ほむら「年末もまどかと」 (99)

まどマギの百合物です
2回くらいに分けて投下する予定です

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まどか「それじゃほむらちゃん、今日はこの辺で」

ほむら「えぇ。……その、ありがとう、まどか」

ほむら「年末の今日にデートの誘いを受けてくれて」

まどか「気にしないでよ。確かにあんまり寄れるところ、なかったけど」

まどか「今年最後のデートができて、わたし…嬉しかったんだから」

ほむら「年が明けたら、また色んなところにでかけましょう」

まどか「うん。楽しみにしてるね」

ほむら「これ以上は寄るところもないし、帰りましょうか」

まどか「そうしよう。実はわたし、まだ部屋の片づけとか終わってなくて」

ほむら「そ、そうだったの?なら、断ってくれてもよかったのに」

まどか「……た、たとえどんな理由があったとしてもほむらちゃんのお誘いを断るなんてできないよ」

まどか「それに、今から始めれば十分間に合うから」

ほむら「何なら私も手伝いに……」

まどか「心配しなくても大丈夫だよ。わたしのことより、ほむらちゃんはどうなの?」

ほむら「どう、とは?」

まどか「片づけとかお掃除とか、終わってるの?」

ほむら「……えぇ、終わってるわ」

まどか「ほんとに……?」

ほむら「い、一部は昨日のうちに済ませたわ。みんなが来たときの客間とか」

まどか「もう。一部ってことはまだ全部終わってないってことでしょ?」

ほむら「それはそうだけど、残ってるのは基本あなたたちの入らないところだから後回しでも……」

まどか「ダメだよ、ほむらちゃん。大掃除は今年中にやっておかないと」

まどか「わたしの手伝いをするより、ほむらちゃんは自分の家の掃除をしなきゃ」

ほむら「……そうね、私も残りの掃除や片づけをしなくちゃいけないわね」

まどか「全部綺麗にして、また来年会おうね。ほむらちゃん」

ほむら「そうしましょうか」

まどか「うん。じゃ、帰ろうよ」

ほむら「家まで送って行くわ」

まどか「いつもありがとう」

ほむら「気にしないで。ただ、私がもう少しまどかと一緒にいたいだけだから」

まどか「も、もう……」

ほむら「……まどかを無事に送り届けたし、私はこれで」

まどか「大掃除、がんばってね」

ほむら「まどかも部屋の片づけ、頑張って」

まどか「ほむらちゃん、またねー」

ほむら「また。良いお年を」

まどか「ばいばーい」

まどか「……あっ。わたしも良いお年をーって言えばよかったかな」

まどか「うーん…まぁ、今はそれは置いといて、部屋の片づけしなくちゃ……」

まどか「ただいまー」

知久「おかえり、まどか」

まどか「あれ、パパ…お掃除は?」

詢子「休憩中だよ。もう少ししたら再開しなきゃなー……」

知久「外、寒かっただろうし…ココアでも淹れてくるよ」

詢子「あー、いらんいらん。どうせ雪も溶けるくらいにあっつあつだろうしさ」

まどか「ま、ママってば何言って……」

詢子「全く、まどかはいいご身分だよ。この年の瀬に彼女とデートだなんて」

詢子「部屋の片づけも済んでないのに彼女とのデートを優先させるんだもんな」

まどか「う……」

詢子「誘ってきたのはほむらちゃんからなのかもしれないけど、受けるまどかもまどかだよ」

知久「まぁまぁ。まどかは部屋の片づけ、まだ済んでないのかい?」

まどか「そ、そうなの。これからやろうかなって」

知久「僕たちは1階の掃除をしてるから、何かあったら言うんだよ?」

まどか「うん。……じゃ、わたし行くね」

知久「頑張るんだよ」

まどか「はーい」

バタン

知久「……僕たちもそろそろ再開しようか」

詢子「ん。しっかし、大掃除よりデートが大事なんてなぁ……」

知久「いいじゃないか。とても幸せそうなんだから」

詢子「そう…だな。学校でイチャついてるの見せられてる和子が少し可哀想だけど」

知久「あはは……」

まどか「……よし。着替えたし、そろそろ始めよう」

まどか「窓全開だから寒いけど…掃除してれば暑くなるよね」

まどか「普段から掃除はしてるからあんまり散らかってはないけど……」

まどか「それでも、年末の大掃除だし…いつもよりも念入りにしなくちゃ」

まどか(大掃除でピカピカにしたわたしの部屋で、新年最初のデートを……)

まどか「……って、今はそんなこと考えてる場合じゃないよね。早く終わらせなくちゃ」

まどか「まずは目につく場所から始めて、クローゼットは1番最後かな」

まどか「順序も決まったし…やるよ、わたし……!」

――――――

まどか「よいしょーっと……」

まどか「……えっと、これはあっちで」

まどか「これはこっちに……」

まどか「最後にこれを元に戻して……」

まどか「……ふいー。これでおしまいっと」

まどか「うん、綺麗になった。これで新年を迎えられるね」

まどか「でも念には念を入れて掃除したせいか、疲れたぁー……」

まどか「さっきまでまだ明るかったと思ってたのに、気が付いたらもう暗くなってるし……」

まどか「時間かけて丁寧にできたかな……?」

まどか「……これでもう、今年中にやっておかなきゃいけないことは全部終わった、よね」

まどか「そう言えば今の時間って…あ、あれ、もうこんな時間だったんだ」

まどか「集中してたせいで全然気が付かなかった……」

まどか「もうすぐ夕飯だと思うし、呼ばれるまで少し休憩して……」

コンコン

まどか「あれ?はーい」ガチャ

知久「まどか、部屋の片づけは……」

まどか「うん、終わったよ。ほら」

知久「おや…本当だね、とても綺麗になってるよ」

知久「でも、何だか去年のときよりもずっと綺麗になってないかな?」

まどか「そ、そうかな?そんなことないと思うけど……」

知久「これも暁美さんと付き合ったからかもしれないね」

まどか「ぱ、パパっ!」

知久「あはは、ごめんごめん。それよりも、夕飯の前にお風呂に入っておいで」

知久「大掃除で疲れただろうし、チリや埃なんかの汚れも落としてきなさい」

まどか「うん。じゃあ、お風呂入ってくるね」

知久「それじゃ、またあとでね」バタン

まどか(ほむらちゃんも大掃除、がんばってるかな)

まどか(1人暮らしだから家中やらなくちゃいけないから大変そう……)

まどか「来年はわたしがお手伝いに行ってあげちゃおうかなっ」

まどか「……よーし。お風呂入ってさっぱりしよう」

ほむら「ふぅ……」

ほむら「……やっと全部終わったわね。さすがに1人で家中全部やるのは骨が折れたわ」

ほむら「ハウスクリーニングを使えばもっと楽になったのでしょうけど、迂闊に人を家に上げたくないし」

ほむら「来年はもっと余裕をもって掃除をしましょう」

ほむら「……それにしても、随分と時間がかかってしまったわね」

ほむら「まぁ、テレビ点けてだらだらやってたせいでもあるけど……」

ほむら「さて、だいぶ遅くなってしまったけど夕飯にしましょう」

ほむら「それが済んだらお風呂に入って……」

ほむら「あとは…年越しを迎えるだけ……」

ほむら「他に何かやり残したことは…なさそうね」

ほむら「……でも、夕飯とお風呂が済んでもまだ時間があるわね。何をしようかしら」

ほむら「ぼんやりとテレビを見ているのもいいけど、何か……」

ほむら「……そうだ、せっかくだしまどかに電話してみましょうか」

ほむら「そうと決まればのんびりしていられないわ。少し急がないと」

――――――

詢子「あはははっ!バッカだなー!」

まどか「そ、そうだねー」

知久「ま、ママ、そろそろチャンネルを……」

詢子「諦めなって。まどかもこっちの方がいいだろうしさ」

まどか「え、えっと、わたしは……」

Prrrrrrrr

まどか「あ…で、電話だ。わたし、電話してくるから好きな方見ててよ」

詢子「……ははっ、まどかはテレビよりも電話か。ま、当然と言えば当然か」

知久「ママ、チャンネル……」

まどか「ふぅ……」

まどか(何だかパパやママの前でほむらちゃんからの電話取るの、恥ずかしくなっちゃったな)

まどか(……友達が恋人になっちゃったんだし、仕方ないよね)

まどか「……っと、待たせるのも悪いし早く出なくちゃ」ピッ

まどか「も、もしもし?」

ほむら『あ、まどか。こんな時間にごめんなさい、大丈夫かしら?』

まどか「うん、今は…自分の部屋だし大丈夫だよ」

ほむら『そう?それにしては出るのに時間かかってたわね』

まどか「かかってきたときは居間でパパやママとテレビ見てたから」

まどか「ほむらちゃんからの電話だったから、自分の部屋に戻ったの」

ほむら『私たちが付き合ってるの、もう知られてるんだからそのまま出てもよかったんじゃない?』

まどか「そうだけど…やっぱり、こういう話はあんまり聞かれたくないし……」

まどか「特に親に聞かれるのってものすごく恥ずかしいんだよ……?」

ほむら『そういうものなのね……。私は1人暮らしだからよくわからなくて……』

まどか「ほむらちゃんが少し羨ましいよ。誰に気兼ねすることなくわたしと話せるんだもん」

ほむら『私からしてみればまどかの方が羨ましいわよ。家に両親がいてくれるんだもの』

まどか「お互い、自分の環境に少しだけ不満があるから相手が羨ましく思えるんだろうね」

ほむら『ふふっ。そうかもしれないわね』

まどか「……それで、どうしたの?こんな時間に電話してきて」

ほむら『その…特に用事らしいことはないの。ただ、まどかと……』

ほむら『年を越す前に、もう1度まどかの声が聞きたくなって、それで……』

まどか「……そっ、そう…なんだ。そのためだけに、電話したの……?」

ほむら『えぇ。……やっぱり、迷惑だったかしら?』

まどか「ううん、全然。わたしも、年越し前にもう1度ほむらちゃんの声が聞けて……」

まどか「……う、嬉しいよ」

ほむら『まどか……』

まどか「えへへっ……」

ほむら『……ありがとう。嬉しいわ、そう言ってくれて』

まどか「あ、そう言えばほむらちゃん、家の大掃除終わったの?」

ほむら『心配しなくても、きちんと終わらせたわよ。言ったでしょう、一部は昨日終わらせたって』

ほむら『そう言うまどかはどうなの?部屋の掃除、やったの?』

まどか「ちゃんとやったよー。見違えるほどピッカピカになったんだから」

ほむら『なら、次まどかの家に行くときが楽しみね』

まどか「わたしは自分の部屋しかしないけど、ほむらちゃんは家中でしょ?大変じゃなかった?」

ほむら『もの凄く大変だったわ……』

まどか「やっぱりそうだよね……。お疲れさま、ほむらちゃん」

ほむら『……まどかも、お疲れさま』

まどか「でも、本当に大変そうだし…来年はわたしがお手伝いに行ってあげようかなぁ」

ほむら『え、悪いわよそんなの』

まどか「だって家中だよ?それをほむらちゃん1人でやるなんて……」

まどか「来年はわたし、もっと早く部屋の掃除やっておくから」

まどか「わたしが、ほむらちゃんの家のお掃除、手伝ってあげるよ」

ほむら『まどかがそこまで言うのなら…来年はお願いするわ』

まどか「うんっ。任せてよ!」

ほむら『まどかは今、何してるの?』

まどか「今?ほむらちゃんと電話してるけど……」

ほむら『い、いえ…そうなんだけど、そうじゃなくて……』

まどか「わかってるよ、ごめんね。今は部屋でほむらちゃんとお話してるだけ」

ほむら『戻らなくていいの?』

まどか「いいの。戻ったところでどうせまだチャンネルの奪い合いしてるだろうし」

まどか「ほむらちゃんは…何してるの?何だか声が聞こえるけど」

ほむら『私は音楽番組を見てるの。年越し特番みたいね』

まどか「あー、たぶんパパが見たがってたのかな」

ほむら『ついさっきまでまどかの好きな演歌歌手が出ていたわよ』

まどか「出るのは知ってたんだけどね。で、どうだった?」

ほむら『……ゆ、ユニークだったわ。曲も歌詞も演歌のはずなのにそれっぽくなくて』

まどか「えぇー。いい曲だと思うんだけどなー」

ほむら『改めて思うけど、何でまどかは演歌が好きなのかしら……?』

まどか「うぇひひ、わたしと付き合ってるんだし、ほむらちゃんもいずれは……」

ほむら『わ、私は遠慮しておくわ』

まどか「もう。せっかく演歌の魅力をたっぷりと教えてあげようと……」

ほむら『あ……』

まどか「……ほむらちゃん?どうかしたの?」

ほむら『私の好きな歌手が出てるの。私が1番好きな曲で』

まどか「それってこの前言ってた?」

ほむら『えぇ。やっぱりこの歌は素敵ね……』

まどか「ねぇほむらちゃん、歌ってみてよ」

ほむら『へっ?う、歌うの……?』

まどか「ほら、早く早くー」

ほむら『わ、わかったわよ。えっと……』

ほむら『……ど、どうだったかしら?』

まどか「うん、とってもよかったよ」

ほむら『そう…よかったわ……』

まどか「今日は電話越しだったけど、今度は直接聞かせてくれる?」

ほむら『……まどかが聞きたいのであれば』

まどか「うんっ。絶対聞かせてね」

ほむら『その代わり、まどかも何か歌ってくれないかしら?』

まどか「もちろんいいよ。えっと、わたしは……」

ほむら『あ、でもできるなら演歌以外にしてもらえると嬉しいわ』

まどか「もう。別に演歌以外には興味ないわけじゃないんだから」

ほむら『わかってはいるのだけど、まどかの音楽の好みはその印象が強すぎてどうも……』

まどか「むー。ほむらちゃんのいじわるー」

ほむら『あら、ごめんなさい。少し意地悪が過ぎたわね』

まどか「ほんとだよ。まったく、ほむらちゃんはもう……」

ほむら『全部まどかが可愛いからなの。だから許してくれないかしら?』

まどか「……し、仕方ないなぁ。許してあげるよ」

ほむら『ふふっ、ありがとう。そんな優しいまどかが大好きよ』

まどか「……わたしもほむらちゃんのこと…大好き、だよっ」

ほむら『……っ』

まどか「あれ…ほむらちゃん?」

ほむら『……時々、私をきゅんとさせるのよね。まどかの大好きは』

まどか「え、えぇっ?」

ほむら『まどか、私以外の人に言っちゃ駄目よ。こんな風に言われたら勘違いしてしまうもの』

まどか「ほむらちゃん以外に言うなんて、絶対にないから。大丈夫だよ」

まどか「わたしの大好きの気持ちと言葉は、ほむらちゃんだけのものなんだから」

ほむら『……ありがとう。嬉しいわ』

まどか「そんなに心配しなくてもいいのに。ほむらちゃんは心配性だなぁ」

ほむら『仕方ないじゃない。心配なものは心配なんだもの』

まどか「でも、そうやって心配してくれてるのは嬉しいんだけど……」

まどか「……もしかしてほむらちゃん、わたしをひとりじめしたいとか思ってたりする?」

ほむら『わ、悪い?まどかは恋人だもの、ひとりじめしたいに決まってるじゃない』

まどか「……そっかぁ。ほむらちゃんにそう思われるのは、何だか嬉しいな」

ほむら『じ、自分で言っておいてなんだけど、嬉しいの?』

まどか「うん。だってほむらちゃんに想われて、愛されて、大切にされてるってことだから」

ほむら『まどか……』

まどか「これからもずっと、わたしのこと…大事にしてね」

ひとまずここまで
残りも今日中に投下する予定です

投下再開します
たぶん時間調整はしない予定です

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ほむら『……あ、音楽番組終わっちゃったわ』

まどか「もう年が明けるまで1時間もないんだね」

ほむら『そうね。あと…40分ってところかしら』

まどか「ほむらちゃんは初詣って行く?」

ほむら『行くつもりではあるけど、年が明けてすぐの真夜中に行く気はしないわね……』

まどか「それなら、明日の午後から一緒に行かない?」

ほむら『えぇ、いいわよ』

まどか「じゃあ、明日の午後にわたしが……」

コンコン

まどか「……っと、ちょっとごめんね。はーい」

知久「年越しそば、できあがったよ。下に食べにおいで」

まどか「あ、そっか……。ありがとう、パパ」

知久「僕は先に行ってるからね。なるべく早く来るんだよ」

まどか「うん。……そういうわけだから、電話、切るね」

ほむら『……電話、切っちゃうの?』

まどか「そうだけど……」

ほむら『私、1人暮らしで寂しくて…まどかと話していたいの』

まどか「う、ううん……。そう言われてもなぁ……」

まどか「電話したまま食べるわけにはいかないし、切るしかないよ」

ほむら『まどかは私ともっと話をしていたくないの?』

まどか「そんなことないけど…またあとでかけ直せばいいんじゃないかな」

ほむら『ねぇ、まどか。今日がどういう日かわかってるでしょ?』

まどか「大晦日だけど…あ、そっか」

ほむら『まどかが食べ終わってかけ直す頃にはもう電話なんて繋がらなくなってしまうわ』

まどか「だから電話を切らせたくないんだ……」

ほむら『えぇ。私はもっとまどかと話をしていたいのよ』

ほむら『……それに、今切ったらまどかに明けましておめでとうって言えなくなるじゃない』

まどか「うーん…明日の初詣のときに言えばいいんじゃないかな?」

ほむら『……だってまどかは、年が明けたらご両親にも言うでしょう?』

まどか「そりゃ言うけど……」

ほむら『何となく、それは嫌なのよ。まどかの年が明けて最初の相手が私以外なのは……』

まどか「そんな大げさな……」

ほむら『そうね、大げさだし…ご両親を相手にみっともないことを言ってるのもわかってはいるのだけど』

ほむら『でも、やっぱり私はまどかの1番じゃないと気が済まないの……』

まどか「……ふふっ。ほむらちゃんってば、パパとママ相手にやきもち?」

ほむら『い、いいじゃない。まどかのことが好きなんだから』

ほむら『例え相手がご両親であっても、好きな人の1番でありたいと思うのはおかしいことかしら?』

まどか「ほむらちゃんの気持ちはよくわかるんだけど……」

まどか「だけど、ここで切らないとわたしが年越しそば食べられないんだけど……」

ほむら『そう…なのよね。どうしたらいいかしら……』

まどか「ほむらちゃんは年越しそば、食べないの?」

ほむら『掃除に追われてて忘れてたわね。確かうどんなら冷蔵庫にあった気がするけど』

まどか「うどんかぁ……」

ほむら『同じ麺類だし、いいんじゃないかって気はしなくもないけど』

まどか「わたしはやっぱりそばかなぁ。毎年パパがおいしい年越しそばを作ってくれるし」

まどか「……もうそろそろ行かないと、そばがのびちゃうよ」

ほむら『じゃあ、まどかが美味しいそばを食べてる間、私は1人寂しく素うどんでも食べてるわ……』

まどか「……そ、そういうのはずるいんじゃないかな」

ほむら『そんなことないわよ、きっと』

まどか「ほむらちゃん、お願いだから年越しそばを食べに行かせてよー」

ほむら『頭ではまどかを行かせないとって思ってるのだけど、心がまどかを離さないの』

まどか「嬉しいけど、それは今じゃない方がいいなぁ……」

まどか「とにかく、これ以上パパとママを待たせるわけにいかないよ」

まどか「も、もう切るよ。切るからね、ほむらちゃん」

ほむら『な、ならっ!ひとつだけ約束してっ!』

まどか「約束?何?」

ほむら『今、電話を切ったら…多分しばらくは繋がらなくなる……』

ほむら『繋がるようになるまで待ってたら、まどかはご両親に明けましておめでとうと言ってしまう』

ほむら『だから私、まどかに会いに行くから。私が行くまで、待っててくれる……?』

まどか「……うんっ。待ってるよ。だから…早く来てね」

ほむら『えぇ。すぐ…会いに行くから』

まどか「じゃあ…電話、切るね」

ほむら『……まどか。良いお年を』

まどか「ほむらちゃんも、良いお年を」

ほむら『……』

まどか「……えへへ、やっぱり何だか切りづらいね」

まどか「一旦、お別れだね。またあとで」

ほむら『またあとで、まどか』

まどか「……ふぅ」

まどか「もう。ほむらちゃんってば、わがままなんだからなぁ」

まどか「さて、早く行かないと年越しそば、冷めちゃうしのびちゃう……」

詢子「やーっと終わったか。随分と長電話してたな、まどか」

まどか「……ま、ママ?いつからいたの?」

詢子「約束がどうとかの辺りからかな」

まどか「そ、そっか……」

詢子「どうせまたほむらちゃんとイチャイチャ長電話してたんだろ?」

まどか「ち、ちがっ……」

詢子「なーにが違うんだか。パパが呼びに行ったの無視してまで電話してるなんてさ」

まどか「そ、それは…ほむら、ちゃんが……」

詢子「付き合ってるんだし、別にイチャイチャしてもいいんだけど呼ばれたときくらい早く来なよ」

詢子「せっかくパパが作った特製年越しそばがのびちゃうぞ」

まどか「う、うん。ごめんなさい」

詢子「反省してるのならよし。ほら、早く行くよ」

まどか「はーい……」

――――――

まどか「ごちそうさまー。おいしかったよ」

詢子「これ食べないと新年を迎えられないからね」

知久「ありがとう、2人とも」

まどか「……パパ、ママ。今年1年、お疲れさまでした」

まどか「それと…ありがとう。ほむらちゃんとのこととか、いろいろ」

まどか「来年も、よろしくお願いします」

詢子「……お、おう。何だ、改まって言われるとなかなか恥ずかしいな」

知久「いままでこんなこと言われなかったけど、どうしたんだい?」

まどか「深い意味はないの。ただ、去年は…わたしにとっていろいろあったから」

まどか「パパとママにきちんと感謝の気持ちを伝えようって思ったんだ」

知久「まどかにとって今年はどんな年だったんだい?」

まどか「えっと、いろいろ…辛いこと、苦しいことも少なからずあったけど」

まどか「でも、今までで1番幸せな年だったよ」

詢子「……そっか。なら、よかったよ」

知久「まどかが幸せに過ごしてくれることが僕たちの願いだからね」

まどか「わたし、来年も幸せになるね」

詢子「ま、ほむらちゃんと破局しない限り末永く幸せだろうけどね」

まどか「もー、ママってば」

知久「あはは……」

詢子「……もうすぐ年が明けるな」

まどか「うん。そうだね」

知久「どうかしたのかい、まどか?何だか嬉しそうにしてるけど」

まどか「……ううん、何でも。何でもないの」

まどか「ただ、新年になることが少し楽しみなだけだよ」

知久「そうかい……?」

詢子「んじゃ、年越し中継でも見てみようかなっと」

まどか(ちゃんと来てくれるよね。ほむらちゃん……)

ほむら「ああもう、のんびりしすぎたわ、もうこんな時間だなんて」

ほむら「遅れるわけにはいかないというのに、私の馬鹿……」

ほむら「とにかく、急いで支度をして……」

ほむら「っと、その前に一応まどかの携帯に……」

ほむら「……やっぱり駄目ね、繋がらない」

ほむら「どうせ携帯は望み薄ではあったのだけど……」

ほむら「……早くまどかの家に向かわなくちゃ」

ほむら(まどか、今行くわ……!)

――――――

まどか「……」

『それでは、新年へのカウントダウンを始めます。テレビをご覧の皆様、良いお年を』

まどか(もう少し。もう少しで、ほむらちゃんが……)

知久「いよいよだね」

詢子「何だか今年はあっという間の1年だった気がするよ」

知久「ママにとって今年は充実した1年だったんだね」

詢子「そうだね。……っと、もう30秒もないけど」

詢子「パパ、まどか。良いお年を」

知久「2人も、良いお年を」

まどか「うぇへ……」

知久「まどか?」

まどか「へぇっ!?あ、う、うん。良いお年を」

『新年まであと5秒…4、3……』

詢子「2……」

知久「1……」

投下してみたらあと数分で新年なのでせっかくだし日付変わってから投下します
少しだけお待ちください…

『明けましておめでとうございます!新年、2016年となりました!』

詢子「無事に新年を迎えられてよかったよ」

知久「2人とも、明けましておめでとう」

詢子「明けましておめでとう。パパ、まどか」

まどか「う、うん」

詢子「まどか……?どうしたのさ」

まどか「ご、ごめん。何でもないんだけど、その……」

ピンポーン

まどか「あ…来たっ!はーい!」

詢子「……何だ、そういうことか」

知久「1番最初は暁美さんに言いたかったんだね」

詢子「だけど、アタシたちよりもほむらちゃんが先なんて…親として少し複雑だよ」

知久「……あの2人、今年も幸せに過ごしてくれるよね」

詢子「あぁ。きっと、ね」

まどか「ほむらちゃんっ!」

ほむら「約束通り、まどかに会いに来たわ」

まどか「わたしも約束通り、まだ誰にも言ってないから。ほむらちゃんが1番だよ」

ほむら「そう……。ありがとう、まどか」

まどか「ほむらちゃんからのお願いだもん。気にしないで」

ほむら「……新年、明けましておめでとう。まどか」

まどか「うんっ。明けましておめでとう、ほむらちゃん」

ほむら「……ふふっ。まどかと恋人になって、新年を迎えられるなんてね」

まどか「えへへ、わたしもまさかほむらちゃんとこうなれるとは思ってなかったよ」

ほむら「まどかに言いたいことは言ったし、私はこれで……」

まどか「え、帰っちゃうの?せっかく来たんだし、寄っていってよ」

ほむら「いいの?」

まどか「もちろん。新年最初のデート、してくれないかな?」

ほむら「まどかのお誘いとあれば、喜んで」

まどか「ありがとう。じゃあ、わたしの部屋、行こうっ」

ほむら「……これ、デートなのよね?」

まどか「わたしはそのつもりだけど……」

ほむら「なら…キス、してもいいのね?」

まどか「……部屋に行ってからなら、いくらでもしていいけど」

まどか「今日は一緒に寝て、一緒に起きて…一緒に初日の出も見ようね。ほむらちゃん」

ほむら「えぇ。デート、だものね」

まどか「……今年も1年、よろしくね。ほむらちゃん」

ほむら「えぇ。よろしく、まどか」


Fin

これで完結です
最後まで読んでいただき、ありがとうございました

読んで下さった方、感想頂けた方、本当にありがとうございました
新年明けましておめでとうございます
今年もよろしくお願いします

・次回予告

まどか「デレデレさせたい」

まどか「あの子がほしい」(仮)

タイトル未定 たぶん本編もの

ほむら「バトルメイド暁美」


バレンタインはどうなるか今のところ未定
またどこかで見かけたらよろしくお願いします

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2016年01月09日 (土) 18:21:42   ID: XGqioTfp

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