光彦「僕がオリジナルになるんです!」 (21)
ある日の事。
コナン「おーい、光彦」ポチッ
光彦「なんですかコナンk」ドカーン
光彦「」
コナン「あー、朝っぱらからの爆破は楽しいぜ」
歩美「おはよー、コナン君」
元太「おう」
灰原「おはよう……」
コナン「おう、おはよう」
歩美「あ、また光彦君を爆破したの?」
灰原「あなたも好きね」
コナン「もう朝の挨拶がわりみてーなもんさ」
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灰原「程々にしなさいよ」
コナン「まーほっときゃ生き返るさ」
歩美「だよねー」
コナン「元太、食うか?アレ」
元太「いらねーよ。うな重味でもいらねーよ」
コナン「だよな」
HAHAHAHA
コナン「さ、学校行こうぜ」
歩美「うん!」
光彦「」
光彦「……うう」ウニョウニョ
光彦「何故いつも僕ばかりがこんな目に」
光彦「度重なるスイッチによる虐待・拷問・果てに殺害」
光彦「その度に生き返る僕。いっそ楽になれたら良いのに……」
光彦「こんな世界もう嫌だ!何でこんな目にあうんですか!」
光彦「いっそ違う世界に行けたら……」
阿笠「行きたいかね?」
光彦「うわぁ!?博士!?」
阿笠「ワシじゃよ」
光彦「な、何ですか博士?!また僕にひどい事をする気ですか?!」
阿笠「ホッホッホ、確かにいつも君を苦しめているスイッチを作っておるのはワシじゃよ。じゃが、今日は違うぞい」
光彦「じゃ、じゃあ何ですか?」
阿笠「光彦君。さっき違う世界に行きたいと言うておったの?」
光彦「え、ええ」
阿笠「なら、コレをやろう」スッ
光彦「な、何ですかこのスイッチは?」
阿笠「このスイッチを押せば君の願いは叶うぞい」
光彦「だから、何ですかこのスイッチは?!」
阿笠「このスイッチを押せば、君の身体はこの世界とは別の世界に飛ばされる。どんな世界かまでは保証せんがの」
光彦「違う世界に......」
阿笠「さよう。いわゆる平行世界と言うやつにの。大まかな中身は同じじゃが、少しずつ異なる世界じゃ。ボタンを何度も押せばその度に世界は切り替わる。いつかは君の望む平和な世界に行けるかも知れんぞい」
光彦「な、何故これを僕に......」
阿笠「何。今までの君への仕打ちに良心が咎めての。せめてもの罪滅ぼしじゃ」
光彦「博士......」
阿笠「では、くれぐれも悪用するんじゃないぞい」
光彦「あ、待って下さい!何故ボタンが3つあるんですか!?」
阿笠「おお、忘れておったの。真ん中の赤いボタンが移動スイッチ。左の黄色いボタンがリセットしてこの世界に帰るスイッチ。青いボタンは......。押してはならんぞい」
光彦「な、何故です?」
阿笠「その青いボタンは行き先が決まっておる。そして、その世界は行ってはならん世界じゃからの」
光彦「行ってはならない世界?」
阿笠「さよう。決して押してはならんぞい」
光彦「は、はあ」
阿笠「では、さらばじゃ」
光彦「......」
光彦「......このスイッチ、本物でしょうか」
光彦「また押した瞬間爆発したり下痢をしたりしないでしょうか?」
光彦「......でも、罠だとしてもこのまま苦しみ続ける位なら!」ポチッ
光彦「あっ、しまった......!青いボタンを押してしまいました!」
ピカッ
光彦「ひ、光が......」
光彦「......ど、どうなったんでしょう?」キョロキョロ
光彦「辺りが暗いです......。夜?さっきコナン君に爆破された時は確かに朝だったのに?」
光彦「本当に違う世界へ来たんですか?」
ピーッ、ピーッ
光彦「ん?スイッチから音がしますね?」
「このバカモノが!青いボタンを押しおったな!!」
光彦「この声は博士?!」
「あれほど押すなと言ったじゃろう!その世界はワシらの触れてはならん世界なのじゃぞ!」
光彦「どういう事ですか?!」
「その世界はワシらの世界のオリジナルなのじゃぞ!」
光彦「オリジナルですって?!」
「そうじゃ!ワシらの存在する世界はその世界......。【名探偵コナンの世界】から分岐した数あるコピーの1つにすぎんのじゃ!」
光彦「何ですって!」
「そのオリジナルの世界で何かあれば全てのコピー世界に影響が出る!すぐにリセットボタンで元の世界に帰るんじゃ!」
光彦「......」
「光彦君?聞いておるか?光彦君!」
光彦「あっ、手が滑りました」ガシャッ
「な、何を......」
光彦「あっ、手が滑って近くにあったコンクリートブロックがスイッチに」ガシャッ
「......」
光彦「......この世界が、僕達の世界のオリジナルと博士は言いました」
光彦「なら、オリジナルの僕もいるハズです!」
光彦「その僕と入れ替われば、もう僕は不変の存在になれるハズです!」
光彦「ふふ、ツキが来ましたよ!」
光彦「そうと決まれば行動開始です!」
光彦「あれからしばらくこの世界を調べました」
光彦「途中警察に補導されかかったり大変でしたが」
光彦「幸い、お金も持っていたし家や物置の鍵は僕の世界の家と同じだったので留守を狙って食べ物を取ったり物置で寝れたので助かりました!」
光彦「まあ、この世界の僕が怒られた様ですがね」ニヤリ
光彦「それはさておき、この世界は素晴らしいですね」
光彦「事件が多すぎる事を除けば平和な世界です。変なスイッチも無い、虐殺も無い、僕はいじめられる事無くみんなと遊べてる様ですし」
光彦「この世界なら幸せに暮らせそうです!歩美ちゃんや灰原さんも......。ぐふふ」
光彦「その為にはこの世界の僕を消さなくては。僕が生きる為には」
光彦「準備は出来ました。後は決行です!」
光彦「さて、そろそろですね」
光彦「この世界の僕はいつも学校帰りこの道を一人で帰るハズです!」
光彦「覚悟してください、この世界の僕」
光彦「僕の為に、犠牲になって貰いますよ......」
光彦「......来ましたね」
オリジナル光彦(以下オリ彦)「明日はキャンプですからね、早く帰らないと」
光彦「......お待ちなさい」
オリ彦「だ、誰ですか?」
光彦「誰でも良いです。さよなら」キラッ
オリ彦「ナ、ナイフ?!何で僕を?!」
光彦「分からないでしょうね、あなたに僕の苦しみは......」ジリッ
オリ彦「や、やめて......。助けて......」
光彦「無理です!」グサッ
オリ彦「う、うう......っ。な、んで......」
オリ彦「み、みんな......。灰原さん......。歩美ちゃん......」バタッ
光彦「ふふ、やりました。これで死体を始末すれば僕が入れ替われる」
光彦「僕がオリジナルになるんです!理不尽の無い世界で!ハハハハ!!ハハハハ......。ハハ?」
光彦「あ、あれ?何ですか?僕の身体が......。消えていく?」
「ホッホッホ、バカじゃのう!光彦君!」
光彦「は、博士?!何処から!?」
「君の探偵団バッヂからじゃよ」
「それより光彦君。やってしまったの!」
光彦「え?!」
「オリジナルの世界の君を殺してしまったら、コピーの君も消えてしまうのは当然じゃろ?」
光彦「!!」
「不幸に取り付かれた君ならそう言う選択をするのは想像できたが、ここまで読み通りとはの!」
光彦「そ、そんな!」
「しっかし光彦、オメーバカだな!」
光彦「コ、コナン君?!」
「そもそも、絶対に行ってはならない世界へのスイッチを作ってる時点でおかしいと思わなかったのかよ?」
光彦「ま、まさか!」
「そうだよ!博士の作戦だよ!」
「残念ね、円谷君。もう少し頭が回ればね」クスッ
光彦「歩美ちゃん、灰原さんまで......」
「光彦のいない分までうな重食ってやるからな!心配すんな!」
光彦「元太君......」
「と、言うわけじゃ。そろそろ君で遊ぶのも飽きて来たわけじゃし、最期に最大級の絶望を見せて消えてくれんかの?」
光彦「そんな......。そんな......!」
光彦「僕は、僕は、何のために......。うわ、うわあああああぁぁぁぁ.........」
阿笠「終わった様じゃの」
コナン「見たかよ?あの顔」ニタリ
歩美「サイッコーだったね!」
灰原「これ以上無い惨めさね」クスッ
元太「鰻無しで飯が食えるぜ!」
コナン「ったく、博士も悪だねー」
阿笠「ホッホッホ、マンネリしたおもちゃは思い切って処分せんとな。それよりおやつにしようではないか。向こうにあるから先に行ってなさい」
歩美「はーい!」
コナン「でも、勿体無くねーか?あんな使い勝手の良いおもちゃ捨てちまうの」
阿笠「心配ないわい。全ての世界から光彦君は消えたが、ワシの発明でいつでも甦るわい」ニタリ
コナン「さーすが天才」
阿笠「ふふ、照れるわい」
コナン「しっかし、光彦がいねーと暇になるな」
阿笠「その点は心配いらんわい。ホレ」スッ
コナン「何だこれ?」
阿笠「元太君が死ぬまでうな重を貪るスイッチと歩美君と哀君が淫乱になるスイッチじゃよ」
コナン「流石博士!仕事が早いぜ!」
阿笠「ホッホッホ。光彦君、しばらくゆっくり休むが良いぞい。他のおもちゃで遊ぶからの」ニタリ
完
あけましておめでとうございます。
新年1発目、短めシンプルに書かせて頂きました
お目汚し失礼しました
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