シャーク『じゃあ俺の代わりを頼むぜ遊馬』 遊馬『任せとけよ!』 (24)

小鳥「シャークも大変よね」

遊馬「仕方ねえよ派手に暴れてしばらく鑑別所暮らしなんだから」

小鳥「シャークの代わりにバリアンのみんなを纏める事できるの?」

遊馬「ああ」

小鳥「ちゃんとしてれば一週間ほどで出てこれるって言ってたけど。更生プログラムとかで」

アストラル「彼らはシャークほど問題児ではない。大丈夫なはずだ」

遊馬「そうだぜ小鳥!」

小鳥「うん」

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月曜日

遊馬「ミザエル!」

ミザエル「遊馬か」

遊馬「何処か行くのか?」

ミザエル「少し髪を切りに行こうと思ってな」

アストラル「髪?」

ミザエル「暑くなって来たから私のこの長髪が鬱陶しくて仕方がない」

遊馬「なら俺が切ってやろうか?」

ミザエル「・・・大丈夫なのか?」

遊馬「カットビングだぜ!」

遊馬「こうして」

アストラル「ここは少し短くする方がいいな」

遊馬「ああ」ザクッ

アストラル「!?」

ミザエル「どうかしたのか」

アストラル「いや何でも無い。遊馬」

遊馬「ちょっとマズいな。でも気合で乗り越えてやるぜ!」

アストラル「これは気合ではどうにもならないぞ、ミザエルにバレるのも時間の問題だ」

遊馬「眠たくないかミザエル」

ミザエル「いや」

遊馬「眠ってる隙に時間を稼ごうと思ったんだけどな」

アストラル「うーん」

小鳥「こういう時は睡眠薬で眠らせるのよ」

遊馬「睡眠薬?」

小鳥「この前テレビでやってた純愛映画のヒロインが後輩の男の子を眠らせるために使ってたし」

アストラル「確かに古来よりアイスティーと睡眠薬の相性は抜群だと言われているな」

小鳥「だからアイスティーに・・・」サッー

遊馬「喉乾かねえかミザエル」

ミザエル「少し乾いたな」

小鳥「アイスティーがあるよ」

ミザエル「なら貰うとするか」ゴクッ

遊馬「・・・」

ミザエル「zzz」

遊馬「堕ちたな」

遊馬「ここからどうにか改造するしかねえな」

アストラル「しかしどうやって」

遊馬「丸坊主にするか」

小鳥「絶対に怒るよミザエル!」

遊馬「ミザエルはそう簡単にキレねえよ。だよなアストラル」

アストラル「彼はシャーク不在時の七皇の攻撃の要と言われている」

小鳥「アストラルがそこまで言うなら」

遊馬「案外丸坊主になった方がバレないんじゃないか?」

アストラル「ああ」

小鳥「でも」

遊馬「じゃあ男らしくアイパーにしてやるか」

小鳥「それ!それがいいと思う!」

遊馬「完璧だぜ」

アストラル「見事なアイパーだ。男らしくなっているぞ」

小鳥「写真撮っちゃお」

ミザエル「・・・終わったのか」

遊馬「ああ!」

ミザエル「アイパー・・・アイパーだと!?」

アストラル「ドラゴン使いは古くよりアイパーだった。君はそう言っていた」

遊馬「男らしすぎだぜミザエル!」

ミザエル「そ、そうか?そこまで言うなら」

遊馬「まさに男の中の男!最高のドラゴン使いアイパーだぜ!」

ミザエル「フッ」

数分後

遊馬「アイパーなんてドラゴン使いと何も関係ねえだろ」

小鳥「ミザエルも意外と騙されやすいね」

火曜日

遊馬「どうしたんだアリト」

アリト「ちょっといいか遊馬」

遊馬「?」

アリト「いいから来いって」

アストラル「何か訳ありのようだな」

遊馬「わかったよアリト」

アリト「すっげえ重大な事なんだがよ」

遊馬「ああ」

アリト「こいつ何だがよ」

遊馬「パンツじゃねえか」

アストラル「まさか盗んだんじゃ」

アリト「そんなんじゃねえよ!」

遊馬「なら」

アリト「降ってきたんだって」

遊馬「降って来た?パンツが」

アリト「よくあるじゃねえか、だよなアストラル」

アストラル「確かにパンツが降ってくるのはよくあるが」

遊馬「じゃあ持ち主を探そうぜ」

アストラル「パンツの形や色からして生真面目な女性・・・」

遊馬「だってよ」

アリト「そんな女腐るほど居るんじゃねえか?」

遊馬「名前とか書いてあるんじゃないか」

アリト「名前?パンツに名前を書く奴なんて」

アストラル「書いてあるぞ!」

遊馬「原麗華・・・確か弁護士AV女優じゃねえか!」

アリト「あいつか!?」

遊馬「なら届けに行こうぜ」

アリト「そうすっか」

水曜日

遊馬「買い物の手伝い!?」

璃緒「そうよ」

アストラル「シャークはそんな事もやってんのか」

璃緒「たまーにだけどね」

遊馬「七皇のリーダーも大変だぜ」

木曜日

遊馬「アイドルの蝶野さなぎが殺し屋に狙われてるって?」

ギラグ「おう」

遊馬「まさかギラグは」

ギラグ「その護衛だ」

遊馬「俺も行っていいか?」

ギラグ「遊馬が来れば百人力だぜ!」

遊馬「アイドルの護衛か」

金曜日

ドルべ「疲れているようだな」

遊馬「ちょっとな」

ドルべ「そうか」

遊馬「・・・」

ドルべ「実は身体を鍛えていてな」

遊馬「ドルべが?」

ドルべ「私だって非力のままでいたくはない」

遊馬「まあ頑張れよ。応援するからさ」

土曜日

遊馬「・・・」

ベクター「ジャンジャジャーン・・・何か疲れてんな」

遊馬「あ、ああ」

ベクター「そういやナッシュのやつ帰って来るんだってな」

遊馬「もう?早いな!」

ベクター「特別に出させてもらったんだとよ」

遊馬「特別に?」

ベクター「何でも脱走した野郎を捕まえたらだとよ」

遊馬「シャーク!」

シャーク「世話かけたな遊馬」

遊馬「何か脱走した野郎を捕まえたらって言われてな」

アストラル「その脱走した者は」

シャーク「NEVERとか言ってな何でも死んだデュエリストを強化蘇生させた生物兵器なんだとか」

遊馬「何だそりゃ?」

シャーク「俺にもわからねえよ。とにかくトンデモない野郎だって俺は聞いてるぜ」

小鳥「大変よ・・・あ、シャーク!」

シャーク「久しぶりだな小鳥」

遊馬「何かあったのか?」

小鳥「それが・・・あれ見てよ!」

アストラル「な、何だ」

遊馬「俺にはわかるぜ、奴はとんでもねえ!」

シャーク「あいつだ!」

アストラル「死人を強化蘇生させる人体実験で蘇るとは・・・何と恐ろしい」

遊馬「行こうぜ、あいつはデュエリストを敵って感じがするぜ」

カイト「来たか、鑑別所上がりも一緒か」

シャーク「うるせえな」

遊馬「なあNEVERって知ってるか?」

カイト「奴の事だろ。簡単に言えばゾンビの強化版のようなものだ」

シャーク「それは知ってるぜ。だが誰が生み出したんだ」

カイト「奴からは俺達と同じエクシーズ使いの気を感じる。そして同時に薄汚い奴らの気配もな」

「御託はいい。さっさとかかって来い」

シャーク「何っつうか・・・やってやろうぜ!」

カイト「ああ」

遊馬「デュエルだ!」

「デュエル・・・フッ」

遊馬「先攻は俺が貰うぜ!」

「さあ・・・地獄を楽しみな・・・!」

遊馬「こいつ強えぞ!」

アストラル「気をつけるんだ。あのローブで君達の攻撃は全て無効化される」

「かっとビングか、厄介な代物だな」カチッ

シャーク「な、何だこの感覚は」

カイト「奴め・・・姿形が奇妙な姿をしているだけではなくかっとビングを封鎖できる機能もあるのか」

遊馬「何だって!?」

カイト「奴の効果でハートランドに生きる全てのデュエリストのかっとビングが失われた」

シャーク「そんなバカな話があってたまるかよ!?」

アストラル「くっ・・・」

遊馬「諦めるんじゃねえ!!まだ望みはある!」

シャーク「遊馬の言う通りだぜ!俺達デュエリストのかっとビングは失われるものじゃねえだろ!」

カイト「・・・そうだったな。かっとビングとは無限」

アストラル「例え失われても私達が居る限りいつだってかっとビングができる!」

遊馬「不死身だろうと俺達の攻撃が無効になろうと絶対に負けはしねえ!見せてやる究極のかっとビングを!!」

「エクシーズチェンジ!ゼアル!!」

遊馬「ここは任せたぜカイト、シャーク」

アストラル「彼を倒すにはかっとビング以外無い」

シャーク「任せとけよ」

「・・・」

カイト「貴様はこの次元の出身者では無い。そうだな」

「さあな、生きてる時の記憶なんてとっくに無い」

カイト「貴様はエクシーズ次元の人間だ。そしてお前の強さを利用し融合次元の連中が改造した。永遠に動く兵士として」

「・・・」

カイト「目的は俺や凌牙、遊馬らこの次元の名だたるデュエリストの抹殺だろ」

シャーク「あのクソ次元・・・死人まで利用しやがって!」

「話は済んだか?だったら戦え!」

シャーク「てめえ!てめえの中のエクシーズ魂はどうしちまったんだ!?」

「魂など・・・とっくに捨てた!」

カイト「だがなぜ鑑別所に居たんだ」

シャーク「こいつは俺より後に入ってきた。やたらと喧嘩っ早くてな」

カイト「・・・」

シャーク「俺を殺しに来たかもしれねえ。でも殺すならすぐに殺れたじゃねえか」

カイト「奴にはまだほんの少し欠片程度の心が残っているかもしれん」

シャーク「何だと」

カイト「エクシーズ使いの誇りが融合次元なんぞに負けんと無意識のうちに葛藤している可能性がある」

「ハァッ!」

サクッ

シャーク「聞け!てめえにはまだ心が残ってる!死人だろうと何だろうとてめえはデュエリストだ!」

「それがどうした!」

シャーク「負けんじゃねえよ!てめえとは喋った事はねえけど融合なんかに悪党なんかに負ける男じゃねえ!!」

遊馬「シャーク!」

シャーク「ゆ、遊馬・・・何だ遊馬の上に浮いてる巨大な球は」

アストラル「ありったけのかっとビングを集めたかっとビング球だ!」

カイト「聞け遊馬!こいつには心がある!だが死人だ」

遊馬「心・・・」

カイト「安らかに眠らせてやれ!このエクシーズ使いを融合次元の好きにさせるな!」

遊馬「くっ・・・何て事しやがるんだ融合次元の奴らは・・・!」

アストラル「彼は死んでいる。だが彼の誇りと名誉のためにかっとビングで成仏させてやるんだ」

遊馬「・・・わかった。俺が俺達があいつを成仏させる・・・!」

シャーク「遊馬・・・行け遊馬!アストラル!」

遊馬「かっとビング球!これで人だった頃を思い出してくれ!!」

ブオオオオオオオオオオン

「な、何だこれは・・・!?これがかっとビングなのか・・・?」

遊馬「そうだ!これがデュエリストの持つかっとビングだ!!」

「そうか・・・これが・・・」

アストラル「安らかに眠ってくれ君の事は忘れはしない」

シャーク「そういや名前を聞いてなかったな」

カイト「これからどうする気だ」

シャーク「あいつは成仏した。鑑別所に戻るかどうかは後で考える」

アストラル「人を人とは思わぬ所業・・・ドン・サウザンド以上の悪魔だ」

カイト「それぐらいはわかっている。奴らは人の心を持ち合わせていないただのクズだ」

遊馬「人間が人間を狩る・・・あいつらにはかっとビングなんて必要ねえよ」

シャーク「しかも次元統一なんてふざけた真似しやがって」

カイト「気を引き締めろ。今回の事で奴らの醜悪さがわかっただろ」

シャーク「俺は知ってるぜ。遊馬はどうだ」

遊馬「俺は絶対に許さねえ!命を軽くみる奴らを無関係な人を傷つける奴らを!」

アストラル「私も同感だ」

シャーク「エクシーズ次元の悲劇は俺達にとっても無視できねえ!今度は俺達が奴らを狩る番だぜ!!」

数日後

小鳥「どうだったシャークの代わりは?」

遊馬「はっきり言って疲れた」

小鳥「そうだよねシャークの苦労が」

遊馬「シャークって熱くなると暴走するだろ」

小鳥「えっ?」

遊馬「今度は俺達が奴らを狩る番だぜだってよ。一緒の事やっちゃダメだろ」

小鳥「うん」

遊馬「そうだろ」

小鳥「じゃあ遊馬はどうするの?」

遊馬「1匹残らず殲滅するんだよ。狩るなんて生温い事しなくてさ最後の1匹になるまで・・・ククク」





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