みく「ニュージェネレーションズ・にゃ」 (31)

前回で完結と言ったな。あれは嘘だ。
これはニュージェネレーションズ・ハイシリーズの一つです。
キャラ崩壊は当たり前です。

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みく「暇だ……ちょう暇。なんか……暇。せっかくのオフなのにお金がないなぁ。この前のスパで散財し過ぎたし。だっておいしいんだもん……焼きそば……ソフトクリーム。暇……暇過ぎて死んじゃいそう。猫は淋しいと死んじゃう……それはウサギか。まあいいや。どうせ誰もいないし今のみくはウサギでいいや。暇ぴょん。淋しいぴょん。この胸の寂しさを誰か埋めてほしいぴょん。なんかホームシックになってきたぴょん……ウサギってこれでいいの? 鳴き声って何だっけ?  ん? インターホン? 誰だろ? のぞき穴からチェック~」

卯月『みーくーちゃん』

未央『あーそーぼー!』

凛『……』

みく「おぉ? 何? 何にゃ三人ともいきなり」

未央「お、みくにゃん! おはよう!」

卯月「もうこんにちわの時間だけどね」

凛「遊びに来たんだ」

みく「いや、いきなりでびっくりにゃ」

卯月「本当は私の家で遊ぶ予定だったんだよ」

未央「これ、さなさなこと紗南ちゃんから、みんなでできるパーティゲームを借りて、しまむーの家でやろって話になってたわけよ」

みく「それが何でうちになるの?」

未央「それがしまむーの部屋めっちゃ散らかっててさ。ゲームどころじゃなかったんだー」

凛「ゲーム機を探すのに一時間かかって、コントローラーを二時間探したけど、どうしても四コメが見つからなかったんだ」

卯月「何か……いたたまれなくなっちゃって。ファミレスで昼食をすませてこれからどうするって話になって、満場一致でみくちゃんの家に行こうって話しになったの」

みく「そこで何でみくの家が出てくるにゃ……まあいいにゃ。暇してたし。どうぞ上がって上がってにゃ」

未央「ありがとーみくにゃん! お邪魔しまーす!」

卯月「お邪魔します」

凛「お邪魔するね」

P「お邪魔!」

みく「待てや」

P「なんだよみく。俺の腕いきなり掴んで」

みく「なんだよも何もないにゃ。皆は先に部屋に行っておいてにゃ。いやさPチャン。何でここにPチャンがいるの? ん?」

P「まあ待て。落ち着けよみくにゃん。何って、みんなと一緒にいたからに決まってるだろ。さっきだって、コントローラーの四個目がないってさりげなーく俺の存在を示唆してたじゃないか」

みく「そんなん知らないにゃ。みくが言いたいのは天衣無縫にうら若き乙女の部屋に侵入しようとする恥知らずな心情を吐露してほしいってことにゃ」

P「逆に聞くけど、ダメ?」

みく「ダメにゃ。今日は凛チャンたちがいるにゃ。今からみくの部屋は女子会の舞台なの。男子禁制にゃ」

P「じゃあ凛たちが居なければ入っていいのか?」

みく「あ、別にそういう訳じゃないにゃ。とにかく、ガタイのいい人はお引き取り下さいにゃ」

P「待て! 押すなって。わかった。まあ待て。落ち着けよみくにゃん。お前の言いたいことはよくわかる。考えてることもな」

みく「ほぉ。話だけ聞いてあげるにゃ」

P「何、俺だって何も手ぶらで来たわけじゃない。つまり、対価をよこせと言うことだろ」

みく「違うにゃ」

P「まあ待て。落ち着けよみくにゃん。これを見てそんなことを言えるか? ほらぁ。高級猫缶だぞぉ」

みく「にゃにゃ? おぉこれは……Pチャン。なかなか気が効くにゃ」

P「サーモン味だけどな」

みく「ぎゃー!」

P「いたッ! テメー! 人が買ってきた猫缶を顔面に投げつけるとはいい了見してるじゃないか! 早すぎるクーリングオフか!」

みく「うるさいにゃ! みくにシーフード無理やり食べさせようとするPチャンなんて嫌いにゃ!」

P「お、オイ! 嫌いって嘘だよな! オイ! マジで閉め出された……」

みく「全く。あの人の脳味噌溶解してるんじゃないの」

未央「また玄関先で派手~に言い合ってたねぇ」

みく「ほんとにいい迷惑にゃ。あの人もいつまでも子供じゃないのに知り合ったときから全然変わらないにゃ」

凛「で、プロデューサーは?」

みく「帰ってもらったにゃ。今からは男子禁制の女子の花園にゃ」

未央「えぇー! プロデューサー帰しちゃったの!?」

卯月「プロデューサーさんああ見えてナイーブだから泣いてるかもしれないよ」

みく「これくらいで泣くぐらいならどんどん泣けって話にゃ。それに二十代半ばのおっさんが休日に女子高生と一緒に女子高生の家に遊びに来ること自体おかしな話にゃ」

未央「おかしい話なの?」

凛「プロデューサーはよく家で一緒に食べるから別に……」

卯月「みくちゃんの言ったこと自体今日実行する予定だったし違和感はないよね」

みく「マジかにゃこの三人……毒され過ぎにゃ。逆に言えば三人もPチャンに依存し過ぎってことにゃ。だから今日は禁P
チャンの日にゃ」

未央「ウヘェー。プロデューサーに会えない日かー」

凛「逆に私たちがいない休日にプロデューサーが何をしてるか気になるかも」

卯月「プロデューサーさんのことだから街中でスカウトしてるかもね」

みく「あり得そうで怖いにゃ」

みく「にしても、こうして四人だけで集まってゆったり話すのも久しぶりにゃ」ムッシャムッシャ

未央「言われてみるとそうだね」ムッシャムッシャ

凛「最初は私たち四人とプロデューサーとちひろさんの六人だけだったっけ」ムッシャムッシャ

卯月「いい思い出だねー。でもみくちゃんはフリーだったところを凛ちゃんにケンカを売って負けたからウチに来たんだよね」ムッシャムッシャ

みく「懐かしい話にゃあ。今となっては三人はニュージェネレーションとして事務所の看板を務めてがんばってるにゃあ」ムッシャムッシャ

未央「みくにゃんも頑張ってるじゃん。よくバラエティに出て、魚を押し付けられて逃げ出すリアクションまで完全にテンプレとしてお茶の間に広がってるし」ムッシャムッシャ

みく「それはアイドルとして喜ばしいことかわかんないにゃあ」スッ

未央「待て!」

みく「……何にゃ未央チャン。何でみくの手を掴むにゃあ」

未央「何当たり前のごとく最後のプチシューに手を伸ばしてるのかな?」

みく「この部屋はみくの部屋にゃ。ショバ代の代わりとして当然の権利にゃ」

未央「それを買ってきたのはこっちなんだよ。みくにゃんと対等である理由は十分」

凛「買ったのはプロデューサーなんだけど」ムッシャムッシャ

卯月「まあ本人居ないからいいんじゃない……ゴクン」

未央「どうやら、お互い譲る気はないみたいだね」

みく「もとより。猫は譲歩なんかしないにゃ」

未央「となれば、決着をつける必要があるようだなぁああああああ!」

みく「望むところにゃああああああああ!」

卯月「おぉ……! 二人の間に熱い火花が見える! これは見逃せないね凛ちゃん!」

凛「プチシュー一つでここまで熱くなれるんだ」

未央「何で勝負する? 肺活量? それとも逆立ちの持続時間?」

みく「ここはオーソドックスに公平を期するためにトランプにゃ」

未央「おぉいいね! 何にする? インディアンポーカー? ハイ&ロー?」

みく「まあ待つにゃ。落ち着くにゃ未央チャン。ここは、みくが考案した「招き猫」ってゲームをするにゃ」

未央「招き猫!?」

みく「このゲームはブラックジャックをもとに中学の頃、授業を真面目に受けるふりをして考案したゲームにゃ。トランプの数字を合わせて39にするゲームだけど……」

凛「授業中に何してんだろこの猫は」

みく「最初に三枚……その際に組み合わせを……ドラ制度ってあって……」

卯月「説明長くなりそうだねー」ムッシャムッシャ

凛「そうだね……卯月、何食べてるの?」

卯月「何って? プチシューだけど」ムッシャムッシャ

凛「……まあいいか」

みく「ルールは以上にゃ! 準備はいいにゃ!?」

未央「オッケー! どんとこいやああああ!」

一方そのころ…

美優「……」

イケメン「ヘイ彼女! 暇してない! イケメンの俺とうんたらかんたら!」

美優「あ、あの……」

イケメン「イケメンの俺が言うんだ! 大丈夫うんたらかんたら!」

美優「うぅ……せっかくのオフなのに……」

P「美優さーん! 美優さんじゃないですか! こんなところで会うなんて……」

イケメン「ん? なんだ貴方は!」

美優「え、Pさん……!?」

P「えっと……失礼しましたー」

美優「待ってください……!」

P「俺は何も見てません。美優さんの男女の関係をとやかく言うことはしませんので」

美優「ち、違うんです……その」

イケメン「何? 何なの? もしかして彼氏ぃ~?」

美優「えっと……その……そう、です」

P「え?」

イケメン「何ィ! オイ貴様ぁ!」

P「え、何ですかいきなり?」

イケメン「この女性はとても麗しいお方だ。一時も目を離すんじゃあない」

P「え? は、はぁ」

イケメン「イケメンは引き際が肝心。さよならだ。麗しき君」

美優「……」

P「あのー美優さん?」

美優「ご、ごめんなさい。あの人に言い寄られていまして、ついPさんを恋人と言ってしまい……」

P「とりあえず、お茶でもしますか」

美優「え……はい」

未央「酷いよしまむー!」

みく「そうにゃ! 人間の所業じゃないにゃ!」

卯月「本当にごめんなさい! 二人の勝負を見てたら無意識に手が伸びてて」

凛「食べてたのは始まる前だったよ。平然と嘘ついてるよ」

未央「でも、食べちゃったものは仕方ないし、トランプ自体楽しかったし、まあいいや!」

みく「うん……一理あるにゃ。他にもお菓子はあるみたいだし、そんなにカリカリしなくてもいっか」

卯月「ありがとう二人とも。最悪の場合食べたの出さなきゃならないって思ってたんだ~」

みく「そんなのこっちから願い下げにゃ。で、今からどうするにゃ」

未央「プロデューサーの家にいるときはここらへんであれだよね」

凛「あれだね」

卯月「あれだよね」

みく「あれ?」

未央「フリーターイム! ぐでー」

卯月「だらー」

凛「……」ペラ

みく「うっわタイミングを見計らったようにだらけ始めたにゃ。ちょ、未央チャン人のベッドに勝手に横にならないでにゃ。そこはみくの縄張りにゃ」

未央「はぁ~……夢心地だぁ」

卯月「二人がベッドの上でキャットファイトを始めたみたいだよ凛ちゃん。何読んでるの?」

凛「ふくふくふにゃ~んって漫画」

卯月「それって猫の話? さすがみくちゃん。買ってる漫画も猫なんだ」

みく「まぁ、ね。みくは猫娘だから、猫の本を集めるのは当然にゃ。ちなみに一番好きなのはホワッツマイケルにゃ……! 枕返すにゃ!」

未央「今度さ! みくにゃんの家でお泊り会しようよ! 夜はみんなでまくら投げ!」

凛「みくにはそれなりのこだわりがあるんだ」

卯月「待って! 凛ちゃん、これを見て!」

凛「ん? 何?」

卯月「これ、猫漫画じゃない! 犬漫画だよ! 銀牙って書いてある!」

未央「な、何だってぇ!」

凛「嘘。みく……信じてたのに」

みく「え? 何? 何三人ともそんなに神妙な顔になってるにゃ?」

卯月「こっちにはいとしのムーコが置いてある!」

凛「これはもう言い逃れできないよ」

未央「ネコミミ教の風上にも置けないね」

みく「何その素敵なワード初耳なんだけど」

凛「これは」

卯月「矯正しないと」

未央「いけないなぁ」

みく「何にゃ? 止めるにゃ三人とも! 近づかないでにゃー!」

未央「証明」

卯月「ポチっとな」

みく「うわっ眩しい。カーテンで遮光までして」

凛「さてみく。何でみくは猫キャラを名乗っておいて犬の漫画を買ったの?」

みく「凛ちゃん……凛ちゃんまで何でそんな悪乗りしてるのさ」

凛「私だって悪乗りはする方だよ。だけどいつもは卯月と未央とプロデューサーだから私がストッパーにならないといけないからね。今回はその役目をみくに押し付けてるだけだよ」

みく「この人も涼しい顔した畜生だったってわけかにゃ」

卯月「さあ答えてみくちゃん! さもないと部屋の隅で未央ちゃんが延々と変な踊りを続けることになるんだよ」

未央「デレデレデンデンデーン♪」

みく「うわぁ見るからに脱力系の動き……いや、ただ単に読みたいなーって思って買っただけだよ」

凛「そうなんだ。じゃあ解散」

卯月「お疲れ~」

未央「カーテン開けるね」

みく「あっさり!? と言うよりネコミミ教って何にゃ?」

凛「さぁ」

卯月「私は未央ちゃんのアドリブに乗っただけだから知らないかな」

未央「多分プロデューサーが教祖かな」

みく「テキトーすぎるにゃあ」

未央「さて、場も温まってきたところだし、この前のスパの思い出話をしよっか」

卯月「ついこの前だったのに昔の出来事のように思えてくるね」

未央「そうそう。みくにゃんがドクターフィッシュを本当に猫を水に入れるがごとく嫌がったり」

凛「卯月が埋蔵金を掘り当てたり」

卯月「未央ちゃんが立ち幅跳びで7mを記録したり。感慨深いね」

みく「中盤から終盤まで完全に虚偽としか思えない偽装の思い出じゃんか。もうちょっと楽しかったこと語り合わない?」

未央「うーん……まあ一番のハイライトはしぶりんがプロデューサーとキスしたことだけどね」

みく「マジかにゃ!? そんなことあったの!?」

卯月「あったよー。あの時は一瞬でも邪悪な何かが沸き上がった気がする」

凛「ちがっ……! あれはたまたま人ごみに押されて……口にはしてない! 避けたから! 避けたから!」

未央「避けたからなんだよー! 頬っぺたか? じゃあアリクイさんのごとく避けたって言うのか~コノコノ~羨ましいぞ!」

みく「羨ましいんだ」

未央「ふん。いいよね、ちゅー。どんな感じなんだろ。プロデューサーとならしても全然かまわないし」

卯月「……じゃあさ。ハイハイ。皆回答席に座って座って」

凛「回答席?」

みく「何にゃみくたち三人並べて」

未央「新しい何かでもやるの!?」

卯月「自己申告制でいいですので、プロデューサーさんとどこまでできるか質問会~」

みく「どこまで?」

凛「要するに、卯月が題目を出して、それをプロデューサーとできるかどうかを私たちが答えるってこと?」

卯月「そういうこと~」

未央「面白そうじゃん! いいよ。じゃんじゃん来てよ!」

卯月「じゃあ第一問。プロデューサーさんが同じ高校に通ってる設定で、学校の廊下で手をつなぎながら歩くことができますか!」

みく「それは……キッツいにゃ」

凛「その……通学路とかじゃなくて?」

卯月「廊下でだよ」

未央「それだと正直しっぽりし過ぎて抱きついて歩いた方がマシに感じる」

みく「そうかにゃ?」

卯月「じゃあ皆できません、っと。意外と根性なしだね」

凛「卯月はどうなのさ」

卯月「じゃあ第二問。プロデューサーさんとよくあるハート形にあしらったラブラブストローで同じ汁を吸引できますか!」

凛「言い方が嫌すぎる。えっと、無理かな」

未央「私はできるね!」

みく「みくもできるかな」

卯月「今回は二人、っと。みくちゃんも意外に積極的だね」

みく「みくもそれなりのものは持ってるにゃ」

卯月「じゃあ次に行くねー」

凛「なんか意外とくさいところついてくるね」

みく「実際よく聞くようなシチュエーションだけどやれと言われて難しいのだったにゃ」

卯月「第三問。〈自主規制〉」

凛「無理」

みく「無理にゃ」

未央「無理!」

卯月「やっぱり」

凛「やっぱりじゃない! 今のはアイドルが口にしていいワードじゃなかったって!」

みく「もうちょっと恥じらいを持とうよ卯月ちゃん!」

卯月「皆耐性無いなー。まあ私はみんなよりお姉ちゃんだからね!」

未央「お姉ちゃんは関係ないよしまむー! 今の質問はこう、あうあうあー! って感じだった!」

卯月「初心だなぁ三人とも。でも、いつかはそんな歳になるんだよ」

凛「この質問会終わり!」

みく「と言うより卯月ちゃんに司会進行任せたらこうなるって気付くべきだったにゃ」

卯月「そんなー酷いよみくちゃん」

未央「じゃあもうちょっと生産性のある話をしようよ生産性!」

4人「うーん……」

一方そのころ……

美優「ここですか?」

P「そう。ここです。まあ看板から見てもメイド喫茶ですね」

美優「よく来てるんですか?」

P「味は保証付ですし、こういう所での人材発掘も大事ですし、ちょっと面白い物も見れますよ」

美優「Pさんがそう言うんでしたら」

P「まあ入りましょう。ただいまー」

菜々「お帰りなさいませご主人!? プロデューサーさん!?」

美優「あれ? 菜々ちゃん?」

P「や、菜々さん。今日も精が出ますね」

菜々「あ、お、お席にどうぞ~」

P「ありがとう。ね、面白い者が見れたでしょ」

美優「菜々ちゃん、ここで働いてるんですか?」

P「以前働いてたそうで、今でもたまにヘルプで入るらしいんですよ」

美優「そうなんですか」

P「じゃあ何か頼みましょうか。どうします。まずは適当に紅茶でも」

美優「あ、お願いします」

P「わかりました。メイドさーん。この『やはり地球は青かった。そして紅茶は澄んでいた』を二つください」

菜々「は、はい! やはり地球は青かった。そして紅茶は澄んでいたを二つですね。プロデューサーさん」

P「ここではプロデューサーさんじゃないですよ菜々さん」

菜々「は、はいご主人様。ではー」

美優「菜々ちゃん頑張ってますね」

P「元来努力するタイプですしね。それと美優さん。メイド服についてどう思います? カワイイとか何でもいいので」

美優「メイド服ですか? そうですね。そうですね。カワイイですね」

P「それは良かった。今日ここに来たのは今度のイベントで美優さんにメイド服を着てもらいたいと思っているので一度現場にって思ってたんですよ」

美優「え?」

未央「諸君。つまり私が何を言いたいかって言うとだね。我々のアイドルとしてのスキルアップには、どうしたらいいか。その結論として第一印象をどうやったら印象的にできるかを議論したい!」

凛「私たちアイドルにとって覚えられるって大事なことだしね」

みく「でも今更じゃない? みくたちももう結構この業界で頑張ってるし、いきなり変えるのもおかしな話にゃ」

卯月「それでも前に進まなきゃ。どうぞ、ご教授くださいみくちゃん先生」

みく「ん? みく?」

未央「そうだよ! 第一印象の第一人者なんだから!」

みく「どういうことにゃ?」

凛「いつもつけてる印象的な猫耳」

みく「にゃ? まあ、トレードマークではあるにゃ」

未央「耳に残る語尾」

みく「猫キャラだからね」

卯月「ステレオタイプの関西人」

みく「いや、それは違うんじゃないかな」

未央「どうかご教授お願いします!」

みく「そこまで言われたら……しかたないにゃあ。でも、さっき言った通りいきなり変えるのもおかしいし、一つこれを言えば自分だってわかるってものを作るべきにゃ」

未央「わかるもの?」

みく「こう、自己紹介するときに少しリズムをつけたり、カワイく魅せたり……例えば未央チャンで」

未央「私?」

みく「んー……みーお♪ みーお♪ 本田未央♪」

未央「おぉ……」

凛「今のは?」

みく「適当にリズムと振付を作っただけにゃ。まあカワイく、あざとく、みたいな」

未央「中々いいんじゃない?」

凛「確かにカワイらしく見えた」

卯月「でも今のはみくちゃんテイストが強いからそのままは使いにくいね」

未央「確かに、最後の一回転の後の手とか猫っぽかったし」

みく「それはそれぞれで考えればいいにゃ。まあ、ざっとこんな感じにゃ」

未央「なるほど。タメになるなぁ……ん?」

卯月「どうしたの未央ちゃん」

未央「お菓子が……尽きてる」

凛「ああ、もう全部食べちゃったんだ」

未央「えぇ~。じゃあさ、ちょっと近くのコンビニで何か買ってくる!」

卯月「あ、じゃあ私も行く。ちょっと待っててね」

みく「あ、行っちゃったにゃ」

凛「すごい勢いでね」

みく「にしても凛チャ~ン。まさかPチャンとキスしてたなんて、スミにおけないにゃあ」

凛「だから、それは事故だって」

みく「まあまあ。それは分かってるにゃ。でも、みくは分かってるにゃ。凛チャンはPチャンのことが大好きだから、まんざらでもないってこと」

凛「別にそういう意味で好きってわけじゃないよ」

みく「またまた~。ホントはずっと一緒にいたいって思ってるくせに~」

凛「一緒にいたいって言うより、いなくちゃダメって感じかな」

みく「は?」

凛「プロデューサーって、みくの言った通り出会ったころから何にも変わらなくてさ。今でも見てて冷や冷やすることとか多いから。私が見てあげなくちゃどうなるかわかんないよ」

みく「えぇ……それって」

凛「みくだって、あの人のこと心配でしょ」

みく「まあ、そうだけど」

凛「それに、みくだってプロデューサーのこと……」

未央「大変だー!」

みく「にゃ、何にゃ未央チャンそんな慌てて」

未央「プロデューサーが! 美優さんと街中で二人で歩いてる!」

凛「……!」ガタッ

みく「それ、どこで知ったの?」

未央「しまむーがとある筋から得た情報らしいよ! どうするしぶりん! とりあえずしまむーは現場に向かったけど」

凛「行くよ。みく」

みく「え? ちょ、行くって、Pチャンの所に」

凛「当たり前……! みくだって心配でしょ」

みく「いや、みくはそんなにうわっ!」

凛「未央……! 案内して!」

未央「合点だい! 行くぞぉおおおお!」

みく「凛チャン! 引っ張らないでにゃあぁぁ……」

P「すみません美優さん。本当はもうちょっといいお店を紹介したかったんですけど……この大所帯じゃ、俺の財布はファミレスくらいしか」

凛「私はパスタにしようかな」

未央「私は大盛り! ミックスフライとドリア!」

卯月「私はオムライス」

美優「別に気にしてませんよPさん。別にPさんだけに全部出してもらおうなんて思っていませんよ」

P「美優さん……ありがとうございます」

美優「ふふ……ん?」

凛「……」ジー

美優「……」チラ

卯月「ニコォ」

美優「アハハ……」

P「ハハ……どうしたんだよみく。そんな申し訳なさそうな顔して。サーモン味まだ怒ってんのか?」

みく「違うけど……ごめんにゃ。二人の時間を邪魔して」

P「気にするな! とは言えないけど、大丈夫。お前が気に病むことはないって。ほら好きなもの頼めよ。ハンバーグもあるぞ」

みく「あのさPチャン。ずっと思ってたんだけど」

P「ん? なんだ」

みく「さっき言った、大っ嫌いって……嘘だからね」

P「……好きなもんいっぱい食えな。みく」ポンポン

みく「うんにゃ! じゃあ、ハンバーグが食べたいにゃ!」

完!

やっぱみくにゃんはカワイイ。みくにゃんとブチュチュンパしたい。
とりあえずこのシリーズは書いてて楽しいので続けたいと思います。
次は新しいアイドルかお泊り会かな。

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