どんな鎮守府、そんな鎮守府 (73)

                      .. -‐ ‥‥‥‥ ‐- .
                    ´              \
.                 /                  \
.               /                     `

.              /           i|  |.\      /∨    ≧o。..
            /  ′     /    j{  |  \.  ////〉.  ':.     /
           /.  /.      /.     ,   |    \く//// '.  f-‐ ‥´
          /   /        / |.    ′ |     \<    '.. ′
         /     /       j{ |   /   |       \   i|. |
          ̄ ̄ ̄ .′     j{  |______|    斗ャ=ミx \. j{  |
             |__   j{ 斗ャ=ミ.       kノr'i`狄 | 八
              |  i|   | 〃 kノr'i       乂'ツ ノ  |j  } |
              |  i|   |《  乂'ツ    ,         ⊂⊃.|  八.|
              |  i|   |⊂⊃                |イ  |
              |  i|   |            ―y      八   |
              |  i|   ∧       V   ノ      / i|
              |  i|   | 个n     _      ..。s升|. i|
              |  i|   |  r――‐≦ ム_ ´ ̄    { 从   i{
              |  i|   |.。s升   __}i:i:!:l__    |_ ∨.  ハ
              |  i|   ∨  ¨ - _`¨¨¨|i:i:i:i|¨¨¨´.  _/ \.   '.
              |  i|   ∨ 、__ \ .〈i:i:i:i:〉...。o≦     l--、. '.
              |/ニハ.   ∨、.  ‥‥ ≧≦______.  人. '
               ′ニ ∧.   ∨\                /くニ’,  ' .
            /ニニニニ ∧.   ∨. \            ..。s升  ’,ニ\ '.
          /ニニニニニニニ∧.   ∨ト、       _  ¨   ハ.   {ニニ 〉へ「∨
         /⌒l_ へニニニニγ 、__ムニニ≧o。_ ¨  ☆ ☆ /ニ ’,  | ./    ∨
         ′     \ニニ |ニニニニニ〈ニニニニニニニニニ ̄ニニニ}  j{    ____ }
        |        \..i|ニニニニニニニニニ〔:::::::::: ::|ニニニニニニニニニ ′. j{.  /  V
       ∧7⌒ 、     八ニニニニニニニニ/7`¨¨¨〈ニニニニニニニニ 八.  j{/    \
        /    \.    ムニニニニニニ ′{::::::::::::::’,ニニニニニニ/′   ’,      \

.       /      ハ .。s升 {≧ニニニニニ|:::∧::::::::::::::’,ニニニニニ /      ト、      ヽ
       /      /ー ´.    |ニニニニニニ.|:::::∧::::::::::::: |ニニニニニ′     l/      /
.      /     V        八ニニニニニ |::::::::∧:::::::::: |ニニニニ. {        |




・思いつき小ネタ集みたいなの

・不定期更新

・気がつけばエタってる

・前スレ的なやつ
妖精「あんな鎮守府、こんな鎮守府」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1406362824/)

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1420387235







……



妖精「あー……寒い」フヨフヨ

妖精「早いとこ鎮守府見つけないと……」

妖精「もういい加減、新しい鎮守府で働きたい」

妖精「お……あったあった」

妖精「それじゃ早速」ピューン




……


「てーとくさーん! 起きるっぽーい!」



はっと意識を取り戻し、一瞬で身体を起こし辺りを見やる。
ぼんやりとした意識の中、その瞳が捉えたのまさに惨状と呼べるものだった。
酒に飲まれ酔い潰れた艦娘たちが、そこらじゅうで寝ている。
机に突っ伏す者、床で横になる者、腕を組んで椅子に座ったまま寝ている者などなど。
自分もこの中の一人で、だらしなく鼾をかいていたところを起こしてくれたのだろう。
しかし、どうしてこうなった……いや、知ってる。
それもこれも、全部年明けの宴会のせいだ。



「……起こしてくれてありがとう、夕立」

「大丈夫? 頭痛くない?」

「ん、そこまでは飲んでなかったみたいだ」



馬鹿騒ぎしたり、日頃の疲れが知らず知らずのうちに溜まっていたのかもしれない。
だからきっと、酔い潰れる前に眠くなってしまい、そのまま寝落ちしたのであろう。
後を引くような頭痛は残っておらず、妙にしゃっきりとした意識がそれを物語っていると思った。




「よかったぁ……」

「あれ、他の子は……」

「もう寝たっぽい。ちゃんと自分のお布団でね?」

「はは……」



ついつい、乾いた笑いが漏れてしまった。こいつらにも聞かせてやりたいよ。
人様のことをどうこう言えたことではなかったので、心の中で留めておくことにしたが。
ここにいない他の子は、自分の床で寝ているようでよかった。



「助かった。ここで寝たら風邪引くところだった」

「他の人たちは、時雨や春雨に任せるっぽい。てーとくさんは、夕立と一緒に執務室まで行くっぽい」

「いやいや、なんで夕立がついてくるの。俺一人で大丈夫だよ」



夕立の言葉で気がついたが、確かに時雨と春雨が酔い潰れた面子を優しく起こす姿が見られる。
なら他の子は安心だなと思い、一歩踏み出したところでふらついた。
どうやらまだ酒が抜けていないのか、崩れ落ちるように前のめりになったところを夕立が受け止めてくれた。




「はは……ごめん、ありがと」

「ね? 大人しく言うこと聞くっぽい」



先程のような醜態を晒しては、もう何を言っても聞いてはくれないだろう。
これ以上好意を無理やり押しのけるのも可哀想だし、と言い訳をしてから素直に甘えることにした。
そうして夕立に支えられ、食堂を後にしてから気がついた。



「あれ、夕立。その姿……」

「ん、これ? 晴れ着っぽい!」



どこで仕入れたのだろうか、と聞いたら失礼なのだと思うけれど。
そう思ってしまうほどに、普段の夕立からは考え付かないような優雅さが、今はあった。
鮮やかな朱色を基調とした、恐らくは振袖に分類されるであろう着物に身を包む夕立は、妙に艶やかで魅力的に映る。
また、二次改装した時に変わった瞳の色が着物の持つ魅力を引き出しているように思えた。




「……すごく、綺麗で色っぽい。可愛いよ」

「ん? そお? 似合うっぽい?」



特に気にしているわけでもないようで、でもどこか嬉しそうな素振りで見せびらかしてくる。
提督さんが喜んでくれるなら、満更でもないっぽいと言う声が聞こえてきそうな。



「なんか、昨日目が覚めたら枕元に置いてあったっぽい。きっとサンタさんのプレゼントっぽい!」



前言撤回。先程の配慮はなんだったのだろうか。
というより、当の本人でもわからないって。夕立、もうサンタさんは旅に出たよ?



そんな野暮なことばかりが思考を支配している間に、寝室についていたようだ。
扉を開けると、薄暗い隙間からひんやりと冷気が流れてくる。
中に入ると、月明かりが部屋を照らしているようで若干明るい。
幸い、布団は敷いてあったようだ。



「助かったよ、夕立。それじゃおやすみ……」



目も冴えてしまい眠たくはなかったが、床に入れば話は別。
夕立におやすみをして、もそもそと布団に入り込むと一瞬で体温を奪われた。
服を脱いでいないにも関わらず、この冷え様。
これがあるから冬の布団は好きになれない、なんて考えているとすぐ隣が暖かくなり始めた。


何事かと思って横を向くと、すぐそこに夕立の顔が。
鼻息も届き、少し動かせば唇がぶつかりそうなくらいの位置で、ふわりと鼻腔を擽る、シャンプーのいい匂い。
むしろ近すぎて顔がぼやけて見えるが確かに夕立だ。



「んふふふー……姫はじめ、するっぽい♪」



そう言った途端に唇にむしゃぶりついてきて、さっきから思考が追いついてこない。
寝ようとしたら夕立が布団に潜り込んできて、激しく口内を犯してきて、その先にまで及ぼうとしているということだろうか。
わざと音を立てて舐め啜ってるなと思いきや、時々顔を少しだけ離しては色目を使い、誘いまでかけてくる。さて、どうしたものか。
経験上一つ言えるのは、こうなってしまった夕立は火照りを鎮めてやらないと大人しくならないということか。
なら、自分がやれることは一つしかない。
暖房の効いている食堂だったとはいえ、ヘソなんか出して寝ていれば十中八九風邪を引いていただろう。
そうなることを心配して、起こしてくれたお礼だ。応えてあげるとしよう。
できるできないについては、これから自分も火を点けていけばいい話だし、既に飛び火を貰って燃えかけている。
このまま、燻ったまま終わるのは蛇の生殺しだ。



「はぁ、ンむ──ぢゅ、ぢゅるる……ぷぁ……あはっ♡」



夕立をどうしようかという決まった考えは他所に置いて、自分も愉しませて貰うことにする。
いつの間にか馬乗りになり、身を屈めてキスに没頭する夕立。
こちらも舌を絡めて、血色がよくて柔らかな唇を甘噛みして、端から垂れる涎を舐め取って飲み込む。
負けじと両腕で顔を挟み、指先で髪を弄りながら唇をはみ、唾液を啜る彼女に、一つだけ気がかりになったことを訊いた。




「……せっかくの着物に皺がつくから、脱いでからにしない?」

「えー……脱ぐと寒いしぃ、これで夜戦は……できるっぽい!」

「んー……」



上体を起こして、夕立が口を尖らせる。
着物姿のままするのも吝かではない、むしろ着衣セックスは男の浪漫の一つであると思うくらいだ。
ましてや普段着ない着物となれば、今更だがしてみたいと思わないほうがどうかしている。
そうだ、夕立の言うとおり脱いだら寒い、風邪なんか引いてはえらいことだ。
脱いでも脱がなくても出来るなら、脱がないでやって、それから脱いでまたしよう。そうしよう。



黙ったまま両手を広げると満足気に微笑んで、飛び込むような勢いで抱きつき、貪ってくる。
伏せた身体をゆっくりと抱き締めると、お返しと言わんばかりに両足で挟み込んできた。
もうくっつけるところがないのではないか、というくらいの密着具合だが、まだ肝心なところがくっついていない。
レロレロと舌を絡め合いながら、ゆっくりと夕立の手が下へ向かっていく。
器用なことに、キスを続けたままズボンを脱がせてくれるらしい。
ある程度脱がせてくれたら後は自分でもぞもぞと身じろぎ、完全に脱ぎ去る。



「提督さんの、もうこんなに……かたくて、あつい」

「夕立がエロ可愛すぎてな。駆逐艦とは思えないくらい」

「……駆逐艦でこんなのは嫌い?」

「とんでもない、大好きだ」


下着越しに撫で回すその手つきがこれまた妙にいやらしさを感じさせ、ゆったりと心地よい刺激が伝わってくる。
肉茎の形を確かめるように触れたり、陰嚢をさするように撫で回したりしていたが、その手の動きがぴたりと止まった。
駆逐艦とは思えない、という言葉に不安を覚えたようだったが、それも束の間のこと。
大好きだと聞いた途端、不安そうな顔がぱあっと明るい表情に一変するとほぼ同時、夕立に下着をひん剥かれた。



「夕立も、提督さんのことが大好き」

「ぽいはつけないよ、だって大好きなんだもん……」



首筋に吸い付いきながら好意を真正面からぶつけられて、少しだけ恥ずかしい。
言った本人も顔を隠すようにして、跡を残そうと必死になって食らいついている。
照れ隠しを混ぜたお返しに、夕立の額にちゅ、と軽く唇を触れてやる。
背中に回していた手で帯を解いて、空いた正面から夕立の胸に手を滑り込ませる。



「てーとくさんの手、冷たいね……」

「ごめん、びっくりした?」

「ううん、大丈夫っぽい……もう、挿れるね……」

「濡れてないだろ」

「……触ってみて」



胸を十分に弄ぶ間もなく、片手だけを這わせながら秘所へと運ぶ。
下着を穿いていない事が少し気になったが、元から襲う目的でいたのなら当然か。
いつもは脱がせてるし、これはこれで新鮮な気分だ。


指で恐る恐る確かめるように触れると、生えかけの陰毛、次に肉芽に触れてしまったのだろう。夕立がびくりと背筋を震わせる。
やっと目当ての膣口を触れると、太ももを伝って垂れているのではないかと思うほどそこはびしょ濡れになっていた。
なのに水っぽさは感じさせず、掬い取った露を指で擦ればぷちゅりと音が聞こえそうで、ぬるぬると良く滑る。



「すごいな」

「久しぶりだから……それに、提督さんのもすごく濡れてる」

「久しぶりって、何日ぶりだっけ?」

「三日だよ、三日。もう三日も待ったっぽい」

「だから、いつもより興奮して……提督さぁん……♡」

「夕立、いっぱいいっぱい我慢したっぽい」

「よしよし、えらいぞ」



もう片方の手でなでなでしてやると、ぎゅっと目を瞑って顔を綻ばせる。
尻尾でもあったら、きっと激しく左右にぱたぱたさせているに違いない。
夕立の言うとおり、これならそのまま挿入しても問題なさそうだ。



「だからもう待てないっぽい」



考えていることがわかるのか、この子は。
そう思った矢先、身体が震えるような快感が、肉茎を伝い全身へと走り出した。
それと同時によがり声をあげる夕立。エッチをするときにしか出さない、夕立の嬌声。
ぬるりと一口で丸呑みにした夕立の内奥は、とても温かくて居心地がいい。


すんなりと呑み込んだのに緩い感じはなく、密着しているのにまったりとした締め付け、加えて蠢く肉襞。
夕立は三日ぶりと言ったがそれは自分も同じ話で、早くも暴発してしまいそうだった。
夕立とは幾度となく交わってきたけれど、未だかつて感じたことの無い感覚に、どうにかなりそうだ。
どこか違和感を覚えてしまうほどに、ただ、気持ちよかった。



「今日は、夕立が動くから……楽にしてていいっぽい」



今日は、というよりいつも夕立が動いているような気がしないでもない。
気がついたら上になってる、というべきか。元気なのはいいことだ。
まだ些か気だるさの残った身体だと動いてくれるのはすごい楽だし、頷いて任せることにした。
その代わりに先程、少しだけ触って終わってしまった胸を一頻り堪能するとして。
身を起こしたら、今度は夕立の胸を舌でなぞっていく。
唾液をたっぷり分泌させて、乳首は避けながら、膨らみを丁寧に愛撫する。



「夕立のおっぱいも、結構大きいよな……」

「提督さんが、沢山愛してくれたからっぽい?」

「じゃあどんどん大きくなっていくな」

「大きいのと小さいの、どっちが好き?」

「うーん……夕立のならどっちも好きかな」

「ふふっ、なにそれ? 答えになってないっぽい♪」


「そうだな……なら、でかい方が好きかな」

「……提督さんの為なら、夕立、どんどん大きくなれるっぽい」

「でも、大きくなりすぎたら戦闘のときに邪魔っぽい……」

「……これくらいが丁度いいのかもな」



大きくなったら、いつか挟めるかもしれない。できることならしてみたい。
このままだったら、まぁ。それはそれでアリだよなぁ、と欲望果て無し。
どう転んでも夕立は夕立だから、なるがままに育って欲しいというところが本音だろうか。



むず痒そうに身を捩じらせる頃合を見計らって、ぱくりと乳首を口に含む。
開けた口を胸に押し当て、咥えたまま舌で転がすように、吸ったり突いたり、擦ったりと弄ぶ。
そうしていると夕立が包み込むように優しく抱擁し、ゆっくりと頭を撫で始めた。
すごく心が安らいで、落ち着く。



「なんだか、不思議な気持ち──」



その声色から夕立もきっと、同じ気持ちなのかもしれないと思う。
身体を許して、心を許して、相手を愛するという境地に一緒に立っていることの安心感。
多少性欲に突き動かされている面があるにしろ、愛されてるのだと感じることの幸福感。
傍から見れば犯罪的な画にしか成りえないそれも、二人にとっては掛け替えのない甘美な一時。




「……てーとくさん、満足した?」

「っぷ……夕立は?」

「もう動きたいから、寝てて欲しいなって」

「ん、わかった」



上体を寝かせると、夕立は両手で身体を支えてゆっくりと動き出す。
愛に飢えていた心が満たされた後にすることは、決まって一つ。
今度は押し留めていた欲望を満たそうと必死になって腰を振る。ぎりぎりまで引き抜いては、呑み込める限界まで突き刺して。
上下する度に紅く、潤んだ瞳が月明かりを受けて煌き、どこか幻想的な雰囲気を醸し出している。



「てーとくさん! てーとくさんっ!」



甘く蕩けるような声も一変して、叫ぶような勢いでひたすら呼び続ける。
全身を駆け巡る快感を振り払うように、ただひたすら。
肌蹴た胸元からは、ぷるんぷるんと胸が躍る様がよく見える。



「んぅっ、あっ──ぁあ、い、っくぅ──っ!」




そうして、やがて耐えられなくなり、最後に奥部を小突いたところで動きを止める夕立。
込めていた力もふっと抜け、糸の切れた人形のように倒れこむ夕立を受け止める。
はぁはぁと浅い呼吸を繰り返しながら、結合部は呼吸に合わせて痙攣している。
仮にも精が放たれたならば、一滴残さず吸い尽くさんといわんばかりの躍動。



「えへ……いっちゃった……♡」

「俺ももう……」

「ン、ちゅ──好きにしていいよ……」


自分は先に果てて満足したのか、さっきの甘えん坊モードに切り替わっており、またもやキスを求めてくる。
後もう少し続いていれば、仲良くイケたのになぁ……と考えても仕方がないので、こちらも好きにさせて貰う。
夕立のお尻に手を伸ばし、尻肉に指を沈めていく。こちらも駆逐艦とは思えないくらいの育ち具合。
小柄な身体から想像つかないくらいぷりんとしていて、もっちり、それでいてしっとり。
捏ねるようにしてその質感を愉しんだ後は、そのまま持ち上げるように力を入れると夕立が少しだけ腰を浮かせてくれる。
動きやすさを確保したところで、今度は自分から腰を動かす。まずはゆっくりと。
夕立の口から喘ぎ声が漏れ始め、するとキスをやめて首筋に噛み付き始める。
自分が攻めているときはケダモノみたいに声を上げていたのに、攻められた途端声を押し殺して堪えている。



打ち付ける動きを徐々に早めると、肉のぶつかり合う音が室内に広がり始めた。
漏れた愛液によって湿り気を帯びた音が狭い寝室で、ぱちゅんぱちゅんと木霊する。
つれて噛み付きも強くなっていく。痛みは感じても、苦しいとまではいかない程度の愛咬。
それさえも快楽の一つとして射精感に拍車を掛けていく。




夕立とは遅れたタイミングで絶頂を迎え、びゅるびゅると精を吐き出す。
何度脈打ったかわからないくらい出たのではないかと、自分でも驚くほどの量。
結構溜まってたんだなぁ、なんてぼんやりと考えてから、萎えてしまう前に引き抜かなければと思ったところで。



「あれ、俺ゴムしてたっけ……?」



気持ちの良い汗が伝っていたところを、後を追うようにして冷や汗が流れ始める。
嫌な予感がする。久しぶりだから気持ちよかったと錯覚していたのは、まさか。
いつもより沢山出た気がするのは、溜まっていたのではなく生だったからなのか。
酷く混乱し、この先見る光景がどれだけ恐ろしいものかと焦り、慌てているところに夕立がトドメを刺した。



「んふっ♪ お腹いっぱいっぽい!」



はにかんで、下腹部を撫でさする夕立を見て轟沈。やってしまった。
今日が大丈夫な日なのか、危険な日なのか。いや、そうじゃない。
できちゃったのかできてないのか、そこに尽きる。
遅かれ早かれ出来ていたとは思うが、まさかここでやってしまうとは。
ずるりと引き抜かれた夕立の秘所からドロリと垂れ落ちる、愛液と混ざり合った白濁液が。




「あ……提督さん、まだまだいけるっぽい♪」



萎んでいた肉茎はいつの間にかパンパンに腫れ、二戦目突入の準備が出来ていた。
膣中で出すつもりなぞなかったくせして、出された光景を見た途端、その淫猥さにおっ勃ててしまうなんて、なんと情けない。
しかし現状は夕立の言うとおりまだいけるし、むしろやりたい。
はっきりと生夜戦をしているという自覚もないまま終わってしまっては損ではないか。
とりあえずはもう一度、その後まだ出来そうなら脱がせてからもう一度やらないと終わるに終われない。
何度出そうがもう関係ない、いけるところまでいって愉しまないと損ではないか。
半ば自棄になっている自分にそう言い訳をして、夕立を押し倒す。



「夕立もまだできそうか?」

「うん……まだまだ、全然足りないっぽい」

「なら決まりだな」



夕立の了承も得たことだし、二戦目に突入することに決めた。
そろそろ身を固めてもいいかなとも考えてたし、仮に夕立が妊娠したとなれば危険な海に出すこともなくなる。
同じ海に出ている娘たちに失礼な物言いと捉えられなくもないが、決して疚しい意味があっての考えではない。
中出しをしてしまった事実を前向きに考えつつ、再び夕立に覆いかぶさった。




……



「あったかーい♡」

「あー……眠い……」



結局何回交わったのだろうか、とにかくアソコが痛い。
同じだけやったはずの夕立はというと、然程といった具合で見た感じまだいけそうである。
艦娘恐るべしというべきなのだろうか。仮に艦娘でなかったにしても同じに感じてしまうのは気のせい。
情事の後に立ち込める特有の匂いも気になるが、真冬の真夜中なので換気をする訳にもいかず。
時間が時間なのでシャワーを浴びることも諦め、暖を求めて狭い煎餅布団の中で寄り添う。
二人の色々な体液をたっぷり吸った布団が生々しい。この布団は今後、夜戦用として使おう。
無理そうなら捨てる。家具コインにも困ってないし、新調するとしよう。



「てーとくさん♪」

「ん──……ほら、もう寝るよ」

「はぁい……」



キスをせがんでくる夕立に一回だけキスをして宥め、寝るように促す。
この疲弊感では身体が保たないし、時間的にも寝ないとまずい。
月や星たちは未だ夜空で輝いているが、ふと時計を見ると時刻は四時を過ぎている。
正月だし、たまには寝坊をしても許されるのではないかとも思ったが、誰かに起こしに来られるのもまずい。




「明日、みんなで羽根突きしよ?」

「おう、頑張ってな」

「てーとくさんも一緒にやるのよ?」

「はいはい、わかったから」

「ほんと? 約束よ?」

「朝ちゃんと起きれたらな。もし夕立が先に起きたら、起こして欲しいな」

「それじゃあ、きまりね……」



見かけによらず疲れていたようだ。遊ぶ約束をすると、すぐに瞼を閉じて寝息をたて始めた。
いや、あれだけ激しく攻めて攻められとやったのだから疲れないほうがおかしいか。



「おやすみ、夕立」



朦朧とし始めた意識の中、夕立におやすみをして瞼を閉じる。
去年はありがとう。今年もよろしくお願いしますと、最後にそう呟いて。




……



妖精「ロリコン提督がただ夕立とまぐわってるだけだった」

妖精「うちの鎮守府じゃ榛名とまぐわってるし、正月早々どうかしてる」

妖精「まともな鎮守府はいつ見つかるのだろうか……」

妖精「はぁ……またあの妖精さんに逢えないかなぁ」

姫初め書いてたら嵩張った上に一年前の榛名のと比べて成長してない。
でも捨てるに捨てきれず。長いのでスレ立てて、また思いつきをぼちぼち書いていけたら。
課題はいくつもあるので、とりあえずうまくなりたい。
夕立も可愛いのでぜひ育ててあげましょう。

http://i.imgur.com/aO9W9J0.png

すみません、以上です。
次から地の文なくなります、台詞だけかと

今さらですが微エロ微グロ含みます。







妖精「冬の工廠は特に冷えるなぁ」

妖精「いい寝床ないかな……艦娘の部屋はなんか嫌だし」

妖精「提督の寝室は毎晩啼き声うるさいし」

妖精「執務室は執務室で艦娘がソファで寝てるし」

妖精「安寧の寝床が見つからない」

妖精「今日もここより居心地の良さそうな鎮守府を目指していざゆかん」フワッ




……


【大鯨着任から約一月が経過した鎮守府】



大鯨「て・い・と・く! お昼ごはんのお時間ですよ♪」

提督「ああ、もうそんな時間? ごめん、今日のお昼は?」

大鯨「大鯨特製カレーです♪」

大鯨「自信作なので沢山食べてくださいね? いっぱい作りましたから!」

提督「カレーか。大鯨のカレーは本当においしいから大好きだ」

大鯨「まぁ……嬉しい……」

提督「……いつもありがとな。必死になって探した甲斐があったよ」

大鯨「提督ったらお上手なのですから」ウフフ

提督「だって着任してから秘書任せて、ねぇ?」

提督「料理とか、掃除とか頼んでばっかりで申し訳ないというか」

提督「嫌だったら言ってよ?」

大鯨「そんな、とんでもないです!」

大鯨「私が好きでやらせて頂いていることなので、気を遣わないで下さいね?」

提督「そう言ってくれるのはいいんだけど……。無理なことがあったら言っていいんだからね?」

大鯨「無理なんて……私、提督の為なら何だって出来ます」

大鯨「いえ、やりたいです」

提督「そ、そうか? ならいいんだけど……これ以上頼めることもないし」

大鯨「はい、何でも仰ってくださいね?ニコニコ

提督「……うん。とりあえずご飯にしよっか」

大鯨「はいっ♪」





……



大鯨「今日は、いつもと違うのわかりますか?」

提督「カレー?」モグモグ

大鯨「はい♪」

提督「そうだなぁ……お肉がいつもと違う食感?」

大鯨「気づいてくれましたか?!」キラキラ

提督「お、おう」

大鯨「私、大鯨の名前にちなんで、鯨肉を使ってるんです!」

提督「へぇ……よく仕入れたね」

大鯨「たまたま売っていたので、ぜひカレーに使おうと思いまして♪」

提督「うん、いつもとは違うけどやっぱりおいしい」

大鯨「お水も、蒸留水を使っているんです!」エヘン

大鯨「自分で作ったので、品質は自負しています……どうでしょうか?」

提督「いいんじゃないかな、大鯨のなら安心安全だよ」

大鯨「そう言って貰えるだけで、もう、もう……」

提督「それでさ、少し気になったんだけど……」

大鯨「? はい」

提督「手の包帯グルグル巻きなの……怪我でもしたの?」


大鯨「これは……料理中に、少し切っちゃって」

提督「大丈夫なのか!?」ガタッ

大鯨「お風呂に入ればこれくらい、すぐ治りますよぅ」

大鯨「……もしかして、これが気になって提督の食事に差し障りでも」

提督「そんな、俺のことはどうでもいい。ただ心配で」

大鯨「ぁ……心配してくれたのですね……?」

提督「当たり前だろう。大切な大鯨にそんな、俺のせいで」

大鯨「提督は悪くありません!」ガタン!

提督「」

大鯨「あ……すみません、その……」

提督「……ごめん。無事ならいいんだ」

大鯨「はい……」

提督「大鯨がカレー食べないのも、食べれないからだよな。手が使えなくて」

大鯨「大丈夫です、利き手の左手は無事ですから……」

提督「食べづらいかもしれないけど、あーんしてあげようか?」

大鯨「!」

提督「その、嫌ならいいんだ」

大鯨「く、ぅ……」ギリ…

大鯨「……すみません、気分じゃなくて。提督が食べてくれたら、それでいいのです」

提督「……そっか」


大鯨「提督は、いつものカレーと、今日のカレー」

大鯨「どっちがいいですか?」

提督「俺は……今日のカレーのほうが好きかな」

大鯨「よかったです♪」

提督「……ただ」

大鯨「……」

提督「この一ヶ月、料理上手な大鯨が料理中に怪我をすることは、なかった」

提督「もし今回のカレー作りがいつもと違って、怪我をするような危険な手順があるなら」

提督「俺はいつものカレーのほうが好きかな」

提督「大鯨は俺のことを良く思ってくれて、色んなことをしてくれるし、さ」

大鯨「……」

提督「やっぱり、大事な人に傷ついて貰いたくないし」

提督「さっきみたいに、ぎくしゃくするのも嫌なんだ」

大鯨「……だから、私は錬度が拾われたときから変わらないのですか?」

提督「? なんでいきなり出撃の話に」

大鯨「答えてください!」

提督「……傷ついて欲しくない。だから出撃させないんだ」

提督「錬度については……上げたいっていうなら、大鯨の意思を尊重しようと思う」

大鯨「そう、ですか」


大鯨「……すみません。取り乱してばかりで」

提督「ごめんな。今日はもう休むといい」

大鯨「え……?」

提督「後の仕事は金剛にでも頼む。大鯨は入渠後、自室で英気を養って欲しい」

大鯨「そんな! 提督と一緒にいます!」

提督「命令だ。休みなさい」

大鯨「なん、で……」ポロポロ

提督「……大事だからだ」

提督「大鯨、キミが私の起きているうちに休んでいる姿を見たことが、記憶上一度もない」

提督「一度も、だ」

大鯨「だって、私を、あの海からっ救い出してくれたのは! 他、ならない、提督じゃ、ないですか」エッグ

大鯨「貴方には、恩があります、私が、そうするだけの」ヒッグ

大鯨「私が、そうしたいんです。貴方に、恩返しがしたくて、ただ」

提督「……私が、重荷になっていたのだとしたら謝る。すまなかった」

大鯨(キミ……ワタシ……)

大鯨(どんどん、距離が……離れていく……)

提督「とりあえず、今日は休んでくれ」

提督「明日、一度話そう。今後どうするか」

大鯨(アァ……もう……どうして……?)





……



大鯨「こうして、貴方の為だけに……ッ!!」グッ…

ザクン!     ボタボタッ…

大鯨「~~~~~~ッッ!!!!」

大鯨「っっはぁ、っはぁ、っはぁ……」

大鯨「特製カレーを作ってあげて……!」

大鯨「いっぱい工夫して……!」チョロチョロ…

大鯨「これ以上ないくらい……努力してるのに……!」カチッ

シュボ…

大鯨「お水だって……私ので……!」

大鯨「貴方の身体には、たくさんの私が流れているというのに……」

大鯨「どうしてなの……ねぇ……?」

大鯨「おいしい、って言ってくれたのに……」

大鯨「違う女に仕事を任せるなんて……」

大鯨「違う女のご飯を食べようだなんて……」

大鯨「錬度も99で、いつでもケッコンくせして」

大鯨「……私なんて! 錬度すら上げてもらえないのに!!」

大鯨「大事! 大切! 全然大切じゃないじゃないッ!!」ブンッ

ガッシャアアン!     パリン>

大鯨「あぁ……提督……」ペロ…




……





妖精「この鎮守府もだめかぁ」ハァ…

多分続く。

>錬度も99で、いつでもケッコンくせして

ケッコンできるくせして、です。脱字スマソ(テヘペロ

もっとエロを書いて詫びろと天が申しておるぞ

>>35
投稿スレに出来損ないの即席ss置いてきたのでよろしければ。


翌日。



提督「おはよ……う」

大鯨「はい、おはようございます♪」ニッコリ

提督(目が真っ赤っかで、隈やばいぞ……どうしたらこんな、一晩で)

大鯨「どうか、しましたか?」

提督「あ、ぁ……大丈夫かなって」

大鯨「手のことでしょうか? それなら、ほら……」

提督(よかった、ちゃんと治ってる)

大鯨「提督が、治してくださいって望むので、はい♪」

提督「……」

大鯨「今日は、他の娘はいないのですね?」キョロキョロ

提督「あぁ。仲直り、って言うのもおかしな話だけどな」

提督「一ヶ月で、丁度いい節目だ。今後の方針について、決めようと思ってな」

提督「それで、よければまた大鯨に秘書になってもらいたいな、って」

大鯨「はい! 私も、昨日提督に今後について決めようって言われて」

大鯨「そうだなぁ……って。私自身、そうしないとダメかなって思ったんです」

大鯨「もう、我慢できそうになくて」

提督(やっぱり、何か溜まってたんだな)


大鯨「提督は、私の意志を尊重してくれると言いました」

提督「あぁ、確かにそう言ったし、そう思う」

大鯨「でも、私は自分の意見より、提督の意見のほうが大事なんです」

大鯨「でもこれって、矛盾してましたよね」

大鯨「提督が、私の意見を尊重してくれるって言ってくれてるんだから」

提督「そう……だな」

大鯨「提督は、どこまで私の言うことを聞いてくれますか?」

提督「聞けることなら、なんだってできる……やりたいと思ってる」

提督(好きなんだから、それくらい……)

大鯨「本当ですか!?」

大鯨「じゃあじゃあ、昨日私に『大事』って言ってくれたのは、本当ですか?!」

提督「……うん」

大鯨「嬉しい……」

大鯨「……どれくらい、大事ですか?」

大鯨「金剛さんより、大事ですか?」

提督「どうして金剛が出てくる」


大鯨「だって昨日、私を押しのけて、金剛さんにお仕事任せるって」

大鯨「おかしいですよね。私の言うこと、おかしかったですか?」

大鯨「私が提督と一緒にいたい、っていうの。聞いてくれなかったじゃないですか」

提督「それは……何かおかしいと思ったし、無理させてるのかなって思ったから」

提督「言っただろう、休んでくれって」

大鯨「でも、一緒にいたいっていうのを無視して、提督はあの人を呼んだじゃないですか?」

大鯨「私のこと、大事じゃないんですか?」シュン

提督「いや……もう、なんて言えばいいのか」

大鯨「お互い言い分があるのはわかってます」

大鯨「昨日もきっとそうで、どっちも間違ってないのだと思ってます」

大鯨「だから、うまく折り合いをつければ、執務室で休むとか、いくらでも方法はあったはずなんです」

提督「それは、まぁ」

大鯨「なのに、どうして違う人を呼んだのですか?」

大鯨「私のこと、大事じゃないのですか?」

提督「大事だ」

大鯨「どれくらい、大事なのですか?」

提督「他の子と同じくらいだ。皆、掛け替えのない大事な仲間だ」

大鯨「大事って、なんでしょう?」

大鯨「皆と同じって、それって本当に大事なんですか?」


提督「大事に上も下もない。大事は大事だ」

大鯨「そう、ですか……」

提督「……ごめんな」

大鯨「……でも、納得いきません」

大鯨「提督、好きな人はいらっしゃいますか?」

提督「いるよ」

大鯨「その人が、提督のことも大事だけど、他の提督も大事って言ったら、どう思いますか?」

大鯨「その気持ち、わかりますか?」

提督「……」

大鯨「全部大事。この鎮守府も、艦娘も、提督も、海軍も、全部全部大事で」

大鯨「提督は、その中の一つに過ぎないって言われたら」

大鯨「大事に思われていると、思いますか?」

提督「……」

大鯨「好きな人に、一番に大事だと思われたい」

大鯨「おかしいことですか?」

提督「……」

大鯨「先程の提督の言ったことを当てはめたら……おかしいって」

大鯨「私、否定されちゃうんです」

大鯨「大好きな、最愛の……提督に」

提督「……」

大鯨「答えてください……お願いします」




直下コンマ
偶数で→おかしい
奇数で→おかしくない
ぞろ目で?

今日はここまで。
前作に続いて、拙いものを読んで貰えるのは嬉しい限り
コンマ判定とか今後もらうなら、上げて更新したほうがいいのか……


提督「……おかしく、ない」

提督「大鯨の気持ち、何も考えてなかった……すまなかった」

大鯨「ていとく……!」

提督「俺の好きな人って、大鯨のことなんだ」

大鯨「えっ!」

提督「一目惚れだった。秘書にしてから、器量も良くて料理もうまいことがわかって」

提督「どんどん好きになってって……」

提督「もし、大鯨が他の提督に好きとか大事だって言ってたらって思っただけで、耐えられない」

提督「……すまなかった」

大鯨「……ううん、いいんです。提督が私の気持ちをわかってくれただけで、嬉しいのに」

大鯨「好きだって言ってくれて。私、やっと大事にされてるってわかって……」

大鯨「嬉しくて、涙が出ちゃいます。私をずっと出撃させなかった理由、訊いてもいいですか?」

提督「もし死んでしまったらって思っただけで、海に出すのが怖かったんだ」

提督「他の子もそうだけど、大鯨は特にそう思っていたから……!」

大鯨「提督の口からその言葉が聞けただけで……あぁ……」

大鯨「私、意地悪をしてしまいました。提督は優しいですから」

大鯨「きっと、皆が大事だって言うのをわかってて聞きました」


提督「……一緒に戦ってきた仲間、だからな」

大鯨「でも、提督が本当に一番大事なのは私で、私が好きだと」

大鯨「私も一緒です。提督のこと、誰よりも好きで、大事です」

大鯨「……だから、提督が他の子と一緒にいたり、好かれたりしているのが私は許せないんです」

提督「そう……だよな……」

大鯨「ここにいる子は皆、提督のことを慕っています。少なくとも、嫌ってる人がいるようには見えません」

大鯨「すごく、不安なんです。提督が取られたりしないかとか、言ってしまえば犯されたりしないかとか」

大鯨「すごく、嫌なんです。私だけの提督を、他の子が我が物顔で振舞うのが」

大鯨「誤解を招かないように言いますけど、提督が浮気するのではないかとか、そういう風には一切考えてません」

提督「……どうしたら、大鯨は納得してくれるんだ?」

提督「きっと、二人で納得できる方法があるんだ」

大鯨「はい。今後のことを決める、ということでしたよね」

大鯨「提案があります。今後一緒にいる上で、これが一番いい方法だと思うんです」

提督「……どんな?」

大鯨「幸い、ここには提督以外の男性、もとい人間がいませんから……」

大鯨「提督の気になる、私が他の提督や男性に靡くとか、一切ありません」

大鯨「私が気になる、提督の大事な仲間たちと仰る艦娘だけどうにかできれば」

大鯨「それが消えてくれたら、邪魔者はいなくなるんです」

提督「消えるって、そんな」

大鯨「ここで、その提案です」


大鯨「他の艦娘を、全部私に充てたらどうでしょうか?」

提督「あて、る……?」

大鯨「近代化改修で、私の一部にしてしまうんです♪」

大鯨「そうすれば、皆さんは私の中で生き続けますから」

大鯨「これなら、二人の心配事が除かれた上で鎮守府生活を営めるんです♪」

大鯨「二人っきりで……素晴らしくないですか?」

提督「そんなことしたら、出撃は……」

提督「そもそも、解体や改修された艦娘がどうなるかなんて、俺は知らない……」

提督「殺すのと、変わらないんじゃ……」

大鯨「だから、無駄にはならないようにする為に近代化改修に使うんじゃないですか?」

大鯨「仮に死という結末を迎えてしまっても、前向きに考えられるように」

大鯨「資材になった艦娘を見て、戦死した艦娘を見て……提督は大事にしたと思いますか?」

提督「いや……そうじゃなくて……」

大鯨「だったら、私の改修に使うのが一番だと思うんです♪」

大鯨「それに出撃を気にかけてますけれど、しなくていいじゃないですか」

提督「え……?」

大鯨「だって、納期もノルマも、何もないじゃないですか?」

提督「それは、そう、だけど……」

大鯨「必死に深海棲艦ばっかり殺してきて……まるで、それが使命かのように、任務を受けて」

大鯨「そのおかげで私と提督は出会えましたけど、もう必要ないですよね?」

提督「本営に何か言われる……言われたことがないから、でも急に戦果がなくなれば……」

大鯨「そしたらそれは……そのとき考えましょう!」

大鯨「今は、今鎮守府にいる人たちをどう処理するか、です」



妖精「提督は、何か観念した様子で次々と近代化改修を始めましたとさ」

妖精「咽び泣いて、大鯨に抱きしめられて、改修を行って、次の五人を呼び出して」

妖精「何が起こるか理解した艦娘が慄いて、それを見て嗚咽して吐いたり、大鯨に励まされて、改修を行って」

妖精「次第に言葉も無く、目も虚ろで、俯いたままだけど大鯨に言われるがまま改修を行って」

妖精「人間が壊れる様子というのか、なんというのか、生々しいなぁ」

妖精「艦娘が壊されて改修の素材にされていく中、提督も壊れていってって」

妖精「やり終えた提督が、大鯨によしよしされて、提督もずっと縋り付いたままで」

妖精「あの鎮守府は近いうちに無人になりそう。事故物件的な」

妖精「……」

妖精「お次の鎮守府いってみましょーか」

正直どうしてこんな風にしたのか……
山無し意味無し落ち無しでもう
もしかしたら続かない。




【こんなことがあったかもしれない鎮守府】




大淀「着任歓迎致します、提督」

提督「うん、これからよろしく」

大淀「はい、よろしくお願いいたします」

大淀「私、大淀も艤装を得られれば戦線に加わります」

提督「そうなんだ?」

大淀「同様に工作艦である明石も艤装の入手によって戦線に加わります」

提督「んー……よくわかんないけど、艤装を手に入れたらいいのね?」

大淀「仰るとおりです」

提督「うーん……着任したててよくわからないから、一から説明頼めるかな?」

大淀「はい、了解致しました」

大淀「まずは、初期艦と呼ばれる艦娘の選定から入りましょう」

提督「よろしくおねがいしまーす」





……



大淀「一通りの説明が終わりました」

電「よろしくなのです、司令官さん」

提督「うん、よろしく」ヨシヨシ

提督「要するに、建造とか攻略した海域で艦娘を手に入れて」

提督「より強力な艦隊を作り上げて、深海棲艦に対抗してくださいと」

大淀「はい、そうです」

提督「開発とか遠征といったシステムも運用して、うまくやってっていけば問題ないよね?」

大淀「仰るとおりです。さすが提督です」

提督「大淀の説明がすごくわかりやすかったからね」

提督「それで、一つ質問してもいいかな?」

大淀「一つでも、いくらでもお答えしますよ」

提督「建造で出来る艦娘なんだけど、なんていうのかな」

提督「貴重だったり、とても頼りになる戦力を持つ艦娘」

提督「こーゆー艦娘も、普通の建造でできちゃうの?」

大淀「……と言いますと」

提督「いや、同じ資材ぶっこんでもできるのが色々だとさ」

提督「うまくいきすぎな感じがするというのか」


大淀「……さすがですね」

大淀「仰るとおりです。より強力であったり、貴重な艦娘を作るためには」

大淀「普通の建造とは異なる方法で作られるしかありません」

提督「なんか嫌な予感がしたのはそれかー」

大淀「まず、建造の種類についてご説明をさせて頂きます」

大淀「通常建造、大型建造、特殊建造。この三つから成ります」

大淀「艦娘にはレアリティというものがありまして、六種類ございます」

大淀「そのレアリティは艦娘の登録証の背景の色で決まっているので、そちらを見ればわかります」

提督「ええっと……電は水色というか、青というのか」

大淀「そちらは、コモンと呼ばれる一般的なものでして、レア度にすると最低です」

電「なのです……」シュン

提督「気にするな、電。俺の初めてはお前だ」ヨシヨシ

電「なにか引っかかる言い方なのです……」ウーン

大淀「通常建造で作れる艦娘は、レア度にして3、背景が銀色のレア艦娘だけですね」

提督「へー! 普通の建造で真ん中まで作れちゃうんだ!」スッゲー!

大淀「次に大型建造ですね」

大淀「こちらは資材をより多く使っての建造となります。こちらはレア度にして最高値の6、スーパーホロ艦娘まで作れます」

提督「SUGEEEEEEEEEEEEEEEEEEEE!!!」


提督「なにそのスーパーサイヤ人みたいなの!」

大淀「はい。戦闘力も優れたものが多く、また、贔屓目に見なくても見目麗しい艦娘ばかりです」

提督「え、艦娘って美人ばっかじゃん。つまり超美人?」

大淀「提督の好みに沿えるかはわかりかねます」

提督「ふむ……そんなすごい子が、多めの資材を突っ込んじゃうだけで出来ちゃうってやばくね?」

大淀「そう思いがちですが、使う資材の量がとてつもなく膨大です」

大淀「また、建造可能な確立は低く、普通の建造で出来てしまう子ができて終わり、ということが大抵です」

提督「賭けにでるってことか……」

大淀「なので、艦娘が揃ってきて資材貯蔵量が増えたり、言ってしまえば提督としてのレベルが上がったときに」

大淀「大型建造に移行される方が多いですね」

提督「なるほど……」

大淀「それでも最低でレア度3の銀背景、レア艦と呼ばれる艦娘から上の子しかできませんので」

大淀「大型建造に使う資材を最低値でやる分にはいいかもしれません」

大淀「その辺も、今後提督をやっていて自ずとわかってくると思います」

提督「わかった」

提督「それじゃあ最後に、この嫌な予感のする特殊建造なるものについて詳しく」

大淀「特殊建造……これはですね」

大淀「購買にある特殊資材を提督自らのお金で購入して頂いて、それを使用して建造するを指します」

提督「やっぱりな」


大淀「それも、三種類あります」

大淀「金、虹、輝く虹です」

大淀「順に一個当りの値段が500、1000、1500円となっております」

提督「その値段の違いは?」

大淀「使う特殊資材の、その色に対応した背景色の艦娘ができやすくなる、というものです」

大淀「金から順番にレア度が4、5、6となっています」

提督「輝く虹、か……字面だけでも凄そうだが、やはり値段も高いんだな」

大淀「あくまでできやすくなる、というものです。どれ程のものかは、私でもわかりません……」

大淀「軍も資金面では苦労しているらしく、提督に支給される給料も安くはありませんから」

大淀「少しでも回収して、やりくりしたいのだと思います」

提督「まあ、ドブに金を投げ捨てるわけではないなら、やるのも吝かではないな……」

提督「ちなみに大淀さんの背景は?」

大淀「……これです」チラッ

提督「うっひゃー虹色! レア度5! ってことはすっげー優秀なんだ! すっげえええ!!」

大淀「そんな、それほどでも……」

提督「てことは、大淀さんは大型建造で?」

大淀「大型建造では、まだ私は作れないんです」

提督「ほんげええええええ!!! でも傍に居てくれるだけで助かるから、無理しなくていいのかな?」

電「……」クイクイ

提督「ん? どうした?」

電「……大淀さんは、戦力としても申し分ないのです」

提督「すげえええええ! 艤装欲しい!! 大淀って呼んでごめん! 大淀さんが欲しい!」

大淀「……///」


大淀「……その、一部海域で手に入ったのですが、今はもう」

提督「そっかー……残念」

大淀「で、でも! 特殊資材を使えば……できないことは、ないです」

提督「そうなの?」

大淀「普通の建造でできるできないは、本営が建造の検証を重ねてからおおよその作り方を見出すのですが」

大淀「今はまだできないみたいなのです」

大淀「ですが、特殊建造だけは別枠で、どんな艦娘でも作れる可能性があるんです」

提督「もうこれ買い漁るしかねえな。金あんまりないけど鎮守府ライフの為なら仕方なし」

大淀「……やる気を削ぐようなことを言っても大丈夫でしょうか?」

提督「なんだろうこの嫌な予感」

大淀「その、艦娘には改装というものがあります」

提督「改装……進化みたいなもの?」

大淀「そう考えてもらっても構いません。そして、その進化のことなのですが……」

提督「まさか……」

大淀「改装を終えた艦娘が、レアリティが上昇することがほとんどなのです」

提督「つ、つまり」ゴクリ

大淀「例えば、金の特殊資材を使って建造をしましょう。そして、金背景の艦娘が見事、できました」

大淀「……元々が銀背景で、改装によって金背景になった艦娘が、出来上がったという事例もあります」

大淀「特殊建造では、改装後の艦娘のレアリティも含まれる、ということなんです」

提督「もう進化の手間が省けたって前向きに考えるしかないじゃん」


提督「百聞は一見に鹿の糞、やってみるのが一番早い」

大淀「特殊建造の場合は、通常建造と同じ量の資材しか使わないので安心して下さい」

提督「そうなの? よくわかんないし適当に資材買って、特殊資材はこの一番高い1500円の買っちゃお」

大淀「あっ、ちょ」

提督「なんか資材増えた。全部1000くらいあればいけるよね?」チャカチャカチーン¥

大淀「あぁ……いきなりそんな奮発しなくても」

提督「でもこれで大淀さん出ちゃったらどうするよ」

提督「やべー幸先良すぎるわって、もう鎮守府生活が安泰間違いなし」

大淀「もう……」

提督「じゃーやってみますか」

提督「なんだっけ。すぐ建造するのってバーナーっていうのがいるんだっけ」

大淀「特殊建造の場合はバーナーはいりません。すぐに出来ます」

提督「そうなん? じゃあ、あとはこれ押すだけかな?」ポチッ

大淀「では、工廠に向かいましょう! もう居る筈です!」

提督「なんかアレだな、デジャブっていうのか」

提督「この前までやってたスマホゲーのレアガチャ」

大淀「それ以上は言ってはいけません」

提督「あっ、はい」





……


シュウウウ……



提督「おっ、なんだなんだ!? 誰かいるぞ!」

大淀「あっ……」(察し

雷「雷よ! かみなりじゃないわ! そこのとこもよろしく頼むわねっ!」ビシッ

電「あ……お姉ちゃん!!」ダッ

雷「電じゃない!」ダッ

電「早速お姉ちゃんに会えたのです! 嬉しいのです!」ダキッ

雷「私も会いたかったよ! 元気にしてた?」ワシワシ

電「実はまだ着任したてなのです」エヘヘ

提督「なんだかすごい微笑ましい」

大淀「これは……」

提督「ん? 大当たり?」

雷「貴方が司令官?」

提督「そーだよ。お前さんは?」

雷「雷よ。これ、登録証!」つ

提督(電と変わらない色……つまり……)

電「……」ゴクリ


提督「あれ、でもさっきお姉ちゃんって」

電「電のお姉ちゃんなのです」

雷「そうよ! お姉ちゃんなんだから、私に頼っていいのよ!」

提督「……すげーじゃん」

大淀「!?」

提督「こうして、いきなり姉妹出会えるなんて……運良すぎでしょ」

電「司令官さん……」

提督「大枚を叩いた甲斐があったってもんだな」

雷「?」

提督「大淀の艤装は、とりあえずは置いておこう。でも、サポートは任せたいな」

大淀「はい、畏まりました」

提督「よし、後は普通の建造を何回かやってみて、仲間を増やしてから出撃としようか」

提督「今日はもう休もうか。鎮守府を見て回るのもあるし」

雷「私もついてくー!」

電「電もよろしければ……」

提督「よーしついてこい! 危なそうなところには一人では入るなよ!」

「「はーい!」」

大淀(平和、ですね……)



妖精「この鎮守府に住もうかな」

妖精「いきなり資材買ったり見てて危なっかしいけど」

妖精「一から少しずつ成長してくのを見守るのも、楽しそう……」

ここまで。
そこらのネトゲみたいになってたら、もっとえげつないシステムとか課金アイテムがあったんだろうなと

今更ですが、当世界観チグハグであったり、ありえない事が茶飯事で起きています。

たぶん続く。

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom