ラウラ「ヴォーダン・オージェは輝かない」 (19)
ヴォーダン・オージェ参考画像(左目)
http://fsm.vip2ch.com/-/hirame/hira084118.jpg
※ヴォーダン・オージェ――ISとの適合率を向上させるナノマシン的なやつ。ラウラはこれを左目に移植したが不適合で目が金色に変色し、能力が下がってしまった。このせいで落ちこぼれの烙印を軍から押されるが千冬の特訓で克服したらしい。
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1439139327
昔の夢を見ていた
「ヴォーダン・オージェ適性の結果が出ました。被験体ラウラ・ボーデヴィッヒは不適合です」
あ、ああああああああ……
「チッ、何ということだ……出来損ないめ」
「お前に幾ら金がかかっていると思っているんだ。この半端者が」
や、やめろ……
「この役立たず」
「屑が」
「不良品に用はない」
「落ちこぼれめ」
う、うわあああああ!! やめてくれえぇぇぇぇ!
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ラウラ「うわああああああああああ!」ガバッ
ラウラ「はぁっ……はぁっ……はぁっ……」キョロキョロ
シャル「すー、すー…………一夏ぁ、だめだよぅ……ムニャムニャ」zzz
ラウラ「……ゆ、夢か…………」
ラウラ「………………」
ラウラ「左目が……少し疼く……」ズキン
――役立たずが
ラウラ「…………ただの夢だ」ブンブン
「…………寝よう」
ーー朝ーー
シャル「んん……よく寝た……。あれ、早いね。おはようラウラ!」
ラウラ「……」ボー
シャル「ラウラ?」
ラウラ「……」ボー
シャル「おーいラウラ? ……ラウラってば!」
ラウラ「う、うわ! お、おはようシャルロット」
シャル「ボーっとしてどうしたの。ん……なんかクマが凄いよ。眠れなかったの?」
ラウラ「あ、ああ。ちょっとな…….」
シャル「もう、子供じゃないんだからちゃんと寝なきゃ駄目だよ! ほら、隠してあげるからこっち来て」
ラウラ「う、うむ。すまない」
ラウラ(結局、眠れなかったな……。はぁ……しっかりしろ私……)
ーー食堂ーー
セシリア「むぅ。このトーフというのは食べづらくて仕方ありませんわ」ツルッベチャッ
鈴「セシリアが不器用なだけなんじゃないの?」
セシリア「ち、違いますわ。そういう鈴さんはどうなん……」
鈴「ん? 何か言った?」ヒョイッパクッ
セシリア「ぐぬぬ……なんでもありませんわ……」
シャル「あはは……お箸は難しいよね。僕もラウラも最初は苦労したよ」ヒョイッパクッ
ラウラ「……」ヒョイッパクッ
セシリア「慰めになりませんわ……一夏さん、何かコツとかありませんか?」
一夏「コツッて言われてもなぁ……。箒、なんかあったっけ?」
箒「日本人は自然と身につくからな……コツと言われても難しい。慣れるまではスプーンを使ったらどうだ?」
セシリア「くっ、それは私のプライドが許しませんわ!」ツルッベチャッ
シャル「あはは……」
鈴「万能な箸もセシリアじゃあ 役 立 た ず も同然ね」ププッ
セシリア「鈴さん?! 今、聞き捨てならな――」
ーーヤクタタズ
ラウラ「!!」ビクッガタン
ガシャーン!
ラウラ「熱っ!」ミソシルビチャー
シャル「ラウラっ! 大丈夫?!」
ラウラ「あ、ああ……大丈夫だ。ズボンに少しかかっただけだ……」
箒「い、いや。中が火傷しているかもしれない」
一夏「ラウラ、濡れタオルだ。とりあえず冷やしながら着替えに行った方が良い」
シャル「僕がついて行くよ」
ラウラ「す、すまないみんな……」
ーーーー
ーーーー
ーー昼食ーー
ラウラ「皆、今朝はすまなかった……」
一夏「そんな気にするなよ、ラウラ」
シャル「ほんと、火傷が無くて良かったよ……」
鈴「うんうん、熱い味噌汁は危ないかね。セシリアなんか初めて味噌汁を食べたとき、いきなり吹き出し」
セシリア「ちょっと鈴さん?! その話は内緒と言った筈でしょう?!」
ギャーギャー
シャル「あはは…………ん?」
ラウラ「…………」ボー
ーーヤクタタズ
ラウラ(…………さっきのはたまたまだ。たかが夢なんと私が気にするはず……ない……)
シャル「…………」
シャル(ラウラ?)
ーー夜・寮部屋ーー
ラウラ「…………はぁ」
ラウラ(今日は何だが凡ミスばかりだ。嫁やシャルロットにも迷惑をかけてしまった……)
シャル「ラウラ、はいどうぞ」コトン
ラウラ「シャルロット? これは?」
シャル「ホットココアだよ。飲むでしょ」
ラウラ「う、うむ。あ、ありがとう」ズズズ
ラウラ(あ……おいしい)
シャル「……ラウラ、何かあったの?」
ラウラ「ん!? い、いや。べ、別に何にもないぞ……」
シャル「ほんとに? ちょっと僕の目を見て」
ラウラ「…….」
シャル「…………ふぅ。ラウラ、カップを置いてちょっと目をつぶって」
ラウラ「え? な、何で」
シャル「いいから」
ラウラ「う……わかった」キュッ
ラウラ(な、何をするつもりなんだ)
シャルロット「……」ギュッ
ラウラ「ひゃっ?! シャ、シャルロット?? 何でいきなり抱きついて……」
シャル「ラウラは1人じゃないよ」
ラウラ「え……」
シャル「一夏や箒、セシリア、鈴。それにクラスの皆。織村先生や山田先生もいる」
シャル「それに僕もラウラの友達だよ……あ、もしかしてラウラは僕を友達じゃないと思って……」
ラウラ「そ、そんなわけない! シャルロットは私の大事な友達だ!」
シャル「ふふ、ありがとう。ちょっと意地悪しちゃった」
ラウラ「むぅ……」
シャル「ごめんごめん。……でも今日のラウラを見ていたらなんか心配になってさ」
ラウラ「シャルロット……」
シャル「悩みがあるなら誰かに相談しなよ。みんな、絶対聞いてくれるからさ。もちろん僕だって何でも相談に乗るよ」
ラウラ「シャルロット……ありがとう」
ラウラ(だけど……これは私の問題だ……)
ラウラ「――でも、もう大丈夫だ」
シャル「本当に?」
ラウラ「本当だ」
シャル「……」
ラウラ「……」
シャル「……わかったよ。何かあったらいつでも相談してね」
ラウラ「うむ…………あ、シャルロット」
シャル「ん、何?」
ラウラ「……そ、その……いつまで抱きついて///」
シャル「あ……/// ご、ごめん」バッ
ラウラ「いや、大丈夫だ///……そろそろ寝よう」ゴソゴソ
シャル「う、うん。電気消すね」パチン
シャル「おやすみラウラ」
ラウラ「ああ、おやすみ」
ラウラ「…………」
ラウラ「シャルロット」
シャル「なに?」
ラウラ「……ありがとう」
シャル「……ふふ。どういたしまして」
その日、私はゆっくり眠る事が出来た。…………だけどこの悪夢は簡単には無くなってくれないらしい。
一先ず寝る。原作での時系列とかこれもうわかんねえな……
ーー数日後・食堂ーー
セシリア「ついに箸をマスターしましてよ!これでもうトーフなど恐るるに足りませんわ!」ヒョイッパクッ
一夏「おお、短期間で凄いな…」
鈴「甘いわねセシリア。この豆腐は木綿なのよ。果たして絹で同じ事ができるかしら」
セシリア「モメン? キヌ?」
鈴「ふっふっふ。今持ってきてあげるわ」スイマセーンキヌクダサーイ
鈴「ほら、この豆腐を掴んでみなさい」コトッ
セシリア「別にさっきと何も変わらな……」ツルッベチャッ
セシリア「」
鈴「ぷぷぷ……やっぱりまだまだね」
セシリア「ど、どうしてですの?!」
鈴「これは絹ごし豆腐といって、木綿豆腐より柔らかいのよ」ヒョイッパクッ
セシリア「く、くく……そんなの反則ですわ……。も、もう別にいいですわ!」
ラウラ「待てセシリア。聞いたところによると、日本では結婚したら豆腐を食べさせ合う風習があると聞いたぞ」
セシリア「なっ…….ほ、本当ですの?!」
ラウラ「ああ、要するに豆腐を掴めないような奴は夫婦でいる資格がないらしい。クラリッサが言っていた」
セシリア「そ、そんな……」ガーン
ラウラ「嫁!特訓したから私はモメンでもキヌでも大丈夫だからな!」フンスッ
一夏「お、おう……」
鈴「どんな風習よそれ……」
シャル「あはは……」
ラウラサンワタクシニモツカミカタヲオシエテクダサイマシ!
ムム、シカタナイナ
シャル「……」
シャル(良かった……この前は少し心配だったけど、いつものラウラに戻ったみたいだね)
ラウラ「……ん、どうしたシャルロット?私の顔に何か付いているか?」
シャル「え!? い、いや何でもないよ! それより日本にそんな風習はないと思うよ。ね、一夏」
一夏「ああ」
ラウラ「な、何……特訓の苦労が……」ガーン
ーー教室ーー
千冬「来月、クラス内トーナメントを行う」
一夏「トーナメント?」
千冬「ああ。形式は実戦形式の模擬戦だ。詳しい事は追って連絡する。小規模といえ評定に関わるからな。その事を頭に入れて置くように。では解散」
ハーイ
セシリア「一夏さん、私とトーナメントに向けて練習し」
鈴「一夏ぁ!一緒に特訓するわよ!」
セシリア「ちょっと!話に割り込んでこないで下さいまし!」
鈴「なによっ。不器用なセシリアとじゃ特訓にならないでしょ!」
セシリア「不器用は今関係ないですわよね!?」
ギャーギャー
箒「あの……一夏。私と練習しないか?」
一夏「あ、ああ」
セシリア・鈴「「ちょっと抜け駆けは駄目!」ですわよ!」
シャル「あはは…………。ラウラ、後で模擬戦しない?」
ラウラ「うむ、いいぞ」
ーー夜・寮部屋ーー
シャル「ふああ……今日は疲れたなぁ」
ラウラ「うー……」グデー
シャル「こらっ、ラウラ。寝る前に髪をとかしなさい」
ラウラ「うー……シャルロット、やってくれ……」
シャル「もう……仕方ないなぁ」クシクシ
ラウラ「ああ……気持ちいい」
シャル「今日みたいに激しく動いた日はちゃんとお手入れしなきゃダメだよ」
ラウラ「うむ…………。しかし、今日は完敗だったな……」
シャル「んー? 模擬戦の事? まあ練習でアリーナ使う時は安全性の為に相手の後付け武装が見えているからね。そうなると装備数が多い僕が有利なのは仕方ないよ」
ラウラ「……それもそうだが」
シャル「ラウラの動きも良かったよ。本番の条件じゃあどっちが勝つか分からないよ」
ラウラ「うむ……。そういえば嫁や皆の動きもレベルアップしている。特に今日のセシリアは凄かったな。鈴をよくあんなに捉えていた」
シャル「あれは多分別な力が働いていたんじゃないかな……恨みというか何と言うか……」アハハ
ラウラ「??」
シャル「まあ皆、切磋琢磨してるって事だよ。1人では出来ない事だからね」
ラウラ「うむ、そうだな」
シャル「じゃあ、そろそろ寝ようか。電気消すね」
ラウラ「ああ、ありがとう。おやすみ」
シャル「おやすみ、ラウラ」
ーーーーーーーー
ーーーー
ーー
「ねぇ、聞いた?ラウラボーデウィッヒは不適合だったらしいよ」
くっ…….またあの夢か……
「へぇ、じゃあアイツはもう落ちこぼれってわけだ」
くそっ……私は落ちこぼれではない
「戦うしか脳が無いのにね」
違う……私は教官と出会って、そして一夏や皆と出会って変わったんだっ!
「勝てない戦闘用マシーンには存在価値なんかないよねぇ」
違うっ!違うっ!私は変わったんだ!強くなったんだ!
ーー本当に?
えっ?
ーー今のお前は第二世代に遅れを取り、倒すべき敵とヘラヘラしている軟弱者じゃないのか?
ち、ちが….…う….…シャルロットは敵なんかじゃ….….
ーーラウラボーデウィッヒとは戦うために生まれた兵器だ。最強であることが義務だ
ちがう….…わたしは….….
ーー今のお前はいったい誰なんだろうな
ーーーーーーーー
ーーーー
ーー
ラウラ「っはぁ!っ、はぁ、はぁ….….…」ガバッ
ラウラ「………」キョロキョロ
シャル「すー、すー………一夏ぁ入らないよう……ムニャムニャ」
ラウラ「…………またか」
ーーーー今のお前は誰なんだろうな
ラウラ「….….…くっ」ズキン
ラウラ「左目が….…痛い….…」
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