ランコ「アラ、早かったわねー」
津田 「畑さんが急かしたんでしょーが」
ランコ「おかげで発行日に間に合いそうだわー・・で、お礼は私のカラダでいいかしら?」
津田 「良いわけないかしら」
ランコ「やっぱりEDね」
津田 「・・・じゃあ来月のエッセイは勘弁してください」
ランコ「それは駄目」
津田 「来月はテスト前じゃないですか!俺結構やばいんですよ!」
ランコ「えー」
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天草 「こら津田、廊下でなに騒いでるんだ」
津田 「あ、会長!会長からも言ってくださいよ!」
天草 「?」
津田 「かくかくしかじかで・・・」
天草 「うーん・・畑よ」
ランコ「はい?」
天草 「生徒会役員として新聞部の依頼に応えるのは重要なことだが、生徒会役員から補習者を出すわけにもいかん」
ランコ「えー」
天草 「しかし津田もな」
津田 「え」
天草 「勉強は毎日少しずつするものだぞ。新聞部の依頼もこなし、試験も好成績を収めるのが生徒会役員としてあるべき姿だ」
津田 「うう・・仰る通りです」
ランコ「では、来月のエッセイの件はいったん保留にしましょう。津田氏の勉強の目途がついたら書いていただくということで」
津田 「うー・・分かりました」
ランコ「とりあえず今月号をちょっと拝見・・・」
ランコ「・・・」
ランコ「・・・」
ランコ(TДT)
天草 「?!」
津田 「?!」
ランコ「・・・相変わらずいいもの書くじゃないの・・!」
津田 「いや・・さすがに大袈裟ですよ・・」
ランコ「大袈裟なものですかッ!私のあそこはびしょ濡れよッッ!!」
天草 「なっ・・なにっ!!そんなにエロいのかっ!!」
津田 「全年齢対象エッセイです」
ランコ「とりあえず会長も発行日をお楽しみに!これは売れるわー」
ランコ「じゃっ」
・・・
津田 「・・・まったく・・畑さんは大袈裟なんだから」
天草 「・・いやしかしだな、君が文章がうまいのは間違いない。私が保証する」
津田 「え?ホントですか?なんか会長に言われると自身つくなー」
天草 「ただ、理数系科目は苦手だな」
津田 「うっ」
天草 「特に数学はもう少し頑張ったほうがいい・・・年が明けたら君は会長なんだしな」
津田 「・・・ハイ。頑張ります」
ガラガラ
天草 「津田を連れてきたぞ」
津田 「遅れましたー」
萩村 「遅い。どこで油売ってたのよ」
アリア「うふふ・・津田君が遅れてシノちゃんと一緒に登場・・二人ともスッキリした?」
天草 「なっ何を言ってるんだアリアは!津田はエッセイの件で畑に捕まってたんだ」
アリア「えっ?!じゃあ3P?!」
津田 「なんで先輩の頭の中にはそれしかないんですか」
萩村 「とにかく、早く今日の活動始めましょう。また帰り遅くなっちゃいますから」
天草 「う、うむ。そうだな」
・・・
天草 「・・・という感じだ。分かったか津田?」
津田 「はい・・いやーさすがに会長の仕事は大変そうですね・・俺結構不安になってきました」
アリア「私たちが先輩から引き継いだ時も同じ状況だったよー。でもスズちゃんや津田君が入ってくるまでの間なんとかやれてたから、きっと二人も大丈夫だよ」
萩村 「津田が至らない分は私が補佐しますから」
津田 「うーん・・お願いします萩村様」
萩村 「アンタは私に頼らないで済むように努力をしろ」
天草 「・・うん、任せたぞ二人とも。と言っても冬休み入るまでは私たちも在籍しているがな」
津田 「・・・本当にもうあと少しで先輩たちは卒業なんですね」
天草 「うん・・まあその前に受験だがな」
津田 「そうでした」
萩村 「会長や七条先輩の受験の邪魔にならないように頑張るわよ」
津田 「うん、そうだね」
アリア「でもあっという間だったねー」
天草 「・・・そうだな」
萩村・津田「・・・」
天草 「津田のムスコの持続時間ぐらいあっという間だった」
津田 「あれ?!感傷タイムじゃなかったんだ?!」
・・・
天草 「そういえば津田」
津田 「なんです?」
天草 「私たちの受験もそうだが、津田の期末試験も心配だな」
津田 「う」
萩村 「それに関しては私が勉強教えます。生徒会から二度と補習者を出さないためにも」
天草 「う、うむ。頼んだぞ萩村」
萩村 「ハイ!」
***
天草 「じゃあ私たちは帰る」
アリア「バイバーイ」
津田 「あ、俺も帰ろうかな」
萩村 「アンタは期末試験に向けた勉強の予定決めてから」
津田 「う・・はい」
天草 「ハハ・・頼もしいな。じゃあまた明日」
ガラガラ
アリア「・・・ねえシノちゃん」
天草 「ん?」
アリア「・・・いいの?」
天草 「・・・何がだ?」
アリア「津田君のこと」
天草 「い・・いいんじゃないか?萩村が家庭教師につけば津田も酷い点数はとらないだろう」
アリア「・・うん、シノちゃんがそれでいいならいいの」
天草 「・・・」
******
数日後
ザワザワ・・
天草 「なんだこの騒ぎは?」
アリア「なんか桜才新聞が配られてるみたいだよ」
天草 「ん?そういえば津田がエッセイを載せてたな」
萩村 「お疲れ様です」
アリア「あ、スズちゃんお疲れ様ー」
天草 「お疲れ様、萩村」
萩村 「なんか廊下で桜才新聞配ってたから皆さんの分もらってきました」
天草 「おお!さすがだ萩村!どれどれ・・・」
天草・アリア・萩村「・・・」
天草・アリア・萩村「・・・」
**エッセイコーナー**
『果たせなかった約束』
僕がまだ幼かった頃。
両親は共働きで家を空けることが多かった。
だから家ではいつもきょうだいと遊んでいた。
でもある日些細なことからケンカして、僕は家を飛び出した。
走って、走って、たどり着いた小川沿いの草原。
僕は見たことない魚や虫たちに心奪われた。
そんな僕に突然話しかけてきた活発そうな女の子。
初めて外でできた友達だった。
なぜか名前を教えてくれなかったけど、僕には時々難しい言葉を使う君が輝いて見えた。
冬のある日、君が言った。
『学校はどこにいくの?』
僕は家から近い小学校の名前を言った。
『私もそこだよ』
君が言った。
“春から一緒の学校だね”
“ずっと友達でいようね”
それからすぐ、僕は親の仕事の都合で町を離れた。
・・・あれから10年近く経って、久しぶりに僕はあの場所に来た。
小川は埋め立てられ、高速道路が走っていた。
冬の日の思い出。
果たせなかった約束。
天草(TДT)
アリア(TДT)
萩村(TДT)
ガラガラ
津田 「お疲れ様でーすってなんでみんな泣いてんの?!」
アリア「津田君・・すごく心に来たよー」
萩村 「津田のくせに・・いいもの書くじゃない」
天草 「まったく・・君はベタベタな内容のエッセイを書くな・・だがそれがいい!!」
津田 「いや・・畑さんもそうでしたけど、ちょっと大袈裟ですよ」
アリア「そんなことないよー本当に感動したなー」
天草 「廊下で涙を流す生徒たちを見ただろう・・まったく君は無差別に女生徒を濡らして、まさに桜才学園のタネウマと呼ぶに相応しいな!」
津田 「まてまて、話がすり替わってきたぞ」
ガラガラ
ランコ「や」
津田 「畑さん」
ランコ「この前はEDかと思ったけど、立派な種馬だったのねー」
津田 「情報が間違って伝わってるぞ」
ランコ「ま・それはともかく、素晴らしい反響ですねー」
津田 「あの・・俺自分じゃわからないんですけど本当にそんな良かったですか?」
ランコ「そりゃあ皆さんの反応見ればわかるでしょー、ね・天草会長?」
天草 「ああ、濡れた」
ランコ「ほらね」
津田 「解せぬ」
アリア「でもどうしたの畑さん?取材用のカメラ持って」
ランコ「え?そりゃ取材に来たんですよ」
萩村 「何のです?」
ランコ「あれ皆さんにしては察しが悪い。気にならないんですか?」
天草 「?何をだ?」
ランコ「決まってるじゃないですか。津田氏のエッセイ、実体験なのかどうかですよ」
天草・アリア・萩村・津田「!!!」
ランコ「コレ、実体験なら津田氏の初恋ですよ恐らく。聞きたくなんですか?」
アリア「聞きたいわっ!」
天草 「ふふふ・・そうだな。津田?」
津田 「え・・なんでみんな距離を詰めてくるの・・?は・・萩村、助けて・・」
萩村 「津田・・・ゴメン私も聞きたい」
津田 「うわあああああ!!!」
・・・・
津田 「で、なんで俺を椅子に縛り付けたんですか?」
ランコ「いえ、取材のためです」
津田 「これって俺の考えが正しければ取材じゃなくて自白の強要ってやつだよね?」
ランコ「大丈夫、正直に喋ればすぐに解放してあげるわ」
アリア「え、この際だからいろいろとイタズラしない?」
津田 「この人ほんとに怖い」
天草 「津田、さっさと喋れ」
津田 「う・・」
萩村 「・・・」ぷいっ
津田 「あ、萩村に目を逸らされた」
ランコ「では質問をしますねー」
津田 「う・・はい」
ランコ「これは実話ですか?」
津田 「・・・・」
ランコ「七条さん、何か拷問器具持ってないー?」
津田 「ハイ、概ね実話です」
ランコ「あらやっぱり。じゃあこの女の子は津田氏の初恋ということかしらー?」
津田 「・・・別に」
ランコ「七条さん」
津田 「ああもう!たぶんそうですよ!!」
ランコ「たぶん?」
津田 「いやだって子供でしたし、そんなことよくわからないですよ!」
ランコ「では、今好きな人と比べてどう違いますか?」
津田 「いや、そういう人特にいませんから」
ランコ「っち」
津田 「ていうか今の誘導尋問じゃないですか」
ランコ「アラアラー何のこと~?」
津田 「いや引っかかりませんよ?ていうかホントに居ないですし」
天草 (´・ω・`)
萩村 (´・ω・`)
ランコ「・・・とにかく、思い出の中の少女Aに対して淡い恋心を抱いていたと」
津田 「もう面倒なんでそれでいいですよ」
ランコ「んもー、ノリ悪いわねー」
津田 「そんなこと言われても、これ以上は特にないですから。エッセイのネタに詰まったんで、ふと思い出した昔のことネタにしただけです」
ランコ「もー、これじゃ次号のネタにならないじゃない」
津田 「残念ですけどそういうわけです。この紐、解いてください」
アリア「待って!」
ランコ「どうしました?七条さん」
アリア「私も津田君にイタズ・・質問したいなー」
津田 「言いかけたことはやめて。マジでやめて」
ランコ「おもしろそうですねー」
津田 「・・・そうですね、畑さんが居ない時ならいいですよ」
ランコ「えええー?!」
津田 「いやだって、畑さんは俺のプライベートを躊躇なく記事にするつもりですよね?」
ランコ「・・・・・しないわよー」
津田 「絶対嘘!ていうか以前合宿の時のこと口止めしたのにばらしましたよね」
ランコ「あ・あれー?そうだったかしら?」
アリア「うーん、じゃあ今回は畑さんには悪いけど、生徒会役員だけで楽しもうかな」
ランコ「・・まあいいでしょう。分かりました。それではこれで退散いたします・・じゃっ」
ガラガラ
ランコ(あとで聞き出す方法はいくらでもあるわーここは津田氏が喋る環境を作ったほうがいいわねー)
アリア「さーて、津田君?」
津田 「・・あの、ホントに変なことはやめてください。ていうかまず解いてもらえませんか?」
アリア「うふふふー」
津田 「・・・」
アリア「えっとねーまずはねー」
津田 (あ・解いてはくれないんだ)
アリア「その子でオナ●ーした?」
津田 「ないわーその質問はないわー」
天草 「どうなんだ津田?!」
津田 「会長までヒートアップしないで!」
萩村 「・・・///」
津田 「・・・」
アリア「・・沈黙は肯定かな?」
津田 「いや、ないですよ!ていうか、正直顔もよく覚えてないですから」
アリア「えー初恋なのに?」
津田 「いや、正直言って初恋かっていうと微妙です。ただ、高校生になってふと思い出したんですよ。約束破っちゃって悪いことしたなーって気持ちが強いです」
アリア「・・・じゃあさ、その津田君の思い出の子、探してみない?」
津田 「え?」
アリア「津田君が引っ越す前のところに行ってみれば何か手がかりがあるかも!」
津田 「いや、先輩受験勉強があるんじゃないですか?」
アリア「ちょうどいい息抜きになるから大丈夫!ストレスがたまって一発ヌく感じで!!」
津田 「いやー後半の例えは完全に蛇足でしたね」
萩村 「・・・あの!」
アリア「?」
萩村 「べ・・別にそこまでしなくていいんじゃないですか?相手の方も迷惑かもしれないですし」
アリア「そうかなー?私だったらうれしいよー?むしろそれで恋が芽生えるかも!」
萩村 (・・それが嫌なのよ・・)
萩村 「か・・会長もそう思いますよねー?」
天草 「う・・うむそうだな!それに相手の人ももう引っ越して居ないかもしれんしな!」
アリア「うーん・・そっかぁ・・・津田君はどう思う?」
津田 「正直言うとちょっと探したい気持ちはあります」
天草・萩村「!!!」
津田 「いや不可抗力とはいえ約束破ったわけですし、謝れるなら謝りたいですね」
アリア「そうよね!津田君がそう言うなら探しましょう!!」
津田 「・・あの、協力していただけるのは嬉しいんですが、先輩も受験第一でお願いしますね」
アリア「うん、もちろんだよー」
津田 「それと、畑さんには絶対言わないでくださいね」
アリア「えー・・むしろ畑さんの情報網に頼るのもアリかなーって思ってたんだけど」
津田 「いや、きっと後であることないこと書かれるので、利益より被害のが多くなりますから」
アリア「うーん、じゃあ津田君がそういうなら」
天草・萩村「・・・」
津田 「じゃあとりあえずもう紐解いてもらっていいですか?」
アリア「うん、待って。まだ聞きたいことあるから」
津田 「え」
アリア「まず、津田君が初めてオナ●ーしたのはいつかな?」
津田 「」
**********
おやすみなさい、また明日
またやってしまった・・
続きです
数日後、休日の昼。
津田家にて。
アリア「さて、じゃあまず色々話聞いていこうかなー」
津田 「待って、なんで会長と萩村も来たの?」
天草 「ふ・・二人で出かけて津田がアリアを襲ったらどうする!」
津田 「俺そんなに信頼ないの?!」
アリア「大丈夫だよー貞操帯つけてるしー」
津田 「そういう問題でもねぇ!!」
萩村 「こ・・こんな事で先輩の受験前の時間を奪う訳に行きませんから。だからみんなでさっさと終わらせたほうがいいと思ったんです」
アリア「二人ともホントは気になるんだねー」
萩村 「違います!!」
天草 「ち・違う!!」
アリア「あらあらー・・うふふ」
津田 「ま・・とにかく萩村の言うことも正しいです。協力していただけるのは嬉しいですが先輩たちの時間奪うのも悪いのでさっさと終わらせましょう」
アリア「そうねー・・で、前に津田君が住んでたのってどの辺なのー?」
津田 「えっと・・○○駅が一番近いです」
萩村 「え?ここから近いじゃない」
津田 「あれ?言ってなかったけ?俺小学校の前までこのあたりに住んでたんだよ。で小学校入る時親が海外赴任になったから田舎の家に預けられて、最近になってまたこの辺に戻ってきたんだ」
萩村 「・・初耳よ」
天草 「ならばエッセイに出てきた場所も近くなのか?」
津田 「そうですね、○○駅からは歩いて行けると思いますよ」
アリア「うーん・・」
天草 「ん?どうしたアリア」
アリア「もしかしたらその子、この辺の学校なんじゃないかなー?・・例えば桜才(ウチ)とか英陵とか」
津田 「いや、さすがにそんな簡単には見つからないんじゃないですか?」
萩村 「そ・そうですよ!そんな偶然ないですって!!」
天草 「そ・そうだぞアリア!ラブコメじゃあるまいし!!」
津田 「ていうか、桜才ではないと思いますよ」
アリア「そうなのー?」
津田 「いや、俺は相手の名前知らないですけど、相手は俺の名前知ってるはずなんで、桜才だったら向こうが気付くと思いますし」
アリア「相手の子が恥ずかしがって言い出せないって可能性もあるよ?」
津田 「そういうもんですか」
萩村 (・・・私だったら言うけど)
アリア「面影があったり、似てる子居ないの?」
津田 「うーん・・少なくと1年の時2年の時同じクラスだった人の中では・・・うーん・・」
天草 「・・・・居るのか?」
21
津田 「えっと・・正直顔は全く覚えてないんですが、雰囲気だけだと三葉が近いかなって思います」
萩村 「・・・(ヤバい)」
津田 「でもたぶん違うと思います」
アリア「なんで?」
津田 「三葉の性格上、もしそうだったら普通に俺に言うと思います」
萩村 「・・・そういえば確かにそうね(ホッ)」
天草 「・・まあ、一応来週確認してみたらどうだ?」
津田 「うーん・・そうですね、一応三葉に聞いてみます」
アリア「他にはいないの?」
津田 「他のクラスメイトでイメージに近い人ってあんまりいないんですよね。ていうかもう10年前なんで変わってると思いますし」
天草 「あるいは、仮にその人が桜才にいての話だが、津田もその時と比べて変わっていて、相手も気づかないとかかもな」
津田 「うーん・・・」
天草 「津田のサイズもずいぶんと大きくなっただろうしな」
津田 「あなたが考えてるサイズは今も昔も教えた覚えはないよ」
津田 「でも実際どうなんですかね・・・今更ですが、もし桜才にいたとして、俺のこと気づいていたとして、そのうえで黙ってるんなら、あえて探さなくてもいいのかなって気もするんですよ」
天草 「・・その条件で名乗り出てこないんだとしたら、何か理由があって言わないんだろうな」
津田 「・・・やっぱり迷惑ですかね」
天草 「君はどうなんだ?会いたいと思うのか?」
津田 「いや・・この前言ったように、会って謝りたいですね」
天草 「相手に迷惑だと思われてもか?」
津田 「・・・そうですね、会いたいですね」
天草 「そうか・・そこまで君が言うなら私もちゃんと協力しよう。とりあえず私の小中の後輩にも聞いてみるよ。私も子供のころからずっとこの辺だからな」
アリア「そうだねー私も聞いてみるよー」
津田 「なんかすいません」
萩村 「えっと・・私は小さい頃はイタリアにいたから同級生はこっちにいない・・」
津田 「うん、気持ちだけもらっとく。ありがとう、萩村」ニコッ
萩村 「・・うん//」
アリア「とりあえず方針は決まったねー」
津田 「ハイ。ありがとうございます」
ウオミ「お待ちください、皆さん」
津田 「・・・えっと、なんでいるの?」
ウオミ「私はタカ君のお母さんから合鍵をもらってますので」
津田 「ああ・・そういう意味じゃないんだけど、なんかもういいや」
ウオミ「この桜才新聞の記事ですが」
津田 「なんで持ってるの?」
ウオミ「新聞部の方からもらったの」
天草 「畑か」
アリア「畑さんかなー」
萩村 「畑さんですね」
ウオミ「先ほどからお話を聞いていたんですが、やはりこのエッセイはタカ君の実体験ということで間違いないですね?」
アリア「間違いないよー」
津田 「なんで話聞いてたのとかのツッコミはないんだ」
途中すいません
>>32に入っちゃった数字は気にしないでください
ウオミ「皆さんのお話ですと、この方はタカ君の同級生ということで話が進んでいたようですが」
萩村 「え?そうなんじゃないんですか?」
ウオミ「萩村さん、甘い、甘いですよ!」
萩村 「え」
ウオミ「この会話だと、この方はタカ君の先輩の可能性もありますよ!」
天草 「なんだと?!」
ウオミ「『私もその学校』というのは『私はもうその学校通ってる』って意味にも取れます!」
アリア「確かにそうね!」
津田 「あー・・言われてみればその可能性はあるかもですね。まあ俺はその時は同級生だと思ってましたが」
ウオミ「・・・タカ君、実は私こんなことあったかも知れない気がするの」
天草 「なっ・・!っじゃ・じゃあ私もあったような気がするぞ!」
アリア「うーん、私もそんな気がしてきたなー」
萩村・津田「嘘つけー!!」
**********
次の週、津田のクラス。
津田 「三葉、ちょっと聞きたいことあるんだけど・・」
ムツミ「どうしたの、タカトシ君?」
津田 「実は・・・」
・・・
ムツミ「うーん・・残念だけど私じゃないなー」
津田 「うーん、やっぱりそうだよな。ゴメン時間取らせちゃって」
ムツミ「えっと・・タカトシ君は、その人探してどうしたいの?」
津田 「とりあえず、昔した約束を破ったことになるから謝りたいってところかな・・まあ見つかればだけど」
ムツミ「ふーん・・・見つかるといいね!」
津田 「うん、ありがとう」
萩村 「・・・」じーっ
萩村 「・・・で、どうだったの?」
津田 「え?」
萩村 「例の件よ・・ムツミは違ったの?」
津田 「ああ、うん、やっぱり違うみたい」
萩村 「そ・そう。残念だったわね」
津田 「うーん・・まあ正直なとこホッとしたかな」
萩村 「え?なんで?」
津田 「・・だって仮に三葉だったとしたら、俺に気づいてて言わなかったってことだからさ」
萩村 「・・まあそうね」
津田 「気づいてて言わなかったってことは、場合によっては怒ってるのかな・・とかさ」
萩村 「・・津田はさ」
津田 「?」
萩村 「ホントに見つけたいと思ってるの?会長も言ってたけど」
津田 「・・・正直言うと半々。会いたいけど、どんな顔して会えばいいのか分かんないし」
萩村 「なによ、会長に言ってたのと違うじゃない」
津田 「いやーなんか会長に言ったら怒られそうで」
萩村 「・・会長の前ではカッコつけるのね」
津田 「いや、そういう訳じゃないんだけどさ」
萩村 「ていうか受験前なのに先輩たちに変なことさせるのは良くないわよ」
津田 「うん、だから実は萩村に一緒に探してほしいって思うんだ。もちろん時間ある時でいいけど」
萩村 「え?」
津田 「先輩たちああなっちゃうと本気で探してくれそうだからさ。だから俺がさっさと見つけちゃえば先輩たちの勉強の邪魔しないで済むし」
萩村 「まあ、確かにそうね」
津田 「それに、萩村には色々と本音言えるし」
萩村 「え?・・それって、どういう・・」
津田 「いやー勉強とか見てもらって、俺のダメなとことか知ってるだろうから、今更隠すこともないし」
萩村 「・・・まあ・・そうね・・(バカ)」
津田 「もちろんお礼します」
萩村 「いいわよ、今更」
津田 「いや、悪いよ。時間取らせちゃうだろうし」
萩村 「・・・ていうか期末試験優先だからね!」
津田 「あ、そうでした」
萩村 「もう!・・・じゃあ休みの日は午前勉強、午後人探し!それでいい?」
津田 「うん!ありがとー!」
萩村 (・・・休みの日は津田と一緒・・///)
津田 「ん?」
萩村 「なんでもない!」
津田 「??」
***
生徒会室。
アリア「あ、そういえば」
天草 「ん?どうした、アリア」
アリア「津田君の初恋の人の件だけど」
津田 「何か分かったんですか?」
アリア「まだ調べてないよー。ちょっと聞きたいんだけど、津田君が行く予定だった小学校ってどこ?」
津田 「あー」
萩村 「?」
津田 「実は覚えてないんですよ」
天草 「津田よ・・普通忘れるかそれ」
津田 「いや、候補は3つあるんです」
天草 「?」
津田 「実は引っ越した後、親に聞いたんですよ。俺がどこの小学校行く予定だったのかを」
天草 「うん」
津田 「そしたら近くに小学校が3つあって、俺の昔の家はその3つの学区の真ん中あたりだったらしいんですよね。それで、その3つのうちのどれだったか分かんなくなっちゃったんですよ」
アリア「でもその3つのどれかっていうのは間違いないの?」
津田 「ええ、たぶん」
アリア「じゃあとりあえずその3つの学校の、津田君の同級生の人から探していきましょう」
津田 「なんか、ホントすいません」
アリア「大丈夫だよー楽しいから」
萩村 「なんか結構早く見つかりそうな気がしますね」
天草 「あ・・ちなみに私のほうは収穫なしだ。すまんな」
津田 「いえ、メインでやってもらわなくていいですよ。受験勉強優先でお願いします」
萩村 「津田も勉強メインで行くのよ」
津田 「ハイ」
アリア「でもね、シノちゃんと話したんだけどそろそろ私たちも受験勉強本気でやらなきゃいけないかなーって気もするの」
津田 「はい」
天草 「私たちも学校に出てこないで勉強することになると思う。だから今後分かったことがあったら基本的には電話かメールで君に伝ることにする」
津田 「ホント、すいません。ありがとうございます」
天草 「と言っても、生徒会の引き継ぎもあるからたまには来るぞ」
萩村 「先輩たちなら受験は大丈夫ですよ」
天草 「ありがとう、頑張るよ」
アリア「うん、そうだねー」
******
とりあえずここまでにします
PCが変わってとても使いづらいです
最近ハードディスクのバックアップはこまめに取らなければいけないことを学びました
こんばんわ
ちょっとだけ続き行きます
Trrrrr・・・
津田 「ん?会長?」
ガチャ
津田 「もしもし」
天草 『津田か?』
津田 「はい、お疲れ様です。どうしました?」
天草 『うん、例の件だが』
津田 「例の件?」
天草 『君のエッセイに出てきた人のことだ』
津田 「あ、ハイ」
天草 『実は君が挙げた3つの小学校に通っていた人が何人かいることを知ってる』
津田 「え?・・・まあでも何人かはいるんじゃないんですか?近いし」
天草 『まあそうだろうが、顔見知りで、という意味だ』
津田 「なるほど」
天草 『他愛ない話をしているときに聞いた。畑と五十嵐は××小学校の出身だ』
津田 「え・・そうなんですか」
天草 『それと・・・』
津田 「?」
天草 『・・・ウオミーは△△小学校だったそうだ』
津田 「・・そうですか」
天草 『一応、正直に教えた』
津田 「え?・・はあ」
天草 『ウオミーが言っていたように、その人が君よりも年上の可能性もあるかもしれないと思ってな』
津田 「うーん・・まあすそうですね」
天草 『もちろん私の知ってる三人以外にも、同じ条件のものは桜才にもいるだろう。だが私が聞いた記憶があるのはこの三人だけだ。だからこの三人ではなく、君の知っている他の3年生という可能性もある』
津田 「わざわざすいません」
天草 『一応確認してみる価値はあると思ってな・・・まあアリアが集めている情報のほうがよっぽど有用な可能性が高いがな』
津田 「?」
天草 『とにかくそういう訳だ。君にとってプラスになるかは分からないが一応伝えた』
津田 「ホント、ありがとうございます。会長も受験がんばってください」
天草 『ああ、ありがとう。君も勉強頑張ってくれ。萩村に聞いたぞ、君も私の志望している大学を受けようと考えてるそうじゃないか』
津田 「いや・・あくまで目標です。まだ俺の学力じゃ全然なので、今のところは志望というより夢ですが」
天草 『ふふ・・じゃあそろそろ勉強に戻るかな』
津田 「あ、本当にありがとうございました」
天草 『あ・津田、一応聞いておきたいんだが』
津田 「なんです?」
天草 『やっぱり津田は集中力が途切れた時は自慰行為でスッキリするのか?』
津田 「はよ勉強戻れ」
次の日。
津田 「萩村、おはよう」
萩村 「おはよう」
津田 「昨日の夜、会長から電話があった」
萩村 「ん?もしかして何か進展あったの?」
津田 「3年生で、俺の家の近くの小学校に通ってた人を教えてもらった」
萩村 「え?誰?」
津田 「五十嵐先輩と畑さん。それとウオミー姉さん」
萩村 「!!」
津田 「かなり緊張するけど時間あったら本人に聞いてみようかと思うんだ」
萩村 「ど・・・どうかしら?先輩たち受験だし、後回しでもいいんじゃないかしら?」
津田 「うーん・・やっぱりそうか」
萩村 (・・ホッ)
津田 「五十嵐先輩と畑さんは捕まえるの難しいよなー」
萩村 「うんうん・・・ん?魚見さんは?」
津田 「あ・ウオミー姉さんは今週末ウチ泊まりくるからその時聞こうかと」
萩村 (Oh・・・)
萩村 (まずいわ・・一番厄介な人に)
萩村 (あの人ならきっと違くても『そう』っていいそうだし)
萩村 (それにもしホントに魚見さんだったら確実に落としに来る)
萩村 (いつもはなんだかんだ言って会長もいたからストッパーかかってたけど今は居ない)
萩村 (その日だけ私も止まりに・・・ダメだ不自然すぎるわ)
萩村 (あああどうすれば!)
津田 「おーい・・はぎむらー・・」
萩村 「・・・っえ?!」
津田 「あ・帰った来た。どうしたの?フリーズしてたけど」
萩村 「なっ何でもないわ!ととととりあえず今日の放課後の勉強のスケジュールを立てましょう!」
津田 「え?あ・・うん(本当に大丈夫か?)」
萩村 「あ、そうだ今日は喫茶店で勉強しない?」
津田 「え?喫茶店?」
萩村 「嫌?」
津田 「俺、喫茶店で勉強したことないけど、結構雑音があって集中できるか心配だな・・」
萩村 「喫茶店程度の雑音は逆に集中力が上がるっていうデータがあるわ」
津田 「へー」
萩村 「家だと、静かだけど飽きちゃうと他のことしだすでしょ?でも喫茶店なら勉強するしかないから。それに適度に他の人の目があるから、それが集中力を持続させるのに効果的とも言われてるわ」
津田 「確かにそうかも」
萩村 「という訳で今日は喫茶店でやりましょう」
津田 「うん、よろしくお願いします」
喫茶店にて。
津田 「・・・」カリカリカリ・・・
萩村 「・・・」
津田 「・・・」カリカリカリ・・・
萩村 「・・・」ちらっ
津田 「・・・」カリカリカリ・・・
萩村 「・・・///」
津田 「・・・んー・・・・・ねえ萩村」
萩村 「うわっ!!」
ガチャン
津田 「のわっ!!!」
萩村 「ごっ・・ごめん!」
津田 「あーこぼれちゃったな。ノートにかかってない?」
萩村 「大丈夫・・ゴメン」
津田 「こっちこそゴメン。急に話しかけちゃって。拭くものもらってくるね」
萩村 「あ・・うん」
津田 「はい、かわりの紅茶」
萩村 「えっ・・なんかゴメン」
津田 「いや、俺が驚かせちゃったし」
萩村 「別に・・・いいのに//」
津田 「じゃあさ、紅茶一口ちょうだい」
萩村 「えっ・・いいけど」
津田 「サンキュー」ごくごく
萩村 (これって・・)
ランコ「間接キスですねー」
萩村 「ぎゃあああ!!」
ランコ「他のお客もいるのでお静かになさったほうがいいですよー」
津田 「えーと・・なんでいるんですか?」
ランコ「友達とお茶しながら勉強しようかと思ったのよ」
津田 「ああ、俺たちと同じですね」
カエデ「畑さん・・・と津田副会長?」
萩村 「あれ?友達って五十嵐先輩ですか?」
カエデ「あら、萩村さんも」←座高的な意味で見えなかった
津田 「・・・」
ここまでにします
おやすみなさい
続き行きますねー
ランコ「せっかくなので隣で勉強しようかしら」
萩村・カエデ「ええっ?!」
ランコ「あら?津田氏は無反応」
津田 「いや・・知らない人が隣に来るより、知ってる人が隣で勉強してるほうが自分も集中できるかなって思ったんですよ」
萩村 「・・まあ確かに」
ランコ「じゃあ決定ねー」
カエデ「ちょっ・・ちょっと畑さん!」
ランコ「どしたの?」
カエデ「だ・男子と一緒に勉強するの?」
津田 「相変わらず避けられてるなー俺」
ランコ「津田副会長の言う通り、知らない男性が隣に来るよりはいいのでは?」
カエデ「う・・」
ランコ「それにアナタは津田氏に対しては免疫獲得してるでしょー」
カエデ「なっ・・!」
ランコ「津田君、五十嵐さんに触ってみて」
津田 「いや・・それで気絶とかされても困りますし・・」
カエデ「さっ・・触られたぐらいで気絶しないわよ!ほっ・・ほらっ」
そーーーっ
ちょん
津田 「震えながら触らなくてもいいんですよ」
カエデ「と・・とにかく勉強しましょう!」
萩村 (あ・結局一緒に勉強するのはOKなんだ)
**
津田 「うーん・・萩村、この問題わかんないんだけど・・」
萩村 「どれどれ・・」
カエデ「・・・」
ランコ「・・いやー仲良いですねー」
萩村 「・・・」
ランコ「・・って五十嵐さんが考えてますよ」
カエデ「なっ!」
ランコ「羨ましいんですかー?」
カエデ「私に言ってるの?」
ランコ「ええもちろん」
津田 「あの・・畑さん、萩村にも五十嵐先輩にも悪いのでやめませんか?」
萩村 (別に思ってないけど)
ランコ「二人とも別に嫌なんて思ってないわよー」
萩村 「・・//」
カエデ「あなたが言うことじゃないでしょ!!」
ランコ「ちなみにお二人は、五十嵐さんがどこの大学受けるか御存知?」
カエデ「ちょっ!!」
ランコ「まあ具体的な大学名は言わないけど、女子大じゃなくて普通の共学の大学よー」
カエデ「うう・・別にいいでしょ」
ランコ「大学は席決まってないし隣に男性が座るのも普通よー」
カエデ「分かってるわよ!」
ランコ「男性に触るとフリーズするあなたがどういう風の吹き回しー?」
カエデ「・・私だってこのままじゃダメだって分かってるのよ!だから大学で普通に男性と触れ合えるようにならなきゃって思ってるのよ」
カエデ「ほおおおおお」
カエデ「もう!」
萩村・津田「あんまりいじめないであげて」
ランコ「でも、五十嵐さんは結局桜才では津田副会長以外触れなかったじゃないの?」
カエデ「う・・まあそうだけど・・でも津田副会長のおかげで少しだけ男性を信用できるようになってきたのは確かよ」
津田 「え・・そうですか?」
カエデ「最初は男子ってだけで警戒してたのは確かだけど、津田副会長はそれなりに真面目だし、無害って分かったから」
津田 「“無害”って・・」
カエデ「とにかく、そういう訳で共学の大学を受けるんです!」
津田 「はあ・・」
カエデ「それと・・津田君にはそれなりに感謝してます・・ありがとう」
津田 「え・・いや俺は別に何も」
萩村 (なにこの空気)
ランコ「五十嵐さん、大学生になって合コンとかあったら呼んでねー面白そうだから」
カエデ「そんなの行きません!!」
ランコ「行く。あなたはきっと行くわ」
津田 「なにその予言」
萩村 「えっと・・五十嵐先輩って昔から男性苦手だったんですか?」
カエデ「いえ・・小学校低学年の頃は別にそんなことなかったのよ」
ランコ「確か『男』って漢字練習してたのが原因だったかしら」
カエデ「まあ・・それもあるけど、ガサツな男子が嫌になっていったっていうのが正直なところよ・・たぶん」
ランコ「つまり思春期で異性を意識しすぎて逆に避けるようになったと」
津田 「うわーざっくりまとめたなー」
ランコ「でも五十嵐さん、小学生の頃は特に変な子じゃなかったものね」
カエデ「変な子って・・今のあなたに言われたくないわ」
萩村 「あれ?先輩たちって小学生のころから知り合いだったんですか?」
ランコ「ああ、小学校は一緒だったのよ」
カエデ「小学生の頃はクラスも違ったし余り話さなかったけどね」
萩村 「へーそうなんですか」
萩村 (ほれ)
げしっ(津田の足を蹴る音)
津田 「あ・・ああ!えっと、じゃあお二人の小学校はこの辺だったんですか?」
五十嵐「××小よ」
津田 「へー・・実は俺小学校は遠いとこなんですが、小学校上がる前はそのあたり住んでたんですよ」
カエデ「そうだったの」
ランコ「アラ、この間のエッセイの話かしら」
津田 「あ、そうですね」
カエデ「え?この前の新聞のエッセイって津田君の実体験なの?」
・・・・
津田 「・・・っていう訳で、なんかその人を探そうかって感じになったんですよ」
ランコ「私が帰った後にそんな面白いことになってたのねー」
萩村 「・・・」
津田 「で、近くの小学校だった人を手あたり次第探してる状態です」
ランコ「ほーそれで私たちにも確認をしたいと」
津田 「はい・・ていうか先輩たちはその時のイメージとだいぶ違いますが」
ランコ「あら、私も小学生の頃は可愛い女の子だったかもしれないわよ」
津田 「自分で言うんだ」
ランコ「まあ私にそんな記憶はないですが」
津田 「ですよねー」
カエデ「私も違うわよ・・・ていうか津田君」
津田 「はい?」
カエデ「駄目じゃない、友達にそんな思いさせてずっと連絡もしないなんて」
津田 「はい・・仰る通りです。だから可能なら探して、謝りたいんです」
カエデ「それがいいわね」
津田 「やっぱり・・五十嵐先輩もその人は怒ってると思いますか?」
カエデ「うーん・・私だったらちょっと怒ってるかな」
津田 「ああ、やっぱりそうですよね」
カエデ「でも、引っ越し自体は津田君のせいじゃないし、しょうがないと思うわ。ただ、ずっと忘れてたってとこが駄目ね」
津田 「うーん・・・」
カエデ「だから、ちゃんと思い出して、探し出してくれたら、許してくれるんじゃないかしら」
津田 「そうですか?」
カエデ「私ならね」
カエデ「まあでもそうやって、その人のことを思い出して、謝りたいって考えるようになったっていうことは、津田副会長も桜才で生徒会に入って、優秀な女性たちに囲まれて成長したんでしょう・・まあ皆さん時々言動がちょっとアレですが」
津田 「ハハ・・そうですね」
カエデ「今の津田君ならきっと許してもらえると思いますよ」
津田 「・・・そうですか?」
カエデ「・・あなたは私から見ても、数少ないまともな男性ですから」
津田 「はあ・・どうもありがとうございます」
萩村(だから、なんだこの空気)
***
萩村・津田「じゃあお先に失礼します」
ランコ「ハイハーイ」
カエデ「お疲れ様でした」
萩村 「先輩たちも受験がんばってください」
・・・
萩村 「・・・」
津田 「萩村、ありがとう」
萩村 「え?」
津田 「先輩たちに質問するタイミング作ってくれて」
萩村 「あ、あー・・アンタが一応聞いておくみたいなこと言ってたの思い出したからね・・」
津田 「うん」
萩村 「でも、あの二人は違うみたいね」
津田 「うん、さっきも言ったけどイメージ全然違うし」
萩村 「あとは・・・魚見さんね」
津田 「うん、それは週末聞くから平気」
萩村 「・・・っ」
津田 「?」
萩村 「・・どうなの、魚見さんは?イメージに近い?」
津田 「え?うーん・・・いやさっきの二人よりは近いけど、たぶん違うよ」
萩村 「なんで?」
津田 「いや・・ウオミー姉さんだったら自分から言うような気がする」
萩村 「あーそうね」
津田 「でしょ?」
萩村 「えっと・・じゃあ結果は土曜の勉強会の時に聞けるわね」
津田 「うん、そうなると思う」
萩村 「気を付けてね」
津田 「うん・・・ん?何を?」
萩村 「・・・」
今日はここまでにします
会長とアリアさんが居ないと下ネタが入る余地がないですね
さて、続き行きます
津田 「ただいまー」
リビングから聞こえる声「「おかえりー」」
津田 「ん?」
ガラガラ
津田 「あ、お姉ちゃんもう来てたんだ。それと・・コトミ?」
ウオミ「お帰り、タカ君」
津田 「ただいま・・・二人で勉強してるの?」
ウオミ「うん」
コトミ「つかれたー・・」
ウオミ「私も受験だけど、コトミちゃんもテスト近いっていうから一緒に勉強してたの」
津田 「ああなるほど・・でもコトミがちゃんと勉強するなんて珍しいな」
コトミ「私だってたまには勉強するよ!」
ウオミ「じゃあ明日も一緒に頑張ろうね」
コトミ「うっ・・・本当はお姉ちゃんにやりなさいって言われて一緒にやってました」
津田 「コトミの世話をしていただいて助かります」
ウオミ「という訳で、あと30分くらいしたらコトミちゃんの勉強もキリがつくので夕ご飯を作り始めます」
津田 「あ、いいですよ。今日は俺が作りますから」
ウオミ「来る途中に材料買ってきたから。タカ君はお風呂でも入ってて」
津田 「あ・・はい。じゃあそうします」
・・・
津田 「ふう・・いい湯だった」
コトミ「あ!タカ兄いいところに」
津田 「ん?どうした」
コトミ「ちょっと分からないところがあって」
津田 「んー・・お姉ちゃんのが分かるんじゃないのか?」
ウオミ「いえ、これはタカ君じゃなきゃ分からないの」
津田 「え?そうなの?」
ウオミ「交感神経と副交感神経ってあるでしょ?」
津田 「ああ、生物ですね」
ウオミ「教科書には、交感神経は興奮したときに優位になって、副交感神経は落ち着いてる時に優位になるって書いてあるんだけどね」
津田 「ええ、確かそう習いました」
コトミ・ウオミ「勃起は副交感神経、射精は交感神経の作用で起こるんだって!!」
津田 「・・・確かに意外だけどそんなのテストに出ないと思うよ」
ウオミ「ノンノン!!そういう意外な所ほどテストに出るものです!!」
津田 「うーん・・まあそうかもしれないけど」
ウオミ「という訳でタカ君、勃起して射精してください」
津田 「親戚のお姉ちゃんと妹の前でそれやったら、俺完全に変態だよね」
***
津田・コトミ「ごちそうさまでした」
ウオミ「お粗末さまでした」
コトミ「お姉ちゃんの料理サイコーです!」
津田 「ホント、おいしかったです」
ウオミ「ありがとう、コトミちゃん、タカ君」
コトミ「毎日お姉ちゃんが作ってくれたらいいのになー」
津田 「コラ、お姉ちゃん受験直前なんだぞ」
ウオミ「ふふふ・・タカ君とコトミちゃんが許してくれるならホントは毎日ここにいたいんだけどな」
**
ウオミ「じゃあ、お風呂入るね。コトミちゃん一緒に入る?」
コトミ「入るー!」
津田 「お前・・小学生じゃないんだから」
ウオミ「あれ?タカ君も一緒に入りたい?」
津田 「どこでそういう結論に至った?」
ウオミ「あ・・3人で入るのは狭いか」
津田 「うん、その結論も間違ってるね」
『あ!お姉ちゃんおっきい!』
『よく着やせするタイプって言われるよ』
『でもコトミちゃんのが大きいんじゃない?』
『そんなことないですよー』
『お姉ちゃんは色もキレイ!』
『日焼けしないように気を使ってます』
『あ、コトミちゃん、生えてないんだ』
『うん、一生生えないのかなー?』
『私も、そんなにではないから。ほら』
『ホントだ』
『それに世の男性の中には、そういうのも好む人も結構いるよ』
『タカ兄はどうかな?』
『お風呂あがったら直接聞いてみようか?』
『うん!』
津田 「黙秘権を行使しますよー」
『ねえコトミちゃん』
『なに、お姉ちゃん』
『コトミちゃんは、タカ君といつまで一緒にお風呂入ってたの?』
『うーん・・確か小6かなあ』
『あらあら、それじゃあタカ君のがおっきくなったとこ見たことあるの?』
『うーん・・残念ながらないですねー。まあ朝立ちはよく見てますが』
『サイズは?』
『こんくらい』
『まあ!』
『タカ兄が中一の時はこれくらい』
『成長したんだね、お姉ちゃんは嬉しいわ』
『こんど一緒にタカ兄の朝立ち見よう!』
津田 「させねぇよ?!」
『ねえ、お姉ちゃんって・・・なの?』
『えっ・・うん・・・・・・だよ』
『もしそうなったら・・・・で・・・でしょ?』
『うん・・・・・・・だよ』
『それって・・・・・なの?』
『・・・・・・・ね』
『・・・・・』
『・・・・・・・』
津田 「はー・・やっと静かになった・・リビングまで丸聞こえだって」
『・・・・ね』
『・・・・・・感じ?』
『あんっ!』
津田 「!!」
『コトミちゃん、ダメ』
『こうですかー?』
『あっ!!』
津田 「・・・副交感神経が・・」
ウオミ「ふー・・いいお湯でした」
コトミ「すっきりしたー」
津田 「・・・・さっさと寝よう」
ウオミ・コトミ「?」
**
ウオミ「ねえタカ君」
津田 「どうしたの?」
ウオミ「実はもうちょっと勉強しようかなって思って」
津田 「あ、わかりました」
ウオミ「それで・・リビングのテーブル低くて背中痛くなっちゃうから、タカ君の勉強机借りたいな」
津田 「いいですよ。じゃあ今日は俺がお客様部屋に寝るから、お姉ちゃんは俺の部屋で寝てください」
ウオミ「えっ//」
津田 「勉強終わって、疲れたらそのまま寝たいでしょ?」
ウオミ「・・・うんそうだね」
**
タカ 「じゃあ勉強頑張ってください。おやすみなさい」
ウオミ「お休み、タカ君」
ガチャ
タカ (・・・・あ!例の件聞くの忘れた・・・まあいっか・・)
コンコン
タカ 「ん?」
コトミ「あれ?タカ兄?」
ガチャ
タカ 「あれコトミ?どうした?」
コトミ「なんでタカ兄がこっち寝てるの?」
タカ 「ああ、実は・・・」
コトミ「ふーん・・・あ!」
どたどたどた
タカ 「あれ?行っちゃった」
どたどたどた
コトミ「ゲームしよ!」
タカ 「・・・隣にお姉ちゃん勉強してるから静かにな」
コトミ「うーん・・じゃあDSにしようかな」
タカ 「OK」
コトミ「あ、布団持ってくる」
タカ 「一晩中やる気か」
コトミ「タカ兄尻尾切って!」
津田 「OK。お前は頭部破壊な」
コトミ「我に任せよ!」
津田 「おい、そっち行ったぞ!」
コトミ「あ!やば!!」
どーーーん!!
津田 「あーあ」
コトミ「くっ・・私としたことが・・」
ウオミ「楽しそうだね」
津田・コトミ「うわっ!!」
ウオミ「何やってるの?」
津田 「あ・・ごめんお姉ちゃん、うるさかった?」
ウオミ「んーん、今終わって寝ようかと思ってたところ」
津田 「あーお疲れ様です」
ウオミ「で、疲れを癒すためにタカ君を夜這おうかと思ってこっそり部屋に入ったら、近親●姦の真っ最中だったから」
津田 「あれ?俺たちの手の中にあるDSが見えないのかな?」
津田 「あ、もう1時だ。俺たちもそろそろ寝るぞ」
コトミ「えー」
津田 「俺、明日も午前中萩村と勉強する約束してるんだよ」
ウオミ「・・・」
コトミ「えー部屋戻るのめんどくさい」
ウオミ「・・・じゃあコトミちゃんここで寝ちゃえば?」
津田 「え?」
ウオミ「私もここで寝るから」
津田 「ええ?!」
コトミ「あ!それいいですねー!!」
ウオミ「じゃあ布団運んでくるね」
津田 「えー」
**
ウオミ「きょうだい三人で寝るの、いいですね」
コトミ「うん!」
津田 「あー・・まあそうですね」
ウオミ「・・・こうやって一緒にいると、タカ君とコトミちゃんが本当のきょうだいみたい」
津田 「・・・そうですね」
ウオミ「右にタカ君、左にコトミちゃん」
津田 「まさに川の字ですね」
ウオミ「・・・うん//」
ウオミ「・・・タカ君と、コトミちゃんと、親戚になれて本当に良かった」
津田 「・・そうですね。俺もお姉ちゃんができてよかったなって思います」
ウオミ「・・・うれしいです」
津田 「一番喜んでるのはコトミだろ?」
コトミ「・・・・すーっ・・・すーっ・・・」
津田 「・・・」
ウオミ「・・・」
ウオミ「・・・コトミちゃん、寝ちゃったね」
津田 「いっつも一番騒いで、結局最初に寝ちゃうんだよな、コイツは」
ウオミ「・・起こさないように小さな声でしゃべろうか」
津田 「・・ハイ」
ウオミ「ちょっとだけそっち行くね」
津田 「え・・うん」
もぞもぞ
・・・
ウオミ「・・タカ君」
津田 「・・うん」
ウオミ「・・本当に私と親戚になれて、よかったって思ってくれる?」
津田 「・・・うん」
ウオミ「・・タカ君」
津田 「うん」
ウオミ「私ね」
津田 「うん」
ウオミ「すごく幸せだよ」
津田 「・・・」
ウオミ「タカ君やコトミちゃんと、昔のままの関係だったら、今日一緒に勉強することも、こうやって一緒に寝ることもなかったから」
津田 「・・うん」
ウオミ「一人で勉強しててもつまらないし」
津田 「・・そうですね」
ウオミ「本当に妹と弟ができたみたいで・・本当に嬉しいの」
津田 「・・・お姉ちゃん」
津田 (あ・・)
津田 「お姉ちゃん」
ウオミ「ん?」
津田 「あの・・ちょっと聞きたいんだけど」
ウオミ「え?今日は生理じゃないよ」
津田 「俺がそんなこと聞くと思ったのか」
津田 「・・あの、この間のエッセイ覚えてます?」
ウオミ「ん・・ああ、覚えてるよ」
津田 「単刀直入に聞きますけど、お姉ちゃん、昔俺と会ったりしてませんよね?」
ウオミ「・・・・・・それって、私があのエッセイに出てきた女の子じゃないかって思ってるってこと?」
津田 「・・・会長に聞きました。お姉ちゃんて△△小学校だったんですよね?俺、あの時、そのあたりに住んでたんです」
ウオミ「そっか・・・気づいちゃったか」
津田 「え・・・・?」
ウオミ「・・・・・・・なんてね」
津田 「???」
ウオミ「すごく残念だけど・・すごくすごく残念だけど、その子は私じゃないよ」
津田 「ああ・・びっくりした」
ウオミ「・・・好きだったんですか?」
津田 「え?」
ウオミ「エッセイに出てきた子のこと好きだったんですか?」
津田 「・・・どうでしょう?」
ウオミ「気になる子ではあったと」
津田 「まあ・・そうですね」
ウオミ「その子で何回ヌきました?」
津田 「あーやっぱり最初にそれ考えちゃうのかー」
津田 「好きだったかはともかく、ちょっと探してます」
ウオミ「なんで?」
津田 「謝りたいんです。約束破っちゃったから」
ウオミ「・・・どうでしょう?」
津田 「え?」
ウオミ「冷静に考えて、10年も前のこと。しかも約束を破ったというよりも、タカ君が引っ越しただけです」
津田 「・・・」
ウオミ「その時はその子も残念に思ったかも知れないけど、今はきっと理解していると思うよ。タカ君もそんなことは分かってるんじゃないの?」
津田 「それは・・・」
ウオミ「謝りたい・・・っていうのは口実で、本当は単に会いたいんでしょ?」
津田 「・・・・」
ウオミ「タカ君、そういうのを初恋っていうんじゃないの?」
津田 「そう・・なのかな?」
ウオミ「うん、たぶんそうだよ」
津田 「俺、そういうの疎いから」
ウオミ「そうだね。タカ君は鈍感だもんね」
津田 「あはは・・」
ウオミ「ねえ鈍感なタカ君」
津田 「はい?」
ウオミ「好きだよ」
津田 「・・・・え?」
ウオミ「お姉ちゃん、タカ君のことが好き」
津田 「それって・・どういう意味・・?」
ウオミ「そのままの意味」
津田 「・・・え・・あの・・」
ウオミ「お姉ちゃんじゃ、ダメ?」
津田 「俺・・・・・・今・・・・さっき言った子探してます・・そんな中途半端な状態だから・・そんなこと・・今は考えられません」
ウオミ「・・・・ほらね」
津田 「へ?」
ウオミ「ふふふ・・・やっぱり好きなんだ、その子のこと」
津田 「いや・・・そういう訳じゃ」
ウオミ「いや、その子が好きだからそういう反応しちゃうんだよ」
津田 「・・・っていうかダマしましたね」
ウオミ「ふふふ」
ウオミ「ドキドキした?タカ君♡」
津田 「はあ・・正直、しました」
ウオミ「・・・・」
津田 「?」
ウオミ「・・・好きなのは本当だよ」
津田 「・・・・え?」
ウオミ「もしタカ君の中で、その子のこと整理がついたら、お姉ちゃんのことも考えてほしいな」
津田 「・・・うん」
ウオミ「それと」
津田 「・・・うん」
ウオミ「・・・もし・・ダメでも・・・・今の関係が壊れるのはイヤだなぁ」
津田 「・・・お姉ちゃん」
ウオミ「タカ君の彼女になれなくても・・タカ君のお姉ちゃんではいたいの。今の幸せな状態が壊れるの、怖い」
津田 「お姉ちゃん・・・お姉ちゃんは、お姉ちゃんです。それはこれから、何があっても変わらないです」
ウオミ「・・・タカ君・・・ありがとう」
ちゅっ
津田 「くぁwせdrftgyふじこlp」
ウオミ「ほっぺにしとくね・・・初恋の子に怒られちゃうから」
ここまでにします
おやすみなさい
私も書けば書くほどウオミーいいなって思うんですよね・・
続きです
次の日。
萩村 「・・・津田」
津田 「・・・うん」
萩村 「今日のアンタ、集中力無さすぎよ」
津田 「うう・・・ゴメン」
萩村 「・・・」
津田 「・・・」
萩村 「えっと・・もしかして・・・魚見さんだったの?」
津田 「え?」
萩村 「え・・エッセイの人」
津田 「あ、違ったよ」
萩村 「なんだ!じゃあなんでそんなぼーっとしてるのよ」
津田 「コトミとゲームしてた・・・」
萩村 「顔洗ってこい」
津田 「ハイ」
ぱしゃ ぱしゃ
津田 「ふー・・・」
津田 「・・・眠い」
津田 (あの後全然眠れなかった・・・)
津田 (あれは・・・何だったんだ?)
津田 (やっぱりあれって・・告白?)
『謝りたい・・・っていうのは口実で、本当は単に会いたいんでしょ?』
津田 (・・・俺は・・)
津田 「・・・あー・・・ダメだ・・眠い」
・・・
萩村 「スッキリした?」
津田 「んー・・いまいち」
萩村 「もう!」
津田 「すいません・・」
ヴー ヴー
萩村 「携帯鳴ってる」
津田 「・・うん」
津田 「ん?七条先輩からメールだ」
萩村 「あの件?」
津田 「ちょっと待って・・・・あーたぶんそうだ」
萩村 「?」
津田 「こんな文面」
萩村 「・・・」
『すっごいの見つけたよ!あの子の●●写真ゲット!!これで津田君もスッキリすること間違いなし!!写真は送付します』
津田 「よくわかんなけど、たぶん何か手がかりになる写真送ってくれるんじゃないの?」
萩村 「たぶんそうね・・・っていうかそれ以上の情報は読み取れないわ」
津田 「会長も電話で、七条先輩から有力情報来るみたいなこと言ってたからそれじゃないかな?」
萩村 「まあ正直、七条先輩が本気出したら簡単に見つかりそうな気もするわね・・メールはアレだけど」
津田 「確かに」
萩村 「さ、有力情報来るのは分かったから、勉強するわよ!」
津田 「はーい」
*******
次の週。
萩村 「津田ー」
津田 「ん?」
萩村 「今日は生徒会活動終わったら、生徒会室で勉強しましょう」
津田 「うん、いつもありがとうございます」
萩村 「・・うん」
**
津田 「・・にしても先輩たちがいないと、生徒会室って広く感じるな」
萩村 「・・そうね」
津田 「来年になったら新しい役員見つけなきゃなー」
萩村 「今は目の前の期末試験に集中せい」
津田 「ハイ」
萩村 「・・にしても最近、結構調子いいじゃない」
津田 「そう?萩村の教え方がうまいからだよ」
萩村 「・・・(ツッコミの機会が減ったからなんじゃ・・)」
**
萩村 「今日はここまでにしましょうか」
津田 「お疲れです。今日もありがとうございました」
萩村 「・・ところで先輩たちから例の件の追加情報来たの?」」
津田 「予告通り七条先輩から写真が送られてきた」
萩村 「何の写真だった?」
津田 「例の3つの小学校の俺と同級生の卒業写真」
萩村 「なんか・・それってどうやって集めたのかしら」
津田 「あー・・たぶんルートとかは知らないほうがいいんだと思う」
萩村 「・・・そうね」
萩村 「それで、それっぽい人は居たの?」
津田 「卒業写真だから時間6年たってるけど・・たぶんいないと思う」
萩村 「・・そもそもその記憶は信用できるの?」
津田 「うーん・・たぶん」
萩村 「まあアンタの記憶が正確だったとして、そこにいないんじゃ、可能性は二つね」
津田 「?」
萩村 「その人が小学生の間に転校したか、そもそも学年が違うか」
津田 「あー・・そういうことになるね」
津田 「結局、会長からもらった情報の三人は違ったし、それ以外の人となると、面識ない人になるっぽいから、七条先輩がくれた写真みたく同じ手法で昔の写真見れば分かるかもしれないけど・・」
萩村 「先輩たち、もう受験直前だからこれ以上探させるのは駄目よ」
津田 「だよねー」
萩村 「とりあえず私たちの試験ももうすぐだし、とりあえずは試験終わるまでは一旦捜索中止しない?」
津田 「そうだね」
******
そして期末試験終了。
萩村 「どうだった?」
津田 「うん、そんなに悪くないと思う。ありがとう、萩村」
萩村 「え・・あ・・うん//」
津田 「試験も終わったし、なんか羽伸ばしたいなー」
萩村 「えっと・・じゃあさ・・買い物付き合ってくれない?」
津田 「うん、いいよー。何買うの?」
萩村 「あー・・えっと・・決めてないけどなんとなく」
津田 「?」
萩村 「とっ・・特に目的なく買い物行きたくなることもあるのよ!」
津田 「あー確かに女子ってそういうことあるよねー」
****
デート(?)当日
萩村 「・・・」
津田 「ん?それ買うの?」
萩村 「うん、なんかいいかなって思って」
津田 「じゃあ俺が買うよ」
萩村 「えっ?」
津田 「勉強見てもらったお礼」
萩村 「えっと・・悪いわよ」
津田 「いや、こっちこそ悪いよ。お礼させて」
萩村 「・・・うん・・ありがとう//」
**
津田 「ちょっと休もうか?」→喫茶店
萩村 「そうね」
津田 「ふう・・コーヒー温まるー」
萩村 「ねえ津田」
津田 「ん?」
萩村 「例の、人探しだけど」
津田 「ん?ああ」
萩村 「あれから先輩たちから連絡ない?」
津田 「無いねーもう受験だし」
萩村 「そうよね」
津田 「とりあえず手詰まりだなー」
萩村 「うーん・・」
店員 「クランベリータルトお待たせしましたー!」
津田 「あ、どうも」
萩村 「ん?津田がケーキ?珍しいわね」
津田 「うん、なんか無性に食べたくなって」
萩村 「・・・」
津田 「あ・萩村も食べる?」
萩村 「あ・え?・・い・いいの?」
津田 「うん、食べたそうな顔してるし」
萩村 「えっ嘘?!」
津田 「ウソ」
萩村 「もー!」
津田 「アハハ・・はい」
萩村 「え・・あ・うん//」あーん
パシャリ
津田・萩村「・・・」
ランコ「や」
津田 「・・あの」
ランコ「何か?」
津田 「・・違いますよ?」
ランコ「何が?」
津田 「・・今の流れは成り行きですからね」
萩村 (._.)
ランコ(萩村さんのショボーン顔・・ホントに成り行きのようね・・)
津田 「ていうか畑さん、受験はいいんですか?」
ランコ「推薦で無事合格しましたので」
津田 「どうなってるんだ桜才学園」
萩村 「・・・で、何か用ですか?」
ランコ「アラそうだったわ、はいコレ」
津田 「ん?なんだこれ」
萩村 「会長と七条先輩の写真ね・・」
ランコ「今まで撮ったお二人の写真よー。卒業文集で必要でしょ」
津田 「あ・・・ありがとうございます」
萩村 「・・・ありがとうございます」
ランコ「その微妙な間は何?」
津田 「いや・・あなたが真面目な新聞部っぽいことをしてるのに驚いたんです」
ランコ「いやーん、心外★」
ランコ「では渡しましたので。それと、新聞部は二年生が居ないので、次の部長は今の一年生がやるの。取材、協力してあげてねー」
津田 「あ、ハイ。分かりました」
ランコ「では私はこれで」
萩村 「畑さん」
ランコ「なーにー」
萩村 「合格おめでとうございます」
ランコ「・・・サンキュー」
津田 「にしても、畑さんが普通に仕事してると違和感あるな」
萩村 「同感ね」
津田 「あ、萩村の写真もあるぞ」
萩村 「え、どれ?・・・ってみんなで臨海学校の下見行った時の」
津田 「うん」
萩村 「・・・」
津田 「・・・」
津田 「この時、畑さん居たっけ?」
萩村 「・・深く考えるのはよしましょう」
津田 「・・うん」
・・・
津田 「これは何の写真だっけ?」
萩村 「畑さんが記事にするからってみんなの子供のころの写真集めてたじゃない」
津田 「ああ・・・・・あれ?」
萩村 「?」
津田 「これ誰?」
萩村 「え?んー・・たぶん会長じゃない?記事になったやつよりも昔の写真ね。小学4年生くらいかしら」
津田 「・・・」
萩村 「どうしたの?」
津田 「・・・・似てる」
萩村 「え?」
津田 「もっと髪短かった気がするけど・・」
萩村 「・・まさか、探してる人に・・?」
津田 「・・・うん」
津田 「・・・」
萩村 「・・・」
津田 「・・い・・いやでもそんなはずないかー!会長だったら、この前生徒会室で話した時点で言うだろうし」
萩村 「・・・・・一応」
津田 「え?」
萩村 「一応・・・ちゃんと検証してみたら?」
津田 「・・・・そうかな」
津田 (・・・でも会長だったら今回の件が話に出た時点で言うんじゃないのか?)
津田 (待てよ・・・)
『そうか・・そこまで君が言うなら私もちゃんと協力しよう。とりあえず私の小中の後輩にも聞いてみるよ。私も子供のころからずっとこの辺だからな』
津田 (会長は“子供の頃からずっとこの辺”だって言ってた・・)
『もちろん私の知ってる三人以外にも、同じ条件のものは桜才にもいるだろう。だが私が聞いた記憶があるのはこの三人だけだ。だからこの三人ではなく、君の知っている他の3年生という可能性もある』
津田 (もし会長ならそれは“聞いた記憶”じゃないし・・“君の知っている3年生”だ・・)
ドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキ
津田 (まさか本当に・・会長なのか・・?)
『相手に迷惑と思われても会いたいと思うのか?』
津田 「・・・・っ」
萩村 「受験が終わったら会長に聞いてみれば?」
津田 「・・萩村」
萩村 「ん?」
津田 「俺・・・怖い」
萩村 「えっ?」
津田 「もし仮に会長だったら・・今までなんで言わなかったんだろ?」
萩村 「それは・・・」
津田 「・・たぶん、迷惑に思ってる怒ってるってことじゃないのかな・・・俺、次会うときどんな顔して会えばいいかわからない・・」
萩村 「・・・バカ!」
津田 「うわっ!!」
萩村 「ちゃんと会って謝るんじゃなかったの?」
津田 「それは・・」
萩村 「それにもしホントに会長なら、全然知らない人ってわけじゃないんだからちゃんと話せるでしょ?」
津田 「そうだけど・・」
萩村 「・・仮に怒ってて言わなかったんだとしても、会長なら許してくれるわよ」
津田 「・・それもそうかも」
萩村 「ハイ、という訳で会長にちゃんと確認する。OK?」
津田 「うん・・・ありがとな、萩村」
萩村 「・・うん」
萩村 (なんで言わなかったのかって・・そんなの決まってるじゃない・・)
萩村 「じゃあ会長の受験が終わるまでに、できるだけ情報集めときましょう?」
津田 「うん・・でもどうやって?」
萩村 「会長の行ってた小学校の確認」
津田 「あー」
萩村 「それぐらいなら畑さんに聞けば分かるんじゃないかしら?」
津田 「あー・・いや、やめよう」
萩村 「たぶん、卒業文集関連でー・・とかいえば誤魔化せると思うわよ?」
津田 「えっと・・そういう意味じゃなく」
萩村 「?」
津田 「実は前、会長と歩いてるときに、会長の小学校時代の後輩に会った」
萩村 「!」
津田 「で、その人は春から聖光女学園の2年生で、しかも生徒会」
萩村 「連絡先は知ってるの?」
津田 「今後、学園交流会あるかもしれないってことで交換済みです」
萩村 「ナイス!」
**********
とりあえずここまでにします
ランコちゃん√はやってしまったので・・
では続きです
数日後。
津田 「あ、こんにちは。お久しぶりです、天野さん」
ミサキ「お久しぶりです、津田さん」
津田 「あ、こっちは電話で話した、同じく生徒会の萩村です」
萩村 「“津田と同じ二年”の萩村スズです。よろしくお願いします」
ミサキ「あ・・えっと、聖光女学院一年の天野ミサキです。よろしくお願いします」
津田・ミサキ(今すっごい学年を強調した)
**
津田 「・・・という訳で、学園交流会の件、そちらの会長にお伝えください」
ミサキ「ハイ、分かりました」
萩村 「あ、それと、ちょっと関係ないことなんですけど、うちの会長の子供の頃の写真とか持ってませんか?」
ミサキ「え?たぶんありますけど・・」
萩村 「会長、今年で卒業ですので、文集とかに載せる写真として使用したいんですよ」
ミサキ「あー・・そういえばそうですね。いいですよ。6年生の時のとかでいいですか?」
津田 「あっ、できればもっと子供の頃のがいいんですが・・・今の写真と並べてこんなに大きくなりました的な感じにしたいので」
ミサキ「うーん・・一応探してみますね」
津田 「ありがとうございます」
****
その夜。
Trrrr・・・ガチャ
ミサキ「あ、天草先輩お久しぶりです」
天草 「ん?天野か」
ミサキ「受験勉強の真っ最中にすいません」
天草 「大丈夫だ。どうしたんだ?」
ミサキ「いえ、実は今日、桜才生徒会の方に会って・・・・」
・・・
ミサキ「・・・という訳で昔先輩にもらった先輩の子供の頃の写真渡しました。もしかしてらサプライズなのかもしれませんけど、一応プライベートの写真を渡したのでお伝えしておこうかと思って」
天草 「・・・・そうか」
ミサキ「あっ・・やっぱり渡さないほうがよかったですか?」
天草 「いやいや、大丈夫だ。天野らしい気配りだな、ありがとう。当日はしっかり驚いてやらんとな」
ミサキ「いえ・・なんかすいません」
天草 「・・じゃあ私はまた勉強に戻るよ」
ミサキ「あ、ハイ。受験がんばってください!」
天草 「ありがとう」
ガチャ
天草 「・・・・・・・・・津田」
数日後、学校にて。
萩村 「おはよう、津田」
津田 「あ・・おはよう」
萩村 「・・・」
津田 「・・・」
萩村 「・・・で、どうだったの?写真」
津田 「見たのは2年生の時の写真らしいけど・・・たぶん・・・そうだと思う」
萩村 「・・・そうね。学校もアンタの家の近くの3つのうちの1つだったのに、あえてその事言わなかったわけだしね」
津田 「・・・」
萩村 「・・・何しょげてんのよ」
津田 「・・先輩たち次来るのいつからだっけ?」
萩村 「たぶんもう卒業式じゃない?」
津田 「そっか・・・」
萩村 「・・・あのさ」
津田 「ん?」
萩村 「・・・いや・・今日の生徒会活動の後にするわ」
津田 「?」
********
萩村 「・・ふう。私は終わり。津田は?」
津田 「うん、もう少し」
萩村 「じゃあさ、仕事しながらちょっと聞いててほしいんだけど」
津田 「うん」
萩村 「アンタさ・・会長こと、好きなの?」
津田 「・・えっ?!」
萩村 「ほら、手止めんな」
津田 「え?・・だって・・え?」
萩村 「いいから!仕事しながら!」
津田 「えっと・・」
萩村 「・・どうなの?」
津田 「・・・そう見える?」
萩村 「うん」
津田 「・・・・・うん」
萩村 「・・やっぱね」
津田 「正直言うと、ホントにそういう気持ちなのか分かんないけど」
萩村 「たぶん」
津田 「?」
萩村 「会長もアンタのこと好きだと思うわよ」
津田 「えっ?!」
萩村 「ホラ、手止めるな」
津田 「ハイ」
萩村 「・・・女の私から見たら、会長がアンタに気があるのはなんとなく分かるわよ」
津田 「・・・そうかな?」
萩村 「鈍感なアンタはわかんないと思うけど」
津田 「タハハ・・」
萩村 「・・・よかったじゃない、会長で」
津田 「・・・まだ分かんないよ」
萩村 「よく考えたら辻褄合うのよね。今回の会長の言動」
津田 「そう・・・かな・・やっぱり」
萩村 「下手したら、2年前にアンタのこと生徒会に勧誘したのもそれが理由の1つかもね」
津田 「・・・」
萩村 「頑張んなさいよ・・・・応援してるから」
津田 「ありがとう」
萩村 「・・・で、いつ言うの?」
津田 「・・考えてるけど・・・正直、決心がつかない」
萩村 「ホントバカねアンタは。卒業式の日に会うんだからその時言えばいいじゃない」
津田 「・・・でも、俺約束破って、それで今度は同じ生徒会役員だったていうのに気付かなくて・・本当なんて言って謝っていいかわからないよ・・」
萩村 「・・津田」
津田 「・・うん」
萩村 「アンタが気づかなかったこと、会長が怒ってると思う?」
津田 「うん・・たぶん」
萩村 「ここで言わなかったら、会長は逆にアンタを一生許さないでしょうね」
津田 「・・・」
萩村 「なんで会長は、気づいてたのにアンタに言わなかったんだと思う?」
津田 「え?・・なんだろう・・やっぱり今更言われても迷惑だから?」
萩村 「バカ!アンタの方から気付いてもらいたいからに決まってるでしょ!!」
津田 「・・・・・・」
萩村 「たぶんずっと待ってたのよ。で、今回のエッセイの件でやっとチャンスが来た。だからたぶん会長は今すごくドキドキしてる」
津田 「・・・そんな都合よく解釈していいのかな?」
萩村 「アンタね!会長のこと好きなんでしょ?!だったらもっとポジティブに考えなさいよ!」
津田 「・・・うん」
萩村 「大丈夫よ。会長もアンタのこと好きだと思うし、きっとうまくいくわ。私が保証する」
津田 「・・・萩村」
萩村 「それに今回のシチュエーション、最高のロケーションじゃない。仮に私が会長の立場だったとしてもきっとOKするわ」
津田 「ハハ・・・ありがとう萩村。勇気出た。」
萩村 「うん、ホントに頑張んなさいよ」
津田 「ありがとう・・・さて、俺も終わった。帰ろうか」
萩村 「あ・・・・私今日はネネと帰るんだったわ。先帰ってて」
津田 「そう?分かった。じゃあお疲れー」
萩村 「うん、お疲れさま」
津田 「萩村」
萩村 「・・・ん?」
津田 「ホントにありがとう。俺、萩村の友達でよかったよ」
萩村 「ハイハイ・・はよ帰れ」
津田 「じゃあ、また明日」
ガラガラ
萩村 「・・・・」
萩村 「・・・・うっ・・」
萩村 「・・うぐっ・・うっ・・うっ・・・」
**********
天草シノ、七条アリアとも第一志望の大学に合格した。
そして、卒業式も無事終わった。
津田・萩村「おめでとうございます!」
天草 「ありがとう!」
アリア「うん、ありがとー!」
津田 「これ、俺たちからのプレゼントです」
ー
アリア「開けていい?」
萩村 「どうぞ!」
アリア「まあ」
天草 「なんと」
天草 「これは・・私たちのアルバムか・・」
津田 「ハイ。桜才での写真は畑さんから、それ以前の写真は出島さんと聖光女学院の天野さんから提供していただきました」
アリア「すごいねー・・なんだかちょっと涙がでてきちゃったよ」
天草 「そうだな・・みんなで過ごした時間は忘れないさ・・私たちは桜才学園始まって以来最強の生徒会だった!」
アリア「そうだねー私もこの3年間で色々と成長したかなー性癖の幅とかねっ!」
天草 「私も色々と知識がついた。性的な意味でなっ!」
津田・萩村「最後ぐらいきれいに終われんのか!」
アリア「そういえば明日から津田君たちも春休みだよね?今週の土曜日みんなでパーティーしない?」
天草 「おおーそれはいいな!二人とも来るよな?」
津田 「ハイ」
萩村 「お邪魔させていただきます」
アリア「じゃあ土曜日の6時に私の家でー」
天草・津田・萩村「おー!」
***
天草 「さて、私はもう帰ろうと思う。アリアは?」
アリア「私も帰るよー」
天草 「二人は?」
萩村 「私も帰ります」
津田 「あ、俺も」
天草 「じゃあみんな一緒だな」
津田 「あ、俺ちょっと行きたいとこあるので途中までで」
天草 「む・・そうか」
アリア「じゃあ次会うのはパーティーだねー。津田君には着てほしい服があるから早めに来てくれない?」
津田 「断固拒否します。それじゃ帰りましょう」
***********
タカ 「・・・・」
シノ 「・・・津田か?」
タカ 「あ・・天草先輩」
シノ 「先帰るって言って、こんな所で何してるんだ」
タカ 「・・ここ、前エッセイに書いた思い出の場所なんですよ」
シノ 「ああ・・確かに高速道路の真下だな」
タカ 「・・・先輩こそどうしたんです、こんなとこに来て」
シノ 「・・君がいるのが見えたから、ついな」
タカ 「そうですか」
シノ 「うん」
タカ 「・・・」
シノ 「・・・」
タカ 「なんで」
シノ 「ん?」
タカ 「なんで、名前教えてくれなかったんですかね?」
シノ 「え?」
タカ 「天草先輩は、なんであの子は名前教えてくれなかったんだと思います?」
シノ 「そうだな・・・私の考えでいいか?」
タカ 「ハイ」
シノ 「たぶん・・・その子はその時、自分の名前が嫌いだったんじゃないかな?・・例えば、クラスの男子に『お婆ちゃんみたいな名前』とか言われてからかわれたとかな」
タカ 「・・・なるほど」
シノ 「あくまで、私の考えだ」
タカ 「・・・ハイ」
シノ 「・・・」
タカ 「あの、もう一個先輩の意見を聞いてもいいですか?」
シノ 「なんだ?」
タカ 「例えば俺が、10年以上経って、やっとその子に気付いてとしたら、その子は許してくれると思いますか?」
シノ 「・・・どうだろうな」
タカ 「・・・10年経って、やっとその子のことが好きだったって気づいてとしても、それは遅すぎますかね?」
シノ 「・・・・」
タカ 「・・・・」
シノ 「津田」
タカ 「はい」
シノ 「君は、来年どこの大学に行くんだ?」
タカ 「・・・・・・・先輩」
シノ 「学校はどこに行くの?」
タカ 「・・・○○大学だよ」
シノ 「そっか・・私もその学校だよ」
タカ 「うん」
シノ 「来年の春から、一緒の学校だね」
タカ 「うん」
シノ 「これからもずっと一緒にいようね」
あの日と同じ目で僕を見つめる君。
今度こそ必ず約束を守ると誓い、僕は大きくうなずいた。
おしまい
ssではなぜか不人気な会長がかわいそうで書いてみました。
以前書いたものを貼っておきます。
原作レイプなものもありますが、よかったら読んでください。
↓
天草「津田、目に見えるものが真実とは限らないぞ。」(畑さん編)
天草「津田、目に見えるものが真実とは限らないぞ。」 - SSまとめ速報
(http://hayabusa.open2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1413561927/l50)
津田「神様お願いです・・萩村を助けてください」(スズ編)
津田「神様お願いです・・萩村を助けてください」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1413900352/)
津田タカトシ「お姉ちゃん、相談があります」(ウオミー編)
津田タカトシ「お姉ちゃん、相談があります」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1416927970/)
三葉ムツミ「トッキー、勝負だよ!」(トッキー編)
三葉ムツミ「トッキー、勝負だよ!」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1418139775/)
時「連休ヒマか?」 津田コトミ「いや、戦争で散った戦友(とも)の墓参りに・・」(コトミ編)
時「連休ヒマか?」 津田コトミ「いや、戦争で散った戦友(とも)の墓参りに・・」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1418658314/)
あと、役員共のssをもう一個だけ書こうと思ってます
たぶんヒロインはカエデで行きます
お付き合いありがとうございました
それではまたー
このSSまとめへのコメント
泣いた
スズのアレで泣いて
最後のアレで泣いた
この1は本当に心を抉るのが上手いわ
次回作も期待だな
いい話だなー(´;ω;`)本編にあってもおかしくないわ。凄い