ブラックジャックにありそうな話をSSにしていく。(75)

カルテ1『親子』

―ここはとある民家―

母「ちょいとあんた!!」

息子「なんだよかぁちゃん…俺はこれから会社なんだぜ…。」

母「なんだよじゃないわよ!!あたしをだれだと思ってるのよ!!あんたの母親よ!!」

息子「わかってるよ…。」

母「だいたいねぇあんたは―――。」
――――――――――――――

息子の妻「あなた…あなたのお母さんどうにかならないの!?いちいち掃除すると塵をさがして因縁つけるのよ!?」

息子「あぁ、わかってるよ…、あれでもうかぁさんも65だ…。
僕が35にもなって初めて結婚したからいろいろと煩くなってるだけだよ。」

息子の妻「あたし気が狂いそうよ!!家事一つ一つにけちをつけられて!!」

息子「…僕もさ…。」

息子「まるであの人子ばなれできちゃいないんだ…、いつまでも僕を小さな子供のように接してくる…いやになるよ。」

息子の妻「ねぇ…めんどうだし介護施設にあずけない!?」

息子「いや…、そんなことかぁさんが受け入れるわけがないよ…。」

息子の妻「はぁ…。」

母「ちょっとサエコ(息子の妻)さん!!なんなのこの掃除は!!こんなのが掃除と言えるの!?」

息子の妻「ほらまた!!」

息子「グゥ…。」

―息子の職場―

部下「大田(息子)さん、この書類なんですがね。」

息子「ああ、それはここだ。」

部下「この書類は!!」
部下「この書類は!!」
部下「この書類は!!」

息子「これはここ、ここはこれ、これはどこ、ここもどこ!!わたしはだれ!!」

部下「あなたは大田さんですよ。」

息子「しってるよ!!ちったぁ自分で考えやがれ!!俺を聖徳太子にする気か!!」

部下「はいはい。」

息子「(くっ…、家では嫁や母、会社じゃ部下に馬鹿にされて…心休まる場所がねーよ!!)」

―息子宅―

母「やれやれ…、サエコさん、あたしゃちょっと買い物に行くからね…そのうちに掃除やり直しておきなさい!!」

息子の妻「は…はい…。」フゥ…

母「それじゃあね…。」スタスタスタ…

息子の妻「…いったわね…。」

息子の妻「あのひとがいると疲れるわ…はぁ…。」

―電車―

母「今日は何にしようかね…。」ガタンゴトン…

母「あの嫁さんじゃ料理は下手だからねぇ…。」ガタンゴトン…

???「……席、どうぞ。」

母「ありゃ、すまないねぇ若い人。」

???「いえ…。」

母「んま、すごい傷ね、どうしたのよ。」

???「…。」

母「……わけありかい?」

???「…そういうわけではないんですがねぇ。」

母「はは、冗談よ。」

???「そうですか、笑ったほうがいいですかい?」

母「いんや、やだったら笑うのはやめておくれ。」

???「はは、愉快なお方だ。」

母「わたしゃこれから買い物なんだがそちらさんは?」

???「車がエンストしちまいましてね…家に向かっているんですよ。」

母「あら、大変ねぇ。お仕事のかえり?」

???「まぁそうなりますかねぇ。」

母「お仕事は何をなさっているんでしょ。」

???「医者をね。」

母「医者、まぁすごいんですね…息子に見習わせたいわ。」

???「…息子さんがおいでで?」

母「ええ、課長になってからは停滞してる会社員よ。最近は嫁さんもらって来たんだけどこの嫁さんが家事のひとつも満足にできないこでね。」

???「ほー。」

――――――――――

母「わるかったね、ずっと話こんで。」

???「いえ。」

母「あんたはここで乗り換えかね?」

???「はい、何分遠いのでね。」

母「あたしは買い物よ、それじゃ縁があれば。」

???「ええ。」スタスタスタ…

母「……夏なのにコートで暑くないのかしら…。」

母「ま、ひとそれぞれよね。さて、買い物買い物っと…。」スタスタスタ…

――――
作業員「オーライオーライ!!落とすなよー!!」

作業員2「あっ!!」

作業員「!び」

修正

作業員「!び」→作業員「!!」に脳内補完よろしく

ワーワー!!ギャーギャー!!

???「…む、やけに表通が騒がしいな…。」

通行人「なんの騒ぎだこりゃあ!!」
通行人2「なんか表通りで人が鉄骨の下敷きになったらしいぞ…。」
通行人「ヒエー、こええな!!」

???「……お前さんたち、その人の姿…わかるかね。」

通行人2「紫の服きた65くらいの女だとよ!!」

???「…………妙な胸騒ぎがしやがるぜ、…胸騒ぎってのは大体あたるんだ。」

ザワザワガヤガヤ…

作業員「大丈夫ですか!!大丈夫ですか!!」

作業員2「ヒェー!!えらいことをしちまった!!」

???「ちょっと失礼しますぜ。」

作業員「ちょっと、こまるよ!!」

ブラックジャック「わたしゃ医者だ、医者のブラックジャックだ。傷口をみさせてもらうよ。」

作業員2「お、お医者さま!!どうですか!?」

ブラックジャック「…これは…、幸い鉄骨じたいは頭にゃぶつかってないがそのかわり足に落ちてやがる…。」

ブラックジャック「みろ、足が膝から下が見事にぐちゃぐちゃにつぶれてやがる…。」

作業員「うぷっ!!」

ブラックジャック「しかも足を取られて転んだ時に頭を強くぶつけてる……脳内出血を起こしてるぞ…。」

ブラックジャック「ここの近くの病院は!!」

作業員「と、通りの向かいに勿欲病院があります!!」

ブラックジャック「すぐに手配しろ!!このクランケは一刻を争うぞ!!」

オムカエデゴンス!!

作業員「は、はい!!」

――――――――――――

医者「すいません、ここにはもうベットが空いてなくて。」

ブラックジャック「この患者は一刻を争うんだ!!」

医者「と、いっても…こんな町病院にゃそんな手術できるような医者はいないですよ…。」

ブラックジャック「……わかった、ならばわたしがやろう…。手術室をかせ!!」

医者「え、ええ!?」

――――――――――――

ブラックジャック「術式終わり!!」

医者「ひ、ヒエー…凄腕だ…。まさか足を復元するとは…。」

ブラックジャック「人工骨と人工皮膚で代用しただけだ…神経を繋ぐのには苦労したがね。」

医者「あ、あんたうちでつとめないか…?」

ブラックジャック「おことわりしますよ、わたしゃ一人が楽でね。それに無免許さ。」

医者「…」ゼック

ブラックジャック「あの患者はうちで保護させていただきますよ。ベットが一杯のようなのでね。」

―――――――――

息子「な、かぁさんが事故!?」

息子の妻「ええ、なんでも鉄骨の下敷きになったらしくて…。」

息子「そ、それで状態は!!」

息子の妻「なんとか助かったんですって…ブラックジャックってお医者さんのおかげで。」

息子「ほっ…。」

息子の妻「それでそのお医者さんのブラックジャックって人が来てくれって…。」

息子「わかった、会社のかえりによるよ…。」

――――――――――――

―ブラックジャック宅―

息子「すいません。ブラックジャック先生はおりますか?」ガチャッ

???「はーい、ちぇんちぇーおきゃくさんなのよさー。」

ブラックジャック「あぁ、すぐいく。」

息子「どうも、ブラックジャック先生ですか…?」

ブラックジャック「あなたが息子さんですかね?」

息子「はい。あの、母の容態は…。」

ブラックジャック「……命は助かったよ、だが…。」

息子「?」

ブラックジャック「……いや、見た方が早いな…、ピノコ、患者の所につれていってやれ。」

ピノコ「こっちなのよさ。」

息子「??」

母「…。」

息子「かぁさん、無事で何よりだよ…。」

母「……。」

息子「鉄骨の下敷きになってたと聞いたときは血の気がひいたよ!!」ハハ…

母「…………すいませんが…どなたでしょうかね?」

息子「え!?」

ブラックジャック「……。」

息子「先生!!これはどういうことですか!?」

ブラックジャック「…脳内出血によるショックで脳がやられたようでね…、痴呆が出ちまったのさ…。」

息子「な…!!」

ブラックジャック「脳に血栓があったんだ、それが今回の事故で一気に爆発したみたいでね…。」

息子「……。」

ブラックジャック「……。」

息子「……それで先生、手術代金は…。」

ブラックジャック「……それはもらえない、わたしゃ救えなかった患者の手術代金は貰わない主義なんだ。」

息子「……。」ホッ…

ブラックジャック「暫くはどこかの病院で入院させなさい。」

息子「はい…ありがとうございました。」

ブラックジャック「……。」

――――――――――――

―暫くして…とある病院の一室―

母「………。」

看護婦「はい大田さーん、お熱はかりますねー。」

母「!!きゃあ!!なによあなた!!だれよ!!わたしにさわらないで!!」ジタバタ!!

看護婦「わ、おち、おちついてください!!」

母「へんたいー!!さわらないでー!!いやー!!」ジタバタ

看護婦「きゃー!!」

―――――――――

看護婦「あの部屋の大田さんには参ったわ…。」イテテ…

看護婦2「あー、あの痴呆の!!」

看護婦3「あの家の人預けっぱなしで一度も来ないものねぇ。」

看護婦2「ま、当然といえば当然よね。アレ…だもんねぇ。」

看護婦「はー、イテテテ…。」

ブラックジャック「…ピノコ、今日は何日だ?」

ピノコ「きょうは11がつ1にちなのよさ。」

ブラックジャック「……三ヶ月か…。」スクッ

ピノコ「ちぇんちぇーどこにいくの?」

ブラックジャック「回診さ。」ガチャッバタン

ピノコ「チョコかってきてねー!!」

ブラックジャック「やれやれ…。」フゥ…

―――――――――

ブラックジャック「失礼、この病院に大田という患者が入院してると思うのだが…。」

受付「突き当たりを右ですね。」

ブラックジャック「どうも。」
―――――――――

母「……。」

ブラックジャック「…どうも。」

母「…!!文彦(息子)!!文彦じゃないか!!」
ブラックジャック「!?」

母「あんたそんな傷だらけになって!!なにしてたんだい!!」

ブラックジャック「…………ごめんよ母さん、ちょっとフザケすぎちゃってね…。」

母「ほら!!手もこんなに冷たい!!まったくもう!!」

ブラックジャック「ハハ…、ごめんなさい母さん…。」

――――――――――――

ブラックジャック「ちょいとそこの看護婦さん。」

看護婦「はい、どうかなさいましたか?」

ブラックジャック「ここの患者の息子さんは様子見にきたりしてるかね?」

看護婦「大田さんの?…入院してきた日以来来てませんが…。」

ブラックジャック「…そうですかい。」スタスタスタ…

看護婦「?」


息子「おや、ブラックジャック先生…、わざわざ会社までなんの御用ですか?」

ブラックジャック「…もっと母親の様子を見にきたらどうですかね。」

息子「…わたしも忙しいんですよ、サラリーマンはあなたたちが考えるより大変なんですから…。」

ブラックジャック「そりゃわかりますがね、少しの時間くらいとれるでしょう。」

息子「…正直ね、めんどくさいんですよ。あの人の見舞いなんて。」

ブラックジャック「……。」

息子「嫁にすぐケチをつけるし俺をいつまでも子供と思っているし…、しかも痴呆ですよ。実際いなくてせいせいしてますよ。」

ブラックジャック「!!!!」ピシャッ!!

息子「!!」バキッ!!

息子「な、なにするんですか!!」

ブラックジャック「…あまりふざけたことを言いなさんな、あんた。」

息子「な、な!?」

ブラックジャック「あんたは誰から産まれたと思っていやがるんだ。」

息子「なんですかあんたは!!関係ないでしょう!!」

ブラックジャック「ああ、たしかにそうさ、ですが言わせてもらおう。あんたはあの人から生まれてきたんですぜ、あの人が血や肉を与えたからあんたは今ここで生きているんだ。」

息子「けっ!!偽善的なことばかり言いやがって!!」プルルル…

息子「!…電話か…。」

息子「私だ。ああ…。」

息子「なっ!?サエコが倒れた!?」

息子「わ、わかった!!すぐにむかう!!」

ブラックジャック「……。」

――――――――――――

医者「……残念ですが…この病は私の病院では対処できません…。」

息子「そ…そんな…。」

医者「ただ、ただ一人、この病を治せる医者が居ます。」

息子「!!…教えてください!!」

医者「……その医者は…。」

―ブラックジャック宅―

ブラックジャック「……。」

息子「…先生、サエコを…サエコを助けてください。ここに…三千万用意しました。」

ブラックジャック「……ふ…。」

息子「!」

ブラックジャック「フフ…フフフフ…ハハハハ…ハハハハ!!」

息子「せ…先生?」

ブラックジャック「ハハハハ…。」

ブラックジャック「……ふざけるな。」バサッ!!

息子「あ!!金が!!」

ブラックジャック「ピノコ…、この札束に火をつけて庭で燃やせ!!」

ピノコ「ほ…ほんとにすゆの!?」

ブラックジャック「はやく燃やしてこい!!」

息子「な!?」

ブラックジャック「…たしかにこの病。私しか治せないと自負している…。」

ブラックジャック「だが……あんたなんぞにはいくら金を積まれたとしても手術を受ける気はないね。」バンッ!!

息子「せ…先生…!」ドタッ

ブラックジャック「…土下座なんてみっともない真似はやめなさい。」

息子「お願いします!!サエコを!!サエコを!!」

ブラックジャック「………。」

息子「せ…せんせぇえ……おねがいします…せんせぇえ…。」


カルテ1「親子」 完

とりあえず第一話は終わりです。
まだまだ続きますが何ぶん未熟者なので拙い所があると思いますが悪しからずデス。

なるべくマンガ版ブラックジャックの感じを出せるようにしてます。
オムカエデゴンス!!

漫画版で治療を断った話ってあったっけ?
何か似たような感じで終わる話があったような記憶がなきにしもあらず

カルテ2『少年』

ブラックジャック「……。」ブロロロ…

男の子「(いまだっ!!)」ダッ!!

ブラックジャック「!!」キキー!!

ブラックジャック「なんてことしやがる…っ!!」ガチャッ!!

男の子「ちっ!!」

ブラックジャック「なんのつもりだ!!もう少しでひくところだったぞ!!」

男の子「…どうせならひいてくれればよかったのに……。」

ブラックジャック「そんなことになったら私が責任にとわれちまうよ!!」

男の子「どーせすぐに釈放されらぁ。」

ブラックジャック「ガキデカじゃあるまいしそううまく事は運ばんぞ。」

>>34
多分日本医師協会の会長の息子の手術だとおもいます

男の子「この遺書があっから大丈夫だよ。」

ブラックジャック「…随分用意周到じゃないか。」

男の子「さぁ!!俺はまた道路に出るから存分にひいてくれ!!」

ブラックジャック「ふざけるな!!わたしはガキの遊びに付き合ってる暇はないんだ!!」バタン!!

男の子「お、おい!!」

男の子「ち、だったら他の車でやってやるよ。」

車「ブロロロ…」

男の子「ヨォーシ!!」

男の子「!?」ガシッ!

ブラックジャック「……。」

男の子「な、邪魔するなよ!!はなせっ!!」ジタバタ

ブラックジャック「おまえさん、自殺の真似事はいい加減にしろよ。」

男の子「うるせぇな!!俺の勝手だろ!!」

ブラックジャック「わたしは医者でね!!どうも健康な人間が自殺なんてしようとしてると腹の奥がムカムカしてきやがるんだ!!」

男の子「うるせぇええ!!」ジタバタジタバタ

ブラックジャック「イテテテテ!!むちゃくちゃしやがる!!」ボコボコボコ!!

ブラックジャック「ふう、スマキ状態にしてやっとおとなしくなりやがった…。」

男の子「なんなんだよお前は!!」

ブラックジャック「さっきから言ってるだろう、医者だよ、医者。」

男の子「はんっ!!医者ね!!えらぶりやがって!!所詮金目的のゴウツク共が!!」

ブラックジャック「よくわかった、その通りだよ、わたしゃ金が欲しいんだ。」

男の子「なっ…。」ゼック

ブラックジャック「覚えときなボウヤ、わたしはブラックジャック。
世界で一番金にガメツイ医者だよ。」

男の子「…じ、自分で言うなんて変わったやつだな…。」

男の子「……なぁ、あんた医者なんだろ。」

ブラックジャック「……なんだ。」

男の子「……みてほしい奴が居るんだ。」

ブラックジャック「は、さっきまで死のうとしてた奴が何を言うやら。」

男の子「うるせー!!だまってみろってんだ!!」ジタバタジタバタ

ブラックジャック「つきあってられんね、帰らせてもらうよ。」スクッ

男の子「なっ!!ふざけるなー!!」

ブラックジャック「そりゃおまえさんだよ。」スタスタスタ…

男の子「ぐぬぬ……。」

男の子「だれかー!!たすけてくださいー!!ブラックジャックって言う医者に殺されるゥー!!」

ブラックジャック「」ギョッ!!

ブラックジャック「とんでもねぇガキだな本当に…。」

男の子「みてくれないってんなら叫び続けるぜ!!」

ブラックジャック「…本当になんて子供だこりゃ…ピノコがかわいくみえてくるぜ…。」

――――――――――――
―とあるアパート―

ブラックジャック「言っとくがわたしは見るだけだからな…。」

男の子「しつけぇなぁ、わかってるっての!!」

ブラックジャック「やれやれ…。」

男の子「ただいまー。」ガチャッ

妹「あ、おかえり…あんちゃん…。」コホコホ…

男の子「だ、だめじゃねぇか寝てないと…。」

妹「?…その人は?」

男の子「新しいお医者さんさ、お前を診てくれるぞ。」

ブラックジャック「………。」

ブラックジャック「さて…わたしは帰るかね…。」スタ…

男の子「な!?」

ブラックジャック「言っただろう、わたしは『見る』だけだと。」

男の子「んなっ!?ふざけるなよ!!またさっきの事を叫んでやろうか!!」

ブラックジャック「……やれやれ…なんでこんなめんどくさい事になりますかねぇ…。」

―――――――――
手塚「話が展開しないからとか言っちゃだめ、飯の食い上げですよぉ。」
―――――――――

ブラックジャック「ふむ…これは…。」

男の子「何かわかったのか?」

ブラックジャック「ヒョウタンツギだ。」

ヒョウタンツギ「プスー!!」

男の子「べらんめい邪魔だよ!!」

ヒョウタンツギ「プスー!!」ドカッ!!

ブラックジャック「とにかく詳しく診ないと断言できないがこれぐらいの病気そこら辺の医者で治せるレベルのもんだよ。」

男の子「そんなの知ってるよ。」

ブラックジャック「知ってると来やがるよ…。」

男の子「……妹の病気を治してくれよ。」

ブラックジャック「そいつは冗談がちとキツすぎるんじゃないか?
私は診るだけって話だぜ。」

男の子「うるせぇ!!手術しやがれ!!」シャキン!!

ブラックジャック「自殺しようとした次は人を殺そうとするなんてせわしないやつだな。」

男の子「うるせぇ、俺んちはなぁ…見ての通り貧乏だ。だから手術料なんか払うお金なんかない!!
とおさんもかあさんも必死こいて働いてるけど50万円なんて夢のまた夢なんだよ!!」

ブラックジャック「ふん、しったこっちゃないね。」

男の子「その為に生命保険を手に入れるため自殺しようとしたらアンタが邪魔したんだ…。
治すのは当然だろ!!」

ブラックジャック「……。」

男の子「はやくしろっ!!」シャキン!!

ブラックジャック「刃物を簡単に振るうもんじゃありませんぜ。」パンッ!!

男の子「!!」カラーン!!

ブラックジャック「どうしても手術してほしいのなら五千万用意するんだな!!」

男の子「ごっ…!?」

ブラックジャック「遺書書いて自殺するような馬鹿にも50万五千万どっちが多いかくらいわかるはずだぜ。」

男の子「ぐ…ぅう…。」

ブラックジャック「わかったらもうわたしにかかわりなさんな。」スタスタ…

ガチャッ…バタン

男の子「くっ…くそっ……。」

まだ途中ですけどもう眠気が限界なのでこれでとりあえず今日は終わりです。
すいません。

ではボチボチ投下していきます。
誤字脱字がありましたら知らせて貰えるとありがたいです。

―工場現場―

ドドドドド…

男の子父「よいしょっと!!」ドスン

男の子父「ひゃー、つかれるぜ…。」ハァハァ

主任「おい平子(男の子父)、お前にお客さんだぜ。」

男の子父「へ?」

――――――――――――

ブラックジャック「あなたが平子さんかね?」

男の子父「ハァ…どちらさまでしょうか?」

ブラックジャック「私はブラックジャック。医者だ。」

男の子父「お医者さまがなんの御用で…?」

男の子父「む、息子が粗相をしてしまったようで…すいません!!」ペコペコ

ブラックジャック「……お宅の娘さん……どこの病院に連れていったのですか。」

男の子父「え…?」

ブラックジャック「お宅の息子さんに頼まれてちょいと診断しましてね…気になることがあったものでね。」

男の子父「マルバツ町の瓶対(ガメツイ)総合病院ですけど…。」

ブラックジャック「ほー…。」ニヤリ…

―瓶対総合病院―

瓶対院長「オヤ、これは珍しい間じゃないか…。」

ブラックジャック「……。」

瓶対「おっと、今はブラックジャックって名でボロ儲けしてるんだってな!!」ガハハ!!

ブラックジャック「すまないがわたしは世間話をしに来た訳じゃないんだ。」

瓶対「まぁまぁ!!気にするな!!ちょっと外のレストランに行こうか、なに、お代は私が持とう!!」

ブラックジャック「……。」

修正

瓶対「オヤ、これは珍しい間じゃないか…。」を

瓶対「オヤ、これは珍しい、間じゃないか…。」に修正

―レストラン―

店員「ご注文はいかがなさいましょう。」

瓶対「特上サーロインをくれ。」

ブラックジャック「…カレーライスとコーヒー。」

店員「…ステーキ等もありますが…。」

ブラックジャック「カレーライスとコーヒー。」

店員「あ、付け合わせにポテト等は…。」

ブラックジャック「カレーライスとコーヒー!!!!」

店員「チェ、貧乏人め…。」

瓶対「はは、実に謙虚じゃないか間。」

ブラックジャック「わたしはいつもカレーライスとコーヒーと決めてるんだ。」

瓶対「君は医大ではトップクラスの成績だったのに…今では無免許モグリの医者だ、笑えるな。」ガハハ

ブラックジャック「…そんな話をしに来たんじゃないぞ…わたしは。」

瓶対「お、そうだったな、で、なんのようだ。」

ブラックジャック「平子っていう患者はわかるな。」

瓶対「平子……フム、たしかにそんな患者が居たような気もするな。」

ブラックジャック「わたしは縁があってその患者を診断してね…。」

瓶対「ほー…。」

ブラックジャック「その子の手術に50万も掛かると診断したらしいな。」

瓶対「……ああ、あの患者か、平子幸子(妹)さんか。」

ブラックジャック「あの患者、手術なんてする必要あったのかね。」

瓶対「……どういう意味だ。」

ブラックジャック「あの程度の病なら、投薬治療でもっと安くなるはずだぜ。」

瓶対「……。」

ブラックジャック「おまけにアンタのとこはジェネリック医薬品を扱ってるって話じゃないか。」

瓶対「手術の方が早くすむからお奨めしただけだよ。」

ブラックジャック「投薬治療の方は伝えたのかね。」

瓶対「…あたりまえだ。」

ブラックジャック「そりゃあ嘘だ。なんせあの患者の親御さんは投薬治療のことなんぞ聞いてないって話だぜ。」

瓶対「う、うるさいぞ、間!!モグリの分際でわたしの診断に口をだすな!!なりそこないの医者が!」

ブラックジャック「…あいにくわたしは肩書きには興味がないんだ。それに…。」

ブラックジャック「わたしは自分を世界一ガメツイと自負してるが、
患者を騙して金を食らうような真似は死んでもしたくないね。」

瓶対「か!!かえれっ!!このおたんこなすの法外野郎が!」

ブラックジャック「言われなくても…、お代はここにおいてきますぜ。
あんたのおごりの飯なんて食べたかない。」スクッ

店員「あ、あの、カレーライスとコーヒー今おもちいたしますが…。」

ブラックジャック「…あの男に投げつけときな。」スタスタスタ…

店員「え…。」

瓶対「く、くそっ!!あのモグリめ…っ。」ベチャッ!!

瓶対「アチ、アチチチ!!」

カレーデゴンス オムカエデゴンス

店員「へ、えへへへ…。」

瓶対「なにする!!」

店員「ギエー!!」ギュウ!!

―アパート―

男の子「ほ、本当に手術してくれるのか!?」

ブラックジャック「ああ、気が変わった。手術料は15万だ。それくらい用意できるだろう。」

男の子父「は、はい!!」

男の子母「ここにあります!!」

ブラックジャック「ではたしかに。」

男の子「で、でもなんで急に…。」

ブラックジャック「……さぁね、ただ言えるのは、わたしは世界一ガメツくて負けず嫌いって事かな。」


カルテ2「少年」 完

二話目終わりました。
タイトルは「少年」ですがあんまりタイトルがかかってない…。
本当は>>58の後少年が投身→ブラックジャックが発見→少年が死にかけながら妹を助けてくれと懇願→少年も少年の妹もブラックジャックが助ける→完
にしようかと思ったけど変更。理由はめんどくさいからって言うね…。
とりあえず微妙なおわりかたになっちゃいましたね…。

カルテ3「殺したのはだれだ!!」


男「……ここか…。」ガチャリ

男「すいません、どなたかいらっしゃいませんか…。」

???「…客か。」

男「…ここにくれば…殺してくれると聞いて…。」

???「……。」

男「俺を殺してください!!金はここに用意しました!!」

???「かえれ、わたしは自殺なんかの手伝いはしてないんだ。」

男「え…ええ!?」

???「この仕事は神聖なんだっ!!健常者の自殺の手伝いなぞせん!!かえれっ!!」ピシャッ!!

男「うわっ!!」ドカッ!!

バタンッ!!

男「まってください!!僕は病気なんです!!」

???「…。」

男「原因不明の病なんです!!…段々記憶が小さなころから消えていくって言う…。」

???「ほう…、とりあえず上がれ…。」ガチャッ

男「は、はいっ。あの、貴方のお名前は……。」

キリコ「キリコ…ドクターキリコだ、キリコと呼べ。」

男「僕の病は、ある日突然起こったんです…。」

「はじめは小学生時代の友達の名前がわからないくらいの事だったんです。」

「でも、段々ひどくなってきて、次第に家族の事もわからなくなってきたんです。」

「今では高校時代の思いでがなにもないんです。」

「そしてこのまえ…たまたま打ちを訪れた父を…父を…変質者と思って殴ってしまったんです…。」

男「お願いします!!殺してください!!お願いします!!」

キリコ「…わかった、この契約書にサインしろ。」

修正
「このまえ…たまたま打ちを~」を

「このまえ…たまたま家を~」に修正

バンバンバンバン!!

キリコ「…なんだやかましい、今日は客が多いな」ガチャッ!!

ブラックジャック「じゃまするぞキリコ」

キリコ「ブラックジャック、なんのようだ!!」

ブラックジャック「ここに私の患者が逃げてきたハズだっ!!」

キリコ「貴様の患者だと…?」

男「ひっ!!」

ブラックジャック「!!…やはりここに居たか!!」

男「うわぁあ!!」

キリコ「まて!!ブラックジャック!!こいつは俺の患者だぜ!!」バッ!!

ブラックジャック「キリコっ!!」

キリコ「死にたいと願う患者を死なせてやってこそ、救うほうこそ残酷じゃあないのかい!?」

ブラックジャック「ふざけるな!!わたしはそいつの親御さんに二千万の金を払ってもらったんだ!!」

キリコ「ククク、金のためなら死にたいと願う患者を無理にでも救うのか!!エゴイストめ!!」

ブラックジャック「エゴイストでもなんでもかまいやしないね!!わたしは引き受けた仕事をするだけさ!!さぁ!!そこをどけっ!!」

キリコ「そうはさせん!!」バキッ!!

ブラックジャック「ウ…ウム…っ!!」バタッ!!

キリコ「ハァ…ハァ…やっとおとなしくネンネしやがった…。」

キリコ「おいお前!!」

男「は、はい!!」

キリコ「こいつを外につまみ出せ!!」

キリコ「お前はそこのベットに寝ていろ」

男「は、はい。」

キリコ「さて…いま安楽死装置は修理に出してるんだ、一週間程度で返ってくる」

キリコ「その装置が返ってきたら即取り掛かる、覚悟しておけ」

男「は、はい」

キリコ「…わかったら今日はもうねろ」スタスタスタ…バタン!!

男「……。」

―ブラックジャック宅―

ブラックジャック「くっ…今日は酷いめにあった…イテテ!!」

ピノコ「しょーやってしゃべってゆとしみまちゅよ」ポンポン

ブラックジャック「…どうにかして彼の病の原因を突き止めでもしない限りキリコは諦めやしないか…」

ピノコ「ちぇんちぇーごはんでちゅよー」

ブラックジャック「ぶひぇぶっ!!」ポロポロ

ピノコ「マァそんなに泣いて…そんなにいたかったのかしや」

ブラックジャック「お前はいつになったらマトモなカレーライスが作れるんだ…。」ゲェー

―キリコの店―

キリコ「…あの男の事だ、かならず原因を突き止めるハズだ」

キリコ「……」

キリコ「さっさと装置が治ればいいが…」

キリコ「そもそも装置事態ブラックジャックのつれてきたガキのせいだと言うに…」

キリコ「……」

キリコ「…ブラックジャック……。」

次の日

男父「あのぅブラックジャック先生……せがれは…」

ブラックジャック「……お宅の息子さん……安楽死を考えてるようですぜ」

男父「なっ!?」

ブラックジャック「あんたを殴ってしまったのが余程心苦しかったらしい」

男父「あの馬鹿っ…」

ブラックジャック「とにかくわたしはこの病の原因を突き止めなきゃいけない…なにか…なにか気づいた事がないのですか」

男父「ウウム……」

ブラックジャック「なんでもいいんです!!あったときの事でも電話口でのことでも!!とにかく手掛かりがほしい!!」

男父「……ハッ!!そうだ!!電話!!電話か!!」

ブラックジャック「なにかあるんですかい?」

男父「ハイ、電話って単語で思い出しました!!」

ブラックジャック「社長…?」

男父「ハイ、あの日あいつは電話口で会社での話をしてたんです」

男父「どうにかして社長をメチャクチャにしてやると…」

ブラックジャック「メチャクチャ…ね…」

男父「詳しくは教えてくれなかったんですがね…」

ブラックジャック「フム…社長ね…」

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