提督「これをMK(三隈救出)作戦とする!!」 (423)
初めてのss投稿です。どうか温かい目で見守ってください。
1 艦これのオリジナル設定を含むssです。
2 キャラの口調、態度がイメージと違うかもしれません。
3 胸糞表現 俺TUEEE表現が含まれます。
4 R-18は無いはずです。
ご注意ください!!
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1448792747
深海の勢力との戦争も段落が付くようになり、まだ警戒は解けない状態でありながら、事実的には、終戦と言っても良い時代に、一人の青年がある鎮守府に着任することになった。
※ このssは艦娘一人説で話を進めていきます
例 誰か艦娘が解体される→新しい同じ艦名の艦娘が建造される
提督「地方での警戒態勢の強化―― って建前でここに飛ばされたわけだけど……、なんとも、すっげぇ田舎だな、ここは」
提督(目に優しい緑や青が至る所に存在し、空を見上げれば鳶が、耳を澄ませば何か虫の音が聞こえてくるど田舎に、私『提督』は飛ばされてきた。訓練所の成績は中の中。ちょうど前任の提督が病気か何かで引退をされ、いいタイミングで私の名前が挙がったことで、上記の利用でここに飛ばされた)
提督(しかし…… こんなところにあの『艦娘』なんているのだろうか…… 居たとしても数
は少ないだろうけど)
提督(不安だ…… うまくやっていけるだろうか)
「あ、あなたが新しい提督ですか?」
提督「ん、ああ、そうだよ。結構自然が沢山(すぎ)で驚いていただけなんだ」
提督(とりあえず、フランクに…… 兵器として作られてはいても、容姿性格は普通に女の子
だって聞いたことがある。この子も艦娘なのだろうか。艦娘なんて初めて見るから、少し緊張す
る…)
初霜「初春型四番艦・駆逐艦の初霜です! よろしくお願いします!」
提督「初霜…… 初霜ね。自己紹介ありがとう。こちらこそ、よろしくね」
提督(なんだか真面目そうな子だ。容姿は完全に子供だけれど、こんな小さい子が本当に戦う
のか。なんだか、上手く言葉では言い表せないけれど、複雑な気分だな)
初霜(前の提督より物腰が柔らかい…… なんだか接しやすそうで良かった)
提督「うん、ありがと。そう思ってくれて嬉しいよ」
初霜「え!?」
提督「あー、と、ごめん。気にしないで」
初霜「は、はい…」(???)
提督「じゃあ、えーと、初霜。案内お願いできる?」
初霜「あ、鎮守府の案内ですね! 任せて下さい! 私、その為にここで待っていたんです。
やっちゃいます!」タッタッタッタ…
提督「あ、うん。ありがとう」(待たせてたのかな… だとしたら悪いことしたなぁ)
初霜(本当はどんな人なのか皆より早く見たかっただけなんだけどね……)
提督(カハッ(吐血)…… なんだこの天使)
初霜「ここの鎮守府は、基本的にここら一帯の警護を主の目的として動いています」スタスタ
初霜「ですが何分、国の片隅にある様な場所なので、それほど大きな敵戦力は此方に向かって
きたことは今までありませんでした。そのせいか、大本営はここに戦力を注ぎ込むより都市部に
まわすといった判断をこの戦いが始まった少し後に下したので、あまり数がありません」スタスタ
提督「数って、艦娘のこと?」テクテク
初霜「はい。それに限った話でもありませんが、実際、見てもらえれば分かります」
初霜「ここが司令室ですね。提督はここで執務をするのがお仕事です」
提督「うん、いや、流石にそれぐらいはわかるよ?」
初霜「といっても、作戦に参加する事を命じられることは無いと思います。大本営からはほっ
とかれているみたいですね、提督が居ない間の執務の量を見て察しがつきました。ですので提督、
あまり気張らないで、『ここを守る』という仕事を第一に頭に入れていただけると」ペラペラ
提督「それも分かってるよ。初霜は結構、世話を焼くタイプみたいだね」
初霜「はっ…… も、申し訳ございませんッ! 私ったら、提督になんて口を――」
提督「ああ、気にしないで。あ、そうだ。ちょうど司令室に着いた事だし、ここの皆を呼んで
きてもらえるかな」
初霜「あっ、はい! 了解しました!」ガチャ、バン! タッタッタッタ…
提督(いい子だな。あとかわいい。それにしても、執務少ないのか…。これは私の中に潜むサ
ボタージュの精神が目覚めてしまう……)
バタン!
初霜「皆を連れてきました! 提督!!」
提督「うん、ありがとう。でもドアはちゃんとノックしてから開けようね」
初霜「あ、ま、また私提督に―― ああああ」カァァッ
提督(なんだこの生物くっそ可愛い)
「しっつれいしまーっす」
提督「ああ、はいはい。どうぞ、全員入ってー」
入ってきた子↓
瑞鶴、翔鶴
球磨、木曾、阿武隈
初春、子日、若葉
と、赤面したまま蹲っている早霜
>>6
間違えました、初霜です。
瑞鶴「瑞鶴です。あなたが提督さん?」(なかなか接しやすそう……)
提督「ああ、そうだよ。君も楽に接してくれればいいよ」
瑞鶴「!?」
翔鶴「え… えーっと、この子の姉の翔鶴です。よろしくお願いします」(さっきの会話、
なんだか噛み合っていなかった様な……)
提督「う、うん。よろしく」(しまったァァアア―― まだこの子達知らないんだった)
球磨「うん? 次は球磨でいいクマ? …ん、球磨型軽巡一番艦、球磨だクマ。よろしくだクマー」
(……焼き鮭食べたいクマ)
提督「よ、よろしく」(なんだか不思議な語尾だなぁ。この子のことはすぐに覚えられそうだ。
あと、夕飯は焼き鮭にしよう)
木曾「木曾だ。お前に最高の勝利を…… と言いたい所だが、まだ戦っている訳でもないからな、
平穏と平和を与えてやる」(おし…… 上手く決まった)
子日(木曾さんカッコイイの日)
若葉(さすがこの鎮守府のイケメン枠だ)
提督「いいね。期待してるよ、木曾」(ちくせう、なんか分かんないけど悔しい)
阿武隈「なっ、長良型軽巡、阿武隈です! よろしくお願いします!」
(何考えてるかわからない目だなぁ…… ちょっとこわいかも)
提督「うん? あ、ああ。よろしく」(怖がらせちゃったかな…? 特に変な目はしてないと思ったんだけれど)
初春「初春型一番艦、駆逐艦、初春じゃ。なに、面白そうな男じゃの。よろしく頼みますぞ」
(心を読む…… かの? これは楽しくなりそうじゃ)
提督「うん。よろしくね」(………)
子日「ねっのひっだよぉぉー↑ 提督、漢字、書ける? 早く覚えてね!」(優しそうな人っ! 子日、安心の日!)
提督「あっはは、すぐ覚えるよ。よろしくね」(この子も天使か)
若葉「駆逐艦、若葉だ。よろしく頼む」(………)
提督「ああ、よろしく」(こういう子は、何を考えているのかよくわからないな)
初霜「はっ、初霜です! 改めて、よろしくお願いします!」
提督「うん、ありがと。これで全員かな」
初霜「あ、はい! これで全員です!」
提督(九人か…… 本当に少ないな。まぁ、こんな所だったらこれで上等だろ)
提督「ふぅ、さて、これからこの鎮守府で提督として働くこととなった。提督をするのは初めて
だから色々至らないところ有るかもしれないけれど、皆で支えあって、ここを守っていこうと思っている。
あと、余計な緊張はお互い壁を作ることになるだろうから、私と話す時にも自然体で居てくれると嬉しいかな。
うん、じゃ、改めて、よろしくね」
全員「はいっ!」ビシィイ
初春「―― ところで提督よ。聞きたいことがあるのじゃが」
提督「…… はいはい、なにかな」ニコ
初春「貴様、何か面白い特技を持っているのではないか?」ニヤァ
提督「…… どうしてそう思うんだい?」
初春「何やら会話が噛み合っていない部分が多々あってな、妾の思いすごしかもしれんが――」
提督「…… まぁ、隠していても仕方ないか」スッ (初春に顔を近づける)
初春「―― な、なんじゃ、妾の顔に何か付いているか」(ふ、ふぉおお!? いきなりなんじゃ! あ、よく見るとなかなかイケメン……)
提督「ん? ほんとか? ありがと」
<エ? ナニ? ナンノコト?
初春「やはり貴様……」
提督「言ってもホイホイ出来るわけじゃないぞ? 表情から読み取るんだからな」
初春「ふむ……」
瑞鶴「ねぇ、二人で何話してるの? まったく話が読めてこないんだけど?」
提督「ん、あ、ああ、ごめんごめん。話すよ。えーと、昔からの特技で、少しだけ『読心術』が出来るんだよね」
子日「どくしんじゅつ…… ってなに?」
翔鶴「相手の考えていることを読み取る技術の事ですよ。とはいえ、本当ですか提督」
提督「ああ、うん。証明して見せるなら―― 今日の夕飯は焼き鮭にしよう」
球磨「クマっ!?」
球磨「分かったクマ!? そんなピンポイントな所まで読めるクマ!?」ガバッ
提督「何故かな。君は特に分かり易いんだ」
球磨「く、クマぁ……」
翔鶴「す、すごい」
子日「ええっ!? じゃあじゃあ、私達の考えてる事ぜーんぶ分かっちゃうの!?」
瑞鶴「それって結構プライバシー的に問題じゃない? 友達いなかったでしょ、提督」
提督「やめろ(切実)。なにも全部分かるわけじゃない。さっきも言ったけど、表情、その時発している言葉、身動き、目線、エトセトラエトセトラで読み取るんだ。でもまぁ、しばらく精度はなかなか良いんだよ」
子日「よ、よかったぁ。全部バレちゃったら、子日、恥ずかしくて倒れちゃうよ~」(提督、なんだか不思議な人~。子日、衝撃の日!)ホッ
提督「ははは。まぁ、君たちのプライバシーには踏み込まないよう努力するよ。さて、何か質問はあるかな」
阿武隈「………」(うう、提督って仕事の方はちゃんとできるのかなぁ? 心読んでばっかりの変な人じゃないかなぁ)ウジウジ
提督「心外だな。これでも仕事は一生懸命に取り組むつもりだよ」
瑞鶴「言った傍から読んでるよこの人」ハァ
阿武隈「ふ、ふぇええ!?」カァァ
提督「あ、ごめん」
提督(それにしても…… なぜ正規空母が二人?)
瑞鶴「あ、今の私なら、提督の考えてることわかるよ」
提督「おっと、顔に出てた?」
瑞鶴「まぁね~。なんで重巡、軽空母、戦艦は居ないのに、正規空母が二人もいるのか、ってところじゃない?」フンフン
提督「すごい! 正解だよ」
瑞鶴「へっへー。ま、そんな事だろうと思ったわよ。でもま、答えるとしたら、前提督の趣味かな」
提督「趣味……?」
ジーー ミワタシ
提督「…… 趣味?」
翔鶴「私達にも、こればかりは分からないんです。前提督の趣味は中々分かりにくくて」
提督「よく見ればこの面子、統一感ないなぁ。面白い」
若葉「面白さで世界は救えないぞ、提督」フンス
提督「ごめんごめん」
その後、ある程度会話をして、一番の古株だという初霜に引き続き案内を頼むということでその場は解散となった。
うああああああ いきなり沢山のミスをおおおおお ごめんなさいいいい
とりあえず今日はここまでです。
早い更新を意識してやっていきます!!
期待乙
>>10
間違えました! 6じゃなくて9です!
>>19
んああああああありがとうございます!!
頑張ります!!
読心術=とうしんじゅつ
>>23
めっちゃ恥ずかしいです。ご指摘ありがとうございます
読んでくれている方がいてモチベ上がりっぱなしなので少し投下していきます
―― 初春型の部屋
子日「提督って、少し不思議だけど良い人っぽいね! 子日、感激の日!」
瑞鶴「まぁ、初めの内から悪い印象を与えようって人は中々居ないんじゃない? よくわからないけど」
翔鶴「確かに、まだ全て信頼するのは早いと思いますね。優しそうな人ですが、『あいつ』の件もありますし」
初春「そうじゃの。『あいつ』の件の二の舞になるのだけは本当に御免じゃ。妾達に直接被害があったわけではないが、今でも怒りが沸いてくる」
若葉「同感だな」
木曾「とりあえず、今は様子見だな。少なくとも、私は少し、信じたいと思うが、なぁ球磨姉」
球磨「そうクマ。球磨も木曾と同じ意見だクマ」
阿武隈「く、球磨さん? 目が怖いです」
球磨「クマ? あ、ごめんだクマ。『あいつ』の顔が浮かんでたんだクマ。それ程胸糞悪い事はないクマ。今すぐ押し掛けて眼球に直接砲撃したい気分だクマ」
阿武隈「わ、私だってそうですけどぉ…」
子日「私も木曾さんと同じ意見だよ。私は提督を信じたいな」
若葉「中々印象は良い様だな」
瑞鶴「心読めるなんて、ホントは一番信用しちゃいけない人だと思うんだけどなぁ」
翔鶴「提督がその特技をどのように使うか、と言うのも、また観察対象ですか」
木曾「そうだろうな」
初霜「ただいま戻りました。ああ、やっぱり集まってましたか」ガチャ
若葉「おかえり、初霜」
子日「おかえんなさーい」
初霜「うん、ただいま。やっぱり提督の話ですか?」
瑞鶴「そうだよ。どんな感じだった?」
初霜「特に変わった様子は無いですかね。ああ、あと妖精さんと話が出来るみたいでした」
木曾「妖精さんと? へぇ」
初霜「これも昔からだそうです。試しに幾つか開発してました。これ、瑞鶴さんへ、とのことです」
瑞鶴「んあ? 私? …… えっ、流星改!?」
翔鶴「秘書官が空母でも無いのに……」
初霜「ほんと、不思議な人です。お風呂が分けられていない事には驚いていましたが」
若葉「そうだろうな。若葉達は構わないが」
初霜「異様な慌てっぷりでしたよ。『あんな美人や美少女と一緒になんか入れるか!』って」クスクス
初春「なんじゃ、意外と初なのじゃな」
初霜「後は、貯蔵を確認したり、建物の状況を確認したりしてましたね。今は執務中です」
子日「手伝わなくていいの~?」
初霜「追い出されました。必要になったら呼ぶからって」
球磨「よくわからない人クマ」
全員「それは分かる」
とりあえず今日はここまでです。
読心術(とうしんじゅつorどくしんじゅつ)??
明日また続き投下しますー
朝のうちに投下しますー
―― 執務室
提督「―― っくぅう、量は少なくても大変なものは大変なんだなぁ。少し疲れた」
提督(にしても、なんだか皆、一つ距離を置いているような感じだったな。私の知らない何かがあるのだろうか。これから知っていければいいかな)
<タッタッタッタッタ……
提督「ん? 誰だろう」
ガチャ キイィイ
提督(立て付け悪いな)
提督「お、翔鶴か」
翔鶴「て、提督。どうかされましたか?」
提督「足音が聞こえたから、なんだろうって思ってね」
翔鶴「そうでしたか。これから夕食の準備に、と思いまして」
提督「ん? もうそんな時間か。よし、親睦を深めるチャンスだ。私も手伝おう!」
翔鶴「え!? 提督、料理は、って執務はいいんですか?」
提督「量少なかったからね。もう終わったよ。料理もできるよ?」
翔鶴「…… (信じたいな、ですか) わかりました。食堂へ行きましょう」
提督「うん」(さすがに分かんないか)
翔鶴「お上手ですね……」
提督「うん? そうだろうそうだろう。もっと褒めてもいいんだよ?」
翔鶴「なんだか少し腹が立ちました」
提督「なんで!?」
<クマーイイニオイダクマー クマネエハシタナイゾ オナカスイター ソウデスネッ
翔鶴「みんな来ましたね。って、提督?」
提督「」
翔鶴「ちょ、そんなにショックでした!? ご、ごめんなさい!」
提督「男が料理が上手くて何が悪いのか。いや、逆に考えるんだ。出来ちゃってもいいさ、と」プルプル
翔鶴「た、大変! なんか提督が英国紳士っぽく!」
<ドウシタンダクマ テ、テイトク!?ドウシタ! テキカ!?
翔鶴「ああ、もう、起きてくださいよぉ~」
その後提督はしばらく英国紳士っぽくなっていたが、球磨が髪の毛でバシバシやったら気が付いた。
提督「いやぁすまない翔鶴。そういう事言わなさそうな子だと思っていたからさ」
翔鶴「心読めばわかるんじゃないですか?」
提督「分かりたくないことを分かろうとはしないよ」
翔鶴「……そうですか」(………)
球磨「舐めるなクマァァァァァア!!!!」
阿武隈「従ってくださぁあああああい!!!」
4vs4での演習、兼現時点での練度確認。
提督「あの二人って割と――」
初霜「ええ。結構な戦闘狂ですね」←救護係
意外な一面を見てどこかほっこりする提督だった。
提督「集まった?」
艦娘「はーい」
提督「うん、さてと―― 練度は、みんな高いね。正直驚いたよ」
瑞鶴(65)←年齢じゃないよ!「そんな、私はまだまだよ」
翔鶴(66)「そうね。艦載機も贅沢できるほどある訳じゃないですし」
初春(70)「駆逐艦用の装備も、じゃ」
子日(69)「そうだね! 五連装とか欲しいなぁ」
若葉(79)「確かにな。だが若葉は、どんな装備でも大丈夫だ」
初霜(86)「私もです。ですが私は戦うよりも、救う方を優先したいです」
球磨(84)「何言ってるクマ。初霜の練度ならどんな装備でも誰でも救えるクマ」
木曾(84)「そうだぜ? もっと自信を持つのも大事だ」
阿武隈(82)「私はもう少し軽巡らしい戦いが出来る演習を所望します!」
提督「ま、そうだよな」
球磨の動きはおよそ軽巡と言えるものではなかった。
トップスピードで突貫しながら打ちでてくる魚雷を素手で掴みそのままぶつけてくるなんてのはまだ序の口で、中にはそのクセ毛を使った殺法もある。
球磨「なんだクマ。球磨の戦い方に文句あるのかクマ」
阿武隈「あります! 大アリです!! ちゃんと放たれた魚雷を咥えて無力化なんて今まででも酷い方だと思います!」
球磨「勝てばいいんだクマ。強けりゃいいんだクマ」
阿武隈「ぐぬぬ……」
提督「まぁ、個人で否定するべきところないかな。皆、こんな所なのにしっかり訓練されていて驚いたよ」
瑞鶴「ふふん、そうでしょう」フンス
提督「なにか理由があるんだね」
艦娘「―― っ!」
提督「ふぅむ……。まだ私を信頼できず、話すことができない、と言うならまだ聞かない。けど、私はこの先、君たちの力になり、君たちには私の力になって貰いたい所なんだ。いつか、聞かせてくれると嬉しいな」
艦娘「………」
提督「スペックは問題なし。むしろ良好。今日はこのデータがあれば十分だよ。後は各自、別命が無い限りは自主訓練又は休息等に使ってくれ。以上、解散」
艦娘「………」
日が沈み、球磨と阿武隈の熱戦が終結した頃、風呂の前で初霜と瑞鶴がばったりと出会った。
瑞鶴「あ、初霜ちゃん。…… やっぱ、提督には気づかれるかぁ」ヤレヤレ
初霜「うーん、もう少しだけ猶予はあると思いますが」
瑞鶴「そうだね。…… ふぁあーあ、眠くなってきちゃった。もう寝よっかな。初霜ちゃんは?」
初霜「いえ、私はこれからお風呂です」
瑞鶴「あ、そう? んじゃ、お先~。おやすみ」
初霜「おやすみなさい、瑞鶴さん」
<タッタッタッタ……
提督「…… よし、瑞鶴が出たな。もう中には誰も居ない筈」
ガラララ <ヒャ!?
続きは夜にー
時間ができたのでーー
初霜「だ、誰かと思えば、提督でしたか」
提督「」
初霜「て、提督? 提督!?」
提督「はっ! ここは、風呂か―― んうううぉおあああああ!!!!なぜすっぱだかあああん!!???」
初霜「お風呂だからですよ。浴槽につからないと冷えますよ?」テイトクノテヲトル
提督「アッ、大丈夫だから! 一人で立てるから!」
ピクッ……
初霜「…… え?」
ピクピクッ…
初霜「て、提督、これって――」
提督「…… バレたか」
初霜「な、なんですか…… !?」
提督「……… 尻尾だよ」コクリ
初霜はそれを見て驚いただろう。『深海』の駆逐艦イ級の頭部の様な物が提督の腰に生えていた。そして、元の形に戻らんとするように、尻尾、と言うよりも尾びれに近い物――
まだ出会ったことはないが、資料写真などで見たことがある―― 深海側の勢力の一柱『レ級』。彼女に生えている尾が、見る見る提督の腰から生えてきた。白く、どこにも生気を感じさせない質感に、先端にはグロテスクな歯が並んでいた。武装はされていないみたいだが、その尾単体で蛇、いや、竜に見えるほど攻撃的なデザインをしていた。
提督「あまり、バレたくはなかったんだけどね――」
初霜「提督。はっきりと訳を聞かせてください」アシガクガク
提督「…… 君は強いな。話すよ――」アタマナデナデ
若葉「若葉だ。田舎は夜が暗い。そんな中一人でトイレに行くのは…… いや、大丈夫だ」
< ワイワイ キャッキャ ウフフ
若葉「ん、風呂場から声が聞こえる。まだフタヒトマルマルだからな、誰か入っているのだろう」キキミミ
初霜(?)「て、提督の―― 柔らかい―― 大きいですね―― 」
提督(?)「あ、あんまり―― 触らないで―― くすぐ―― 」
初霜(?)「うふ―― こうですか―― いいんですか―― 」
提督(?)「―― に扱ってくれ―― リケート―― うぁっ」
初霜(?)「ていと―― かわい――」
若葉「ッッ!!??」///
若葉「な、何をやっているんだ……。まだ着任して間もない提督と、妹である初霜がキャッキャウフフと風呂場でイチャイチャしているだと―― 許せんッ」
バターン!!
若葉「提督! 見損なったぞ!!」
提督「」シッポフリフリ
初霜「」シッポダキツキ
若葉「」
提督「」
初霜「」
若葉「―― て、ていとく…… ?」
提督「はっはい! なんでしょう若葉様!!」
若葉「そ、それは―― 」シッポユビサシ
提督「あ、ああー……」
初霜「」キゼツ
提督「―― !? は、初霜!? 大変だ! 初霜が風呂の中で気絶している! 早く上げなければ!」
若葉「!? あ、ああ!」
―― 初霜、脱衣所の椅子でダウン中
若葉「―― さて、説明して貰いたい、提督―― いや、貴様、本当に提督か」
提督「…… ああ」キガエチュウ
風呂場で騒がしくしていた為、鎮守府内の艦娘全員が脱衣所に集合した。
それぞれが提督の腰の後ろから生えているぶっとい尻尾を見て驚愕の声を挙げていた。
提督「―― ふう。初霜には説明したんだけどな――」
初春「少なくとも妾達全員が納得するような理由があるのか?」
提督「…… さぁ。初霜は納得してくれたが」
若葉「初霜初霜としつこいぞ。さっさと話せ」
提督「わかったよ……」
提督「俺がまだ海軍に入りたての頃から話は始まる。私は成績は中の中、目立った実績も残せなければ特別劣等生という訳でもなく、平凡という言葉が良く似合う海兵だった。恥ずかしい話、得意なモノと言うのが特別無かったからな。その代わり、苦手、というものも無かった。
艦娘は此処に来るまで見たことがなかった。海兵なら一定の訓練を終えた後に見学としてどこかの鎮守府に行けるのだが、私がその時が来る前に―― 除名されていた」
翔鶴「じょ、除名―― ですか」
提督「ああ―― ここから先は、軍のトップシークレットみたいなものなんだ。君達にとっては知ること自体が罪になる。それでも聞くかい」
子日「初霜はいいって言ったんでしょ?」
提督「ああ」
子日「なら私達にそれを聞く必要は無いと思うな」
提督「…… 分かった」
提督「―― 深海の力を利用するための、人体実験だ」
艦娘達「―― !?」
提督「中の中。何も取り柄がなく大した落ち度も無い私は、そういう秘密裏に行われる黒い実験のモルモットとしては最適だったんだろうよ」ハア……
瑞鶴「て、提督―― そんなことって」(じゃ、じゃあ提督はまさか―― !?)
提督「私は私だ。記憶も意識もはっきりしている。この尾に取り込まれた訳じゃないから、安心して欲しい。証明するとしたら…… そうだな、妖精さんならわかると思う」
初霜「……… 妖精さん方は提督を信頼しておりました。少しでも敵方の意識があったなら、あの子達が提督に信頼を寄せることは無いと思います」
若葉「初霜っ…… 大丈夫か」
初霜「上せただけ―― だと思う。少しだるいけど、大丈夫よ」
提督「…… 話を戻させてもらおう」
提督「当瞬間の記憶は曖昧でな……。はっきりと分かることはあまり無い。ただ少なくとも、私はあの時一度死んだ」
球磨「死んだ…… クマ?」
提督「体の結合は成功したらしいが、脳死と判断されたようだ。目覚めたのは奇跡だと、目覚めた後、枕元に居た友人から告げられた」
木曾「生き返ったのか…… ?」
提督「―― 夢を見た。白髪の少女の異様に白い肌が、人間の肌の色に変わっていく夢。あの少女は酷く苦しんでいた。至る場所から出血し、叫び、体を掻き毟っていた。そうして彼女の肌が私達と同じ色に染まった頃、彼女は叫ばなくなり、動かなくなった。
近づいて触れてみると、とても冷たかった。ぞっとする程、冷たかった。そして途端、彼女の体がつま先から崩れていき、段々とその存在が無くなろうとしていく。私は何を考えていたのか、必死で彼女を引き留めようとした。だが、彼女に触れることは叶わず、彼女が消えた瞬間に―― 目を覚ました」
翔鶴「…… っ」
提督「後から資料で見た。彼女の顔、髪色肌色。全てが『レ級』のモノだった。ただ一つ違ったものが、この尾だ。彼女には生えていなかった」フリフリ
提督「実験は成功―― したのかは分からない。だが、軍から元の私の名前は消え去り、存在自体を揉み消された。苦しかった。夢を潰された。海からこの国を守る、という当時抱いていた一途な夢を、上の連中にかき消された。
まず私が抱いたものは、憎しみだったんだ。化物の体にされ、失敗した事が分かれば捨てられる。そんな事が許されるはずがない。許されてはいけないと」
提督「だが、悪夢はそれだけじゃなかった。私の家族。母、父、兄の三人。私が軍の中で死んだという事を深く探られるのを恐れて、奴らは、私の家族を、深海側の攻撃と取り繕って潰していたんだ。その事実―― 私は泣いた、なんで私がこんな目に合わなくてはならないのか、と。暗い苦しみに喉を焼いて、何度も自殺を図ったけれど、友人がそれを許してくれることはなかった。今思えば、本当に良い友人さ。
だが、私の中の憎しみは成長を続けている。後に私は決意した。『私を使った人間を全て殺してやろう』と」
瑞鶴「…………」グッ
提督「―― これでこの尾の説明は終わりだよ。なにか質問はあるかな」
提督「あ、心を読む特技は、殆どこの尻尾のお陰で成り立ってるんだよ。だから表情云々は嘘。ごめんね」
提督「さて、改めて質問を――」
若葉「ならなぜ、貴様は此処に居る」キッ
提督「……… うん、そう来ると思ってた。話すよ」
提督「軍から名前を消されていた私が、外部からその機密を話そうも、軍はありとあらゆる手を行使し、それに抵抗してくるだろう。それに私の当時の目的は、『皆殺し』だったわけで、さすがに一人で乗り込んで奴らを殺せるとは思ってはいなかった。
つまり、壊すなら内部からだと決め、信頼できる友人数人にこの真相を伝え、私は別の新人として改めて軍に入った。奴らがたった一人の新人を見に来るなんてことは無かったから、簡単に入れたさ。それこそ、細かい工夫は友人に任せたけど―― そして、海兵として働いている内、一つの思想が生まれた。『殺すだけではダメだ』と」
提督「私はその機関が存在すること自体が許せなかった。それを見て、人の命が、掛け替えの無い命が失われていくというのに、失敗失敗と笑いながらデータを採取する、そんな機関があってはならないんだ」
提督「もう、私の様な化物は生まれて欲しくない。確かにこの戦争には新たな兵器が必要かも知れない。だが、だからといって、それを私達に押し付ける奴らは、『外れている』と私は思っている。人間を玩具の様に扱う…… 私はそうやって生まれたであろう『艦娘』をそのように考えていた」
提督「―― しばらく経って、私はとある艦娘と出会った。確か、『神通』。川内型の神通。彼女と出会い、少し話をした。彼女は戦いに一生懸命で、誇り高い軍人だった。何度も話を繰り返していくうちに、私は彼女に、私が『艦娘』に抱いている事を告げた。そしたら彼女は、悲しげな、それでも強い笑みを浮かべて言ったんだ。
―― 「それでも、私が戦い、大切な人を守れるのなら―― それでいいです」と。
私は驚愕した。彼女の意思の強さに―― 感動した。それから、私の『艦娘』に対する印象ががらりと変わったのは言うまでもない。戦うのにはそれぞれ理由がある。例え生まれた理由が誰かのエゴだったとしても、戦う運命だったとしても、彼女はそれを笑い飛ばして、大切な人を守れるならそれでいい、と言った」
提督「―― ならなおさら、あの機関はあってはならない」
提督「彼女が大切な人のために戦うというのなら、あそこで作られた『兵器』は何のために戦えばいい? 国のため? ふざけるな、私の家族を殺したこの国の為に戦えるわけがない。あそこは何も生み出さない。強いて言うならば、涙と血肉しか生み出さない。
だから、私はあの機関を、一刻でも早く潰すため、罪無き人を守りながら、上に近づく手段として、ここに来た」
艦娘「………」
提督「―― つまりは殆ど私怨だ。…… はぁ、私を突き出したければ、そうするといい。隠し事もできない今、私は君達に抗う程の力も持っていないし、まさにまな板の鯉だ。煮るなり焼くなり、好きにしてくれ」
提督「ただ、私はあの機関を潰すまで死ぬつもりはない。泥水も喜んで啜り、いつか必ず、奴らを潰す。―― と、話はここまでだ」
初霜「…… 提督、口調がずれてますよ」
提督「…… え?」
瑞鶴「要約すると、『化物の体にされた復讐』『罪のない家族を殺された恨み』『これ以上被害を増やさないため』の三つかな。それでいい?」
提督「―― あ、ああ」
翔鶴「…… 少し、私達だけで、話をさせてもらえないでしょうか」
提督「…… ああ」
ザワザワ…… ザワザワ…… バタン
初霜「…… 提督」
提督「………」
初霜「…… いえ、何でもないです」
提督「………」コクン
しばらくして――
―― 執務室
提督(さて、どうしたものかな。私の目的もバレちゃったし、こりゃ沈められるかなぁ)
ドア「バタン!!」
提督「!?」
瑞鶴「提督。まずは謝ってもらえるかしら」
若葉「先の話を黙っていたこと。若葉達を利用しようとしていたこと」
翔鶴「そして―― 私達を心から信頼していなかったことです」
提督「…… んん?」
翔鶴「提督であるもの、部下である私達の事は信頼して欲しい。そう思っています。けれど提督は、先の話を黙っていた。それはつまり、私達を信頼なんて初めからせず騙そうとしていた、と受け取ることができます」
提督「あ、ああ。その通りだ……」
翔鶴「謝ってください。兎にも角にも、そうしてくれなきゃ私達の気が済みません」
提督「ん。分かった。―― 君達が寄せてくれていたであろう信頼を裏切る様な行為をしていたこと、本当に済まなかった。許してくれ」ドゲザ
瑞鶴「……… うん、許すわ」
提督「ああ…… え?」カオアゲ
瑞鶴「許すって言ってるのよ。これから私達の事をちゃんと信頼してくれるならね」
提督「だが…… いいのか」
球磨「いい訳無いクマ。ここが別の鎮守府なら今頃提督は海の底クマ」
提督「他の鎮守府だったら…… ?」
球磨「―― 皆、一列に並ぶクマ」
―― ゾロゾロ
提督「…… ? 一体何を――」
艦娘「「「「「「「「「「「申し訳ありませんでした!!!!!!!!!!」」」」」」」」」」
提督「!? ―― !?」
翔鶴「提督、私達からも、謝らなければなりません」
提督「え、な、なん――」
若葉「…… 若葉達もまた、提督を利用しようとしていた」
提督「え?」
初霜「…… この間提督が言っていた『なにか』について、お話します」
翔鶴「前任の提督は、聡明で私達に優しく接してくれる人でしたが、どこか頑固なところがありました。其の所為か、上層部の人達からは煙たがられる、目の上のたんこぶの様な人だった様です。
その中でも、私達にとって深い憎しみを残した事件がありました」
瑞鶴「―― ウチには、もう二人、重巡が居たのよ」
提督「重巡が?」
瑞鶴「そ。正しくは航空巡洋艦。名前は『最上』と『三隈』。とても仲の良い二人で、私達の掛け替えの無い仲間だったわ」
提督「最上と三隈……」
瑞鶴「事件っていうのはね、前提督が体調を崩し始めた頃、少将だったかな? 立場的には前提督より上。とは言っても年齢は前提督の方が上だったから、何かとギクシャクしてたみたいだけど―― それで、その少将がこう言ってきたの。航空巡洋艦『三隈』を、ぜひ我が鎮守府へ、とね」
提督「でもそれは……」
瑞鶴「ええ。立場が上の人からのスカウトは、特に珍しくないことよ。けれどね、前提督は、それを断固拒否したの」
提督「………」
瑞鶴「始めの頃は、『私達のうち誰かでもここから居なくなることを避けたいんだな』ってみんな思ってた。でも、今思えばそれは違ったのよ。後から分かったの。少将のいる鎮守府での、多数の暴行事件の事実が」
提督「暴行事件……」
瑞鶴「艦娘に対する暴力、恐喝、監禁、性的暴行まで、あの少将はやっていたのよ。前提督はそれを知っていて、それを拒否していたみたい」
提督「………」
翔鶴「事が動き始めたのは、前提督の容態が悪化した頃でした。少将はそれを聞きつけて、ここへとやって来ました。雨がとても強い日でした。いくら忘れたくても忘れられません―― 少将は、三隈の引受の手続きを、夜に眠る前提督の腕を動かして済ませました。何か言われても、当時の前提督ならば大した問題にはならないと踏んだのでしょう」
提督「…… なんて奴だ」
翔鶴「…… そして、その場に不幸にも居合わせてしまった艦娘が一人―― 最上が、その現場を見てしまったのです」
提督「…… っ」
子日「―― うぐっ、ひっく、ううぅうう」
初春「………」アタマナデナデ
翔鶴「慌てた少将は、取り乱している最上を押さえつけて気を失わせました。咄嗟の攻防で、手も足も出なかったのでしょう。最上は為す術も無かった、と聞きました」
提督「―― 誰に」
翔鶴「少将です」
提督「…… っ」
翔鶴「聞いた話ですが、ね。何よりも、私達が憎く思うのは、そこからの彼の行動でした」
瑞鶴「……… 次の日の朝、消えていたの。三隈と最上が―― ほんの少しの資材を残して」
提督「―― なるほどな」
提督(最上は口封じの為に解体されたわけか。なるほど、これは沢山の恨みを買うだろう)
<グスッ…… フエエエエェモガミンンンン ナクデナイ、ホラ、ハナヲカメ
瑞鶴「私は、許せないのよ。少将もだけど、その後の軍の行動もね」
提督「と、言うと?」
翔鶴「少将が強制的に行った一連の出来事は軍の上層部によって揉み消され、表沙汰になることはありませんでした。どころか、あの少将を、『艦娘の暴走を食い止めた』として昇格させました。今は中将です。
恐らく、一連の事に違和感を抱かせないためでしょう。本営の近くの居酒屋さんに情報を提供してもらいました。そこで、私達は、三隈と最上の事を初めて知りました」
提督「………」
瑞鶴「つまり、そういう事よ。私達も、軍の連中を恨んでいる。理由は全然違うけど、私達も、復讐を望んでる。利用しようとしてたっていうのはそういう事よ。貴方の立場を利用して、なんとか三隈を救い出すつもりだった」
翔鶴「―― その後の三隈に関する情報は一切入っては来ません。無事を、祈るばかりです」グスッ
瑞鶴「翔鶴姉……」グスッ
若葉「…… 提督」
提督「―― 理由は全然違う、と言ったね、瑞鶴」
瑞鶴「うん? …… うん」グスッグスッ
提督「違ってなんかない。同じだよ。大切な人を奪われたんだ。権力と暴力で、守るべき人を、味方であるはずの人から奪われた。
実際私達が身内で争うべきではないけれど、この恨みは、この事件は解決しなければいけない、と私は思う」
提督「…… 三隈は必ず救う。中将に縛られている艦娘も救う。そして私はあの機関を必ず潰す。
これは、戦争だ。新たな戦争だ。深海との戦いも最早終わったと言ってもいいこの時代、戦うべきは腐った人間共だ。これは私の意志だ。だが皆、一緒に、戦って欲しい」
若葉「もう、そのつもりだ、提督」
瑞鶴「グスッ…… そうよ! やってやろうじゃないの!!」
翔鶴「今回ばかりは、粛々としているわけにはいきませんね」
子日「絶対! 絶対絶対絶対絶対ぜ~ったいくまりんこを救うよ!!」
提督(くまりんこ?)
初春「ああ、妾も、もう我慢ならん」
阿武隈「モガミンと三隈さんは仲間だもん……。もうダメ、怒りを抑えられない」
木曾「………」(ぜってぇあの腐れ共をぶっ潰してやる)
提督(…… 一番過激かもしれないな)
球磨「クマ。皆と同じだクマ。ぶっ潰すクマ」
初霜「……… これ以上、悲しみを生み出さない為です。私も本気を出します」
提督「―― この戦いを『MK(三隈救出)作戦』とし、この鎮守府内より作戦を開始する。総責任は私が負い、目的は『三隈救出』『中将鎮守府の艦娘救出』『人体実験機関撲滅』の三点とする!」
提督「敵は我らの上に立つ人間である! 容赦は必要ない! 救出を優先し、海軍上層部の腐れ具合を世間一般に晒し上げる! いいね、君達の武力が一番の頼りだ。細かい作戦が決定するまで、各自練度を高めつつ戦力を整えよ! 以上!!」
全員「了解!!」ビシィイ
妖精さん「これは大変なことになりますね……」ヒソヒソ
妖精さんA「私達を無理矢理使って最上さんを解体させた恨み、これで晴らせられるッ」
妖精さんB「こんなことしてる場合じゃねぇ! さっさと情報回せぇ!」
妖精さん「そうだね。奴らに恨みを持つ同胞を集めよう。しっかりと裏方を固めて、ここの皆や、傷ついた人達の為に、僕たちが出来ることをしよう」
妖精さんs「おおー!!」
プルルルル プルルルル ガチャ
提督「はい、もしもし」
友提督(以下友)『おおーー! 元気してるか!!』
提督「…… お前」ミミ小破
友『お前、って冷たいなぁ。仮にも命の恩人なのに』
提督「あれは感謝してもしきれないが、それとこれとは別だろう。それで、何か用?」
友『辛辣ゥ! んー、いや、うちの艦娘が騒ぎ出してな』
提督「お前のとこの?」
友『ああ。なんでも、大本営にクーデターを起こそうとしてるバカがいるってな』
提督「………」
友『やっぱお前んとこか。まぁ、そうだろうな』
提督「情報源は?」
友『妖精さん。俺は見えないけどな、艦娘達は見える。「田舎の方の妖精さんが大騒ぎしています!」って、うちの妖精さんが言ってたみたいだ』
提督「妖精さん…… か」
友『だがな、安心しろよ。うちはバラしたりしねぇ。それよか、もっと大切な話がある』
提督「大切な話だと… ?」
友『俺んとこも協力する』
提督「…… 本気か」
友『本気もなにも、願ったりだぜこっちは。―― うちの大切な娘達が、何人か、ひどい目を合わされているみたいだ。今の中将が怪しいってな』
提督「…… ああ」
友『お前んとこの艦娘達が反抗していないってことは、俺んとこと同じような理由があるんだろ? 大本営に矛先を向ける理由が』
提督「―― この子達も、現中将に深い恨みを持っていた。私が着任する以前、仲間を二人、奴の所為で失った、と」
友『なるほどな。大体わかった。お前自身は聞かなくてもわかる。そうだな―― 補給、支援はうちに任せてもらおう』
提督「いいのか?」
友『信頼しろよ。うちには戦艦も正規空母も潜水艦も揃ってる。大丈夫だ。直接大本営を叩くのは、先導者のお前達に頼むよ』
提督「…… 恩に着るよ」
友『はっ… カッコつけちゃってまぁ。それと、大本営に大きな恨みを持つ鎮守府にだけ、妖精さんのネットワークが働いているらしい。詳しくはお前んとこの妖精さんに聞け。少なくとも、あちらさんに妖精さんから情報が漏れることはないと思う。妖精さんは、愛と正義の味方だからな』
提督「お前、ついこの間、『なんでボス前逸れるんだよぉおおお!! 妖精さんのバカアアアアア』って大泣きしてたよな」
友『昔の話さ、気にすんな。詳しい話を聞きに、うちの鎮守府から数名そっちに送るぞ、いいな』
提督「ああ、了解した。だが、妖精さんのネットワークが動いているのは――」
友『ご察しの通りだ。大本営、又は上層部の誰かに大きな恨みを持つ鎮守府は少なくない。それだけ、今の奴らが腐ってるってことだ。
だから、俺が仲を繋いで、お前のところに数名送るよう、心当たりのある鎮守府全てに手を回しておく。だからお前は、どうやって奴さんの頭をもぎ取るかを考えてな』
提督「―― すまんな、何から何まで」
友『謝んじぇねぇよ。そんな薄い仲だったか?』
提督「…… ありがとう」
友『ははっ、やれば出来るじゃねぇか。言っておくが、うちはスゲェからな、うちの連中を見て、腰抜かすんじゃねぇぞ』
提督「ああ。期待しているよ」
友『おう。一週間もすればそっちに全員揃う―― いや、揃わせる。だから最低でも、それまでには良い作戦、作っておけよ?』
提督「当たり前だ。私を誰だと思っている?」
友『誰とも思ってねぇよ。ただの信頼できる友達だ』
提督「分かってるならいいさ―― じゃあ」
友『ああ……。また』
バタン!
若葉「提督、どうだ、作戦の方は」
提督「まぁ、大体は。これから形にしていくかな」
若葉「…… 若葉にも手伝わさせて欲しい」
提督「分かった。よろしく頼むよ――」
提督「―― と、ここで右側、ここの部屋に誰かが隠されているかもしれない――」
若葉「―― なるほど―― 私たちは―― というわけか」
提督「ああ、そこで―― することで―― を狙う」
若葉「ああ―― 若葉達ならできる――」
提督「―― っと、まぁ、こんな感じかな」
阿武隈「二人共、作戦ですか」
提督「ん、あ、ああ、阿武隅か」
阿武隈「提督! 字が違いますよ!!」プンプン
提督「ああ、ごめん。とりあえず、私が思いつく限りの作戦は立てることができた。この作戦を基本として、これからこの鎮守府全員と、明後日到着するだろう、他の鎮守府の精鋭達とを混ぜて本格的な作戦会議だ」
阿武隈「は、はい! って、提督!? すごいクマですよ!!」
球磨「クマ?」←通りかかった
球磨「うおっ!! 本当だクマ! すごいクマだクマ!! 一体どれだけの時間通してやったんだクマ!」
提督「クマクマうるさいよ……。ん、えーっと、あいつからの電話の後直ぐに取り掛かって、五日くらい?」
阿武隈「はぁ!? 五日も寝てないんですか!!?」
提督「仮眠くらいは取ったさ。生きてるから、だいじょう…… ぶ……」
提督「」スー スー
球磨「…… 寝ちゃったクマ?」
阿武隈「当たり前ですよ……。若葉さんも、机に突っ伏して寝ちゃってますし」
球磨「頑張ってくれたんだクマ。球磨達は、球磨達が出来ることをするクマ」
阿武隈「分かってます。―― とりあえず今は、この二人に毛布でも掛けてあげましょう」
球磨「そうクマね……。 二人共、お疲れ様だクマ」
阿武隈「…… 今はお休みになってください」
提督「……………………………… うぉぁああッ!!? 今何時だ!?」
若葉「提督、起きたか。確か、阿武隈達が来たのがマルキュウマルマルだから、十時間は寝てたぞ。健康的だな、提督」クス
提督「ヒトキュウマルマル…… 腹減ったな」グゥウウ
若葉「若葉も今起きたところだ。提督、食堂に行こう」ガチャ
提督「うん。ちょうどそこで、作戦を伝える日程を皆に伝えよう」スタスタ
若葉「ああ、それがいい」スタスタ
提督「…… 若葉も、ちゃんと、女の子らしく笑うんだね」スタスタ
若葉「…… ん。…… えっ!? 若葉は笑っていたか!?」
提督「さっきね。自然な笑顔で、可愛いと思ったよ」
若葉「―― そうか、笑えたのか。って、提督! そう若葉のことをからかうのはやめて欲しい!」
提督「笑えたのかって……。からかってなんかいないし……」
若葉「『あいつ』が来て、あの事件があってから、笑い方を忘れてしまったものだと思っていた。だから…… だ。でも、笑えているとしたら、それは多分、提督のお陰だろう。こうして、私達の仲間を助けようとしてくれている。それが若葉は嬉しい」
提督「此処に居る皆が仲間と呼ぶ奴は皆仲間さ。仲間を助けるのは当たり前のことだ」
若葉「…… ありがとう」
提督「構わない。 はは、可愛いな、若葉は」
若葉「ばっ! そ、そういう事は言わないでくれ!!」カァァ
提督「かわいいかわいい」ナデナデ
若葉「は、恥ずかしいぞ!!!」///
若葉「だ、だが、―― わるく、ない」ゴニョゴニョ
提督「ん? なんか言ったか?」
若葉「な、何でもない!」
提督「ははは、そうか」(分かってるけど、可愛いからこのままにしておこう)
―― 食堂。
提督「―― と、言う訳だ。明後日には全員揃うよう、私の友人が手配してくれる。そこから作戦が大きく動き出す。各自覚悟を決めていて欲しい」
全員「了解ッ!!」
妖精さん「了解!」ビシィイ
提督「…… ふぅ。ありがとね、妖精さん。君たちのお陰で、大変な事が大体片付いてしまったよ」
妖精さん「提督は優しいですから」
提督「え…… ?」
妖精さん「僕達には僕達なりの信念があり、僕達なりの恨みもあります。それには上と直接繋がる媒体がいる。提督が来てくれて、あの話をしてくれていたのを聞いたとき、僕は運命を感じましたよ」
提督「運命…… ね」
妖精さん「ありがとうございます。提督」
提督「ああ、こちらこそだよ」
提督(妖精さんの心は流石に読めないか……。でも、信頼してくれているようで、良かった)
妖精さん「………」
―― 翌日、司令室
木曾「よう」ガチャ
提督「ん、木曾。どうしたの」
木曾「いや、球磨姉と阿武隈がサシでやり合ってるからな、俺の演習相手が居なくて退屈なんだ。だから――」
提督「いいよ」
木曾「本当か!? 済まないな」
提督「いいさ。私と君の仲じゃないか」
木曾「そ、それは俺の台詞だ!」
提督「ははは、ごめんごめん。じゃあ、始めようか」上着ヌギ
木曾「…… え? 始めるって何を」
提督「演習相手が居なくて退屈なんだろ?」
木曾「あ、ああ」
提督「だから、私が演習相手になろう、って」
木曾「そっちか!? て、てっきり相手を手配してくれるものだと思っていた」
提督「そんな時間ないさ。さ、外に出よう」
木曾「ん、まぁいいけど、提督、艤装はあるのか?」
提督「これから妖精さんの所に行ってくる。そろそろ出来ている筈だし」
木曾「ま、まさか提督用の艤装が!?」
提督「私も戦うんだ。もしも艦娘が立ちはだかったら、この尾だけじゃ切り抜けられないしな」シッポブンブン
木曾「そ、それもそうか……」
提督「じゃ、先行っといてー」
木曾「分かった。待っている」スタスタスタスタ
―― 工廠
妖精さん「あ! 提督!」
提督「やぁ。もう出来てる?」
妖精さん「そりゃもう! しかし提督、『レ級が持っている様なモノ』って注文、アバウトすぎて流石に手間取りましたよ!」
提督「あははは」
妖精さん「笑い事じゃないです!」
提督「ごめんなさい」
妖精さん「でも僕達には艦娘用の開発しかできないので、それっぽいものを揃えておきました!」
提督「ん、早く見せて」
妖精さん「はい! えーっと、『20.3cm(3号)連装砲』が二つ。『OTO 152mm三連装速射砲』が二つ。『61cm五連装(酸素)魚雷』が複数と、艦載機は『烈風改』『流星改』『彗星一二型甲』『彩雲』です。もう少し時間があれば、もっと良い物が手に入ったのですが……」
提督「」
妖精さん「提督…… ?」
提督「これ、開発できたの?」ボーゼン
妖精さん「『資源は幾らでも使っていい』と言われましたし、他ならぬ提督の頼みなら! と、皆頑張ってくれました」
提督「す、すげぇ」
妖精さん「―― と言うのは建前の様な物でして、僕達と同じ想いを持つ同志は至るところにいますし、その中にはレア装備を誤って投棄してしまった鎮守府もありまして、その子達が持ってきてくれた物もありますね」
提督「じゃ、じゃあ何処かの鎮守府ではレア装備がいつの間にか消えている形になるのか」
妖精さん「そうなりますね。でも使われてないみたいだし、いいんじゃないですか」
提督(鬼だ)
妖精さん「うわぁ~、本当に装備出来ちゃうんですね。その尻尾、便利ですね」
提督「触り心地いいから仮眠用の枕にもなるし、人の目を気にしなくていい此処にいる今は、この尻尾は便利な物さ」ブッピガァン!(尻尾の先端に主砲副砲を取り付ける)
妖精さん「…… でも、艦載機はどうするんですか?」
提督「この尻尾にある口は、中に大きな空間を持つんだ。収納スペース。ここに入れておけば、持ち運びも着艦も発艦も出来るってわけ」ガブガブ
妖精さん「絵面だけ見れば、レ級の尻尾が艦載機を食べているようにしか見えないんですけど……」
提督「大丈夫だって。一機飛ばしてみようか。よし、それじゃ、『彩雲』!!」グガァ!
提督の尻尾の口が開くと、彩雲が何機か飛び出してきた。
妖精さん「うわぁ、本当に出ていた。グロい」
提督「そりゃ仕方ないよ……」
彩雲の妖精さんが言うには、尻尾の中は意外と居心地がいいらしい。
提督「うん、上々だね。ありがと、ちょっと試運転に木曾のとこ行ってくるよ」
妖精さん「あ、はい! いってらっしゃい!」
―― 第三演習場
木曾「お、やっと来たか! 遅いぞ」
提督「いやぁめんごめんご」タッタッタッタ
木曾「―― それが提督の装備か?」
提督「うん」1三隈砲 2OTO砲 3五連装酸素魚雷
木曾「…… こりゃ、気ぃ抜いたらこっちがやられるな」ガチャコン
提督「―― よし、始めよう!」
その後二人の勝負はヤケに白熱し、今回は経験の差で木曾が勝利した。
―― 入渠ドッグ
球磨「クマ? 提督も入渠クマ?」カポーーン
阿武隈「結構やられてますね。木曾さんですか?」カポポーン
提督「ん、ああ。次は絶対勝つ」ヨイショ
木曾「それはどうかな」ガララッ
球磨「クマ!? 木曾もボロボロクマ……」
提督「やっぱ雷巡の魚雷は強いねぇ……」
木曾「烈風改飛ばす提督がどこにいんだよ……」
阿武隈「ええ!? 提督、艦載機も飛ばせるんですか!?」
提督「この尻尾のお陰でね。っていうかさ、君達に羞恥心って物はないのかな」///
球磨「んー、確かにまじまじと見られたら恥ずかしいクマ。でもお風呂は別クマ~」
阿武隈「はい。私的にはOKです」
提督「私的にはOKじゃないんだけどなぁ……」
木曾「まぁ、ここに居るのも含めて、艦娘ってのは全員が可愛いと言われているからな」
提督「絵面で言うなら、美少女三人と一緒に風呂入ってるおっさんだよ……」
球磨「提督はまだおっさんって年じゃないと思うクマ」
木曾「そうだぜ? だから大丈夫だ、な?」
提督「一体何が大丈夫なんだ……」
初春「っくうぅ、惜しかったのじゃぁ~」ガラララッ
子日「今日の若葉、とっても強かったよね~」スタスタ
提督「お、皆演習終わりかぁ―― ハッ」
提督(これって相当やばいんじゃ…… ロリが四人追加されてしまった)
木曾球磨(とか考えてそうだな(クマ))
子日「あー! 提督! お風呂一緒に入るの初めてだね!」タッタッタッタ ギュー
提督「ちょ、子日!? その格好でハグはやばいよ! マジヤバイ!」///
子日「えぇー? もしかして提督、子日の体にムラムラしちゃったぁ~?」
初春「これ! そういう事を言ってはダメじゃ、子日。提督とて男じゃ。容姿が子供でも反応するモノは反応するのじゃ! そうじゃろう?」
提督「は、ははは」
若葉(な、なら若葉の体でも……)///
初霜(な、なら私の体でも……)///
瑞鶴「今のって初春が言ったの? 提督ってもしかしてロリコン?」ガラララッ
球磨「お、二人共お疲れだクマー」
翔鶴「あら、全員ここでしたか。しかし提督、子日ちゃんに欲情するなんて、相当酷いと思いますが?」ジトー
子日「なんかちょっと複雑な気分……」
提督「えぇ!? ちょ、ちょっと、何でもうロリコン決定みたいな感じになってるの!?」
球磨「そりゃ抱きつかれて元気になるトコ元気にしてたら、クマ」
阿武隈「も、もう! そういう風に見てるなら出てってくださいよ~!」///
提督「ご、誤解だって! それに私まだ入渠終わるまで時間あるし!」
翔鶴「バケツならありますよ」ニコ
提督「だ、大丈夫だから! 私は誰の体でも欲情するから!!」アタマグルグル
瑞鶴「」
翔鶴「」
若葉「」
初霜「」
子日「」
初春「」
木曾「」
阿武隈「」
球磨「ブフォwwwwwwwwwwwwwwwwww」
提督「………」(あぁ、これ死んだかも)
阿武隈「―― わ、私もう上がりますねっ!」///
木曾「あ、ちょ、おい! お、俺ももう上がる!!」///
提督「―― え」
翔鶴「と、とりあえず、は、ははは入りましょう」
瑞鶴「そ、そそうね、裸でずっと立ってたら風邪引いちゃうし――」
子日「………」ススス
提督「うお!? ね、子日!?」(子日がまた擦り寄ってきた! くそ! 何考えてるかわからねぇ!!)
子日「……… ///」
初春「………」ススス
提督「は、初春まで!?」
初春「……… ///」
球磨「提督は心を読めるクマね?」
提督「んあ!?」
球磨「ならその子達の心を読んでみるといいクマ」
提督「さっぱりだよ! でも球磨! お前心底楽しんでるだろ!」
球磨「外れクマ~www やっぱり心なんて読めないクマね~www」
提督「そ、そんなはずは――」
若葉「寒いぞ!」バシャーン
若葉「………」///
提督「わ、若葉! その位置はまずい! う、うわああああああ」
若葉「…… 悪く、ない///」
球磨「精進するクマね、提督。球磨はもう上がるクマ」バシャ
提督「な、ちょ、助けて――」
球磨「提督ならそれくらい自力で何とかするクマ」
初霜「…………」
球磨「クマ? 初霜は行かなくていいクマ?」ボソボソ
初霜「わ、私は…… また、後で行きます///」ボソボソ
球磨「ふぅーん…… 後で、クマね」スタスタ
ワーギャー チョ、ヤメソコワ! ンビャアアア――
提督「ハァ……ハァ…… まったく、あの三人…… 酷い目にあった」(めちゃくちゃ幸せだった)
提督「なんだか疲れたな…… もう寝よう」フトンバサー
初霜「…………」
提督「」
初霜「…… こんばんわ」
提督「」
初霜「お布団、温めておきました……」///
提督「」
初霜「―― お風呂で甘えられなかった分、ここで、精算してもいいですか?」///
提督「ヨロコンデー!!!」ガバァッ
この後滅茶苦茶精算した。(直接的な性行為はナシ)←重要
こっから先、救出作戦前だというのに提督と艦娘の距離が近くなります。
瑞鶴「て、提督? 起きてる?」コンコン
瑞鶴「まだ寝てるのかな……」
瑞鶴「提督? 今日は他の鎮守府から艦娘が数名来るって言ってなかったけぇ?」ドンドンドンドン
提督「―― !! 瑞鶴か! 起きたよ!」
瑞鶴「あぁはいはい、おはよ、ていとk――」ガチャ
初霜「…………」
瑞鶴「」
初霜「…… おはようございます」
瑞鶴「」
初霜「…… では、私は朝食を食べに行きます」ペコリ
提督「うん、行ってらっしゃい」
瑞鶴「」
提督「ああ、ありがとう瑞鶴。お陰で目が覚めた――」
瑞鶴「…… 性犯罪者?」
提督「やめて」ガクガク
―― 執務室で朝食(作・瑞鶴)
提督「いやぁ、瑞鶴も料理作れるんだね」パクパク
瑞鶴「こ、今回はたまたま余ったから、よ」///
提督「旨いよ、ありがと」ニコッ
瑞鶴「そ、そんなの、当たり前じゃない!」テレテレ
提督(昨日の風呂辺りから皆の考えていることが分からなくなってきている。尻尾に装備を付けたからかな、なんでだろう)
瑞鶴(駄目! 昨日の言葉の所為で変に緊張する! 唯の変態発言だったのに! なんで!?)
提督「…… 瑞鶴?」
瑞鶴「ピャイ!?」
提督「あ、あははは、そうか、もう直ぐ他鎮守府から沢山人が来るから緊張してるんだな。もっと気を楽にしててもいいと思うよ」
瑞鶴「う、うん……」///
球磨「て、提督は、真性の鈍感だったクマ……」←覗き
今日はここまでです。
昼前 ―― 執務室
長門「友提督の鎮守府から来た、戦艦長門だ! 貴様がここの提督…… か?」
提督「うん。そうだよ、よろしく」シッポフリフリ
那智「失礼だが司令官殿…… そ、その司令官殿の後ろで動いているのは何だ?」
提督「あれ、友から聞いてなかった? 尻尾だよ尻尾」
長門「こ、これが…… 話は聞いていたが、まさか本当だとは」
那智「…… 少し、触ってもいいか」
提督「え!? う、うん、まぁ、いいけど」
長門「なんだこれはぁ…… 心地いいぃい」
那智「……… ハッ! あまりの心地よさに眠っていた!」
提督「ははは……」
プルルルル プルルルル
提督「―― ん? あ、友からか」
ガチャ
友『よう! 長門と那智、もう着いたか?』
提督「ああ。私の尻尾を枕にして寝てるよ」
長門「なっ! ね、寝てなど!」
那智「そ、そうだ!」
友『元気そうでなにより。んで、友メガネ提督(以下メガネ)んトコの二人と友チビ提督(以下チビ)のトコの二人、あとは女友提督(以下女)のところから一人。もうすぐ着くはずだ』
提督「全員私らの友達じゃないか!?」
友『他にもいるぜ? だけど、本人から作戦を聞くのは、その七人だけだ。そこからまた情報を伝達していく仕組みだな』
提督「なるほどな。分かった。全員到着し次第、作戦会議を始めよう」
友『おう。よろしく頼む』ガチャン ツー ツー
提督「…………」
長門「………」zzz
那智「………」zzz
提督「…… 長旅で疲れたんだね、お疲れさま」ナデナデ
阿武隈「て、提督優しいっ!」ウルウル
木曾「ああ、なんて優しいんだ」←↑覗き
球磨「あれ優しいって言うのかクマ?」←
霧島「メガネ提督の元より参上しました。金剛型高速戦艦、霧島です!」
鳥海「同じく参上いたしました。高雄型重巡、鳥海です」
提督「ああ、よろしく頼むよ」
長門「………」zzz
那智「………」zzz
霧島鳥海(提督の尻尾であの二人が寝ている!?かわいい!)
提督「…… これの事は聞いてる?」シッポユビサシ
霧島「へっ!? あ、ああ! はい! 聞いています!」
提督「そ、なら良かった」
鳥海「」ウズウズ
提督「………」
龍鳳「チビ提督の所から来ました。龍鳳です。よろしくお願いしますね、提督」
朝潮「同じく、朝潮型駆逐艦、朝潮です!」
提督「ああ、よろしく」
長門「………」zzz
那智「………」zzz
霧島「………」zzz
鳥海「………」zzz
龍鳳「あ、あの……」
提督「長旅で疲れたんだろう。そってしておいてあげて欲しい」
龍鳳「は、はあ……」
朝潮「」チラッチラッ
提督「二人共、これの事は聞いてるね?」シッポユビサシ
朝潮「ひゃっ!? は、はい! 聞いています!」
提督「ん、なら大丈夫だね」
朝潮「」チラッチラッ
龍鳳「」チラッチラッ
提督「………」
時雨「女提督の所から来た、白露型駆逐艦、時雨だよ」
提督「うん、ありがと、よろしくね」
時雨「うん。それは構わないんだけど……」
長門「………」zzz
那智「………」zzz
霧島「………」zzz
鳥海「………」zzz
龍鳳「………」zzz
朝潮「………」zzz←朝潮だけ提督の膝の上
時雨「これって……」
提督「長旅で疲れたんだろう……。でも全員揃ったみたいだから、そろそろ起こさないとな――」
時雨(気持ちよさそうだなぁ、あの尻尾)
提督「とりあえず、これの事は知ってるってことでいいかな」シッポユビサシ
時雨「え? あ、うん。聞いてるよ」
時雨(なんだか、僕も眠りたくなってきたよ)
提督「……… いいよ」
時雨「…… え?」
提督「三十分後に起こす。それまで寝てていいよ」
時雨「あ、ありがとう!」パァァァ
翔鶴「提督? まだ揃っていませんか?」バタン
翔鶴「」
提督「すまんが…… 皆疲れているらしい。あと二十分後に起こすから、それまではそっとしてあげて欲しい」
翔鶴「は、はぁ……」
翔鶴「今って、作戦会議前ですよね?」
提督「あ、ああ」
翔鶴「………」(緊張感無いなぁ……)
提督「…… すまない」
翔鶴「……… 提督」
提督「―― ん?」
翔鶴「その…… 私も」
提督「」
―― 二十分後
提督「おう、起きろー」シッポブンブン
長門「」
那智「」
霧島「」ビクン
鳥海「」
龍鳳「」
時雨「」
翔鶴「」
若葉「」←途中で勝手に入ってきた
初霜「」←上に同じ
初春「」←(ry
子日「」←(ry
提督「ほら、朝潮ちゃんも」ナデナデ
朝潮「んむー…… あとごふん…」
提督(天使)
提督「これより、現MK作戦の説明及び役割の決定を決める会議を開く!」
全員「はっ!」ビシィイ
朝潮「…… は、はぁい」//////
提督「基本的な流れからだ。まず――」
細かい説明はカットします。(考えられないだけ)
提督「さて、こんなところか」
長門「驚いたな。我が鎮守府の提督と代わってもらえないだろうか」
提督「いいけど、それをするにはまず、友にそれを言わなきゃだよね」
長門「ぐっ―― 惜しい人材だ」
提督「ありがとう」
提督「では、作戦決行は今日より一週間後とし、その間最小限の確認事項を除く一切の通信を禁ず。
決戦当日、非常時のみ連絡を許可し、問題無く作戦を進められる状態ならば、その時点で誰の指示も待たず、今ここで指定した通りに動いて欲しい。いいね」
全員「了解!!」
―― 作戦会議後 送られてきた艦娘達は今夜に限り提督鎮守府に泊まる事になった。
初霜「―― 提督、お疲れ様です」オチャ
提督「ん、初霜か、ありがと」オチャズズー
初霜「―― もし」
提督「…… ん?」
初霜「もし、この作戦が無事に終わって、軍の中身をひっくり返すことができたら、三隈さんを救う事ができたら、提督は、どうなさるおつもりですか」
提督「…… んー」
提督(………)
提督「私は、このままがいいかな」
初霜「…… そうですか」
初霜「―― 私も同じ考えですよ。そして、ここの鎮守府の皆も」ニコッ
提督「…… ありがとう」
球磨「提督? いるクマ?」コンコン
提督「どうぞー」
球磨「風呂、入るといいクマ。今は誰もいないクマ。前みたいなことにはならないクマよ」ニヤァ
提督「ん! そうか、ありがとう。じゃ、初霜、そういうわけだ」
初霜「私も行きます」
提督「わかったよ」(初霜は前の時は来なかったから大丈夫大丈夫)
―― 入渠ドッグ
提督「今日は少し冷えるなぁ――」ガララ
初霜「そうですねぇ」スタスタ
時雨「えっ」
朝潮「」
鳥海「」
長門「」
提督「」
初霜「」
初霜「提督、提督。今回は脱衣所をしっかりと確認しなかった私達の負けです。ここは大人しくしましょう」
提督「あ、ああ、そうだな。―― 頭が痛い」
朝潮「…… こ、ここ、この鎮守府では一緒にお風呂に入ることを躊躇しないんですね」///
提督「私が一番躊躇してると思うんだがなぁ」
初霜「ふふっ、そうですね」
時雨「堂々と覗きに来たのかと思ったよ。びっくりした」
長門「そ、そうだぞ。入るなら入ると一声くらいな――」
提督「とりあえず球磨には、明日にでも演習を申し込んでおくか」
初霜「それがいいですね」クスッ
鳥海「」(は、恥ずかしい……)
時雨「ん? 演習? 初霜が戦うのかい?」
初霜「いいえ、提督が直々に」
長門「ほう、提督が? どのように―― と、その尻尾を使うに決まっているな」
提督「まぁね。中々便利だし、最近は扱いにも慣れてきたしね」
朝潮「どのような装備で?」
提督「主砲、副砲、魚雷、艦載機」
長門「本当にレ級の様だな」
時雨「―― 鳥海さん? 大丈夫?」
鳥海「ふぇ…… あ、大丈夫、です――」プシュウウウ
時雨「あ、倒れた」
初霜「大変! 早く上げますよ!」
提督「お、おう!」
鳥海「―― こ、こは」
提督「この鎮守府の医務室だよ。大丈夫?」
鳥海「すこし、目が回って、だるい、です」
提督「のぼせたね。そんなに長いこと入ってたの?」
鳥海「い、いえ、そういうわけでは」
瑞鶴「提督? 氷持ってきたわ。あ、気が付いた? ごめんね、デリカシーのない提督で」
鳥海「い、いえ! 決してそういうわけでは」
提督「そもそも今回は球磨がだな――」
瑞鶴「はいはい。で、大丈夫なの?」
提督「幸い、のぼせただけのようだよ。しばらくは気持ちの悪い状態が続くけど、そう長引くものじゃないし、大事には至らないだろうね」
瑞鶴「ふぅん、そ、なら良かったわ。じゃ、私はもう寝るね」
提督「おう、おやすみ」
バタン
鳥海「て、提督? あなたも、もうお休みになられたら――」
提督「いや、病人を置いて寝るわけにはいかないよ。少なくとも君が寝付くまではここにいる」(執務もあるし)
鳥海「…… ありがとうございます」
鳥海「―― その、提督。すみません、少し、話を聞いていただけますか」
提督「ん? うん、いいよ」
鳥海「私、私は、元々、少将の鎮守府で建造された艦娘でした」
提督「…… 現中将のだね」
鳥海「はい。それで、私がなぜ今、メガネ提督の鎮守府に居るのかというと、『トレード』に出されたからなんです」
提督「『トレード』…… ね」
鳥海「メガネ提督が『トレード』に出すことを強制された子は、『プリンツ・オイゲン』という、ドイツの重巡でした」
鳥海「後で聞いたところ、対等とはとても言えない条件の上、人質を取られていたようです。それで仕方なく、と。提督は、必ず連れ戻す、と約束して、彼女を送ったそうです」
提督「あいつらしいな……」
鳥海「しかし、中将の鎮守府の妖精さんと情報を共有した所、彼女は一切の出撃を許されておらず、彼の、その…… 慰み物として、扱われているみたいで……。そのことを聞いた私達は怒りでどうにかなりそうでした」
鳥海「けれど、その後現中将との一切の接触を禁じられ、クーデターを起こそうにも、我がメガネ鎮守府には中将の目が届くよう、あちら側の憲兵が付けられていますので、下手な動きができずにいたんです」
鳥海「そんな中、まだ練度も中途半端だった私がメガネ鎮守府に着任しました。その時の皆の態度、表情は冷ややかなものでした。姉妹艦が一人もいなかった事もあってか、中々馴染めずにいました」
鳥海「しかし、提督だけは違った。提督だけは、私を大事に扱ってくれました。あの子の代わりなんかじゃなく、君は君らしく生きろ、と何度も何度も言われました」
鳥海「けれど、私の心にはどこか大きな穴があって、その穴を思い、眠れずに、寂しさから、何度も泣きました。今は、仲良くしてくれる人が沢山居ます。ドイツ艦の皆さんとはまだですが、打ち解けて、一緒に戦うことを許してくれた人が沢山います」
鳥海「私は、その中から誰かが居なくなると言うのが想像できないんです。けれど、あの鎮守府ではそれが起こった。権力を振るって、欲求の為に大切な仲間を奪っていった。私は奴を許せません。だから、この作戦は、私にとっては救いの物でした」
提督「…… そうか」
鳥海「…… すみません。提督、長話でしたね」
提督「………」ナデナデ
鳥海「きゃうっ!? て、提督、何を!?」
提督「今、ここには私が居るし、霧島も、私の部下達も、友の部下達もいる。大丈夫だ。君はひとりじゃない」ナデナデ
鳥海「………」
提督「今は、安心して眠るといいよ。私はここにいる。なんなら、もっと近くに行こうか? なんちゃtt――」
鳥海「…… お願いします」
提督「」
提督、鳥海と同じベッドにIN!!!
鳥海「ひぐっ…… ぐすっ…… ああッ、っく…… ううう」
提督「………」ナデナデ
提督は彼女が寝息をたててからもずっと彼女を撫で続けた。
離れようとすると、彼女が袖を掴む。
今夜、提督は、彼女と同じベッドで眠った。
―― 次の朝
提督「―― 遠いところをご苦労であった。諸君らの健闘に期待する」ビシッ
長門那智霧島鳥海龍鳳朝潮時雨「はっ!」ビシッィイ
朝潮「あ、あの、提督!」
提督「ん? 龍鳳が行ってしまうよ?」
朝潮「そ、その! ま、また会いましょう!!///」タッタッタッタ
提督「…… ?」
翔鶴「余程提督の膝の居心地が良かったみたいですね」
提督「そうなの?」
翔鶴「私にも、今度、お願いしますね?」
提督「え、い、いいけど、いいの?」
翔鶴「私がお願いしてるのに、なんで確認するんですか」ハァ
鳥海「提督」
提督「ん? あ、鳥海か。良く眠れたか」
鳥海「ええ、ありがとうございました。―― 必ず、成功させましょうね」
提督「…… そうだな」
球磨「一日も経ってない内に二人も攻略してたクマ」
阿武隈「むぅうう~」
瑞鶴「あ、そうそう。球磨、本日ヒトヨンマルマルより、提督と演習ね」
球磨「クマッ!? 球磨クマ?」
瑞鶴「球磨クマ。頑張るクマね~」クスクス
球磨「昨日のを怒ってるクマ? って、真似するなクマ!」
ヒトヨンマルマル―― 第二演習場
提督「『彩雲』!!」バシュウ
球磨「偵察機なんて、撃ち落としてやるクマ!」←魚雷接近中
球磨「落ちろクマアアアァ!!」←魚雷直撃寸前
球磨「クマァアアアアアアアア!!????」大破
完全勝利S テンテンテンテンテーンテーンテテテーンテーーン
メガネ「はぁ!? アイツのことをもっと知りたい!?」
鳥海「………///」コクン
チビ「はぁ!? あいつのことをもっと知りたい!?」
朝潮「………///」コクン
時雨「また、会えるかなぁ……」
女「……… っ!?」
三人でした。
書き溜めが尽きたので今日はここまでです。早い更新を目指します
天津風どこ?
来てくれないので投下していきます。
―― 決戦準備
子日「こ、これ、子日たちにくれるの?」
初霜「こんなにいい装備…… 一体どこから……」
若葉「―― 助かる」
初春「貴様にしては…… というか、本当に一体どうしたのじゃ?」
提督「決戦用だよ。妖精さんが頑張ってくれた」
初春「『12.7cm連装砲B型改二』と『五連装(酸素)魚雷』…… 本当に、よいのか?」
提督「ああ。あと、ヒトゴーマルマルより、君たち四人と私一人で演習を行う。それまでに、その装備を手に馴染ませておくようにね」
子日「はーい!」タッタッタッタ
球磨「球磨達はもうそれぞれ自分に合った戦い方を見つけているクマ。特別いい装備とかは別にいらないクマ」
阿武隈「はい! 私は甲標的がありますし、五連装もやっと改修完了したので、特には」
木曾「その心だけで十分だ」
提督「…… どうやら本心だね。分かった、君たちのことは君たち自身に任せるよ」
球磨「クマ? また心読めるようになったクマ?」
提督「読めない時が非常に多くなってきたけどね。今はわかるよ」
阿武隈「へっ!? ほ、本当ですか!?」(あああああだめ! 意識すると変なこと考えちゃう~!!)
木曾「………」(ダメだ! 無心になるんだ。無心に……)
球磨(駄目だクマこいつら)
提督「なぁ球磨。その二人の考えてることが今正にわかんないんだけど、球磨わかる?」
球磨「なんで球磨に振るクマ。分かるけど教えてあげないクマ」
提督「えぇ~。今球磨が考えていることも分かんないよ……」
球磨「―― っ!?/// き、気のせいクマ!!」タタタタタッ
提督「………… 何が?」イッチャッタ…
翔鶴「新しい艦載機、ですか?」
瑞鶴「へぇ! 提督にしては気が利くわね」
提督「これなんだけど――」つ『震電改』
瑞鶴「!?」
提督「あとは――」つ『零戦62型(爆戦/岩井隊)』
翔鶴「!?」
提督「えーっと――」つ『流星(六〇一空)』
翔瑞鶴「「!!??」」
瑞鶴「え? うちじゃあ絶対手に入らない艦載機ばっかりなんだけど…… え?」
翔鶴「て、提督? そんなレア装備、一体どこから」
提督「『材料が捨てられてるところがあったから持ってきた』って妖精さんが」
瑞鶴「それって、大問題なんじゃないの……」
翔鶴「…… うーん」
提督「いいから、まだまだあるよ」つ『試製景雲(艦偵型)』
瑞鶴「こ、これなら、練度を上げてやっと改二になった私達、装甲空母しか付けられないし、いいよね……」ヨダレダラー
翔鶴「ず、瑞鶴…… !」
提督「ホレホレ」つ『天山一二型(友永隊)』
翔鶴「くっ…… 負けません!」
提督「や、やるなぁ…… これならどうだ」つ『彗星(江草隊)』
翔鶴「あっ…… あ、あああああ」トビツキ
提督「ふふ、勝利」ドヤァ
阿武隈(一体何をやっているんだろう)
ヒトゴーマルマル ―― 第一演習場
若葉「なんだか、負ける気がしないぞ!」キラキラ
子日「子日、一番強い日!」ヒューッ!
初霜「これなら、行けます!」ギラギラ
初春「今の妾達に、そう易々と勝てるなどと思わない方が良いぞ」フフフ
提督「そ れ は ど う か な」バァァーーン
提督 特殊戦艦
1 20.3cm(3号)連装砲
2 20.3cm(3号)連装砲
3 OTO 152mm三連装速射砲
4 OTO 152mm三連装速射砲
5 61cm五連装(酸素)魚雷
6 61cm五連装(酸素)魚雷
7 61cm五連装(酸素)魚雷
8 彩雲 15
9 天山(村田隊)30
10 天山(村田隊)30
11 九九式艦爆(江草隊)30
12 九九式艦爆(江草隊)30
13 震電改30
14 震電改30
15 一式徹甲弾
16 一式徹甲弾
初春「」
子日「」
若葉「」
初霜「」
球磨「あれはないクマ(苦笑)」←観戦
木曾「もうあいつだけでいいんじゃないか?」←上に同じ
阿武隈「誤破棄された材料と妖精さんをうちの妖精さんが集めたみたいです。そのせいで瑞鶴さんも翔鶴さんもおかしくなりましたけど、一番おかしいの提督でしたね」←(ry
提督「私には聞こえる。誤破棄をしてしまった提督達の悲痛な叫びが! ここでその思いを果たす!!」<ナニイッテルクマ
初春「ま、負けるでない!! ここは耐え忍ぶ時! あの何かよく分からんけどすごい奴に勝つには、最早精神で上回る他手はないのじゃ!!」
若葉「こ、怖いぞ! だ、だ、だが、悪くない」ニヤァ
子日「神か…… 最初に罪を考え出したつまらん男さ」ヒューッ
初霜「大変! 子日が! 子日が一匹狼に! 宇宙海賊に!!」
提督「行くぞ」フルアーマーシッポブンブン
四人「ウオオオオォォオオ!!」
提督vs初春型の描写は書いたほうがいいです?
本編とは関係ないのでどちらでもいいんですけど……
書きたいんで書いていきます。
提督「第一次攻撃隊、前期発艦!!」ブゥォオオオ
球磨「先頭を切って彩雲が出てきたクマ。…… けど、後に出てきた攻撃用の艦載機とは違う方に飛んでったクマ」
木曾「あれで、いつでもその場の全員の位置を把握しようとしてるんだろう。ぬかりねぇな」
提督「ん…… 来ないのか? ならこっちから行く!!」20.3cm(3号)連装砲<ドォオン ドォオン
初春「まだ距離はある! 冷静に対処すれば当たることはないぞ! 単縦陣を組むのじゃ!」
「「「了解!!!」」」
阿武隈「初春ちゃん達は初春ちゃんを旗艦にしてるみたいですね」
木曾「まぁ長女だしな」
提督「流石に当たらないか…… 村田隊! 相手のデートコースでも指定してやれ!」
天山(村田隊)<ニヤァ グッb ブロロロロロ
提督「主砲、副砲、酸素魚雷用意……」
球磨「クッマァ…… えげつないクマ」
阿武隈「とてもじゃないけど、私達三人でも敵うかどうか……」
木曾「今度挑んでみればいい」
球磨「球磨は嫌だクマ」
提督「副砲、斉射!!」OTO 152mm速射砲<ドドドォン ドドドォン
若葉「チィ! 鬱陶しい!!」ズガガガガ
天山(村田隊)<アタランヨ
―― ギューン!!
天山(村田隊)hit!! <!?
子日「運なんてものは、力尽くで自分の方へ向かせるものさ」ヒューッ
天山(村田隊) ボォン…… (残り25)
初霜「子日! 危ない!!」ドンッ
子日「!?」
<ドォン
初霜Critical!!「よ、良かった、無事?」中破
子日「初霜…… ごめん…」ネノヒダヨ
初春「初霜! 動けるか!」
初霜「まだ、やれます!!」ガチャ
若葉「―― そこだ!!」ドォン
球磨「その距離で狙い撃つクマ!?」
木曾「なんて奴……」
提督hit!!「くっ…… だが、まだだぁ!!」130/150
提督「江草隊! 震電改! いけぇ!! 第二次攻撃隊! 村田隊のみ発艦!!」ブォオオン
若葉「くっ…… 次から次へと……」
子日「!? 若葉! 下!!!」
若葉「何!?」
魚雷<コンチワ!
若葉Critical!!「ぐああああ!!」大破→退避
木曾「上に集中させておいて、その魚雷攻撃か」
阿武隈「海の上だから出来ることね。上からも正面からも下からも攻撃が来るなんて……」ガクブル
子日「若葉! くっ――」(前進)
初霜「子日!? 無茶よ!!」
子日「死神のキスってのは、どんな味なんだろうな……」ヒューッ
初霜「子日ぃぃぃ!!!」
提督「バカめ! 一人でやってくるなんてな!」
子日「やってみろ、この子日に対してッッ!!!」WRYYYYYY
提督「ハハハハハ!!!」ドドドドドド
子日「無駄無駄無駄無駄無駄無駄」ズガガガガガガ
初春(今まともに行動できるのは妾のみ…… ここはどう動く…)
初霜(せめて、せめて彩雲だけでも……!)ズガアン
彩雲hit!! <!?
初霜「敵偵察機の体制を崩しました! 初春姉さん!!」
初春「良いぞ! そこで待っておるがいい!!」ズドォン…… 全速前進DA
初春(息を殺せ…… そうじゃ、波を立てず、撫でるように動け―― 急げ―― 風が音を立てるより早く!!)
―― 提督背後!!!
初春「こっちじゃ!!!」ズドドドドォン!!
提督Critical!!「ぐぁあッ!!?」89/150
提督「小賢しぃいいああああ!!!」徹甲弾<ズドォオン
初春Critical!!「ぐふぅおッ!!?」大破→退避
阿武隈「今の初春ちゃんの動き、凄く良かったね」
木曾「そうだな。こう、戦っているのに綺麗、というか」
球磨「大方、殿方から逃げる姫君でもイメージしたクマね」
阿武隈木曾「子日のが伝染りました?(ったか?)」
球磨「う、うるさいクマ!///」
初霜「―― 待ってなんか、いられないじゃない!!」ガバァッ
初霜「落ちろォォオオ!!!」ズガガガ
提督「子日ィィッ!! …… あれ、いない…… ッ!?」
提督(彩雲が落とされている… !? 初霜か!!)
子日「五連装(酸素)魚雷―― ッ!!」<シュッシュッシュッ バシュッ――
提督「―― っ!?」バッ
子日「ノック、するべきだったかな… ?」←岩の後ろ
提督「……… いいさ。私とお前の仲だ」Critical!! 1/150 大破→退避
勝利!! S テンテンテンテンテーンテーンテテテーンテーーン
子日「…… え? ね、子日が決めたの? や、やったぁぁああ!!」MVP
初霜「すごいよ! 子日! あの状況で決めるなんて!!」
若葉「子日、見直したぞ。すごいな」パチパチ
子日「違うよ! 最初に、若葉が提督に続く道を作ってくれたの!!」ウルウル
初春「じゃが、決めたのは子日、貴様じゃ。ようやったの」ダキッ
子日「うん! うん! 初春が隙を作ってくれたおかげだよぉ!!」ブワアア
球磨「すごい戦いだったクマ……」アゼン
木曾「どっちもすげぇなぁ…」
阿武隈「―― やっぱり、私も戦いたい!」
提督「子日、初春、初霜、若葉。よく頑張ったな」
「「「「提督!!!!」」」」
提督「よくもまぁ、フルアーマーの私に勝てたものだよ」
子日「子日っ、頑張ったんだよぉ~」ギュー
提督「ははは、よしよし」ナデナデ
初霜「むぅ……」
若葉「あれはMVPの特権だ。諦めろ」
初春「…… ふむ」
提督「初春、最後、いい動きしたな」
初春「あれは、なんじゃ、上手く言い表せられないが、本能的に体が動いておったのじゃ。この動き、やはり戦場で役に立つかの」
提督「そりゃそうだ。初春が今作戦に配備される小隊に、私が以前であった『神通』の姉の『川内』がいる。彼女は忍者とも呼ばれる程に、動きが静かで綺麗らしい。今作戦で、また成長できるといいな、初春」
初春「…… それは楽しみじゃ」ニコ
提督「初霜! 最後、彩雲を落としてた?」
初霜「は、はい! 子日の妨害にならない様、私達を偵察する彼らを落としていました」
提督「すごいな。射撃精度がかなり高い……。それに、その中破は子日を守った傷だね?」
初霜「え、あ、はい」
提督「その傷は誇り高い傷さ。演習だから傷は残らないが、それでも、初霜は誰かを守る戦いをした。私は、その戦い方が好きだ。是非、続けて欲しい」ナデナデ
初霜「ひゃ、ひゃい!!」///
提督「若葉。少し焦りすぎたな」
若葉「…… 自分でもわかっている。まだまだ、静かに、冷静になれた」
提督「うん。あれだけ焦っていた中、ずっと先の方にいる私に着弾させたのだから、冷静になれば、百発百中、とは行かないにしても、相当な精度の一撃二撃を放つことができるんじゃないかな」ナデナデ
若葉「…… ああ、確かにそうだな。頑張るぞ…… んっ」///
提督「さて、演習終了だ。風呂入ろう」
「「「「了解!」」」」
阿武隈「て、提督!!」
提督「ん、実況の阿武隈じゃないか、どうしたの」
阿武隈「う、やっぱりバレてた……。明日、じゃなくても早い内に、私と球磨さんと木曾さんの三人と演習してください!!」
提督「ん、了解。明日か明後日、演習を入れるね。時間は決まったら言うよ」
阿武隈「え、あれ?」
提督「ん? ああ、断られると思ってたんだね。大丈夫、私は君達のサポートならなんでもするさ」
木曾「ん? 今」
球磨「なんでもするって言ったクマ?」
提督「うおっ…… 嫌な予感が」
球磨「なら、『本気』の装備をして来てほしいクマ」
提督「やっぱりバレてた?」
木曾「途中からな。全力であっても本気じゃないな、って」
若葉「あ、あれで本気じゃないのか……」ハァ
初春「なんだか、虚しい気持ちじゃ」ハァ
提督「…… はぁ、分かった。『本気』の装備で出向こう。これでいい?」
球磨「あとは、勝った時のご褒美を所望するクマ~」
提督「う、な、なんでしょう」
球磨「それは提督が負けた時のお楽しみクマ~♪ さ、一番風呂は球磨のものだクマ!!」ダダダダ
提督「………」ハァ
木曾「さ、行こうぜ、皆提督が動くのを待ってる」
提督「…… ああ、そうだね」
ここまでです。
誰かいるかな……。
そろそろ続きを投下していきます。
―― 入居ドッグ
子日「―― そこでね! 子日がシュッシュッシュッバゴォーンって決めたの!!」
瑞鶴「やるわね! 見直したわ!」
子日「えっへへ! でしょでしょ!」
提督「……… ふぅ」
翔鶴「お疲れですね」チャプ
提督「まぁ、そりゃ、全力でやったらね……」
翔鶴「お風呂上がりにマッサージでも?」ボソボソ
提督「―― !? じょ、冗談だよな!?」
翔鶴「私は本気ですよ?」ニコ
提督「…… じゃあ、お願いしようかな」
翔鶴「あら、本当ですか? それじゃあ、また、フタフタマルマルに、医務室で」ザパァ
瑞鶴「あ、翔鶴姉、上がるの? じゃあ、私も上がるね」
若葉「…… 何を話していたんだ?」ススス
提督「ぶふぉぁっ!!」
初霜「気になりますね……」ススス
提督「ちょっ……」
初春「今回の演習、妾たちが勝ったのじゃ。何か褒美はないのか?」ススス
提督「や、やめ……」ムラムラ
子日「子日、抱いて欲しい、の日!」ガバァッ
提督「ぬわーーーーーっ!」
このあと滅茶苦茶MVPのご褒美あげた(健全)
フタフタマルマル ―― 医務室
翔鶴「―― お待ちしておりました、提督」←エプロン姿
提督「あ、ああ。うん、よろしく……」
翔鶴「まぁさすがに、あの格好でマッサージなんて出来ませんよ……」
提督「そっ、それもそうだよな! あははは」
翔鶴「―― 結構体が硬いですね。今日は初春型の四人と演習でしたっけ?」ギュッギュ
提督「ああ。見事に負けちゃたけどね」
翔鶴「いや、普通勝てませんよ。なんで貴方が江草隊を飛ばすんですか」ギュー
提督「あはは、違いないな―― いたいたいたいたい!!」
翔鶴「あら、失礼しました。何やらあの子達のにおいがしましたので、つい」
提督「ヘァッ!? わけがわからないよ!?」
翔鶴「貴方は何で心が読めるんですか…… ハァ」ギュム
提督「え、いや、尻尾がレーダーみたいになってくれてだな――」
翔鶴「そんなこと聞いてません」ギューーー
提督「え? え、ちょ、いたいたいたいたたたたたああああああ!!!」
翔鶴「貴方の真摯な態度は、ここの子達にちゃんと届いてますから」ポム
提督「あ、うん、そうだと、いいな―― 翔鶴サン? その、流石にこの歳で頭を撫でられるってのは恥ずかしいよ……」
翔鶴「お気になさらず」ナデナデ
提督「う、うぐぐ……」
翔鶴「…… さて、こんな感じですかね」
提督「ありがと、翔鶴。体すっごい軽いわ、なんだこれ」キラキラ
翔鶴「またいつでも、してあげますからね」ニコッ
提督「恩に着るよ、本当にありがとね」ナデナデ
翔鶴「……… はい」///
瑞鶴「ん、翔鶴姉おかえり」ゴロゴロ
翔鶴「ただいま。お菓子食べながら寝ると太るわよ? 時間も時間だし」
瑞鶴「…… そうだね。やめとこ」ヒョイ
翔鶴「………」
瑞鶴「ん? なに?」
翔鶴「…… いいえ。瑞鶴にやってもらいましょうか」ウフフ
瑞鶴「え、何を?」ダラダラ
翔鶴「提督へのマッサージ、ですよ」ニヤ
瑞鶴「…… っ!?」
瑞鶴「そ、そんなんじゃないって! そ、それに、今はそんなことしてる場合じゃないでしょ!? 早くこの艦載機を使いこなせられるようにしなきゃ!」アセアセ
翔鶴「はいはい、そうですね」(顔真っ赤にしちゃって可愛い)
瑞鶴(マッサージ!? マッサージって、あのマッサージ!? 無理無理! そんなのできないよぉお)カァァァ
翌日 ヒトヒトマルマル ―― 第一演習場
阿武隈「―― じゃあ、行きます!!」
木曾「おうよ!!」
球磨「覚悟するクマ!!」
提督「かかってくるがいい」キラキラ
球磨「本気の装備って、もう何が何だかわからないクマ」
木曾「見た目はあまり変わってないようだな…… よし! 甲標的!!」バシュウッ
阿武隈「わ、私もっ!!」バシュウッ
提督「よっと……」ヒョイ
阿武隈「避けた!?」
木曾「マジか!?」
球磨「球磨は少し別で動くクマ」ババババ
提督「…… 距離、高度、速力、捕捉完了―― 砲撃用意―― 『試作51cm連装砲』…… 打てッ!!」(尻尾の口の中から砲台)ズガァァン
球磨「クマッ!?」ヒョイッ
提督「てーッ!! てーッ!!」ズガァァン ズガァァン
球磨「あんなん当たったら演習でも死ねるクマ……」ヒョイヒョイ
阿武隈「えっ―― きゃああああああっ!!!」hit!! 大破
球磨「クリティカルじゃないのに一撃大破クマ!? クマッ!! あれは――」
震電改<YO! ブロロロ
球磨「い、いつの間にクマ!! やばいクマ!!」
木曾「球磨姉!」ズガガガ
震電改<Oh… バラララ……
提督「打ち落とすのかよ……」ズガァァン ズガァァン
球磨「た、助かったクマ!! ありがとうクマ!!」
木曾「いいさ! 奴はまだ本気の装備であって本気じゃない!! 勝つぞ!!」キラーン
球磨「わ、我が妹ながらとんでもないイケメンクマ」
提督「フハハハハ!!!」ズガガガガ
球磨「クマアアアアアアッッ!!!!!」
木曾「当たらねえよぉおおお!!!!」
―――― ………
戦術的勝利!!B テンテレテッテンテン
球磨「や、やったクマ!! 阿武隈! すごいクマ!!」
木曾「装甲軽巡…… ? なんで大破なのに魚雷打てるんだよ」
阿武隈「き、気合で……」MVP
提督「気合は万能だなぁ」
アハハハハ ワライゴトジャナイゾ!! モー、キソハアタマカタイクマ デモ、カテテヨカッタァ
球磨「さ、勝った時の約束だクマ。ご褒美を所望するクマ」
提督「うっ…… な、何を?」
球磨「…… 作戦が終わった後、一日、球磨の奴隷になるクマ」
提督「…… 球磨」
球磨「提督、もしも出来ないなんてことになったら、球磨は許さないクマ」
提督「ああ。 わかったよ」
阿武隈「じゃ、じゃあ、球磨さんの後で、私も同じことを!!」
球磨「あ、うーん、阿武隈が先でいいクマ」
阿武隈「え?」
球磨「MVPの特権だクマ。骨抜きにしてやるといいクマ」
阿武隈「球磨さん……。ありがとうございます!!」
球磨「ふふん、いいクマ」
木曾「なら、俺は二人の後で、同じことをしてもらおう」
提督「…… ああ」
提督「なら、ちゃんと帰ってこなきゃな……」
球磨「当たり前だクマ」
阿武隈「そうですよ!!」
木曾「ああ」
翔鶴「提督ー? お電話ですー」タッタッタッタ
提督「ん? そうか。じゃあ三人とも、先に風呂入っておきなよ」
球磨「そうするクマー」スタタタ
阿武隈「OKです!」タッタッタッタ
木曾「ああ、そうだな」スタスタ
提督「んで、どこから?」
翔鶴「メガネ提督の所からです」
提督「…… 今行く」
提督「―― 一切の連絡を禁ず。と言ったはずだが」
メガネ『緊急だよ。緊急―― あ、お茶ありがとうございました…… うん、下がっていいよ』
提督「緊急? 何があった」
メガネ『明日、昼到着でもいいからこっちまで来てくれないかな。君に、緊急で渡したいものがあるんだ』
提督「お使いじゃダメか?」
メガネ『機密事項だよ。それに、君にしか使えない代物だ。うちの明石と夕張と妖精さんが頑張っちゃってねぇ……』
提督「…… それ、本当に緊急か?」
メガネ『そりゃもう。緊急も緊急さ―― んじゃ、明日、待ってるよ』
提督「―― はぁ、分かった。お前、モノに熱中するのは良いけど、程々にしとけよ?」
メガネ『やっぱバレるか』
提督「当たり前だ。明石と夕張と妖精さんとお前、だろ」
メガネ『…… それだけ分かって、なぜ鳥海の思いに――』
提督「何か言ったか?」
メガネ『うっせー鈍感尻尾野郎』
提督「ハッ、じゃ、明日な。この変態眼鏡フェチ」
メガネ『ちょ、お前なんでそのこと知tt――』プツッ ツー ツー
提督「…… 嫌な予感がするなぁ」
メガネ「よう、早かったな。んで、そちらは?」
若葉「若葉だ。一応、付き添いという形で付いてきた」
メガネ「ん、了解。それじゃ、ちょっと工廠まで来てくれ」
提督「了解」スタスタ
―― 工廠
明石「あ! 貴方が尻尾提督ですか! うわぁほんとに生えてる……」
メガネ「明石、いくら俺の友と言ってもお前からすれば初対面で上司に当たる。失礼な言動はよせ」
明石「は、はい! 失礼しました!!」
提督「いや、いいんだけど……」
若葉「提督はキレるとこの尻尾を叩きつけてくるぞ」
明石「ひ、ヒィィ」gkbr
提督「若葉…… 嘘か本当か分からない嘘はやめてくれ」
若葉「すまない。受けると思った」
提督「…… 若葉……」
メガネ「ほら、漫才は後にしろよ、こっちだ」
提督「ん、ああ」
メガネ「おっと、若葉ちゃんはここまでだ。こっから先はいくらコイツの部下でも、ホイホイと見せるわけには行かないんでな」
若葉「了解した。ここで待っている」
提督「ん、じゃ、行ってくる」
若葉「いってらっしゃい、提督」
提督「―― おいおいおいおい、マジか」
メガネ「マジさ。色々弄ってたらできた」
明石「―― 外装、装甲は私と夕張さん。内部構造は妖精さん。デザインが提督です」
メガネ「案外良く出来てるだろ? この『波動砲』」
提督「は、『波動砲』……」
メガネ「お前のその尻尾の中、四次元的な何かと繋がってるんだろ? よくわからないが、そこならこのデカブツも入る。そう思ったんだ」
提督「しかしこれ、反動とかヤバくないか」
明石「その点については、我が技術を全てつぎ込み、小口径の拳銃が持つ程度の反動にまで抑えました。威力も申し分ありません。大和さんが一撃で大破しました」ヤーマートー
メガネ「30%でな」
提督「」
メガネ「どうだ。使ってみるか」
提督「…… そりゃ、使わさせて頂くさ。よい、しょっと」シッポアングリ
明石「うわぁ……」グッチャバリバリグチャグチャ
メガネ「相変わらずグロいなぁ……」
提督「これがデフォ。仕方ないさ。ん、と、よし、入った」
メガネ「重さは?」
提督「感じない。大丈夫。異常なしだ」シッポクチアケ
明石「うおお、本当に入ってる……」
提督「打つときは? 何か引き金でもあるのか?」
明石「あ、妖精さんをなかに入れてあげてください。基本的に操作は艦載機や砲台を組み合わせた様なものなので」
提督「…… 了解」
メガネ「お代は作戦終了後請求する」
提督「相分かった……」
メガネ「うし、こっちの話は以上だ。何かあるか?」
提督「いや、特にないな」
メガネ「おう、お疲れさん。帰った帰った」バンバン
提督「―― 恩に着るよ」
メガネ「気にすんなって」
提督「じゃあ、若葉、帰るぞ」スタスタ
若葉「ん、もういいのか?」スタスタ
提督「………」ノシ
メガネ「………」ノシ
明石「友情っていいですねぇ」
メガネ「何の話だ」
明石「おふたりの話ですよー」
メガネ「口を慎め。次はフラック・ツヴィリングだ」
明石「お! いいですねぇ――」
若葉「何を貰ったんだ?」
提督「貰ったわけじゃないよ。後で請求するって言われた」
若葉「はは、あっちから電話付けておいて―― 悪徳商法だな」
提督「確かに」クスクス
若葉「で?」
提督「んー。『宇宙の彼方ー イースカンダルへー』」
若葉「宇宙戦艦?」
提督「の、主砲」
若葉「は、波動砲…… ?」キラキラ
提督「の、模造品」
若葉「それっぽいのが打てるのか?」キラキラ
提督「みたいだな。最大出力で大和を三人倒せるみたいだ」
若葉「おお……」キラキラ
提督「若葉、そういうの好きか?」
若葉「大好物だ!」キラキラ
提督(かわいい……)
球磨「あ、提督、おかえりだクマ」
提督「ただいまー」
若葉「ただいま」
初春「早かったの。どうじゃった?」
提督「…… 今ならワープ出来そうだ」
若葉「出来るのか!?」
提督「いや、出来ないよ?」
―― 決戦二日前夕食時
提督(そろそろ決戦の日だ。何かとほのぼのとした日常だった気がするが大丈夫だ)
提督(皆、理由はそれぞれだが戦意十分。私も早く、この馬鹿でかい主砲に慣れておかなければ)
若葉「―― 言いたいことはわかるが、今は夕飯中だ。その中で嫌な話をするのは皆嫌だぞ」モグモグ
提督「わかってる」モグモグ
――――――
提督「さて、そろそろだ。皆、覚悟は出来てるか?」
球磨「当然だクマ」
木曾「………」コクン
提督「…… 私個人から出す命令はただ一つ。今、ここで言わせてもらおう」
提督「全員、生きて帰ってくること。倒れた仲間を見捨てる事は許さない」
提督「何を甘いことを、と思うものも居るかもしれない。確かに、戦場ではそんな考え方はできない」
提督「だが、我々は決戦日、何をする? 戦うより、救うんだ。戦うのはその後でいい。私も私の役目を終えればすぐそちらへと加勢する。私がいれば百人力だろう?」
瑞鶴「一万人力くらい?」ハドウホウネ
若葉「十万人くらいじゃないか?」ハドウホウガアレバ
提督「救える命を全て救い、そこに蔓延る悪を潰せ。MK作戦は救う事を優先的に考える。救う側の君達が死ぬことは許されない」
提督「いいね。明日は全員休養及び戦意向上の為の一日とする。各自自由にしろ。君達は強い。大丈夫さ。この私に勝てるのだから」
球磨「…… それ、滅茶苦茶自信出るクマ」
阿武隈「―― やる時は、やるんだから…… ッ!」
提督「以上。解散だ」
―― フタサンマルマル
瑞鶴「―― と、いうわけで、今日は私がマッサージしてあげるわ」カァァッ
提督「むしろ、してやりたいくらいなんだが…… 大丈夫か?」
瑞鶴「いいのよ。翔鶴姉に叩き込まれた技術、ここで使わずしてどこで使うのか、よ」
提督「…… 分かった。よろしく頼むよ」ヌギヌギ
瑞鶴(ちょ、ちょっと、すごい…… い、いやそりゃあ軍人だから筋肉は付いてるでしょうけど、これは…… すごいわ)ドキドキ
提督「ず、瑞鶴? あまりジロジロ見られると、少し恥ずかしい」
瑞鶴「へっ!? あ、いや、そうよね! 始めるわね!!」アセアセ
提督「ああ、うん。どうぞ」グデー
翔鶴「―― で、どうだったの?」
瑞鶴「終わった後、頭撫でられた///」キラキラ
翔鶴「そう、それは良かったわね」ニコニコ
翌日マルキュウマルマル(朝食後) ―― 執務室
阿武隈「失礼しまーす」ソロソロ
提督「阿武隈か。どうした?」
阿武隈「その、お昼まで、一緒にいても、いいですか?」
提督「ん、いいよ」
阿武隈「! 本当ですか! ありがとうございます!!」ポスン
提督「―― 何も膝の上に座らなくても……」
阿武隈「朝潮ちゃんは乗せたのに、私はダメだって言うんですか?」ウルウル
提督「い、いや! 決してそういうわけではなくてだな――」アセアセ
阿武隈「でしたら、しばらく、このままで――」
提督「……… 了解した」ナデナデ
阿武隈「―― 今日は休日ですし、もっと撫でてください」
提督「ん」ナデナデナデナデ
阿武隈「……… ムフー」キラキラ
阿武隈「―― ハッ! ね、寝てました?」
提督「…………」スー スー
阿武隈「あ、提督も寝てる―― ヒトヒトマルマル…… あと少しだけ」スヤスヤ
初霜「………」ギリィ
若葉「阿武隈はあまり甘えれてなかったからな。我慢だ」ギリィ
提督「…… ん、寝てたか。ヒトヒトゴーマル。ちょうどいい時間だね」ノビー
阿武隈「ふぁ…… あ、提督起きました? あと十分ですね」ゴシゴシ
提督「ん…… 阿武隈が暖かかったから、よく寝れたよ」ナデナデ
阿武隈「えへへ、そうでしょ///」キラキラ
提督「うん……」ナデナデ
阿武隈「えへへ……」ホッペスリスリ
ヒトヨンマルマル 第三演習場
提督「さて、妖精さん。よろしくね」シッポクチガバァ
妖精さん「僕を選んでくれたんですね。提督のためなら、頑張ります」ヨイショ
提督「―― どう? 扱えそう?」
妖精さん『は、はい! なかなかハイテクな作りです。声も良く聞こえます。振動とかも感じません。あと、何故か外の景色が見えます!』(尻尾の中)
提督「外の景色が? なんでだ……」
妖精さん『さぁ……。これなら長時間ここにいても大丈夫です!』
提督「ん。じゃ、早速撃ってみようか。目標は木製のデコイ―― 前方150m 風向き―― とかはいいか。よいしょ」シッポカマエ
提督「よし―― 目標観測。出力を10%に抑えて」
妖精さん『りょ、了解!』
提督「―― 構え!!」
妖精さん『エネルギーチャージ 開始します! 3… 2… 1… 準備完了―― 早い!』
提督「…… 『波動砲』発射!!!」
妖精さん『発射!!』ガコン
クォォン ズガアアアアアアアアアアアァァァァン
デコイは犠牲となった。
妖精さん『い、今ので10%……』
提督「発射指示から一秒程ラグがあるね。まぁ、大丈夫だろうけど……」
若葉「…………」キラキラ
球磨「…………」キラキラ
木曾「…………」キラキラ
初春「提督が確実に人間離れしていっておるな」
瑞鶴「何を今さら」
提督「―― というわけだ。作戦にあった、本部へ行く私の護衛は必要ないね。私ひとりで行くから、救出の方は、全部頼む形になるけど、よろしく」
艦娘「了解!!」
―― お風呂、もとい入居ドッグ
翔鶴「提督。一つ提案なんですが」
提督「ん、なんだい?」
翔鶴「今日はみんなで一緒に寝ませんか?」
子日「あっ! はいはいはい!! 子日もそうしたい!!」
若葉「悪くない」キラキラ
提督「……… 君達がいいならいいけど」
翔鶴「本当ですか? よかった。私達の部屋、無駄に広いので、布団をいくつか持ってきて頂ければ一列で寝れますよ」
瑞鶴「そうね。無駄に広いものね」
提督「ん。了解した。布団を持ってそちらへ行こう」
球磨「球磨は提督の隣がいいクマ」
瑞鶴「そこは譲れないわ」
初霜「瑞鶴さん!? それ貴方が言うの!?」
フタヒトマルマル―― 翔鶴瑞鶴の部屋
提督「で、こうなるわけか」
阿木初瑞提球若子翔
武曾春鶴督磨葉日鶴
隈 ↑初霜を抱いている
阿武隈(わ、私は昼に一緒に寝てもらったし……)
翔鶴(ここは子供達に譲ろうとしていたのですが…… 瑞鶴…)
若葉(若葉に運がなかっただけだ…… 初霜…… 羨ましい)
木曾(あいつが近くじゃないのは寂しいが… 阿武隈、いい匂いだな)
初春(三人の姉として譲るつもりでおったのじゃが…… 瑞鶴…)
子日(うう、初霜羨ましいよぉ~……)
球磨(クマアアアア!!! 初霜、そこを退くクマアアアア!!)
瑞鶴(提督の背中、大きい…… 安心する……)
初霜()←頭真っ白
提督(大丈夫かな…… ?)
決戦当日―― マルヨンマルマル(早朝)
提督「じゃあ、翔鶴。私は先に動くから―― この子達のこと、よろしくね」ボソボソ
翔鶴「了解いたしました」ボソボソ
翔鶴「提督――」ボソ
提督「ん?」ボソ
翔鶴「提督も、必ず生きて帰ってきてくださいね」ボソボソ
提督「……… ああ」ナデナデ
MK作戦概要
提督→ 単騎で大本営に殴り込み。例の機関、又はそれに関係するもの、人間全てを潰す
艦娘達→ 他鎮守府の艦娘達と手を組み、現中将の鎮守府へと突入。三隈、プリンツを含む苦痛を強いられている艦娘の救出と中将の晒し上げ
提督「…… いくぞ」
妖精さん『はい!』
今回はここまでです。
次の更新で、最後までいけたらなぁ、と思います。
はい。投下していきます
MK作戦概要
提督→ 単騎で大本営に殴り込み。例の機関、又はそれに関係するもの、人間全てを潰す
艦娘達→ 他鎮守府の艦娘達と手を組み、現中将の鎮守府へと突入。三隈、プリンツを含む苦痛を強いられている艦娘の救出と中将の晒し上げ
提督「…… いくぞ」
妖精さん『はい!』
>>152
誤投下です。ごめんなさい
子日「今日は何の日? 決戦の日だよ」キッ
翔鶴「では皆さん、動きは先日の作戦通りです。これ以上の伝達はありません。行きましょう」
全員「はいッ」
翔鶴提督「「MK作戦―― 開始」」
―― 鎮守府出口付近
???「待ちたまえ―― 提督殿」
提督「―― !?」シッポカマエ
???「話はうちの妖精さんから聞いている。まずは、謝らせて欲しい。本当に、済まなかった」
妖精さん『誰ですか?』
提督「―― 元帥、殿」
元帥「君の様な存在ができてしまったのは、私の責任でもある―― すまない」
提督「今更、謝らないでいただきたい。ここで私を説得し、家に返すおつもりですか?」
元帥「いや、君を大本営まで送るつもりだ」
提督「…… 何が目的だ」
元帥「―― 私は、君が標的にしている機関の存在を知らずにいた。『第一大将』から『第四少将』までの人間で組織された、人体実験を主とし活動する機関の事を」
提督「…………」
元帥「それを知ったのはつい最近の事だ。同時に現中将の悪行も知らされた。足元が崩れていく感覚だったよ―― そこで、我が大本営にクーデターを仕掛けんとする者が居ることも知らされた。妖精さんからの情報だ」
提督「それで、私に協力を?」
元帥「大変不甲斐ない思いだ。ここで殺されようと、文句は言えない。だが、私が動くことはできない―― 奴らは、私の家族を人質に取っているも同然なのだから」
提督「…… 場所が、場所ですからね」
元帥「君の様な存在が不可欠なんだ。君からしてみれば、これほど腹の立つことはないと思う。だが、敢えて言わせて欲しい―― 私に、協力させてくれ」
提督「……… 妖精さん?」
妖精さん『僕は、信頼できると思います。ほら、元帥さんの肩の後ろ―― 何人か他の妖精さんが居ますし、妖精さんに好かれる人に、悪い人は居ないですし』
提督「私の気持ちの問題―― か」
提督「私が大本営の、例の組織を壊滅させたとして、その後、貴方は如何なさるおつもりですか」
元帥「君に決めてもらいたい――」
提督「―― ふざけるな!!」バァン
妖精さんs<ビクッ
提督「そんなのが、その程度の人間が私達のトップだったのか―― 失望を通り越して、呆れで文句の一つも出てきませんね。元帥殿。
もう舞台に貴方が立つべき場所はないんですよ。私が貴方に干渉することはないんです。ねぇ、元帥殿――
送りの車は結構。他にアテがありますので、ここで失礼させていただきます」スタスタ
元帥「―― そうか。私の役は、ここには無いのだな」
提督「…………」スタスタ
元帥「ありがとう―― 君から干渉することがないのなら、私から干渉しようじゃないか」
提督「…… 何を?」
元帥「―― これを、渡すつもりだった」ペラ
提督「………… これは―― 一体何のつもりですか。まだ私に失望するだけの希望が残っているとでも?」
元帥「そうじゃない。君の言いたいことは分かった―― 臨時だ」
提督「臨時…… ?」
元帥「私は、私自身の元帥の職を一時的に解く。その後任を君に任せる。そこから先、君は自分のしたい様にするといい。全てが終わった後、君が許してくれるのなら、再び自らに元帥の職を課す」
提督「仰っている意味が……」
元帥「無駄な犠牲は払いたくは無い。第一、君が好きに暴れられるのなら、これが一番だ」
提督「……… 私は貴方を許しはしない」
元帥「それでもいい。そのまま元帥の職を持ち続けるか、適任の誰かに渡せばいい」
提督「―― 本当に、煮るなり焼くなりの状態なのに、何故そこまで気丈でいられるんですか」
元帥「私の部下の責任が、私の首、命で支払えるものなら、幾らでも差し出す覚悟だ」
提督「……」チラ
妖精さん『………』コクン
提督「ふぅ…… やれやれ、分かりましたよ、元帥殿。貴方が思うようにしましょう」
元帥「…… いいのか」
提督「少なくとも私の知り合いに、元帥が務まるような器の人間は居ないのでね」
元帥「…… っ! ありがとう……っ」
提督「―― では、これで」
元帥「…… そこの角に、私の―― 貴方の使いが待っておられます、元帥殿。ご武運を」ペコリ
提督(臨時元帥)「―― ああ」スタスタ
大本営入口――
番兵「ここから先は、元帥殿の許可がない限り、お通しすることはできません」
提督「だから、通ると言っている」ペラ
番兵「……… っ!? こ、これは失礼しました! 元帥殿!!」
提督「次はない」
番兵「―― はっ!!」ビシィイ
妖精さん『提督?』
提督「ん、どうしたの?」
妖精さん『楽しんでない?』
提督「気のせい気のせい」スタスタ
提督「私が元帥だ」バァァァーーン
一同「アイエエエエエ!!?」
第一大将「…… まずいな」ヒソヒソ
第一中将「あの元帥殿は、確か――」ヒソヒソ
第一大将「我々を潰すつもりだろう―― 総員、戦闘配置」ヒソヒソ
大将直属憲兵「はっ!」ビシィィ
ダダダダダッ バタン
憲兵「元帥殿! お命頂戴!!」ババババ
提督「時代劇か」『試作51cm連装砲』<ドゴォォン
憲兵「グワーッ!!」
妖精さん『動き出しましたね』
提督「想定内だよ」タッタッタッタ
提督「おい。大将はどこにいる」シッポクチグパァ
憲兵「ヒッ…… あ、あああ、ち、地下―― 第四牢より続く地下室―― 」
提督「ふむ…… 思っていたより簡単に聞き出せた」<ドゴォォン グワーッ!!
妖精さん『向かいましょう!』
提督「ああ」
―― 第四牢
提督「…… 『波動砲』出力5%発射用意」フルフル
妖精さん『りょ、了解! 出力5% エネルギーチャージ開始―― いつでもいけます!』
提督(この先に、あの部屋と、奴らが居る―― クソッ、怒りでどうにかなりそうだ)
妖精さん『提督?』
妖精さん『―― 提督!!』
提督「―― !?」
妖精さん『―― 翔鶴さんのマッサージはどうでしたか!』
提督「…… え?」
妖精さん『どうだったんですか!』
提督「な、なぜ急に! しかもなんで知ってるの!?」
妖精さん『いいから! どうだったんですか!』
提督「き、気持ちよかったです!」
妖精さん『瑞鶴さんのマッサージは!』
提督「少し痛かったけど良かったです!」
妖精さん『球磨さんとの時間は!』
提督「とても過ごしやすかった!!」
妖精さん『木曾さんとの戦いは!』
提督「お互いの身にもなり、それでいて楽しかった!」
妖精さん『阿武隈さんと過ごした昼前は!』
提督「心地よかった!」(これもなんで知ってるんだろう)
妖精さん『初春さんの指揮は!』
提督「とても頼れるものだった!」
妖精さん『子日さんのカットインは!』
提督「勇ましくて、見とれるほどだった!」
妖精さん『若葉さんの目は!』
提督「どこまでも黒く澄んで、輝いていた!」
妖精さん『初霜さんは!』
提督「可愛くて、誰よりも優しい!」
妖精さん『貴方は彼女達が好きでしょう?』
提督「…… ああ」
妖精さん『貴方の帰る場所は、どこですか』
提督「―― あの鎮守府だよ」
妖精さん『そうです。こんなところで、我を忘れて暴れては駄目です。
ちゃんと、生きて帰らなきゃ、球磨さん木曾さん阿武隈さん―― それだけじゃない。みんな、妖精さんも、他の鎮守府に居る貴方の友達も―― あなたをずっと恨むでしょう』
提督「………」
妖精さん『生きるために―― しっかりやりましょう』
提督「―― ありがとう」
提督「目標前方―― 『波動砲』―― てー!!!!!」ズガアアアアアアアアアアアァァァァン
第一大将「な、何事だ!!」
第二大将「か、壁が!!」
提督「―― 大将二人、中将四人、少将四人―― これで全員か?」
第三少将「な、何を――」
提督「全員か、と、聞いている」ギン
第三少将「ひ、ヒィ……」
提督「質問に答えろォォ!!」ドゴォン(威嚇射撃)
第三少将「はっ、はひっ!!」ジョボボボ
提督「―― 懐かしいな、この部屋。といっても、あまり記憶にはないが―― 貴様らに対する憎しみ、怒りはしかと覚えているぞ―― !!」ゴゴゴゴ
第一大将「くっ―― ちゅ、中将!! 貴様の部下達はどうした!!」
第一中将「なっ―― 誰だお前は! 制圧した!? ふ、ふざけるな!!」(電話中)
提督「…… 詰みだ。貴様等。覚悟しろ―― 出力―― 最大!!!」
妖精さん『了解!! 最大出力でエネルギーチャージ! 完了まで10秒前――』
提督「…… 私は貴様等を殺したところで、この怒りが晴れるとは思っていない」<キュオオオオ
提督「だが、これ以上、私と同じ悲しみを背負う者が現れる事がどうしても許せない!!」<ゴゴゴゴゴゴ
提督「―― さらばだ、ゴミ共。この部屋の記憶共々―― 消えてなくなれ」<ドドドドドド
提督「発射!!!」
妖精さん『発射―― !!!!』
――――――――
その日、海軍大本営の地下より、青白く輝く一筋の光が、空の青に溶け込むように―― 海を照らしたという。
※ 艦娘sideは書く気力が起きないので、一部抜粋という形で書いていきます。
艦娘side
第三小隊
加賀「おかえり、彩雲。―― 偵察の結果、中将はこの鎮守府には居ないようね」
子日「じゃ、じゃあ、このまま突入してもいいんじゃないの?」
加賀「ええ。でも、安心は出来ないわ―― 慎重に進みましょう」
子日「うん……」
瑞鶴「まだ、彩雲じゃ見つけられない場所に潜んでいるかもしれない―― 地下、とか」
加賀「そうね。でも、ここの艦娘達の表情から見れば、察しがつく物よ」
神通「そうですね。一応、探照灯の準備をしておきます」
第四小隊
響「加賀さんの報告によれば、この鎮守府に奴の姿はないらしいよ」
川内「ふぅん…… と、すると、可能性は地下か、本当にここにいないか、だね」
初春「―― 妖精さん? なに、ふむ、どれ、ほぉ、なるほど―― 皆、聞いてくれ」
瑞鳳「え、なに?」
初春「元帥殿が、本日緊急で、第一大将から第四少将までの10人を大本営に集めているようなのじゃ。意図が読めぬが、らっきー、という奴なのかの?」
川内「じゃあ、本当に居ないって可能性が高いんだね」
初春「そうなるな。瑞鳳殿、皆に伝えて欲しい」
瑞鳳「ん、了解」
第五小隊
時雨「あ、加賀さんと瑞鳳から連絡―― 鎮守府に中将が居ない事が濃厚みたいだね」
翔鶴「そうですか……。気を引き締めつつ、突入の狼煙を待ちましょう」
扶桑「………」
山城「ね、姉様、大丈夫ですか?」
扶桑「満潮ちゃんがここに居るの。絶対に助けるのよ―― 一瞬たりとも、気を緩めちゃダメ」
山城「は、はい! 姉様!」
第六小隊
若葉「―― 連絡だ。要約すると、中将がこの鎮守府にいない確率がかなり高いな」
ビスマルク「そう。なら突入の狼煙を待つのみね。準備は万端―― 戦闘を、ここでしたくはないけれど」
初霜「そんなの、皆同じですよ―― それに、戦いに来たわけじゃないですし」
熊野「救いに来た、ですわ。戦闘は最小限―― 救出を最優先」
ビスマルク「分かってるわ―― ああ、いえ、Es tut mir leid(ごめんなさい) 少し、暑くなっていたようだわ」
若葉「無理もない―― けれど今は―― 冷静になる時だ」
ビスマルク「ええ」
第七小隊
北上「大井っち―― 大井っち――」ギリィ
球磨「バカ。落ち着くクマ」ベシ
北上「ぁう。あ、ありがと」ハッ
木曾「大井姉の名前を呼ぶのは、もう少し後だな」
多摩「―― 中将はこの鎮守府には居ないにゃ」
球磨「クマ? 本当クマ?」
多摩「その可能性が非常に高いにゃ。加賀と瑞鳳からの通信にゃ」
北上「そう―― ああもう、狼煙はまだなのかなぁ?」
球磨「今は落ち着くクマ。熱くなればなるほど、成功する確率が下がると思えクマ」ナデナデ
北上「……… うん。わかった」スゥッ
球磨「それでこそ球磨の妹クマ」
第八小隊
千代田「加賀と瑞鳳から。中将はここに居ない―― 可能性が濃厚の様ね」
阿武隈「そうなんですか!? ……」ボーッ
千代田「大丈夫? 阿武隈、なんだか顔色が優れないみたいだけど」
阿武隈「提督、大丈夫かなぁって思うんです」
霧島「―― あの人なら大丈夫よ」
阿武隈「え、霧島さん?」
霧島「あの人の顔、全然死ににいく顔じゃなかったもの。ねぇ鳥海?」
鳥海「―― はい。それに、あの人が貴方達を残して死ぬはずがないですよ」ニコ
阿武隈「…… そっか、そうだよね!」
千代田「元気出して、阿武隈!」
阿武隈「はい! 千歳さんも、プリンツさんも、榛名さんも、皆皆助けましょう!」
霧島「…… ええ」クスッ
千代田「そうだね」
鳥海「当たり前です」キッ
第一、第二小隊
長門「もう直ぐヒトフタマルマルだ―― 陸奥、待っていろ」
那智「羽黒―― 足柄…… すぐに行く」
妙高「那智、長門さん。貴女達がそんなのでどうするのですか? もっとしっかり前を向いてください」
長門「―― あ、ああ、すまない」
朝潮「第一、第二小隊以外の突入準備完了の合図が出ました。予定時刻まであと二分です」
金剛「ワタシ達もいつでも行けるネー…… 大丈夫デース…」スゥッ
比叡「金剛お姉さまと一緒なら―― どこへでも」
龍鳳「―― 大丈夫」
あきつ丸「では、狼煙の準備をするでありますよ」カチカチッ
長門「潜水小隊はどこに?」
朝潮「既に出撃口より潜入していると思われます。派手な動きもないので、問題は無いかと」
長門「―― うむ。では始めようか」
あきつ丸「了解であります」モワモワモワモワ
長門「第一、並びに第二小隊、先陣を切る!!」
※ ここに居ない艦娘は元の鎮守府の警備体制or 中将鎮守府の艦娘です
第一 長門 那智 妙高 朝潮
第二 金剛 比叡 龍鳳 あきつ丸
第三 加賀 子日 瑞鶴 神通
第四 響 川内 初春 瑞鳳
第五 時雨 翔鶴 扶桑 山城
第六 若葉 初霜 熊野 ビスマルク
第七 球磨 多摩 北上 木曾
第八 千代田 阿武隈 霧島 鳥海
――――――
響「―― こちら第四小隊。鎮守府一階西棟にて陽炎型駆逐艦を五人、島風を発見。精神に異常があるようだから、直ぐに救助するよ」
瑞鳳「響ちゃん!! こっちに第六駆逐隊の子が!」
響「―― っ!? すまない。またすぐに掛ける」ブチッ ツー ツー
時雨「良かった―― 夕立、春雨―― 無事で良かった……」
扶桑「満潮ちゃんは朝潮ちゃんが助けてくれたみたいよ」ツー ツー
山城「よ、良かったです……。姉様、続けましょう」
翔鶴「―― きゃ、白露さん!? 村雨さん!!」
時雨「!? 翔鶴さん、何があったんだい!?」
北上「うわぁぁーー大井っちいいいいいいい無事で良かったよォォおおお」
大井「あああああ北上さああああああああああん」
球磨「大井、蒼龍、飛龍を見つけたクマ―― 直ぐに救助に当たるクマ」ブツッ ツー ツー
陸奥「な、長門―― 来てくれた、のね」フラッ バタ
長門「陸奥!? おい! 陸奥!!」
朝潮「―― 了解。続けて救助活動に当たってください」 ツー ツー
朝潮「はい、こちら第一小隊。伊401とU-511の二人を―― はい。作戦通りに動いてください。はい」ツー ツー
妙高「は、羽黒!! なんて格好―― 早くこれを羽織りなさい!」
那智「あ、阿賀野型の四人を見つけた!! 誰かこっちに来てくれ!!」
金剛「榛名あああああああああああああああああ」
榛名「金剛お姉さまああああああああああああああ」
比叡「ひええええええええええええええええええ」
あきつ丸「感動の再会中申し訳ないでありますが、他の音が聞こえないであります」
神通「那珂……!! よかった、無事!?」
加賀「ごこうs―― いえ、瑞鶴。そっちはどうかしら」
瑞鶴「―― どっせぇい!!」ズガァン
加賀「!?」
瑞鶴「この部屋、鍵がかかってたみたいで―― ろ、牢獄!?」
子日「す、直ぐに開放しなきゃ!!!」
千代田「千歳お姉ぇええええええ!!!」
千歳「来て、くれた、の、ね―― ありがとう」ドサッ
千代田「お姉ぇ!? お姉ぇ!!」
阿武隈「…… 気を失ってるだけみたいです。貴女が来てくれて、安心したんでしょうね」
鳥海「重巡寮になぜ千歳さんが―― ? プリンツは、どこ…… ?」
霧島「は、榛名は大丈夫なのね!? 良かった……。こちらも千歳を救出。引き続き重巡寮の捜索に当たります――」ツー ツー
川内「―― いい動きするね。初春ちゃん、だっけ」スタタタ
初春「呼び捨てで構わないのじゃ。それより、この部屋は――」スルルル
川内「酷い臭い。きっとむごい事を沢山してきたんだろうね」
初春「………」ギリィ
川内「あの子は、綾波型の―― ?」
ビスマルク「レーベ! マックス!! 無事で良かった……」ギュー
熊野「最上! モガミン!!!」
初霜「も、最上さん!? 大丈夫ですか!?」
若葉「初霜! 初霜!!! こっちだ!!」
初霜「若葉! それより最上さんが――」
若葉「―― 三隈!!!!!!!」
朝潮「全員、いい調子で救出活動をこなせています。このまま行けば、日没までには完了するかと」
長門「ふむ…… そうか。ありがとう、朝潮」
プルルルルル プルルルルル
長門「…… 中将からか」
朝潮「出ますか?」
長門「―― ああ」ガチャ
長門「もしもし。ん? 陸奥? 陸奥なら救出中だ。ああ。この鎮守府は我々が制圧した。以上だ」ガチャ
朝潮「中将でしたか」
長門「やはり、ここには居なかったな。良かった」
朝潮「(From 第四)―― はい。地下独房…… ? はい、今すぐ向かいます!」
長門「―― 地下か?」
朝潮「ええ! 特に酷い状態の子が居るようです」
長門「向かうぞ!」
朝潮「はい――『ズガァアアアアアアアン』 ―― !?」
長門「な、なんだ!?」
朝潮「大本営の方から、ですね。あの人、やったんですね―― よかった」
長門「…… なら、我々は我々のすべきことをするんだ」タッタッタッタ
朝潮「はい!」タッタッタッタ
――――――
日没 ヒトキュウサンマル 中将鎮守府内艦娘 全員救助完了
瑞鶴「三隈ぁあああああああああ!!!!!!!!!!!」
三隈「瑞鶴さああああああああああああん!!!!!!」
三隈「みなさん…… ひっぐ、ぅえッ 、助けていただいて、ありがとうございましたッ……」ウエエエエエ
長門「当然のことをしたまでだ。それに、礼なら、貴様の司令官に言うべきだな」
朝潮「そうですね―― あの人がいたから、ここまで動くことができたんですから」
球磨「お、噂をすれば―― だ、クマ」
提督「みんな!!!」
阿武隈「提督ぅううう!!!!」<アッズルーイ!
提督「―― どうやら、もう終わったようだな」
長門「ああ。貴方のお陰だ。本当にありがとう」
提督「いや、私は君たちには何もしていないさ。ところで、第一中将―― ここの鎮守府の中将なら消してしまったけど、良かったかな」
中将鎮守府の艦娘全員「はいッ!!」ビシィイ
提督「ふぅ…… 何はともあれ、一段落、かな」
球磨「そうでもないクマ。メンタル的にやられてしまった子が多数いるクマ。その子達のケアも、球磨達の仕事だクマ」
提督「分かってるさ。とりあえず、みんな、元居た鎮守府に帰ろう。中将の所で建造された子達は少し私に付いて来てほしい」
艦娘「了解!」
提督「……… 君が三隈、だね」
三隈「はっ、はい! 提督! 今件は本当にありが――」
提督「いいんだ。大丈夫。もっと気楽に―― おかえり」
三隈「―― はい、ただいま帰りました」ニコ
球磨「さぁー、帰ったらあの提督の事を一から全部教えてやるクマ!」
三隈「あら、楽しみです!」クマリンコ♪
長門「本当にお疲れ様だった。提督殿」
提督「ああ。ま、今は元帥だけどね」
長門「は!? げ、元帥!? 元帥殿!!?」
提督「すぐに唯の提督に戻るさ。大丈夫―― 君の家族に、よろしく」
長門「はっ…… は! 了解しました!」ビシィイ
提督「さ、こっちだよ~」
<ゾロゾロ ゾロゾロ
元帥「やぁ、提督殿―― ありがとう。無事、作戦は成功したようだね」
提督「元帥…… ええ―― 妖精さん『みんな頑張ってくれていました!!』―― です」
元帥「ははは。そうか――」
提督「では、元帥職は返上させていただきます。この子達の行く先くらいは決めさせていただきますが」
元帥「構わんよ、『大将』殿」
提督「ええ、では―― え?」
元帥「大将殿。貴殿を今、この瞬間より、大将職とする。移動はしなくていい。あとは、この作戦に参加した鎮守府を全て教えてくれないか。皆に、この軍の再興を手伝ってもらいたい」
提督「…… ええまあ、私が(物理的に)壊したようなものですし、それには協力しますよ」
元帥「有難う」
提督「えーっと、それじゃあ、ここにクジがあります! 移動先に特に希望のない艦娘は、このクジを引いて、出た鎮守府に着任してもらいます! 質問は?」
??「あ、じゃあ、はい」
提督「ん、君は?」
最上「最上です。希望は、聞いてくれるの?」
提督「そりゃあ、聞きますよ。あるの?」
最上「じゃあ、提督の鎮守府がいいな!」ニッコリ
< アー!ワタシモー! アタシモー!
提督「ちょ、ちょ、ちょっと落ち着け―― 人数は均したいからな。しっかりと決めるぞ」
最上「僕ね、元中将の鎮守府で、三隈と会って、色々あったけど、お互い支え合いながら頑張ってきたんだ。だから、そんな三隈がずっと笑ってられる、貴方の鎮守府に行きたいんだ」
提督「おう、うん、分かった。最上は私の所に来い!」(号泣)
<ワタシモー! ワーワー! ギャーギャー!!
提督「だぁあああ! 私の所に来たい者はこっちこい! 全員入れてやる!!」
―― そこから人数で言えば皆それぞれ、提督の友達の鎮守府からまたその友達の鎮守府にまで移され、そこで新たな家族、仲間に迎えられた。
三隈と最上、また複数人の新規メンバーが入った提督の鎮守府は、さらにうるさく、それでいて楽しい日々が続くことだろう。
それぞれの胸の中にあったドス黒い何かは綺麗に取り除かれ、中将に対する恐怖心も段々と薄れていく日々。
彼らは、平和で青い海を眺めながら、その日々の永遠を願っている。
艦!!!!!!
くぅ~疲れましたw
暗めの本編はここまでです。
また空いた時間に、後日談というか、ただ艦娘とイチャイチャするだけの話を書こうと思っています。
見てくれた方、コメントしてくれた方、ありがとうございました!
誰かが見てくれていると信じて投下します
本編とは違って直書きでやっていくので誤字とか目立つようなると思います
―― 一週間後 司令室
提督「―― と言う訳で、新しくここの鎮守府に配属された子達を紹介する」
翔鶴「提督、口調が厳しいままですが…」
提督「ああ…。もう君らの前で変に取り繕う事はしなくてもいいと思ったからな」
翔鶴「そうですか……。少し、嬉しいです」
提督「ん、ならよかった」
提督「よーし、じゃあ右側から」
最上「… あ、僕? うん、僕は最上。三隈とはあっちで知り合ったんだ。
なんだか、いろいろな事情があるみたいだけど、仲良くしてくれたら嬉しいな」
三隈「モガミン…… !」
最上「えっ…… なんで泣いてるの」
提督「そういうのは後で頼むな。次」(涙目)
由良「…… 由良です。阿武隈の姉妹艦よ、よろしくね」
阿武隈「…… えへへ」
由良「」ニコ
島風「順番回ってくるのおっそーい!! 私、島風です! スピードなら誰にも負けないよ!!」
提督「………」
島風「…… ?」
長月「私の番… で、いいな? 長月だ。よろしく頼む」
弥生「弥生…… です。よろしく」
皐月「皐月だよ! よろしくねッ!!」
望月「望月でーっす」
提督「………」
皐月「どうしたんだい? 司令官、何か言いたいことでもあった?」
提督「―― いや、後で言う」
皐月「…… ?」
伊168(以下イムヤ)「潜水艦、伊168よ。イムヤでいいわ」
伊8(以下ハチ)「同じく、伊8、はち、って呼んで。言いにくかったら、はっちゃん、でもいいよ」
提督「…… 以上だ。それぞれ、部屋の案内を頼む」
艦娘達「了解!」
提督「それと、島風。部屋が分かったら私の部屋に来なさい」
島風「おう? 分かりました!」スタタタタ
子日「ちょ! 島風ちゃん早いよぉ~!!」タッタッタッタ
ハチ「…… イムヤ、準備しておこう」
イムヤ「え? 何の?」
ハチ「きっと提督は、はっちゃん達と、心を通わせようとしてる」
イムヤ「……」
ハチ「あの目、あの表情は、私達が無理をしているってわかってる目だった。
その中でも、一番殻を作っている島風を呼んだの」
イムヤ「―― なんだか、複雑な気分ね」
ハチ「そう。だから、準備をしよう。あの人と、ここの人達と、真正面から向き合う準備」
イムヤ「…… そうね」
バタン!
島風「はい! 島風、ただいま参りました!! どう? 早い? ねぇ(ダキッ)―― て、提督?」ギュウウ
提督「………」ギュウウウ
島風「ちょ、提督…… 苦しい、苦しいよ!」ウウウ
提督「…… 少し、こっちに来なさい」パッ
島風「う、うん」
島風(ベッドに座らされた……。何をされるんだろう―― 前と、同じ、なのかな…)
提督「待たせたね。梅昆布茶は、こういう日に飲むと芯があったまるんだよ」
島風「あ、ありがと……」ズズズ
島風「―― あ、本当だ」ホッコリ
提督「な? 俺はこのお茶が好きなんだ」ホッコリ
島風「へぇ…… あれ? 提督、今、俺って」
提督「まぁ、今くらいは素でも許されるだろ」
島風「?? うーん」
提督「…… 気にするなってこと」
島風「… うん」
提督「…… ここの鎮守府は皆、いい人だ」
島風「そうだね。子日ちゃんも、話しててすっごい楽しいの。
きっと、まだ話せてない子も、子日ちゃんと同じくらい、素敵な人だって思うの」
提督「ああ。皆、素敵な人さ―― だけど、昔はそうじゃなかった」
島風「そうなの?」
提督「言うほど昔じゃないが…… まだ俺がここに来たばかりの頃、まだ解決していない問題が作る壁が、皆と俺の間に出来ていた」
島風「へぇ…… どうやってここまで仲良くなったの?」
提督「正直に話したからだ」
島風「……」
提督「この尻尾のこと。これから自分がしようとしていること。それらをまとめた自分の闇を、全部あの子達に打ち明けたからだ」シッポブンブン
島風「……」
提督「初めは些細なきっかけだったが、段々と、お互いの事情がわかってきて、自然と距離が縮まったのさ」
島風「そう、なんだ」
提督「言いたいことはわかるな?」
島風「まぁ、うん。大体は」ウツムキ
提督「細かいことまで言わなくていい。でも、島風、君が自分自身を騙して、ここの誰かが喜ぶとは思えない。
元気なのは良い事だ。けれど、君の目がちゃんと笑っていないんじゃあ、ここに来た意味がないよ」
島風「でも、分かんないよ……。あそこのこと、思い出すたびに、周りの人が皆、敵に思えてきちゃって―― 私、独りぼっちになりっぱなしで。
あそこでも、そりゃ、天津風とか、雪風は沢山仲良くしてくれた。でも、それは同じ境遇の中の、意識の統一だって、思うの」
提督(難しい言葉知ってるんだな)
島風「だから、今、今ここにいる私のそばには、誰がいるの? 私、一人は、嫌…… 嫌!! あいつが来るの!! もう、嫌ぁ…!!!」
提督(余程の事をされて来たんだな。そりゃ、崩れるのも早いわけだ……)
提督「島風。手を握るぞ」
島風「え? (ギュ)…… あ」ダキヨセ
提督「そこじゃ不安だ。もう少しこっちに来い」
島風「う…… うん」ズイズイ
提督「…… そうだな。少し、黙っていよう」
島風「…… え?」
提督「沈黙は、言葉よりも沢山の事を相手に伝えるんだよ」
島風「…… ???」
提督「…………」シッポダキヨセ
島風「あ……」ギュウ
提督「……」ギュウウ
島風「………」ギュウウウウ
提督「……… 大丈夫だ」ボソ
島風「………」フルフル
提督「お前は独りじゃない。一人になんか、させやしないさ」ギュウウ
島風「…… っ!」ギュウウウウ
島風「うっ…… うわあああああああああああぁぁぁああぁあああぁん―― ああぁっ―― うう、ひぐっ―― 」ボロボロ
提督「俺を、俺達を信じるんだ、島風。ずっと周りにいる。ずっと近くにいる。そこにいて、暖めてやる」
島風「うんっ…… グスッ もっと、皆を信じてみる―― うん――」ポロポロ
提督「ゆっくりでいい。こればっかりはゆっくりでいい。島風、なぁ? 俺は暖かいだろ」
島風「うん、うん!! 暖かいよ、提督」ギュ
提督「お前が無理をすることはない。自分のしたい様に生きるんだ。皆が、側にいるから」
島風「…… うん!」
島風「―― ありがとう、提督。だいぶ落ち着いたよ」
提督「いや、少し強引かなと思ったが、上手く伝わってくれてよかった」ハハハ
島風「…… ね、も少し、このままでいいかな」モタレ
提督「ん…… ああ、いいぞ」モタレラレ
ドアの向こう
球磨「クマ…… 提督、やる男クマ」ブワァ
三隈「なるほど…… いい提督ね―― 感動しましたわ」ウルウル
最上「…… 僕も呼ばれるんだろうなぁ」ボーッ
球磨「どうしたクマ。まだ戸惑いがあるのはしょうがないクマ。気にすることはないクマ」
最上「ああ、ううん。そうじゃないんだ。ただ、ああやって一人一人と向き合って、その人と正面切って話すなんて、向こうでは無かったから」
三隈「そうでしたわね…。思い出したくもありませんが、確かに」
球磨「クマぁ……」
最上「なんだか、夢みたいに思えてきちゃってさ」
球磨「…… 提督が言ってたクマ。『ゆっくりでいい。こればっかりは、ゆっくりでいい』って。そのうち、何でもない幸せに慣れるクマ」
最上「そうかなぁ……」
球磨「球磨は思うクマ。幸せに慣れるってことが幸不幸のどっちかって。でも今は、はっきりと思えるクマ」
三隈「そうですわ… 幸せに慣れる程の幸福が、私達に訪れてくれる日が来るなんて――」ウルウル
球磨「…… 今日はゆっくり過ごすといいクマ。きっと食堂のカウンターで木曾と若葉が飲んでるクマ。あそこにでも行くといいクマ」スタタタ
最上「―― 行っちゃった」
三隈「…… あら、島風さんも寝てしまったようですわ」
最上「あ、本当だ―― あれ、提督も寝てない?」
三隈「ああ、あー、寝てますわね」
最上「―― 少し、楽しみ」ニコ
三隈「ですね」フフフ
>>187
おまたせ!梅昆布茶しかなかったんだけど、いいかな?
>>192
やめてくださいよホントに!
翌朝 食堂
弥生「ご飯…… おいしい」
木曾「そりゃよかった。作った甲斐があったってものだ」
皐月「え!? これ木曾さんが作ったの!?」
木曾「うちは大体当番制なんだ。慣れてきたらお前らも入れられるさ」
望月「えぇ…? まじ?」
翔鶴「そんな嫌そうな顔しないでくださいよ。これもここでは重要な役目ですよ」
望月「うぅ……」
提督「おはよう、みんな」ボケー
島風「おっはようございまぁーっす!!」ピョンピョン
木曾「おう、おはよう。提督は味噌汁だよな? 和洋同じ量作ったんだが」
提督「ん、味噌汁」ボー
木曾「おう、座ってろ」
提督「あい」
長月「だらしがないぞ、司令官。低血圧か?」
提督「んー、そうかも。何でもない朝はどうにも苦手で」
弥生「あ、分かる」
提督「おー、弥生は良き理解者だ」
長月「まったく……」フン
皐月「ね、ねね。島風、ちゃん?」
島風「おう? えーっと、皐月ちゃんだよね。どうしたの?」
皐月「―― その、昨日、司令官に呼び出しされてたよね。なにかされたの?」
島風「ううん! 何にもされなかったよ! というか、むしろすっごい優しくされたの!」
皐月「へ、へぇー…」(どうなんだろう…。まだちゃんと話せてないからなぁ)
瑞鶴「おはよ」ボッファ
提督「ブッ―― お前なんだその頭!ww」
瑞鶴「もう仕方ないでしょー? 翔鶴姉、今日は朝食当番だったし」ムスー
弥生「wwwwww」
望月「や、弥生が笑ってる……」
瑞鶴「ちょ、そんなに可笑しいかな…」
皐月「あはははは!! オーストラリアみたいになってる!!www」
瑞鶴「おー、すとらりあ? なにそれ…」
木曾「おう、待たせたn―― な、なんだその頭www」ブフー
瑞鶴「ちょ―― も、もう! 阿武隈に直してもらってくる!!」タッタッタッタ
提督「おう、さんきゅ、木曾。さて、今日も執務に始まり執務に終わるかな」
若葉「おはよう、皆。提督、手紙が届いている」ペラ
提督「おはよう、若葉。ん、なんだこれ、大本営からか…… 『演習を組む際の手続きの簡略化』ねぇ」
最上「はよー。えんしゅう?」
提督「ん、はよー。それ用の連絡網みたいな物を作るみたいだ。これまでは一々本営に回さないといけなかったからな」
最上「へぇ……。あ、じゃあ僕達の練度もそれなりに上がっていくんだ」
提督「まぁ、そうなるな…」パタム
提督「ん、味噌汁ウマー」ズズズ
ハチ「グーテンモルゲ…… ごめんなさい、間違えました。おはようございます」
イムヤ「ふぁあ~。おはよぅ」ボケー
弥生「あ、良き理解者の一人、じゃない?」
提督「… ? あ、そうかもな」ハハハ
イムヤ「???」
阿武隈「おはようございまーす。ごめんなさい、遅れちゃいました」
瑞鶴「……」///
翔鶴「おはようございます、阿武隈さん。瑞鶴? どうしたの?」
瑞鶴「いやぁ…… ちょっと恥ずかしくて」モジモジ
阿武隈「作ったときはあんなにノリノリだったじゃないですか!」
球磨「クマッ!? 誰だクマ!? あ、瑞鶴かクマ」トコトコ
提督「ん? なんだ、笑われたこと気にしてるのか? 悪かったよ」クマオハヨー
弥生「ごめんなさい……」
皐月「ごめんね…。ちょっと言いすぎたよ」
瑞鶴「い、いや、そうじゃなくてね! その、阿武隈に頼んだ結果っていうか…」モジモジ
初春「早う行け、後ろがつっかえておる」ドン
瑞鶴「」
提督「こ、これは」
翔鶴「まぁ、中々似合ってるじゃないですか」
瑞鶴「ううぅう……」(阿武隈ヘアー)
阿武隈「髪を手伝う代わりに、今日はその髪型で一日を過ごすことを約束したんです」
提督「面白いことするなぁ。よし、友のトコと演習を組もう」ガタッ
瑞鶴「は!? ちょ、ちょっと待って! いくらなんでもそれは――」
提督「うん? いや、ほら、演習が簡単に申し込めるみたいだから。まだ無敗のウチと戦えるならって承諾してくれると思うよ?」
瑞鶴「何の話!? 違うわ! 流石に恥ずかしいわよ!」
提督「瑞鶴、旗艦、よろしく」スタタタ
瑞鶴「へ!? ちょ、提督!? てーとくー!!!??」
ヒトヨンマルマル 提督鎮守府第一演習場
瑞鶴「」ズーン
翔鶴「げ、元気出して、ね? 瑞鶴」
瑞鶴「なんでよりにもよってあの人がいるのよ……」
加賀「――――」デデン!
瑞鶴「なんか視線を沢山感じるわ……」
加賀「―――― クスッ」デーデデデデン!!
翔鶴(笑った!?)
瑞鶴「」ブチッ
瑞鶴「―― もういいわ。開き直ってやるわよ。一航戦なんか叩きのめしてやる!!」メラメラ
阿武隈「私的にはとってもおっけーです」イライラ
木曾「髪型笑われて怒ってるな。そりゃそうか」
島風(練度60)「よーっし! 初戦、勝つぞー!!」ブンブン
三隈「くーまくーまくまくまりんこー♪」
木曾「あ、懐かしいなそれ。よく歌ってたな」
三隈「これを歌うと、不思議と集中できるんですよね」(練度79)
島風「皆強すぎない? 気のせい?」
勝利!!S テンテンテンテンテーンテーンテテテーンテーーン
瑞鶴(大破)「………」
阿武隈(MVP)「ま、まぁ、元気出して」ポン
瑞鶴「なによ…… 私ばっかり、面白いように狙ってくれちゃって」ブツブツ
提督「はっはっは、瑞鶴、災難だったな」
加賀「あら、五航戦。いい活躍だったわ。その髪型のお陰かしら」(←笑いこらえてる)
阿武隈「」イライラ
球磨「今は抑えるクマ。話がこじれるクマ」ガシッ
瑞鶴「開幕で大破した空母に言う台詞かしら。私個人としては敗北よ」ハァ
加賀(大破)「潔いのね。でも、まだ貴女が活動可能の状態だったら、完全勝利を取られていたかもしれないわ」
瑞鶴「そ、それって」
加賀「精進なさい、負けた私が言うのも何だけれど。それに、いい艦載機を任されているのだから、それに見合う働きをすべきだと私は思うわ」
瑞鶴「それは、まぁ、うん」
加賀「本日はありがとうございました、提督。またお願い申し上げます」
提督「ああ、またいつでも」
加賀「では」スタスタ
阿武隈「なに、あの人。いい人なの? 悪い人なの?」
瑞鶴「私にとっては、嫌な人ね」
阿武隈「私にとってもそうですね」
提督「あいあい。演習組は風呂入って来い」<ハーイ
最上「はぁー、凄かったなぁ、皆。僕なんてまだまだだ」(練度35)
提督「そんなことはない。これからやっていけばいいんだ。皆、最初から強かったわけじゃないさ」
最上「うーん、まぁ、そうだね。僕も頑張るよ! おーい、くーまりんこー!!」タッタッタッタ
提督「……… ふぅ」
ハチ「グーテンターグ」ニュ
提督「ぅお!?」
ハチ「みなさん、お強いんですね。はっちゃん、驚きです」
提督「はっちゃん達程じゃないさ。その練度―― すごい沢山戦ったってわけか」
ハチ「そうですね。ごーや、イムヤ、イク、はっちゃん、ろーちゃん。まるゆもたまに参加してました。もうあの海は見飽きましたね」(練度97)
提督「うちは資源にはあまり困っていないから、無茶はしないでもいいからな」
ハチ「…… ええ、ダンケ」
提督「ん」
夕暮れ 鎮守府正面小規模な波止場
提督「………」ボーッ
長月「――ん、司令官? どうした」スタスタ
提督「…… 長月か。いや、平和を見てた」
長月「ふふ、少し臭いぞ? 隣、いいか」
提督「…… うん」
提督「―― 長月、俺が怖くないのか?」
長月「うん? ああ、そうだな。確かに、まだ少し、恐怖は残ってる」
提督「…… そうか」
長月「けど、なんだろうな。あいつと比べて、見た目は化物なのに、心が安らぐ」モタレ
提督「化物ね…」モタレラレ
長月「気を悪くしたなら謝る。はっきりと物を言ってしまう性分なんだ」
提督「いや、いいよ」
長月「…… ふぅ。安心する。なんでだ? 本当に、安心するんだ。
去勢じゃないぞ。確信できる。けれど、この安心はどこからくるのだろう」
提督「安心は、そりゃ、自分の心からくるものさ」
長月「司令官…… ?」
提督「お前の口から出た言葉が真実なら、俺は嬉しいよ。俺もその安心に答えよう。全身全霊を持って、皆で平和を守っていこう。
約束するよ。大丈夫だ。もっと安心していい。もう少しだけ、俺を信じてくれ。海と一緒に、お前たちも守り続ける」ジッ
長月「―― 司令官……。 ふっ、はは、そういえば、初霜が言っていたな。素敵な人だって」
提督「初霜が? 嬉しいね」
長月「私にもそれがわかった気がする」ギュウ
提督「ん…… そっか」
長月「ふふ、暖かい」ギュー
鎮守府内廊下
弥生「」ジーッ
皐月「弥生? どうしたんだい?」
弥生「あれ」
皐月「んー? !?」
弥生「明らかに、長月の方から抱きついてる」
皐月「だよねぇ。長月って、ちょっと本能で動くみたいな所あるからなぁ」
弥生「後で、話を聞いてみよう」
皐月「そうだね」
望月「ん? 何の話ー? って、あれ長月じゃん。何してんの」
皐月「司令官に抱きついてる」
望月「やりおる。こりゃオールナイトコースだ」ハハハ
弥生「もっちーが何かにやる気を出してる……」
望月「た、たまには! たまには出す!」
皐月「で、何してたのさ」
長月「司令官の人間性を確かめていただけだ」
弥生「その割には楽しそうだったけど」
長月「良い人だと分かったんだ。楽しくてもいいだろう」
望月「それでも抱きついたりするかね」
長月「あの人の傍にいたいと思ったんだ……」
皐月「……」
弥生「……」
望月「……」
長月「な、なんだ」
皐月「ちょ、ちょっとトイレ!」
弥生「弥生も……」
望月「ついてく」
望月「あ、長月は自室待機で」
長月「あ、ああ」
ドア<バタァァァン
皐月「司令官、今いいかい!?」
提督「」ダキツキ
初霜「」ダキツカレ
弥生「初霜…… ちゃん?」
提督「い、いや、その、これはだな――」アタフタ
初霜「…… 最近執務の量が増えまして、今までだらけてきた提督には疲れてしまうのです。だから私でよければ、と」
皐月「癒しになる、と」
提督「はっ、初霜!」
望月「それでオッケーしたんだ」
提督「…… はい」
初霜「喜んで! と」
提督「初霜ぉぉ」
弥生「じゃあ、弥生も」
提督「…… W...What?」
弥生「弥生も、抱きついてみる」ダキー
提督「!?」
皐月「僕も!」
望月「私も…」
初霜「…… では、提督。おやすみなさい」
提督「は、初霜!? 初霜おおお!!」バタン
弥生「弥生を見て」グイッ
提督「ヒッ」
弥生「呼んで」
提督「…… ゃ、ゃょぃ」
弥生「聞こえない… 寂しい、です」シュン
提督「!!」
提督(そ、そうか。最初は何事かと思ったが、この子達なりに考えてここに慣れようとしているんだ。
だったら、それに答えない他はない)
提督「弥生」ジッ
弥生「うっ…… うん」
提督「その姿勢は辛いだろう。もっとこっち」グイ
弥生「あっ…… そ、そこだめっ」
皐月「姉妹の前でセクハラかい?」
提督「ふ、不可抗力だ!」
皐月「じゃあ、僕の名前も呼んで」
提督「―― ああ、皐月」
皐月「うん! 司令官♪」
提督「望月」
望月「うぐ… なんだよー。まだ私は何も――」
提督「心を読みました」
望月「こ、これが噂の……」
提督「この際だ。もっと近くに来い」ギュー
弥生「んっ……」
皐月「きゃ… く、くすぐったいよ」
望月「―― ん」(いい匂い…)
提督「よいしょぉぉ!!」ブン
弥生「きゃあっ――」
皐月「わわっ」
望月「――ッ」
弥生(べ、ベッドに投げられた!? や、やっぱり、お、襲うのかな…)
提督「どっこいせっと… 楽にしていい」
皐月「… ?」
提督「腹の中割って話そう。今の俺達にはそれが必要だ」
皐月「司令官……」
弥生「……」
望月(なるほどな…)
弥生「んっ…」オシタオシ
提督「え!? ちょ、うおお」タオサレ
弥生「…… そんな暗いことを語るより、お互いに体温を感じたほうが、いい、です」///
皐月「賛成~! とうッ!!」
望月「………」スススス
提督「…… おっしゃ、来るなら来い!!」
この日の夜は長かった。by長月
初春「のう、提督」
提督「なんだ? なにかあった?」
初春「最近構ってくれなくて淋しいのじゃ」
提督「のじゃ… って言われてもな」
初春「睦月型の四人、島風、最上、三隈、他にも若葉や初霜とイチャイチャと乳繰り合いおって… 妾だって貴様のことは――」
提督「…… ?」
初春「司令官として、そして、殿方として、慕っておるのに…」
提督「… !?」
提督「は、初春!? そ、それって!!?」
初春「なんじゃ、初めて言われたわけでもなかろうに…… 大げさなやつじゃ」
提督「―― 本当か?」
初春「だから、そう何度も改められると、こっちまで恥ずかしくなる!」
提督「初春……」ガシッ
初春「な、なんじゃ! もう!」
提督「―― 嬉しいよ」ウルウル
初春「は、は?」
提督「本当、嬉しい……」
初春「ま、まさか貴様… 初めて言われたのかや?」
提督「……」コクン
初春「」
初春「あのな、貴様。嫌いな相手に引っ付いたりすると思うかえ? のう、よく考えてみるとよいぞ」
提督「し、しかし、それだと自意識過剰とか言われないか?」
初春「…… 細かいところを気にしすぎなのじゃ。男ならもっと胸を張らんか」ハァ
提督「は、初春……」
初春「ん?」
提督「俺も好きだ…」
初春「…… うむ」
初春(だがきっとそれは、妾の想う『好き』とは違うのじゃろうな)
提督「違わないぞ」
初春「なっ!?」
提督「…… だが、俺は、出来ることなら、一人だけを愛したくはない」
初春「愛す…… のう」
提督「自分勝手な話だ。きっと、俺は幸せ者なんだろうな」
初春「ここに来たことが、貴様にとっても、妾達にとっても、最高の幸福じゃったのかも知れぬな」フッ
提督「はは、そうかもな」
提督「だが、今は大分平和だから、そんなことが言える」
初春「…… うむ、わかっているのじゃ」
提督「… そうだ、初春。少し出ないか」
初春「―― ふむ、よいぞ! どこへ行くのじゃ?」
提督「俺が、好きだったところさ」
初春「―― ふむ、良い趣味じゃ」
提督「だろ? よく来ていたんだ」
提督(初霜と若葉に不在中を任せて、初春と二人で、ある丘に来ていた)
提督「いつも海だからな。艦娘にとってもこういう所は新鮮だろう?」
初春「うむ…… なるほど、これは、よいぞ」
提督(昔、よく来ていた所だ。訓練所より少し離れた所。やたらと坂の多い田舎道の、丘の頂辺は、まるで人為的に、少しだけ開けている。
ヒトナナマルマル。ちょうど、この時間帯だった。薄羽蜉蝣が頭上を疎らに飛び、木々草々の匂いを含んだ空気を媒介にして――)
提督「夕日が見れる」
初春「…………」
提督「… 言ってくれてありがとう。初春」
初春「―― ふ、ふん! どうせ今言わなくとも、いづれ言っとったことじゃ」
提督「そっか。嬉しいね」
初春「…… こちらこそ、いい場所じゃ、連れてきてくれたこと、感謝しておる」
提督「特別だよ。誰にも言っちゃダメだ」
初春「ふむ! それもまた一興じゃの!」
提督「―― 沈み終わったな」
初春「一気に暗くなったのう」
提督「帰ろうか」
初春「そうじゃな。皆を待たせているからの」
提督「なんか帰り買っていこうかな。適当に」スタスタ
初春「うむ。妾は、なにか甘いものが食べたいのじゃ」
提督「ははは。分かった、コンビニでも寄ってこう。ほら、ヘルメット被って」
初春「うむ」
子日「あ! 提督、初春、おかえりなさい!」
皐月「おかえり!! それ何!?」
提督「留守番のお礼。食堂の冷蔵庫に入れておくから、風呂上がりにでも食べて」
子日皐月「「YEAH!」」ビシバシグッグ
初霜「あ、おかえりなさい。どこに行ってたんですか?」スタスタ
提督「ちょっと、良い所」
初春「そうじゃの。良い所じゃ」
若葉「ほう……」ビキビキ
提督「怒んない怒んない。居ない間なにかあった?」
初霜「いえ、特には」
提督「ん、そっか。ありがとね」ナデナデ
初霜「フッ!? あ、ありがとうございます」
若葉「……」イライラ
提督「若葉も、ありがと」ギュウナデ
若葉「んっ… 今回だけだぞ」
初春「それは妾が困る」
瑞鶴「ご飯できたわー。あ、二人共おかえりなさーい」
提督「お、今日は瑞鶴と球磨かな? 着替えてこよ」
初春「妾も~♪」
初霜「………」ギリギリ
若葉「…… あっ!」
初霜「どうかした?」
若葉「初めて抱きしめられた……」
初霜「ああ、若葉はまだだったのね」
若葉「もっとして貰おう」スタスタ
初霜「あ! ご飯が先よ!」スタスタ
食堂
長月「今日は木曾の姿が見えないようだが?」
提督「ああ、木曾は確か、女提督のとこに行ってるな」
皐月「女提督?」
翔鶴「作戦の時、私達に力を貸してくれた、提督のご友人の一人です」
皐月「へぇ! 会ってみたいな」
提督「あいつはマジでやばいから。やめとけ」
阿武隈「どういう人なんですか?」
提督「表向きは常識人だ。ショタコンであり、ロリコンでもあることを除けばな……」
最上「ははは、面白そうな人だね」
提督「最上はギリギリ大丈夫だ。だが、恐らく… 駆逐艦は全員アウト。次点で潜水艦」
ハチ「まぁ、見た目は幼いですから」
球磨「スタイルはダンチだけどクマ~」
瑞鶴「何か言ったかしら」
球磨「真実クマ。―― お、やっぱりこの味噌の量は正解だったクマ。球磨は天才クマ」
弥生「………」
長月「………」
皐月「………」
望月「だ、大丈夫。未来はあるって」
阿武隈「目が死んでますね」
初春「木曾は何をしに行ったのかえ?」
提督「なんでも、海外艦が来たみたいなんだ。ウチで一番物教えるのが上手い奴って言えば木曾だろ?」
翔鶴「確かに……」
若葉「そうだな」
提督「日本の文化だったり、今の現状や現実的な話をその子達に教えてくるらしい」
球磨「球磨も少しは教えられるクマ」
瑞鶴「球磨の場合は語尾で全部忘れちゃうわね」
球磨「仕方ないクマ。性分クマ」
提督「あとはまぁ、男性にまだ慣れてない子も居るみたいでな。
前の話でも、男に対して恐怖を抱いてしまった子の為に、木曾は沢山頑張ってくれたのがあってか、練習も兼ねてのお呼ばれだったってわけ」
子日「木曾さんはイケメンだから、仕方ないね」
イムヤ「私も何度か、助けられたわ」
提督「勿体無いなぁ。あいつ、男に生まれていればそりゃハーレムだっただろうに」
初春「ん゛ん゛ッ」
提督「―― ハッ」
若葉「ハーレム、か」ジトー
瑞鶴「何馬鹿言ってんのよ。箸が止まってるわよ」
提督「あ、ああ」ズズズ
翔鶴「提督は今の状況をどうお考えで?」
提督「」ブッフォァ
提督「どうって…… まだはっきりと分かってるわけじゃないし――」
初春「現時点で――」
提督「!?」
初春「現時点で、提督の事を好きだと言える者は手を挙げよ」
翔鶴「… あくまで敬愛です」チョイアゲ
瑞鶴「しょ、翔鶴姉と同じ、よ」チョイアゲ
球磨「クマぁ…」メソラシ ノ
阿武隈「はい!」ニコニコ ノ
初春「」ノ
子日「ハイハーイ!!」ノシ
若葉「」ノ
初霜「」ノ
長月「」ノ
弥生「」ノ
皐月「ま、まだちょっと、恋愛的な好きは分かんないな」ヘ
望月「まぁ一緒にいると落ち着くけど、皐月と同じ」へ
三隈「まだ一概には言えませんわ。もっと構ってくださいね」へ
最上「くまりんこといっしょー」へ
ハチ「もっとはっちゃん達にも構ってくれないと」へ
イムヤ「」へ
提督「うびゃあああ」
島風「ねぇ、好きってどういうこと?」
初春「球磨。教えることは得意なのじゃろう? 教えてあげたらどうじゃ」
球磨「クマッ!? 球磨に振るクマ!?」
島風「ねぇおーしーえーてー! はやくー!!」
皐月「僕にも!」
球磨「球磨はそういう心理的な物は苦手クマ……」
島風「教えるのおっそーい! ねぇ球磨ー!」
球磨「あぁもう分かったクマ! 北上の気持ちが少し分かったクマ…」
皐月「ん? なんのこと?」
球磨「こっちの話クマ。それにしても、『好き』かクマ」
島風「難しいの?」
球磨「人それぞれに価値観があるクマ。統一して話せるほど簡単なものじゃないクマ」
皐月「あ、じゃあ、さっき手を挙げた人達皆に聞こうよ」
球磨「名案クマ!!」ビシィイ
翔鶴「私の場合、好き、というより、信頼です。
出処は違えど、同じ志を持ち、共に戦った戦友。また、我が身を預ける上官でもあります。
提督はしっかりとやってくれていますし、私達のことをちゃんと、大切に思ってくれています。
そんな思いやりの強い人、嫌えっていう方が難しい気がしますが? ねぇ、瑞鶴」
瑞鶴「へ!? そのタイミングで私なの? ま、まぁ、大まかに言えば翔鶴姉と同じよ。
う、うー…… まぁ、この際だから言うけど、私は提督のこと、だ、男性としても見ることがあるわ!
た、たまにね!? 勘違いされると困るし、も、もうなにこれ! 恥ずかしい!!」
皐月「信頼、思いやり、嫌うことができない人、その人のことについて話すと恥ずかしくなる、男性としてみる」
島風「訳わかんない」
皐月「まだ二人だし、大丈夫!」
球磨「球磨は提督の、奥の方にある、何でもない優しさが見えた時、好きになったクマ。最初は面白いやつだ、って思って小馬鹿にしてたクマ。
皆が意識し始めたのは、きっと着任して間もない頃のお風呂だったと思うクマ。あれは傑作だったクマww
でもそれから、提督の過去と球磨達の過去が混じって、大変なことになったクマ。
球磨は途中で気づいたクマ。提督は恨みなんかじゃなくて、きっと、優しさで動いているんだって。
観察しているうちに、変に意識するようになったクマ。なんかもう、恥ずかしすぎて真顔になるクマ」
阿武隈「確かに提督は優しいです。日常の細かいところから、大切な場面での大一番でも、提督は常に優しいです。
本当は構うこともなかった私達を、一番に優先させているのが分かったのは初春型との演習の時でしたっけ。
もっと、この人のことを深く知りたい、と思ったんです。あと、一緒に寝た時、心地よくて、もう、それで、ね」///
島風「優しさ、心地よさ、意識かぁ。まだフワフワしてる」
皐月「こんがらがってきちゃったよ」
初春「妾は提督が妾達を本当に信頼してくれたところから、じゃ。
あまりそういったことは得意ではないのじゃが、この人は、どこか違ったのじゃ。
演習勝利の報酬として提督に撫でられた時、心が、なんだか浮かぶようじゃった。嬉しかったのじゃな、恐らくは」
子日「好きってなんなのかーって言われても、好きは好きって事だよ! としか言えないんだよねぇ。子日、あまり考えるの得意じゃないから…。
でもね、好きな人と一緒にいると、その全部が好きになるんだよ!
一緒にいる場所、時間、空気、声、景色。だから子日、この鎮守府が大好き! 提督はもっと好き!!」
皐月「あ、少しわかってきたかも」
島風「う、うーん……」
阿武隈「演習勝利の報酬…… ?」
球磨「すっかり忘れてたクマ」←(思い出した)
阿武隈「あ、ああ!! 思い出しました! 後でちゃんと提督と話しましょう……」
若葉「若葉は、若葉達の事を第一に考えていることがわかったとき、つまり、作戦を作っている時だ。
本当に一生懸命に考えてくれていた。表情には出さなかったが、心を打たれていた。
それからというもの、他の皆よりはアタックしていたつもりだったが、効果はなかった。
若葉は、提督になら何をされてもいい、提督といっしょなら何でもできる。若葉にとっての好きとは、そういう事だ」
初霜「私は提督の事が好きです。
簡単に言えば、若葉と同じ感じですか、難しいところですが。
そうですね、好きとは何か、と問われれば、その人を失う事が何よりも怖くなる、ということでしょうか。
ネガな考えですが、実際、そうだと思います。強いて言うなら逆もまた、その人が近くにいれば、それだけで嬉しくなる。ふふ、こっちが正解かもしれませんね」
島風「なるほど、なるほど」
皐月「率直でわかりやすいね。まだ僕の中ではフワフワしてるけど」
島風「私もー」
長月「私は本能的に、だ。昔から、好きになる奴と嫌いになる奴ははっきりしていたからな。
だが、これだけは言える。ここの鎮守府には嫌いになる奴は一人もいなかった。そんな人達が慕う人物が、悪人なはずはない。
それも踏まえて、私は司令官が好きだ」
弥生「変に、意識しちゃう、って、おかしい、ですか?
でも、司令官…… のこと、考えるとなんだか、顔がにやけてきて…… 幸せになる。
きっとこれは、好き、というやつなんだろうな…… って思った頃には、司令官のこと……」///
島風「大体わかった、かも」
皐月「弥生可愛い」
提督「ひとつ思ったんだが」
翔鶴「はい?」
提督「みんな、正直すぎじゃないか?」
初春「…………」
提督「初春、アウト」
初春「うぐっ」
提督「この私を前にして隠し事など不可能だ」
初春「… ちょこっと正直になる効果の香りをつけたしただけじゃ」
提督「本当か?」
初春「ほ、本当じゃとも! 妾だけ先に、というのは抜けがけのようで嫌だったのじゃ」
提督「…… ん、わかった」
初春「ホッ」
提督「二度とするな」
初春「しょ、承知した!!」
島風「てーとく! 私、あなたのことが好きみたい!! ふふっ、なんだか嬉しい!」
皐月「僕もだね! 大好きだよ! 司令官!」
望月「………」←(ずっと聞いてた)
提督「うぁ、嬉しい! けど、なんか、犯罪臭がすごい!!」
その日は皆で提督の尻尾に連なるように寝ました。
翔鶴「私は大丈夫ですから、提督は楽しんできてくださいね」
提督「ああ、ごめんな。任せた」
瑞鶴「任されたわ! 阿武隈、いってらっしゃい!」
阿武隈「いってきまーす! ほーら、提督! こっちです!」
提督「ああ、行ってくる」
翔鶴「行ってらっしゃい」ニコニコ
提督「ん、少し冷えるかな」
阿武隈「大丈夫です!」
提督「ん? 顔赤いぞ」
阿武隈「き、気のせいですよ! 早く行きましょう!」
提督「ちょいまち。やっぱタンデムはきついわ。車庫に車あるはずだから、それ出してくる」タッタッタッタ
阿武隈「あ! も、もう…… いいのに…」
提督「途中でガソリン入れないとな… よし、阿武隈、いいぞ」マドカラ
阿武隈「はーい」プクー
提督「え、何怒ってるの」
阿武隈「怒ってません!! 早く行きましょう!!」
提督「あいあい」
運転中……
提督「…… にしても、この季節にショッピングね。それも屋外」
阿武隈「いいじゃないですかぁ。それに今日は一日、提督は私の奴隷なんですよ?」
提督「はいはい。まったく、球磨みたいな事を言う」
阿武隈「私だって『クマ』ですし」エヘヘ
提督「はは、確かに」
阿武隈「―― でも、お店だけじゃなくて、すぐ横には温泉もあるんですよ?」
提督「そういえば、そうだったね。それは楽しみだ」
阿武隈「私もです!」キラキラ
阿武隈「―― 到着しましたぁ!!」バンザーイ
提督「したね」バタン、ピーピー
阿武隈「さ、行きましょう!」
提督「ん」
提督「―― いろんな店があるんだなぁ。服だけだと思ってた」
阿武隈「まぁメインは衣類ですが、アクセサリーとか、飲食店なんかもあります」
提督「あれ、来た事あるの?」
阿武隈「インターネットは便利です!」
提督「ああ…」
阿武隈「提督! これとかどうでしょう!」ニコニコ
提督「コート? 可愛いよ」
阿武隈「か… かわっ!? え、ちょ」///
提督「それにしても、全員分の土産となると少しかさむなぁ… 車で正解だった」
阿武隈「提督! この色、どうですか!?」
提督「うーん、阿武隈は髪色が綺麗だから、こっちの方が似合うんじゃないか?」
阿武隈「ほ、本当ですか!? ちょっと着てみます!」
提督「お! 模型屋とかもあるのか… ちょっと見てみよう」
阿武隈「あ、そっちの世界に……」
阿武隈「提督にはこのマフラーが似合いますよ!」
提督「そうかな? ま、阿武隈が言うなら信頼できるか」
阿武隈「えへへ、ありがとうございます!」
提督「… やっぱ宝石系は少し高いな」
阿武隈「でも大将なんて良い所にいるんだから、たくさん貰えてるんじゃないんですか?」
提督「……… そういうわけでもないのさ」
阿武隈「ふーん、よくわかんないな」
提督「俺もわからん」
提督(… お、あれは…)
阿武隈「屋内の席が空いていて良かったですね」
提督「ちょっと買いすぎだぞ…」
阿武隈「いいんです! 今日はハメを外したかったんです」
提督「まだ後に二人いるんだけどなぁ…」
阿武隈「うー、私と二人きりの時に他の子のことですか?」
提督「あ、あはは、悪かったよ」
阿武隈「ふふ、冗談ですよ、提督。もう直ぐお昼ですし、もうここで食べちゃいますか?」
提督「(めっさ怖かった)ん、んー。そうだな、頼んじゃおうか」
阿武隈「はーい!」ピンポーン
阿武隈「あ、提督、それ一口頂戴」
提督「お、おいおい、人前だぞ」
阿武隈「他人の目なんて気にしない物ですよ。ほら、早くー」アーン
提督「お前ってそんな奴だったか? はぁ」アーン
阿武隈「ふふ、美味しいです!」
提督「ん、そりゃ良かった」
阿武隈「…… あれあれ、提督? そんなに阿武隈の頼んだ物が気になりますか?」
提督「そんな事一言もだな…」
阿武隈「もう、仕方ないですね! ほら、口あけてください!」アーン
提督「………」アーン(諦)
阿武隈「ふぅー、美味しかった」
提督「ヒトサンサンマル。これからどうする?」
阿武隈「近くに暇をつぶせる場所があったはずです。日が暮れるまでそこで遊びましょう!」
提督「ん、わかった」
提督「―― 阿武隈、すまん、ちょっちトイレ」ガタッ
阿武隈「あ、トイレは店の外ですよ」
提督「ん、ありがと」タッタッタッタ
阿武隈(あ、反対方向だ)
提督「すみません、この石で、こう、これって出来ますか?」
店員「――」
提督「あ、じゃあお願いします! 何時頃出来ますかね?」
店員「――」
提督「え、今日中にやっていただけるんですか? それは良かった! 日が暮れた後、ですか? 大丈夫です」
店員「――」
提督「んー、一番良い物を使ってください。はい、ラッピングも。クリスマスカラーがいいですね」
店員「――」
提督「はい。それじゃあ、また来ます」
店員「――」
阿武隈「提督、遅いですよ!」
提督「ご、ごめん。道に迷って――」ゼェゼェ
阿武隈「ヒトサンヨンマル。さ、行きましょ、提督」
提督「あ、ああ」ハァハァ
提督(十分でここまで怒るかなぁ…)
阿武隈「あ! ここです」
提督「ゲーセンか…」
阿武隈「提督ってこういうの得意そうですよね」
提督「ん、UFOキャッチャーか。まぁ、得意な方ではあるが…」
阿武隈「あ、私、これ欲しいです!」(クマー)
提督「熊のぬいぐるみか。クマが四人になるな」
阿武隈「ふふ、そうですね」
阿武隈「提督ってもしかして、ゲームとか全般いけるタイプですか?」
提督「格ゲーは無理」
阿武隈「周回遅れで負けましたけど…」
提督「阿武隈壁に当たってばっかりだし……」
阿武隈「あ! この曲知ってます! これにしましょう!」
提督「ほ、ほんとに踊るのか?」
阿武隈「もうお金入れちゃったんですから、後戻りはできないですよ!」
ヅンデンヅンデンヅンデンヅンデン
提督「く… 踊れるけど! 踊れるけど!!」
阿武隈「楽しみです… ふふ」
<I’m a country girl, but you’re a super cityboy...テレレレレテッテー
提督「み、見られてる!」
<アノコカワイイー カレシ? オドリカンペキジャン
<Everyday wondering how I become your girl. Everynight, I’m feeling your body in my dreams...テッテーン
阿武隈「提督なかなかやりますね!」ブンブン
提督「」(もうヤケ)
<Please tell me now, how do you feel me? Please show me now...
阿武隈「そろそろアレですよ!」
提督「うおおおお」
<I will surely get your honest love...
阿武隈「」バッ
提督「」バッ
<Daisuke...
<カンペキダー オトコノヒトナイテル? コラ、ミチャイケマセン
阿武隈「ラスサビです!」
提督「」
<Everytime, everywhere, I will surely get your honest love...
阿武隈「」バッ
提督「」バッ(BAD)
<Daisuke...
<ア、オトコノヒトマチガエタ マチガエテル
提督「」
阿武隈「提督もまだまだですね」
提督「最後ポーズ違うんだよね… 久々だったから忘れてた…」
阿武隈「ヒトロクマルマル… もうそんなに経ちましたか…」
提督「楽しい時間ってのは、本当に直ぐに過ぎるなぁ」
阿武隈「… ですね」
提督(流石にまだ出来てないだろうな…)
提督「今度はこれやろう」
阿武隈「なんですか? あ、太鼓」
提督「まぁ、定番でしょ」
阿武隈「ですね」
提督「て言うか、なんでDaisukeの事知ってたの?」
阿武隈「くまりんこがよく聞いてたんです」
提督「」
阿武隈「提督! 最後にプリ撮りましょうよ」
提督「ん、いいよ」
阿武隈「あっはは! 提督の顔って落書きが映えますね!www」
提督「やめたげてよぉ!」
提督「よろしい、ならば戦争だ――」
阿武隈「あ、ちょっ、なんでそこばっかり弄るんですか!?」
提督「○レンチクルーラーみたいな…」
阿武隈「ち、違います!」
提督「日が暮れてきたな」
阿武隈「ヒトナナサンマル。どうしますか? 提督」
提督「そろそろ温泉行くか」
阿武隈「… あ、あの! もう少しだけ行きたいところがあるんです」
提督「今から?」
阿武隈「今からじゃないと、ダメなんです」
提督「ん、分かった。とりあえず、そのぬいぐるみと、ロッカーの中の荷物、全部車に運ぼう」
阿武隈「は、はい!」
阿武隈「ちょ、ちょっと買いすぎましたね」
提督「… だから言ったじゃないか」
阿武隈「だ、だって! 楽しかったし…」
提督「まぁ、それならいいか」
阿武隈「―― 私が行きたい所へはシャトルバスが通ってるんです。大体十分程度でいけるんですよ」
提督「ん、じゃあ乗り場まで行こうか」
阿武隈「はい!」
乗り場
提督「…… ちょっとトイレ」
阿武隈「ま、またですか!? バスが来るまであと十分だから、急いでください!」
提督「うん」スタタタ
阿武隈「早っ」
提督「ど、どうも」ゼェハァ
店員「――」
提督「あ、で、出来てますか!? ありがとうございました!」
店員「――」
提督「う、やっぱ結構するなぁ… はい、丁度です―― ええ、ありがとうございます」タッタッタッタ
店員「――」
提督「―― うげ、バス来てる」
阿武隈「提督ー!! 急いで!」
提督「おうよ!」スタタタタ
提督「な、なんとか間に合った……」
阿武隈「ヒヤヒヤしました」
提督「悪かったよ… それで、どこ行くの?」
阿武隈「うーん… 簡単に言うなら、庭園です」
提督「庭園?」
阿武隈「大庭園、ですかね」
提督「庭園に、こんなにたくさん、それもこんな時間に集まるの?」
阿武隈「着けば分かりますよ!」
提督「ふぅ…」
阿武隈「あ、見えました!」
提督「ああ、これが――」
阿武隈「イルミネーション、です」
提督「綺麗だ… 凄く―― 木々が、光って、まるで――」
阿武隈「感動してくれたみたいで良かったです」ニコッ
提督(大分冷えてきたな…)
提督「阿武隈、寒くないか?」
阿武隈「え? 私は大丈夫ですよ」
提督「でも、手袋もしていないじゃないか」
阿武隈「ポケットに入れておけばおっけーです!」
提督「……… ほら」
阿武隈「えっ… きゃ」ニギッ
提督「こうすれば、二人暖かいだろ」ニギッ
阿武隈「…… はい」カァァッ
提督「ずっと先まであるな… 周ろう」
阿武隈「はい!」
阿武隈「―― ここ、ちょうど折り返し地点みたいです」
提督「…… ここか」
提督(大きな木だ… 鎮守府とどちらが大きいだろう? それも満遍なくイルミネーションが施されている)
提督「綺麗だ」
阿武隈「そうですね」ボーッ
提督(ここなら、ちょうどいいかもしれないな)
提督「阿武隈」
阿武隈「はい?」
提督「鼻が赤いぞ」
阿武隈「さっ、寒いんだから仕方ないでしょ!」///
提督「まぁ、確かにそうだな―― こうやって笑っている時間が、好きだ」
阿武隈「提督?」
提督「復讐を考え続けてきた俺にとって、この時間は、幸せすぎる。居心地がよすぎてな…。
だから、一緒に悩んでくれた君達には、本当に感謝している」
阿武隈「……」
提督「好きだよ、君達が。だから、笑い合いながら、これを渡したい」
阿武隈「提督…… ありがとうございます」
提督「ああ、こっちこそ、いつも有難う」
阿武隈「… 少し、照れくさいですね」
提督「… だな」
阿武隈「戻りましょう」
提督「ああ」
阿武隈「―― 提督、手」
提督「ん」
阿武隈「ふふ――」
提督「ん、もしもし、翔鶴? うん、楽しんでるよ。そっちは大丈夫? そう、良かった。
なんでも、行きに使った道路で事故があったみたいで、日帰りは無理そうだから、ここで泊まっていくよ。うん、明日には帰れるよ。
じゃあ、何かあったらまた連絡して。ああ、埋め合わせはするさ、じゃあ」
阿武隈「おっけーでした?」
提督「うん、なんとか」
阿武隈「びっくりですね。すごい渋滞みたいです」
提督「大変だよなぁ」
提督「ん、畳の匂い」
阿武隈「落ち着きますね」
提督「翔鶴瑞鶴の部屋は畳が敷いてあるけど、このいい感じの狭さが無いからな」
阿武隈「ふぅ… ご飯にしますか? それとも最初にお風呂行きます?」
提督「風呂入ろう、寒くてどうにも…」
阿武隈「大浴場に行きますか?」
提督「どっちでもいいよ?」
阿武隈「部屋のお風呂にも、露天風呂があるみたいですよ」
提督「うん」
阿武隈「…… 一緒に入りましょ?」///
提督「…… うん」(かわいい)
阿武隈「あはぁ~…… 極楽ですね」
提督「だね」
阿武隈「ここからでも、イルミネーションがよく見えます」
提督「あ、本当だ。ん、あっちにあるのは… なんだろう」
阿武隈「なんでしょうね… 私には分かりません」
提督「気になるなぁ―― ………」ジー
阿武隈「!? な、なんですか?」
提督「阿武隈って、髪下ろすとそんな風になるんだね」
阿武隈「は、恥ずかしいです! やめて!」
提督「裸よりもそっちのが恥ずかしいのか……」
阿武隈「背中流しますよ」
提督「ん、ありがと。じゃあ中入ろうか」
阿武隈「はい! きゃー寒い!」
提督「うぅ~、天国と地獄?」
阿武隈「正にそれです」
阿武隈「尻尾ってこうなってるんですね」
提督「コンパクトでしょ」
阿武隈「不思議です」サワサワ
提督「くすぐったいから触らないで!」
提督「気持ちいいよ~」
阿武隈「提督って、体も引き締まってるけど、髪は中々硬いですね」ゴシゴシ
提督「そうかな? 男は大体そうじゃないかな」
阿武隈「んー、男を余り見たことがないので…」
提督「あ、そりゃそうか」
阿武隈「流しまーす」
提督「うぃ」ザパーン
提督「洗ってもらったお返し」
阿武隈「あ、ありがとうございます」///
提督(阿武隈の髪、本当に綺麗だな…)
提督「痛くないか?」
阿武隈「…………」ボケー
提督「大丈夫か…」
阿武隈「か、体は流石に恥ずかしいですッ!」///
提督「いや、何も言ってないよ?」
阿武隈「いい湯でした~」ホカホカ
提督「ほんとね。じゃあ飯行こうか」ホカホカ
阿武隈「はい!」
5-3と眠気には勝てなかったよ…。
すみません、続きは明日にでも……。
阿武隈「なにか、演歌歌手? 来てますよ」
提督「え、誰?」
阿武隈「一航加賀美… だそうです」
提督「きっと知らない人だ。BGMにでもしておこう」
阿武隈「そうですね。あ! バイキングみたいになってるんですねぇ~。プリンもありますよ!」
提督「へぇ、美味しそうだ。炊き込みご飯もあるのか!」
阿武隈「好きなだけ取って行っちゃいますね」
提督「続くよ」
阿武隈「おいひ~♪」キラキラ
提督「ああ、この季節は豚汁が身に染みる…」
阿武隈「あ! 始まりましたよ」デデン!
提督「ん、本当だ」(あれ、どこかで見たことあるような…)
阿武隈「美味しかったですぅ~! 部屋戻りましょ」
提督「そうだな」ヨイショ
阿武隈「… なんだか、夫婦みたいな感じですかね?」
提督「んー、何かといえば、長年付き合っているカップルみたいな?」
阿武隈「カッ…… カップr」///
提督「自分で言っておいて何照れてんの」
提督「うん、いや、部屋はひとつしかないし、すごく広いわけじゃないのはわかるよ?
でもなんで、布団を一つしか敷こうとしないの?」
阿武隈「提督、前は一緒に寝てくれたじゃないですか」
提督「あれとこれは別だと思うんだが」
阿武隈「一緒です! ささ、こちらへ」ソソクサ
提督(そういう店に来てるみたいだ…)
提督「まぁいいや。諦めて寝よう」
阿武隈「やっとその気になりましたね! ふふーん あったかいです!」
提督「ああ、暖かいな」カラダソムケ
阿武隈「…… 提督、こっち向いてくださいよ」
提督「う… やっぱそうしなきゃダメか」
阿武隈「なんだか、さみしいです」
提督「… 分かったよ」クルッ
阿武隈「」
提督「」
阿武隈「えへへ、不意打ち成功です!」ニコニコ
提督「」
阿武隈「て、提督?」
提督「… こ、このことは、二人だけの秘密にしような?」(若葉辺りにバレたら殺される)
阿武隈「ええ! 分かってます!」(バレたら球磨さんに殺されそうですし)
阿武隈「―― 提督?」
提督「…… ん?」
阿武隈「………」
提督「… どした」ネムイ
阿武隈「… 好きですよ」
提督「… ああ」
阿武隈「そ、その… 提督、今日は、ありがとうございました」
提督「ん」
阿武隈「とても楽しかったです… もう、戻れなくなるくらい」
提督「……」
阿武隈「だから、このまま終わるの、何だかとても、とっても寂しいんです。最後に――」
阿武隈「もう少しだけ、思い出を作りませんか?」///
提督「………」
阿武隈「………」ボシュウウ
提督「……」
阿武隈「… あれ」
提督「………」スヤァ
阿武隈「… もう、馬鹿…」
翌日―― 早朝
阿武隈「提督、朝ですよ」
提督「んぁ…… ああ… ああ……」マブシイ
阿武隈「早く帰らないと、皆に愚痴愚痴言われそうですね」
提督「…… それもそうだな… 起きます」ムクリ
阿武隈「どうせなら朝食も食べていきましょう」
提督「… ああ。顔洗ってくる」
阿武隈「いってらっしゃーい」
阿武隈(そういえば、提督は何をくれたんだろう…?)
阿武隈「綺麗なラッピング… 開けるのもったいないかな」ガサガサ
阿武隈「… いいや! 開けちゃえ!」ビリィ
阿武隈「―― これって…」
提督「ん、目が覚めた。おはよ、阿武隈」
阿武隈「―― お早うございます、提督」キラキラ
提督「あ、それ… 気に入ってくれたかな」
阿武隈「はい! とても! ありがとうございました!!」キラキラ
阿武隈の指には、彼女の瞳と同じ色をした石が輝いている。
三月の誕生石、アクアマリンの指輪だった。
阿武隈「誕生日、覚えていてくれたんですね」
提督「誕生日に渡すべきかと思ったけど、丁度いい機会だったし」
阿武隈「えへへ、綺麗だなぁ」ウットリ
※ どの指に付けられているかはご想像におまかせします。
阿武隈「提督、大好きです!」
提督「俺もだよ、阿武隈」ナデナデ
こうして提督の、阿武隈の奴隷となった一日は過ぎていった。
若葉「… 初霜、事件だ」
初霜「え? どうしたの?」
若葉「さっき提督が帰ってきた時に気がついたが、阿武隈の指を見てくるといい」
初霜「指? … ちょっと行ってくるわ」
若葉「卒倒するなよ」
初霜「…… !? !? …… !?」キュー
阿武隈「は、初霜ちゃん!? どうしたの!?」
初霜「ゆうべはおたのしみでしたね……」ガクッ
球磨「阿武隈なんて嫌いクマ。まさかそんな所まで抜けがけするとは思わなかったクマ」
木曾「俺がいない間に…」
阿武隈「ち、違いますよ! こ、これは――」
翔鶴「あら、阿武隈さん、その指輪、綺麗ですね」ハイライトオフ
阿武隈「ヒッ」
初春「~~~~~ ~~~~~」ナンダーラカンターラ
子日「アイヤアアアアアアア アエエエエエエエ ネエエエエエエノオオオオオオオ」ドロドロドロドロ
初春「ヒイイイイイイイイイイイイイイヤアアアアアアアアア」ドコドコドコドコ
子日「ヒイイイイイイイイイイイイイイヤアアアアアアアアア」ドンドコドンドコ
初春「キイイイイイエエエエ!!!!!」
子日「ネノヒダヨォォォォォォ!!!」
阿武隈「な、何してるの?」
初春「貴様が自分の名を二度と正しく書けなくなる呪いをかけておるのじゃ」
子日「右に同じだよ」
阿武隈「だ、だから! これは違うの――」
島風「阿武隈… 私よりはやい…」
長月「力さえあれば! 力さえあれば!」
弥生「……… 怒ってなんか… ない… です…」
皐月「抜けがけはやっぱりズルいよ! 初春子日! 僕も入れて!」
阿武隈「ちょ、も、もう!」
初春「アアアアアアアアアアアアアアアアア!!!」
子日「ブウウウウウウウウウウウウウウウ!!!」
皐月「クウウウウウウウウウウウウウウウウ!!!」
三人「「「マアアアアアァァァァァアアアアアアアア!!!!」」」
阿武隈「ヒィィッ」
瑞鶴「何、このカオスな部屋」ガチャ
阿武隈「ヒッ ず、瑞鶴しゃん!」
瑞鶴「… それ、綺麗ね。よかったじゃない、誕生石でしょ?」
阿武隈「は、はい…」ビクビク
瑞鶴「何ビクビクしてんのよ。私は大丈夫よ? さっき提督に聞いてきたし」
阿武隈「へ? 何をですか?」
瑞鶴「提督は、今、誰か一人だけを愛すつもりはないってさ。だから、その指輪も、そういう意味は含まれてないのよ」
阿武隈「そ、そうです! そうなんですよ!! 瑞鶴さぁん…」ブワァ
瑞鶴「『丁度いい機会だからあげた』って言うのも、提督らしいっちゃらしいわよね」フフ
阿武隈「瑞鶴しゃあああああん!!」ウワアアアン
初春「なんと… そうじゃったのか… そうとは知らず、一子相伝の呪術を使ってしまうところじゃった…」
子日「よ、良かった… はぁ、何だか子日、疲れたの日」
瑞鶴「他の子の事も心配しなくていいわよ。皆の誤解を今、提督自身が解いて周っているところだから」
阿武隈「は、はぁ… これで殺されずに済みます…」
瑞鶴「…… でもま、別の件がバレでもしたら、無事じゃ済まないかもね」ハイライトオフ
阿武隈「……… へ?」
瑞鶴「…… きっと、貴女がこの鎮守府で初めてのはずよね? 提督とキスしたのって」
阿武隈「」
瑞鶴「…… ふふ、心配いらないわ。私はもう許しているし」ハイライトオン
阿武隈「え…… ? なんでですか?」
瑞鶴「―― 初めてじゃなくても、キスはできるでしょ?」ポッ
阿武隈「え? あ、あー…」
島風「おっ そーーーー いぃぃぃいいイイ」バッシュウウウ
皐月「は、早っ!?」ガタッ
長月「力さえあれば! 力さえあれば!!」
弥生「長月… 行くよ」ガタッ
阿武隈「初春ちゃんと子日ちゃんに至ってはもう居ないし」
瑞鶴「ま、これで落着とくればいいけれどね」フゥ
阿武隈「お騒がせしました」
瑞鶴「騒がせたのは提督よ。今頃体中キスマークだらけね」
阿武隈「あ、あはは…」
望月「―― いいじゃんか! ここの皆にしたんだったら私にもしてくれてもー!」
提督「い、いや! 流石にそれは! 捕まっちゃう! 僕憲兵に捕まっちゃうよ!」
望月「元帥が計らって憲兵就けてないんでしょ!? 知ってるんだよ!」ウガー
提督「うッ…… な、なぜそれを!」
望月「いいから! ほら! んーーー!!」
提督(かわいい)
提督「う…… わ、分かったよ…」ススス
バタン!!
島風「あ! やっぱり! 皆とキスしてる!!」
提督「」
望月「チッ」
提督「ちょ、君達はやばいよ! 駆逐艦はやばいっすよ! う、うわああああああ――」
阿武隈とのデート編 艦!
5-3クリア出来る気がしない…
デイリー建造で初はっちゃん来ました。ありがとうございます。
書いていきます
イムヤ「………」
ハチ「どうしたの? 暗い顔してる」
イムヤ「―― ここ、何だか変」
ハチ「変?」
イムヤ「心を開きすぎよ… 皆、信頼しすぎだわ」
ハチ「イムヤ……」
イムヤ「…… ごめん、こんなこと、はっちゃんに言ってもダメよね」
ハチ「い、いいの! はっちゃんは大丈夫だから」
イムヤ「私、少し部屋にいるわ」スタスタ
ハチ「イムヤ…」
ハチ「提督」シュバッ
提督「机の下から!?」
ハチ「ちょっとお時間、いいですか?」
提督「あ、ああ。いいけど」
ハチ「次は球磨さんとデートの様で」
提督「何をされるかわからんけどね」
ハチ「その前に、少しだけイムヤと、話してくれませんか?」
提督「イムヤと…?」
ハチ「まだ… その、貴方のことを、ちゃんと見ていないんです。理由は、大体察しがつくと思うけど…」
提督「確かに… 今一番距離があると思うな… 近いうちに話そうと思っていたが、いい機会だ。今から行ってくる」
ハチ「え? でも、執務は」
提督「心配いらない」
ハチ「そ、そうですか」
提督「…… イムヤ、居るか?」コンコン
イムヤ「居ないわ」
提督「………」
イムヤ「………」
提督「………」
イムヤ「………」
提督「…… 入ってもいいかな」
イムヤ「………」ガチャ
提督「イムヤ… ?」
イムヤ「女の子の部屋、そう簡単に入ろうなんて、少しデリカシーが無いわ」
提督「あ、ああ… すまない」
イムヤ「で、何?」
提督「―― 少し、話さないか」
イムヤ「………」
提督「そんな露骨に嫌な顔しないでも……」
イムヤ「… わかったわ。命令に背いた罰とか、受けたくないし」
提督「そんな事しないって」
イムヤ「場所は用意してもらえるかしら」
提督「ああ」
イムヤ「提督の部屋?」
提督「寝室だな」
イムヤ「………」
提督「話するだけだって」
イムヤ「もし違ったら憲兵に突き出すわ」
提督「どうぞお好きに」
提督「適当に座ってくれ」
イムヤ「散らかってるわけでもなく、特別綺麗なわけでもない… 評価しにくいわ」
提督「そりゃどーも。これ、島風が好きなお茶だ」
イムヤ「………」
提督「怪しまないで」
イムヤ「」チョビッ
イムヤ「… 独特な味ね」
提督「寒い時、身にしみるだろ」
イムヤ「確かに… でも、あまりたくさんは飲めないわ」
提督「うん? そうか」
イムヤ「それで? 司令官、何の話をするの?」
提督「ん、距離感だ」
イムヤ「………」
提督「別に、俺のことを好いてくれと言う訳じゃないぞ」
イムヤ「ええ」
提督「はっちゃんも、少し気にしていた。距離を開けすぎだ」
イムヤ「…… 余計なお世話よ」
提督「そうか」
イムヤ「ええ」
提督「うちは出撃も少ないし、大体はこの地区の警戒警備だから、潜水艦にとっては少し退屈かもな」
イムヤ「… それは、まぁ、暇なのはたまに辛いわ」
提督「ちょっと、無理しすぎだ。イムヤ」
イムヤ「無理? 私がそれをしているって?」
提督「ああ。イムヤ、お前の目は綺麗だ」
イムヤ「な、何よ、急に」
提督「綺麗だからこそ、動きがよく見える」
イムヤ「………」
提督「とくに俺は、この尻尾もあるし、人の感情が見えやすい。俺を前にする隠し事は、大体通用しない」
イムヤ「だ、だから何なの?」
提督「…… ずっと思っていたんだ。イムヤ、本当に、辛かったんだな」ポロポロ
イムヤ「……」
提督「お前と話すのに、これだけ時間が空いたのは、済まなかったと思っている。もっと早くに話すべきだった。
けれどな、俺も、俺の準備が必要だったんだ」
イムヤ「司令官に? どうして?」
提督「―― 島風の時も、そうだった。睦月型の子達は、形は違ったが、俺を理解してくれた。
イムヤ、お前の目が、俺には怖い」
イムヤ「司令官?」
提督「それじゃあ、誰であれ、『司令官』を信頼する事なんか、出来ないよな」
イムヤ「……」
提督「イムヤ、話に応えてくれたこと、感謝する。今すぐに慣れる訳が無いし、それも辛いことだから、少しずつ慣れてくれるといい」
イムヤ「………」
提督「これからはもう少し、多めに話を絡めていくよ。その中で、きっと、壁も、なくなっていくと思う」
イムヤ「―― 余計な、お世話、よ」
提督「………」
イムヤ「私は、好きでやってるの。大丈夫よ、嫌いになっても、仕方ないわ、こんな嫌な性格だものね。
距離感とか、そういうの、分からないわ。私は好きに、自分のやりたいようにしているだけ。そっちが勝手に言ってるだけよ」
提督「イムy――」
イムヤ「司令官、私達にコミュニケーションは必要かしら? 私はそうは思わないわ。さっきも言ったでしょう? 警戒警備。
やるべきことがあるじゃない。それを二の次にして、私と、私達と仲良くしようって、なんだか、違うわ」
提督「違くない」
イムヤ「違うわよ!」
イムヤ「私達は兵器! 形は人間だけど、兵器なのよ!? ねぇ、司令官! 楽しい? 兵器とこんな話をしてて」
提督「―― 少なくとも今は、楽しくはないな」
イムヤ「そうよ! それが普通なの! なんで艦娘に心なんか与えたのかしら? 必要性が見当たらないわ」
提督「イムヤ」
イムヤ「大体、この形だってちゃんちゃらおかしいわよ。深海側がああだから仕方ないけれど、それだってまた別の形があったと思うわ」
提督「―― イムヤ」
イムヤ「どうして私は生まれてきたのかしら。こんな格好で、海に出て、戦って、傷ついて。それが兵器? 兵器なら、心なんかいらないわ」
提督「イムヤ!」
イムヤ「私なんか、生まれてこなければ良かったのに」
提督「イムヤ!!!」ガシッ
イムヤ「痛いわ、司令官。何をするつもり?」
提督「本心か?」
イムヤ「え? ええ、そうよ」
提督「『私なんか生まれてこなければ良かった』って、本気で言ってるのか?」
イムヤ「何よ、しつこいわね! 本気だってば!」
提督「勝手に終わらせてんじゃねぇよ!」ガシッ
イムヤ「… っ!?」(顔が、固定されて――)
提督「お前、そんなの、自己満足じゃねぇか! それで終わってんじゃねぇって!」
イムヤ「こ、声が大きいわ… 耳が痛い」
提督「お前みたいな馬鹿にはこれくらいしないと伝わらないからな!」
イムヤ「う、うう…」
提督「お前がそう思うことで、悲しむ奴はたくさんいるんだ! わかるか!?」
イムヤ「わ、分からないわよ! そんな薄っぺらな言葉並べられても!!」
提督「まず、俺が悲しむ」
イムヤ「な、なんでよ! せっかく来た潜水艦だからかしら?」
提督「お前だからだよ!!!」
イムヤ「くっ…」ガンガン
提督「お前はもう、ここに居るだけで仲間なんだ! 大切な人なんだよ!
兵器なんかじゃねぇ! そら、お前が自分を悲観してるのを見て、楽しいわけねぇだろうが!」
イムヤ「………」
提督「俺がお前らを助けようとした理由がわかるか!?」
イムヤ「… な、何よ」
提督「俺の仲間が、それを望んだからだ!!」
イムヤ「な、何よ、それ…」
提督「俺だってずっと、奴らを恨んできていた。だけど! ここの連中は、それを受け入れ、さらにそっちの事情も打ち明けてくれたんだ。
信じるから、信じてくれ。そう言われた気分だった。それから過ごした何日もの間は、急に距離が縮まったように、幸せな時間だった」
イムヤ「… だから何よ」
提督「俺の仕事は、ここの警戒警備と、お前たちと共に過ごすことだ!」
イムヤ「………」
提督「いいか! よく聞け! 未来を勝手に諦めているお前を、俺が全部受け入れてやるから! お前の負荷を、ちゃんと請け負ってやる!
俺が、お前を幸せにするんだ!
それが俺の使命だ! お前達を助け出した俺の使命だ! だから、勝手に終わらせてんじゃねぇよ! まだまだこれからだろうが!」
イムヤ「… し、司令官」
提督「熱くなってるからこのまま行くぞ。お前を、お前達を愛してる! これは使命じゃない、俺が好きでやってることだ。
だから、それに答えるかどうかは、お前が決めていい。好きにするといい。けれど、お前を幸せにするのは俺の使命だ! お前は、自分の未来を信じろ!
勝手に止めるな! 周りの幸せを拒むな! いいな! 未来を、拒むんじゃねぇぞ」
イムヤ「未来、を」
提督「… 少し熱くなりすぎた。イムヤ、君の過去は、それは本当に辛いことだっただろう。さっきの君を見ていればわかった。
だけど未来は? これから先、俺や皆が居る環境の中で、君はまだ、そうやって拒むつもりかな」
イムヤ「………」
提督「それじゃあ、辛いままだ。何も変わらない。結局は自分なんだよ、イムヤ。君を縛っているのは過去であり、君自身だ」
イムヤ「…… わよ」
提督「イムヤ?」
イムヤ「わかってるわよ…」
提督「イムヤ…」
イムヤ「ずっと、ここに来て、皆が打ち解けていく様を見て、分かったわ。私が、私自身を拒んでいるって。
ごめんなさい―― ごめんなさい、司令官。でも、まだ、少し怖いわ」
提督「ああ… 大丈夫だ。時間ならあるさ、皆居るんだ、徐々に慣れていけばいい」
イムヤ「司令官…… わ、私…」プルプル
イムヤ「私がッ… 幸せになっても… いいの、かなぁ?」
提督「ああ……」ダキッ
イムヤ「―― もう、私が私じゃなくなってたの。自分は兵器だって、心を持ってはいけないってずっと言われ続けてた…。
やだ、暖かいよぉ… もう、なんで―― 司令官、もう一回、言って? 私に、幸せになっていいって、言って?」
提督「―― イムヤ… 幸せになっていいんだ。ここは、皆が受け入れてくれる。大丈夫だ。一緒に、幸せになろう」ギュウ
イムヤ「……………」ダキッ
提督「… ずっとここに居ていいからな、イムヤ」
イムヤ「―― イムヤのこと、嫌いになったら、許さないから」クスッ
ハチ「イムヤ!」バタン
イムヤ「えっ!? ちょ、はっちゃん!? ハッ… ちょ、司令官離れて!!」///
提督「うぉお、お、おう」
ハチ「イムヤ!」ダキッ
イムヤ「はっちゃん…」
ハチ「ごめん、そんなに思いつめてたなんて… はっちゃん、気が付かなかった… ただ、その場の空気に慣れてないだけだと思ってた」ウワーン
イムヤ「な、なんではっちゃんが泣くのよ」
ハチ「イムヤアアアアアアアア」
イムヤ「…… ごめんなさい、心配かけたわ…」
提督「…… ふぅ」ヤレヤレ
三隈「提督は熱くなるとあんなこと言っちゃうんですね」クスクス
提督「み、三隈!? ど、どうして――」
三隈「どうしてって、ねぇ?」
球磨「途中からほとんど、提督が叫んでたところは丸聞こえだったクマよ。全員扉の前で聞いてたクマ」
提督「なん…… だと……!?」
三隈「モガミンはいい笑顔で聞いてましたわ。きっともう、モガミンも貴方を信じてくれますよ」
提督「そ、そうか… それは良かった」
三隈「もちろん、くまりんこもね♪」
提督「み、三隈?」
三隈「今度、また、ちゃんとお話しましょうね、提督」
提督「あ、ああ」
島風「ふっふーん。イムヤ! よろしくね!」
イムヤ「え? え、ええ」
島風「だってさー、これまでのイムヤ、目が怖かったもん。話しかけるなー! って感じでさ」
皐月「そうそう! ここの鎮守府じゃ同期なんだし、潜水艦の事も教えて欲しかったけど、なんだか話しかけづらくてさ」
イムヤ「…… うん」
弥生「―― よろしく」
長月「ようやっと、正面を向いて話せる」
初春「わからないことは、なんでも聞いてくれてよいぞ」
子日「提督の熱弁に感動したの日! イムヤ、よろしくね!」
若葉「またライバルが増えるのか。いや、まぁ、仕方がないか。イムヤ、お互い、頑張ろう」
初霜「やっと、信じ合えますね。嬉しいです」
阿武隈「提督…… 素敵」ボーッ
木曾「ああ。イムヤ、よろしく頼む。ここは良いところだ」
瑞鶴「ここに居る皆はもう、家族なのよ? 遠慮せず、好きなことをすればいいわ」
翔鶴「はい。私はこうなってくれること、ずっと待っていました。私では何もできないですから、提督には感謝で一杯ですね」
球磨「潜水艦が信じてくれるって、とっても心強いクマ。イムヤは幸せに、ちゃんとなれるクマよ」ナデナデ
イムヤ「はうぅ… ありがと…」
望月「いやぁ、ま、あそこはやっぱひどかったけどさ、長月の言う通り、ここはすごくいい場所だよ。提督には甘え放題だしね~」
提督「その誤解を招く言い方は辞めてもらいたい」
望月「あれ? さっきあんな大声で、愛しているーって言ってなかったっけ?」
提督「そ、それとこれとはだな――」
望月「嫌なの?」
提督「そ、そういう訳じゃなくてだな! ―― ほ、ほらな? 皆、君との幸せを望んでるんだよ」ニコッ
望月「逃げた」
球磨「逃げたクマ」
イムヤ「ふふっ…… 私、バカみたい。一人で勝手に、自分が幸せになれないって思い込んでばっかで…」
ハチ「さっきまで馬鹿でも、これからは違うでしょ? イムヤ」
イムヤ「…… ええ。皆、ありがとう!」ニコッ
球磨「で、こうなるクマか」
イムヤ「司令官♪ これ美味しいわ! はい、あーん」デレデレ
提督「あーん」(みんなの視線で死にそう)
ハチ「イムヤ、良かったです。提督、ダンケ」
阿武隈「それ、私が作ったんだけどな……」
木曾「なんで向かいの席に座ったんだよ俺…」
球磨「球磨は次の予定があるから大丈夫クマ。大丈夫じゃないのは最近ほっとかれてる駆逐艦sだクマ」
若葉「」ギリギリ
初霜「」ザクザク
阿武隈「初霜ちゃん!? それ缶詰だよ! 包丁で開けるものじゃないよ!」
子日「最近子日達に構ってくれてない… 淋しいの日」
島風「むー…」
皐月「今日は別にイイけどね。イムヤにとって特別な日だろうし」ツーン
弥生「皐月、言った事と表情が噛み合ってないよ」
皐月「うっ、うるさいなぁ」カァァ
長月「」イライラ
望月「この筑前煮うっま! 阿武隈流石!!」ガツガツ
皐月「もっちーに至ってはヤケ食いしてるし」
望月「そ、そんなんじゃねーし!」
球磨「提督、球磨には行きたい所があるクマ」
提督「うん? どこ?」
球磨「提督の生まれ故郷だクマ」
提督「あー… うん、分かった。何もない田舎だけど、いいよ」
球磨「やったクマー♪」
阿武隈(その手があったか……)
木曾(くそ! 先に言われた)
若葉「提督はどこで生まれたんだ?」
提督「A県T市。ここから少し遠いな」
初霜「…… A県のどの辺りなんですか?」
提督「前足」
初霜「あー」
常滑?
>>279
大型ショッピングモールができましたが、そこではありません。
例のごとく執務放棄提督ですまない……
提督「懐かしいなぁ」
球磨「田舎の匂いがするクマ。心地いい匂いだクマ…」
提督「まぁね。最近は田舎自体少なくなったけど」
球磨「開発とかクマ? よくわかんないクマ」
提督「君が気にすることじゃないな」
球磨「クマー… あ、あれ! 公園クマ? いきたいクマ!」ピョコピョコ
提督「お、いいよ。行こうか」(かわいい)
球磨「クマ! 川が流れてるクマ! 提督、早く来るクマ~」
提督「うっわ、懐かしい…」
球磨「おー、ステージクマ? 貸切クマー!」
提督「あはは…」(くっそかわいい)
球磨「提督の家はどの辺クマ?」
提督「ここのすぐ近くだよ。でも、引っ越した後に取り壊されちゃったんだけどね」
球磨「そ、そうなのかクマ」
提督「… そろそろ昼だね、ご飯行こっか」
球磨「クマー!」
球磨「海鮮丼下さいクマ」
提督「アジフライ定食で」
店員「かしこまりましたー」(クマ?)
球磨「ここにも来たことあるクマ?」
提督「昔ね。もうその時の店主じゃないみたいだけど」
球磨「時代の流れクマ」
提督「だね」
球磨「お、おいしいクマ…」キラキラ
提督「味は変わってないなぁ… 美味しい」
球磨「て、提督のも中々おいしそうクマね」
提督「おう、美味しいよ」
球磨「……… 気づけクマ! 一口くれクマー!」
提督「はいはい」アーン
球磨「」アーン
球磨「おー… なんだか、懐かしくなる味だクマ」
提督「球磨はコメンテーターの才能でもあるんじゃないかな?」
球磨「そ、そうクマ?」
提督「冗談クマ~」
球磨「じょ、冗談って…… ま、真似するなクマ!!」
球磨「次はどこに行くクマ?」
提督「んー、身内に会うのは恥ずかしいしな。どうしよう」
球磨「引っ越したっていってたクマ。ここから遠いクマ?」
提督「いや、車で二十分くらいかな」
球磨「行きたいクマ!」
提督「んー、分かった。じゃあ行こう」
球磨「ここの車通りは少ないクマね」
提督「平日の昼間だしね。そんなもんさ」
球磨「そんなもんクマか」
球磨「クマ!? クマ注意の看板クマ?」
提督「似てるけど、あれは狸だな」
球磨「一瞬でよくわからなかったクマ…」
提督「ん、そろそろ見えるぞ」
球磨「クマ?」
球磨「く、クマー…… 海クマ…」
提督「俺たちにゃ、見飽きてる物だけどな」
球磨「あそことここじゃ、全然違うクマね。向こうの方、大きな工場が見えるクマ」
提督「今の季節は、海沿いは寒いかなぁ… どこ行こう」
球磨「提督がまた行きたいところでいいクマよ。球磨は提督が見たいクマ」
提督「よくそんな事を恥ずかしげも無く言えるね…」
球磨「本当のことを言っただけクマ~」
提督「―― んで、とりあえず学校に来てみた」
球磨「ここが提督の母校クマ? 綺麗なところクマ」
提督「改装されたからね。誰か先生居るかな?」
先生A「―― あれ、もしかして提督(名前省略)くん?」
提督「ああ、A先生。ご無沙汰してます」ペコ
先生A「久しぶりね~。元気してた? そこの子は?」
球磨「妻だクマ」
提督「私の部下です。有意義で楽しい毎日を送れていますよ」
先生A「そ、それは良かった。職員室にT先生がいるから、挨拶してきたら?」
提督「あ、まだいらっしゃったんですね! 行きます行きます」
球磨「T先生クマ?」
提督「三年の頃の担任。受験で世話になったんだ」
球磨「提督の恩師クマか!」
※書くの忘れてましたが、一応高校のつもりです。
T先生(以下T)「…… ああ、提督か!」
提督「ご無沙汰していました」
T「少しくらい連絡してくれてもいいだろう? 時に死亡したって噂も流れたし…」
提督「昔の話です。ご心配をおかけしました」
T「親御さんの件、残念だったな。後から、軍から報告があったよ」
提督「……… 今は、この子達がいるので」
球磨「」クマ?
T「いい職場だな」
提督「この上ないくらいに」
球磨「優しそうな人だったクマ」
提督「怒ると角が生えるんだ」
球磨「お、鬼クマ!?」
提督「俺も怒られたっけなぁ… 懐かしいや」
球磨「いいクマねぇ… いつか完全に戦いが終わって、球磨達を縛る物が無くなる日が来るなら、やっぱり、学校に行きたいクマ」
提督「ある程度の知識は持っているとは言え、そうだよな」
球磨「クマァ… まだまだ時間あるクマ。どうするクマ?」
提督「砂浜行ってみようか。寒いけど」
球磨「あ、じゃあ、どこか服を売っている店に行きたいクマ!」
提督「ん、この辺はしま○らくらいしかないぞ」
球磨「くらいなんて言っちゃ駄目クマ!!」
球磨「ほら、ちゃんと暖かくて可愛いのがあるクマ。提督、謝るクマ」
提督「ごめんなさい」
店員「」ナニガ?
球磨「あ、これ、いいクマ」
提督「ん? ちょっと長すぎじゃないか?」
球磨「これで良いんだクマ! お会計クマ!」ウガー
提督「ああはいはい。これお願いします」
ガチャリン
球磨「提督、先にトイレ行ったほうがいいクマ。球磨は行ってくるクマ」
提督「うん? うん、わかった」
球磨「たまには束縛するのもいいクマね」ボソッ
提督「あの、球磨ちゃん? これ結構歩きづらいし、それなりに恥ずかしいんだけど?」(一つのマフラーを二人で首に巻いてる)
球磨「阿武隈との熱い夜を捏造してもいいクマよ」
提督「そりゃ従うしかないわー」アセアセ
球磨「クマ、提督はお利口さんだクマ」ナデナデ
提督「く…球磨?」(あ、これ結構いいかも…)
球磨「…… あまり綺麗な海じゃないクマね」
提督「まぁ… 俺達の所と比べればね。それでも、結構綺麗な所さ」
球磨「そうクマ? 球磨達が他の海を見たことないっていうのもあるかもだけどクマ」
提督「中にはスライムみたいな所もあったりな」
球磨「えッ!? そ、それはちょっと気になるクマ」
提督「俺の勝手なイメージだよ、気にしないで」
球磨「なんだ、冗談クマか」
球磨「海風が少し、冷たいクマね」
提督「球磨といるから暖かいよ」
球磨「……… そういうのはずるいクマ」
提督「ん、マフラーの話ね」
球磨「提督なんて嫌いクマ」ギュウウ
提督「ごッ ごめん! 締まる! 首締まってるから!!」
球磨「少し歩くクマ?」
提督「この先の小さな店にね、ちょっとした楽器が置いてある所があるんだ」
球磨「楽器クマ? 提督は何かできるのかクマ?」
提督「金管楽器と打楽器ならね。部活でそれなりに」
球磨「へぇ~、意外な一面クマ」
提督「客が居なかったらフリーで触らせてもらえるし、いい機会だ、何かやってみるといいよ」
球磨「おお! セッションクマ?」
提督「だね」
球磨「やる気出てきたクマ!」
店主「いらっしゃ…… おお! 提督くんか! 懐かしいな… あれ? ずっと前に君の葬式に出たぞ?」
提督「実は生きていました~」
店主「」
球磨「声を失っているクマ」
提督「仕方ないか…」
店主「―― あ、もしもし? うん、実はさ――」
球磨「電話してるクマよ?」
提督「まぁ、構わんさ」(諦観)
友A(以下A)「―― おいおい! 提督! なんで連絡よこさないんだ!!」(号泣)
友B(以下B)「そうだよ! どれだけ私達が心配したか――」(上に同じ)
友C(以下C)「もう、お前の中音が聞けないって思うだけで…… くそぅ!!」(ry
球磨「集まってきたクマ」
提督「だね。んで、ここを抑えるとG、つまりドレミのラが出るんだよ」
球磨「プアーッ おー、これがラクマ?」
提督「それはミだね」
ABC「無視か…」
球磨「もう分かんないクマ! 提督が吹いてくれクマ!」
提督「えー? 仕方ないなぁ」
球磨(あ、あれ? これって間接KISSとかいう奴クマ?)ドキドキ
B「提督のユーフォ(金管楽器の一つ。中音楽器です)久しぶりだなぁ」
C「早く!」
提督「~~~~ ~~~ ~~~~」
球磨「う、歌ってるクマ… 楽器が歌ってるクマ!!」
A「ーーー ~~~ ーー」(ウッドベース)
提督「! ~~ ~~~~」
A「ーーー ーーーー」
球磨「し、自然な流れでセッションが始まったクマ… これが音楽の素晴らしさかクマ…」
店主「君もこれならいけるでしょ?」つマラカス
球磨「く、クマ! おじさん、ありがとうだクマ!!」シャカシャカ
C「~~~ ~~~~」(カホン)
B「~~~ ~~~~」(ピアノ)
球磨(あ、この曲知ってるクマ。三隈がよく歌ってた奴クマ)
店主「When the night♪ has come♪」
球磨「!?」
※この曲にユーフォ要らなくね? という方はなんとなく想像してみてください。本当にいらないです。
提督「~~~」
球磨(提督の音はなんだか心地いいクマ。ずっと同じフレーズを吹いてるみたいだけどクマ)シャカシャカ
店主「Darling darling♪」
球磨(店主さんはインド人みたいな顔してるのに英語がとっても上手だクマ。別にインド人が悪いわけじゃないクマよ?)シャカシャカ
A「~~~~ ……… ふぅ」
球磨(終わったクマ。いい曲クマ)
提督「久々こういうのもいいな」
B「あれからあまり集まってなかったからねぇ」
C「やっぱお前いないと、まとまらねぇもんな」
提督「そっか…… 店主、長いこと使われてない楽器とか、ありますか?」
店主「あん? まぁあるけど…」
提督「…… 球磨、もしもこんなことが、鎮守府の皆と出来たら楽しいよな」
球磨「本業忘れてないかクマ?」
提督「いくつか買取りますよ」
球磨「無視かクマ…」(確かに楽しそうだけどクマ)
A「久々にあれ聞きたいな」
提督「あれ?」
C「ああ確かに。お前のソロだよ」
B「あああれね! 伴奏するわ」
提督「んん、覚えてるかな…」
店主「はい楽譜」
A「ぐう有能」
提督「おし…… B、お願い」
B「~ ~ ~ ~~」
提督「~ ~ ~ ~~」
球磨「おー、提督のソロクマ」
球磨(それにしても息ぴったりクマね)チクッ
球磨(…… ? 少しだけ胸が痛いクマ。球磨はこんなに小さい人だったクマ?)
B「~~~~ ♪~~~」
提督「~~~~ ♪~~~」
提督「…… ふぅ」
B「あー久々、やっぱいい曲ね」
A「」パチパチパチ
C「」パチパチパチ
店主「いいねぇ」パチパチ
球磨「クマー」クマクマクマ
太陽<だいぶ傾いてきてるぜ
提督「夕日が眩しいな、ここは」
店主「懐かしいか」
提督「…… まぁ」
提督「球磨、まだどこか行きたい所あるかな」
球磨「んー、ちょっと疲れたクマ」
提督「じゃ、ここで夕飯食べて帰ろうか」
球磨「そうクマね。提督の昔のこととか聞きたいクマ」
A「あいつな、中学の頃、先生の顔に牛乳パックぶち当てて死ぬほど怒られたんだぜ」
球磨「く、クマ… T先生クマ?」
C「あれ、知ってるの?」
提督「さっき会ってきた。ていうか、変な事教えるなよ?」
店主「あい、カレーライス」
球磨「ますますインドっぽいクマ」ボソッ
店主「ん?」
球磨「な、何でもないクマ」
A「―― でな、あの時はああで――」
提督「はは、懐かしいな―― あいつは――」
球磨(………)
球磨「Bさん? ちょっといいクマ?」
B「あはは!! ん? クマちゃん? どうしたの」
球磨「提督の事で聞きたいことがあるクマ」
B「あ、あー… ふふ、大丈夫よ。クマちゃんが考えてる事は絶対にないわ」キラ
球磨「指輪クマ… もう結婚してるクマか」
B「ふふ…」チラ
A「…… ?」
球磨「クマァ…… いいクマね」ニコ
B「安心した?」
球磨「ありがとうだクマ」
C「クマちゃん、おじさんが胡桃剥いてあげたよ!」
提督(変なもん食わせたら廃棄処分な)ギロ
C「ヒッ」
B「―― それにね、提督は、あんなに笑うことはなかったわ」
球磨「クマ? そうなのかクマ」
B「段々慣れてくると表情がわかってくるんだけど、はじめの方は本当に無愛想でね」クスクス
A「あーうん。怒ったときとか大変だったぜ? 何に怒ってるのか一切言わないからな」
提督「うう……」
B「… 今、ああやって表情が豊かなのは、きっと貴方達のお陰だと思うわ」
球磨「クマ…… 色々あったクマ」
B「そんな顔してるもの」クスクス
C「クマちゃん! 連絡先教えてくれない!?」
提督「」ギロ
C「ヒィッ」
球磨「… ぷはー! 美味しかったクマ! おじさん、ごちそうさまだクマ!」
提督「あー、思い出の味だー」
A「言うて俺達も久々に食べたな」
C「なー」
B「…… ~~~」(ウ゛ィオラ)
提督「おー… 懐かしいな」
A「おっし、やるか。~~ ~~~」(チェロ)
C「… ~~」(コンガ)
球磨「カントリーな曲だクマ」
提督「ほら、球磨も」つタンバリン
球磨「やるクマ!」シャンシャン
提督「~~~~」(マリンバ)
店主「…… ~~~」(オーボエ)
球磨(皆上手だクマ… 楽しいクマ~)
月<僕がキラだ
提督「おっと… ダメだな、アレンジし放題のテーマはこうも時間がすぐ過ぎる」
A「えっ… もうこんな時間か」
球磨「フタヒトマルマル… でも、楽しかったクマ」
B「ね」
C「また来いよ、提督。クマちゃんも」
提督「ん。約束する」
球磨「今度は何人かまた連れてくるクマ!」
店主「頼まれた楽器は着払いで送っとくから」
提督「助かります」
提督「―― じゃ、帰ろうか」
球磨「クマクマ♪」
車の中
球磨「」Zzz
提督「…… 可愛いな」
球磨「…… えへへぇ―― もっと撫でてもいいクマよぉ?」Zzz
提督「本音かな? 今は無理だけど…」
提督(それにしても眠いな。途中道の駅あるし、寄っていこうかな)
提督「…… やっぱ閉まってるか…」
球磨「クマぁ~? ここどこクマ?」
提督「眠気覚ましにな…… っと、展望台か」
球磨「星が綺麗クマね」
提督「ちょっと登るか」
球磨「クマ!」
提督「…… 流れ星」
球磨「!? どこクマ?」
提督「そこら中な」
球磨「まだ見つけられてないクマ…」
提督「あちこち見てるからだよ。一点をじっと見てるといい」
球磨「………… あっ! 流れたクマ! 流星だクマ!」
提督「間違っちゃいないけどな」
提督「………」ジー
球磨「」キャッキャ
提督(よく見なくても、ほんとに美形、だな。それでいて可愛いんだからな…。語尾も愛嬌だし)
球磨「クマ? 提督、どうしたクマ?」
提督「… いつもありがとな」
球磨「…… ううん、球磨は特別何かをしてるわけじゃないクマよ」
提督「だけど、球磨のそういうとこ、俺は好きだな」
球磨「………… ありがと」
提督「―― クマ?」
球磨「ふ、雰囲気壊すなクマ!!」カァァッ
提督「はは… 球磨といると楽しいんだ」
球磨「クマ?」
提督「明るくなれるっていうか、楽しくなれる」
球磨「球磨は、なにもしてないクマ」
提督「…… 好きだよ、球磨」
球磨「知ってるクマー♪」
球磨「…… 球磨も、提督のことは大好きクマ」
提督「… ありがと」
球磨「な、なんだか照れるクマ」///
提督「こ、こっちまで恥ずかしくなるだろ!」///
球磨「……」
提督「……」
球磨「ぷっ…… はははは!」
提督「くくっ… ははは」
球磨「やっぱり、球磨は提督が好きクマー♪」ダキッ
提督「俺も好きだー!」ギュウ
球磨(球磨ただひとりを選んでるわけじゃないのは分かってるクマ。きっとそんなことをしても、幸せなのは球磨だけクマ)
球磨(球磨にとっても、自由に甘えられて愛し合える、この距離感はとてもいいクマ。もちろんその先に、独占したいって気持ちもあるクマ。
でもそれはきっと、皆同じだクマ)
球磨「提督は、皆を幸せにしなきゃ駄目クマよ?」
提督「はは… 信じ合えた日から、そのつもりだよ」
球磨(だけど今だけは―― とにかく今だけは)
球磨「今だけは―― 球磨の物でいてほしいクマ」
提督「球磨?」
球磨「提督は皆が好きで、みんなも提督が好きクマ。それはもう分かってることクマ。誰かを蔑ろにしないならそれでいいクマ」
球磨「でも、提督。球磨だって女の子だクマ! 今日の、今、この瞬間は―― 球磨の物でいてほしいクマ」
提督「―― 球磨」
途中でほっぽり出してそのまま流れるのもあれなんで木曾デートと誰かとのイチャコラでも書いてHTML化に出しておこうと思います。
その誰かっていうのもどうしようかなって感じなので、投稿の途中でもリクエストとかあれば書いてくだされ。
初霜「で、結局何までしたんですか?」
提督「俺に聞くの? え、それ俺に聞くの?」
若葉「ナニまでしたのか?」
提督「いや流石にしてないよ!? 健全だよ!?」
瑞鶴「そろそろ我慢の限界が近いわ…」
翔鶴「あら、女は耐えるものだって石川先生も仰ってましたけれど?」ザクザク
瑞鶴「拷問するように魚を捌きながら言う言葉じゃないわよ翔鶴姉」
球磨「とっても幸せだったクマ」キラキラ
阿武隈「良かったですねぇ♪」キラキラ
初春「まぁ、提督にしては大分大きく前に出たという感じかの?」キラキラ
イムヤ「羨ましいわ~。私も頼んでみようかしら」キラキラ
木曾「最近の幸せ者達は勢いが凄まじいな……」
子日「うーん、でも木曾さんも人のこと言えないんじゃない?」
木曾「子日? 目が笑ってないぞ」
皐月「まだ僕らはなにもしてもらってないけど?」
最上「僕や三隈なんかもね」
三隈「言えない気持ちを卵とじ~♪」
最上「あれ案外気にしてないのかな?」
長月「夜に忍び込めばいいんじゃないかな」
弥生「それだ」
望月「それだ」
島風「提督なら普通に受け入れると思うけど?」
提督「というわけで、次は木曾の番な訳だが、なにか希望はある?」
木曾「… そうだな。とりあえず、楽しいところがいいかな」
球磨「クマ? 意外クマ。『お前と共にならどこへでも…』とか言いそうなのにクマ」
木曾「あんたらが幸せオーラ出しすぎなんだ。見てみろ初春型」
阿武隈「意識して見ないようにしてます」
翔鶴「私達もいますからね?」
イムヤ「やっぱりモテモテね」ダキッ
提督「空気読んで!? 殺されちゃうから!」
木曾「執務は?」
提督「球磨、阿武隈、初春、イムヤに任せた」
イムヤ「はっちゃん、コレで変わってくれない?」
ハチ「はっちゃんも被害者です」
イムヤ「え?」
提督「んー… 楽しいところ、楽しいところ…… うーし、決めた。少し遠いぞ」
木曾「ああ、お前と共にならいくらでも…」
球磨「そっちで使ってきたかクマ」
初霜「それで、球磨さん? どこまでイったんです?」
若葉「ナニしたのか?」
球磨「ふっふっふ~。聞いて驚くなクマ。なんと提督は球磨の――」
提督「余り嘘散蒔かれると本当に決壊しかねないんだ。悪ふざけはここまでにしてくれないかな」シッポビターン
球磨「ヒッ ごめんだクマ。きっと阿武隈と同じくらいだクマ」
阿武隈「あー……」
若葉「きっと?」
初霜「きっと……」
瑞鶴「言っても、提督も原因の一つだからね? というか元凶」
提督「なにかした覚えはないんだけどな」
翔鶴「そういう物ですか。ああ、そうですか」ザクザク
瑞鶴「もう何かわからないよ? それ」
翔鶴「帰ってきたら、ちゃんと構ってくださいね」
提督「約束しよう。皆もな」
イムヤ「は~い♪」ギュー
提督「ごめん、イムヤはちょっとくっつき過ぎかな」
イムヤ「はーい…」
――ドラァイブ中
木曾「………」
提督「ん、どうかしたか?」
木曾「思えば、あまり鎮守府より内陸に来たことがなくてな。見たことのない物がたくさんあって…」
提督「ああ、そういえばそうか」
木曾「あれ、なんだ? すごい速さで、白い棒状の物が過ぎ去って行ったんだが」
提督「新幹線だよ。日本特有の乗り物だっけ? 電車のグレードアップバージョンみたいな(適当)」
木曾「ふーん…… なんか他のより薄っぺらい車が走っていったぞ?」
提督「そういうデザインなんだ。きっとそっちのほうがスピードが出るんだろう(ry」
木曾「本当、俺達が知らないことだらけだ…」ボーッ
提督「これから行くところも、きっとそうだろう」
木曾「屋内… アミューズメントパーク?」
提督「いい発音だ。遊園地がいいかな、と思ったんだが、こうも寒いとな。だからここだ」
木曾「す、すごい… なんだ、ここ」
提督「言っても俺も初めて来たんだ。いっしょに楽しもう」
木曾「あ、ああ!」キラキラ
イメージとしてはマレーシアのあれです。
(補足:画像とかで見ると大分子供向けですが、そのまま大人も乗れるように大きくしたよ!って感じで変換して下さい)
木曾「… おいひい! なんだほれは!」キラキラ
提督「クレープでここまで喜んでくれるとは…」
木曾「へいほく、あのオレンジのレールはなんは?」パクパク
提督「食べるか喋るかどっちかにしような? あれはジェットコースターだな」
木曾「…… ゴクン じぇっとこーすたー? なんだそれh――」
<ガラガラガラガラ キャーキャーワー ガラガラガラガラ ズゴオオオ
木曾「お、おお! 乗ってみたい!」
提督「いいぞ? 基本的に乗り放題だしな。行こうか」
木曾「うおおおおおおおッ!!!」ガラガラガラガラ
提督「あああああああああッ!!!」ガラガラガラガラ
周りの客(うっせーなこいつら…)ガラガラ
木曾「いいぞ! いいぞ!! 楽しすぎるッ!!」キラキラ
提督「そ、そう… なら、良かった…」ハハハ
木曾「次はアレだ!」タッタッタッタ
提督「ちょ、木曾!? 木曾さん!?」
木曾「はっはっは! なんだこれは! 目が回るぞ!」グルングルン
提督「――」カオマッサオ
木曾「うおおお!! 高い! 高いな提督ッ!」ハハハハ
提督「ひ、ヒィ」
木曾「提督! この人形踊るぞ! ははは!!」クネクネ
提督「この子本当に木曾か?」
提督「ん…… もう大分時間が過ぎたな」
木曾「はははは!!! …… どうした、時間か?」
提督「あーいや、時間はいいが、もうヒトロクマルマル。外は夕暮れだ」
木曾「も、もうそんなに過ぎたのか? だが、それもそうか」
提督「全アトラクション制覇すりゃあな…」
木曾「もう一周くらいは出来そうなんだが、どうしようか?」
提督「私のライフはもうあと少ししか…」
木曾「なんだ、鉄壁じゃないか! 全部とは言わないが、短く乗れる所を周ろう!」キラキラ
提督「て、鉄壁て…」
―― ヒトハチマルマル
提督「結局全部乗ってんじゃねぇか!」ハァハァ
木曾「い、いや、すまない… つい目移りしてしまって…」
提督「まぁ… いいけど… んじゃ、夕飯食べに行こうか」
木曾「ああ、分かった。どんな所に行くんだ?」
提督「まぁ、少し、俺には似合わないところかなぁ」
木曾「?」
木曾「」
提督「ん、――です」
店員「お待ちしておりました。こちらへ」
木曾「お、おい」ヒソヒソ
提督「ん?」
木曾「こ、ここって、その、あれだよな」ヒソ
提督「あれって?」
木曾「こ、高級な所なんだろ?」ヒソキソ
提督「ああ… まぁ、ね」
木曾「…… 西洋の城みたいだ」
提督「確かにな」クスクス
店員「… 失礼します」ペコ
提督「―― ふぅ、流石に空気が違うな」シッダウン
木曾「俺、こういう所来たこと無いんだ。今からルールみたいなの調べるか……」
提督「俺を見ときゃいい」
木曾「お、おお、そうか」
(知識なんて無いのでまとめサイトとか想像で書いていきます。笑ってやってください)
店員「食前酒の方は」
提督「ああ、車で来ているので」
店員「畏まりました」
木曾「慣れてるな」
提督「まさか。二三度来たことあるだけ」
木曾「ちゃんとリードしてくれよ?」ソワソワ
提督「分かってるって」クスクス
木曾「―― それで阿武隈がな――」
提督「ははは、そんな事があったのか」クスクス
木曾(なんだ、やけに大人しいな。やっぱ雰囲気の力か? それともただかっこつけてるだけか?)
提督「―― 後者さ」
木曾「っ…… ああ、そうだった。その設定の事はすっかり忘れていた」
提督「設定とか言うな… そろそろ料理が来るぞ」
木曾「! そ、その、なんだ、外から使っていけばいいんだよな!?」アタフタ
提督「落ち着け」(かわいい)
店員「―――」スッ
木曾(最初はサラダか… なんだ、割と普通の―― !?)
木曾(こ、この鮮やかな色の物体は一体何だ!? ぱ、ぱぷりかというやつか!? 子日がピーマン嫌いだからあまり買ったこと無かったが…)
提督「………」スッ パク スッ パク
木曾(な、滑らかだ… 一連の動作が洗練されているように見える… よし、俺も)
木曾「………」ドキドキ
木曾「………」スッ パク
木曾「!!」
木曾(きっとこのサラダは、これからくるメインのための物。その為にあまり味が濃く作られていない)
木曾(なのに、このあっさりとした旨みは一体どこから出てくるんだ!? 美味すぎる!!!)
木曾「………」スッ パク
木曾(俺の内側が、段々とメインを食べる準備に取り掛かっているのが分かる…)
木曾(これが『ふれんち』という奴か。ふふ、いいだろう。俺はお前に負けたりはしない!)フフフフ
提督(何と戦ってんだろ)スッ パク
店員「―――」
木曾(今度はスープか)
提督「………」――
木曾(静かだ… 一切の音が聞こえない―― そう、何か特別な空間が出来ているようだ)
提督「………」
木曾(しかし、提督の食べ方はそのスマートさに長けていながらも、本当に美味しそうに食べる! これは俺も行くしかない!)
木曾「………」スッ
木曾「………」カチャン
木曾「あっ」
提督「………」
木曾(き、聞かれてない、聞かれてない… よ、よし、気を取り直して)
木曾「………」
木曾「………」……ズ
木曾(よし!)ドヤ
提督(頑張ってる木曾ほんとかわいいな)
店員「―――」
木曾(こ、このタイミングでパンだと!? バターも置いてあるな… どのようにして食べるのだろうか)チラ
提督「………」チギッ スッ パク
木曾(千切る、バターナイフで塗る、食べる。よし、やるぞ)
木曾「………」チギッ ボロボロッ
木曾「」
木曾(こ、こんなにパンくずが出るのか!? て、提督は慣れているからあまり目立たないのか… くそ、どうしよう)
提督「パンを食べる時にクズが出てしまうのは仕方のないことだ。テーブルの下に落として誤魔化そうとせずに、そのままにしておくのが正解だ」キリッ
木曾「あ、ああ…」
木曾(あ、危うくミスをするところだった… しかし、今の提督は格好良いな… 俺もああなりたい…)キュンッ
木曾「………」パク
木曾(おいしい……)
店員「―――」
木曾(魚料理か……)
木曾(綺麗に並べられている。食べるのが少し勿体無い気がするな…)
提督「………」スッ スー パク
木曾(こ、このスプーンは!? 見たことのない形だ…)チラ
提督「………」スー
木曾(な、なるほど。スプーンで切るのか。よし…)
木曾「………」スー
木曾(切れた! フォークで支えながら食べるんだな…)
木曾「………」パク
木曾(う、美味い! ソースが何で出来ているのか分からないが、何より『合う』! 濃さ、香り、味、全てにおいてこの魚や今までの料理とマッチしている!)
木曾(流石、高そうな店だ)フフン
提督(なぜ得意気な顔をしているんだろ)
木曾(急にアイスが出てきたときはビックリしたが、なるほど、口直しの為だったんだな?)
提督「…… そろそろメインだ」
木曾「そ、そうか!」
提督「一番手強いかもな」クスクス
木曾「そ、そうか…」
店員「―――」
木曾(メイン… すなわち肉料理… だが、俺に今、今日、いや、今月最大の課題が立ちはだかっている)
木曾(骨付き肉!!)
木曾(…… 少し提督を観察しよう)
提督「………」ピチャ…
木曾(こ、この水の入ったボウルはこの時のために!?)
提督「………」スー スー スー ヒョイッ
木曾(手で持ち上げた!? いいのか!?)
提督「………」パクッ ウンウン
木曾(頷いている… こういう時の読心術は便利だな…)
木曾「………」スー スー スー
木曾(一口大に切ったあとは…)
木曾「………」ヒョイッ
木曾(…… いい色だ)
木曾「………」パクッ
木曾「……!!」
木曾(う、美味い…… さ、さすがはメインディッシュといったところか… これまで準備として出されてきた数々の品を、しっかりと超えてきた!)
木曾(
(ミスっても挫けない心)
木曾(ちゃんとした段階を踏んだ上での料理、か。ふふ、いいかもな)
木曾(だが、まだこの空気に慣れるのには時間がかかりそうだ…)
提督「…… ふぅ。どうだ? 美味しかった?」
木曾「ああ。空気には慣れないが、味は最高の物だったよ」
提督「ここを選んだ甲斐があったって物だな」
提督「…… あとはまぁ、デザートが来るだけだな」
木曾「そうか… なぁ、音を立てずにスープを飲む方法を教えてくれ」
提督「ん? あー、そうだな。まずは――」
店員「―― ありがとうございました」
提督「マイサイフワズゴーン…」
木曾「自分で誘っといてそれかよ」クスクス
提督「木曾なら似合うかな、と思っただけだよ。んじゃ、帰ろうか」
木曾「お前らしいな。ああ、帰ろう」
木曾「楽しかったぞ」グッ
提督「それは何より」バシッ
木曾デート 完
(木曾はベタ惚れというよりは信頼みたいな形で提督に好意を抱いている感じです)
木曾「………」
球磨「… 木曾、何だか大人になったクマね」
木曾「ん? 何だいきなり」
球磨「前よりも、さらに落ち着いたって感じクマ。デートの影響クマ?」
木曾「…… そうかもな」クス
球磨「その笑い方もだクマ! 木曾の料理当番の日は何だかよくわからないけどおいしい料理ばっかりだクマ! きっと高いレストランにでも連れてってもらったんだクマね!」
木曾「…… その通りだ、球磨姉」フ…
球磨「く、クマアア……」ガルル
望月「木曾ってマジかっけぇよな」
長月「ああ、ここ最近は特にな」
<マチヤガレクマネエ! クマー!シラナイクマー! ナンデコーヒーニシオヲイレタンダヨオオオ!!
望月「………」
長月「………」
弥生「仲睦まじきことは良きかな…」
望月「まぁ…」
長月「確かにそうだが…」
弥生「姉妹の前でくらいはかっこつけなくても、いいんじゃないかな」
長月「それ私に言ってるのか?」
弥生「木曾さん」
長月「…… ふん」
皐月とイチャイチャします。
皐月「あはははは! しれーかん! くすぐったいよお」ジタバタ
提督「罰ゲームだから仕方ないだろ?」コチョコチョ
『罰ゲーム付きトランプ』
皐月「あはは… ひぃ、ふぅ、はぁ… よし、次は!? なにして遊ぶ?」
提督「司令官は執務が残ってるんだがなぁ」
皐月「司令官は、僕より執務を優先するの?」ウルウル
提督「ウッ」
提督「よ、よし! インディアンポーカーでもやるか」
皐月「いんでぃあん? なにそれ」
提督「一枚頭の前に自分は見えないように掲げて、相手のカードを見て勝負するかを決めるポーカーだ」
皐月「???」
提督「い、いっぺんやってみよう!」
提督「せーの、でおでこに付けるんだぞ」
皐月「うん! じゃあ、せーの! はい!」ピタ
提督「」(変顔)
皐月「」ブッフォ
皐月「な、なんで… そ、そんな、か、か、顔して―― 」プルプル
提督「意味もなく変顔したくなるときってあるよね」
皐月「あ、あるかなぁ?」プルプル
提督「んー、そうだな。このまま行こう!」
皐月「僕も!」
提督「んあ、負けた」
皐月「やったね! 僕の勝ち! 罰ゲームは、じゃあ、この束から一枚引いた物にしよう!」
提督「おし! バッチこい!」
皐月「僕のターン! ドロー!!」ビシィ
提督(決闘者?)
皐月「………」
提督「ど、どうしたんだ?」
皐月「………」ピラ
『女性なら隣の人に胸を見せ、男性なら隣の人の胸を触る』
提督「このトランプ全年齢だよな?」
皐月「う、うう、恥ずかしいよぉ」///
提督「む、無理しなくていいぞ! ほら、もう一回ドローすればいい!」
皐月「うう、うん……」
皐月「ど、どろー…」
皐月「」
提督「な、何を引いたんだ?」
『一分間の情熱的なキス』
提督「」
皐月「なんで急に罰ゲームの難度上がったの?」
提督「魔法でもかかったんじゃないかな」
皐月「うー… でも、体見せるよりは、キスかな」
提督「ん、大丈夫か?」
皐月「司令官こそ! 僕なんかとキスしても大丈夫なの?」
提督「むしろウェルカム」
皐月「本当!? よ、よーし! じゃあ、一分間ね!」カチッ ピーッ
提督「………」
皐月「………」
<チュウウウウウウウウウウウウウ
望月「…… 二人共、初春型の部屋、行こう」
長月「なぜだ? 何か部屋にあるのk<チュウウウウウウウウウウ よし、行こう」
弥生「皐月、結構、大胆だね」
長月「だからってこんな真昼間っからあんな……」
望月「極めて同意だねー。ま、愚痴は着いてからにしようや」
弥生「…… いいな」
長月「…… いいな」
望月「… あんたらも好きだね」
望月「まぁ… 私も思うけど…」
時計<一分だぜ! ビーッ ビーッ
皐月(あ、一分終わった… 終わったんだ… 残念だな…)
提督「ぷはっ… ふぅ、中々疲れるもんだな、さて、そろそろ本当に執務に戻らなきゃ」
皐月「僕をおいていくのかい?」
提督「…… そんなわけないだろう!!」ガシッ
皐月「あっ」
提督「よしいくぞ!」オヒメサマダッコ
皐月「は、恥ずかしいな…」///
島風「提督、皐月を抱えてるのにはやい…」
翔鶴「―― 失礼します、提督。本営からの通達で…… す」
提督「お、ありがと、翔鶴。ここ置いといて」
翔鶴「あ、はい。―― それよりも提督? この状況は?」
提督「今日は皐月と遊ぶ約束をしてたからな。執務中に遊ぶ訳にはいかないから、こうしてるわけ」ヒザダッコ
皐月「えへへ」///
翔鶴「… はぁ。提督、覚えてらっしゃいます? 私、前にこれを頼んだんですが…」
提督「……… あ」
翔鶴「あまりぞんざいに扱われますと、いくら私や瑞鶴、装甲空母でも簡単に傷つきますよ?」
提督「いや、ほんと、マジごめん」
翔鶴「今回ばかりは、無償で許すわけにはいきません」ツーン
提督「あー、んー、じゃあ、明日も今日と同じ感じだし、一日翔鶴に構いっぱなしって条件は」
翔鶴「…… 心が揺れるお話ですが、瑞鶴が心配です」
提督「お二人の玩具になりましょう」
翔鶴「合格です♪ 楽しみにしてます」バタン!
皐月「あんなこと言っちゃっていいの?」
提督「明日が俺の命日かもな」
皐月「そ、そんなのやだよ!」ダキッ
提督「あはは、比喩だって―― っと、今日の分はこれでいいかな」
皐月「あれ? 早いね」
提督「皐月が居てくれたからな」ナデナデ
皐月「うん! きっとそうだよ! えへへ」キラキラ
皐月「し、しれーかん? ねぇ、さっき、キスはウェルカムだー! とか言ってたよね?」
提督「ああ勿論。もう初めてじゃないしな」
皐月「じゃあ、も、もう一回、しよ?」
提督「」(昇天)
提督「喜んで」キリッ
<チュウウウウウウウウウウウ
阿武隈「うへぇ……」
ハチ「どうしたんですか? あ、う、うわぁ」
イムヤ「し、司令官が、あんなに情熱的なキスをするなんて…」///
ハチ(そこなんだ)
ハチ「まだ日も沈んでないのに…」
阿武隈「私の時はこんなに深いものじゃなかった…」ガクガク
イムヤ「また頼めばいいじゃない」
阿武隈「か、簡単に言って~」
<シ、シレーカン!モット!
イムヤ「皐月、案外やるわね」
ハチ「……… 気持ちよさそうな顔」
阿武隈「あああああアダルティックウウ」ガクガク
瑞鶴「提督? あれ、唇腫れてるよ?」
提督「うん。色々あってね」
翔鶴(あっ)
翔鶴「お楽しみでしたね」ニコッ
提督「まぁ…」
瑞鶴「冷やせばいいんじゃないの?」
提督「余計膨らみやしないか心配で」
翔鶴「ほっとけばいいんですよそんなの」
提督「そんなの…」
瑞鶴「翔鶴姉ちょっと怒ってる?」
翔鶴「今日は一日私達の玩具になってくれるそうですよ」
瑞鶴「なにそのプレイ」
提督「何でもします」ドゲザ
翔鶴「ん? 今何でもするって――」
瑞鶴「翔鶴姉目が笑ってないよ? 最近笑顔見てないけど?」
翔鶴(キスするのにこの唇は嫌ですね…)
翔鶴「提督、少し着いてきてください」
提督「ハイ」
瑞鶴「行っちゃった…」
翔鶴「ただいま」
提督「ただいま、瑞鶴」キラキラ
瑞鶴「誰?」
翔鶴「い、いや、バケツをね。こう、唇につけたら腫れが引くかなって思ったのですがね…」
提督「腫れは引いたぞ?」キラキラ
翔鶴「いろいろあって、コップ一杯分ほど、飲んでしまわれて…」
瑞鶴「飲んだの!?」
提督「ふぅ~~ 爽やかな気分だ」キラキラ
翔鶴「内面までいい方向になったようですね…」
瑞鶴「治るの、これ?」
翔鶴「祈りましょう」
瑞鶴「んな無責任な…」
提督「翔鶴、どうした? 落ち込んでいる顔をしているぞ」キラキラ
翔鶴「はぁい!? そ、そうですかね…」メソラシ
瑞鶴「近っ」
瑞鶴(飲むとああなるんだ… 知らなかったな。すごい積極的だし)
瑞鶴「提督? 気分は?」
提督「ン~~? 最高だ」キラキラ
瑞鶴「…… そう」
瑞鶴(妙に『ハイ』になってる…)
提督「瑞鶴も、何だか気に病んでいそうな顔だな」キラキラ
瑞鶴「いっ!? ちょ、近いって!」ビクウッ
提督「その割には拒否しないじゃあないか…」キラキラ
瑞鶴「だ、だって―― てい、とく…」トロォ
翔鶴(あ、あっと言う間に瑞鶴を…! これは瑞鶴がチョロいのでしょうか、それとも… 今の提督のせいなのでしょうか?)
提督「フフ… 可愛いぞ、瑞鶴」キラキラ
瑞鶴「そ、そんな、やめてよ、恥ずかしい…」ウットリ
翔鶴「………」ジーッ
提督「…… ン~、翔鶴、いい顔をしている… こっちに来るといい…」キラキラ
瑞鶴「翔鶴姉…」ナミダメ
翔鶴「ハッ はい」ドキドキ
翔鶴「提督…」
提督「―― ああ、その目は、綺麗だ… いつまでも見ていたい…」キラキラ
瑞鶴「翔鶴姉ばっかり… ずるい」
提督「フフ これでいいのか?」キラキラ
翔鶴「あっ… んっ」
瑞鶴「ひゃぁっ」
提督「フフフ… 可愛いぞ、二人共」キラキラ
翔鶴(これが、提督の本性なのでしょうか… だとしたら、とんでもない人ですね…)
瑞鶴(…… この積極的すぎる提督もいいな)
提督「フフフフフ」キラ…
翔鶴「提督… もっと、こっちに…」
瑞鶴「こっちよ… 提督」
提督「フフフフフフフフフ グハッ」ゴバァッ
瑞鶴「え?」
翔鶴「提督!?」(吐血!?)
――――――
―――――
――――
初霜「…… 調べてみた結果、心臓と胃に結構負担がかかっていました。傷が見当たらないのが不思議なくらいです」
翔鶴「そ、そうですか…」メソラシ
瑞鶴「大事には至らないのかしら?」メソラシ
初霜「はい。しばらく安静にして、急激な心拍数の増加やストレスが無ければ、また元通りに戻ると思われます」
翔鶴「よ、良かったです…」(バケツ飲んだなんて言えないですね…)
瑞鶴「安心したわ…」(殺されそう)
初霜「それにしても、なぜこうなったのか、気になりますね… 何か心当たりでも?」
翔鶴「へっ!? あ、ああ、いや、特には」メソラシ
瑞鶴「な、ないわ! さっきも言った通り、急に血を吐いたのよ!」アセアセ
初霜「…………」
初霜「…… 『子日の審判』お願いします」
翔鶴「へ?」
子日「………」ドドドドドド
瑞鶴「ね、子日?」
初霜「提督に読心術を、初春に呪術を教わった彼女は、人にその罪があるのかどうかを見定めることができます」
翔鶴「な、なんてこと…!」
子日「―― 翔鶴さん」ドドドドド
翔鶴「ひゃい!」ビクッ
子日「………」ドドドドドド
子日「翔鶴さんは―― 有罪の日!!!!」ババーン!
翔鶴「う、嘘…」ガクッ
子日「………」ジロッ
瑞鶴「ヒィッ」
子日「瑞鶴さんは―― 保留の日!!!!」ババーン!
瑞鶴「え、ほ、保留?」
初霜「良かったですね。まだ弁解できますよ。さ、お二人、こちらへ。あ、翔鶴さんはもうアウトなので洗いざらい話した後に、はっちゃん、イムヤと夜戦演習です」
翔鶴「」
初霜「瑞鶴さんも、言葉によってはそうなりますので。ちゃんと正直に話してもらいますからね」
瑞鶴「分かったわ…」(よく考えれば、私なにも悪いことしてないわ…)
子日「提督は大丈夫?」
初霜「ええ。静かに寝かしておけば治りますよ」
子日「そ! 良かったぁ!」トテトテトテ
若葉「………」
初霜「若葉? どうかした? これから取り調べなのだけれど」
若葉「提督の傍についていてもいいか?」
初霜「… ええ。若葉なら大丈夫でしょう」
若葉「そうか。行ってくる」
翔鶴「… なぜ」
初霜「…?」
翔鶴「私達が主役のはずだったのに…」ガクッ
瑞鶴「翔鶴姉大丈夫? キャラ崩壊しっぱなしだよ?」
初霜「中に球磨さんが待機してます。私も同行しますから、まずは瑞鶴さん、入ってください」
瑞鶴「は、はーい…」
若葉「………」
提督「………」
若葉「…… 酷い隈だな。一体何をしたんだか…」ナデナデ
若葉「…………」
若葉「… 若葉は、二十四時間、寝なくても大丈夫だ…」ナデナデ
球磨「… 瑞鶴の話は分かったクマ。この話はそのまま法定に持ち越されるクマ」
瑞鶴「法定って何!? いつの間に出来たのそんなもの!」
球磨「子日が『子日の審判』出来るようになった頃クマ。もう既にイムヤが提督の服を盗んだ罪で使用されたクマ」
瑞鶴「イムヤェ…」
球磨「物の窃盗だったり、喧嘩の仲裁なんかもできるクマ。あと、提督が傷ついたときの有効な解決方法でもあるクマ」
瑞鶴「なるほど…」
初霜「では、こちらへ。子日が待っています」
瑞鶴「なんだか嫌に大規模ね。落ち着かないわ…」
球磨「翔鶴? 入るクマ」
翔鶴「はい……」
若葉に一日を管理されたい。
翔鶴「出来心だったんですううううう」
球磨「『バケツを普通の人間が摂取するとイケメンになる』なんて噂、信じるほうがおかしいクマ」
翔鶴「… 噂は本当でした」
球磨「クマ?」
翔鶴「提督は一時的に積極的な王子様系イケメンになり、瑞鶴をたった一瞬で落としました」
球磨「ふむ…クマ」
翔鶴「… すみません、後の負担を考えない安直な行為でした…」
球磨「反省は… しているようクマね。けれど、コップ一杯のバケツを『飲ませた』のは事実クマ。ちゃんと罪は償うクマ」
翔鶴「夜戦演習… ですか」
球磨「きっとそうクマね。でもイムヤがまだお仕置き中だから、また別のお仕置きになるかもしれないクマ」
初霜「そういえばそうでしたね…」
翔鶴「何をされているんですか?」
球磨「単機オリョクルクマ。とりあえず一日十週を一週間クマ」
初霜「今まで週一とかのペースでしたからね。相当堪えるでしょう」
翔鶴(イムヤちゃん… 私も今からそちら側へ行きます…)
初霜「―― ということみたいね」
若葉「… ふむ。提督の様に体の何処かが改造されていても、バケツの負担は若葉達より大きいのか」
初霜「大分エネルギーを使ってしまわれたみたいで… 命に別状はないけれど」
若葉「―― 引き続き若葉は提督の傍にいる」
初霜「… では、私は法定に行かなくては」
若葉「……… 積極的な提督か」チラッ
若葉「不謹慎ではあるが… 少し、見てみたかったな」フフ
若葉「………」ナデナデ
若葉「………」ペラッ ナデナデ
提督「…… 若葉、か?」ウツロ
若葉「気がついたか? ああ、そうだ」
提督「ここは…」
若葉「医務室だ。大変だったな」
提督「ああ、おもっくそダルい… 翔鶴から何かを飲まされた辺りから、記憶がない……」
若葉「動くな。しばらくは絶対安静だ」
提督「… しかし、執務が」
若葉「三隈とハチがやってくれている」
提督「……… そうか」グテッ
若葉「若葉が傍にいる。安心して休め」ナデナデ
提督「………」スヤァ
若葉「………」
提督「……………… ハッ 若葉、今何時?」
若葉「フタサンマルマル。結構長い間眠っていたな」
提督「ずっと居たのか…」
若葉「若葉は大丈夫だ」
提督「…… すまないな」
若葉「謝られる筋合いはない」
提督「……… ありがとう」
若葉「それでいい」クスッ
若葉「クロスボーンを読み終わってしまったぞ… どうしよう」
提督「なんで漫画がウチにあるの? …… ああ、まだ眠い」
若葉「寝るといい。若葉が傍にいる」
提督「若葉も一緒がいいな」
若葉「えっ」
提督「そっちの方がいろいろ得だ」ニコ…
若葉「… バケツがまだ抜けてないのか? だがまぁ、悪くない提案だ」モゾモゾ
提督「うん、暖かい」
若葉「思えば、提督から誘ってくれたのは初めてかな」
提督「まぁ、何度か一緒に寝てたけどね…」
若葉「…… また、誘って欲しい。悪くない、気分だった」
提督「… ん、分かった」
初霜「提督、もう大丈夫なのですか?」
提督「ああ、うん。心配かけたね」
初霜「本当ですよ! あまりに提督の行動が遅いから、何をするかわからない人だっているんですからね」
提督「身に染みたよ」
初霜「もう… 翔鶴さんは入渠中です。イムヤさんはもう直ぐ終わるはずですので」
提督「ん、ありがとね」
初霜「いいえ、これも平和を守るためですよ」
提督「助かってるよ」ナデナデ
初霜「んっ…… ありがとうございます」キラキラ
初霜(これがあるから… なんて言えないな)
若葉「ギガアアアアアアドリルウウウウウウウ」
三隈「ブレイクウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウ!!!!」ズドォォオン
最上「なにそれ」
三隈「若葉さんが知っているとは… くまりんこ感激ですわ!」
若葉「最近見る機会があっただけだ。三隈は昔からだが、なんでも知ってるな」
三隈「なんでもじゃないですわ。私が知っていることだけです」
若葉「???」
三隈「あら、そっちには疎いのですね」
最上「たまにくまりんこは訳わからないこと言うね」
若葉「今に始まったことじゃない」
初春「三隈は好きじゃが、そういうところは少し苦手じゃ」
三隈「あら、そうでしたの? 少し気をつけますね」
球磨「それじゃあ三隈じゃないクマ」
若葉「言えてるな」
もがみくまとイチャイチャしたい(願望)
最上「提督! ぎがどりるぶれいく!!」ポスン
提督「ん、グレンラガン?」
最上「あ、やっぱり知ってた!」
提督「まぁな… 最上が知ってるとは思わなかったな」
最上「知らないよ~。くまりんこと若葉ちゃんが言ってたんだ」
提督「へぇ。三隈は一体何者なんだ」
最上「くまりんこ自身は多趣味なだけですって言ってたけど、よく分からないな」
提督「いずれ分かる時がくるさ」ポンポン
最上「なっ、なんで撫でるのさ!」
提督「そんな顔してたからな」
最上「今まで散々ほっといてた癖に!」プンスカ!
提督「ごめんて」
最上「う~ん、じゃあ、一つお願い聞いてくれたら許してあげる!」
提督「な、なにかな」
最上「晴嵐が欲しいな!」
提督「おお? お、おおう、おおお、おぁ…」
島風「おう?」
提督「おお、おおう、おおおおん、うおう、おおお」
島風「おう!? おうおうおう! おうおおう!」
提督「おおー、う、おううう」
島風「おうおう。それじゃ、頑張って」ピュー
最上「え、会話してたの?」
提督「いやさっぱり」
最上「えぇ…」
最上「それで、聞いてくれるの?」
提督「…… なんとかしてみよう」
妖精さん「無理ですね」
提督「やっぱり?」
妖精さん「はい。前に開発不可の装備をかき集めたとき、ついでに晴嵐も探してみたんですが、とある航空戦艦がしっかりと首輪を付けていたみたいで」
提督「ず、瑞雲でも無いのに…?」
妖精さん「? 何の話ですか? とにかく、うちでは作れませんね」
提督「そうか…」
最上「どうだったの?」
提督「無理っぽい」
最上「うーん、そっかぁ… 残念」シュン
提督「」トゥンク…
提督「何としてでも手に入れてみせる… 『晴嵐』!!」ズゴオオ
最上「ふぇ? も、もういいよ提督… 無理しないで」
提督「そんな悲しそうな顔されて黙ってられるかぁぁあああ!!」ドヒュン
最上「え!? て、提督!! 執務はー!?」
提督「―― モウオワッテルゾー!」
最上「行っちゃった…」
元帥「なんで私のところに来るのだ」
提督「あなたが、一番知っていそうな気がして…」ハァハァ
元帥「うむぅ… まぁ、手に入らないこともないが…」
提督「ほ、本当ですか!」
元帥「丁度、『建造予定』だった艦娘がいる。伊号潜水艦の、『伊401』という潜水艦だ」
提督「潜水艦?」
元帥「だが、あまり上手くいっていない。戦力としても非常に欲しい所なのだが、何しろ大型建造でしか建造できない。
それもあって、これ以上資材を一艦のために使用できない、というのが本営の判断だ。計画は打ち切り。ずっと『予定』のままなのだ」
提督「… つまり?」
元帥「君が蓄えている資材を使うと言うなら、協力しよう」
提督「やります」
元帥「早いな。じゃあ、資材を持ってくるといい」ヨッコラセ
提督「元帥は?」
元帥「大型建造には準備が必要なのだ…」
提督「はぁ…」
――
阿武隈「提督~!! 持ってきましたよ~!!」ノシノシ
提督「おーう! ありがとー!!」ノシノシ
皐月「阿武隈さんって何だか、色々と便利な人だよね」
長月「確かにな」
阿武隈「聞こえてるんですけど? どういう意味ですかぁ?」
長月「そのままの意味だ」
皐月「特に深いものはないよ~」
阿武隈「むぅ…」
元帥「… 早いな。こちらも準備完了だ」
提督「あ、はい。こっち置いてー」
阿武隈「はーい」ヨイショ
提督「悪いね。手伝ってもらって」
阿武隈「良いんですよ! 提督のためなら」
皐月「いつも良くしてもらってるしね!」
長月「私は、あまりよくされてない気がする」
望月「だりぃ」
弥生「望月居たの?」
皐月「弥生居たの!?」
元帥「仲が良くていいことだ。君に任せたのは正解だったな」
提督「いつも助けられていますよ」
皐月「えへへ」スリスリ
元帥「時間と場所を弁えた方がいいぞ?」
提督「あなたがそれを言うんですか」
<ナンカヨバレタキガシタデース! キノセイデスヨオネエサマ!
(絶対に建造したい艦娘が建造されるわけではありません。
もしも妖精さん達が目当ての艦娘を造らなかった場合は、多少の資材を残してペンギンになる設定です)
大淀「はい。建造準備完了しています。後は資材を投入するのみです」
提督「そういえば、まだ建造したことなかったな」
元帥「あまりいい事ではないからな。それだけ君が良く出来ているということだ」
提督「どうも」
阿武隈「ここ~?」
大淀「あ、はい! そこです」ガラガラガラガラ
大淀「―― 全て投入し終えましたね。後はこのボタンを押すだけです」
提督「露骨に建造って書いてある…」
大淀「ユニバーサルデザインですよ」ニコッ
元帥「正直言って、建造は妖精さん達の気まぐれだ。君の運が大きく関わってくる」
提督「運… か」
皐月「初霜ちゃん連れてきた方が良かったかな」
初霜「呼ばれた気がして!」シュタッ
皐月「!?」
提督「ま、まさか着いて来たのか?」
阿武隈「そういえば燃料タンクが多かったような」
初霜「」テレテレ
皐月「資材節約のためとは言え、鎮守府からここまでドラム缶の中にいたの?」
弥生「すごい精神力」
初霜「正直辛かったです」
瑞鶴「私も居るわ!」
提督「瑞鶴!?」
元帥「はっはっは。面白い鎮守府だな。よし――」
――
雪風「しれぇ! 呼びましたか?」
伊58(以下ゴーヤ)「あまり見ない面子でち」
飛龍「本当にね。どうしたんですか?」
潮「ええ… 何をするんですか?」
元帥「うむ、よく集まってくれた! 実はな…」
提督「何だか壮観だなぁ」
元帥「今ここに居る幸運艦を集めただけだ」
雪風「そこのしれぇに幸運パワーを打ち込めばいいんですね!」バッ
潮「そ、その… 失礼しまぁす!!」バッ
飛龍「瑞鶴、やるよ!」バッ
瑞鶴「ええ!! 提督のためなら!」バッ
ゴーヤ「なんだかよく分からないけど、えーい!」バッ
初霜「提督、ご武運を」バッ
提督「負ける気がしねぇ」ゴゴゴゴゴ
??「あらあら? 面白い面子ね」
??「姉さま? こちらに何か用でも?」
??「何だか呼ばれた気がしたの」
阿武隈「!? ちょ、ちょっと!!」
皐月「こ、ここは立ち入り禁止だよ!!」
??「見ない子ね。どこかの鎮守府の子かしら?」ナデナデ
皐月「提督鎮守府の皐月だよ!」
??「あらあら、この中で何が起こってるのかしら?」
皐月「おおがたけんぞう、だって。よく分からないけど、なんだかすごい事をしてるみたいだよ」
??「気になるわ」
阿武隈「あ、貴女方だけは絶対に入れてはいけない気がします…!」バッ
??「み、見るだけよ! ね、姉さま!」
??「行けるかしら…」
皐月「だ、ダメだってば!!」バッ
皐月「あっ!?」ツルーン
阿武隈「え!? 垂直に滑った!?」
皐月「い、いててて… な、何だか、本当に入れちゃいけなさそう!」
阿武隈「ここは通しまぜん!!」ガリッ
阿武隈「」ダラダラ
皐月「え!? そんなに派手に舌噛むの!?」
皐月「と、とにかくここは!!」ババッ
??「あらあら… 仕方ないわね」
??「… 仕方ないわ、行くわよ、山城」
??「はい! 姉さま! …… 駆逐艦に足止めされるなんて、不幸だわ…」
阿武隈「な、なんだったのれひょう…」
皐月「お、恐ろしい敵だった…」
??「元帥? この書類についてお話が」
元帥「!? な、なぜ君がここに!」
提督「誰ですか?」ズババババ
??「私? 私は大鳳。装甲空母よ」
飛龍「な、た、大鳳さん! その話はあとでお願いできませんか!」ゴゴゴ
大鳳「なぜ? … まぁいいけど。元帥、後で来てくださいね」
元帥「ふ、ふぅ… 行ったか」
提督「良いんですか? 追っ払う様にあしらっちゃって」ズバババ
元帥「彼女はな、所謂不幸艦で…」
飛龍「なんと、たったの2しかないのよ」ゴゴゴゴ
提督「2!?」シュインシュイン
元帥「改装すればマシになるはずなのだが、彼女もまだ来たばかりでな。練度が足りず、あのままなんだ」
提督「なるほど… ここに来ちゃまずいわけですわ」シュインシュインシュイン
元帥「うむ…」
阿武隈(あの人たちもまさか…)
皐月(絶対そうだ…)
瑞鶴「さ! 超人的な運を持つアナタなら行けるはずよ!」
提督「力が、力が漲ってくる!!」シュインシュインシュイン
雪風「こっちのしれぇ!」
提督「ん?」シュゴオオオ
雪風「じゃーんけーん、ぽい」パー
提督「ぽい」チョキ
元帥「雪風に… 勝った… だと?」
飛龍「雪風は度重なる近代化改修で、運を99まで上げたのよ? その雪風にじゃんけんで勝つなんて」
提督「運って上げれるんだ」ババババ
初霜「今の提督は運400くらいありそうですね」
提督「いやぁ、流石にそれは」ブゥルアアアアァ
ゴーヤ「早く押すでち!」
提督「ウィッス」ポチ
『3時間20分』
元帥「い、今までにない建造時間だ! これはもやしがある!」
提督「もやし?」シュウウン
潮「お、オーラが消えてく…」
ゴーヤ「消耗品の運ってこれもうわかんないでち」デッチッチッチww
元帥「提督… ありがとう。これで伊401のデータが取れる」
提督「いや、自分は何も… この子達のお陰です」
元帥「君の行動が全ての始まりなのだ。もっと自信を持つといい」
元帥「これを君にあげよう」
提督「これは…?」
瑞鶴「そ、それは… 『まるゆカード』!!」
提督「知っているのか瑞鶴」
瑞鶴「うむ… そのカードを使うと、艦娘の運が大体10ほど上がるという… 噂には聞いていたけど、実在していたなんて…」
元帥「伊401の建造に失敗した時、よくこのカードが入っていた。このカードは君が持つべきだ、提督」
提督「… ありがとうございます」
初霜(誰に使うんだろう)
提督「… 結構多いな」
大鳳「あの、そろそろ良いですか?」ヒョコ
元帥「ああ、はいはい。なんだね――」スタスタ
潮「あ、あ、あの! その、提督さん… って、その、私達を助け出す作戦を考えてくれた人、ですよね」
提督「うん? ああ、君は… そうだよ」
潮「その、す、すみませんでした!!」ドゲザー
提督「ヒッ」
提督「ど、どうして謝るんだ! 顔を上げろ!」アセアセ
潮「だ、だって…」
提督「おr―― 私は謝ってもらうために助け出したんじゃないぞ! その子一人一人を助けたいから助けたんだ! 謝罪なんかいらない!」
潮「で、でもぉ…」ウルウル
提督「う、おお!? な、なぜ泣く!」アセアセ
潮「そ、その、う、嬉しくてぇ…」ウワーン
提督「ちょ、え? あ、え? どうしよ」アセアセ
阿武隈「先に帰りますね」
瑞鶴「ごゆっくりー」
初霜「頑張ってくださいね」
皐月「ばいばーい」
弥生「…」b
長月「罪な男だ…」
望月「」Zzz
提督「」
提督「ちょ、ちょっと待ってくれ!」
雪風「あ、そろそろ皆の所に戻らなくちゃ! さようなら! こっちのしれぇ!」
ゴーヤ「さーて、張り切ってオリョクルでち。イクー!」
飛龍「私も戻ろー」フワーア
提督「」
潮「ご、ごめんなさい… め、迷惑でしたよね… わ、私も下がります…」
提督「………」
提督「いや、君は待ってくれ!」
潮「ウヒャッヒィ!」
潮「な、なんでしょう…」
提督「… 私… いや、俺は、君の口から、感謝の言葉を聞きたい」
潮「へ…? あ、あの」
提督「このまま下がったら、お互いモヤがかかったままだと思うんだ。だから、これではっきりさせよう」
潮「…… う、うう」
提督「泣かないで、俺を見て」スッ
潮「…… !?」
潮(い、いつもは誰かに触られただけでびっくりするのに… この人に対しては、ならなかった…!?)
潮(な、なぜ? 初めて話す人なのに… 一体… 何だか、暖かい…)
提督「君はもっと、周りに謝罪をするより、感謝を伝えるべきだ」
潮「わ、私… いざとなると… わけがわからなくなってしまって…」
潮(な、何を言っているのでしょう… まだ良く知る仲でもない人に対して… こんなことを…)
提督「こうやって、面と面、向かい合って、ちゃんと落ち着けば、大丈夫だ」ニコ
潮「…… っ」
潮(この人… 私を、助けようとしている! 二度も、助け出そうとしている…)
潮「貴方は本当に、優しい人なんですね…」ポロポロ
提督「なっ、なぜ泣くんだ」オロオロ
潮「これは… 悲しくて泣いているわけではありません…」グスッ
潮「世の中に、こんなに優しい人が居るなんて… 出会えて、嬉しいです…」ポロポロ
提督「」ズキューン
潮「私、ちゃんと、言います! 貴方になら言える気がします!」キッ
潮(… 落ち着いて… 深呼吸… しっかりと、相手の目を見て…)
潮「… 私達を助けてくれて、私を助けてくれて、本当に、ありがとうございました」ニコッ
提督「」バキューン
提督「…… そ、そう。それが、正解だと思う。卑屈にならず、弱気にならず、感謝すべき相手には、きちんと感謝を伝えるべきだ」ニコッ
潮「はい! なんだか私、少しだけ変われた気がします! また、助けられちゃいましたね」エヘヘ
提督「」ドキューン
提督「そ、そうか! なら、良かった…。私はこの建造が終わるまでここに居なきゃいけないから、君も戻ってもいいよ」
潮「………」
潮(なんだろう… この人と一緒にいると、安心する…)
潮「あの… ここにいちゃ、ダメですか?」
提督「」(即死)
提督「―― それで球磨がな」
潮「ふふ、面白いです」クスクス
元帥「随分と仲良くなったな…」
潮「げ、元帥!」
元帥「そろそろ仕上がる頃だと思ったんだが…?」
『00時間15分』
提督「そんなに話し込んでたのか… もう夕方だし」
潮「ほ、本当だ…」
元帥「…… 君、潮を連れて行くといい」
提督「えっ」
潮「ピャイッ」
元帥「どうやら、私といるより良いらしいからな」
潮「そ、そんなことは…」
元帥「顔見りゃわかるわ。無理するな」
潮「う、うう…」
提督「…… 潮が良いなら、歓迎するけれど」
潮「そっ、そんな! で、でも… 私は… うーんうーん」プシュー
元帥「ははは」
<プシュー スコンコン ガンガンガン
元帥「ん、終わったみたいだ」
提督「開けますね」
伊401(以下しおい)「提督、ごきげんよう。潜特型二番艦伊401です。しおいって呼んでね!」ババァーン
元帥「や、やっと会えた…」
提督「よく来てくれた。歓迎するよ」
しおい「あ、あれ? 提督が二人…?」
提督「ああ、これはな――」
―― 提督説明中 ――
しおい「なるほど! じゃあ私はこっちの提督に付いていけばいいんですね!」
元帥「ああ。これに細かいデータを記入して送ってくれ」ピラ
提督「はい… それで、潮は?」
潮「……」ギュッ
元帥「いやははは、娘を嫁に送り出す感覚だ…」
潮「私は元帥の娘じゃないです…」オドオド
提督「あんた…」
元帥「え、いや、何もしてないぞ!?」
しおい「こっちの提督で良かった…」
潮「… 行きましょう」
元帥「」
提督「ま、まぁ… 私は信じてますから」ポン
元帥「おお… 神よ…」
潮「……」ペコ
元帥「… いってらっしゃい」
―― 新たな艦娘が着任しました! ――
球磨「誘拐犯が帰ってきたクマ」
提督「帰って来て早々に酷いな…」
阿武隈「やっぱり連れてきちゃった…」
潮「あ、綾波型十番艦『潮』です… この度は、ご迷惑をおかけします…」
瑞鶴「いいのよ! ね、翔鶴姉!」
翔鶴「ええ、賑やかになることはいい事です」ニコ
潮「うう、そ、その… すみませぇん!!」
提督「潮?」
潮「ハッ」
潮「あ、ああ、あの、あっ、ありがとうございます!」
木曾「なるほど、そういう子か」
子日「提督は無罪の日~」
球磨「チッ」
しおい「伊400型潜水艦二番艦、伊401です! よろしくね!」
イムヤ「潜水艦? 私とここのハチもそうなのよ。よろしくね」
ハチ「よろしく、です」
しおい「うん! よっろしくぅー!」
球磨「この子と提督が絡むと、それだけで犯罪の匂いがするクマ」
提督「言い返せないのが弱み…」
皐月「また増えたんだね…」
弥生「仲間が増えるのは、いいことじゃない?」
望月「皐月みたいな提督大好き星人には良い事とは限らないかもね」
弥生「ああ…」
長月「潮はもう攻略済みだな」
島風「はっや……」
最上「て、提督? ごめんね、無理させちゃって」
三隈「モガミン、提督と何かあったんですか?」
最上「うん。ちょっと意地悪なお願いしたら、提督が頑張ってくれて…」
提督「構わないが… 潮は改二であり申し分ない。だが、しおいは練度1なんだ」
最上「そうだけど、それと晴嵐が何か関係あるの?」
提督「この子は、大規模改装をすると、晴嵐を持ってきてくれる」
最上「!? そ、そうなの?」
しおい「そうだけど… 晴嵐さんが欲しいの?」
最上「うん、欲しい」ズイ
三隈「欲望に忠実なモガミン、素敵ですわ」
提督「そうかな…?」
しおい「うーん、でも晴嵐さんは友達だし… うーんうーん」
提督「レンタルとかはダメなのか?」
しおい「そ、そんな! 晴嵐さんに失礼だよ!」
提督「そ、そうか…」
最上「… どうしよっか、提督」
提督「…… ここの妖精さんなら」バッ
提督「しおい、付いて来て」グイッ
しおい「えっ!? う、うわあ」
球磨「事案クマ」
木曾「聞こえてないぞ」
妖精さん「また無茶を言いますね」
提督「すまん…」
妖精さん「出来ないこともないですけど…」
提督「本当か!?」
しおい「それってなんか、駄目なことじゃないの?」
妖精さん「この人にはそういうのが欠けてるんです」
提督「君に言われたくはないな…」
妖精さん「星を吹っ飛ばす主砲持っていながらよく言えますね」
提督「他所の鎮守府から装備掻払って来た君がよく言う」
しおい「仲いいんですね」
二人「まぁね」
しおい(星を吹っ飛ばす主砲ってなんだろう…)
妖精さん「… とりあえず置かれたままの『瑞雲』の妖精さんに頼んでみます」
提督「ありがとう。それじゃ、しおいは訓練演習実戦! がんばろうか」
しおい「よーし! がんばりまーす!」
最上「提督?」
提督「なんとかなるっぽい」
最上「本当? やった!」ピョンピョン
三隈(天使か… 天使だわ…)
しおい「装備のコピーなんてよく考えつきますね」
提督「頭の回転はいい方なんだよ」
若葉「どの口が言うか」
提督「若葉? あれ、初霜は?」
若葉「どこかの誰かさんに運を渡しすぎたとかで、滑って転んで気絶中」
提督「」
提督「見てくる…」
若葉「ん」
最上「じゃあ、晴嵐の構造をコピーして、瑞雲の妖精さんを乗せるってこと?」
しおい「はい! 妖精さんも、やれやれって顔してましたけど、楽しそうでした」
瑞鶴「ここの妖精さんは提督の次に無茶苦茶だから…」
若葉「…? 瑞鶴は大丈夫なのか?」
瑞鶴「運を渡しすぎたってあると思う? 私はそうは思わないわ…。提督、まるゆカードを受け取ったんですって?」
若葉「…………」
若葉「ハッ! 初霜、謀ったな!?」バッ
島風「若葉はっやい… あれ? 皆早いね…」
皐月「島風は物理的に早くても、落ち着いてるから…」
島風「そうかな? あ、日が沈み始めたね」
瑞鶴「えっ!? ま、まずい、翔鶴姉!」
翔鶴「あ、ああああああああ、夜… 雷撃… 潜水艦… 行動不能… カットイン… あああああ」ガクガク
瑞鶴「トラウマスイッチが!」
ハチ「何だかごめんなさい」
イムヤ「あなた一人だったのに? 何したのよ…」
ハチ「あの日調子よくて…」
初霜「て、提督… お願いです… 私の運を… あげてください」ガクガク
提督「よ、よし! 今すぐやろう!」
若葉「初霜ォォォォ!!!」バーッン
初霜「チィッ」
提督「え!? 若葉、なんで?」
若葉「提督だまされるな! 初霜は運を失ってなんかいない!」
提督「な、なに!?」
若葉「じゃんけんしてみろ」
初霜「ぐぬぬ… いい所だったのに…」
提督「いや… その必要はないよ」スッ
若葉「なに…?」
初霜「提督…?」
提督「このまるゆカード… 初めから初霜に使うつもりだった」
若葉「なん… だと…」
初霜「て、提督!」キラキラ
提督「聞けば初霜、全艦で運最大値が最高なんだって? なら上げるしかないだろう」
初霜「提督…」トゥンク
若葉「… 勝手にしろ」パタン
提督「若葉には後で何かしてやらないとな」ハハハ
初霜「提督… 嬉しい…」キラキラ
提督「んじゃ、運あげようか」
初霜「はい!」
<まるゆカード発動!>
初霜「…… なんだか余り代わり映えしませんね」
提督「だね」
初霜「幸運すぎて、周りを不幸にしてしまったりしないかしら…」
提督「… まだ少し余ってるしな… 翔鶴にでも使おう」
初霜「あ、いいですね」
瑞鶴「私と同じくらいの運を持つ翔鶴姉か… 素敵ね」
翔鶴「ふふふ… 負ける気がしません… これなら夜も怖くありません!!」
瑞鶴「トラウマが薄れたのなら良かったわ… ありがと、提督」
提督「礼には及ばんさ。どうせ貰い物だし」
しおい「それじゃあ、オリョール海に行ってきます!」
提督「はい、いってらー」ノシノシ
皐月「しおいちゃんは、どちらかといえば戦闘用って感じなのかな?」
提督「そうだな。いつものオリョールは資材調達だが、今回は資材差し引きでのレベリングだ」
皐月「なるほど… これで建造に使った資材へのダメージを減らそうって事だね?」
提督「うん… きっと大丈夫だろう」
朝潮、若葉、初霜といちゃついて終わりにしようと思います。
潮「… あ、あれ? あの子ってこの鎮守府にいたっけ…」
提督「ん? どした、潮…… あれ、あの子は…」
??「」キョロキョロ
??「あ!」パァァァ
提督「ど、どうしてここに?」
朝潮「お伝えしたいことがありまして!」ニコォオオッ
潮(すっごい笑顔… まさかこの子も…?)
朝潮「あれ? あ、ここの鎮守府に配属された艦娘ですね。初めまして、私は朝潮です」ビシッ
潮「あ、あの、わ、私、潮… です」ペコ
朝潮「潮さんですか! よろしくお願いしますね」
潮「あっはい! よろしくお願いします!」
提督「それで、伝えたいことって?」
朝潮「あ、はい! えーと、この海域なんですが――」
提督「うんうん――」
潮(お邪魔かな…?)
潮「私は下がりますね」ペコ
提督「あ、ありがとねー」
潮「いえ!」
朝潮「――ということなんです」
提督「海外鑑ね…。どこに来るかわからないから、とりあえずは全鎮守府に回されたってことか。君はこれからどうするの?」
朝潮「はい、私の鎮守府から数名を派遣させてそれぞれの鎮守府に情報を回しています。
それから、その艦娘が到着するまでは、私の鎮守府への案内の為に短期間ですが滞在することになります」
提督「滞在…? 分かった。んじゃあ部屋とか用意するよ」
朝潮「迷惑をかけるわけには…! 野宿セットは持参しておりますので…」
提督「そ、それはダメだ! ちゃんとした建物の中で生活しなきゃ… 女の子なんだし」
朝潮「で、ですが…!」
提督「だが… 部屋を新しく作るって言ったら…」
朝潮「それならば私は…」
提督「だよね… 君ってそういうとこ頑固っぽい顔してる」
朝潮「え… !?」
朝潮(そ、そういえばチビ提督が――
チビ『いいか、あいつはな、信頼する相手が言う事は大体聞いちまうんだ。
お前はもうあいつと同じ戦場で戦った。それに、膝の上で寝るなんていうこともしたんだろ?
だったら、あいつはもうお前の言う通りに動く奴隷みたいなもんだよ。ざまぁねえ』ハハハ
って言ってました… 本当なのでしょうか… 少し、試してみたい気がしますが…)
提督「」ウーンウーンドウシヨ
朝潮(逆に… 試すなら今しかないですか…)
朝潮「そ、その…」
提督「ん? どうしたの?」
朝潮「その… 提督さんの部屋なら、お一人ではありませんか?」
提督「…… い、いや、流石にそれは… チビに悪いし…」
朝潮「了承済みです」
提督「!?」
朝潮「あ、あの同じベッドという訳ではなくてですね」テレテレ
提督「い、いや、この季節寒いし… 一緒の部屋なら同じ布団じゃないかな…」
朝潮「そ、そんな… !」カァァ
朝潮(気のせいか、前より積極的になってる…?)
朝潮「……… お願いします」プシュー
朝潮(え!? な、何を言っているの!? そ、そんな事言ったら提督さんになんて思われるか…!)
提督「うん、それがいい」ニコ
朝潮「………」ボーッ
提督「朝潮… さん?」
朝潮「さん付けはして欲しくありません」ボーッ
提督「あ、うん」
朝潮「………」ボーッ
提督(どうしたんだ… 全く動かなくなった…)
朝潮「」バタン
提督「!? なんで!? と、とりあえず医務室!」
朝潮「提督さんの部屋がいいです……」ガクッ
提督「え!? わ、わかった」
朝潮(チビ提督… よく分からない内にいい方向に進んでいます… ありがとう…)
提督「………」
朝潮「うーん…… うーん……」
初霜「体温が非常に高いですね。でもそれだけの様です」
提督「そう、ありがと」
初霜「こんな所にもライバルが…」チィィッ
提督「初霜?」
初霜「な、なんでもありません!」
提督「……」ナデナデ
朝潮「……」ニヘラ
提督(かわいい… 犬みたいだ…)ナデリコナデリコ
朝潮「…… フヘヘ」トロォニヘ
提督(あ^~)ナデナデ
朝潮「………… ハッ」バッ
提督「おっ、おはよう」
朝潮「…… お、お早うございます…」カァァァ
提督「まだ三十分くらいしか経ってないから、疲れてるならもう少し寝ててもいいよ」
朝潮「い、いや、決してそういうわけでは!」
提督「そう? ならいいけど」
朝潮「そ、その、提督… 執務を手伝わせてください…」
提督「え? なんで?」
朝潮「償わさせてください…」
提督「ああ… うん、分かった」
朝潮「私の所よりも極端に少ない…」
提督「まぁ… こんな田舎だしね」
朝潮「そういう物でしょうか… 提督さんは『大将』なんですよね?」カキカキ
提督「まぁね… って言っても、ほとんど名前だけ。名誉提督みたいな?」シュバババ
朝潮(仕事をこなすスピードも桁違い… なんでしょう… 少し悔しい…)
朝潮「… 私の分は終わりましたよ」
提督「んー、あと一分」シュバババ
朝潮「……」ジーッ
提督「………」シュバババ
提督「ん、終わった」
朝潮「お疲れ様でした」
提督「朝潮もね。ありがと」
朝潮「い、いえ! 私の我が儘ですから…」
提督「でも助かったよ」ナデナデ
朝潮「ウヒャウッ」///
朝潮「… 提督さんはこの時間、いつもは何をしていらっしゃるんですか?」
提督「んー、妖精さんと雑談したり、演習見に行ったり、食料の買出しに行ったり」
朝潮「暇なんですね」
提督「まぁね」
朝潮「……」ドキドキ
朝潮「あ、あの、今日は私と… 一緒に居て頂けませんか」///
提督「ん、いいよ」
朝潮「あっ… ありがとうございます!!」(軽い…)
提督「あーでも、そろそろ潜水艦の三人が帰ってくるかな」
朝潮「戦果報告ですね! お供します!」
提督「ありがと」ニコッ
朝潮「はい!」ニコニコッ
イムヤ「司令官!! 帰ったわ!!!!」バァーン
提督「お疲れ様。どんな感じだった?」
イムヤ「脅威になるほどの敵方は居なかったわ。後は駆逐イロハ、軽母ヌ級がどこかに向かっていたから、全員撃沈させたわ!! それも全員無傷でね!」ドヤァ
提督「四隻一緒に? … これは」
朝潮「近づいてますね。他の鎮守府に連絡取れますか?」
提督「そのつもりだ」ピポパ
イムヤ「司令官?」
提督「ん、うん。海外艦が本土上陸を目指している様なんだが、足取りが掴みづらくてね。まだ新米の子らしいし、しっかりとした情報が無いから、全鎮守府
で、こうやって情報を交換してるんだよ」
イムヤ「今回は、その子が襲われそうだったってことなの?」
提督「そうだね。オリョール海か… も少し警戒強くしたほうがいいかも」
朝潮「もしもし… はい、朝潮です。実は――」
イムヤ「その子は別の鎮守府の子よね? その件に関係してるの?」
提督「例の海外艦はこの子の鎮守府に来るはずだったんだよ」
イムヤ「なるほどね… でも、司令官の膝に座る理由が、今のところ見当たらないのだけれど?」ピキピキ
提督「そう来ると思った…」
イムヤ「なら何で断らないのよ!!」ウガーッ
ハチ「提督はイエスマンですから」ヒョコッ
イムヤ「はっちゃん! もう! 司令官の誑しっぷりには呆れちゃうわ」
提督「すまない…」
イムヤ「でも、嫌いになるどころか、むしろどんどん好きになるのが不思議なのよね」キッパリ
ハチ「イムヤも大概ね」
提督「今のすっごい可愛かった…」
イムヤ「ふん! 司令官に近づくには、ストレートがいいって思ったのよ!」バタン
ハチ「しおいは入渠中です。では」
提督「うん、ありがと」<バタン
朝潮「… はい。通達終わりました」
提督「お疲れ様」
朝潮「前と変わらず、仲が良いのですね」ムスッ
提督「なに拗ねてるの? イムヤはあんな感じだよ」
朝潮「……」
提督(怒ってるアピール? めっちゃ可愛いんだけど…)
提督「ごめんて… 機嫌直して」ナデナデ
朝潮「はい! それでいいんです」キラキラ
提督「あはは…」
弥生「… あの子なかなかのやり手… グズグズしちゃいられない…」
皐月「おこなの?」
弥生「たった今おこです」ブチッ
皐月「」ピチューン
――
朝潮「お早うございます!」
初霜「おはようございます」
若葉「朝だぞ。おはよう」
弥生「おはよう… 司令官」
提督「俺ベッドから落ちてるんだけど?」
提督「首がいてぇ」
朝潮「申し訳ありませんでした…」
提督「朝潮は最初から居たから… 後から入ってきた連中からその言葉を聞きたい…」
初霜「他の鎮守府の子に手を出す様な人に申し開くことなどありません」
若葉「右に同じ」
弥生「思い立ったらすぐ行動…」
提督「反省の色無しかよ… あ、そうだ」
朝潮「どうかなさいましたか?」
提督「ウチではちゃんと仕置をするのが決まりなんだよ。だからこうする」ギュー
朝潮「へっ!?」ギュウウ
初霜若葉弥生「!?」
提督「ボーキサイト輸送任務」
若葉「…… よく聞こえなかったな。もう一度言ってくれ」
提督「ボーキサイト輸送任務。三人と… そうだな。そこでのぞき見をしているもっちーにも行ってもらおう」
望月「!? あ、あたしはたまたまここを通りかかっただけで――」
提督「私にそんな嘘が通用するとでも?」
望月「そんな設定あったな! 忘れてたわクソが!」
弥生「もっちーキャラ…」
望月「ふん! 精々五時間いちゃついてろ!!」
提督「そうさせてもらおう」ニコニコ
提督「… まずは執務を終わらせよう」
阿武隈「提督? 書類が届いています。それと駆逐艦四人が死んだイカみたいな目をしてましたけど?」
提督「ちょっとやり過ぎたかな… ま、いいや。ありがと」
阿武隈「いえいえ! お手伝いは… 要らなさそうですね」チラ
朝潮「衣食住を充実させていただいている恩返しとして! 朝潮、執務補佐を全力で努めます!」ビシッ
阿武隈「頑張ってくださいね~」ヒラヒラ
提督「んー、阿武隈。初春、子日、長月、島風、潮と潜水艦三人で演習を行ってくれ」
阿武隈「あ、分かりました! 皐月ちゃんはどうしたんですか?」
提督「部屋で吊るし上げられてた」
阿武隈「弥生ちゃん…」
提督「あの子ってキレるとそんなに怖いのか… って戦慄した」
阿武隈「一度だけ、他鎮守府の演習相手にキレてました。どこかから縄を取り出して…」ガタガタ
提督「遠征に出して正解だったかな…」
阿武隈「ちゃんと相手してあげてくださいね」
提督「分かってるよ…」
朝潮「弥生さんって確かに、怒らせたらいけないって雰囲気ありますね」
提督「うん。皐月が別の世界にイってたのは本当に驚いた」
朝潮「さて、例のごとく少ないですが、終わらせましょう!」
提督「そうだね… がんばろ」
朝潮「… これって」
提督「ん? この書類?」
朝潮「やはり、まだ来てませんでしたか… これの処理は提督さんがするべきです」
提督「…………」
提督「ケッコン… カッコカリ…」
朝潮「もう皆さん、練度はかなり高いですよね」
提督「最高練度の艦娘と… ね」
朝潮「隠しておいたほうがいいと思いますね…」フフフ
提督「本当に殺されるかもね…」
提督(ケッコンねぇ…)
朝潮「こちらは終わりましたよ、提督さん… あれ、あまり進んでませんね」
提督「」ボーッ
朝潮「…… さらに半分貰いますね」ヨイショ
提督「」ボーッ
朝潮「…… もう」
朝潮「んーっ… 終わりましたよ」
提督「んぁ? あ、ああ、ありがと」
朝潮「心此処にあらずですね」
提督「まぁ… ね」
朝潮「ふぅ…」ポスン
提督「ん……」ナデリコ
朝潮「私は提督さんの分を半分も余計にやったんです。もっと勞ってください」ムフー
提督「君ってそんなキャラだったっけ?」
朝潮「あなたにそうさせられたんです」
提督「???」
朝潮「この姿勢が心地いいんです…」フヒー
提督「それならいいんだけど…」ナデリコナデリコ
朝潮「… 私の鎮守府では、提督は私達に、一度も肌を触れてないんです」
提督「そうなの?」
朝潮「身長が足りなくて撫でれないっていうのもあるみたいですけれど」ハハハ
提督「あはは…」
朝潮「ですから… 作戦前に座らせてもらった感覚が、本当に暖かかったんです… 忘れられなくて」ギュウ
提督「… そ」ギュウ
<プルルルル プルルルル
提督「―― はい。 朝潮? はい、代わるよ」
朝潮「はい… あ、そうですか! 近海まで… 分かりました。帰投します」ガチャン
提督「こっちには来なかったみたいだね」
朝潮「はい… でも、あまり無駄だったとは思えません…」スクッ
朝潮「貴方と一緒に居られましたから」
提督「」ズバキューン
提督「途中まで送っていくよ…」
朝潮「そ、そんな! それこそ… えーと、えっと…」
提督「理由が無い?」
朝潮「あ、はい… そうです」
提督「君がここに居たかったのと、同じ気持ちだからだよ」ナデリコ
朝潮「」///
朝潮「… では…」シュン
提督「また何時でも来るといいよ」ナデナデ
朝潮「」パァァッ
朝潮「はい! 朝潮、また来ます!」ビシッ
提督「うん」ビシッ
朝潮「………」ウツムキ
提督「… どうした?」スッ
朝潮「」チュッ
提督「!!!?????」
朝潮「ここは… 私だけがしっかりしなくてもいい… 少し悪い子でもいい… 素敵な場所です」ニコッ
提督「」ボーゼン
朝潮「では――」
提督「」ノシノシ
朝潮「―――」ノシ
瑞鶴「やるわね… あの子」
提督「… 瑞鶴か… やられた…」
瑞鶴「それにしては嬉しそうな顔してるじゃない…」
提督「そりゃあ、ね」
瑞鶴「―― 一つ忠告しておくけど」
提督「?」
瑞鶴「翔鶴姉は、噂好きなのよ。どこかから流れ込んできた噂。例えば―― 最近できたシステムとかの」
提督「…… ?」
提督「…………」
提督「」
提督「ショーカク!!」ドヒュン
瑞鶴「はやっ」
提督「ここでアクセル全開!!」バァーン
翔鶴「ヒッ い、インド人を右に!!」ババッ
提督「いくら私でも、自分の引き出しを勝手に開けられると嫌な気分になるぞ?」
翔鶴「ごめんなさい…」
提督「…… まぁ、今回は子日の審判にかけないでおくから」
翔鶴「ほ、本当ですか?」パァァッ
提督「その代わり、君が探していたであろう物の事は誰にも言わないことだ」
翔鶴「それってもうあるって言っているようなものじゃ」
提督「いいね?」
翔鶴「アッハイ」
弥生「帰ったよ」ギィィ
提督「ん、どうだった?」
弥生「期待値通り… うん、皆無事。あれ、朝潮ちゃんは…?」
提督「ああ、うん、ついさっき帰ってったよ」
弥生「そう…」スタスタ
翔鶴「………」
翔鶴「私は失礼しますね」ガチャ
提督「んー。弥生どうした?」
弥生「…… 五時間、イチャイチャしてたの?」
提督「執務もあったよ?」
弥生「でもイチャイチャしてた」
提督「うっ… はい……」
弥生「…… きっと今は… 弥生のターン」
提督「………」フゥ
提督「いいよ、おいで」
弥生「」パァァッッ
弥生「」ポスン
弥生「司令官の匂い… 好き……」クンカクンカ
提督「………」ナデナデ
弥生「ムフー…… ムフー……」
提督(むず痒いな…)
提督「かわいいな、弥生は」ナデナデ
弥生「ムフフ…… 司令官は優しいし、かっこいいし、いい匂いがするから好き…」
提督「… はは、ありがと」ナデリコナデリコ
弥生「…… なんだか、変な気分になってきた…」ホカホカ
提督「弥生… ?」
弥生「…… 嫌だったら… 押しのけて… 司令官」ガバーッ
提督「う、うおおおっ!?」ガババーッ
弥生「司令官っ…… 司令官っ…」ムフームフー
提督「や、弥生… っ」
弥生「司令官っ―― キス―― キスしてっ…」ズイズイ
提督「んっ… むぅう――ッ!!? んっ… んんーっ」
弥生「んーっ… 散々放置して… こうなったのも… んむっ… 司令官のせいなんだから……」トロォン
提督「や、弥生…」
弥生「嫌じゃないの… ? なら…」シュルル
提督「ちょ、そ、それはまずい!」
弥生「まずい? 嫌じゃなくて…? 嫌ならやめる… でも嫌じゃないなら… 弥生は… いいよ?」
提督「や、よ… い……」
弥生「司令官…… 好き… 好き…」ガバッ
提督(まだ… 体はこんなにも幼いのに… なんでこんなに色っぽいんだ…)
提督「いい加減… 我慢するのがバカらしくなるな…」
弥生「… 司令官?」
提督「弥生… ちょっとストップ。鍵開いてる」
弥生「……… え?」
提督「よし… これでいいか」ガチャン
弥生「………」ドキドキ
提督「… 何今更しおらしくなってるんだ? 弥生…」ガバッ
弥生「あっ…」
弥生「司令官っ…… 司令官っ」ダキーッ
提督「弥生っ…」ギュー
最初にR18は無いと言ったな… あれは嘘だ。
弥生「… もっと… 近くに来て… 司令官」
提督「ん…」
弥生「はぁ… スンスン … 司令官… しれい、かぁん… ハァハァ スー」
提督「うっ… く、弥生…」ギューッ
弥生「暖かい… 司令官… 好き… 好き」ギュー
提督「弥生っ! 弥生っ…」チュー
弥生「んむっ!? むーっ… んーんー!」
弥生「プハッ… 司令官… キス気持ちいいよ… もっと…」
提督「はぁはぁ… んー!」
弥生「んーっ!!」
弥生(司令官… なんだか苦しそう… )
弥生「司令官… 弥生… 司令官になら… 何されてもいいよ?」
提督「弥生っ… それは…」
弥生「…… 来て」
提督「弥生… 弥生……」
弥生「はぁ…はぁ… んっ、んぁっ! そこ…」
提督「弥生… 可愛いよ…」
弥生「だ、ダメぇ… こんなの… みないで、司令官… ああっ!」
提督「もっと、顔をよく見せて」
弥生「はぁ… はぁ… しれいか んむっ… んーー」
提督「…… プハッ」
弥生「… 司令官… 弥生… 自分が何したらいいか… よく知らない…」
提督「…… そうか」
弥生「っ!? こ、こんなに… 大きい…」
弥生「… ここ、こうすればいい… ですか? ん、あっ! だ、大丈夫?」
提督「――」(弥生が書きたいだけなので提督台詞省略)
弥生「そ、そう? なら、いいけど… んっ… す、すごい匂い…」
弥生「司令官… 気持ちいい? え… く、口? い、いや… 嫌じゃない… です」ハム
弥生「んんんむ… いえいあむ? んん―― んむ… ンチュッ… プハッ」
弥生「… そろそろやばい… の? 何が…? あ、そ、そういうこと…」///
弥生「いやらしい匂い… ですね… 何だか… 頭がクラクラしてきた…」
弥生「………………… うん、きて」
弥生「ん… んん… きっつ… あっ… あい゛っ!? んぐっ… んんーーー!!」
弥生「んんー… んんー…… 司令官… き、きす… きすして」
弥生「あむっ… うん… ん… いいよ」
弥生「は… はぅっ… うう… ん… あっ… んん……」
弥生「しれいかんっ… しれいかんっ…… ! ああ… んん… ああっ… ふむぅ… んむっ…」
弥生「すきっ… すきすきっ… しれいかんっ… すきぃっ…… んぁあっ」
弥生「… うん、少し… まだ、少し… いたいけど… もう… だいじょぶ… だよ?」
弥生「だって… 弥生… あまり… しれいかんとっ… いっしょに… いられてなかった… し」
弥生「皐月とも… いちゃいちゃしてたし… 長月とも… よくいっしょにいたし… やよい… 寂しかった…」
弥生「… おねがい… 愛して… しれいかん… 愛して… ぎゅって… して?」
弥生「んぁ… ああっ!? … ああっ… あっ… し… しれいかんっ… はげしっ…」
弥生「ふぅっ… はぁっ… はぁっ… あっ… ぁあっ… あぁっ… んっ… んあっ… ああっ…」
弥生「だめっ… だめっ… んぁっ… だめぇっ… なんか… なんかくるっ… なんか… しっ…しれいかんっ」
弥生「しれいかんっ… しれいかんっ… ああっ… んっ…んっ… んんっ んぁあぁっ」
弥生「ふぅあっ… ああっ ああっあああああああっっっんああああああああ」
弥生「…………」///
提督「や、弥生… さん?」
弥生「… は、はずかし…」ウズクマリ
提督「… 可愛かったよ」ナデナデ
弥生「… 司令官っ」
提督「ん?」
弥生「大好きっ!」ガバーッ
あ… ありのまま今起こったことを話すぜ!
「若葉初霜を書くつもりだったのに気がついたら弥生と書くはずのなかったR18を書いていた…」
な… 何を言っているのか わからねーと思うが おれも 何をしていたのか わからなかった…
弥生「ふーん… ふふーん♪」
皐月「ひ、ヒィッ!? や、弥生… ご機嫌だね」
弥生「うん… うんっ」ニヘラ
長月「………」スンスン
長月「司令官の濃い匂いがする… や、弥生まさか…」
弥生「…… ふふ、内緒」
若葉「提督… ケッコンしよう」
提督「」トゥンク…
提督「い、いや… え、なんで知ってるの?」
若葉「風の噂だ。そのくらいの情報網は確保してある」
提督「………」ハァーッ
提督「い、いや… しかしな? ケッコンするには練度を最大にしないとだな」
若葉「」ドヒュン
提督「もういないし…」
若葉「初霜! 演習だ!」
初霜「え… ど、どうしたの?」
若葉「話は演習場に着いてからだ!」グイグイ
初霜「ちょ、きゃ、きゃあっ」
初霜「ケッコン… カッコカリ?」
若葉「そうだ。提督が持っているであろう指輪を渡された艦娘は、それによりレベルの上限が開放されたり色々な効果を得るんだ」
初霜「… そ、そんな物が…」
若葉「…… 見方によればただのパワーアップアイテムだ。だが、ケッコンと名前にあるように、提督と強い絆を結ぶこととなる」
初霜「強い…絆……」
若葉「中にはケッコンした艦娘の事を嫁艦と呼んでいる鎮守府もあるらしい」
初霜「よっ… 嫁っ!?」
若葉「ああ。だが、それには二つの条件がある。一つは、提督に選ばれること。そしてもう一つは、練度が最大であることだ」
初霜「な… なるほど! だから演習ってことね」
若葉「ああ。付き合ってくれるな?」
初霜「けれど提督が… 必ずしも私達二人のどちらかを選ぶとは…」
若葉「ああ… だが… 練度が最大であるに越したことはないだろう。選ばれる確率も高くなる」
初霜「……… 分かったわ。初霜、行きます!」
若葉「ああ、それでこそ初春型だ!」
提督(ケッコンね… どうしよ)
阿武隈「何かお悩みですか?」
ハチ「あ、提督」
提督「阿武隈… はっちゃん…」
阿武隈「なんだか思いつめた顔をしてますね。大丈夫ですか?」
提督「んぁー… まぁ、俺は… 大丈夫… かな」
ハチ「ふむふむ… ケッコンカッコカリ… ですか」
提督「はっちゃああぁぁん!!?」
阿武隈「え、何? 何ですか? それ」
ハチ「練度が最大の艦娘に指輪を渡すことで、強い絆を結び、さらに強くなるアイテムですか」
提督「……… ああ、そうだよ」
阿武隈「… それで悩んでたんですか」
提督「このことを知ってしまった子が二人」
ハチ「若葉と初霜?」
提督「あれ、なんで?」
ハチ「さっき演習場でドンパチやってました」
提督「」
ハチ「もう後には引けませんね」
提督「うあああああ」
阿武隈「そうですねー… あ、私、皆に伝えてきます」
提督「ヘアッ!? ちょ、ちょっと――」
阿武隈「提督は… そろそろ、はっきりしたほうが良いですよ。このままじゃ、本当に壊れてしまう子が出てきます」
提督「んん… た、確かにそうだが」
阿武隈「はぁ… 分かってるなら早く実行に移してくださいよ」
提督「だ、だが… 俺は… 今、ここで流れている時間を壊したくはないんだ…」
阿武隈「………」
提督「皆と笑って… それでいいんじゃないのか? 俺は… それがいい」
阿武隈「… それ本気で言ってます?」
提督「ああ… 本気だ」
阿武隈「それじゃあ、かわいそうですよ!」ガシッ
提督「あっ… あぶくま?」
ハチ「阿武隈さん!?」
阿武隈「貴方は逃げてます! 誰か一人を選ぶということから逃げてます!
それじゃあダメです! さっきも言った通り、取り返しのつかないことがおきるかもしれないんですよ!」
提督「だ… だがっ」
阿武隈「『誰か一人を選んだ方が、争いを生んだりはしないか』… ですか?」
提督「うぐっ… あ、ああ」
阿武隈「私達を舐めないでくださいよ!!」ガッシィイ
提督「うぐううっ」
ハチ「あ、阿武隈さん!? 提督が苦しそうです!」
阿武隈「提督が選んだ人を恨む程に中身のない想いだと思うんですか!? 提督に選ばれようと必死で! 方法を聞くなりその可能性に掛けて頑張っている子達の思いが、そんなに薄っぺらな物だと思うんですか!!?
舐めないでくださいよ! そんなみっともないことはしません! 私達は貴方が選んだ事に従います! もう私達は貴方に惚れているんです! それでもう私達に選択権はないんですよ!」ポロポロ
ハチ「あ、阿武隈さん…」
阿武隈「惚れたら負けなんです… 提督の選択に失敗があるとするなら… それは『選択しない』を選択した時です」
提督「………」
阿武隈「真の失敗とは… 開拓の心を忘れ、困難に挑戦する事に無縁のところにいる者達の事を言うんです…。三隈さんが教えてくれました」ポロポロ
提督「あ、阿武隈…」
阿武隈「貴方は先に進まなきゃいけないんです。こんなに沢山の人に好かれてしまった以上は、選択をしなければいけません」
提督「………」
阿武隈「それは性なんですよ。提督。私達にとっての幸せとは何か、考えてください」
提督「… ああ… 頭冷やしてくる」スタスタ
ハチ「あ、て、提督…」
阿武隈「………」ウッ… ウッ…
ハチ「阿武隈さん…」
阿武隈「ごめんね… はっちゃん… 抑えられなくて…」グスッ
ハチ「いえ… でもきっと… 提督に惚れている人は皆そう思ってます。間違ってませんよ、阿武隈さん」
阿武隈「で、でも… 私… 提督に… 酷いことしちゃった…」ウルウルワナワナ
ハチ「あれぐらいしないと… きっとあの人は動きませんよ」ナデナデ
阿武隈「ううっ… ぐすっ… ううあぁっ……」ポロポロポロポロ
ハチ「……」ナデナデ
提督(… あの子達にとっての… 幸せか…)
提督(そろそろ… 腹を括るか)
提督「………」スクッ
しおい「あ、提督! どうしたの? こんなところに居るなんて珍しいね!」
提督「しおい… か」
しおい「…… ? 提督、なんだか少し、かっこよくなったね!」ニヘ
提督「… ?」
しおい「これから何かするつもりなの?」
提督「あ、ああ… ちょうど全員になるか… しおい。今から鎮守府に戻って、全員を執務室に集めてくれ」
しおい「全員? うん、わかったー!」
提督「………」ドキドキ
<ザワザワ…
提督「皆居るか?」ガチャッ
阿武隈「て、提督! さ、さっきはごめんなさい! ついカッとなって…」
提督「いや… 阿武隈は何も間違ってないよ」
阿武隈「… 提督?」
提督「ここに集まってもらったのは他でもない。皆、噂で聞いている程度だとは思うが、『ケッコンカッコカリ』についてだ」
<ザワザワ…
提督「さっき、阿武隈にど叱られてな… 俺が考えていることが、間違っているんだって、分かったよ」
阿武隈「……」
皐月「さっきの声ってやっぱり阿武隈さんだったんだ」
阿武隈「え、聞こえてました!?」
球磨「食堂まで聞こえてクマ」
阿武隈「」///
提督「…… いい加減、はっきりしないといけないよな。俺も男だ―― ここできっぱりと発表する」
木曾「け、ケッコン相手をか!?」
瑞鶴「て、提督…」
提督「だが、まだ練度が最大の艦娘は一人もいない。けれど、ここでちゃんと言えば、誰かがダラダラと苦しむ必要は無くなるからな」
翔鶴「………」ゴクッ
提督「だから… 決めたよ――
―― 俺と、ケッコンしてくれ」
艦!!
とりあえずは、こんな終わり方で。
若葉ルートと初霜ルートを書いていきます。約束は守るよ。
提督「若葉」
若葉「……… !? !!!? !!!!???」
子日「さ、三回驚いた」
提督「若葉… 俺と、ケッコンしてくれ」
若葉「わ、若葉? 若葉の事か?」
提督「ああ」
若葉「若葉で… いいのか? 駆逐艦だぞ…? そ、そんな… い、いいのか?」ウルウル
提督「ああ」
若葉「…… 喜んで、お受けしよう」スッ
――――
若葉「皆が協力してくれた! もう練度最大だ!」
提督「これでやっと… この指輪を嵌めれるな」
若葉「ああ… 夢のようだ… 心が… こう、ふわふわしてる」
提督「俺もだ… はは、嬉しいな」
若葉「グスッ 若葉を選んだ瞬間、翔鶴やイムヤがどうなるかと思ったが… 杞憂だったな」
提督「はは、そうだな。ベタベタしすぎない距離感で、いつものように接してくれている」
若葉「むしろ祝福されたぞ! 嬉しかった」
提督「… 俺は馬鹿だったな」
若葉「どうした?」
提督「選択を恐れていたんだ… 誰か一人なんかを選んでしまったら、きっと何か起こるだろうって」
若葉「… 無理もない。若葉だってそう思ってた」ナデ…
提督「… クス 若葉は優しい」
若葉「え?」
提督「若葉と居ると落ち着く。若葉の声色は優しくて和む。若葉の目は厳しいけれど、中にはとてつもない程大きな優しさで詰まってる」
若葉「な、何を」///
提督「若葉と居る時間が… 本当に心地いいんだ」クス
若葉「……… きっとそれはだな。相手が提督だからだ」
提督「若葉…」
若葉「提督は若葉達を信じてくれていた。それがちゃんと伝わってきていたんだ。だからか、いつの間にか、提督の虜だ」
提督「と、虜て…」///
若葉「提督… 大好きだ」
提督「ああ… 俺もだよ」
―― なんとか年内にこのスレは終わらせたいので、詳しい物はいつか別スレで書こうと思います!
では初霜ルートもそんな感じで。
提督「初霜」
初霜「………?」
提督「初霜! 初霜、俺と、ケッコンしてくれ」
初霜「」
球磨「気絶してるクマ」
提督「えっ」
初春「… ええいっ! 男の覚悟にはきしっと応えんか!」バシィッ
初霜「ピャイッ」
提督「初霜… 大丈夫か?」
初霜「は… ははは、はい! だ、だっだだ大丈夫です!」
提督「… ちゃんと言うぞ。聞いてくれ」
初霜「ひゃい!」
提督「俺とケッコンしてくれないか、初霜」
初霜「夢みたい… 勿論です! 提督!!」
―――
初霜「ついに… ついに練度最大です!! 長い道のりでした…」
提督「皆喜んで協力してくれたな」
初霜「ええ… 若葉には何か言われるかなと思ったけど… ウチの人たちはそんなにヤワじゃないですね」クスクス
提督「それには同意だな。ちゃんとはっきり決めて良かったと思う。空気がさらに良くなった気がする」
初霜「ええ、そうですね」ニコ
提督「それじゃあ… 左手を出してくれ」
初霜「……… はい」ドキドキ
提督「―― これからも、二人一緒に… ここの皆とも一緒に、進んでいこう―― 初霜… 愛してる」
初霜「うふふっ、ええ! ずっと、ずっと、愛してます… 提督」
提督「………」スッ
初霜「………」///
提督「… なんだか少し照れくさいな」
初霜「そうですね… ふふ、でも私、とっても幸せです!」ギュ
提督「俺もだ、初霜」ギュ
初霜「提督! ずっと一緒に居ましょうね!」
提督「勿論だ。ずっと君と一緒にいるよ」ダキー
二つは例としてって感じですかね。
別スレで死ぬほどイチャつきたい。
400スレも行くとは思いませんでしたが、とりあえずここまでです!
ありがとうございました!
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