志希「ぬっふっふっふ!」
志希「出来たぞぉ、女の子が擦り寄ってくる薬!」
志希「これを飲めば、たちまち理由も無く周りにおにゃのこが群がるのだ!」
志希「これをプロデューサーにでも飲ませて、たんまり困らせてやろう! うひひ!」
志希「そういうわけだから、飲んでちょ!」
モバP「目の前でそんなこと言われて、飲むわけ無いだろう」
志希「えぇー?」
モバP「えぇーじゃなくて」
志希「けちんぼ!」
モバP「けちんぼてなんだよワガママだなおい」
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志希「いいから飲むんだよぃ!」
モバP「そんな得体のしれないものを飲めと言われて飲む奴がいるか」
志希「むむ、仕方無い、だったら原理を説明してやろー!」
志希「主成分に女の子が潜在的に惹かれるフェロモンを生成する成分が」
モバP「説明されても飲まないっての!」
志希「飲めよー、飲めよー!」グイグイ
モバP「おい、押し付けてくるな!」グググ
志希「ふんぬぅ!」
モバP「お前こんな時ばかり本気になんなよ、すげー力入ってるぞ!」
ツルッ
志希「あっ」
モバP「あっ」
バシャ
「ウヒッ!?」
モバP「あー」
輝子「………………」ビッショリ
志希「あちゃあ」
モバP「(狙い澄ましたように机の下に落ちたなあ)」
輝子「な、なにこれ……水?」
輝子「女の子が擦り寄ってくる薬……?」
志希「イエス」
輝子「な、なるほど……」
志希「……」スリスリ
輝子「……」
志希「いい匂いだねぇ、髪の毛」
輝子「お……おう」
モバP「お前が擦り寄るんじゃない」グイ
志希「おあー」ズルル
モバP「しかし、大変な事になったな」
輝子「まあ……なんとかなる、と思う」
モバP「だったらいいけどな」
モバP「で、いつまで効果が続くの?」
志希「約720時間、大体1ヶ月」
モバP「長ぇ!?」
志希「でも今回は経口摂取じゃなくて頭に被っただけだから、今日中には効果が切れると思うよん」スンスン
輝子「う、うん」
モバP「離れろ」グイ
志希「ぬあー」ズルル
モバP「まあ、今日は輝子は仕事入ってないから大丈夫かな」
志希「ん? 仕事無いのに事務所に来てるの?」
輝子「トモダチ……キノコのお世話があるから、な……」
志希「なるほどねー」クンカクンカ
輝子「……」
モバP「おい」
志希「おおっと」バッ
モバP「そんなお前だって仕事無くても事務所に遊びに来るじゃねえか、今みたいに」
志希「アタシは研究の成果を試しに来ているのだ!」
モバP「その実験台に俺を使うのはやめろ」
志希「えぇーそりゃないぜー?」
モバP「お前と違って俺は忙しいの、早く帰れ」
志希「ぶー!」
志希「あ、1つ注意があるよ!」
輝子「ん?」
志希「その薬による効果は、普段から接している人ほど影響が強いんだよねー」スンスン
輝子「……」
モバP「おい?」
志希「わっと危なぁい」バッ
志希「アタシみたいに普段あまり関わりがない人なら、このようになんとか自分から離れることが出来るんだけど」
志希「仲良くしてる人は、もはや磁石って勢いで引っ付いて離れないよ」
輝子「そ、そうなのか……」
乃々「……」ピトッ
輝子「通りでお隣さんが……」
モバP「いつの間に」
輝子「……」
乃々「……」
輝子「あの……」
乃々「?」
輝子「……」
輝子「近い……んだけど」
乃々「そうですか……」
輝子「……」
乃々「……」
志希「……」ピトッ
モバP「お前」
志希「はい」スッ
輝子「は、離れて……ください」
乃々「ああ……」
輝子「……」
乃々「むーりぃー……」
輝子「そ……そう」
乃々「……」
モバP「いかんな……俺は仕事で少し外に出なきゃいけないんだが」
モバP「まあ……乃々なら大丈夫かな」
志希「おー、いってらっしゃーい」
モバP「お前も離れるんだよ!」グイ
志希「何故だァ! 仕事は無いはずだぁー!」ジタバタ
モバP「じゃあちょっと留守を頼むな」
輝子「おう、わかった……」
輝子「……」
乃々「……」
輝子「な、何故……くっつく?」
乃々「え?」
輝子「……」
乃々「……」
乃々「なんででしょうか……」
輝子「……」
乃々「なんかこう……くっつきたくなる、と言うか……」
乃々「……そんな感じですけど……」
輝子「……そうか」
乃々「はい」
輝子「……」
乃々「……」
輝子「じゃあ……は、離れても、いいのでは……」
乃々「……」
輝子「……」
乃々「うーん……」
輝子「……」グイ
乃々「あうぅ……」ギュウ
輝子「……ぬぬぬ」グイー
乃々「む、むーりぃ……」ギュウウ
輝子「……と、取れない」
乃々「……」
輝子「こ、困ったな……わりと」
乃々「……」
輝子「……」
ヒタッ
輝子「っ!?」ゾクゥ
乃々「ど、どうかしました?」
輝子「い、今背中がひんやりと……」
ガチャ
小梅「そ、そんなに急いで……あ」
輝子「お? やあ小梅ちゃん……」
小梅「輝子ちゃん、こ、こんにちは……」
小梅「……え、えっとね……」スッ
小梅「あ、あの子が、輝子ちゃんの背中に、つ、憑いちゃったん、だけど……」ピトッ
輝子「えっ……」
小梅「……」
輝子「ま、マジか……」
小梅「うん……」
小梅「あ、でも、害意は無いから安心して……せ、背中がひんやり、するかもだけど……」
輝子「そ、そうか……」
小梅「……」
輝子「小梅もくっつくのか……」
小梅「え? ……あ」
輝子「……」
小梅「……」
小梅「あ、あの……その」
小梅「も、もしかしたら、あの子が……な、なにかするかも、しれないし……」
小梅「こ、こうやって、くっついた方が……あ、安全……だよ?」
輝子「さっき害意は無いって……」
小梅「あっ……えーと」
輝子「……」
小梅「……」
輝子「……」
小梅「……い、いぢわる……」ギュウ
輝子「な、何故……」
輝子「……」
小梅「……」
輝子「離れて……ほしいかな……」
小梅「……」
小梅「えーっと……」
輝子「……ぬぬ」グイ
小梅「うぅ」ギュウ
輝子「ぬぬぬぬぉ」グイー
小梅「やぁー……」ギュウウ
輝子「ダメだ……離れない」
小梅「……」
輝子「……」
乃々「……」
小梅「……」
輝子「……」
輝子「狭い……」
美玲「お前ら机の下で何してんの?」
輝子「あ……や、やあ」
輝子「何してると言われても……うーん」
美玲「? 変なの」ピトッ
輝子「……」
美玲「……」
輝子「やはりくっつくのか……」
美玲「ん? あー」
美玲「なんていうか、そのさ」
美玲「すごくくっつきたくなる、というか」
美玲「なんかそんな……」
美玲「な?」
乃々「はい……」
小梅「わ、分かる……」
輝子「……」
美玲「い、いいだろ別にッ!」
美玲「くっつきたくなるんだモン、仕方ないだろッ」
輝子「はあ……」
輝子「……」
美玲「……あむ」カプ
輝子「フゥオ!?」ビクゥ
美玲「あむあむ」
美玲「ん……ほんのり甘いなッ!」
輝子「な、何故……甘噛みを……」
美玲「え? さあ……なんかしたくなった」
輝子「なんかって……」
乃々「……」
乃々「あー……」
輝子「や、やらなくていいって」
乃々「……あうぅ」
輝子「……は、離れて……ほしいのですが」
美玲「え?」
輝子「……」
美玲「うーん……」
輝子「……」グイ
美玲「わわっ」ギュウ
輝子「ふんぬぬぬ」グイー
美玲「やめろってばッ! このッ」ギュウウ
輝子「……離れない」
美玲「なにすんだよもうッ」
輝子「……」
乃々「……」
小梅「……」
美玲「……」
輝子「狭い……すごく狭い……」
幸子「あれ、皆で何してるんです?」
輝子「……うん、来ると思った……」
幸子「えっ? ボクのことがカワイイ? えへへ、そりゃあ当ぜn」
美玲「誰も言ってないって」
輝子「このメンツを考えると、な……」
幸子「ああ、確かにいつものメンバーですね」
幸子「それで、なんで皆でくっついてるんですか?」
小梅「うーん……な、なんとなく?」
幸子「ふーん……まあ、なんでもいいですけどね」ピトッ
輝子「……」
幸子「……」
輝子「やっぱりくっつくのか!」
幸子「うわっ、いきなり叫ばないでくださいよ!」
幸子「だってですね、皆もくっついてるじゃないですか」
幸子「だからカワイイボクもくっつかない訳にはいかないでしょう」
幸子「ね?」
輝子「そうでもない」
幸子「そうでもあります!」
幸子「ねえ?」
乃々「……」
小梅「……」
美玲「……」
輝子「……」
幸子「あの、誰か返答してくださいよ」
輝子「離れて……」
幸子「えぇ?」
輝子「……」
幸子「そう言われましても」
輝子「ふんぬ」グイ
幸子「うわっ、ちょ」ギュウ
輝子「ぬぬぬぬ」グイー
美玲「おらッ」グイー
小梅「……え、えい」グイー
幸子「ちょちょちょ!? なんで皆して引き剥がそうとするんですか!」ギュウウ
輝子「ぬう……剥がれない」
幸子「なんなんですか全く」ギュウ
輝子「……」
乃々「……」
小梅「……」
美玲「……」
幸子「……」
幸子「ところで、狭くないですか?」
美玲「そりゃ机の下だもんな」
小梅「い、移動、する?」
幸子「ですね」
乃々「……」
小梅「……」
美玲「……」
幸子「……」
輝子「……」
輝子「移動……しない、のか?」
幸子「早く動いてくださいよ」
輝子「え、わ、私か……?」
乃々「そうですけど……」
輝子「……」
輝子「い、移動したいなら……したい人が動けばいいと思う……けど」
美玲「そう? それじゃあ」グイ
輝子「ま……待って、なんで引っ張る……?」
美玲「え? そりゃそうだろ」
小梅「う……うん」
輝子「ど、どういうこと、なんだ……」
幸子「ほーら、移動しますよ!」グイ
輝子「お、おうう?」
乃々「よいしょ……と」
ガン
小梅「アイタッ」
輝子「あ、だ、大丈夫……?」
小梅「う、うん、ぶつけただけだから……」
美玲「よし、立った」
輝子「……あの、歩きにくいから、離れて……」
乃々「え? はあ……」
小梅「……」
美玲「……」
幸子「……」
乃々「……」
輝子「……」
輝子「離れろよォ!!」
美玲「だからいきなり叫ぶなよッ!」
乃々「ソファーに着きましたね……」ポフ
輝子「くぅ……あ、あの薬の効果がここまでとは……」
小梅「……」ポスッ
輝子「?……あの」
小梅「?」
輝子「何故……膝の上に……」
小梅「ば、場所、無いから……」
輝子「……そ、そう……」
幸子「……」
幸子「よ、横も前も取られて場所が無い……」
幸子「……ぬうう」グイ
美玲「うわっ、おい、割り込むなってッ!」
輝子「……」
乃々「……」
小梅「……」
美玲「……」グイグイ
幸子「……」グイグイ
輝子「……わ、ワタシノタメニアラソワナイデー……」
輝子「なんて……」
幸子「ぬぬぬぬ!」
美玲「むぎぎぎ!」
輝子「き、聞いてないですね……ハイ」
まゆ「あら」
輝子「ッ!!」
まゆ「なんだか楽しそうなことをしてますねぇ」
輝子「お、おう……そうか、そう見えるか……」
輝子「……あ、生憎だが、もうスペースは無いんだ……ぜ」
まゆ「大丈夫ですよ、安心してください」
まゆ「私はあくまでもPさん一筋なので」スッ
まゆ「こ、こんなことには、興味がないですから……!」グググ
美玲「うわわっ!」
幸子「ちょ、待っ!」
輝子「思いきり割り込んでるゥ!!」
まゆ「おかしいですねぇ……」
まゆ「今日の輝子ちゃん、何故だか惹かれるんですよねぇ……!」グググ
美玲「それは分かる……!」グググ
幸子「何故か体が動くんですよね……!」グググ
まゆ「ええ、頭では分かっていても体が勝手にですねぇぇぇ……!!」グググ
輝子「ぐえっ、う、腕が」
乃々「……あ、あの」
小梅「そ、それ以上は、危ないんじゃ……」
輝子「痛、イタタタタタタタタタタ」
まゆ「痛がってますよ、離してあげたらどうですか?」グググ
美玲「お前が離せばいいだろッ」グググ
幸子「離せと言われても、体が言うこと聞かなくてですね」グググ
輝子「い……いい加減にしろォ!!!」グイッ
ゴキッ
輝子「ハウッッッ!?」
乃々「あっ」
次の日
輝子「……ひ、酷い目に遭った」
モバP「肩の脱臼か……」
志希「でも亜脱臼で済んでよかったねー」
モバP「元々はお前のせいだろ」
輝子「数週間は、安静にすること、だって……」
輝子「ちゃんと治せば、後遺症は無い、らしい……」
モバP「だったらよかった」
モバP「でだ、志希」
志希「んー?」
モバP「俺の三ツ矢サイダーにその薬を入れるんじゃない」
志希「あれ、バレた?」
モバP「目の前で垂らしてたらそりゃ分かるっての」
志希「いやーははは……バレちゃうかー」
モバP「全く、どうすんだよこれ」
志希「だったらこうだっ!」バシャ
モバP「わぶっ!?」
輝子「み、水鉄砲……」
志希「にゃはは、別に飲まなくてもぶっかけるだけで効果はあるからねー」
モバP「お……お前なぁ~」ビッショリ
モバP「このっ!」バシャ
志希「ぬひゃあ!?」
志希「ちょ、三ツ矢サイダーかけないでよぉ! ベトベトじゃにゃいか!」ビッショリ
モバP「道連れだ、お前も薬まみれになっちまえ」
輝子「(……に、逃げよう)」ピトッ
モバP「ん?」
輝子「……あれ」
モバP「お、おいおい、くっつくなって」
輝子「ご、ごめん……」バッ
志希「薬が効いてきたねぇ」ガバッ
志希「イエス、ナイススメル」スンスン
モバP「お前薬関係なく引っ付いてきてるだろ! 後サイダーの匂いがすごい!」
輝子「……あ」
凛「……ふーん」
留美「あら」
ナターリア「ア!」
奏「へえ」
早苗「お?」
モバP「やべえ……なんでこんな時に積極的勢が」
志希「……よし、アタシはここらで退散しよーっかな」
ガシッ
まゆ「見てましたよぉ、思い切り抱きついているところ」ニッコリ
志希「(アカン)」
アッー
アオオーーッ
輝子「……」
輝子「……合掌」スッ
おしまい
輝子がイチャイチャする話が書きたかった
見てくれた人ありがとう
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