イーブイ「こわれたせかい」(54)
このまちに にんげん はいない
それでも ぼくたちは いきている
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エーフィ「ブラッキー」
ブラッキー「うん? ああ、姉さん。どうしたの?」
エーフィ「イーブイがどこに行ったかしらない? 出掛けたみたいなのよ」
ブラッキー「あー、ごめん、わかんないや」
エーフィ「そう……」
ブラッキー「心配しなくても、危ないことはないと思うよ?」
ブラッキー「人間はいないんだし、さ」
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ピジョット「ほうら、見えたぞボウズ。あれがポケモンリーグだ」
イーブイ「わあー! すごい建物……わととっ」
ピジョット「おおっと。ははは、落ちないように気を付けな!」
イーブイ「うんっ」
ピジョット「折角だ。降りてみるかい?」
イーブイ「いいの?」
ピジョット「お兄さんがついてってやる。大丈夫だ」
イーブイ「ありがとう、おじさん!」
ピジョット「うん、お兄さんな?」
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イーブイ「ごめんくださーい!」
イワーク「んん……? ほう、客とは珍しいな」
ピジョット「あれ? あんたシバさんとこの」
イワーク「そういうお前はグリーン少年のところにいた輩か。老けたな」
ピジョット「老けてねえよ!?」
イワーク「冗談だ」
イーブイ「ねえねえおじさん」
イワーク「おじさん……確かに私は歳だが……」
ピジョット「悪い、こいつ誰でもおじさんおばさん言うんだわ……」
イーブイ「おじさんはここでなにしてるの?」
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イワーク「何を、か。考えたこともないな」
イワーク「守るものがあるわけでも、戦いがあるわけでもない」
イワーク「ただ私にはここが居心地がいい。それだけだからな」
イーブイ「ふーん。ねえねえ、おじさんは町にはこないの?」
イワーク「どうだろうな。考えたこともないな」
イーブイ「ふーん」
ピジョット「他の連中はいないのかよ」
イワーク「ここに残ったのは私だけだ。……ここは思い出が多すぎるからな」
ピジョット「なるほどね」
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イーブイ「ねえねえおじさん」
イワーク「ん?」
イーブイ「背中に乗ってみていい?」
イワーク「…………」
イーブイ「うわあああ! すごい! 長い! おっきい!」
イワーク「ふ」
ピジョット「ふ、じゃねーよ。しっかし長いな」
イーブイ「空まで届きそうだよ!」
イワーク「ふふ……」
ピジョット「ふふ、じゃねーよ」
イーブイ「ねえおじさん。おじさんはなんでおっきいの?」
イワーク「何故、か」
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イワーク「そうだな。長く生きすぎたから、かもな」
ピジョット「…………」
イーブイ「長生きしたらおっきくなれるの!?」
イワーク「さあな、わからん」
イーブイ「えー? おじさんのことなのに?」
イワーク「己のことでも、わからんことくらいあるさ」
イーブイ「変なのー」
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イーブイ「ばいばいおじさん! またね!」
ピジョット「たまには町まで来いよ。俺達マサラにいるから」
イワーク「考えておこう」
イーブイ「変な人だったねー」
ピジョット「おまっ、遊んでもらっといて失礼だぞ!?」
イーブイ「ごめんなさーい」
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イーブイ「ねえねえ」
ピジョット「なんだ?」
イーブイ「おじさんは昔は冒険っていうのをしてたんだよね」
ピジョット「お兄さんな。まあ、そうだ」
ピジョット「人間と一緒に色んな場所に行って、色んな人間やポケモンに会って」
イーブイ「楽しかった?」
ピジョット「……そうだな、楽しかったぞ」
ピジョット「しんどいこともあったけど、嬉しいことも沢山あった」
ピジョット「いい思い出だよ」
イーブイ「ふーん」
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ピジョット「到着、と」
イーブイ「おじさんありがとー」
ピジョット「お兄さんな。ほら、暗くなる前に帰りな」
イーブイ「うん。またねー」
ピジョット「ああ」
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ピジョット「楽しかったか、ね」
ピジョット「楽しかったさ」
ピジョット「楽しかった……」
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イーブイ「ただいまー!」
ブラッキー「おー、おかえり。どこ行ってたんだ?」
イーブイ「ポケモンリーグ!」
ブラッキー「へえ、ポケモンリーグ」
ブラッキー「!?」
イーブイ「お姉ちゃんどこ?」
ブラッキー「あ? ああ、奥にいると思うけど……」
イーブイ「ありがとー。お姉ちゃーん!」
ブラッキー「…………ポケモンリーグ……?」
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エーフィ「お帰りなさいイーブイ。でも出掛ける時は一言声を掛けていってね?」
イーブイ「あ、ごめんなさい」
エーフィ「はい、許します。それで、どうかしたの?」
イーブイ「うん! あのね、お姉ちゃん」
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イーブイ「僕、冒険してみたい!」
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一旦終了気紛れ更新
基本舞台はカントー
人間はいません
ポケモン達は人間がいた頃の知識を借りて町を維持しています
まあそんな感じ。
他のブイズは兄弟?
【 冒 険 】
ブラッキー「いつまでスネてんの」
エーフィ「だって……」
ブラッキー「イーブイもいつまでもガキじゃないんだしさ、心配ないって」
エーフィ「そうかもしれないけど、はぁ……」
ブラッキー「カントーを回ってくるだけって約束だろ? それに可愛い子には旅をさせよ、って言うし」
エーフィ「うん……」
ブラッキー「あーもー、しっかりしてよ。お姉ちゃんだろぉ」
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イーブイ「それじゃ、行ってくるね!」
ピジョット「気を付けてな」
ピジョット「困った時はポケモンセンターに行くこと。拾い食いはしない。それから」
イーブイ「もー、わかってるよ」
ピジョット「町に着いたら連絡しろよ? みんな寂しがるから」
イーブイ「はーい」
イーブイ「それじゃあね!」タッ
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ピジョット「行っちまったなぁ」
ブラッキー「あー、見送り間に合わなかったか」
ピジョット「よ。なんだ、エーフィは結局出てこなかったのか」
ブラッキー「心配性なんだよなぁ。俺達だって冒険くらいしてきたってのに」
ピジョット「ま、一人旅じゃ多少の不安はあるだろうが、あいつなら大丈夫だろ」
ブラッキー「根拠は?」
ピジョット「勘」
ブラッキー「」ずるっ
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~1番道路~
南から北へと伸びるなだらかな坂の道。
人の手を離れた路面は所々に亀裂が走り、その裂け目を埋め尽くすように大小無数の草花が根を拡げる。
草の垣根はイーブイよりもほど高く、まるで自然の迷路のようだ。
その隙間から覗く空は広く、青く、深く、眩しい。
晴れ渡った青空の下を、イーブイは太陽を背に歩いていく。
後ろにはマサラ。行く先にはトキワ。
その道ははじまりの道。
その軌跡は人とポケモンの軌跡。
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イーブイ「……誰もいないやー」テクテク
イーブイ「なんだか迷っちゃいそうだ」テクテク
イーブイ「おじさんは道路から逸れなければ大丈夫だーって言ってたけど」ピタ ジー…
イーブイ「ちょっとくらいならいいよね」タッ
がさがさ がさがさ…
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イーブイ「あははっ、全然前が見えないや!」ガサガササー
イーブイ「あっちかな? こっちかなっ!」
イーブイ「あっ! 初めて見る花だ、かわいーなー」
イーブイ「うわぁ、おっきな木……、こんなの町にはないよ」
イーブイ「登れるかな? とおっ!」タンッ
イーブイ「……ダメだぁ、枝が遠いや」ズルズルズル…
イーブイ「あ、あっちの木なら登れるかもっ」
イーブイ「よおし!」ガサガサ…
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イーブイ「よい……しょ、もうちょっ、とぉっ!」ググ… ノシッ
イーブイ「ふう。木登りも久しぶりだぁ」
イーブイ「わ、すごい。どこまでも見えるや!」
イーブイ「マサラのほうのは研究所かな」
イーブイ「トキワは反対側だから……あそこかな? 意外と近いかも」
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イーブイ「よっし、がんばるぞー!」
イーブイ「…………」
イーブイ「…………」
イーブイ「…………降りられない……」
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次回に続く
>>17
他のブイズは兄弟姉妹ではないです
ブラッキーはグリーンの
エーフィは……
まあそういう感じです。
イーブイ「困ったな…どうしよ。」
イーブイ「……と、とりあえずあの枝に……。」ピョンッ!!
バキッ!!
イーブイ「あ」
イーブイ「うわぁあああ!!」ヒューン!!
ドシャッ!!ガサガサ!!
イーブイ「いてて…草むらがクッションになってよかったよ…」
ー
ガサッ!!
イーブイ「!!…誰!?」
ポッポ「ぽっぽー!!」バサバサ
イーブイ「……君は…?」
ポッポ「あ、俺はポッポってんだ、シクヨロシクヨロ♪」
イーブイ「あ、こんにちわー。(軽そうなポケモンだなぁ…。)」ペコリ
ポッポ「そこのチーミーこそ全然ルッキングしないフェイスじゃねーの。」
イーブイ「あ、ボクはイーブイ。マサラから来たんだ!!」
ー
ポッポ「heー、マサラから来た訳かイ。そりゃ596なこったな。」
イーブイ「ごーきゅーろく?」
ポッポ「ごくろうさんってこったyo!!」
イーブイ「あ、成る程!!」
ポッポ「で?youはこんなとこでなにをstayしてるんだい?」
イーブイ「ゆ…ゆー?す…すてー?」
ポッポ「dreamみつけたんならstayしてるtimeなんかnothingだろぅ?」
イーブイ「え?えええええ?ど…どりーむ?なっしんぐ?なにそれ?あれ?」
ポッポ「とにかくwalk or dashだぜ!!」
ー
酉晒すの忘れてた、申し訳ない
他のスレでちょっと煮詰まってて。
ちなみに↓
農家「魔王とかフザけんな」
猫「おお、ご主人」友「なん…だと……」
幽霊「あら?」
本人かどうかはid調べればわかると思う。確か同じ日に更新できたことがあったはず
ごめん、なかったかもしれない……
とりあえず基本構想は固まってて、
後はゲーム確認しながら時間があり次第書くだけなので、
できれば乗っ取りは勘弁して下さい
放置が長くて申し訳ない
【 1番道路の出会い 】
カメックス「おうい」ノッシノッシ
ピジョット「あん? おお、カメックスの大将」
ブラッキー「珍しいじゃん」
カメックス「久しぶりだなあ。みんな、元気かあ?」
ブラッキー「ま、そこそこね」
カメックス「はっはっは。そうか、元気かあ」
ピジョット「何か用事か?」
カメックス「んん~? はっはっは、たまには子供達の顔を見たくなってなあ」
カメックス「ポッポと、ゴンベには会ったんだがなあ」
ブラッキー「なんつータイミングの悪さ……」
カメックス「んん~?」
ピジョット「ちょうどさっきイーブイが冒険に出たところでな。俺達は見送りだ」
カメックス「はっはあ~、そうかあ、冒険かあ。懐かしいなあ~」
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ブラッキー「あ」
ピジョット「ん?」
ブラッキー「大将見て思い出した……」
ブラッキー「イーブイのやつ、ハイドロポンプで研究所の屋根に打ち上げられたことあったじゃん」
ピジョット「……あ」
カメックス「んん~?おお、降りられなくてピジョットが助けた時かあ」
ピジョット「あの時はすげえ泣いてたな」
ブラッキー「でさ……もし木に登ったりして、降りられなくなったら……」
ピジョット「……やべえ。ちゃんと注意すんの忘れてた」
カメックス「はっはっは、大丈夫だろお。イーブイは元気だからなあ」
ブラッキー「だといいんだけど……」
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ヒュウウゥゥゥゥゥゥ…
イーブイ「…………」
イーブイ「どっ、どうしよう……!」ガクガク
イーブイ「そういえば前はみんなに降ろしてもらったんだった……!」
イーブイ「降りられるようになるまで登るなって言われてたのに……っ」
イーブイ「…………」チラッ
ヒュウウゥゥゥゥゥゥ……
イーブイ「うわ、うわわわわ……!」ブルブルブル
?「ん?」
イーブイ「うあぁー……どうしよう、どうしたら……」
?「おーい、そこの」
イーブイ「そっ、そうだ! いっそ飛び降りて……」
イーブイ「むり! 高い!」ブンブンブン
?「聞こえてるか? おい坊主、おい」
イーブイ「おちつけ……落ち着け僕……!」
イーブイ「そうだ、こんな時はソスウを数えろっておじさんが言ってたんだ!」
?「…………」
イーブイ「……ソスウってなんだろう?」ハテナ?
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?「……、『ずつき』」
ドォン!!
イーブイ「わひゃあ!?」ズルッ
イーブイ「――わあああああ!!?」
ひゅー――――…
……モフッ
イーブイ「えうっ!」ポスッ
?「なーにやってんだお前」
イーブイ「え? あ、あれ? 誰?」
?「名前を訊く時は自分から名乗れって教わらなかったのかい?」
イーブイ「あっ、ごめんなさい」ペコリ
?「…………」
イーブイ「……?」
?「……オイラはラッタだ。坊主は?」
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イーブイ「ぼうず?」
ラッタ「お前さんのことだよ」
イーブイ「僕ぼうずじゃないよ。イーブイだよ」
ラッタ「そうかい。で?」
イーブイ「?」
ラッタ「オイラに何か言うことがあるんじゃないのかい?」
イーブイ「…………」
イーブイ「もふもふだね」
ラッタ「真っ先にそこかい!?」
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・ ・ ・
イーブイ「おじさんありがとー」ペコリ
ラッタ「……」ギュム
イーブイ「うぃ!?ひはひひはひひはひ!!」バタバタバタ
ラッタ「次おじさん呼ばわりしたらかじるぞ」キラッ
イーブイ「~~~~!!」コクコクコクコク
ラッタ「全く、躾のなってない坊主だね」
イーブイ「うー、僕ぼうずじゃないよ。イーブイだよ」サスサス
ラッタ「わあってらい。生意気言ってんじゃないよ」
イーブイ「うぁー、リフジンだぁ……」
ラッタ「はーん、冒険ね」
イーブイ「うん!」
ラッタ「この御時世に酔狂な坊主だね」
イーブイ「すい……すいすい?」
ラッタ「特性の話じゃないよ」
イーブイ「とくせー?」
ラッタ(……話が進まないね)
ラッタ「ほら、入りな」
イーブイ「わあ、木の下に穴がある」
イーブイ「…………えっ!僕埋められるの!?」
ラッタ「オイラの家だっつーの」
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このSSまとめへのコメント
更新まだかよおおお!
・・・すんません