李衣菜「うーん」加蓮「うーん」 (11)



―――


李衣菜「どうしよう……」

加蓮「どうしよっか……」

「「うーん……」」


P「…………」カタカタ

P(朝からずっと唸ってるな……)


李衣菜「んー……」

加蓮「う~……」

「「はぁ……」」


P(今度はため息か……よし)

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P「……どうした二人とも。困ったことでもあるのか?」ギシッ

李衣菜「あっ、いや、その……」

加蓮「えっと……」

P「ほれ、プロデューサーになんでも言ってみなさいな。話すだけでも楽になるだろうし」

加蓮「ふふ……ありがと。……実は、泰葉の誕生日のことなんだけど」

P「ああ、泰葉の。……って、もう誕生日けっこう過ぎてないか?」

李衣菜「そうです、そうなんですよ! ……なのに……」シュン…

加蓮「私たちまだ、なにも泰葉にプレゼントできてなくて……」ショボン…

P「あー……。まぁしょうがないだろ、今あの娘は舞台の練習で忙しいから……」

李衣菜「で、でも! 最近会えてなくて、直接『おめでとう』も言えてないんですよっ」

加蓮「私も会ってない……。ねぇ、泰葉、元気でやってるの? LINEだけじゃどうしても……」

P「そんな顔するなって……大丈夫、元気でやってるぞ。泰葉も寂しがってたよ、『二人に会いたい』って」

加蓮「……うぅ、泰葉……」

P「んー、舞台のオファー自体初めてだったからな……。どうしても稽古優先になっちゃって」

李衣菜「はい、分かってはいるんですけど……でも……」

P「……ごめんな、もう少しスケジュールも合わせられたらいいんだけど」

加蓮「あ! そ、そんなっ、Pさんが謝ることじゃないよ!」

李衣菜「そ、そうですよ、Pさんは悪くないですって! っていうか誰も悪くないですし……だから困ってるんですけど」

加蓮「……うん……」

P「二人とも……。――よし、それなら!」

加蓮「え……?」

李衣菜「なんとかなるんですか……?」

P「ちょっと強引かもしれないけど、舞台稽古の見学って体で俺と一緒に行こう!」

李衣菜「え! い、いいんですかそれ?」

加蓮「いくら同じ事務所でも、私たち部外者だよ……?」

P「後学のためって言っとけばなんとかなるなる。大丈夫、俺に任せとけって!」

加蓮「Pさん……!」

李衣菜「あはは……ほんとに強引です、Pさんってば」

P「ただ『友だちに会いたい』だけなんだ、理由なんてなんでもいいだろ?」

李衣菜「おお、ロックですね!」

加蓮「ロックなの?」

李衣菜「……ごめんてきとーに言った」

加蓮「ふふっ」

李衣菜「へへ……。そっか、泰葉に会いに行けるんだ……♪」

加蓮「うん、そうだよっ。えへへ、ありがとPさん!」ニパ

李衣菜「ありがとうございますっ!」ニコッ

P「なんの。……やっと笑ってくれたな、二人とも」

加蓮「あ……」

李衣菜「……えっへへ」

P「笑っててくれなきゃ、俺も寂しいよ。お前たちの笑顔が俺の力の源なんだから」

加蓮「……うん、笑顔!」

李衣菜「笑顔! へへ♪」

加蓮「ふふっ♪」

P「そうそう、笑顔。泰葉に会うなら、二人も笑顔じゃないとな」

P「そしたらきっと、泰葉も笑顔で頑張れると思うからさ」

加蓮「うんっ!」

李衣菜「はいっ!」

李衣菜「よーし、加蓮! こうなったら本気で最高のプレゼント、考えよう!」

加蓮「おっけー任せて! 泰葉が喜ぶ最高のプレゼントとはっ」

李衣菜「とは!」

加蓮「……なんだろ?」

李衣菜「あらら」

加蓮「ま、まぁ一緒に考えよ?」

李衣菜「だね。まずは手作りにするかどうか――」

加蓮「去年は確か――」


あーだこーだ


P「……うん、なんとか元気になったか。やっぱりこの娘たちは、笑ってないとな……。ふふ」



―――


<あーだこーだ……


泰葉「…………」


ちひろ「ふふ。入らないんですか?」

泰葉「今入ったらもみくちゃにされそうで……」

ちひろ「あら? 泰葉ちゃんもみんなに会いたかったから、こうして来たんでしょう?」クスクス

泰葉「ち、ちひろさんのいじわる……!」

ちひろ「うふふ♪ さ、存分にもみくちゃにされましょう?」

泰葉「……はい、もみくちゃにされたいですっ」


がちゃっ


泰葉「――李衣菜、加蓮っ。久しぶり♪」



おわり

というお話だったのさ
このあとめちゃくちゃもみくちゃにされた


誕生日おめでとう泰葉!

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