凛「砂漠で遭難しちゃったにゃー!」 (21)

真姫「リゾート気分で砂漠に来たら、とんだ災難ね」

花陽「私たちどうなっちゃうのかなぁ?」ダレカタスケテー

凛「でも食糧いっぱいあるし、きっとすぐに助けが来るにゃー」

真姫「テントまであるじゃない」

花陽「とりあえず、荷物の確認をしよっか?」

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凛「お水いっぱいあるにゃー」

真姫「数日はもつわね。一番必要な物があって良かったわ」

花陽「それに、テントに寝袋、携帯固形燃料、ナイフ、発煙筒」

真姫「発煙筒はあるけど無線機は無い、か。救助ヘリが探しに来るのを待つしかなさそうね」

凛「食べ物もいっぱいあるにゃー!」

凛「カップ麺に、パン、缶詰めに、バター、これは何にゃー?」

真姫「岩塩にアスコルビン酸錠剤よ。そんな物まであるなら食べ物には困らなさそうね」

花陽「えっ?り、凛ちゃん、今のっ、も、もう一回言って!?」

凛「へっ?カップ麺、パン、缶詰め・・・」

花陽「そ、そんなぁ!」ガクガクブルブル

真姫「どうしたのよ花陽!?」

花陽「そんなっ、な、無い!?アレが無いなんて・・・っ!」ガタガタブルブル

凛「はっ!そうにゃ!大事なものが無いにゃー!!」

真姫「何!?何が無いの!?救急医療キットならこっちにあったわよ!?」

花陽「お、お米がっ」

真姫「えっ?」

花陽「お米がっ!お米が無いのぉっ!!」ぶわっ

真姫「お米?そんなの、少しの間ガマンすれば・・・」

凛「大変にゃー!!」ガタッ

真姫「えっ?」

花陽「ううっ、お米ぇ、ご飯がぁ・・・」ぐすっ

凛「かよちん!最後にご飯食べたのはいつにゃ!?」

花陽「凛ちゃんっ、わ、私、私っ、もうっ、6時間もお米食べてないよぉ」ブルブル

凛「大変だにゃー!」ぞわっ

真姫「いや、何がよ?」

花陽「お米、食べっ、た・・・」がくっ

凛「かよちん!!」

真姫「ええっ!?何よこれ!?どうしたの花陽!?」

凛「発作にゃ!」

真姫「はぁ!?」

凛「かよちんは数時間おきにお米食べないと、発作がおきてしますにゃー!!」

花陽「お米・・・お米・・・」ぴくぴく

真姫「何よそれ!!」 イミワカンナイ!

花陽「凛、ちゃ・・・お米・・・っ」ガクガクブルブル

凛「かよちんしっかりするにゃぁあああ!!」うわーん

真姫「ちょっと花陽!?ホントに大丈夫なのあなた!?」

凛「水!お水飲むにゃかよちん!」

花陽「うっ、ぁっ」ゴクッゴクッ

花陽「ううっ、凛ちゃん」くらっ

凛「かよちん!しっかり気を保つにゃ!!」

花陽「私、この砂漠でっ、お米も食べられないまま・・・干からびてっ、死んじゃうのかな・・・?」

凛「そんなことないにゃ!きっと砂漠にだってお米はあるにゃぁ!!」ぽろぽろ

真姫「待ってなさい花陽!今、今っ、私がお米探して来てあげるから!!」ぶわっ

花陽「あははっ、二人とも、ありがとう・・・私、みんなと、スクールアイドル、やれて・・・良かっ、た」がくっ

凛「ダメにゃあああ!!行っちゃダメにゃかよちぃぃん!!!」ぎゅっ

花陽「お米、食べっ、たかっ、た、な・・・」

ぱたり

凛「かよちん・・・?」

花陽「 」

凛「かよちぃいいいいいいいいいいいん!!!」うわぁーん

真姫「花陽ぉーーーーっ!!」ゔぇぇぇ

凛「うわぁーん!かよちんがっ!かよちんがぁ!!」

凛「砂漠でお米が食べられなくて干からびて死んじゃったにゃーー!!!!」

真姫「ゔぇぇぇ!!!」 イミワカンナイ!


小泉花陽、砂漠に散る!!





凛「天国のかよちんへ。お元気ですか?」

凛「早いもので、あれから50年の月日がたちましたにゃー」

凛「かよちんにあんな事があってから、凛たちはたくさんたくさん頑張ったにゃー」

凛「二度と砂漠でお米が食べられなくて、干からびる人が現れないように!」

凛「まずは、かよちんにも見て欲しいにゃ」

凛「あの日、みんなで遭難した砂漠にゃ!」

凛「今はこんなに、こんなに立派な田んぼに生まれ変わったにゃ!」

凛「美味しいお米がたくさん採れるようになったにゃー」

凛「かよちんの大好きなお米、食べ放題にゃ・・・!」

凛「みんなはアイドルしたり、真姫ちゃんはお医者さんになったりしながら、少しずつ活動の輪を広げていったにゃ」

凛「この砂漠を田んぼにしようって活動」

凛「最初は無謀だと言われたにゃ」

凛「でも、少しずつ土を耕し、水を引き、失敗して、何度も何度も失敗して、ようやく緑が増えて」

凛「今では砂漠一面が田んぼになったにゃ!」

凛「凛はね、いっぱいいっぱい勉強して農学者になったにゃ」

凛「かよちんの事を考えながら、この田んぼを作ったにゃ」

凛「あの日以来、この砂漠でお水がなくて干からびる人はいても、お米が食べられなくて干からびる人は出てないにゃ」

凛「凛、頑張ったにゃ!」

凛「だから、かよちんにも」見て褒めて欲しかったにゃ・・・っ」ぐすっ

凛「かよちんのために、今日はお米を炊いてきたにゃ」

凛「かよちんといっしょに、いっしょに食べたかったけど、かよちんはもうここにはいないにゃ」

凛「だから天国で、お腹いっぱい凛の作ったお米を食べて欲しいにゃ!」

凛「今日も、今日も・・・」

凛「今日もお米が美味いにゃー!!」


おしまい!!!!!!

凛「今年になって、ようやく満足いくお米が作れたよ」

凛「天国の花陽ちんにも食べてもらいたくて、たくさん炊いちゃったにゃー」

凛「花陽ちんにいっぱい食べて欲しくて凛、がんばったにゃ!」

凛「花陽ちんに、いっぱいいっぱい褒めて欲しかったにゃー!!」

凛「でも、でも本当は、花陽ちんのこと、あの時助けたかったよ・・・」

凛「天国じゃなくて、凛の隣でこのお米を食べて・・・凛のこと、褒めて欲しいにゃー」

凛「また花陽ちんを助けられないのは、辛いから」

凛「凛、もっとたくさんお米作るにゃー!」

凛「今日も、今日も・・・」

凛「今日もお米が美味いにゃー!!」


おしまい

ミス

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