前スレ
島風「提督、どうしたの?」提督「実はな……」 - SSまとめ速報
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↑に出てきたビスマルクがメインの話です
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執務室
提督「あーやっと執務が終わったな!」
ビスマルク「そうね、こんな日は鳳翔のお店にでも呑みに行きたいわ」
提督「お、それはいいアイディアだな」
提督「まだやってるだろうし、この書類を片付けたら行こう!」
ビスマルク「あなたにしては珍しいわね、いつもはそこまで乗り気じゃないのに」
提督「たまにはいいだろう?」
提督「それに、秘書官じゃない時に構ってやれなかったから、その分もついでにと思って誘ったんだ」
ビスマルク「よくそんなこと憶えていたわね」
提督「こういうことは忘れないようにしているんだ」
提督「まあそんなことはいいから、さっさと済ませていくぞ」
ビスマルク「ええ、そうしましょう」
提督(冷静さを装っているが、鼻歌を歌いながら書類を整理しているそんなところも可愛いぞ)ニヤッ
ビスマルク「あら、私の顔に何かついていたかしら?」
提督「いや、なんでもないぞ」
ビスマルク「そう、なら手を止めてないで早くしなさい」
提督「はいはい」
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鳳翔の店
提督(ここは鳳翔が夜だけやっている小料理屋だ)
提督(全国の鎮守府で鳳翔がいれば必ずあるらしく、この鎮守府でもそれは例外ではない)
提督(鳳翔お手製の美味しい料理を食べながらお酒を呑み、艦娘も提督である俺も疲れを癒す憩いの場となっている)
提督(俺とビスマルクは空いているカウンター席に座って注文をし、届いたビールを呑んで楽しいひと時を送っていた)
ビスマルク「アト……提督と呑むなんて久しぶりだわ。心なしかいつもより美味しい気がするわね」
提督(今さら人前で言い直す必要は無いと思うが、まあいいか)
提督「それはあれだ、執務から解放されたからだと思うぞ」
ビスマルク「そうかしら? 私は提督とこうして一緒に呑んでいるのが大好きだって自覚しているわ」
ビスマルク「確かにいつも一緒にいるプリンツや陸奥、大和とかの戦艦達と呑むのも好きよ」
ビスマルク「けど、あなたと一緒のときは特別な気がして、より一層そう感じるのよ」
提督「……まあ、ビスマルクがそう思うならそれでいっか」
ビスマルク「……そう言えば、あなたに一つ聞きたい事があったの」
提督「ん、何だ?」
ビスマルク「……一応、あなたはケッコンカッコカリを私と島風、二人にしたわね」
提督「ああ、そうだな」
ビスマルク「その時私には”あくまでこれは錬度の限界を解放し、更に艦娘を強化するための物だ、それ以上でもそれ以下でもない”って言ったわね?」
提督「よく憶えていたな、確かそんなことを言ったと思う」
ビスマルク「じゃあ、なんで私と島風、二人だけに渡したの?」
提督「それは……お前達二人はこの鎮守府で難解な海域を突破する時に必要不可欠な存在だ」
提督「そんなお前達を出来る限り強くして、来る艦隊決戦に備えてと思ってだな……」
ビスマルク「大鳳、赤城」
提督「?」
ビスマルク「金剛、比叡、霧島、榛名、北上、大井、木曾」
ビスマルク「この鎮守府の今までの大型海域で運用され、錬度が限界に達した艦娘はこんなにいるわ」
ビスマルク「なのに彼女達には未だに渡さず、こうしてケッコンカッコカリをしたのは二人だけ」
ビスマルク「さすがにそんな言い訳じゃ説得力は皆無ね」
提督「さすがに気づかれるか……実を言うとそんなに指輪を買うお金が無くてな」
ビスマルク「それも嘘ね」
ビスマルク「この前通帳を見ながら、”こんだけ金あっても正直使いどころがないんだよなー”って言ってるの、私知ってるから」
提督「え、あの時お前いなかったじゃん、何で?」
ビスマルク「遠征帰りのマックスが執務室に入る前にそんなことを聞いたって話してくれたわ」
提督「あー……マックスならそう言えばいたキガスルナー(棒)」
ビスマルク「で、何で嘘をつく必要があるのよ」
提督「……」
ビスマルク「そうして黙っていても、話すまでこのまま離さないから」ギュッ
提督「お、おい……」
提督(横から思い切り抱きつかれて、身動きが取れなくなった)
鳳翔「ふふ、店を閉めてもきっとこのままかもしれませんね」クスッ
提督「……」
提督(どうやら鳳翔もビスマルクの味方をするらしい、これじゃあ逃げようが無いな)
提督「……分かった分かった、観念して話すからとりあえず離れろ」
ビスマルク「離したら、逃げ出しそうだから嫌よ」
提督「そんなことはしない、ここじゃあ話しにくいから勘定して別な場所で話がしたいだけだ」
ビスマルク「……嘘じゃないでしょうね?」
提督「ああ、嘘じゃない」
ビスマルク「仕方ないわねー、逃げたら38cm連装砲(改)が火を噴くから」サッ
提督「お前に狙われたら、避ける自身が無いからやめておこう」
提督「鳳翔、お勘定頼む」
鳳翔「はい」ニコッ
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執務室
提督「鍵を掛けて……これでよし」ガチャ
提督「じゃあ、話を始めるとするか」ドカッ
ビスマルク「ええ」ギュッ
提督「……なんで向かい側のソファじゃなくて俺の隣に座るんだ」
提督(さっきもそうだけど、腕に胸が当たってて凄い意識するから色々と困る)
ビスマルク「一応、逃げないようにするためよ」
提督「はぁ、まあいいか……」
提督「まず始めに、俺の中学時代から話すとするか……話したくないけど」
ビスマルク「凄い嫌そうな顔をするわね」
提督「まあな」
提督「まあ、その頃の俺は思春期真っ只中だったから、ある女の子に恋をしたんだ」
ビスマルク「へー、アトミラールも普通の女の子が好きだったときがあったのね」
提督(あ、また呼び方変わった)
提督「ああ、男だからそういうことは一度はあるさ」
提督「で、俺は運よくその子と仲のいい友人がいて、そこで話す機会は十分あった」
提督「すると自然に休みの日とかに遊ぶ機会もあるわけだ。俺はその子に好きになってもらいたいからお出かけする前に色々と準備をしていたんだ」
提督「普段着をおしゃれなのにしたり、清潔感を出すためにいつも以上に歯とか色々きれいにしたり……他にも色々した」
提督「で、何度か遊んでいるうちにまあまあいい雰囲気になってきて、チャンスが来たかなーと思い始めた」
ビスマルク「……」
提督「突然察したような表情をするな、その通りだから余計に話しにくくなる」
ビスマルク「ごめんなさい、でも、ちゃんと話さないと駄目よ」
提督「はいはい」
提督「……俺はある日、その子をデートに誘って、一日楽しく過ごした……はずだったんだ」
ビスマルク「……」
提督「観覧車の中で告白っていう、ベタな告白をしてみたんだけどさ、あれてっぺんでやって失敗すると凄い気まずくてたまらなかった……」
ビスマルク「……それは、とても辛いわね」
提督「ああ……その後は学校内で会ってもあっちはいつも通り話していて、俺はあの日の気まずさから空返事くらいしか出来ないし、もうね、辛かった」
ビスマルク「で、どう断られたのかしら」
提督「……好きな人がいるから、無理だってさ」
提督「今思うと俺のことを傷つけるような言葉じゃなかっただけマシだった。突然笑われてえー○○君と付き合うのは無理だよーなんていわれたら今絶対話してないからな」
ビスマルク「……も、もうやめましょう?」
提督「そうだな、何かどんどん自虐的になりそうで嫌だな」
提督「まあ、こんなことがあって、当時の俺は心に深いダメージを負って自分に自信がなくなった、そして今に至るわけだ」
提督「つまるところ俺は、海軍に入って提督になるために頑張ってはいたが自信があまりになく、不安な奴だなって上のほうや友人からは思われてた」
提督「だから、ケッコンカッコカリの時もああ言って誤魔化したんだ」
ビスマルク「……つまり、アトミラールは」
提督「ああ、俺は島風とビスマルク、二人とも大好きだ」
提督「……でも、俺はお前達と仲良くしてこうして一緒にいるうちも自信が持てなくてちゃんと言わないまま、本当はしたいスキンシップも最小限に抑えて騙してた」
提督「ごめんな、こんな流れでお前のことを好きだって言って」
ビスマルク「……あなたは、今までそうやって一人で悩みながら生きてきたのね?」
提督「まあ、そうなるわけだg」
ビスマルク「なんで、なんで誰にも相談しないのよ!」
提督「!?」
ビスマルク「一人でずっと抱え込んで、そのせいで本当はしたいことも抑えて更に苦しんで……金剛や酒匂とかのあなたにストレートに好意を伝える子達すらも少し疑ったりしていたんじゃないのかしら?」
提督「……そうかも、しれない」
ビスマルク「あなたは確かに私たちの上官で、部下にそんな弱いところを見せるのは嫌かもしれない」
ビスマルク「けれど、私はアトミラールが苦しんでいるって知ったら、こうして相談に乗るし、励まして、元気付けていたわよ!」
ビスマルク「そんな大事なこと隠されたら、提督のことを助けられないじゃない!」ギュッ
提督「ビ、ビスマルク……」
提督(ビスマルクは俺の顔を胸に抱き寄せて、今にも泣きそうな表情で見つめてくる)
ビスマルク「あなたは自分に自信が無いって言ってるけど、あなたはこの鎮守府で一番大事な人、そして誰よりも好かれている」
ビスマルク「私は来るのが遅かったけど、それくらい見てればすぐ分かるわ!」
ビスマルク「あなたはここでは自信を持って、堂々としてていいの!」
ビスマルク「どうしても難しいなら、私が背中を押してあげるわ。だから……もうそんなこと考えないで、前に向かって……突き進んで」
提督「……あり、が……とう……ううっ……」
提督(俺はそう言うと、抑えきれずに泣き出した)
提督(ビスマルクはそんな俺を優しく宥めてくれた)
提督(今まで抱えていたものが、すっとなくなって行く気がした)
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しばらくして
提督「……悪かったな、今まで」
ビスマルク「別にいいわ、それよりあなたを助けられたことの方が嬉しいから」
提督「……そうか」
ビスマルク「まあ、この話はこれくらいにして、今後を考えましょう?」
ビスマルク「あなたは、島風にもきちんと好きだって伝えるつもりはあるかしら?」
提督「もちろんだ」
提督「ビスマルクだけじゃ不平等だし、俺は二人とも大好きだから」
ビスマルク「なら、それでいいんじゃない?」
ビスマルク「まああの子がアトミラールのことを大好きだって言っても、私との今の関係が変わるわけでもないし……」
ビスマルク「どうせ鎮守府には百を越える艦娘がいるんですもの、一人だけっていうのは難しそうだから仕方が無いわ」
提督「やれやれ、あっさりそれでもいいって言うんだから、お前は凄いな」
ビスマルク「その分、アトミラールが振り向くように頑張ればいいだけだからよ」ドヤッ
提督「はは、凄い自信だな」
ビスマルク「ところであなたの流した汗と涙で汚れたから、お風呂に入らないといけないわね」
ビスマルク「……一緒に入らない?」
提督「……そ、そう、しよう」
ビスマルク「ぷ……くくっ……」
提督「わ、笑うなよ」
ビスマルク「無理よ……明らかに動揺してて面白いんだもの」クスクス
提督「あーもう、さっさと行くぞ!」
提督(ちなみに、緊張しながら風呂に入ったが特に何もやらかしてはないし、寝るときも一緒だったけど布団に入ってお互いすぐ寝たから夜戦もなかった)
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演習場
ビスマルク「ふう、久々の戦闘はいいわね! 演習だけど」
加賀「お疲れ様ね」
ビスマルク(私が勝利の余韻に浸っていると、加賀が私の元へ来る)
ビスマルク(加賀とは演習の時や難関海域でよく同行してるから、気づいたら仲良くなってたわね)
ビスマルク「加賀も、お疲れ様」
加賀「ところで何かあったのですか? 久々の実戦で的確すぎる砲撃と攻撃を読んでどんどん回避して、すさまじかったのですが」
ビスマルク「そうね……いい事があったのよ」ニコッ
加賀「いい事? それは何でしょうか」
ビスマルク「うーん、後で分かると思うから今は秘密にするわ」
加賀「……まあ、それならいいですが」ムスッ
ビスマルク(あまり表情が分かりにくい加賀だけど、今は何となく拗ねているのが分かるわね)
ビスマルク「とりあえず、さっさと戻りましょう」
加賀「ええ」
ビスマルク(私を先頭に、第一艦隊は鎮守府へと帰投した)
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演習の少し前
島風「提督ーいったい何の用ですか?」
提督「お前に今まで言えなかったことを言おうと思ってな」
島風「?」
提督「島風……俺は、お前の事が……」
島風「……」
提督「す……好きだ」
島風「えっ……本当なの?」
提督「ああ、その指輪を渡した本当の理由は、そういうことだ」
島風「……嬉しい!」ギュッ
提督「……良かった、お前が受け入れてくれて」ナデナデ
島風「提督に渡された時、好きだからって言って渡してくれたわけじゃなかったから、私も諦めてた……」
提督「そうだったのか……今までごめんな」
島風「いいよ……いつも島風と遊んでくれたから」
提督「……それともう一つ、言わなきゃならないことがある」
島風「?」
提督「実はな……俺はもう一人、好きになってしまってな」
島風「えっと……まさかビスマルクさんに渡したのも?」
ビスマルク「そう、島風の思っている通りよ」バタン
島風「えっ? どうしてここに?」
提督「まあ、昨日いろいろあってな……」
島風「……やっぱり、そう簡単にはいかないんですねー」
ビスマルク「そうね、タイミングは違ったけど、同じ日に貰ったからライバル関係ね」
島風「うーん……でも、ケッコンカッコカリして結構経ってるから、今さら認めないとは思わないかな」
提督「……欲張りでスマンな」
ビスマルク「別にいいじゃない、あなたの鎮守府の艦娘なんだし」
島風「うん、ただこれ以上他の子を好きにならないように……」
ビスマルク「あなたの事をいっぱい……」
島風・ビスマルク「「これからも愛します(してあげるわ)」」
提督「おう、よろしくな」ニコッ
提督(この後、二人のアプローチが色々激しくなって大変な事になると、今の俺は知る由もなかったのであった)
終わり
ビスマルクはこういう時何とかしてくれそうな気がして内容がこうなりました
こういう構想にしようとは昨日のうちには考えていました
島風とのほのぼのみたいな物を期待した人には謝ります、ごめんなさい
前スレと分けたのは全然中身が違う方向なので、戸惑いもあるだろうと思ったのでこうしました
ではHTML依頼をしてきます、ありがとうございました
気になってワルイユメで朝からググっちゃったんだけど……この気持ちどうすればいいのよ
今までそこまでいちゃラブしたの書いたことないから、思いついたら書いてみます
次スレ
加賀「どういった風の吹き回し?」提督「私だってそういう気分の時もあるさ」 - SSまとめ速報
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ビスマルクといちゃラブはまだ思いついてないです
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