弟「日曜日な、わかったよ」(35)

弟「起きろ、姉さん!朝だ!」

姉「んっ……」

弟「やっと起きたか、って!なんで服着てないんだよ!」

姉「着てる」

弟「下着だけな!」

姉「弟」

弟「なんだよ?」

姉「朝からうるさい」

弟「あんたのせいだ!良いから着替えてしたくしろ!」

金曜日

弟(せっかくの土日だし、なんかしたいな)

弟(でもどこかに行こうにも、一人はなー)

弟(数少ない友達の男も、生徒会に入ってから付き合い悪くなったし)ハァ

弟「仕方ない!土日は一日中ゴロ寝…」

姉「弟」

弟「?どうした姉さん」

姉「これ」スッ

弟「映画のチケット?」

姉「明後日行く」

弟「行ってらっしゃい」

姉「弟も」

弟「俺もか?急だな。俺にだって予定が…」

姉「ゴロ寝するって言ってた。」

弟(しまった)

姉「言ってた」

弟「わかった、一緒に行くよ」

姉「そう」

弟「デートみたいだなw」

姉「違う」

弟「わかってるって」

姉「みたい、ではなく、デート」

弟「」

姉「…」

弟「俺と、姉さんが、デート?」

姉「嫌?」

弟「い、いや別に…」

弟(家族デートみたいなもんだよな?特別な意味なんて無いはずだ)

弟「じゃあ何時に行く?」

姉「10時、駅前」

弟「なんで待ち合わせ?一緒に行けば、」

姉「だめ…。デートだから別々に行く」

弟「わかったよ」ハァ

姉「弟」

弟「なに?」

姉「好きよ」

弟「はいはい」

そんで日曜日

弟「自分で言い出したんだから、ちゃんと起きろよな」

姉「弟に起こしてもらうのがいい」

弟「わざとってことか」

姉「準備できた?」

弟「脈絡ないな!…俺はできた」

姉「なら先に行く」グイグイ

弟「うわっ押すなって!」

姉「行く」グイグイ

駅前

姉「待った?」

弟(!?)

弟(ダッフルコートに、羊毛のセーター、下はコーデュロイパンツに靴はスウェード。)

男(すごく、似合ってる…)

姉「…」

弟「お、遅かったな」

弟(アホか俺は。もっと気のきいたこと言えよ!)

姉「…」プイッ、スタスタ

男がいるぞ

>>9うわ!
ホントだすいません

本当は
弟(すごく、似合ってる…)
です本当に紛らわしいことしてすいません

弟(やべえ、機嫌そこねちまった)

姉「…」

弟(む、無言の圧力…)

弟(恥ずかしいが、言うしかない!)

弟「に、似合ってるぞ…」ボソッ

姉「…そう」

弟(言葉はそっけないが、圧力は無くなった)

弟「そういえば、昨日よくチケット見てなかったな」

弟「何見るんだっけ?」

姉「これ」

弟「どれどれ……げっ」

弟「ラブロマンスかよ」

姉「…」コクッ

弟「こういうのは、年頃の弟とではなく、恋人と行けよ」

姉「弟が、いい」

弟「えっ?」

姉「…」スタスタ

弟「あ、先行くなよ!」


副会長「あれ?姉じゃない。なにしてるのかしら?」

姉「…別に」

副会長「別に、って…まぁいいわ。そちらの方は?」

姉「弟」

弟「初めまして弟です。でも、あなたのことは知ってますよ?副会長さんですよね」

副会長「ああ!いつも姉が言ってる子ね!なるほどなるほど、
なかなか美形ね。(男君には負けるけど)」

姉「副会長はなにしてるの」

副会長「私はアレよ」チラッ

弟「あ、男だ。それと……生徒会長!?」

副会長「そうなの。昨日告白してまさか次の日すぐにデートに行くなんて油断してたわ。
すぐに追いかけたから良かったものの…」

弟「男…モテモテだな」

姉「それで一人で出歯亀?」

副会長「出歯亀じゃなくて、愛のスニ―キングミッションよ。それに、一人じゃないわ」

妹コソコソ

弟「あのバレバレな隠れ方をしているのは…ああ、妹さんか」

副会長「そんな事しても無駄だからさっさと出てきなさい」

妹スゴスゴ

弟「実の妹まで毒牙にかかってるのか…男刺されろ」

妹「えーっと、兄さん達は何を見るんですかね」

副会長「動いたわ…。どうやらあのラブロマンスを見るみたいね。」

妹「二人でラブロマンス、許すまじです」

副会長「邪魔しちゃいましょう!」

弟「あ、二人もあの映画見るんだ」

妹「え?」

副会長「ふ、二人もあれ見るの?」

妹「きょ、姉弟で?」

副会長「実の姉弟でラブロマンスって…。もしかしてふたりは付き合ってるのかしら?」

弟「付き合ってません!」

副会長「今日はデートってこと?」

弟「ちちちち違いますよ!!!」

副会長「姉、あんたそれはまずいんじゃ…」

妹「私は応援しますよ!近親相姦どんとこいです!」

弟「応援せんでください」

副会長「あ、二人が入っちゃった!」ダッシュ

妹「大変!追いかけなきゃ!じゃあ私達行きますね!」ダッシュ

弟「騒がしい人たちだな…」

グイッ

弟「?姉さん?」

姉「違わない」

弟「何が?」

姉「今日はデート」

弟「っ!?」

姉「違わない」

弟「ごめんなさい」(目ぇ怖!)

弟「そんなことより!映画、始まる!早く行こう!」

姉「うん」

映画館

映画自体はよくあるもので、付き合っていた女性が不治の病にかかり、

主人公はそれを治そうと奔走するが、

結局どうすることもできない、というもので正直b級。

俺は隣にいる姉さんが気になって仕方なかった。

最近の姉さんは何かおかしい。

今日の映画も、デートだと言い張ったり、

やけに気合いの入った服を着たり、

途中副会長に会った時も、

まるで二人きりを邪魔されたのを怒るかのようにムスッとしていた。

もしかして、姉さんは、いや、でも…

弟(姉さん、良いにおいだな…)

そんなふうに映画に集中せず、考え事をしていた俺は、いつの間にか船を漕ぎだしていて………。

姉(弟、寝てる…)

姉(かわいい…)ナデナデ

弟が家に来て、もう14年

もともとはお婆ちゃんの妹のお孫さんで、親はこの子が産まれてすぐに飛行機事故で亡くなった。

どこの親せきも遺産には興味があるが、小さな子どもなんて邪魔でしかない。

そんな中、弟の両親と交流のあった私の母がこの子を預かることにした。

母はシングルマザーで、

生活が苦しい時もあったはずなのに遺産に手をつけることはなかった。

母は言った。「このお金は、弟のためにこの子の親が残したもの。私達が使うのは何か違うわ」

そんな母も二年前に亡くなった。

今は母が生前頑張ってくれたおかげで、遺産に手を付けずに何とかやっていけている。

弟は実の親のことを覚えていないようで、私達を本当の家族と思っている。

それが、最近とても苦しくなる時がある…

弟「っ?…寝てた…」

姉「弟…」

弟「あぁ、もうエンドロールだ。」

弟「ごめん姉さん。誘ってくれたのに寝ちゃった」

姉「別にいい……いややっぱり許さない。」

弟(どっちだよ!)「この埋め合わせは必ずするから!」

姉「晩御飯」

弟「?」

姉「晩御飯、久しぶりに作って。それで許す」

弟「そんなことでいいの?」

姉「じゃあチューする?」

弟「作らしていただきます」

姉「それじゃ、スーパー」

弟「それで、姉さんは何が食べたい?」

姉「弟が作るなら、なんでも」

弟「なら、チキンカレーにしよう。姉さん好きだったよね?」

姉「ん」

弟「重い…。結構買ったな~」

姉「半分持つ」

弟「いいよ、悪いし」

姉「いいの。この方が、」

ギュッ

姉「手、繋げる」

弟「なっ」カァァ///

弟(落ち着け!相手は姉だ!)

姉「弟」

弟「な、なに?」

姉「好きよ」

弟「@/;/;.@\@\.3.14@!?」(なんでこのタイミング!?)

姉(前に言った時よりも良い反応に変わった…。とりあえずこれで作戦は成功)

弟が18歳になったら、本当のことを話そうと思う。

そして、その時は、この気持ちも…伝えられたらいいな。

弟「明日、日曜日な、わかったよ」 完

とりあえず乙

続編はいつ?

後日、その映画の原作があったので読んでみると

設定がずいぶんと違っていた

中でも驚いたのは主人公とヒロインは義理の姉弟という設定だったことだ

弟(姉さん、もしかして…)

弟(いや俺達は本当の姉弟のはずだ)

弟(姉さんがこの映画を選んだのは偶然のはず)チラッ

姉「?」ニコッ

弟(……….偶然だと思いたくない自分がいるのはなぜだ)

弟「ウガアアアアア」ジタバタ

姉「変な弟」

これで日曜日編は終わりです!
支援、読んで下さった方ありがとうございました!

本当は前作の会長たちでやりたかったんですけど、思いつきませんでした!

>>31さん
続編は2、3にち後で「月曜日」で出します
この姉弟でやるかは未定です!
てか今度もおそらく別キャラです!
その時は宜しくお願いします!

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom