【安価】鳴上「ペルソナ狩り・・?」 (57)
最近ペルソナ4新作出たのにSS少なかったんで立ててみた
*少しグロい描写があるかも
*亀更新
*地の文あり
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3月10日
俺が親の元に帰るまであと2週間ぐらいになった
事件も解決し、ようやく霧が晴れた街には少しずつ活気が戻っていった
菜々子「お兄ちゃん本当に帰っちゃうの?」
鳴上「ごめんな、菜々子。俺だって出来ればここに残りたいさ」
菜々子「じゃあ、なんで残ってくれないの?」
あどけな菜々子の質問に俺は返答を窮した
鳴上「それはだな・・」
堂島「悠には悠の事情があるんだ。あまり聞かないでやれ」
答えが見つからなかった俺におじさんが助け舟をだしてくれた
菜々子「ふーん・・・」
堂島「まああと少ない時間だ。菜々子も思いっきり甘えてやれ。」
菜々子「うん!」
堂島「さてと、そろそろ夜になるな。悠、ちょっと夜ご飯作ってくれないか」
鳴上「はい、わかりました」
俺はいつものように台所に立ち料理を作った。
菜々子「うわ~!おいしそう」
菜々子がうれしそうな声をあげる
この笑顔が見れるのもあと数回だ・・
堂島「よし、じゃあ食べるか」
俺が席に座り、いただきますをしようとしたときに不意に電話の呼び出し音が鳴り響いた
堂島「なんだあ?こんな時間に」
めんどくさそうに立ち上がる電話を取るおじさんを見て菜々子が不安そうな顔をする
鳴上「大丈夫、事件じゃないよ」
菜々子「うん・・」
しばらくすると電話を終えた堂島が戻ってきた
菜々子「事件・・・?」
堂島「ああ、事件だ。大事件だ」
そういう堂島の顔にはなぜか笑みがこぼれていた
堂島「悠、お前はここで高校卒業だ」
鳴上「え?」
堂島とおじさんがごっちゃになってる・・・すいません
鳴上「どういう意味ですか?」
堂島「お前の両親にまた出張が入ったらしい。それで、あと一年ここで預かってほしいと言われてな」
菜々子「お兄ちゃんがもう一年いてくれるの?」
堂島「ああ、そういうことだ。今年もよろしくな悠」
鳴上「はい、よろしくお願いします!」
そういった後に菜々子を見るとなぜか肩を震わせていた
堂島「ん?どうしたんだ菜々子」
上を向いた菜々子の瞳はうるんでいた
堂島「お、おいどうしたんだ菜々子、嫌だったのか?」
菜々子「違うよ!もう一年居てくれることがうれしくて・・」
鳴上「菜々子・・・」
菜々子の言葉に不覚にも俺まで涙を流しそうになった
堂島「まあ、何はともあれ今年も3人だ。明日はパーッと行くぞ」
堂島の顔にも笑みが浮かんだ
菜々子「うん!」
返事をした菜々子の横顔を見て、俺は幸せを感じた
もう一年、仲間と・・家族と一緒に入れる事に
次の日
学校に行き、皆に今年も残ることを伝えると、皆自分のことのように喜んでくれた
陽介「よし、じゃあ鳴上クン残留を記念し、いつもの所にいきたいと思います」
千枝「賛成!」
完二「いいっすね!」
>ジュネス フードコート
数日前が嘘のようにジュネスは活気に満ちていた
りせ「なんかここに集まるのも久しぶりよね」
陽介「事件が終わってから初めてか?なんか新鮮だな」
千枝「去年は色々あったよねー。特に完二」
完二「なんで俺すか!?」
思い出話に話をさかせた
雪子「そろそろ暗くなってきたね」
直斗「僕も門限があるのでそろそろ」
陽介「それもそうだな、そろそろお開きにすっか」
鳴上「そうだな。菜々子も待ってるし」
陽介「ははっ、お前は二言目には菜々子だな」
鳴上「悪いか?」
陽介「や、悪くはねえけどよ・・」
陽介「あ、そういや明日暇な奴いるか?明日休日だし、どっかいこうぜ?」
千枝「私は開いてるよ」
完二「俺も開いてるっす」
りせ「私は、店番あるから午後からならオッケーだよ」
雪子「私は明日団体さんが来るから来れないかな・・」
直斗「僕も少し用事があって・・」
陽介「悠、お前はどうだ?」
どうしようか・・
1菜々子と遊ぶ
2陽介達と遊ぶ
↓2
鳴上「ああ、俺も行くよ」
陽介「おっしゃ!とりあえず、ここに集合な!」
明日の約束をして帰宅した
>自宅
菜々子「あ、おかえりー!」
自宅に帰ると菜々子が出迎えてくれた。堂島はまだ帰ってきてないようだ
菜々子「今日はお父さん少し遅れるんだって」
鳴上「そっか。じゃあ先にご飯作ってるか」
菜々子「菜々子も手伝ってもいい?」
菜々子が懇願するような目でこっちを見てきた
鳴上「珍しいな、どうしたんだ?」
菜々子「・・・私も料理上手くなりたい!上手くなってお兄ちゃんにおいしいって言ってもらえるようになりたい!」
鳴上(これ聞かれてたら怒られるかもな・・)
鳴上「わかった。一緒に作ろうか」
菜々子「やったー!今日はパーティーだからたくさん作ろ!」
鳴上「おう。じゃあとりあえず野菜切ってくれるか?」
菜々子「うん!」
2人で料理を作った
鳴上「これだけあれば十分だな」
菜々子「たくさん出来たね!」
鳴上「ああ。よし、並べようか。菜々子、手伝ってくれ」
菜々子「はーい」
ガラガラガラ
堂島「ただいまー」
大きな袋を持った堂島が帰ってきた
菜々子「あ、お父さんお帰り!その袋なにー?」
堂島「いやーすまんすまん。ちょっと探し物をしててね。菜々子、開けてみろ」
菜々子「うん!」
ゆっくりと袋を開けた菜々子の顔が輝いていくのが見えた
菜々子「わぁ!ケーキだ!お兄ちゃん、ケーキだよ!」
鳴上「ははっ、良かったな」
堂島「こういうの買うのは初めてでな・・こういうので良かったのか?」
鳴上「十分ですよ。ありがとうございます」
堂島「なら良かった。お前もこれ全部作ってくれたんだろ?ありがとうな」
堂島が机に並んだ料理を見ていった
鳴上「いえいえ。これも菜々子が手伝ってくれたおかげです。さあ、皆で食べましょう」
3人で楽しい食卓を囲んだ
翌日、ジュネスのフードコートに集まった
千枝「お、来た来た!」
フードコートには既に3人が集まっていた
陽介「よし、悠も来た事だし、行きますか!」
完二「行くっつってもどこ行くんすか?」
陽介「え、うーん・・」
完二「決めてないんすか・・」
陽介「悠、どっか行きたいとこないか?」
どこに行こうか
↓2
鳴上「海釣り何かどうだ?」
陽介「海釣り?俺はそういうの得意だぜ」
千枝「私そういうの苦手かも・・」
完二「まあ行って見なきゃわかんないっすよ」
千枝「そうだね。でも私釣りの用意なんか持ってないよ」
陽介「そうだな・・。よし、ちょっと待ってろ!」
鳴上「?」
陽介がジュネスの店内に入ったかと思えば数分で戻ってきた
陽介「じゃじゃーん!安心と信頼のジュネス釣具セット!」
千枝「すごいじゃん。これ代金は花村もち?」
陽介「いやー、まあ、な。ちょっと借りただけだから、な」
完二「先輩それダメな奴じゃないすか?」
陽介「ま、まあ気にすんな。早くいこうぜ」
陽介に押し付けられるようにして釣具を持った俺たちは海岸に向かうことにした
>七里海岸
千枝「ここって釣りなんか出来るの?」
陽介「意外と釣れるらしいぞ。ほら、あそこの欄干、人いるだろ?」
陽介の指差す先にはフードをかぶって釣りをしている男が居た
完二「何か嫌な雰囲気のやつっすね。まあ、とりあえずあそこにしますかね」
4人で欄干へと向かった
千枝「なるべくあの人とは近づきたくないよね」
陽介「端のほうにするか」
陽介「意外と釣れないもんだな」
完二「釣れないっすね」
鳴上「あ、5匹目」
千枝「なんで、鳴上くんだけ連れるの・・?」
鳴上「才能か?」
陽介「真面目な顔で言うなよ・・」
千枝「こんな時にさ、ペルソナが使えたら楽じゃない?海を凍らせてさ」
千枝「ペルソナーっ!何ちゃって」
千枝がそういった瞬間背後に千枝のペルソナ、トモエが現れた
陽介「・・・」
完二「・・・」
鳴上「・・・」
千枝「な、何よ。急に静かにならないでよ。冗談だって、あはは・・」
陽介「お、おい、う、後ろ・・」
千枝「え、後ろ?」
言われた千枝は後ろを振り向いた
千枝「・・・・・えええ!」
訂正
連れるの→釣れるの
期待あざす!
鳴上「ペルソナが出てる・・?」
陽介「まてまてまてまてまて!ここはテレビに中じゃねえよな!?里中、何した!?」
千枝「私だってわかんないよ!」
陽介「と、とりあえずしまっとけ!人いるし、な!」
後ろにいる不審な男は驚愕したこちらを見ていた
千枝「う、うん。わかった!」
千枝はペルソナを戻した
鳴上「ここで、ペルソナが使える・・?いったんジュネスに戻ってクマに聞いてみるべきかもしれない」
陽介「そ、そうだな。とりあえずもう帰ろう。クマならなんかわかるだろ!」
陽介は興奮を抑え切れていない
千枝「ま、まあ早く帰ろ、うん・・」
>ジュネス フードコート
鳴上「クマ、それは本当か?」
クマ「本当だクマ。もうテレビの中には入れたもんじゃないクマよ」
クマの話によればテレビの中は霧が濃すぎて入れないらしかった
クマ「センセイの話だとこっちでもペルソナが使えたクマよね?」
鳴上「ああ、あれは間違いなくペルソナだ」
クマ「変クマねー、霧の匂いはしないクマよ。もしかしたら霧じゃない何かが働いてるかもしれないクマ」
クマ「テレビの中がこうなっている今、何が起きてても不思議じゃないクマ」
陽介「霧の匂いがしない・・。なんか匂うな」
クマ「クマおならしてないクマ」
陽介「や、そうじゃねーよ」
完二「そういや生田目の野郎が退院したらしいっすよ。あいつもなんか気づいていたらめんどくさくないですか?」
千枝「あの人はそこまで悪い人じゃないでしょ。やってたことはアレだけど、善意だったし」
完二「なんか怪しいんすよねアイツ。精神的に狂ってるっつうか」
陽介「まあ、アイツがペルソナを持ってるわけじゃないしいいんじゃねえか?」
鳴上「そうだな、悪影響はないだろう」
千枝「念のため明日みんなで集まる?」
陽介「別に大丈夫だろ。とくに事件が起こりそうな感じじゃねーし」
クマ「クマ集まるの賛成クマ」
陽介「お前はただバイトさぼりてーだけだろ」
完二「まあ、俺も無理に集まる必要は無いと思うっすよ。他のやつらは用事あるだろうし、祝日挟むけど火曜日で大丈夫じゃないすか?」
千枝「そっかー・・鳴上君はどう思う?」
集まるべきだろうか・・
1明日全員をあつめて話し合う
2火曜日に学校で話し合う
↓2
ちょっと出かけてきます
素早い安価ありがとうございます。うれしいです
鳴上「俺も火曜日話すのでいいと思う」
千枝「そ、そっか。まあ、鳴上君がいうならしょうがないかな」
陽介「なんか変な空気になってきたな。ま、最後は気晴らしにビフテキでも食おうぜ、完二の奢りでな!」
完二「俺すか!?」
千枝「ビフテキビフテキー♪」
クマ「逆ナン逆ナンー♪」
5人でビフテキを食べてから帰った
>自宅
奈々子「お兄ちゃんお帰りー」
奈々子の声はこころなしか元気が無さそうだ。ふとダイニングに目を移すと気難しそうな顔をした堂島が居た
堂島「悠、この写真見覚えないか?」
堂島のもつ写真には今日千枝がペルソナを出したところが撮られていた
鳴上「・・・はい、これは俺たちです」
堂島「これは、今日署に送られてきた写真だ、これはどういう状況だ?」
鳴上「これは、その・・ペルソナと言って」
堂島「ペルソナぁ?そういえば足立も生田目もそんな事いってたな。そりゃ一体なんだ?」
自分の伝達力の全てを生かして堂島に説明することにした
堂島「自分の弱さを認めた者が、真の人格、ペルソナを手に入れる。そういうことなのか?」
鳴上「はい。元々はこれはTVの中、俺達の仲間が誘拐された場所でしか出すことの出来ないものでした。」
堂島「それなら、なんでTVの中ではないここで出せるんだ?」
鳴上「俺自身まだ理解できていないんです。ここで出せたのは初めてですし・・」
堂島「そうか・・・。まだよくわからないがこれからこれを出すのは止めろ。この写真だって一歩間違えたら雑誌に抜かれてたんだからな」
鳴上「すいません。これから気をつけます」
堂島「にしてもやけに遠い所から撮られてるな。これは近くから取った写真じゃ無くて遠くから拡大された写真だろう」
鳴上「遠くから・・一体誰が」
堂島「まあいい。あれこれ考えないほうがいいぞ」
鳴上「はい、わかりました」
堂島「もういいぞ。時間を取らせて悪かったな」
翌日
今日は一日暇なのでベルベットルームに行くことにした
>ベルベットルーム
マーガレット「ようこそ、ベルベットルームへ」
イゴール「ほう・・これはまた新たな定めをお持ちのようで。では、あなたの未来を今一度占ってみると致しましょう」
イゴールはそういってタロットカードを出した
イゴール「ほう・・近い未来を示すのは‘塔’の逆位置。突発的に大きな変化と混乱起こるようでございます。」
マーガレット「あなたは恐らくもうここには来れないでしょう。しかし、私達の仕事はお客様がそうならない様に手助けをさせて頂くことでございます」
イゴール「我々も、そのために精一杯お力添えをいたしましょう」
マーガレット「お客様は恐らく、こちら側の世界、すなわち霧の無い世界では3体までペルソナを所持できるでしょう」
どのペルソナにしようか・・
↓1、2、3
から一つずつ
菜々子の字を誤字してました・・すいません
マーガレット「かしこまりました」
マーガレットはそういって胸に手を当てた
マーガレット「確かにお客様の心に移りました。必ずやお客様の力となるでしょう」
マーガレットに礼を言ってベルベットルームを立ち去った
ふと携帯を見ると皆から大量の着信が来ていた
家に帰ってから確認をすることにした・・・
>自宅
菜々子「お兄ちゃん!大丈夫だった!?」
家に帰ると安堵したような顔をした奈々子が駆け寄ってきた
菜々子「駅で怖い事件があったんだって。でもお父さんが見ちゃダメっていってた」
菜々子に見せてはいけない事・・何やら嫌な予感がした
鳴上「菜々子悪いが少し離れていてくれ。TVつけてみるから」
刺激を与えないように菜々子をTVから離して電源をつけた
アナウンサー「速報です!稲羽市で起きた無差別テロ事件の犯人が射殺されました」
テロ事件!?
アナウンサー「射殺されたのは元市議会議員秘書の生田目太郎容疑者(38)容疑者はペルソナなる謎の生命体を操り・・」
鳴上「生田目がペルソナを・・?どういうことだ?」
アナウンサー「ペルソナとは一体何なのでしょうか?番組ではその実態を探っていきます」
アナウンサーがそういってVTRに切り替えた
鳴上「どういうことだ・・・」
TVには明らかに昨日堂島が見せてきていた写真の別アングルだった
アナウンサー「撮影した人に話を伺ってきました」
そして映し出されたのはあの不審な男だった。声や顔は加工されているが服装は間違いなかった
男「あの人たちは高校生かな?怪しい人たちでね。[ピーーー]とか、何か物騒なことを話していましたよ」
嘘だ・・俺たちはそんな事は言っていない!
思わずTVに叫びたくなる気持ちを抑えてTVを見つめた
アナウンサー「当番組ではこの少年やペルソナについての情報提供を呼びかけています」
そういって番組は終わった
とりあえず今回の書き溜め終了
眠いんで寝たいと思います
見てくれた人、期待してくれた人ありがとうございます!
矛盾とかタイプミスとか色々ありそうなので質問などあったら何なりと・・
乙
きな臭くなってきたな
翌日話し合いにしてても生田目の死はどうにもできなかったのかな?
ちなみにメ欄にsagaで伏せ字回避できるよ
>>31
そうですね。でも、あの場面の選択肢によってこの事件が起きた後の対応が変わってきました
アドバイス、ご意見ありがとうございますm( )m
ピピピピピ
ニュースが終わると同時に陽介から電話が来ていたことに気づいた
鳴上「もしもし」
陽介「おお、繋がった!今の見たか!見たよな!」
鳴上「あ、ああ。アレは一体・・?」
陽介「なんだあれ!俺達はそんな物騒なことなんて話してねえぞ!」
鳴上「話していたのは間違いなく欄干にいた男だ」
陽介「くそっ!しかもよ、昨日来なかった奴らに電話が繋がんねえんだよ!」
鳴上「繋がらない・・?」
陽介「ああ、今里中にもかけて貰ってるんだけど誰も出ねえんだよ」
鳴上「くそっ!俺もかけてみる」
陽介「わかった。連絡ついたらいってくれ。それじゃ」
そういって電話が切れた
菜々子「お兄ちゃん・・」
気がつくと後ろで不安そうな顔をした菜々子が立っていた
鳴上「大丈夫だよ」
無理に笑顔をつくって菜々子を抱きしめた
気がつくと菜々子は目がとろんとしてきていた
鳴上「一緒に寝ようか」
菜々子「うん・・・」
寝室で菜々子を寝かしつけた後に電話をしてみることにした
プルルルル
雪子、りせ、直斗に電話をかけてみたが出なかった
だが、何回も電話をかけていくうちに直斗の電話に繋がった
鳴上「・・・もしもし」
返事はない。ただ微かに人が喋っている声が聞こえる。低い男の声だ
ペルソナ・・場所・・・殺す・・・・
といった言葉が断片的に聞こえてくる。陽介に報告したほうがいいかもしれない
陽介に電話することにした
陽介「どうやら、これは本当にヤバい話みたいだな。とりあえず今連絡できる5人で集まろう!」
鳴上「わかった。今はジュネスは閉まってるから河川敷に集合だ!」
陽介「わかった、連絡はしておく!」
電話を切るとすぐに河川敷に向かうことにした
‘・・・輩!先輩!’
河川敷に向かっている途中にどこからか声がした。恐らくりせのテレパシーだろう
鳴上「りせか!」
りせ‘先輩助けて・・このままじゃ私達殺されちゃう!’
りせは泣き出しそうな声で助けを求めてきた
鳴上「今、どこにいるかわかるか?」
りせ‘わかんないの・・暗くて狭くて・・ベッドが一つ置いてあって・・’
鳴上「暗くて・・ベッド・・」
りせ‘急に目の前が暗くなって気づいたらここに・・・雪子先輩や直斗君も居て・・’
鳴上「3人ともいるのか?」
りせ‘うん。私達脅迫されたり拷問されたりして・・・口を割らなかったから明日殺すって・・’
鳴上「明日なのか!」
りせ‘うん・・・・明日の昼までがお前たちの猶予期間だって言ってて・・あ、まずい誰か来る!’
鳴上「りせ、りせ!」
それ以上りせからの通信が届くことはなかった
鳴上「くそっ!」
走り続けている内に河川敷に到着した
陽介「悠、こっちだ!」
陽介達に経緯を話した
完二「暗くて狭くてベッドがある部屋・・」
千枝「うーん・・・」
鳴上「通信がよく聞こえたからおそらく遠くには居ないはずだ」
話し合いをした結果、3つの場所が候補に浮かんだ
1ジュネス
2稲羽市立病院
3八十神高等学校
4金属細工だいだら。
時間的に恐らく行けるのは二つまでだろう
まずどこに行こうか・・
↓2
稲羽市立病院に向かうことにした
鳴上「無事でいてくれ・・」
千枝「みんな止まって!」
病院が見えてきた時不意に千枝が声を出した
完二「なんすか?」
千枝「病院、よく見て。おかしいと思わない?」
鳴上「車が・・無いな」
千枝「でしょ?それに怪しい人たちがたくさん立ってる・・」
陽介「どうする・・?正面突破か?裏口を探してみるか?」
どうしようか・・
1正面突破
2裏口を探す
↓2
鳴上「裏口を探そう」
陽介「わかった。なるべく気づかれないようにそっとだぞ」
完二「よくわかんないすけど多分従業員入り口見たいのがあるんじゃないんすかね?」
茂みを慎重に動きながら探すことにした
千枝「あ、あれじゃないの?」
千枝の指差す先には薄汚れたドアがあった
陽介「あれだな。周りにだれかいるか?」
鳴上「たぶん誰もいないはずだ」
完二「でもおかしくないすか?正面はあんだけ居て後ろがいないって」
陽介「でも今はそんなこといってる暇はないぞ。時間は少ないんだ」
千枝「うん。相手はきっとペルソナについて詳しいはず。いざと言うときはペルソナを使えば大丈夫だよ」
鳴上「よし、行くぞ」
決意を固めて俺達は進むことにした
ドアに少しずつ少しずつ近づいていく
幸い警備をしている気配はなく、難なくドアの到着した
鳴上「俺が最初に入る。完二、陽介、千枝は後ろについてきてくれ」
千枝「わかった。任せたよ」
慎重にドアに手をかけ、引いていく
開けてみると中は真っ暗で廊下が続いていた。敵の姿は見えなかった
陽介「暗くて不気味だな・・慎重にいったほうがいいな」
そういって俺達が足を踏み入れたその時だった
突如背後に気配を感じ振り返ろうとした瞬間、口に布をあてられ俺の意識は無くなっていった・・・
鳴上「・・・はっ」
目を覚ますとそこは暗く狭くベッドのあるりせが言っていた通りの部屋だった
体を動かそうとすると体を縛られていて身動きがとれなかった
部屋には他にだれも居なかった。千枝や陽介、完二は無事だろうか・・
しばらく考え事をしていると部屋に男がやってきた
男「目を覚ましたんだな被験者鳴上悠よ。隊長がお呼びだ」
歩こうにも縛られていて歩けず困惑するしかなかった
男「指示に従え!」
突如として男が激高した
鳴上「うっ!」
一瞬何が起きたかわからなかったが体に激痛が走った
男「歩けないんだろ?転がしてやるよ」
男は残忍な目で笑った
男に別の部屋に蹴り飛ばされた
中にはフードを被った男と傷だらけで意識が朦朧となっている雪子、りせ、直斗だった
鳴上「うう・・・」
声を出そうにも声帯が言うことを聞かない。体が言うことをきかず、目を開けるのがやっとだった
中に居るフードの男は、おそらく隊長だろう
隊長は冷酷な目でこちらを見ている。だが目の中に少し同情の気を感じた
しばらく経つと完二、陽介もやってきた
どちらも縄で縛られている。陽介がこちらを見てきたような気がしたがもはや目を開ける力もなかった
静寂が部屋を包む中でとつぜん足音が聞こえてきた
男「隊長!あと一人が見当たりません!」
隊長「何だと?・・・・・探せ!一刻も早くだ!」
千枝・・・千枝なのか?・・・捕まっていない?俺の意識は再び遠のいていった
千枝「ど、どうしよう・・・」
あの時私は皆と一緒に中に入ろうとした
すると突然花村に突き飛ばされて外に出されて、気づいたら皆いなくなってて・・
私には入ったときに何があったのかわからなかった
一つわかっているのは皆が居なくなったこと・・だけ
千枝「助けなきゃ・・」
そうはいったものの何をどうすればいいのかわからなかった
千枝「鳴上くん・・花村・・」
私がどれだけ仲間に頼っていたか・・自分の無力さを思い知った
千枝「だめだよね・・このままじゃ・・」
今まで何回も皆に助けられた、今度は私が助ける番だ
でも、どうやって部屋を見つければいいんだろう?
私が考えた中で2つの選択肢が浮かんだ
片っ端から部屋を開けていくのと、隠れてゆっくり行く方法だ
どちらにしようか・・?
↓2
私には隠密は向かない。もう勢いで行くしかない!
念のためペルソナを出してから行くことにした
慎重にドアを開けてみたけど、背後にも周りにも人の気配はない
逆に怖くなってきたけどとりあえず近くの部屋のドアを開けてみる
中は以外にがらんとしててただベッドが置いてあるよくある病室だった
結局その後も、1階の部屋を探したけど皆はおろか怪しい連中もいなかった
千枝「次は2階か・・みんな、待ってて」
私は決意しなおして2階へと向かった
2階に上がっていったがここにも人はいなかった。この階にもいないのかな
またさっきのように一つずつ部屋を見ていったけどどの部屋も普通の病室だった
そうこうしているうちに二階の部屋もあと一つ、半分諦めながら部屋を開けてみると中は赤く染まっていた
千枝「うわぁ・・・ひどい・・」
よく見ると赤いのは血だった。一人ではない。きっと何人もの人が・・・
考え事をしていると不意に後ろに気配を感じた
千枝「うわぁっ!」
とっさに頭を下げた瞬間刃物のようなものが頭上を横切った
危なかった・・あと一歩遅かったらあれの餌食になっていた
いったん間合いを取って相手をよく観察する
相手は私よりあきらかに背の高い男、手に持っているのは巨大な・・包丁?
睨み合っていると不意に男が話しかけてきた
刃物男「お前が、里中千枝か?」
千枝「だ、だから何?」
刃物男「違いは無いな。悪いがここは通せない」
男は余裕がある感じだ。かなり実践慣れしてるのが見てわかった
恐らく勝ち目はないだろう
どうしようか・・
1真っ向勝負を挑む
2おとなしくして相手を油断させる
3素早く動いて相手を霍乱させる
↓2
書き溜め終了
これから出かけるんで更新遅くなります
おとなしくして相手を油断させることにした・・
ペルソナを外し戦闘体型を解いた
刃物男「ほう・・力の差がわかるか。おとなしくした方がこちらとしてもやりやすいからな」
男がゆっくりと近づいてくる
あと少し・・・あと少し・・
相手が自分のリーチに入ってきた瞬間に勝負をかける
刃物男「死ぬ前に一言伝えてやろう。言いたいことはあるか」
相手はリーチ手前で立ち止まり言った
千枝「・・・仲間を助けてください」
刃物男「仲間・・か。いいだろう伝えてやる」
そういって男が一歩踏み出した瞬間、私は渾身の力をこめて正拳突きをした
しかし・・・その拳は相手にヒットしなかった。拳の行く先を見ると拳は相手の片手に納まっていた
刃物男「残念だ・・・残念だよ。やはり一筋縄ではいかないか・・」
千枝「っ・・」
男の放った蹴りは腹にヒットし壁に突き飛ばされた
意識が飛びそうになりながらも、何とか立ち上がると目の前には巨大な刃物の切っ先が襲い掛かってきていた
千枝「ぐ・・・」
何とか致命傷は避けたが肩に激痛が走る
刃物男「ちょこまかと・・」
男がまた近づいてくる
千枝「ペル・・ソナ・・」
なんとかペルソナを出して形勢逆転を試みる
刃物男「ついに本性を出したか、化け物め・・」
男は吐き捨てるような目でこちらを見る
千枝「ゴッド・・ハンド・・」
刃物男「うおっ・・」
余裕の姿を見せていていた男に一瞬隙が出来た。
千枝「お願い・・」
放ったアグネヤストラは相手に直撃した
刃物男「・・・・やるじゃないか。だが、まだ上手く使いこなせていないな。いや、力を発揮できていない」
刃物男「ククク・・やはり体力と力は比例するか・・」
大技を苦にもしない相手・・
このまま負けてしまうのだろうか・・
千枝「まだ、まだ・・」
刃物男「氷の魔法?効かないな」
ブフーラはまるで効かなかった
刃物男「これはかわせるかな?」
男の放った突きはトモエの体を貫いた
千枝「・・・・・・」
ペルソナの痛みは所有者とリンクする
胸の痛みにもはや声も出せない
刃物男「これがペルソナブレーク。すばらしい・・」
男はゆっくりと近づいてくる
刃物男「ありがとう。楽しませてもらったよ」
男の放った切っ先を、かわす体力は私にはもうなかった
今日はもう寝ます
見てくれた人ありがとうございました
このSSまとめへのコメント
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