アイギス「潜入捜査、ですか?」 (28)
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美鶴「ああ、東京都内で弱いシャドウ反応が見られた。早速だが今晩から向かって欲しい」
アイギス「しかし、シャドウ反応が弱いときは、順平さんが出向くことが多いのでは」
美鶴「その通りだ。で、昨日伊織を急行させたのだが」
アイギス「・・・失敗した、のですか?」
美鶴「そういうことだ」
アイギス「わかりました。伊織さんの尻拭いということですね」
美鶴「相変わらず理解が早くて助かる。潜入場所だが、アルコールも提供するような飲食店らしい」
アイギス「飲食店・・・ですか」
美鶴「私も詳しくは聞いていないのだが、レストランの類だろう」
アイギス「潜入となると、客として伺うのですか?」
美鶴「アイギスはふつうの食事はとれないだろう。給仕として潜入して欲しい。店には話を通してある」
アイギス「給仕ですか。給仕服ということでしたら、ゆかりさんの方がお似合いかもしれませんが」
美鶴「アイギスに何かあるようだったら、検討しよう」
アイギス「店主、よろしくお願いいたします」
店主「ええ、うちは構わないのですが、捜査に必要・・・なんですよね?
うちのお客さんなんてだいたい顔なじみなんだけど、殺人犯とかじゃないんですよね・・・?」
アイギス「ええ、そういった刑法犯の方を探しているわけではありません。ご安心ください」
店主「それならいいんですが・・・それで、実際にどうされるんですか」
アイギス「はい、臨時で雇った短期のアルバイト学生、という設定にしていただけないでしょうか」
店主「つまり、うちの仕事手伝ってくれるってこと?」
アイギス「はい、得意ではありませんが、頑張るであります」
女性「すいませーん、注文おねがいしまーす」
アイギス「お待たせいたしました。ご注文は何でしょうか」
女性「焼酎お湯割りのおかわりに、煮込みで!ってあら、見ない顔、そして美人!新人さんですか?」
アイギス「はい、今日からこちらでお世話になっています。アイです」
女性「アイちゃんかー。よろしくね」
アイギス「あなたのお顔や声はバッチリメモリーさせていただきます」
女性「嬉しいけど、できれば男性に言われたいわね・・・」
アイギス「焼酎と煮込み、少々お待ちください」
アイギス「店長、焼酎お湯割りと煮こ・・・!」
店主「?アイちゃん?」
アイギス「いえ、なんでもありません、焼酎お湯割りと煮込み入ります」
(一瞬、何かの気配が・・・シャドウというよりは影人間のような・・・
いずれにせよ、これは美鶴さんに報告であります)
アイギス「・・・というわけであります」
美鶴「そうか、ご苦労だった。アイギスでも迷うような話となると山岸を連れていく方がいいか」
アイギス「風花さんでありますか?あの店舗のサイズで急にバイトが2名も増えるのはさすがに怪しまれるかと」
美鶴「いや、風花は客として行かせよう。明彦をボディーガードに付ければ問題ないだろう」
アイギス「なるほどなー」
美鶴「しかし客として行かせるとなると・・・席をリザーブしておく方がいいな」
アイギス「確保しておきます」
美鶴「ああ、宜しく頼む」
アイギス「というわけで私の友人が2人来るのですが、リザーブしていただけますでしょうか?」
店主「お客さん連れてきてくれるなんて助かるなあ。ほんとうにうちのバイトだったらいいのになあ。2人ね、とっておくよ」
アイギス「ありがとうございます」
店員「ラッシャッセー ゴヨヤクノオキャクサマゴライテンデース」
アイギス「いらっしゃいませ」
明彦「おう、やってるな、アイギス」
風花「お疲れ様。疲れてない?」
アイギス「大丈夫です、どうぞこちらへ」
風花「桐条先輩からの説明を聞いて、てっきりレストランかと思いました。居酒屋なんですね」
明彦「こんなことだろうと思ったさ。美鶴の辞書には居酒屋なんて言葉はないからな」
アイギス「お通しの、ホウレン草の胡麻和えです」
明彦「一応、怪しまれない程度に、ふつうの食事を摂る体裁でいないといけないな。とりあえず俺はビールにしよう。山岸は何にする?」
風花「え、それじゃあカシスオレンジでお願いします」
明彦「さて、一応、客として振舞おう。とりあえず乾杯だ」
風花「は、はい」
「「かんぱーい」」ゴクゴク
明彦「ふぅ、さすがに空きっ腹に染みるな」
風花「そうですね。ところで真田先輩はお酒、飲まれるんですね?」
明彦「ああ、意外だったか?」
風花「ボクサーの方は、アルコールは禁忌なのかと思ってました」
明彦「確かに、スパーリング後や試合後などは厳禁だ。忘年会すらアルコールなしでやるジムもあるくらいだしな。しかし、タイミングと量を選べば問題ない」
風花「そういうものなんですね、あ、真田先輩、注文どうしましょうか」
明彦「とりあえずは肉だな、串盛り合わせでも頼むか」
風花「」クスッ
明彦「?何が可笑しい…?」
風花「いえ、やっぱり真田先輩はお肉からなんだなあって。でも、お野菜も食べないと荒垣先輩に叱られますよ」
明彦「クッ、後輩に諭されるとはな…。まあ確かにシンジに笑われるか。山岸、なにかサラダを頼もう。メニューは任せる」
風花「♪わかりました!」
明彦「ま、待て!」
風花「?」
明彦「で、出来ればニンジンの入っていないもので頼む!」
◆暫く飲食が進み・・・
アイギス「お待たせしました、豚平焼きです」
明彦「おお、旨そうじゃないか」
アイギス「!」
風花「どうしたの?アイギス」
アイギス「センサーが反応しました」
明彦「いるのか?」キョロキョロ
アイギス「この室内にはいません、上、でしょうか」
風花「アイギス、ここのお手洗いって広い?」
アイギス「はい、お化粧直しをする女性のために広めのつくりです」
風花「私、ちょっと行ってきます」トテテテ
風花「うわ、やっぱりお手洗いじゃちょっと狭いかな…でもしょうがないよね…ユノ!」
ボワーン
ユノ(うわ狭い)
風花「サーチ!・・・これは…人?人間!?」
明彦「そういえばここの上のフロアは何が入ってるんだ?店は1階だけだな」
アイギス「普通のオフィスが入居しているであります」
風花「…なにか聞こえる?」
??『...じゃ後は...せた...ミィ...』
風花「男の人の声?」
風花『真田先輩、聞こえますか!』
明彦「ああ、どうした?」
風花『怪しい反応が階段を降りてきます!』
明彦「数は?」
風花『目標1体、人間のようです』
アイギス「私も同行しましょう!」
明彦「いや待て、敵が複数だった場合、この店の防衛戦になる。アイギスはここで待機だ」
アイギス「わかりました、ではフロア業務に戻ります」
明彦「それじゃここは頼んだ!」ダッ
アイギス「・・・お待たせいたしました、お客様。はい、本日の焼き物は、エボダイが入っています...はい、ありがとうございます」
明彦「山岸、階段の下に来た、足音が聞こえるが」カツーンカツーン
風花『はい、あと10秒で接触します。真田先輩、くれぐれも慎重にお願いします』
明彦「わかっている」
明彦(来た!)
??「私の事務所の下にいる、ということは、うちのアイドルたちの出待ちかな?」
明彦「あ、アイドル?」
??「うーん、アイドルのことを知らないということは、違うようだね。その顔は、私に用なのかな?」
明彦(な、なんだこの男は・・・真っ黒だ。表情も伺えない・・・シャドウを思わせる黒さだが・・・違うのか?)
??「はっはっは、さては私の顔がよく見えなくて戸惑っているのかな?名乗るのが遅くなったね。
私はこの上で小さい芸能事務所をやっている、こういうものだ」
明彦「高木・・・順二朗・・・」
高木「小さいとはいえ、かよわいアイドルがいる芸能事務所だ。あまりウロウロとされていると、警察を呼ばなければならないのだがね」
明彦(どうやら高木氏はこの様子だと、シャドウでも影人間でもないな、しかしこの感覚は・・・)
高木「キミィ、事情を話して貰えないかな?」
明彦(俺の勘が、この男は大丈夫だと言っている、ならば・・・)
「・・・影人間、というのをご存じでしょうか?」
高木「影人間?ああ、何年前だったかねぇ。そういう事件があったねえ。最近はめっきり聞かなくなったが」
明彦「実は、この近隣で、影人間、またはそれに類する目撃情報、というか反応が見られまして、調査をしています」
高木「・・・ということは君は研究機関か・・・いや、公安の人間かな?」
明彦「それはお答えしかねます」
高木「いいだろう。嘘だとしたらあまりに突飛過ぎる。そしてキミの目は、信用に値するよ」
明彦「え」
高木「これでも私は、人を見る目には自信があってねぇ。君は信じるに値する、そう感じたんだ」
明彦「あ、ありがとうございます」
高木「ただ、この階段より上に立ち入っていただくのはちょっとまずいねぇ」
明彦「・・・わかりました」
高木「それじゃ私は失礼するよ」スタスタ
ガラッ
風花「真田先輩、お疲れ様です」
明彦「ああ。山岸は状況を理解しているみたいだな」
風花「はい。ユノで先ほどまでモニタリングしていましたから」
明彦「あの高木という男性、本当に真っ黒な男性だったが、彼がシャドウなり影人間に近い
雰囲気を醸し出していた、というところか」
風花「そうですね。反応は彼そのものだったので間違いないです」
明彦「これで打ち止めということだったら、問題なしで任務完了なんだがな」
風花「今のところ、近辺にそれらしい反応はありません」
明彦「まあシャドウはシャドウを呼ぶ、という傾向もある。もう暫く様子を見よう」
風花「はい、実は追加の注文を頼んでおきました!」
明彦「用意がいいじゃないか」
風花「実はこの写真に写ってる、アボカドとポテトのクリーミーグラタンっていうのが美味しそうだなって思ったので・・・」
明彦「栄養満点で旨そうな、いいチョイスじゃないか。グッジョブだ!それじゃ飲み物も頼むとしよう」
アイギス「お待たせしました、アボカドとポテトのクリーミーグラタンです、あとドリンクが、銀色の王女と、My wishですね」
風花「わー、このカクテル、綺麗!」
明彦「むぅ、このカクテルも女性向けだったか?」
アイギス風花「「!」」
風花「アイギス?」
アイギス「はい、感じました」
明彦「ど、どうした!?」
アイギス「上の階から強い負のエネルギーです」
風花「階段を降りてきます」
明彦「ユノを召喚しなくても、風花が感じられる強さだと!?」
アイマスか。
居酒屋はだるき亭か。
アイギス「何か聴こえます、解読を試みます・・・
『はるxはなxてベタすxx、はxxこ、ちはゆき、いおひx・・・無限の可能性が私にはある・・・』
明彦「なんだそれは、呪文かなにかか?」」
風花(これって・・・カップリングの話なのかしら・・・?)「あ、お店の前に立ち止まりました!」
明彦「何!?」
ガラッ
店員「ラッシャッセー」
風花「え、女性?」
店主「あれー小鳥ちゃん、今日も来たの?」
小鳥「店長ー!ちょっと煮詰まっちゃって・・・」
店主「まだ同人誌ってやつのテーマが決まらないのか?綺麗どころを毎日目にしていると、
なかなか迷っちゃうもんなのかな?」
アイギス「あの・・お席にご案内し「あーアイちゃん!今日も入ってたのねーちょっとおねえさんの話聴いてよー!」
明彦「アイちゃん?」
風花「アイギス、知り合いなの?」
アイギス「え、ええ、昨日もいらっしゃったおky「あらその美男美女もアイちゃんの友達なの?ちょっと一緒に聴いてよ!」
アイギス「あ、あの、店主・・・」
店主「あちゃー、今日の小鳥ちゃん、荒れてるな・・・また仕事しながら飲んでたのかなあ。ちょっと相手してあげてくれるかなぁ」
◆1時間後
店主「それじゃ運転手さん、この子、いつものマンションまで乗せてってください」
運転手「はい、わかりました」
小鳥「zzz」
アイギス「彼女が眠ったら、シャドウ反応が完全に消失しましたね」
風花「ここの上のオフィスって765プロの事務所だったのね」
明彦「女性同士とか男性同士とか、アブノーマルなイラストばかり見せられて、苦行だったぞ」ゲッソリ
アイギス「私にはそういった感情がないので、問題ありませんでしたが、風花さんもクールに対応していましたね。むしろノリノリだったようですが」
風花「えっ!?まあそれはいいから。それより、結局小鳥さんの、内面のドロドロしたものが、
シャドウ反応として表に出てしまっていた、ということなんでしょうか」
アイギス「ええ、彼女とシャドウ反応の位置は完全に一致していましたし、眠りについてその反応が消えたのは、証左と言えるでしょう」
明彦「どうやら本日は、一件落着、かな」
風花「あ、もうこんな時間!?」
明彦「山岸、送って行こう」
アイギス「私は今日一杯、お店のクローズまではこちらにいますので、お先にどうぞ」
風花「そう?それじゃアイギス、先に帰るね」
明彦「あとは頼んだぞ」
ガラッ
アイギス「店主、2日間お世話になりました」
店主「いえ、こちらこそ。あの・・・うちの店はおチカラになれたのでしょうか・・・?」
アイギス「はい、大変助かりました。ご協力感謝します。それでは失礼します」
ガラッ
高木「いやあ参った、重要な書類を事務所に忘れてしまうとは・・・
おや、たるき亭さんが・・・ちょうどお店を閉めるところか。
ん・・・?なんだあの女性は?」
アイギス「それでは店主、こちらで結構ですので」
高木「ティンと来た!キミ、うちでアイドルになってトップを目指さないかね?」
以上、おしまいです。
>>19
そのとおり。
但しカクテルメニューとフードメニューの一部は、明日から秋葉原のアイマスカフェでご賞味いただけます。
なんだかんだでアイギスのナンパ勝負に乗るくらいだから、明彦もそれなりに女子に興味があるわけで・・
(但し女子を掴む会話力皆無)
女子との会話が捗らないとドルオタになりやすかったり・・・とかの設定があったらイヤですね。
いずれ後日談を書くかもしれませんが、一旦このスレはHTML依頼に出します。
ありがとうございました。
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