モバP「つんでれちえりん」 (27)
前作 モバP「やんでれちえりん」
モバP「やんでれちえりん」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1434011378/)
一応話はつながっていますが、別に前作を読まなくても問題はないです
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1435499735
智絵里「いろいろあって、プロデューサーさんと両想いになれた」
智絵里「わたしがトップアイドルになったら、結婚しよう――そう言ってくれた時は、涙が出るほどうれしかった」
智絵里「でも、恋愛は一度結ばれてからが本番とも言うらしい」
智絵里「お互いの心が離れていかないように、がんばらないと」
智絵里「そのためにも、わたし自身を磨いていかなきゃ……」
智絵里「そう思って、いろいろとインターネットで調べた結果」
智絵里「ツンデレというのが、男の人に人気だということがわかった」
智絵里のハウス
智絵里「がんばろう。がんばってツンデレになろう……おーっ」
智絵里「まずは、ツンデレのお手本をネットで検索して……えっと」
智絵里「普段はツンとそっけないけれど、ふたりきりになると甘えてくる……」
智絵里「本当は好きでデレデレしたいのに、その人の前だとなぜかツンツンした態度を取ってしまう……」
智絵里「一口にツンデレっていっても、いろいろあるんだ……」
智絵里「これなんか、奈緒ちゃんみたい」
智絵里「……とりあえず、たくさん調べて書き出してみよう」
智絵里「それで、早速明日試してみよう。うん」
翌日
P「おはよう、智絵里」
智絵里「おはようございます」ドキドキ
P「どうかしたか? なんか緊張してるみたいだけど」
智絵里「(そっけない態度、そっけない態度……)」
智絵里「べ、べつに……プロデューサーさんには、関係ないです」プイッ
P「あ……そ、そうか」
智絵里「………」チラ
P「………」シュン
智絵里「………」
智絵里「あ、あの」
智絵里「今のは別に、プロデューサーさんには話したくないとかそういうわけじゃないんです」
智絵里「プロデューサーさんのこと、嫌いになったわけじゃないんです。むしろ大好きです。うれしいことも悲しいこともなんでも話したいくらいです」
智絵里「そういう、お互い信じられる関係でいられたらって……」モジモジ
P「智絵里……」ジーン
P「大好きだ!」
智絵里「わたしもですっ」
智絵里「(……あれ? ツンデレってこんなのだったかな……)」
智絵里「(次は、ふたりきりの時だけデレデレになる練習)」
卯月「今日のレッスンはうまくできました!」
P「卯月もどんどんダンスがうまくなってきたな」
卯月「これからも、もっともっとがんばります!」
智絵里「………」ソワソワ
P「? 智絵里、どうかしたのか」
智絵里「な、なんでもないです」
P「そうか」
智絵里「我慢、我慢……」
凛「プロデューサー。ネクタイ曲がってるよ」
P「え、マジか」
凛「ほら、じっとしてて。直してあげるから」
P「ありがとう」
智絵里「………」ソワソワ
未央「プロデューサー! クレープ買ってきたけど食べる?」
P「お、ちょうど小腹がすいてたところだったんだ。ありがたくいただくよ」
未央「えへへ、私が選んだクレープだから味は保証するよ♪」
智絵里「………うぅ」ソワソワソワ
未央「じゃ、私そろそろ帰るね」
P「気をつけて帰るんだぞ」
未央「うん!」
ガチャ、バタン
智絵里「………っ!」ギラリ
P「さて、ニュージェネの3人も帰ったし……」
智絵里「プロデューサーさんっ」ダキッ
P「うおっ、智絵里? どうしたんだ急に」
智絵里「ご、ごめんなさい。でも今まで話せなかったぶん、すごく甘えたくなって……」
P「話せなかったって……さっきまで自分で黙りこんでたんじゃ」
智絵里「そういう決まりだったから仕方ないんですっ」ムギュー
P「……よくわからないけど、こうしてストレートに甘えてくる智絵里っていうのも珍しいな」
P「頼られてるって感じがしてうれしいよ」
智絵里「えへへ……」
智絵里「ところで、プロデューサーさん」
P「なんだ」
智絵里「次のお休みの日、買い物に行こうと思っているんですけど……荷物が多くなりそうで」
智絵里「それでですね、できれば男の人の力を借りたいなって」
P「荷物持ちってことか。うん、そのくらいなら付き合うよ」
智絵里「いいんですか?」
P「智絵里の頼みだから、そのくらいはな」
智絵里「ありがとうございます」
智絵里「(荷物持ちと称してさりげなくデートに誘う……これ、便利かも)」
智絵里「(ツンデレ流デートのお誘い、すごいです)」
別の日
智絵里「プロデューサーさん、これ……」
P「ん? その包みは」
智絵里「かな子ちゃんに教えてもらって、クッキーを作ってきたんです」
P「ひょっとして、俺に?」
智絵里「もちろ――はっ」
智絵里「(だ、ダメダメ。ちゃんとツンデレ風にしないと)」
智絵里「か、勘違いしないでくださいね。あくまで、余った物を持ってきただけですから……」
P「それでもうれしいよ。今もらってもいいかな」
智絵里「し、仕方ないですね」
P「では一口」パク
智絵里「………」ドキドキ
P「……うん、おいしい!」
P「このクッキー、ほどよい苦味でちょうどいいよ」
智絵里「本当ですか! よかったです。プロデューサーさん好みの味を想定して作ったので……」
P「え? 余り物を持ってきただけなんじゃ」
智絵里「あっ……いえ、あのその」アワアワ
智絵里「(どうしよう。えっと、確かこういう困った時にうまく逃れるためのセリフがあったような……)」
智絵里「(そうだ。『バカじゃないの!?』だった気がする)」
P「智絵里?」
智絵里「ば、バカじゃな――」
智絵里「(……いや、別にプロデューサーさんバカじゃないよね。むしろバカなのはわたしのほうだし。えっと、つまり)」
智絵里「バカじゃないです!」
P「へ?」
智絵里「プロデューサーさんは頭いいです。それに頼りになりますし、優しいですし」
P「……えっと。なぜ急に褒め殺し?」
智絵里「あ、えっとその……あうぅ」
P「なんだ。この前から時々様子がおかしいと思ったら、そういうことだったのか」
智絵里「ごめんなさい。心配かけてしまいまして」
P「いやいや。いつもと違う智絵里が見られたから、それはそれで面白かったよ」
P「俺の知ってるツンデレとは、ずいぶん違ってたけどな」ハハ
智絵里「あぅ」ショボン
P「智絵里は智絵里のままでいいんだよ。無理に何かを演じようとする必要はない」
智絵里「そうでしょうか」
P「当たり前だ。だって俺は、そういう智絵里に惹かれたんだから」
P「自然なままの智絵里が、一番かわいい」
智絵里「プロデューサーさん……えへへ」
P「ま、たまにはツンデレとかヤンデレの智絵里も新鮮でいいのかもしれないけどな」
智絵里「それなら、あと一回だけツンデレの続きをやってみますね」
P「おっ、いいなそれ」
智絵里「では……コホン」
智絵里「べ、べつにあなたのことなんて……」
智絵里「大……大好きなんですからねっ!」ビシッ
智絵里「……やっぱりうまくできませんでした」エヘヘ
P「………」
P「かわええ」
おわり
ヤンデレ書いたしせっかくだからツンデレも書きました
関係ないですがモバマスキャラってツンデレ少ないですよね。奈緒とヴァリサくらいでしょうか
お付き合いいただきありがとうございました
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