【艦これ】響「浮かれ合い」 (22)
~朝~
提督「寒!」
提督「うおおお今朝はなんでこんなに寒いんだ、布団から出られない…」
提督「ん?外が白い…」
提督「お~雪が積もってる、道理で寒いわけだ…」
提督「布団にこもりたいけど、これ雪かきしないと移動できなくなるな…」
提督「仕方ない、雪かきするか」
提督「…」
提督「後5分寝てからやろ」
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。。。。。。。。。
~30分後~
提督「う~寒い、さっきみたより雪積もってないか?」
提督「さてどこから雪かきするか」
提督(しかし、まだ朝早いから誰も起きてないのがな、一人でやるしかないか)
提督(まあまず玄関から道路にかけて道を開けるか、それくらいなら一人でも出来る規模だ)
提督(しかし、足跡ひとつついてない雪景色っていうのは綺麗だな、見慣れた景色が一変してまるで別世界に来た感覚になる)
提督(寒いのは嫌だが、こういうのがあるから冬は嫌いになれないんだよな…)
提督(本当に、綺麗だな…)ボーッ
提督(…)
提督(あれ?)
提督(あそこに、誰かいる)
提督(白い、というより銀色の髪)
提督(白い雪が日の光を浴びて銀色に輝くように、その女性の髪も、一本一本が日の光を浴びて、銀色に光り輝いている)
提督(誰だ?)
提督(…)
提督(綺麗だな…)ボーッ
響「…」ボーッ
提督「…響?」
響「ん…司令官じゃないか、おはよう」
提督「おはよう、大分早起きだな」
響「私はいつもこの時間には起きているよ、早起きして勉強するタイプなのさ」
提督「で、なんで今日は勉強をせず外にいるんだ?」
響「いつもとは事情が違うさ、朝起きたら窓の外は一面の銀世界」
響「見慣れた風景が雪化粧によってこんなにも綺麗に美しくなってるんだ」
響「外に出ずして、なにをするんだい?」ウキウキ
提督「おお、お前も雪みて浮かれてるのか、なんかイメージないな」
響「私はまだ子供だからね、雪を見て浮かれてしまうのも無理ないさ」
提督「へえ、お前も暁みたいに子供扱いは嫌いなタイプだと思っていたが、まさか子供であることを自覚しているとは」
響「事実だからね、それに大人にはいつか必ずなれるんだ」
響「だったら、子供であるうちに子供であることを楽しまないとね。そう思わないかい?」
提督「良い考え方だ、だがそういう考え方は子供がするもんじゃないとだけ言っておこう」
響「どういうこと?」
提督「お前は自分が思っているより大人だってことだ」
響「?」
提督「まあ、俺の言っていることの意味がわかるようになったら、大人になったと思っていいぞ」
響「う~ん、つまり私はまだ子供だってこと、かな?」
提督「そういうことだ」
響「よくわからないけど、よくわかったよ」
提督「まあ、今は思う存分雪に浮かれることさ」
響「言われなくとも、思う存分浮かれているよ」
響「そう、私は今とても浮かれているんだ、浮かれすぎて普段では出来ないような言動も出来るくらいに」
提督「へえ、例えば?」
響「そうだね、例えば…」
響「…司令官」スッ
響「私と一緒に、散歩しないかい?手をつないで、さ」
提督「…確かに、普段のお前なら想像がつかないような言動だな」
提督「こんな俺でよければ、喜んで」スッ
響「っ」ドキッ
提督「ん?どうした?」
響「な、なんでもないさ!さあ、手、手をつなごう」
提督「なんでもないならいいさ、ほら」ギュッ
響「あっ」
提督「お~お前の手、白くてすべすべしてて、けど小さいな」
提督「やっぱりまだ子供だな」ニッ
響「っ」ドキッ
響「だ、だから私は子供なんだって、いってるじゃないか」フイッ
提督「こうやって触れてみると、改めて実感してな」
提督「小さい、けど力強い、素敵な手だってさ」
響「っ!」///
響「さ、流石にこれは、恥ずかしいな…」///
提督「ははは、さ、んじゃあ響のご希望通り、少し歩くか」
響「う、うん…」
響「…」
提督「…」
響(私は今、とても浮かれている)
響(でも浮かれている理由はさっきまでとは違う、雪に浮かれている自分はどこかに行ってしまった)
響(むしろ、先ほどまで見惚れてしまうほどに綺麗だと思っていた雪も、今では視界に入る白色の結晶の塊としか思えない)
響(今、私は隣にいる彼と手を繋いでいるということに、浮かれている)
響(握る手から伝わる、彼の熱が、指先一本一本の力が、私を浮かれさせる)
響(彼と手をつなぐだけで、こんなにも気分が高翌揚する)
響「…」
提督「…」
響(私は今、とても浮かれている)
響(でも浮かれている理由はさっきまでとは違う、雪に浮かれている自分はどこかに行ってしまった)
響(むしろ、先ほどまで見惚れてしまうほどに綺麗だと思っていた雪も、今では視界に入る白色の結晶の塊としか思えない)
響(今、私は隣にいる彼と手を繋いでいるということに、浮かれている)
響(握る手から伝わる、彼の熱が、指先一本一本の力が、私を浮かれさせる)
響(彼と手をつなぐだけで、こんなに気分が高揚する)
響(ああ、この浮かれた心が、繋いだ手を伝って彼に気づかれてしまわないだろうか)
響(この浮かれた心を知られるのは、なぜだかとても恥ずかしく感じる)
響(どうか、この強く、早くなっている私の脈動が、彼に伝わらないで)
ドクン
響(…あれ)
提督「うう~しっかし風が冷たい…顔面が凍る…」
響(この音は、この脈動は、私のものじゃない)
ドクン
提督「でも右手だけはあったかいな」
響(私のと同じくらいに、いや、それよりも大きい脈動)
ドクン
響(彼の、音だ)
提督「手をつないで散歩っていうのも、いいものだな」ニコッ
響「司令官…もしかして君は、浮かれているのかい?」
提督「ん~…ああ~」
提督「そう、かもしれん」
提督「なぜかわからんが、お前との散歩がとても楽しい」
提督「楽しげな会話も、面白い出来事も、何もないんだけどな」
提督「お前と手を繋いで歩くってことだけで、なぜか楽しい」
ドクン
提督「なぜか、浮かれているんだ」
響「…」
響「~~!」ギューッ!!
提督「いててて!急に強く握ってどうした!?」
響「あ、ああすまない…つい嬉しくて…」
提督「俺、お前が嬉しくようなこと言ったか?」
響「ああ言った、すごく嬉しい。なぜだかわからないけど、すごく、すごく」
響「嬉しい…」
提督「…そうか」ギュッ
響「あ…」
ドクン
提督「なあ、響…」
提督「これからも、一緒に歩かないか?」
響「…ああ、そうだね」
二人の脈動が重なり合って、とても大きく、とても強い、心地よい音になる
そうして二人の間で響き合う音は、互いの手を強く握るたびに、さらに強い音に、強い想いになっていく
その強い想いが、私達だけに伝わっていく
響「一緒に歩こう、ずっと、これからも」
そんな関係が、これからずっと続くことを思うと、私の心は躍動する
響「ずっと一緒にいよう」
私は今、浮かれている
終わり。
じゃあの
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