いアイドル、として有名な……も、森久保乃々……」

幸子「ホラ! 乃々さん、早くグラスを持って!」

美玲「今日はたっぷり騒ぐからな!」

乃々「久しぶりの勢揃いですね……」

輝子「小梅……こ、これからもよろしく、な……」

小梅「……うんっ」

幸子「それでは、小梅さんの誕生日を祝って――」







5人「乾杯ー!!!!」



終わり

小梅ちゃん誕生日おめでとう

あともう少しで12歳組になっていたかも知れない君のことを

俺たちはこれからも応援してるから――!!

以上です

今回はネタ無しのSSとなりました

多分昼頃にその反動が来ると思いますので、その時はその時によろしくお願いいたします

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